JP4354035B2 - 待ち受けモード時の消費電力を低減するための方法及び装置 - Google Patents

待ち受けモード時の消費電力を低減するための方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全般に移動通信装置のパワーマネジメントに関連し、通信プロトコルにおいて非逐次データフォーマットを使用する際に、待ち受けモード時の消費電力を低減する方法に関連する。
【0002】
【従来の技術】
待ち受けモード時の消費電力を低減するための方法が当技術分野において知られている。Drapac等に付与された米国特許第4,961,073号は、2つのメッセージ部分を含むページング送信を実行する通信プロトコルに従って動作する方法を開示している。ページング送信の第1の部分を受信する間に、そのバリデーションが検出される。第1の部分が有効であると確定された場合、ページング送信の第2の部分が受信される。そうでない場合には受信機への電力の供給が遮断される。
【0003】
Hallbergに付与された米国特許第5,537,100号は、ページャにおいて用いられる方法及び装置を開示しており、あるパターンの無相関ビットを検索する方法を用いて、従来の逐次ページング送信をデコードしている。この特許による方法は、受信ワードをユーザの受信機のアドレスと比較し、両者間に存在する無相関ビットをカウントする。
【0004】
例えば、2ビット誤りまで訂正可能なBCHデコーダを有する通信プロトコルでは、少なくとも3つの無相関ビットが検出される場合には、受信ワードが適切には確定されため、受信機への電力供給が遮断され、それによって消費電力を低減する。
【0005】
ここで図1を参照すると、当分野において知られるコード照合に関する模式図が示される。ビットシーケンス100は受信機の移動局識別番号(MSI)であり、ビットシーケンス102はページング送信に付加された受信ビット列である。シーケンス102は、ID部分104及び誤り訂正に用いられるチャネルコーディング部分106を含む。BCHデコーダは、106部分を用いて、104部分の1ビット誤りまで訂正可能である。
【0006】
本例示では、受信したIDシーケンスと受信機のMSIとの間に2つの不一致部分110及び112が存在する。従来技術では、不一致の数が訂正可能な誤りの数より大きい場合、受信したIDは無視されるようになる。これは、チャネルコーディングビット106を用いて受信したID中の誤りを最大限に訂正したとしても、受信したIDとMSIとの間にさらに少なくとも1つの不一致が存在するためである。
【0007】
上記の方法が、逐次データの場合の解決法を提供することは当業者には理解されよう。非逐次データはこれらの方法に従って処理することはできない。また当業者には、データ或いはチャネルコーディングビットの何れかが非逐次フォーマットにおいて与えられる状況での解決法は存在しないということが理解されよう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通信プロトコルにおいて非逐次データフォーマットを用いる際に、待ち受けモード時の消費電力を低減するための新規な方法及び装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様に従って、識別番号(ID)を有し、非逐次形式の呼出メッセージ(hailing message)の一部を受信する受信機の消費電力を低減するための方法が提供される。
【0010】
呼出メッセージは複数のデータ行を含んでおり、各データ行が情報部分及びチャネルコーディング部分を含む。
【0011】
チャネルコーディング部分は、情報に含まれる所定の最大誤り数を訂正し、呼出メッセージの受信された部分は、複数のデータ行からなる情報部分を含む。従って、呼出メッセージの受信部分は、被呼出受信機の識別番号の少なくとも一部を含む。その消費電力低減方法は、受信した部分から被呼出受信機の識別番号部分を検出する過程と、被呼出識別番号部分と受信機が有する識別番号の各部分とを比較し、それにより両者間の不一致を検出する過程と、1つの被呼出識別番号の各部分に対して、検出された不一致の数が最大誤り数を越える場合には、呼出メッセージの受信を中止する過程とからなる。
【0012】
本発明の別の態様に従って、その方法はさらに、呼出メッセージの後続部分を受信する過程と、その後続部分を受信済部分と結合する過程と、検出する過程から繰り返す過程とをさらに有する。
【0013】
本発明のさらに別の態様に従って、接続される受信機の消費電力を低減するための装置が提供される。受信機は識別番号を有し、非逐次状態において呼出メッセージの一部を受信する。
