JP4354104B2 - バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置 - Google Patents

バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4354104B2
JP4354104B2 JP2000284308A JP2000284308A JP4354104B2 JP 4354104 B2 JP4354104 B2 JP 4354104B2 JP 2000284308 A JP2000284308 A JP 2000284308A JP 2000284308 A JP2000284308 A JP 2000284308A JP 4354104 B2 JP4354104 B2 JP 4354104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomass
gasification
combustion
chamber
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000284308A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002088379A (ja
Inventor
君代 徳田
彰 橋本
正康 坂井
敏之 竹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2000284308A priority Critical patent/JP4354104B2/ja
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to BR0104703-5A priority patent/BR0104703A/pt
Priority to AU34167/01A priority patent/AU755244B2/en
Priority to KR1020017013864A priority patent/KR100590973B1/ko
Priority to EP01906286A priority patent/EP1205532A4/en
Priority to IDW00200102311A priority patent/ID30387A/id
Priority to US09/959,506 priority patent/US6991769B2/en
Priority to PCT/JP2001/001390 priority patent/WO2001064819A1/ja
Priority to CNB018003605A priority patent/CN1228420C/zh
Priority to HU0200907A priority patent/HU227714B1/hu
Priority to NZ514823A priority patent/NZ514823A/xx
Priority to CA2368496A priority patent/CA2368496C/en
Priority to MYPI20010875A priority patent/MY138302A/en
Priority to NO20015245A priority patent/NO20015245L/no
Publication of JP2002088379A publication Critical patent/JP2002088379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4354104B2 publication Critical patent/JP4354104B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バイオマスを燃焼し、その燃焼により生成される燃焼ガスを熱源としてバイオマスをガス化するバイオマスガス化装置に関するものである。また、この発明は、前記バイオマスガス化装置により生成された合成ガスからメタノールを合成するバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のバイオマスガス化装置は、バイオマス(たとえば、草木類)を部分酸素ガス化するものである。詳しくは、下記式(1)のバイオマスの発熱反応(燃焼反応)と、下記式(2)のバイオマスの吸熱反応(熱分解反応)とを、1つのチャンバー中において、共存反応させて、バイオマスをガス化するものである。なお、前記共存反応により得られるガス性状としては、すなわち、合成ガスの各ガス成分の構成比は、CO/H2 /CO2 (モル比)=0.9〜1.0/1.8〜2.2/≒1が好ましい。
【0003】
CH2 O+1/2O2 →CO2 +H2 …式(1)
CH2 O→CO+H2 …式(2)
ただし、バイオマス(Cm 2 n )の代表的性状としては、CH2 Oで表示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記バイオマスガス化装置は、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とを1つのチャンバー中において共存反応させるものであるから、下記の課題がある。
【0005】
すなわち、前記共存反応を達成させて所望のガス性状を得るためには、相反する発熱反応と吸熱反応とを速やかに起こさせ、かつ、制御する必要がある。このためには、発熱(燃焼)、吸熱(熱分解)の観点から、バイオマスを微細粒子(数十ミクロンオーダー)とする必要がある。しかしながら、繊維状であるバイオマスの微細粒子化は、粉砕機械的にも限界があり、かつ、粉砕動力源単位が大であるという課題がある。また、バイオマスの微細粒子化の程度によっては、バイオマスの微細粒子の貯蔵、排出、輸送、供給などの粉体ハンドリングシステムが複雑となり、場合によっては、困難な場合がある。
【0006】
相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とを、同時にかつ複合的に行う必要があるので、制御が複雑となる。
【0007】
前記バイオマスガス化装置をメタノール製造装置に使用すると、同じく、制御が複雑となる。
【0008】
この発明は、バイオマスを微細粒子化する必要がなく、かつ、制御が簡単であるバイオマスガス化装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、この発明は、バイオマスを微細粒子化する必要がなく、かつ、制御が簡単であるバイオマスガス化装置を使用することにより、制御が簡単であるメタノール製造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、バイオマスを燃焼する燃焼空間と、バイオマスをガス化するガス化空間とがそれぞれ分離されていて、かつ、燃焼空間とガス化空間とが別個に設置された燃焼チャンバー中とガス化チャンバー中とに設けられており、そのガス化チャンバー中に反応管が配置されており、その反応管中にガス化空間が形成されており、ガス化チャンバーの内側と反応管の外側との間に燃焼ガス供給路が設けられており、その反応管に燃焼ガスを燃焼ガス供給路から反応管中に均一に供給する透孔が設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2にかかる発明は、バイオマスを燃焼する燃焼空間と、バイオマスをガス化するガス化空間とがそれぞれ分離されていて、かつ、燃焼空間とガス化空間とが別個に設置された燃焼チャンバー中とガス化チャンバー中とに設けられており、そのガス化チャンバー中に反応管が配置されており、その反応管中にガス化空間が形成されており、ガス化チャンバーの内側と反応管の外側との間に燃焼ガス供給路が設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項3にかかる発明は、バイオマスを燃焼する燃焼空間と、バイオマスをガス化するガス化空間とがそれぞれ分離されていて、かつ、燃焼空間とガス化空間とがそれぞれ分離された状態で同一チャンバー中に設けられており、その同一チャンバー中に反応管が配置されており、その反応管中にガス化空間が形成されており、その同一チャンバーの内側と反応管の外側との間に燃焼ガス供給路が設けられており、反応管に燃焼ガスを燃焼ガス供給路から反応管中に均一に供給する透孔が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
この結果、請求項1、2、3にかかる発明は、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とを、それぞれ分離させた燃焼空間中とガス化空間中とにおいて、それぞれ行うことができる。このために、相反する発熱反応と吸熱反応とを速やかに起こさせるために、バイオマスを微細粒子(数十ミクロンオーダー)とする必要がない。特に、ガス化用のバイオマスの粒子の大きさは、たとえば、数ミリオーダー好ましくは1mm以下で充分である。
【0014】
また、請求項1、2、3にかかる発明は、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とをそれぞれ個別に制御することができるので、制御が簡単である。
【0015】
特に、請求項にかかる発明は、燃焼ガスが反応管中に均一に供給されることにより、その反応管中においてバイオマスが均一にガス化される。このために、バイオマスのガス化の効率が向上される。
【0016】
また、請求項にかかる発明は、反応管中のガス化空間と燃焼ガス供給路とが隔離されているので、反応管中には、蒸気のみのガス化剤を供給し、酸素などの酸化剤を必要としない。また、燃焼チャンバー中の燃焼空間において燃焼用バイオマスを完全燃焼させてクリーンな燃焼ガスを反応管中のガス化空間に供給することができる。さらに、燃焼用バイオマスの性状とガス化用バイオマスの性状とが大幅に異なっていても特に問題がない。
【0017】
さらに、請求項にかかる発明は、燃焼空間とガス化空間とがそれぞれ分離された状態で同一チャンバー中に設けられているので、バイオマスガス化装置の全体構成が簡素化される。また、燃焼ガスが反応管中に均一に供給されることにより、その反応管中においてバイオマスが均一にガス化される。このために、バイオマスのガス化の効率が向上される。
