JP4353728B2 - ブッシュ、測定器、測定器の製造方法および測定器の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブッシュ、測定器、測定器の製造方法および測定器の洗浄方法に関する。
【0002】
【背景技術】
被測定物の寸法等を測定する測定器として図4に示されるダイヤルゲージ1が知られ(例えば、特許文献1)、さらに防水型のダイヤルゲージ1が知られている。このダイヤルゲージ1は、本体部2と、本体部2に設けられた筒状のステム3と、ステム3内を軸方向に進退可能に設けられ先端に被測定物に当接する測定子を有するスピンドル4と、ステム3内に設けられスピンドル4を軸受するブッシュ5と、本体部2の表面に設けられスピンドル4の軸方向変位量を指針61により表示する表示手段6と、を備えている。
本体部2は防水性の密封構造とされ、本体部2内にはスピンドル4の移動量を拡大するとともに表示手段6の指針61の回転運動に変換する移動量変換機構が設けられている(不図示)。このような移動量変換機構としてはスピンドル4に設けられたラックと、ラックに噛合するピニオンと、ピニオンの回転を指針61に向けて伝達する歯車列とを備えた機構が挙げられる。
ブッシュ5は、ステム3に圧入されて外周面で固定されており、また内周面でスピンドル4を軸受する。図5(A)および図5(B)に示されるように、ブッシュ5の内周にはスピンドル4の移動時に本体部2と外部とで空気を流通させるためのV溝51が形成されている。V溝51は、ブッシュ5の内周面でスピンドル4の軸方向に沿って形成されている。V溝51は、ブッシュ5がステム3に圧入された後に形成される。
【0003】
このような構成によれば、スピンドル4の変位量が表示手段6に表示されることにより被測定物の寸法等の測定値が得られる。スピンドル4が移動するとき、ブッシュ5とスピンドル4との間でV溝51を通って空気が移動し、スピンドル4の移動に応じて本体部2内に空気が流入し、あるいは本体部2内から空気が流出する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−264003号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軸受となるブッシュ5の内周にV溝51を刻むと、V溝加工によるバリ(かえり、まくれ)がブッシュ5の内周に発生する。すると、スピンドル4の摺動にバリが影響し、スピンドル4の滑らかな移動が阻害されるという問題が生じる。スピンドル4の移動が阻害されると測定精度が劣化するという問題が生じる。
また、ブッシュ5の内周にV溝51を形成するのでブッシュ5の内径への加工が必要となり加工コストが増大するという問題が生じる。
ブッシュ5をステム3に圧入した後にV溝加工を施す二次加工が行われた場合には、製造手順が複雑になるため製造コストが増大するという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、スピンドルを精密に軸受することができるとともに製造効率を向上させることができるブッシュ、測定器およびこの測定器の製造方法を提供し、また、簡便でかつ確実な測定器の洗浄方法を提供しようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のブッシュは、筒状のステムと前記ステム内を進退可能に設けられたスピンドルとの間に介在配置されて前記スピンドルを進退方向に摺動可能に軸受けするブッシュにおいて、前記ステムと該ブッシュとにて挟まれる空気が前記スピンドルの進退方向の一方側から他方側へ往復移動可能な連通路が外周面に設けられていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、スピンドルの進退方向に連通路を通じて空気の流れが形成される。例えば、ステムが密封構造の本体部に取り付けられた場合でも、スピンドルの進退に合わせて本体部に連通路を通じて空気が注入され、もしくは本体部から空気が排出される。
連通路は、ブッシュの外周面に形成されるので、スピンドルを軸受する内周面には何らの加工を施す必要がない。したがって、ブッシュの軸受面にはバリなどが発生せず、スピンドルを精密に軸受することができる。
連通路は、ブッシュの外周面に形成されるので、ブッシュの内径を加工することに比べて格段に容易に形成できる。従って、製造工程を簡略化して製造効率を向上させることができる。また、連通路も含めてブッシュの形状を形成した後でブッシュをステムに取り付けできるので、ブッシュをステムに取り付けたのちにステムを加工するなどの二次加工を必要としない。よって、製造ラインをストリーム化することにより、製造効率を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載のブッシュは、請求項1に記載のブッシュにおいて、前記連通路は、前記外周面に前記スピンドルの進退方向に沿って形成された溝条であることを特徴とする。