【0014】
呼出メッセージは複数のデータ行を含み、各データ行が情報部分とチャネルコーディング部分とを含む。チャネルコーディング部分は情報に含まれる所定の最大誤り数を訂正する。呼出メッセージの受信部分は、複数のデータ行からなる情報部分を含み、それにより少なくとも1つの被呼出識別番号の少なくとも一部を含む。
【0015】
その装置は、受信機に接続されるコントローラ、呼出メッセージの受信部分を一時的に格納するために受信機に接続されるバッファ、識別番号を含む記憶ユニット並びに少なくとも1つの被呼出識別番号部分と受信機が有する識別番号の各部分とを比較するために、バッファ、記憶ユニット並びにコントローラに接続される比較器とを備える。
【0016】
比較器は、被呼出識別番号の各部分と受信機が有する識別番号の各部分の間の不一致の数をコントローラに与える。
【0017】
不一致の全ての数が所定の最大誤り数を越える場合には、コントローラは受信機に電力低減コマンドを送出する。
【0018】
さらにバッファは呼出メッセージの受信済部分に後続する部分を蓄積することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、図面に関連して取り上げられる以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【0020】
本発明は、受信した非逐次データを処理し、さらに受信ユニットMSIの識別番号(ID)内の各ビットを考慮して各受信ビットを割り振ることにより、従来技術の不都合な点を改善する。また本発明は、チャネルコーディング(CC)情報が非逐次フォーマットにおいて与えられる際に、チャネルコーディング情報を利用する新規な方法も提供する。
【0021】
ここで図2では、本発明の好適な実施例に従って構成され、かつ動作する、待ち受けモード時の消費電力を低減するための装置の模式図が示されており、全体として参照番号200が付されている。
【0022】
装置200は、コントローラ208、コントローラ208に接続される比較器204、比較器204に共に接続される記憶ユニット206及びバッファ202を備える。装置200のコントローラ208は、受信機220にも接続されており、受信機220はさらにアンテナ222及びバッファ202に接続される。
【0023】
受信機220は、アンテナ222を介して送信された信号を受信し、その信号をバッファ202に供給する。記憶ユニット206は受信機220のID列(MSI)を含む。比較器504は受信したビットを走査し、受信した各ビットに対して、MSIの対応する各ビットの位置を確定する。
【0024】
その後比較器204は、受信したIDビットとMSIの各ビットを比較する。不一致の数が許容される所定誤り数NERRORより大きい場合、コントローラ208は受信機220にコマンドを送出し、送信メッセージの残りの部分の受信を中止し、それにより消費電力を低減する。
【0025】
本発明に基づいて、チャネルコーディング(CC)ビットが非逐次フォーマットにおいて与えられる時、NERRORはチャネルコーディングビットにより確定される。
【0026】
ここで図3では、本発明の好適な実施例に従った、受信した送信メッセージの模式図が説明符号と共に示されており、全体として参照番号300が付されている。
【0027】
メッセージ300は、行302,304,306並びに308のような複数の行を含む。それぞれの行はチャネルコーディング(CC)ビット列で終了する。本例示では、行302、304、306、並びに308は、それぞれCC列CC302、CC304、CC306並びにCC308で終了する。これらのCC列は一行内で1ビット誤りまでの訂正を可能とし、こうしてNERROR=1となる。
【0028】
さらに行308は、完全なメッセージが損なわれていないかを確定するために用いられるCRC(巡回冗長符号)を備える。
【0029】
受信機220(図2)は、(列毎に)インターリーブされたフォーマットにおいてメッセージ300を受信し、列1のビットがまず310の部分で受信され、その後列2のビットが312の時点で受信され、列6のビットが314の時点で受信され、さらに列Kのビットが316の時点で受信される。
【0030】
行302、304、並びに306は、ID列の一部或いは全体を含み、メッセージ300が割り振られた受信機の識別番号を表す。行302は第1のID列の第1の部分ID(1A)を含む。行304は第1のID列の第2の部分ID(1B)並びに完全な第2のID列ID(2)を含む。行306はID列ID(3)を含む。
【0031】