【0018】
また、請求項にかかる発明は、燃焼空間にカーボンやスートの生成を抑制するための蒸気を供給するラインが設けられている、ことを特徴とする。
【0019】
この結果、請求項にかかる発明は、カーボンやスートの弊害を最小限に抑えることができる。
【0020】
また、請求項にかかる発明は、ガス化空間に酸素が除かれた蒸気を供給するラインが設けられている、ことを特徴とする。
【0021】
この結果、請求項にかかる発明は、反応管中のガス化空間と燃焼ガス供給路とが隔離されているタイプにおいて、酸素が除かれた蒸気を供給することにより、CO2 の生成による弊害を抑制することができる。
【0022】
また、請求項にかかる発明は、燃焼空間に熱回収手段およびまたは除塵手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0023】
この結果、請求項にかかる発明は、燃焼空間中において燃焼された燃焼ガスを熱源としてガス化空間中に供給するタイプにおいて、燃焼空間中の熱を回収することができ、およびまたは、燃焼空間中の飛散バイオマスや灰などを除塵することができる。
【0024】
また、請求項にかかる発明は、燃焼ガス供給路に燃焼ガス排気ラインが設けられており、その燃焼ガス排気ラインに熱回収手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0025】
この結果、請求項にかかる発明は、燃焼ガス排気ライン中の熱を回収することができる。
【0026】
また、請求項にかかる発明は、燃焼ガス供給路に燃焼ガス排気ラインが設けられており、その燃焼ガス排気ラインと反応管との間に未反応のガス化用バイオマスを回収する手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0027】
この結果、請求項にかかる発明は、未反応のバイオマス粒子による下流(後流)機器への悪影響を防止することができ、しかも、供給したバイオマスを完全にガス化することができる。
【0028】
また、請求項にかかる発明は、ガス化空間に生成ガス排気ラインが設けられており、その生成ガス排気ラインに熱回収手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0029】
この結果、請求項にかかる発明は、生成ガス排気ライン中の熱を回収することができる。
【0030】
また、請求項10にかかる発明は、燃焼チャンバーに燃焼用バイオマスを供給するための開口部が設けられており、その供給開口部に開閉蓋が開閉可能に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0031】
この結果、請求項10にかかる発明は、燃焼チャンバーとガス化チャンバーとが別個に設置されたタイプにおいて、燃焼用バイオマスが粒子ではなくある程度の大きさのもの、たとえば、数十mmオーダーの木材チップであっても使用できる。
【0032】
また、請求項11にかかる発明は、バイオマスガス化装置と、メタノール合成装置とが具備されており、前記バイオマスガス化装置は、前記請求項1〜10のうちの1つに記載されたものであり、前記メタノール合成装置は、加圧室と、触媒室と、メタノール回収室とから構成されており、前記バイオマスガス化装置からの前記加圧室および前記触媒室および前記メタノール回収室中に導入された合成ガスを所定圧力下において加圧し、前記触媒室の触媒反応により前記合成ガスをメタノールに合成し、前記メタノールを前記メタノール回収室において液化され、液化メタノールを回収すると共に残留ガスをパージする、ことを特徴とする。
【0033】
この結果、請求項11にかかる発明は、メタノール合成装置におけるメタノールの合成がバッチ方式であるから、単位触媒量に対するガス量(S/V比)が大である。すなわち、合成ガス中のH2 、COを有効にメタノール(CH3 OH)に合成することができる。また、メタノールの合成(メタノールガス生成)と液化とが同一装置中において同時に行うことができる。さらに、連続方式のメタノール合成装置と比較して、合成ガスの循環ラインなどが不要となる。その分、構造や制御が簡単となる。
【0034】
また、請求項12にかかる発明は、バイオマスガス化装置とメタノール合成装置との間にバッチ方式のメタノール合成装置の合成ガス導入、メタノール合成、液化、回収の工程中において、バイオマスガス化装置からの合成ガスを貯留する貯留タンクが配置されている、ことを特徴とする。
【0035】
この結果、請求項12にかかる発明は、メタノール合成装置がバッチ方式であり、一方、バイオマスガス化装置が連続運転により合成ガスを連続的に生成するものであるが、バイオマスガス化装置からの合成ガスを貯留タンク中に一旦貯留することにより、メタノール製造装置全体として連続運転が可能となる。
【0036】
また、請求項13にかかる発明は、触媒室に加熱手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0037】
この結果、請求項13にかかる発明は、触媒室の加熱手段とバイオマスガス化装置の燃焼ガス排気ラインとを接続することにより、バイオマスガス化装置の排熱を再利用することができる。
【0038】
また、請求項14にかかる発明は、メタノール回収室に冷却手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0039】
この結果、請求項14にかかる発明は、メタノール回収室の冷却手段とバイオマスガス化装置の熱交換器とを冷却水の戻しラインを介して接続することにより、メタノール合成装置の冷却水を再利用することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかるバイオマスガス化装置の実施形態のうちの3例、および、この発明にかかるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置の一実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこのバイオマスガス化装置、および、バイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置が限定されるものではない。
【0041】
(実施の形態1の構成)
図1は、この発明にかかるバイオマスガス化装置の実施の形態1を示す説明図である。図において、1および2はそれぞれ別個に設置された燃焼チャンバーおよびガス化チャンバーである。前記燃焼チャンバー1中には、燃焼空間3が設けられている。一方、前記ガス化チャンバー2中には、ガス化空間4が設けられている。
【0042】
前記ガス化チャンバー2中には、耐熱材料で構成された反応管5が配置されている。その反応管5中には、前記ガス化空間4が形成されている。前記ガス化チャンバー2の内側と反応管5の外側との間には、燃焼ガス供給路6が設けられている。前記反応管5には、燃焼ガス7(図中、実線矢印にて示す)を前記燃焼ガス供給路6から前記反応管5中に均一に供給する透孔8が多数個設けられている。前記ガス化チャンバー2および前記反応管5は、2重管構造をなす。
【0043】
前記燃焼チャンバー1中の燃焼空間3と前記ガス化チャンバー2の下部の前記燃焼ガス供給路6との間には、前記燃焼空間3の燃焼ガス7を前記ガス化空間4に供給する燃焼ガス供給ライン9が設けられている。
【0044】
前記燃焼チャンバー1の上部には、燃焼用バイオマス10(図中、太い実線矢印にて示す)を供給する供給装置11および供給ライン12が接続されている。また、前記燃焼チャンバー1の底部には、灰23(図中、二点鎖線矢印にて示す)を排出する排出弁24および排出ライン25が接続されている。さらに、前記燃焼チャンバー1の下部には、酸素あるいは空気などの酸化剤13(図中、破線矢印にて示す)を供給する供給調整弁14および供給ライン15が接続されている。
【0045】
前記燃焼チャンバー1中のうち前記燃焼ガス供給ライン9側には、熱回収手段としての熱交換器16が設置されている。この熱交換器16は、水の吸熱機能のほかに、除塵手段の除塵機能をも兼ねている。前記熱交換器16には、水17(図中、一点鎖線矢印にて示す)を供給する流量調整弁18および供給ライン19が接続されている。また、前記熱交換器16と前記燃焼チャンバー1の上部との間には、蒸気20(図中、一点鎖線矢印にて示す)を供給する圧力制御弁21および供給ライン22が接続されている。この蒸気供給ライン22は、前記燃焼チャンバー1の上部のうち前記燃焼用バイオマス供給ライン12と熱交換器16の間に接続されているものである。なお、この蒸気供給ライン22を分岐してその分岐ラインを前記燃焼チャンバー1の下部に圧力制御弁(図示せず)を介して接続しても良い。
【0046】
前記反応管5の頂上部には、ガス化用バイオマス26(図中、太い実線矢印にて示す)を供給する供給装置27および供給ライン28がガス化チャンバー2を通過して接続されている。また、前記反応管5の上部には、生成された合成ガス29(図中、白抜きの矢印、もしくは、2重実線矢印にて示す)を排気する排気ライン30が接続されている。さらに、前記反応管5の底部には、灰31(図中、二点鎖線矢印にて示す)を排出する排出弁32および排出ライン33がガス化チャンバー2を通過して接続されている。さらにまた、前記ガス化チャンバー2の上部の燃焼ガス供給路6には、燃焼ガス7を排気する調整弁34および排気ライン35が接続されている。
【0047】
なお、前記合成ガス29の排気ライン30と前記燃焼ガス7の排気ライン35とに熱回収手段としての熱交換器(図示せず)をそれぞれ設け、水17を前記合成ガス排気ライン30の熱交換器と前記燃焼ガス排気ライン35の熱交換器を介して前記燃焼チャンバー1中の熱交換器16に供給しても良い。また、前記合成ガス29の排気ライン30と前記反応管5との間には、未反応のガス化用バイオマス26を回収する手段、たとえば、サイクロン(図示せず)を設けても良い。さらに、燃焼チャンバー1に燃焼用バイオマス10を供給するための開口部(図示せず)を設け、その供給開口部に開閉蓋(図示せず)を開閉可能に取り付けても良い。
【0048】
(実施の形態1の作用)