このような構成によれば、ブッシュの外周面に溝を形成するだけであるので加工が容易であり、製造効率を向上させることができる。
【0010】
請求項3に記載のブッシュは、筒状のステムと前記ステム内を進退可能に設けられたスピンドルとの間に介在配置されて前記スピンドルを進退方向に摺動可能に軸受けするブッシュにおいて、前記ステムの内壁に固定されるとともに前記スピンドルとの間に所定間隔のスピンドル側空間を有する固定部と、前記スピンドルを摺動可能に軸受けするとともに前記ステムの内壁との間に所定間隔のステム側空間を有する軸受部と、前記スピンドル側空間と前記ステム側空間とを連通する連通孔と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、固定部によりブッシュがステム内に固定され、軸受部によりスピンドルが軸受けされる。そして、スピンドル側空間の気体が連通孔を通ってステム側空間に流れ、ステム側空間の気体が連通孔を通ってスピンドル側空間に流れる。ステム内で空気の流路を形成することができるので、例えば、ステムが密閉構造の本体部に取り付けられた場合でも、スピンドルの移動に合わせて本体部内に空気が流入し、もしくは本体部から空気が排出される。
空気の流路を得るために軸受部のスピンドルを軸受する面には溝を形成するなどの加工を要しない。よって、軸受部の軸受面を滑らかにしてスピンドルを軸受する精度を向上させることができる。
連通孔を含めてブッシュの形状を形成してからブッシュをステムに取り付けることができるので、ブッシュをステムに取り付けたあとでブッシュに溝を形成するなどの二次加工を施す必要がない。よって、製造ラインをストリーム化することで製造効率を向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載のブッシュは、請求項3に記載のブッシュにおいて、前記スピンドルの進退方向に所定間隔離隔して設けられた前記固定部と前記軸受部との間で前記固定部と前記軸受部とを連結する連結部を備え、前記連通孔は、前記連結部に貫通形成されていることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、連結部に連通孔を連結部に穿設するだけでよいので簡便である。例えば、連結部として固定部と軸受部との間でステムにもスピンドルにも所定間隔離隔する連結部を設けておいて、この連結部のステム側とスピンドル側とを連通孔で貫通させればスピンドル側空間とステム側空間とを連通させることができる。ブッシュの内径への加工を必要としないことから加工工程を簡略化することができ、製造コストを削減することができる。
【0014】
請求項5に記載の測定器は、筒状のステムと、前記ステム内を進退可能に設けられ先端に被測定物に当接する測定子を有するスピンドルと、請求項1または請求項2に記載のブッシュと、前記スピンドルの進退量を表示する表示手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、請求項1または請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏する測定器とすることができる。さらに、密閉構造の測定器のみならず総ての測定器のブッシュを共通化することで製造効率を高め、製造コストを削減することができる。密閉構造以外の測定器ではブッシュに連通路などの加工は本来必要ないが、総ての測定器の部品を共通化することで全体として部品点数を削減して、製造ラインも簡略化することができる。そして、ブッシュの外周面に溝などを形成することは、従来のように二次加工でブッシュ内径に溝を掘ることに比べて格段に容易であることから製造コストへの影響は小さく、むしろ全体として部品共通化と製造ラインのストリーム化により総ての測定器の製造コストを削減することができる。
【0016】
請求項6に記載の測定器は、筒状のステムと、前記ステム内を進退可能に設けられ先端に被測定物に当接する測定子を有するスピンドルと、請求項3または請求項4に記載のブッシュと、前記スピンドルの進退量を表示する表示手段と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、請求項3または請求項4の発明と同様の作用効果を奏する測定器とすることができる。さらに、密閉構造の測定器のみならず総ての測定器のブッシュを共通化することで製造効率を高め、製造コストを削減することができる。部品共通化と製造ラインのストリーム化により総ての測定器の製造コストを削減することができる。
【0017】
請求項7に記載の測定器の製造方法は、請求項5に記載の測定器を製造する測定器の製造方法であって、前記ブッシュに前記連通路を形成した後に該ブッシュを前記ステムに取り付けることを特徴とする。
