JP4353587B2 - 吸収性物品用の圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で嵩高く且つ厚みが薄く、圧縮回復性が高い、吸収性物品用の圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品、詳しくは、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いた場合に、吸収性物品の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品に必要な(安心感を与える)厚みを発現させる圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、構成や使用材料の改良により、その包装体がコンパクトになり、持ち運びが便利になった。
しかしながら、包装体をコンパクトにするために吸収性物品1枚1枚の厚みを薄くすると、吸収性物品がぺらぺらになり、使用時に漏れに対する不安感が生じる。
【0003】
そこで、使用時の漏れに対する不安感を解消するために、吸収性物品に、ポリエステル繊維、熱融着繊維を用いた不織布や、これらの繊維とパルプとの混合シート等の繊維集合体をクッション層として導入することが提案されている。このような繊維集合体としては、例えば、特開昭61−106151号公報及び特開平1−285265号公報等に記載のものがある。
しかし、これらの公報に記載の繊維集合体を吸収性物品のクッション層として導入した場合には、実際の使用場面や製品の包装体等の高圧縮された後に、クッション層としての機能が十分に達成できない。
【0004】
また、家具、ベッド、座席等の吸収性物品以外の分野でも、特開平5−161525号公報及び特開平7−316963号公報において、これら家具等のクッション材として、エラストマー成分を含む繊維集合体が提案されている。
しかし、このクッション材としての繊維集合体は、その用途から、坪量が非常に高く、厚みも大きく(最低でも5mm以上、実質は50mm以上である)、さらに、コスト等の点からも、吸収性物品に使用することはできない。
また、吸収性物品のクッション材として、ウレタンフォームを使用することも考えられるが、ウレタンフォームは、コストが高く、黄変や臭いの点で使用することはできない。
【0005】
従って、本発明の目的は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いた場合に、吸収性物品の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品に必要な(安心感を与える)厚みを発現させる、吸収性物品用の圧縮回復性シート及びその製造方法並びにそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性エラストマー樹脂を65〜86重量%含む樹脂組成物から成形されてなる圧縮回復性シートであって、前記熱可塑性エラストマー樹脂が、メタロセン触媒を用いて得られる低密度ポリエチレン、又はスチレン系の熱可塑性エラストマーであり、坪量が15〜100g/m2 であり、無荷重厚みが1〜10mmであり、圧縮回復率が60〜100%であり、規則的に配列された多数の凸部が形成されており、前記凸部それぞれは、孔部を囲んで形成された筒状壁部から形成されており、該筒状壁部は、該凸部の頂部及び底部に開口部を有し、該底部の該開口部の周囲が前記圧縮回復性シートの凸部以外の部分に連続しており、前記凸部は、千鳥状に配列され、前記圧縮回復性シートの面積1cm 2 当たりの個数が1〜100個であり、該各凸部間の距離Nが1〜20mmである、吸収性物品用の圧縮回復性シートを提供することにより上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品用の圧縮回復性シートをその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0008】
本発明の圧縮回復性シートは、熱可塑性エラストマー樹脂を65〜86重量%含む樹脂組成物から成形されてなるものである。
前記樹脂組成物における熱可塑性エラストマー樹脂が40重量%未満であると、充分な圧縮回復性が得られなくなり、98重量%を超えると、シートにタック性が生じ、自己接着して圧縮回復性を阻害したり、シートの成形性が悪くなる。
【0009】
熱可塑性エラストマー樹脂としては、スチレン系の熱可塑性エラストマーや、メタロセン触媒を用いた低密度ポリエチレンが挙げられ、単独もしくは混合して使用してもよい。中でも、メタロセン触媒を用いた低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
【0010】
また、前記樹脂組成物には、シートの成形を安定させるために、前記エラストマー樹脂以外の樹脂、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等を配合することもできる。
また、前記樹脂組成物には、ブロッキング防止剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を配合することもできる。
【0011】
前記樹脂組成物は、インフレーション法、Tダイ法等の常法のシート押出成形法により成形されて、圧縮回復性シートの製造に用いられるシート状物となる。
【0012】