RCR−27(PDC)のようないくつかの通信標準規格は、多倍長ID番号を利用できるということも注目されたい。ID(1)及びID(3)は単一長ID番号であるが、一方ID(2)は二倍長ID番号である。
【0032】
315の時点で、ID(1B)、ID(3)並びにID(2)の一部が受信される。その時点で、受信機220のIDの有効ビット間を比較した結果が、これらの各行に対するNERRORを超える誤りをもたらす場合には、コントローラ208が受信機220にコマンドを送出し、メッセージ300の残りの部分の受信を中止し、それにより消費電力を低減する。
【0033】
第1の例では、MSIは単一長ID番号である。J番目のビット(315)になるまで、装置200は、ID(1B)とMSIの各部分との間に1つの不一致と、ID(3)とMSIとの間に別の3つの不一致とを検出する。
【0034】
いくつかの通信標準規格では、ID長の指示を行わないということは当業者には理解されよう。この場合には、装置200は、その装置自体がもつID長にのみ関連して受信した情報を照合する。例えば装置200は、1つのIDを含む場合があるメッセージ内の任意の位置で開始する受信メッセージから、1つのビット列を選択する。このビット列の長さはMSIの長さと同一である。
【0035】
ID(3)が2つ以上の不一致を含むため、これらの不一致の1つがCC306を用いて訂正可能な誤りであっても、ID(3)とMSIとの間にさらに少なくとも別の不一致が存在することになろう。
【0036】
ID(1B)の場合、1つの不一致を有しており、ID(1A)がMSIの第1の部分と同一であるか、或いは少なくともID(1B)と同じ状況にある(すなわちNERROR以下の不一致を有する)という条件の場合、この不一致はCC304を用いて訂正可能な1ビット誤りであることができる。
【0037】
一方行302のK番目(316)のビットを受信した後、ID(1A)が2つ以上の不一致を有する場合、これらの不一致の1つがCC302を用いて訂正可能な誤りであっても、ID(1A)とMSIとの間にさらに少なくとも別の不一致が存在するため、さらにこのメッセージを受信する必要はないであろう。
【0038】
本発明の1つの態様に従った場合、受信機は受信したIDのID長を検出することができる。従って、K番目のビット(316)を受信した後、受信機は、ID(2)の長さが単一長IDの長さより長いことを検出し、それゆえそれを廃棄する。
【0039】
本発明の別の態様に従った場合には、受信機は受信したIDのID長を検出することができない。従って、受信機は、ID(2)のような二倍長ID列を2つの単一長ID列として処理する。
【0040】
第2の例では、MSIは二倍長ID番号である。J番目のビット(315)になるまで、装置200は、ID(1)及びID(3)が単一長ID番号であり、ID(2)とMSIとの間に2つの不一致が存在するということを検出する。その時点で、これらの不一致の1つがCC304を用いて訂正可能な誤りであっても、ID(2)とMSIとの間にさらに少なくとも別の不一致が存在するため、コントローラ208は受信機220にコマンドを送出し、メッセージ300の受信を中止する。
【0041】
ここで図4では、本発明の別の好適な実施例に従って動作する装置200を動作させるための方法の流れ図が示される。
【0042】
ステップ400では、受信機が着信識別番号列の一部を受信する。本例示では、装置200はメッセージ300の1つのビット列を受信し、受信したビットのどの部分がID番号に割り当てられているかを検出する。第2の列では、ID番号に割り当てられるビットは行304及び306のビットである。
【0043】
ステップ402では、装置200はこれらのIDビットを以前に受信したIDビットに結合する。本例示では、第2列、行304のビットが、第1列、行304のビットに付加され、ID(1B)の部分的なID列を形成する。同様に、第2列、行306のビットは第1列、行306のビットに付加され、ID(3)の部分的なID列を形成する。
【0044】
ステップ404では、装置200は部分的なID列ID(1B)の第1のビットとMSIの第8のビットを比較し、さらに部分的なID列ID(1B)の第2のビットをMSIの第9のビットと比較する(ID(1A)は7ビットを有する)。さらに、装置200は部分的なID列ID(3)の第1のビットとMSIの第1のビットを比較し、さらに部分的なID列ID(3)の第2のビットとMSIの第2のビットとを比較する。検出された不一致の数が、各比較手順に対して変数N内に格納される。
【0045】