この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置は、以上の如き構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0049】
まず、燃焼チャンバー1中の燃焼空間3には、燃焼用バイオマス10と酸化剤13とが供給される。その燃焼用バイオマス10は、燃焼空間3中において、酸化剤13/燃焼用バイオマス10の比が0.5〜0.7で燃焼する。なお、この燃焼用バイオマス10の燃焼は、着火バーナー(図示せず)の着火により行われる。
【0050】
前記燃焼用バイオマス10の燃焼により、前記燃焼空間3中において、燃焼ガス7が生成される。また、前記燃焼チャンバー1中には、蒸気20が供給される。この蒸気20の供給により、燃焼空間3中において前記燃焼用バイオマス10の燃焼で生成が予想されるカーボンやスートの発生を抑制することができる。特に、この実施の形態1におけるガス化装置のように、燃焼空間3中において生成された燃焼ガス7を熱源としてガス化空間4中に供給するタイプのガス化装置に最適である。
【0051】
前記蒸気20を含む前記燃焼ガス7は、後述するガス化用バイオマス26をガス化(熱分解)するのに最適な温度800〜1100°Cで、かつ、必要な熱量、すなわち、ガス化用バイオマス26量×反応吸熱量×2〜3倍の熱量を有する。この蒸気20含有燃焼ガス7の温度および熱量の調整は、酸化剤13/燃焼用バイオマス10の比の制御、熱交換器16に供給される水17の量の制御、燃焼チャンバー1中に供給される蒸気20の量の制御により、行われる。
【0052】
前記燃焼空間3中において、前記熱交換器16の除塵作用により、燃焼空間3中の飛散バイオマスや灰などを除塵し、これらを下流側のガス化チャンバー2中に流入するのを防止することができる。特に、この実施の形態1におけるガス化装置のように、燃焼空間3中において生成された燃焼ガス7を熱源としてガス化空間4中に供給するタイプのガス化装置に最適である。
【0053】
前記燃焼空間3中において燃焼された燃焼用バイオマス10の燃焼残渣灰23は、燃焼チャンバー1の底部に沈降堆積する。この沈降堆積した灰23は、排出弁24および排出ライン25を経て、定期的に燃焼チャンバー1外に排出される。
【0054】
前記蒸気20含有燃焼ガス7は、燃焼ガス供給ライン9を経てガス化チャンバー2の下部の燃焼ガス供給路6に供給される。このガス化チャンバー2の入口における前記蒸気20含有燃焼ガス7は、その温度が600〜1000°Cで、CO2 /H2 のモル比が0.9〜1.1(好ましくは1)で、未反応カーボンが0で、若干の残留H2 Oを含むガス性状が好ましい。なお、酸化剤13として空気を使用した場合には、当然のことながら、前記蒸気20含有燃焼ガス7中には不活性ガスN2 が含まれることとなる。
【0055】
また、ガス化チャンバー2の入口における前記蒸気20含有燃焼ガス7の量と圧力とは、後述するガス化用バイオマス26の性状に対応して、燃焼ガス7の排気ライン35の調整弁34により調整される。
【0056】
一方、ガス化チャンバー2の反応管5中のガス化空間4には、ガス化用バイオマス26が供給される。このガス化空間4中において、ガス化用バイオマス26は、蒸気20含有燃焼ガス7により、流動化しながらガス化(熱分解、以下、ガス化と称する)が進行される。前記反応管5中のガス化空間4は、一般に、常圧〜10ataに保たれている。
【0057】
前記反応管5中における前記ガス化用バイオマス26の流動化速度(空塔速度)は、約0.1m/s以下が好ましい。これは、ガス化用バイオマス26およびガス化後に残留する灰が反応管5の外に飛散することを防止するためと、ガス化用バイオマス26が反応管5中に滞留することによりガス化に必要なかつ十分な反応時間(おおむね30〜60sec)を確保するためとにある。
【0058】
前記反応管5には、多数の透孔8が設けられており、燃焼ガス7が反応管5中に均一に供給されるように構成されている。この構成により、その反応管5中においてガス化用バイオマス26が均一にガス化される。このために、ガス化用バイオマス26のガス化の効率が向上される。
【0059】
前記反応管5中においては、ガス化用バイオマス26がガス化されることにより、CO、H2 、CO2 およびH2 O(空気燃焼の場合は加えてN2 )を主成分とする合成ガス29が生成される。すなわち、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置は、別個に設置された燃焼チャンバー1中において生成された燃焼ガス7(CO2 、H2 )を反応管5中に供給し、ガス化用バイオマス26のガス化ガス(CO、H2 により、合成ガス29(CO2 、CO、2H2 )を得るものである。また、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置は、一般に吸熱反応であるガス化用バイオマス26のガス化に必要な熱量を、別個に設置された燃焼チャンバー1中において生成された燃焼ガス7から得るものである。
【0060】
この合成ガス29の各ガス成分の構成比は、CO、H2 、CO2 (モル比)=0.9〜1.0/1.8〜2.2/≒1が好ましい。特に、この合成ガス29からメタノールを合成する観点からは、CO/H2 のモル比を1/2とすることが重要である。この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置においては、ガス化チャンバー2の反応管5中におけるガス化(基本的には、原料であるガス化用バイオマス26の性状)および熱供給源としての燃焼チャンバー1中における燃焼制御により、前記の合成ガス29のモル比が調整されるものである。
【0061】
前記燃焼チャンバー1中における燃焼制御は、たとえば、燃焼用バイオマス10の量の制御、酸化剤13比の制御、温度制御用蒸気20の量の制御、熱量制御用熱交換器16の制御により、行われる。
【0062】
前記反応管5中において生成された前記合成ガス29は、排気ライン30を経て下流の装置、たとえば、メタノール合成装置(図示せず)に供給される。一方、ガス化の熱供給源としての燃焼ガス7の余剰ガスは、調整弁34および排気ライン35を経てガス化チャンバー2外に排出される。前記排気ライン30および前記排気ライン35中に熱回収手段としての熱交換器を設けることにより、排熱回収が可能となる。また、前記余剰ガス(燃焼ガス7)をメタノール合成装置の触媒の反応温度の熱源(触媒の加熱熱源)として利用することできる。さらに、前記余剰ガス(燃焼ガス7)を戻りライン(図示せず)により燃焼チャンバー1の燃焼空間3中に戻しても良い。
【0063】
前記反応管5のガス化空間4中において反応されたガス化用バイオマス26の反応残渣灰31は、反応管5の下部から排出弁32および排出ライン33を経て、間欠的にガス化チャンバー2外に排出される。
【0064】
このように、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置は、燃焼用バイオマス10を燃焼する燃焼空間3と、ガス化用バイオマス26をガス化するガス化空間4とがそれぞれ別個に設置された燃焼チャンバー1中とガス化チャンバー2中とに設けられている。
【0065】
この結果、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置は、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とを、それぞれ分離させた燃焼空間3中とガス化空間4中とにおいて、それぞれ行うことができる。このために、相反する発熱反応と吸熱反応とを速やかに起こさせるために、バイオマスを微細粒子(数十ミクロンオーダー)とする必要がない。特に、ガス化用バイオマス26の粒子の大きさは、たとえば、数ミリオーダーで充分である。また、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置は、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とをそれぞれ個別に制御することができるので、制御が簡単である。
【0066】
この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置において、ガス化用バイオマス26の灰31の融点は、ガス化用バイオマス26の種類により、750〜1500°Cとさまざまである。ここで、灰31の融点がガス化温度700〜900°Cに対して十分に高い場合(たとえば、900°C以上の場合)には、反応管5中で灰31が溶融し、ガス化用バイオマス26の流動化の阻害、あるいは、灰31の排出のトラブルを起こすケースは少ない。ところが、灰31の融点が900°C以下の場合には、ガス化温度とあいまって灰31の溶融による前記トラブルを起こすケースが考えられる。
【0067】
そこで、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置においては、ガス化反応を若干犠牲にし、ガス化温度を下げることにより前記トラブルを防止することができる。これは、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置のように、バイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とをそれぞれ個別に制御することができることによるものである。
【0068】
(実施の形態2の構成)
図2は、この発明にかかるバイオマスガス化装置の実施の形態2を示す説明図である。図中、図1と同符号は同一のものを示す。
【0069】
燃焼チャンバー1中の下部には、多数の透孔36を有する火格子37が配置されている。また、この燃焼チャンバー1の下部には、着火バーナー38が設けられている。さらに、この燃焼チャンバー1の上部には、燃焼ガス7の戻りライン39が設けられている。
【0070】
なお、燃焼チャンバー1中の燃焼空間3にカーボンやスートの生成を抑制するための蒸気を供給するライン(図示せず)を設けても良い。また、燃焼チャンバー1中の燃焼空間3に熱回収手段(図示せず)およびまたは除塵手段(図示せず)を設けても良い。さらに、燃焼チャンバー1に燃焼用バイオマス10を供給するための開口部(図示せず)を設け、その供給開口部に開閉蓋(図示せず)を開閉可能に取り付けても良い。