このような構成によれば、ブッシュに連通路例えばV溝を形成したあとでブッシュをステムに取り付ける。すると、ステムにブッシュを取り付けたあとにさらにブッシュを加工するなどの二次加工を必要としない。よって、製造工程のストリームライン化を行うことで製造工程を簡略化することができ、製造効率を向上させることができる。
【0018】
請求項8に記載の測定器の製造方法は、請求項6に記載の測定器を製造する測定器の製造方法であって、前記ブッシュに前記連通孔を形成した後に該ブッシュを前記ステムに取り付けることを特徴とする。
このような構成によれば、ステムにブッシュを取り付けたのちにブッシュを加工する二次加工を必要としないので、製造工程のストリームライン化を実現し、製造効率を向上させることができる。
【0019】
請求項9に記載の測定器の洗浄方法は、請求項6に記載の測定器を洗浄する測定器の洗浄方法であって、前記スピンドル側空間、前記ステム側空間および前記連通孔を通って洗浄液を注入あるいは排出させることを特徴とする。すなわち、前記スピンドル側空間、前記ステム側空間および前記連通孔を通って洗浄液を前記ステム内に注入する洗浄液注入工程と、前記スピンドル側空間、前記ステム側空間および前記連通孔を通って洗浄液を前記ステム内から排出させる洗浄液排出工程と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、ステム内に洗浄液を注入することができ、また、ステム内から洗浄液を排出させることができる。つまり、スピンドル側空間とステム側空間とが連通孔で連通されているので、洗浄液の流路を確保し、洗浄液の注入、排出によりステム内部を簡便に洗浄することができる。このとき、洗浄液の流れが形成されるので洗浄が確実に行われる。また、スピンドル側空間やステム側空間に洗浄液が残りにくいので、残液等による腐食を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明のブッシュおよびこのブッシュを備えた測定器の一実施形態としてダイヤルゲージ1を示す。
このダイヤルゲージ1の基本的構成は背景技術で説明したダイヤルゲージ1に同様であるが、ブッシュの構造に特徴を有する。図1中、背景技術(図4、図5)と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
ブッシュ7は、円筒形状の外周面72にステム3との間で空気を通気させる連通路としてのV溝(溝条)71を有している。
ブッシュ7は、ステム3の先端から圧入され、ブッシュ7の外周面72がステム3の内壁31に固定されている。ブッシュ7の外径はステム3の内径に略同一であり、また、ステム3の内周が円形であることに合わせてブッシュ7の外周は円形に形成されている。
ブッシュ7の内径はスピンドル4の外径に略同一であり、ブッシュ7の内周面73でスピンドル4が軸方向(図1中一点鎖線A)に進退可能に軸受される。
V溝71は、ブッシュ7の外周面72にスピンドル4の進退方向Aに沿ってブッシュ7の一端から他端にわたって断面V字状に切欠いて形成されている。V溝71は、二条設けられており、ブッシュ7の直径方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0021】
なお、連通路としての溝の形状はV字に限られず例えばU字状でも底面が平坦の溝であっても良いことはもちろんである。ただし、V字である場合には、加工が容易であり製造コストを低減できる。また、溝の本数も二条でも三条でも良い。溝は直線状に限らず、例えば、らせん状などの曲線でもよいことはもちろんである。
V溝71は、ブッシュ7の形状が形成されるときに同時に形成される。そして、V溝71を含めてブッシュ7の形状が形成された後、ブッシュ7はステム3に圧入される。
【0022】
このような第1実施形態の動作について説明する。
スピンドル4を軸方向Aに進退させる。例えば、スピンドル4を本体部2から引き出す場合、ステム3とブッシュ7との間でV溝を通って空気が本体部2内に入流する。スピンドル4を本体部2に向けて押込んだ場合、本体部2内の空気がV溝71を通って本体部2内から外部に押し出される。
【0023】
このような第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)V溝71がブッシュ7の外側なので、スピンドル4を軸受する内周面73にはバリが発生しない。従って、スピンドル4がブッシュ7の軸受により滑らかに摺動できる。その結果、ダイヤルゲージ1の測定精度が向上させる。
【0024】
(2)V溝71がブッシュ7の外周面72に形成されるのでV溝71の加工が非常に簡便である。従来のようにブッシュ7の内径を加工する場合に比べると加工が簡単であるので、加工コストを低減させることができる。
【0025】
(3)ブッシュ7にV溝71まで含めて形成したのちにステム3に圧入するので、圧入後の二次加工が必要ない。その結果、製造工程がストリーム化され、製造効率を向上させ、結果として製造コストを低減させることができる。