ステップ406では、装置200はNが不一致の所定数EMAXを超えるか否かを検出する。EMAXは受信したメッセージに与えられるチャネルコーディングを用いて訂正可能な誤りの最大数である。NがEMAXを超える場合には、装置はステップ408に進む。そうでない場合には装置はステップ410に進む。
【0046】
ステップ408では、装置200は受信したメッセージ300の全ID部分が走査されたか否かを検出する。全IDが走査された場合には、装置200は受信機220にコマンドを送出し、メッセージ300の残りの部分の受信を中止し、それにより所定時間の間消費電力を低減する(ステップ412)。そうでない場合には、装置200はステップ400から繰り返す。
【0047】
ステップ410では、装置200は現在受信中のビットが部分的なIDの最終ビットであるか否かを検出する(例えば、ID(1B)の最終ビットである第9列、行304のビット)。現在受信中のビットが部分的なID列の最終ビットである場合には、装置はステップ408に進む。そうでない場合には装置200はステップ414に進む。
【0048】
ステップ414では、装置200は受信したIDが完全に受信されたか否かを検出する。これは当分野において既知の多くの方法において行うことができ、ここではMSI長が受信したID長と同一であるか否かを検出する方法の1つを用いて行う。受信したIDが完全に受信された場合には、装置はステップ416に進み、メッセージ300に付加されたチャネルコーディング情報を用いて全誤りが訂正される。そうでない場合には装置はステップ400に戻り、メッセージ300の次の列を受信する。
【0049】
ステップ418では、装置200は全ての誤りが訂正された後に、受信したIDがMSIと同一であるか否かを検出する。受信したIDがMSIと同一である場合には、装置200は受信機220を動作状態に保持し、その呼を受信するページング無線機である旨を通知するために送信機を動作させることになる。そうでない場合には装置200はステップ412に進む。
【0050】
以下、RCR−27標準規格に対して本発明の方法を実現するための説明である。
【0051】
ここで図5、図6、図7並びに図8を参照する。図5は、典型的なRCRページングメッセージの第3プロトコルレイヤの模式図である。図6は、図5のページングメッセージの第2プロトコルレイヤの模式図である。図7は、図5及び図6のページングメッセージの第1プロトコルレイヤの模式図である。図8は、図7のページングメッセージの一部からなる、第1プロトコルレイヤにおけるページングメッセージフォーマットの模式図である。
【0052】
図5では、RCR標準規格に従ったページングメッセージの第3レイヤ534は以下のような複数のフィールドを含む。そのフィールドは、メッセージ種別フィールド502(1バイト)、BCCHを受信するのに先行して、0〜15のスーパーフレームの数を指示するためのBCCH受信区間長フィールド504(1バイト)、ページングメッセージに含まれる移動局ID番号の数を指示するための呼出し移動局数フィールド506、呼出し局のID番号を含む移動局番号フィールド508、512,516並びに520(それぞれ64ビットまで)並びに呼出し局の識別番号を含む着信識別番号フィールド510、514、518並びに522(それぞれ1バイト)である。
【0053】
図6では、ページングメッセージ第2レイヤは、3つのフィールドを含み、各フィールドは以下に示すようなN(整数)オクテット(8ビット)の長さを有する。それは、PCH用に2オクテットを含むアドレスフィールド530、2オクテットを含む制御フィールド532並びに図5に示されるようなページングメッセージを含むNオクテット長を有する情報フィールド534である。
【0054】
図7では、第1のプロトコルレイヤ600は280ビットの情報を含み、その情報はバースト過渡応答用ガード(R)ビットフィールド552、プリアンブル(P)フィールド550、共通アクセスチャネル(CAC)Iフィールド548、同期ワード(SW)フィールド546、カラーコードフィールド544、共通アクセスチャネル(CAC)IIフィールド542並びに衝突制御ビット(E)フィールド540からなる複数のフィールドに分割される。共通アクセスチャネル(CAC)メッセージ500は、224ビットを含み、それぞれ112ビットを含む2つの部分548及び542に分割される。
【0055】
図8では、CAC部分642及び648の詳細な図表が示されており、概ねメッセージ500のCAC部分542及び548と同様である。破線はCACメッセージ548からなる第1の部分の最後を示しており、同期ワード(SW)フィールド及びカラーコードフィールドに先行して受信され、各行において7ビットを有している。この例では、アドレスフィールドは2バイト長からなる。