【0071】
ガス化チャンバー2中には、反応管40が配置されている。この例の反応管40としては、たとえば、石英管、パイレックスガラス管などの金属管で構成する。
【0072】
前記ガス化チャンバー2の下部には、受け板41が設けられている。この受け板41により、前記反応管40の下部が保持されている。この受け板41には、多数の透孔42が前記反応管40と連通するように設けられている。
【0073】
合成ガス29の排気ライン30と燃焼ガス7の排気ライン35とには、熱回収手段としての熱交換器43、44がそれぞれ設置されている。この熱交換器43、44と前記ガス化チャンバー2の下部との間には、蒸気45(図中、一点鎖線矢印にて示す)を供給する供給ライン46が接続されている。この蒸気45は、400〜500°Cの加熱蒸気である。すなわち、冷却水が熱交換器43で温度上昇後蒸気となり、さらに、熱交換器44で加熱蒸気となる。
【0074】
なお、前記合成ガス29の排気ライン30と前記反応管40との間には、未反応のガス化用バイオマス26を回収する手段、たとえば、サイクロン(図示せず)を設けても良い。
【0075】
(実施の形態2の作用)
この実施の形態2におけるバイオマスガス化装置は、以上の如き構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0076】
まず、燃焼チャンバー1中の燃焼空間3において、粒状あるいはチップ状の燃焼用バイオマス10は、下方の火格子37の透孔36から供給される酸化剤13により、着火バーナー38で着火されて完全燃焼する。この完全燃焼されたクリーンな燃焼ガス7は、所定の温度(おおむね800〜1100°C)および熱量を保って、ガス化チャンバー2のガス供給路6中に供給される。なお、この燃焼ガス7の温度および熱量の調整は、前記制御により行われる。
【0077】
前記ガス供給路6中に供給された燃焼ガス7の熱は、反応管40の外側から内側に供給される。この反応管40中において、上部からガス化用バイオマス26が供給されており、一方、下部から酸素が除かれた蒸気45(この蒸気45は、ガス化剤であって、400〜500°Cの加熱蒸気である)が上方向に供給されている。この結果、ガス化用バイオマス26は、前記蒸気45により流動化しながら、前記反応管40の輻射熱により供給される熱で、ガス化されて合成ガス29が生成される。
【0078】
前記反応は、一般に、バイオマス(Cm 2 n )を原料に蒸気(H2 O)をガス化剤として、下記式(3)、(4)、(5)の反応が主体となる。
【0079】
CO+H2 →CO2 +H2 …式(3)
C+H2 O→CO+H2 …式(4)
C+2H2 O→CO2 +2H2 …式(5)
【0080】
前記合成ガス29により、メタノールを合成するためには、CO/H2 のモル比を1/2とすることが好ましい。このために、上記式(3)、(4)、(5)の反応がスムーズに行われるように調整する必要がある。その調整手段の1つとしては、前記反応管40内部の温度を、700〜1000°C、好ましくは、700〜900°C、さらに好ましくは、700〜800°C、に制御することにある。前記反応管40内部温度の制御は、燃焼ガス7の量および温度、蒸気45の量および温度により、行われる。
【0081】
前記反応管40中において生成された前記合成ガス29は、若干の飛散粒子と共に、排気ライン30および熱交換器43を経て下流の装置、たとえば、メタノール合成装置(図示せず)に供給される。一方、ガス化の熱供給源としての燃焼ガス7の余剰ガスは、排気ライン35および熱交換器44を経てガス化チャンバー2外に排出される。前記余剰ガス(燃焼ガス7)をメタノール合成装置の触媒の反応温度の熱源(触媒の加熱熱源)として利用することできる。さらに、前記余剰ガス(燃焼ガス7)を戻りライン39により燃焼チャンバー1の燃焼空間3中に戻しても良い。
【0082】
前記燃焼空間3中において燃焼された燃焼用バイオマス10の燃焼残渣灰23は、燃焼チャンバー1の底部に沈降堆積する。この沈降堆積した灰23は、排出ライン25を経て、定期的に燃焼チャンバー1外に排出される。また、前記反応管40のガス化空間4中において反応されたガス化用バイオマス26の反応残渣灰31は、反応管40の下部から排出ライン33を経て、間欠的にガス化チャンバー2外に排出される。
【0083】
このように、この実施の形態2におけるガス化装置は、以上のごとき構成からなるものであるから、前記実施の形態1におけるガス化装置とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0084】
特に、この実施の形態2におけるガス化装置は、反応管40中のガス化空間4と燃焼ガス供給路6とが隔離されているので、反応管40中に蒸気45のみのガス化剤を供給し、酸化剤を必要としない。しかも、その蒸気45としては、酸素が除かれたものを使用することにより、CO2 の生成による弊害を抑制することができる。また、この実施の形態2におけるガス化装置は、燃焼チャンバー1中の燃焼空間3において燃焼用バイオマス10を完全燃焼させてクリーンな燃焼ガス7を反応管40中のガス化空間4に供給することができる。さらに、この実施の形態におけるガス化装置は、燃焼用バイオマス10の性状とガス化用バイオマス26の性状とが大幅に異なっていても特に問題がない。たとえば、燃焼用バイオマス10としては、木材チップを使用する。一方、ガス化用バイオマス26としては、5〜10mm以下で好ましくは1mm程度のバイオマスの粉体、もしくは、その粉体と水とを混合したスラリー状のものを使用する。
【0085】
(実施の形態3の構成)
図3は、この発明にかかるバイオマスガス化装置の実施の形態3を示す説明図である。この実施の形態3におけるガス化装置は、前記実施の形態1におけるガス化装置の変形例である。図中、図1および図2と同符号は同一のものを示す。
【0086】
このバイオマスガス化装置は、燃焼空間3とガス化空間4とがそれぞれ分離された状態で同一チャンバー47中に上下に設けられているものである。その同一チャンバー47中には、反応管48が配置されている。その反応管48中には、ガス化空間4が形成されている。その同一チャンバー47の内側と反応管48の外側との間に燃焼ガス供給路49が設けられている。前記反応管48には、燃焼ガス7を燃焼ガス供給路49から反応管48中に均一に供給する透孔50が多数設けられている。前記燃焼空間3の上方には、水平配置型の熱交換器51(熱回収手段および除塵手段)が配置されている。
【0087】
なお、前記同一チャンバー47中において、前記燃焼空間3と前記燃焼ガス供給路49との間が燃焼ガス供給ラインとなる。
【0088】
前記同一チャンバー47の下部には、多数の透孔52を有する火格子53が配置されている。この火格子53と同一チャンバー47との間には、酸化剤および蒸気供給風箱54が形成されている。また、燃焼用バイオマス10の供給ライン12とガス化用バイオマス26供給ライン28とには、供給ホッパー55、56がそれぞれ設けられている。さらに、合成ガス29の排気ライン30と前記反応管48との間には、未反応のガス化用バイオマス26を回収する手段が設けられている。この手段は、サイクロン57と、循環供給弁58と、循環供給ライン59とからなる。
【0089】
燃焼ガス7の排出ライン35に配置された熱交換器44には、冷却水60を供給する供給ライン61が接続されている。前記熱交換器44と前記熱交換器51との間には、水もしくは蒸気17を供給する流量調整弁18および供給ライン19が設けられている。また、前記熱交換器51と前記燃焼空間3との間には、蒸気20を供給する圧力制御弁21および供給ライン22が設けられている。この供給ライン22は、分岐されている。その分岐ライン62は、弁63を介して前記酸化剤および蒸気供給風箱54に接続されており、前記蒸気20が前記酸化剤および蒸気供給風箱54中に供給されるように構成されている。
【0090】
(実施の形態3の作用)
この実施の形態3におけるバイオマスガス化装置は、以上のごとき構成からなるものであるから、前記実施の形態1、2におけるバイオマスガス化装置とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0091】
特に、この実施の形態3におけるバイオマスガス化装置は、燃焼空間3とガス化空間4とがそれぞれ分離された状態で同一チャンバー47中に設けられているので、バイオマスガス化装置の全体構成が簡素化される。また、この実施の形態3におけるバイオマスガス化装置は、未反応のガス化用バイオマスを回収する手段57、58、59が設けられているので、未反応のバイオマス粒子による下流(後流)機器への悪影響を防止することができ、しかも、供給したバイオマスを完全にガス化することができる。
【0092】
(バイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置の実施の形態1の構成)
図4〜図6は、この発明にかかるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置の実施の形態1を示すものである。図中、図1〜図3と同符号は同一のものを示す。
【0093】
図において、64はバイオマスガス化装置、65はガス精製貯蔵設備、66はメタノール合成装置である。前記バイオマスガス化装置64は、前記実施の形態2におけるバイオマスガス化装置の一部を変形した装置が使用されている。
【0094】
(バイオマスガス化装置の説明)
前記バイオマスガス化装置64において、燃焼チャンバー1およびガス化チャンバー2の内面には、耐火材67が内張りされている。前記燃焼チャンバー1中の燃焼空間3と前記ガス化チャンバー2中の燃焼ガス供給路6とを結ぶ燃焼ガス供給ライン9は、同じく耐火材67が内張りされたダクト構造をなす。
【0095】
前記燃焼チャンバー1の頂部には、燃焼用バイオマス10を供給するための開口部68が設けられている。その供給開口部68には、開閉蓋69がヒンジ機構70を介して開閉可能に取り付けられている。その開閉蓋69には、開閉用のハンドル71が設けられている。なお、図5において、二点鎖線にて示される開閉蓋69は、開いている状態を示す。また、実線にて示される開閉蓋69は、閉じている状態を示す。