【0026】
(4)防水型のダイヤルゲージ1に限らず、総てのダイヤルゲージ1のブッシュ7として共通化して用いることができる。防水型でないダイヤルゲージ1であればV溝71を有している必要はないのであるが、ブッシュ7の外周にV溝71を形成するのは容易であるので、V溝71を備えるブッシュ7を用いても加工コストを押し上げる効果は少ない。そして、防水型と防水型以外とで部品を共通化することにより、全体として部品点数を削減するとともに製造ラインを簡略化できる。その結果、すべてのダイヤルゲージ1の製造コストを低減することができる。
【0027】
(第2実施形態)
本発明のブッシュおよびこのブッシュを備えた測定器の第2実施形態について図2を参照して説明する。第2実施形態の基本的構成は背景技術(図4、図5)で説明した構成に同様であるが、ブッシュの構成に特徴を有する。
ブッシュ8は、ステム3の内壁に固定されるとともにスピンドル4との間に所定間隔のスピンドル側空間811を有する固定部81と、スピンドル4を摺動可能に軸受けするとともにステム3の内壁との間に所定間隔のステム側空間821を有する軸受部82と、固定部81と軸受部82とを連結する連結部83と、スピンドル側空間811とステム側空間821とを連通する連通孔84と、を備えている。
【0028】
ブッシュ8は、全体に略円筒形状であり、ステム3の先端から圧入されている。ブッシュ8は、スピンドル4の進退方向Aに沿って一端から他端に向けて順に固定部81、連結部83および軸受部82を有し、固定部81からステム3に圧入される。
固定部81は、円筒形状でステム3の内径に略同一の外径を有する。ブッシュ8がステム3に圧入されると、固定部81の外周面がステム3の内壁に固定される。固定部81の内径は、スピンドル4の外径よりも僅かに大きく、スピンドル4との間に所定の間隔を有しスピンドル側空間811が形成されている。
【0029】
軸受部82は、円筒形状でスピンドル4の外径に略同一の内径を有する。軸受部82の内周面によってスピンドル4が軸受される。
軸受部82の外径は、ステム3の内径よりもわずかに小さく、ステム3の内周面との間に所定の間隔を有しステム側空間821が形成されている。
連結部83は、固定部81と軸受部82との間に設けられ、固定部81の他端と軸受部82の一端とを連結している。連結部83は、円筒形状であって、内径はスピンドル4の外径よりも大きく、また、外径はステム3の内径よりも小さい。つまり、連結部83は、ステム3およびスピンドル4との間にそれぞれ所定の間隔を有している。
【0030】
連通孔84は、連結部83の外周と内周とを連通している。連通孔84は、固定部81と連結部83との境界部分で、固定部81の一部を切り欠くとともに連結部83を貫通して穿設されている。
ブッシュ8は、固定部81、連結部83および軸受部82が連続一体的に一体形成されている。ブッシュ8は、連通孔84も含めて形状が形成されたのち、固定部81からステム3に圧入されている。
【0031】
このような第2実施形態の動作について説明する。
スピンドル4を軸方向Aに進退させる。例えば、スピンドル4を本体部2から引き出す場合、空気が本体部2内に流入する。このとき、ステム3と軸受部82との間のステム側空間821から連結部83の外周側に空気が流入する。連結部83の外周側から連通孔84を通って固定部81とスピンドル4との間のスピンドル側空間811へ抜けて、本体部2内へ空気が流入する。
スピンドル4を本体部2に向けて押込んだ場合、本体部2内の空気が外部へ押し出される。このときは、スピンドル側空間811から連通孔84を通ってステム側空間821へ空気が抜ける。
【0032】
このような第2実施形態によれば、第1実施形態(1)から(4)と同様の効果を奏する。
また、本実施形態のブッシュ8を総てのダイヤルゲージ1に共通化すると、ダイヤルゲージ1に洗浄液を注入し、またダイヤルゲージ1から洗浄液を排出することができる。つまり、図3に示されるように、空気が流入、流出するのと同じ経路(図3中矢印B)で洗浄液を注入、排出することができる。
ここで、連通孔84が無い場合にはステム側空間821から空気の逃げ場がないことから、ステム側空間821に洗剤液を注入することが困難であり、また、ステム側空間821に流入した洗浄液を排出することが困難となる。しかし、連通孔84が設けられ、さらに、連通孔84からスピンドル側空間811に繋がっていることから洗浄液の流れができ、ダイヤルゲージ1を効果的に洗浄することができる。
【0033】
尚、本発明のブッシュ、測定器、測定器の製造方法および測定器の洗浄方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