【0056】
図8に戻ると、本発明の方法は間欠受信中にページングチャネル(PCH)を受信するために用いることができる。CAC548メッセージからなる第1の部分において受信するビットの数は112ビットである。これらのビットは、CACメッセージ600内の幾つかのフィールドの一部をなす。
【0057】
MSIフィールドは元々のページングメッセージでは80ビットまでを含むが、その内の56ビットのみがCACメッセージ548からなる第1の部分において受信される。チャネルコーディングフィールド570により示されるBCHコーディング方法は、メッセージ534の受信処理中に生じる場合がある誤りを訂正するために用いられる。本例示では、チャネルコーディングコード570は1つの行において1つの誤りまで訂正することができる。1つの行における誤りの数が2つ以上である場合には、全メッセージが破棄される。MSにおいて、PCH受信時に3つの動作が考えられる。
a.メッセージが誤って(CRCエラー)受信され、少なくとも1つの行に2つ以上の誤りが存在する。この場合にはメッセージは無視される。
b.メッセージが有効に(1つの行に1つの誤りまでを有して)受信されるが、MSIが受信する局のMSIと一致しない。この場合には、メッセージは受信されるが、MSに影響を与えない。当分野においてこの場合はに、受信局は上記第1の場合と同様のことを行う。これが最も起こる可能性が高く、従ってハンドセットの電流消費を支配すると考えられる。本発明は、CACメッセージ548からなる第1の部分のみをモニタする新規のアルゴリズムを用いてこの場合を排除する。
c.メッセージが有効に受信され、MSIが移動局自体が有するMSIと同一である。
【0058】
本発明の方法(図4のステップ404)は、CACメッセージ534に含まれるMSIに相当する各位置に対する不一致の数と、MSI情報510−522を含む行内の誤りの数とをカウントする。それぞれの比較において、少なくとも1つの行に2つ以上の誤りが存在する場合には、本方法のアルゴリズムはこのメッセージを「継続不要」として確定して、CACメッセージの第2の部分の受信を中止する。それ以外の場合には、受信は継続される。
【0059】
SW及びカラーコードは常時受信される。各行からの受信したビット数が、一致しないMSIを除去するには不十分である場合がある(その差は受信されなかったビット内に現れる)。この場合に受信局は、SW546を受信した後に到達するメッセージを受信し続けるであろう。しかしながら、各受信MSIはN(整数)オクテット数により制限される。
【0060】
本発明のこの態様に従った方法は以下の過程を含む。
A.受信したCACメッセージにおいてMSIの開始位置を確定する過程。
B.受信局のMSIと(第1の過程において確定されるような)受信したMSIとを比較する過程。この比較は受信したビットに対してのみ行われる。
C.各行において誤り数をカウントする過程。
D.MSIに相当する各点に対して少なくとも1つの行に所定の最大誤り数を超える誤りが存在する場合、現在のメッセージの受信を中止する過程。
E.全ての相当する点に対して過程A−Dを繰り返す過程。
【0061】
図9−図16を参照すると、本発明の別の実施例に従った比較手順が示される。
【0062】
本例示では、受信局のMSI長は24ビットである。このMSI番号は000100100011010001010110である。
【0063】
受信したMSIは、
100xxx1101110xxx0101110xxx1001001xxx0101
111xxx0010000xxx1001110xxx0101011xxx0101
である。
【0064】
図9−図16では、受信したMSIは細字で示され、一方受信局のMSIは太字で示され、受信した情報の下に配置される。受信したメッセージの各行は、フォーマットNNNNNNNXXXにおいて示され、Nは受信したMSI情報ビットを表し、Xは受信していないMSIビットを表す。受信局のMSIと受信した情報との間の各不一致は四角で囲まれる。選択された行において許容される最大誤り数は1つである。
【0065】
図9では、開始位置は第1のオクテット(8ビットからなる第1の組)の開始位置で確定される。第1の行には1つの不一致、第2の行には二つの不一致並びに第3の行には2つの不一致が存在する。
【0066】
図10では、開始位置は第2のオクテット(8ビットからなる第2の組)の開始位置で確定される。第2の行には2つの不一致、第3の行には3つの不一致並びに第4の行には3つの不一致が存在する。
【0067】