【0096】
前記のように、燃焼チャンバー1に供給開口部68および開閉蓋69を設けることにより、燃焼チャンバー1とガス化チャンバー2とが別個に設置されたタイプのバイオマスガス化装置64において、燃焼用バイオマス10が粒子ではなくある程度の大きさのもの、たとえば、木材チップであっても使用できる。
【0097】
前記開閉蓋69には、燃焼用バイオマス10の供給ライン12が供給装置11を介して、また、酸化剤13の供給ライン15が供給調整弁14を介して、それぞれ取り付けられている。なお、このバイオマスガス化装置64において、燃焼ガス供給ライン9と着火バーナー38とは、前記燃焼チャンバー1の火格子37より下方の位置に設けられている。
【0098】
一方、ガス化チャンバー2において、反応管40には、ガス化用バイオマス26の供給ホッパー56と、開閉弁72と、供給装置(供給弁)27と、供給ライン28が接続されている。
【0099】
また、前記ガス化チャンバー2において、合成ガス29の排気ライン30に設けられた熱交換器43は、2重管構造をなす水冷ジャケットから構成されている。この合成ガス29用の熱交換器43の出口端と、燃焼ガス7の排気ライン35に設けられた熱交換器44の入口端とは、供給ライン46および圧力調整弁73を介して接続されている。
【0100】
さらに、前記ガス化チャンバー2において、燃焼ガス7用の熱交換器44の出口端と、ガス化チャンバー2、すなわち、反応管40の下部とは、供給ライン46および流量調整弁(または圧力調整弁)74を介して接続されている。この流量調整弁74は、前記反応管40中に供給する加熱蒸気45の温度をも調整するものである。
【0101】
(ガス精製貯蔵設備の説明)
前記ガス精製貯蔵設備65は、クリーンアップ設備75と、貯蔵タンク76と、昇圧ポンプ77と、第1開閉弁78と、第2開閉弁79と、第3開閉弁80と、第4開閉弁81とから構成されている。
【0102】
前記クリーンアップ設備75には、脱塵装置(図示せず)、脱S(いおう)装置(図示せず)が設けられている。また、前記クリーンアップ設備75には、必要に応じて、合成ガス29中のメタノール合成に不要なCO2 を除く脱CO2 装置(図示せず)を配置しても良い。
【0103】
前記クリーン設備75には、前記バイオマスガス化装置64の合成ガス29の排気ライン30、すなわち、合成ガス29の供給ライン82が接続されている。前記貯蔵タンク76は、前記第1開閉弁78および供給ライン82を介して前記クリーンアップ設備75に接続されている。前記昇圧ポンプ77は、前記第2開閉弁79および供給ライン82を介して前記クリーンアップ設備75と、前記第3開閉弁80および供給ライン82を介して前記貯蔵タンク76とにそれぞれ接続されている。前記昇圧ポンプ77の吐出口は、前記第4開閉弁81および供給ライン82を介して前記メタノール合成装置66に接続されている。
【0104】
(メタノール合成装置の説明)
前記メタノール合成装置66は、加圧室83と、触媒室84と、メタノール回収室85とから構成されている。同一チャンバー内に形成された前記加圧室83と前記触媒室84との間には、隔壁86が配置されている。この隔壁86には、多数の透孔87が設けられている。この結果、前記加圧室83と前記触媒室84とは、隔壁86の多数の透孔87を介して連通していることとなる。
【0105】
前記触媒室84と前記メタノール回収室85との間には、連通ライン88が接続されている。前記触媒室84の底部と前記連通ライン88との間には、多数の透孔を有する仕切り板89が配置されている。また、その連通ライン88の途中には、開閉弁90が設けられている。この結果、前記触媒室84とメタノール回収室85とは、仕切り板89および開閉弁90を介して連通していることとなる。
【0106】
前記加圧室83中には、加圧ピストン91が配置されている。この加圧ピストン91には、油圧シリンダ92が連結されている。この油圧シリンダ92には、油圧ポンプ93が制御弁94を介して接続されている。前記加圧室83には、圧力検知手段95が設けられている。この圧力検知手段95と前記制御弁94との間には、前記油圧シリンダ92の駆動圧を制御する制御手段96が設けられている。
【0107】
前記加圧ピストン91、油圧シリンダ92、油圧ポンプ93、制御弁94、圧力検知手段95、制御手段96は、加圧装置を構成する。この加圧装置により、前記加圧室83および前記触媒室84中の圧力は、メタノールガス合成に最適な10〜40ataに制御される。
【0108】
前記触媒室84中には、触媒、たとえば、CuO、ZnO系の触媒97が充填されている。前記触媒室84中には、加熱コイル98が配置されている。一方、前記触媒室84の外側には、加熱ジャケット99が配置されている。
【0109】
前記加熱コイル98の入口および前記加熱ジャケット99の入口には、前記バイオマスガス化装置64の熱交換器44からの燃焼ガス7の排気ライン35が分岐されてそれぞれ接続されている。また、前記加熱コイル98の出口および前記加熱ジャケット99の出口は、戻りライン39を介して前記バイオマスガス化装置64の燃焼空間3に接続されている。これにより、前記触媒室84中の温度は、メタノールガス合成に最適な200〜400°Cに制御される。
【0110】
前記触媒室84の入り口には、前記ガス精製貯蔵設備65からの合成ガス供給ライン82が接続されている。また、前記触媒室84の出口には、開閉弁100および排気ライン101が接続されている。
【0111】
前記メタノール回収室85の外側には、水冷ジャケット102が配置されている。この水冷ジャケット102の入口には、冷却水108の供給ラインが接続されている。また、前記水冷ジャケット102の出口は、冷却水の戻りライン103およびポンプ104を介して前記バイオマスガス化装置64の熱交換器43の入口に接続されている。これにより、前記メタノール回収室85中の温度は、メタノールの沸点(64.65°C)以下に保持制御される。
【0112】
前記メタノール回収室85の底部には、メタノール液105(図6中、白抜きの破線矢印、もしくは、2重破線矢印にて示す)を回収するための回収ライン106および開閉弁107が接続されている。
【0113】
(バイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置の実施の形態1の作用)
この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置は、以上の如き構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0114】
まず、バイオマスガス化装置64において、前記の通り、合成ガス29が生成される。すなわち、別個に配置された燃焼チャンバー1中において、燃焼用バイオマス10が燃焼され、その燃焼ガスを熱源としてガス化チャンバー2の反応管40中において、ガス化用バイオマス26がガス化されて合成ガス29が生成される。
【0115】
つぎに、前記バイオマスガス化装置64において生成された合成ガス29は、排気ライン30および供給ライン82を経てガス精製貯蔵設備65に供給される。この合成ガス29は、ガス精製貯蔵設備65のクリーンアップ設備75において、脱塵装置、脱S装置などにより精製される。
【0116】
精製された合成ガス29は、第2開閉弁79を介して直接昇圧ポンプ77により、昇圧されて第4開閉弁81を介してメタノール合成装置66に送気され、あるいは、第1開閉弁78を介して貯蔵タンク76に一旦貯蔵されてから、第3開閉弁80を介して昇圧ポンプ77により、昇圧されて第4開閉弁81を介してメタノール合成装置66に送気される。
【0117】
前記貯蔵タンク76の容量、前記第1開閉弁78〜第4開閉弁81の開閉作動は、前記バイオマスガス化装置64の規模および運転状況、また、前記メタノール合成装置66の規模および運転状態などにより決定される。
【0118】
前記ガス精製貯蔵設備65において、昇圧されてメタノール合成装置66に送気された合成ガス29は、まず、メタノール合成装置66の触媒室84中に導入され、さらに、加圧室83中およびメタノール回収室85中にも導入される。前記合成ガス29は、前記メタノール合成装置66の触媒室84および加圧室83およびメタノール回収室85の容積分相当の量が常圧〜10ataの状態で導入される。
【0119】
前記合成ガス29が前記触媒室84および加圧室83およびメタノール回収室85中に導入中においては、開閉弁100は閉状態にあり、かつ、加圧ピストン91は上死点に位置している。そして、導入が完了後においては、第4開閉弁81も閉状態となり、前記触媒室84および加圧室83およびメタノール回収室85中と外部とは、遮断される。
【0120】
ここで、加圧装置が駆動する。すると、所定の圧力10〜40ata下および所定の温度200〜400°C下において、合成ガス29は、触媒97の触媒反応により、合成されて、メタノールガスが生成される。
【0121】
前記メタノールガスの生成が進行すると、メタノールガスは、拡散により、触媒室84から仕切り板89の透孔を経てメタノール回収室85中に流入する。ここで、メタノールガスは、メタノールの沸点(64.65°C)以下に冷却されて、液化する。このメタノール液105がメタノール回収室85中に溜まる。
【0122】
前記反応過程(合成ガス29からメタノールガスの生成、メタノールガスからメタノール液105の液化)の進行に伴なって、合成ガス29中のH2 、COガスの分圧が低下するために、触媒室84および加圧室83およびメタノール回収室85中の圧力が低下する。この反応過程では上記反応が同時に行われるので、[CH3 OH]/[CO、H2 ]は一定に保持されるため、[CO]+[2H2 ]→CH3 OHの反応はどんどん進行する。
【0123】
すると、加圧室83中の圧力検知手段95が前記の圧力低下を検知し、その検知信号が制御手段96に出力される。そして、この制御手段96から制御弁94に制御信号が出力される。これにより、油圧ポンプ93から油圧シリンダ92への圧油の供給量が制御されるので、触媒室84および加圧室83およびメタノール回収室85中の圧力は、所定の圧力に保持制御される。
【0124】
