JP4354670B2 - コンクリート打設仮枠パネル用釘とそれを用いた施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として鉄筋コンクリート建物の基礎立上がり部分や壁面、あるいは、上階と下階間の床面、梁、天井等を仮枠のストレート釘(以下単に「釘」という)使用組付けによって、現場打ちコンクリートで構築する際に使用するコンクリート打設仮枠パネル用釘とそれを用いた施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の現場打ちコンクリートによる床面の構築の様子を図11〜図15に示す。数m2のコンクリート打設仮枠パネル(通称コンパネ、本発明ではパネルと略記)の多数枚によってコンクリート打設用の平滑面を形成するに際し、該パネル間を連結状態にしたり、上方の打設コンクリート圧に耐えるように、図11のようにパネル10の下方に仮固定部材(根太)11が支柱12等によって支持されて配置されている。パネル10は、図12のように動きを規制し、平面状態を維持するためや、荷重強度を高めるために仮固定部材11へ釘13によって固定される。その後、図13に示すように、コンクリート14の打設固化が行われる。
【0003】
コンクリート14の打設後、養生固化期間を終えると、支柱等が取り払われ、図14にみられるように、パネル10とその下方の仮固定部材11が解体される。パネル10には釘13が残っているので、図15に示すように抜き取られている。これによって、図16にみられるように、パネル10には釘頭と釘本体とからなる釘痕15や抜工具による傷が、パネル表面に残ることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この釘痕15とか抜工具による傷は、パネル再使用時に打設コンクリートの浸入等を招き、コンクリート固化後の仕上がり面を悪くする難点がある。また、釘13の抜き取り時のパネルの傷みも加わって、パネルの再使用回数を少なくする要因となっていた。加えて、釘13の抜き取り作業に手間が掛かるし、釘踏み等の危険を伴うものであった。
【0005】
そこで本発明者は、釘の使用によるパネルの再使用回数、すなわち寿命を損なうことが少なく、コンクリート固化後の仕上がり面が良好となり、釘の除去作業が楽なコンクリート打設仮枠パネル用釘とそれを用いた施工方法について検討した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を検討した結果、釘頭と釘本体及びその端部の尖端部とからなるストレート釘において、釘本体へ釘頭から組付ける仮枠のパネル厚に略相当する位置へ可曲折分離部を設けたことを特徴とするコンクリート打設仮枠パネル用釘とした。ここにいう可曲折分離部とは、釘の基部側釘頭から尖端部方向に仮枠のパネル厚程度隔てて設けた、釘本体外周からの凹み、凹溝、貫通孔、又は熱処理の何れか、又は、これらの組合わせであって、釘本体側に打撃力又は負荷を掛けると折れて分離してしまう部分をいう。特に、凹溝の場合、釘本体の太さ1.8〜2.8mmφのもので0.1〜0.3mm深さに形成するのが好ましい。熱処理とは可曲折分離部付近を700〜1000℃で加熱処理後急冷して焼入れることにより釘本体の他の部分よりも脆化し剪断強度を低くしたり、逆に可曲折分離部以外を熱処理によって剛性を高めて、釘本体側に打撃力又は負荷を掛けるとこの部分から折れて分離し易い性質とした部分をいう。
【0007】
このコンクリート打設仮枠パネル用釘を用いた施工方法は、組付ける仮枠をパネル側から釘止めするに際して該パネル厚に略相当する釘本体位置へ可曲折分離部として釘本体外周からの凹溝を設けたストレート釘を用いて仮枠を構築する工程と、該仮枠によりコンクリート打設固化する工程と、コンクリート固化後の仮枠解体時又は解体後にパネルに打込まれた状態で残留する多数の前記釘本体側に打撃力又は負荷を掛けて可曲折分離部から基部釘頭側をパネル中に残して釘本体を切断除去してパネルを回収する工程の繰り返しによりコンクリートの打設を行うことを特徴とする。パネルへ基部の釘頭側が残って釘痕が埋まった状態となると共に、従来のように抜工具による傷も生じないので、パネルを再使用してもコンクリート固化後の仕上がり面が良好となる。更に、単にハンマー等で釘本体側を打撃するだけで折れるので、軽作業で尖端部を有する釘本体を除去することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のコンクリート打設仮枠パネル用釘の正面図である。このコンクリート打設仮枠パネル用釘1はごく一般のストレート釘であって、その釘頭2と釘本体3及び、その端部の尖端部4とからなる釘の釘本体1へ可曲折分離部5を設けている。可曲折分離部5は、釘の基部側釘頭2から尖端部4方向に仮枠のパネル厚程度隔てて設けている。図1中に拡大図で示すように、釘本体外周からの凹溝として設けている。本実施例では、鋼製の釘本体長38mm、釘本体径が2.1mmφ、釘頭径が5.2mmφ、釘頭2から尖端部4方向に仮枠のパネル厚である11mmだけ隔てて可曲折分離部5の凹溝を深さ0.15mmになるよう線刻している。