図11では、開始位置は第3のオクテット(8ビットからなる第3の組)の開始位置で確定される。第3の行には4つの不一致、第4の行には2つの不一致並びに第5の行には2つの不一致が存在する。
【0068】
図12では、開始位置は第4のオクテット(8ビットからなる第4の組)の開始位置で確定される。第4の行には5つの不一致、第5の行には3つの不一致並びに第6の行には1つの不一致が存在する。
【0069】
図13では、開始位置は第5のオクテット(8ビットからなる第5の組)の開始位置で確定される。第4の行には1つの不一致、第5の行には5つの不一致並びに第6の行には3つの不一致が存在する。
【0070】
図14では、開始位置は第6のオクテット(8ビットからなる第6の組)の開始位置で確定される。第5の行には3つの不一致、第6の行には4つの不一致並びに第7の行に4つの不一致が存在する。
【0071】
図15では、開始位置が第7のオクテット(8ビットからなる第7の組)の開始位置で確定される。第6の行に2つの不一致、第7の行に3つの不一致並びに第8の行に2つの不一致が存在する。
【0072】
図16では、開始位置が第8のオクテット(8ビットからなる第8の組)の開始位置が確定される。第7の行に4つの不一致、第8の行に3つの不一致並びに第9の行に2つの不一致が存在する。
【0073】
上記それぞれの比較が、少なくとも1つの比較した行において少なくとも2つの不一致をもたらす。こうして受信局のMSIは、受信したMSI情報において検出されることができない。それゆえ本発明の方法は、呼出メッセージの残りの部分の受信を中止する。
【0074】
第1のCAC部分548からなる受信したMSI情報において、24ビット長を有するMSIを検出する確率の計算を以下に示す。
【0075】
この場合に受信したMSI情報において、選択された行に対して許容される最大不一致数は、CC部分により1ビット誤りに限定される。
【0076】
本例示では、図13に示される場合に対して計算が行われる。ビットがランダムであるものと仮定すると、この事象に対する確率は、それぞれの行において7個の中から6個を検出したものと、7個の中から7個を検出したものとの論理和を取ったものであり、それが以下に与えられる。
【0077】
【数1】
[7/(2^7)+1/(2^7)]^2〜0.004
全メッセージにおいて他のMSIを除去するための確率の計算を以下に示す。本例示では、図9−図12並びに図14−図16において上述した全ての場合に正確なMSIを検出するための確率は、図13に示される場合と同様であるものと仮定する。この事象に対する確率は、1から上記の確率を引いて、全事象回数分掛け合わせたものであり、それが以下に与えられる。
【0078】
【数2】
(1−0.004)^8=0.968
用語「識別番号」は、任意の進法における数字、文字等のような任意の種類の記号を含むことができる任意のフォーマットの任意の識別番号列を含むことが理解されよう。
【0079】
本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではない。むしろ本発明の範囲は請求の範囲より画定される。
【0080】
【発明の効果】
上記のように、通信プロトコルにおいて非逐次データフォーマットを用いる際に、データの誤りを効率的に検出することにより、待ち受けモード時の消費電力を低減するための方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】当分野において知られるコード照合に関する模式図である。
【図2】本発明の好適な実施例に従って構成され、かつ動作する、待ち受けモード時の消費電力を低減するための装置の模式図である。
【図3】本発明の好適な実施例に基づく、説明符号と共に示される受信された送信メッセージの模式図である。
【図4】本発明の別の好適な実施例に従って機能する図2の装置を動作させるための方法の流れ図である。
【図5】典型的なRCR−27(PDC)ページングメッセージの第3プロトコルレイヤの模式図である。
【図6】図5のページングメッセージの第2プロトコルレイヤの模式図である。
【図7】図5及び図6のページングメッセージの第1プロトコルレイヤの模式図である。
【図8】図7のページングメッセージの一部からなる、第1プロトコルレイヤにおけるページングメッセージフォーマットの模式図である。