前記反応過程が最終段階まで到達すると、合成ガス29中のH2 、COガスは消費され、一方、CO2 ガスはリッチガスとなる。すなわち、合成ガス29中のH2 、COガスの分圧は低下し、一方、CO2 ガスの分圧は相対的に増大する。なお、前記反応は、一般的に、[CH3 OH]/[H2 ]、[CO]=0.3〜0.5である。
【0125】
前記反応過程が最終段階まで到達したところで、分圧が増大するCO2 ガスは、メタノールガスの合成に供さないガスであって、残留ガス109となる。そこで、開閉弁100を開状態とし、かつ、開閉弁90を閉状態とすることにより、触媒室84および加圧室83中の残留ガス109は、パージされる。一方、メタノール回収室85中に回収されたメタノール液105は、開閉弁107を開状態として、回収される。
【0126】
前記メタノール合成装置66において、合成ガス29の導入、メタノールガスの生成、メタノールガスの液化、残留ガス109のパージ、メタノール液105の回収の1工程が完了したところで、合成ガス29を導入してこの工程を再度行う。
【0127】
このように、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置は、メタノール合成装置66におけるメタノールの合成がバッチ方式であるから、単位触媒量に対するガス量(S/V比)が大である。すなわち、合成ガス中のH2 、COを有効にメタノール(CH3 OH)に合成することができる。また、メタノールの合成(メタノールガス生成)と液化とが同一装置(メタノール合成装置66)中において同時に行うことができる。さらに、連続方式のメタノール合成装置と比較して、合成ガスの循環ラインなどが不要となる。その分、構造や制御が簡単となる。
【0128】
特に、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置は、メタノール合成装置66がバッチ方式であり、一方、バイオマスガス化装置64が連続運転により合成ガス29を連続的に生成するものであるが、バイオマスガス化装置64からの合成ガス29を貯留タンク76中に一旦貯留することにより、メタノール製造装置全体として連続運転が可能となる。
【0129】
また、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置は、触媒室84の加熱手段としての加熱コイル98および加熱ジャケット99とバイオマスガス化装置64の燃焼ガス7の排気ライン35とを接続することにより、バイオマスガス化装置64の排熱を再利用することができる。
【0130】
さらに、この実施の形態1におけるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置は、メタノール回収室85の冷却手段としての水冷ジャケット102とバイオマスガス化装置64の熱交換器43、44とを冷却水戻しライン103を介して接続することにより、メタノール合成装置66の冷却水108を再利用することができる。
【0131】
なお、前記実施の形態1において、バイオマスガス化装置64としては、前記実施の形態2のバイオマスガス化装置の変形例を使用したものであるが、この発明のメタノール製造装置は、前記実施の形態1のバイオマスガス化装置、前記実施の形態2のバイオマスガス化装置、前記実施の形態3のバイオマスガス化装置、前記実施の形態1のバイオマスガス化装置の変形例、前記実施の形態のバイオマスガス化装置の変形例などを使用しても良い。
【0132】
また、この発明のメタノール製造装置は、この発明のバイオマスガス化装置を使用せずに、従前のバイオマスガス化装置を使用しても良い。すなわち、この発明のメタノール製造装置は、従前のバイオマスガス化装置と、バッチ式のメタノール合成装置とから構成されたものであっても良い。
【0133】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項1、2、3)によれば、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とを、それぞれ分離させた燃焼空間中とガス化空間中とにおいて、それぞれ行うことができる。このために、相反する発熱反応と吸熱反応とを速やかに起こさせるために、バイオマスを微細粒子(数十ミクロンオーダー)とする必要がない。特に、ガス化用のバイオマスの粒子の大きさは、たとえば、数ミリオーダーで充分である。
【0134】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項1、2、3)によれば、相反するバイオマスの発熱反応とバイオマスの吸熱反応とをそれぞれ個別に制御することができるので、制御が簡単である。
【0135】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項1)によれば、燃焼ガスが反応管中に均一に供給されることにより、その反応管中においてバイオマスが均一にガス化される。このために、バイオマスのガス化の効率が向上される。
【0136】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項2)によれば、反応管中のガス化空間と燃焼ガス供給路とが隔離されているので、反応管中には、蒸気のみのガス化剤を供給し、酸化剤を必要としない。また、燃焼チャンバー中の燃焼空間において燃焼用バイオマスを完全燃焼させてクリーンな燃焼ガスを反応管中のガス化空間に供給することができる。さらに、燃焼用バイオマスの性状とガス化用バイオマスの性状とが大幅に異なっていても特に問題がない。
【0137】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項3)によれば、燃焼空間とガス化空間とがそれぞれ分離された状態で同一チャンバー中に設けられているので、バイオマスガス化装置の全体構成が簡素化される。また、燃焼ガスが反応管中に均一に供給されることにより、その反応管中においてバイオマスが均一にガス化される。このために、バイオマスのガス化の効率が向上される。
【0138】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項4)によれば、カーボンやスートの弊害を最小限に抑えることができる。
【0139】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項5)によれば、反応管中のガス化空間と燃焼ガス供給路とが隔離されているタイプにおいて、酸素が除かれた蒸気を供給することにより、CO2 の生成によるCH3 OHの合成の低下、あるいは、合成のための触媒量が増大するなどの弊害を抑制することができる。
【0140】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項6)によれば、燃焼空間中において燃焼された燃焼ガスを熱源としてガス化空間中に供給するタイプにおいて、燃焼空間中の熱を回収することができ、およびまたは、燃焼空間中の飛散バイオマスや灰などを除塵することができる。
【0141】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項7)によれば、燃焼ガス排気ライン中の熱を回収することができる。
【0142】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項8)によれば、未反応のバイオマス粒子による下流(後流)機器への悪影響を防止することができ、しかも、供給したバイオマスを完全にガス化することができる。
【0143】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項9)によれば、生成ガス排気ライン中の熱を回収することができる。
【0144】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置(請求項10)によれば、燃焼チャンバーとガス化チャンバーとが別個に設置されたタイプにおいて、燃焼用バイオマスが粒子ではなくある程度の大きさのもの、たとえば、木材チップであっても使用できる。
【0145】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置(請求項11)によれば、メタノール合成装置におけるメタノールの合成がバッチ方式であるから、単位触媒量に対するガス量(S/V比)が大である。すなわち、合成ガス中のH2 、COを有効にメタノール(CH3 OH)に合成することができる。また、メタノールの合成(メタノールガス生成)と液化とが同一装置中において同時に行うことができる。さらに、連続方式のメタノール合成装置と比較して、合成ガスの循環ラインなどが不要となる。その分、構造や制御が簡単となる。
【0146】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置(請求項12)によれば、メタノール合成装置がバッチ方式であり、一方、バイオマスガス化装置が連続運転により合成ガスを連続的に生成するものであるが、バイオマスガス化装置からの合成ガスを貯留タンク中に一旦貯留することにより、メタノール製造装置全体として連続運転が可能となる。
【0147】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置(請求項13)によれば、触媒室の加熱手段とバイオマスガス化装置の燃焼ガス排気ラインとを接続することにより、バイオマスガス化装置の排熱を再利用することができる。
【0148】
また、この発明にかかるバイオマスガス化装置が具備されたメタノール製造装置(請求項14)によれば、メタノール回収室の冷却手段とバイオマスガス化装置の熱交換器とを冷却水戻しラインを介して接続することにより、メタノール合成装置の冷却水を再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のバイオマスガス化装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図2】 この発明のバイオマスガス化装置の実施の形態2を示す説明図である。
【図3】 この発明のバイオマスガス化装置の実施の形態3を示す説明図である。
【図4】 この発明のバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図5】 同じく、バイオマスガス化装置の断面図である。