測定器は、ハンドツールの測定器としてダイヤルゲージ1に限られず、マイクロメータ、マイクロメータヘッドなどでもよく、要はスピンドル4を摺動可能に軸受するブッシュを備えた測定器であればよい。あるいは、先端にバイト(刃)を有するスピンドル4を摺動可能に軸受するブッシュを備えた工作機械等でもよい。
【0034】
ブッシュ7、8は円筒形状であるとして説明したが、断面形状は円形に限られず、スピンドル4やステム3の形状にあわせて多角形であってもよい。つまり、ステム3の内周の断面形状が多角形であれば、ブッシュ7、8の外周をステム3の内周に合わせた多角形に形成する。スピンドル4の断面形状が多角形であればブッシュ7、8の軸受面もスピンドル4の外形に合わせて多角形にする。
【0035】
第2実施形態において、固定部81と軸受部82との間に連結部83が設けられ、連結部83を貫通して連通孔84が形成されるとして説明したが、連結部83は必ずしも必要ではなく、固定部81と軸受部82とが直接に繋がっていてもよい。そして連通孔84は、スピンドル側空間811とステム側空間821とを連通してブッシュ7、8に穿設されていればよい。
ブッシュ7、8は固定部81からステム3に圧入されているが、軸受部82からステム3に圧入されていてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のブッシュ、測定器、測定器の製造方法によれば、スピンドルを精密に軸受することができるとともに製造効率を向上させることができ、また本発明の測定器の洗浄方法によれば、簡便でかつ確実に測定器を洗浄することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の測定器に係る第1実施形態の要部の断面図である。(B)は(A)中I-I線での断面図である。
【図2】(A)は本発明の測定器に係る第2実施形態の要部の断面図である。(B)は(A)中II-II線での断面図である。
【図3】本発明の測定器の洗浄方法において洗浄液の流路を示す図である。
【図4】従来の測定器を示す図である。
【図5】従来の測定器においてブッシュの構造を示す図である。
【符号の説明】
1…ダイヤルゲージ(測定器)
3…ステム
4…スピンドル
5、7、8…ブッシュ
6…表示手段
71…V溝(連通路、溝条)
81…固定部
82…軸受部
83…連結部
84…連通孔
811…スピンドル側空間
821…ステム側空間
Claims (9)
- 筒状のステムと前記ステム内を進退可能に設けられたスピンドルとの間に介在配置されて前記スピンドルを進退方向に摺動可能に軸受けするブッシュにおいて、
前記ステムと該ブッシュとにて挟まれる空気が前記スピンドルの進退方向の一方側から他方側へ往復移動可能な連通路が外周面に設けられている
ことを特徴とするブッシュ。 - 請求項1に記載のブッシュにおいて、
前記連通路は、前記外周面に前記スピンドルの進退方向に沿って形成された溝条である
ことを特徴とするブッシュ。 - 筒状のステムと前記ステム内を進退可能に設けられたスピンドルとの間に介在配置されて前記スピンドルを進退方向に摺動可能に軸受けするブッシュにおいて、
前記ステムの内壁に固定されるとともに前記スピンドルとの間に所定間隔のスピンドル側空間を有する固定部と、
前記スピンドルを摺動可能に軸受けするとともに前記ステムの内壁との間に所定間隔のステム側空間を有する軸受部と、
前記スピンドル側空間と前記ステム側空間とを連通する連通孔と、を備えている
ことを特徴とするブッシュ。 - 請求項3に記載のブッシュにおいて、
前記スピンドルの進退方向に所定間隔離隔して設けられた前記固定部と前記軸受部との間で前記固定部と前記軸受部とを連結する連結部を備え、
前記連通孔は、前記連結部に貫通形成されている
ことを特徴とするブッシュ。 - 筒状のステムと、前記ステム内を進退可能に設けられ先端に被測定物に当接する測定子を有するスピンドルと、
請求項1または請求項2に記載のブッシュと、
前記スピンドルの進退量を表示する表示手段と、を備えている
ことを特徴とする測定器。 - 筒状のステムと、前記ステム内を進退可能に設けられ先端に被測定物に当接する測定子を有するスピンドルと、
請求項3または請求項4に記載のブッシュと、
前記スピンドルの進退量を表示する表示手段と、を備えている
ことを特徴とする測定器。 - 請求項5に記載の測定器を製造する測定器の製造方法であって、
前記ブッシュに前記連通路を形成した後に該ブッシュを前記ステムに圧入する
ことを特徴とする測定器の製造方法。 - 請求項6に記載の測定器を製造する測定器の製造方法であって、
前記ブッシュに前記連通孔を形成した後に該ブッシュを前記ステムに圧入することを特徴とする測定器の製造方法。 - 請求項6に記載の測定器を洗浄する測定器の洗浄方法であって、
前記スピンドル側空間、前記ステム側空間および前記連通孔を通って洗浄液を注入あるいは排出させる
ことを特徴とする測定器の洗浄方法。
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