【図9】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図10】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図11】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図12】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図13】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図14】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図15】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【図16】本発明の別の好適な実施例に従った比較手順を示す図である。
【符号の説明】
100、102 ビットシーケンス
104 ID部分
106 チャネルコーディング部分
110、112 不一致部分
200 装置
202 バッファ
204 比較器
206 記憶ユニット
208 コントローラ
220 受信機
222 アンテナ
300 メッセージ
302、304、306、308 行
310 列1受信タイミング
312 列2受信タイミング
314 列6受信タイミング
315 列J受信タイミング
316 列K受信タイミング
400〜420 流れ図の各ステップ
500
502 メッセージ種別フィールド
504 BCCH受信区間長フィールド
506 呼出し移動局数フィールド
508、512、516、520 移動局番号フィールド
510、514、518、522 着信識別番号フィールド
530 アドレスフィールド
532 制御フィールド
534 情報フィールド
540 衝突制御ビットフィールド
542 共通アクセスチャネルIIフィールド
544 カラーコードフィールド
546 同期ワードフィールド
548 共通アクセスチャネルIフィールド
550 プリアンブルフィールド
552 バースト過渡応答用ガードビットフィールド
570 チャネルコーディング
600 CACメッセージ

Claims (2)

  1. 識別番号を有し、非逐次状態において呼出メッセージの一部を受信する受信機の消費電力を低減するための方法であって、前記呼出メッセージが複数のデータ行を含み、各データ行が情報部分及びチャネルコーディング部分を有し、前記チャネルコーディング部分が前記情報部分の所定最大誤り数までの誤りを訂正し、前記呼出メッセージの受信した部分が前記複数のデータ行の前記情報部分を有し、それにより少なくとも1つの被呼出受信機の識別番号の少なくとも一部を有しており、また前記方法が、
    前記受信した部分における前記少なくとも1つの被呼出識別番号の部分を検出する過程と、
    前記少なくとも1つの被呼出識別番号の前記部分と受信機が有する前記識別番号の各部分とを比較し、それにより両番号間の不一致を検出する過程と、
    前記少なくとも1つの被呼出識別番号の前記各部分に対して検出された前記不一致の数が前記所定最大誤り数を超える場合には、前記呼出メッセージの受信を中止する過程と、
    前記呼出メッセージの付加的部分を受信する過程と、
    前記付加的部分を、前記受信した部分と結合する過程と、
    前記検出過程から繰り返す過程とを有することを特徴とする方法。
  2. 接続される受信機の消費電力を低減するための装置であって、前記受信機が識別番号を有し、非逐次状態において呼出メッセージの一部を受信し、前記呼出メッセージが複数のデータ行を含み、各データ行が情報部分とチャネルコーディング部分とを有し、前記チャネルコーディング部分が前記情報部分の所定最大誤り数までの誤りを訂正し、前記呼出メッセージの受信した部分前記複数のデータ行の前記情報部分を含み、それにより少なくとも1つの被呼出受信機の識別番号の少なくとも一部を含んでおり、また前記装置が、
    前記受信機に接続されるコントローラと、
    前記受信機に接続され、前記呼出メッセージの前記受信した部分を一次的に格納するためのバッファと、
    前記識別番号を含む記憶ユニットと、
    前記バッファ、前記記憶ユニット並びに前記コントローラに接続され、少なくとも1つの被呼出識別番号の前記少なくとも一部と前記識別番号の各部分とを比較するための比較器とを有し、
    前記比較器が、少なくとも1つの被呼出識別番号の前記少なくとも一部と前記識別番号の前記各部分との間の不一致の数を前記コントローラに送出し、
    前記コントローラが、前記不一致の数が前記所定最大誤り数を超える場合には、前記受信機に電力減衰コマンドを送出し、
    前記バッファが、前記呼出メッセージの前記受信した部分の付加的部分を蓄積することを特徴とする受信機の消費電力を低減するための装置。
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