【図6】 同じく、メタノール合成装置の断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼チャンバー
2 ガス化チャンバー
3 燃焼空間
4 ガス化空間
5 反応管
6 燃焼ガス供給路
7 燃焼ガス
8 透孔
9 燃焼ガス供給ライン
10 燃焼用バイオマス
11 供給装置
12 供給ライン
13 酸化剤
14 供給調整弁
15 供給ライン
16 熱交換器(熱回収手段)
17 水
18 流量調整弁
19 供給ライン
20 蒸気
21 圧力制御弁
22 供給ライン
23 灰
24 排出弁
25 排出ライン
26 ガス化用バイオマス
27 供給装置
28 供給ライン
29 合成ガス
30 排気ライン
31 灰
32 排出弁
33 排出ライン
34 調整弁
35 排気ライン
36 透孔
37 火格子
38 着火バーナー
39 戻りライン
40 反応管
41 受け板
42 透孔
43 熱交換器
44 熱交換器
45 蒸気(加熱蒸気)
46 供給ライン
47 同一チャンバー
48 反応管
49 燃焼ガス供給路
50 透孔
51 熱交換器
52 透孔
53 火格子
54 風箱
55 ホッパー
56 ホッパー
57 サイクロン
58 循環供給弁
59 循環供給ライン
60 冷却水
61 供給ライン
62 分岐ライン
63 弁
64 バイオマスガス化装置
65 ガス精製貯蔵設備
66 メタノール合成装置
67 耐火材
68 供給開口部
69 開閉蓋
70 ヒンジ機構
71 ハンドル
72 開閉弁
73 圧力調整弁
74 流量調整弁
75 クリーンアップ設備
76 貯蔵タンク
77 昇圧ポンプ
78 第1開閉弁
79 第2開閉弁
80 第3開閉弁
81 第4開閉弁
82 合成ガス供給ライン
83 加圧室
84 触媒室
85 メタノール回収室
86 隔壁
87 透孔
88 連通ライン
89 仕切り板
90 開閉弁
91 加圧ピストン
92 油圧シリンで
93 油圧ポンプ
94 制御弁
95 圧力検知手段
96 制御手段
97 触媒
98 加熱コイル
99 加熱ジャケット
100 開閉弁
101 排気ライン
102 水冷ジャケット
103 冷却水戻りライン
104 ポンプ
105 メタノール液
106 回収ライン
107 開閉弁
108 冷却水
109 残留ガス

Claims (14)

  1. バイオマスを燃焼し、その燃焼により生成される燃焼ガスを熱源としてバイオマスをガス化するバイオマスガス化装置であって、
    前記バイオマスを燃焼する燃焼空間と、前記バイオマスをガス化するガス化空間とは、それぞれ分離されており、
    前記燃焼空間と前記ガス化空間との間には、前記燃焼空間の前記燃焼ガスを前記ガス化空間に供給する燃焼ガス供給ラインが設けられていて、
    前記燃焼空間と前記ガス化空間とは、別個に設置された燃焼チャンバー中とガス化チャンバー中とに設けられており、
    前記ガス化チャンバー中には、反応管が配置されており、
    前記反応管中には、前記ガス化空間が形成されており、
    前記ガス化チャンバーの内側と前記反応管の外側との間には、前記燃焼ガス供給ラインと接続された燃焼ガス供給路が設けられており、
    前記反応管には、前記燃焼ガスを前記燃焼ガス供給路から前記反応管中に均一に供給する透孔が設けられている、
    ことを特徴とするバイオマスガス化装置。
  2. バイオマスを燃焼し、その燃焼により生成される燃焼ガスを熱源としてバイオマスをガス化するバイオマスガス化装置であって、
    前記バイオマスを燃焼する燃焼空間と、前記バイオマスをガス化するガス化空間とは、それぞれ分離されており、
    前記燃焼空間と前記ガス化空間との間には、前記燃焼空間の前記燃焼ガスを前記ガス化空間に供給する燃焼ガス供給ラインが設けられていて、
    前記燃焼空間と前記ガス化空間とは、別個に設置された燃焼チャンバー中とガス化チャンバー中とに設けられており、
    前記ガス化チャンバー中には、反応管が配置されており、
    前記反応管中には、前記ガス化空間が形成されており、
    前記ガス化チャンバーの内側と前記反応管の外側との間には、前記燃焼ガス供給ラインと接続された燃焼ガス供給路が設けられている、
    ことを特徴とするバイオマスガス化装置。
  3. バイオマスを燃焼し、その燃焼により生成される燃焼ガスを熱源としてバイオマスをガス化するバイオマスガス化装置であって、
    前記バイオマスを燃焼する燃焼空間と、前記バイオマスをガス化するガス化空間とは、それぞれ分離されており、
    前記燃焼空間と前記ガス化空間との間には、前記燃焼空間の前記燃焼ガスを前記ガス化空間に供給する燃焼ガス供給ラインが設けられていて、
    前記燃焼空間と前記ガス化空間とは、それぞれ分離された状態で同一チャンバー中に設けられており、
    前記同一チャンバー中には、反応管が配置されており、
    前記反応管中には、前記ガス化空間が形成されており、
    前記同一チャンバーの内側と前記反応管の外側との間には、前記燃焼ガス供給ラインと接続された燃焼ガス供給路が設けられており、
    前記反応管には、前記燃焼ガスを前記燃焼ガス供給路から前記反応管中に均一に供給する透孔が設けられている、
    ことを特徴とするバイオマスガス化装置。
  4. 前記燃焼空間には、カーボンやスートの生成を抑制するための蒸気を供給するラインが設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置。
  5. 前記ガス化空間には、酸素が除かれた蒸気を供給するラインが設けられている、
    ことを特徴とする請求項に記載のバイオマスガス化装置。
  6. 前記燃焼空間には、熱回収手段およびまたは除塵手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または3に記載のバイオマスガス化装置。
  7. 前記燃焼ガス供給路には、燃焼ガス排気ラインが設けられており、前記燃焼ガス排気ラインには、熱回収手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置。
  8. 前記燃焼ガス供給路には、燃焼ガス排気ラインが設けられており、前記燃焼ガス排気ラインと前記反応管との間には、未反応の前記ガス化用バイオマスを回収する手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置。
  9. 前記ガス化空間には、生成ガス排気ラインが設けられており、前記生成ガス排気ラインには、熱回収手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置。
  10. 前記燃焼チャンバーには、前記燃焼用バイオマスを供給するための開口部が設けられており、前記供給開口部には、開閉蓋が開閉可能に取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のバイオマスガス化装置。
  11. バイオマスを燃焼し、その燃焼により生成される燃焼ガスを熱源としてバイオマスをガス化するバイオマスガス化装置と、前記バイオマスガス化装置により生成された合成ガスからメタノールを合成するメタノール合成装置とが具備されたメタノール製造装置であって、
    前記バイオマスガス化装置は、前記の請求項1〜10のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置からなり、
    前記メタノール合成装置は、加圧室と、触媒室と、メタノール回収室とから構成されており、前記バイオマスガス化装置からの前記加圧室および前記触媒室および前記メタノール回収室中に導入された前記合成ガスを所定圧力下において加圧し、前記触媒室の触媒反応により前記合成ガスをメタノールに合成し、前記メタノールを前記メタノール回収室において液化され、液化メタノールを回収すると共に残留ガスをパージする、
    ことを特徴とするバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置。
  12. 前記バイオマスガス化装置と前記メタノール合成装置との間には、バッチ方式の前記メタノール合成装置の合成ガス導入、メタノール合成、液化、回収の工程中において、前記バイオマスガス化装置からの合成ガスを貯留する貯留タンクが配置されている、
    ことを特徴とする請求項11に記載のバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置。
  13. 前記触媒室には、加熱手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項11に記載のバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置。
  14. 前記メタノール回収室には、冷却手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項11に記載のバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置。
JP2000284308A 2000-02-29 2000-09-19 バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置 Expired - Lifetime JP4354104B2 (ja)

Priority Applications (14)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000284308A JP4354104B2 (ja) 2000-09-19 2000-09-19 バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置
NZ514823A NZ514823A (en) 2000-02-29 2001-02-26 Biomass gasification furnace and methanol synthesis system making use of gas produced through biomass gasification