【0009】
次に、このコンクリート打設仮枠パネル用釘を用いた本発明の施工方法について図2〜図9によって説明する。まず、図2のように前記従来例同様パネル10の下方に仮固定部材(根太)11を支柱12等によって支持配置する。その後、パネル10を図3のように本発明のコンクリート打設仮枠パネル用釘1の打込みによって仮固定部材11へ固定する。この状態で図4に示すように、コンクリート14の打設固化が行われる。
【0010】
打設したコンクリート14の養生固化期間を終えると、支柱等が取り払われ、図6にみられるように、パネル10とその下方の仮固定部材11が解体される。図7にみられるようにパネル10には本発明のコンクリート打設仮枠パネル用釘1が多数、例えばパネル1枚当たり60〜70本も残っているが、ハンマー等で釘本体3側を打撃して力Pを加えるだけで、図8にみられるように、可曲折分離部5から容易に折れて取り除かれる。
【0011】
これによって、可曲折分離部から基部の釘頭2側がパネル10内に残った状態で尖端部4を有する釘本体3が除去される。そこで、図9にみられるように、パネル10へ基部の釘頭2側が残って釘痕が埋まったままの状態となり、パネル10の表面が無傷の状態と同様になる。図10は基礎立上り部分の施工に使用した例を示す部分斜視図である。パネル10に対して多数本の本発明のコンクリート打設仮枠パネル用釘1を使用している。この例でも同様な使用態様が可能である。
【0012】
【発明の効果】
本発明のコンクリート打設仮枠パネル用釘とそれを用いた施工方法によると、前回使用後に釘頭側が残って釘痕が埋まったままの状態となることや、従来のように釘抜工具による傷も生じ難いので、パネルの再使用回数、すなわち寿命を長くすることができる。このことにより、森林資源の保護が可能となる。
【0013】
また、同様に釘痕が埋まったままの状態となるので、パネルを再使用してもコンクリート固化後の仕上がり面が良好である。
【0014】
更に、釘の除去作業が従来よりも能率的であると共に、釘の除去作業その他パネルに尖端部を有する釘本体が残った状態での作業が減少するので、釘踏み事故が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート打設仮枠パネル用釘の正面図である。
【図2】本発明の施工方法を示す要部断面図である。
【図3】本発明の施工方法を示す要部断面図である。
【図4】本発明の施工方法を示す要部斜視図である。
【図5】仮枠解体時の要部断面図である。
【図6】仮枠解体時の要部断面図である。
【図7】解体されたパネルの要部断面図である。
【図8】解体されたパネルの釘本体を除去時の要部断面図である。
【図9】解体されたパネルの部分斜視図である。
【図10】基礎立上り部分の施工に使用した例を示す部分斜視図である。
【図11】従来の施工方法を示す一部断面図である。
【図12】従来の施工方法を示す一部断面図である。
【図13】従来の施工方法を示す一部断面図である。
【図14】従来の仮枠解体時の一部断面図である。
【図15】解体されたパネルの一部断面図である。
【図16】解体されたパネルの部分斜視図である。
【符号の説明】
1 コンクリート打設仮枠パネル用釘
2 釘頭
3 釘本体
4 尖端部
5 可曲折分離部
10 パネル
11 仮固定部材
12 支柱
14 コンクリート
Claims (2)
- 釘頭と釘本体及びその端部の尖端部とからなるストレート釘において、釘本体へ釘頭から組付ける仮枠のパネル厚に略相当する位置へ可曲折分離部として釘本体外周からの凹溝を設けたことを特徴とするコンクリート打設仮枠パネル用釘。
- 組付ける仮枠をパネル側から釘止めするに際して、該パネル厚に略相当するストレート釘本体位置へ可曲折分離部として釘本体外周からの凹溝を設けた釘を用いて仮枠を構築する工程と、該仮枠によりコンクリート打設固化する工程と、コンクリート固化後の仮枠解体時又は解体後にパネルに打込まれた状態で残留する多数の前記釘本体側に打撃力を加えるだけで可曲折分離部から基部釘頭側をパネル中に残して釘本体を切断除去してパネルを回収する工程との繰り返しによりコンクリートの打設を行うことを特徴とするコンクリート打設仮枠パネル用釘を用いた施工方法。
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