KR1020017013864A KR100590973B1 (ko) 2000-02-29 2001-02-26 바이오매스 가스화 가스를 이용한 메탄올 합성 장치 및 이의 사용방법
EP01906286A EP1205532A4 (en) 2000-02-29 2001-02-26 BIOMASS GASIFICATION OVEN AND METHANOL SYNTHESIS PLANT USING GAS GENERATED FROM BIOMASS GASIFICATION
IDW00200102311A ID30387A (id) 2000-02-29 2001-02-26 Tanur gasifikasi biomassa dan sistem sintetis metanol yang menggunakan gas yang dihasilkan melalui gasifikasi biomassa
US09/959,506 US6991769B2 (en) 2000-02-29 2001-02-26 Biomass gasifycation furnace and system for methanol synthesis using gas produced by gasifying biomass
PCT/JP2001/001390 WO2001064819A1 (fr) 2000-02-29 2001-02-26 Four de gazeification de biomasse et systeme de synthese de methanol a l'aide du gaz produit par la gazeification de la biomasse
CNB018003605A CN1228420C (zh) 2000-02-29 2001-02-26 生物质气化炉和利用通过生物质气化所得的气体的甲醇或二甲基醚合成系统
BR0104703-5A BR0104703A (pt) 2000-02-29 2001-02-26 Sistema de sìntese se metanol fazendo uso de biomassa
AU34167/01A AU755244B2 (en) 2000-02-29 2001-02-26 Biomass gasifying furnace and system for methanol synthesis using gas produced by gasifying biomass
CA2368496A CA2368496C (en) 2000-02-29 2001-02-26 Biomass gasification furnace and methanol synthesis system making use of gas produced through biomass gasification
HU0200907A HU227714B1 (en) 2000-02-29 2001-02-26 Biomass gasifying furnace and system for methanol synthesis using gas produced by gasifying biomass
MYPI20010875A MY138302A (en) 2000-02-29 2001-02-27 Biomass gasification furnace and liquid fuel synthesis system making use of gas produced from gasification of biomass
NO20015245A NO20015245L (no) 2000-02-29 2001-10-26 Ovn for forgassing av biomasse og metanolsyntesesystem hvor den dannede gass utnyttes

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000284308A JP4354104B2 (ja) 2000-09-19 2000-09-19 バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002088379A JP2002088379A (ja) 2002-03-27
JP4354104B2 true JP4354104B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=18768535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000284308A Expired - Lifetime JP4354104B2 (ja) 2000-02-29 2000-09-19 バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4354104B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8100992B2 (en) 2006-10-23 2012-01-24 Nagasaki Institute Of Applied Science Biomass gasification apparatus
JP2009007475A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Shimizu Corp バイオマスのガス化装置及びバイオマスのガス化方法
JP2009007474A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Shimizu Corp バイオマスのガス化装置及びバイオマスのガス化方法
JP5429782B2 (ja) * 2009-01-30 2014-02-26 独立行政法人産業技術総合研究所 バイオマス由来の液体燃料合成装置
JP2011111549A (ja) 2009-11-27 2011-06-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd メタノール製造システム及び方法
CN112377921A (zh) * 2020-11-12 2021-02-19 余小芝 一种基于生物质能燃料用热量回收利用装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002088379A (ja) 2002-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100264723B1 (ko) 폐기물의소각열을이용한과열증기제조방법과그장치
JP3933105B2 (ja) 流動層ガス化システム
US6863878B2 (en) Method and apparatus for producing synthesis gas from carbonaceous materials
US6647903B2 (en) Method and apparatus for generating and utilizing combustible gas
RU2138730C1 (ru) Способ и устройство для газификации горючего материала в топке с флюидизированной подушкой
US8480766B2 (en) Gasification equipment
US8858661B2 (en) Method and apparatus of gasification under the integrated pyrolysis reformer system (IPRS)
PL195893B1 (pl) Sposób wytwarzania czystej energii z węgla kamiennego
US20040045272A1 (en) Fluidized-bed gasification method and apparatus
US8043390B2 (en) Apparatus and method for controlling the gas composition produced during the gasification of carbon containing feeds
PL192012B1 (pl) Urządzenie do zgazowywania zawierających węgiel substancji wsadowych
US5711771A (en) Latent heat-ballasted gasifier
WO2021171731A1 (ja) 原料の処理装置および処理方法
JP2004292768A (ja) バイオマスのガス化方法及びその装置
KR20000015802A (ko) 석탄 가스화 장치, 석탄 가스화 방법 및 석탄 가스화 복합 발전시스템
JPH08503253A (ja) 高性能石炭ガス化装置
CN113195689A (zh) 用于处理含碳原料的系统和方法
JP4354104B2 (ja) バイオマスガス化装置およびバイオマスガス化装置が装備されたメタノール製造装置
DK2291326T3 (en) Method and equipment for the production of synthesis gas
JP5386635B2 (ja) 石炭ガス化反応炉の運転方法および石炭ガス化反応炉
JPH0967582A (ja) 水素・一酸化炭素混合ガスの製造方法及び製造装置
JP4227771B2 (ja) バイオマスのガス化方法
JPH0240717B2 (ja)
JP2003171675A (ja) 液体燃料合成システム
KR20000057519A (ko) 연소 플랜트 및 연료의 연소방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090729

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4354104

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term