本発明の圧縮回復性シートは、その坪量が15〜100g/m2 、好ましくは20〜80g/m2 である。該坪量が15g/m2 未満であると、充分な厚み感及びクッション性が得られなくなり、100g/m2 を超えると、おむつに使用した場合、1枚の重さが重くなり、装着感が悪くなったり、包装体も重くなり、持ち運びに不便となる。
【0013】
本発明の圧縮回復性シートは、その無荷重厚みが1〜10mm、好ましくは1.2〜5mmである。該無荷重厚みが1mm未満であると、充分な厚み感及びクッション性が得られなくなり、10mmを超えると、厚すぎておむつに使用した場合、1枚の厚みが厚くなり装着性が悪くなったり、包装体が大きくなり持ち運びに不便となる。
ここで、圧縮回復性シートの無荷重厚みとは、測定前にシートを無荷重の状態で24時間放置して、シートに加えられている歪みをを取り除いた時点の厚みをいう。
また、前記無荷重厚みは、レーザー変位計(キーエンス社製、商品名「PA−1830」)を用い、常法に準じて測定された平均厚みを意味する。
【0014】
本発明の圧縮回復性シートは、その圧縮回復率が60〜100%、好ましくは70〜100%、更に好ましくは80〜100%である。該圧縮回復率が60%未満であると、おむつに使用した場合、包装体内で充分な薄さを保ちながら、おむつ着用時に充分な安心感のある厚みが得られない。
ここで、圧縮回復率は下記測定法にて測定される。
圧縮回復率測定法;測定前にシートを24時間放置し、測定前にシートに加えられている歪みを取り除く。歪みを取り除いた時点の厚み(シートを圧縮する前の厚み)をamm、180gf/cm2 の圧力で24時間圧縮した後、圧力を取り除き30分間放置した時の厚みをbmmとした時に、圧縮回復率=b/aと定義し、各厚みを測定する。ここで、厚みは、レーザー変位計(キーエンス社製、商品名「PA−1830」)を用い、常法に準じて測定された平均厚みを意味する。
【0015】
本発明の圧縮回復性シートは、規則的に配列された多数の凸部が形成されていることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態である圧縮回復性シートを理解する上での参考となる参考形態の圧縮回復性シートを示す図である。図1に示す参考形態の圧縮回復性シート1は、規則的に配列された多数の凸部が形成されており、該凸部の裏面は凹部となっているもの、即ち、実質的に表裏面が同形状のものである。
【0016】
図1に示す圧縮回復性シートにおける凸部の数は、圧縮回復性シートの面積を基準として、好ましくは1〜100個/cm2 、更に好ましくは1.5〜50個/cm2 である。
また、前記各凸部間の距離K(図1参照)は、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは1〜10mmである。
【0017】
図1に示す多数の凸部からなる形状を形成するには、図2(a)及び(b)に示すように、該形状を形成する前のシート1’を、スチールマッチエンボス加工等の2つの凸ロール2を用いたヒートロール加工する手段等により施され、多数の凸部からなる形状の圧縮回復性シート1が得られる。
図1に示す多数の凸部からなる形状の圧縮回復性シートにおける凸部の高さL〔図2(b)参照〕は、かかる圧縮回復性シートの無荷重厚みと略同一である。
【0018】
また、図1に示す前記凸部における表面と裏面との間の厚みM〔図2(b)参照〕は、好ましくは0.01〜0.5mm、更に好ましくは0.02〜0.2mmである。尚、前記凸部における表面と裏面との間の厚みは、シート全体にわたってほぼ同様である。
【0019】
図1に示す参考形態の圧縮回復性シートの製造に際しては、熱可塑性エラストマー樹脂に、必要に応じて他の成分を加えて、インフレーション法、Tダイ法等により、好ましくは120〜250℃にて溶融押出成形してシート状物となし、必要に応じ、凸ロールを用いて好ましくは50〜150℃、更に好ましくは70〜120℃でヒートロール加工を施す等により、本実施形態の圧縮回復性シートとする。
【0020】
本発明の一実施形態である圧縮回復性シート1は、図3(a)、(b)及び(c)に示すように、規則的に配列された多数の凸部が形成されている。
【0021】
図3(a)〜(c)に示す圧縮回復性シート1における多数の凸部3からなる形状について詳述すると、凸部3それぞれは、底部6及び頂部5の開孔された筒状壁部7(凸部の頂部6及び底部5に開口部を有する筒状壁部7)から形成されている。即ち、前記圧縮回復性シート1は、多数の孔部4を有しており、各筒状壁部7は、それぞれ孔部4を囲んで形成されており、各孔部4は、それぞれ開孔された底部6によって形成されている。
ここで、孔部4(開孔された底部6)は、直径が好ましくは0.5〜20mm、更に好ましくは1〜10mmの円形状である。
また、凸部3の頂部5(筒状壁部7の頂部5)の開孔は、頂部全体に形成されていてもよいし、頂部の一部に形成されていてもよい。
【0022】
図3(a)〜(c)に示す圧縮回復性シートにおける前記凸部の数は、圧縮回復性シートの面積を基準として、1〜100個/cm2 であり、好ましくは1.5〜50個/cm2 である。
また、前記各凸部間の距離N〔図3(a)参照〕は、1〜20mmであり、好ましくは1〜10mmである。
また、前記凸部における表面と裏面との間の厚みP〔図3(c)参照〕は、好ましくは0.05〜1mm、更に好ましくは0.1〜0.8mmである。尚、前記凸部における表面と裏面との間の厚みは、シート全体にわたってほぼ同様である。
また、図3(a)〜(c)に示す圧縮回復性シートにおける凸部の高さQ〔図3(c)参照〕は、かかる圧縮回復性シートの無荷重厚みと略同一である。
【0023】
図3(a)〜(c)に示す圧縮回復性シートにおける多数の凸部からなる形状を形成するには、予備加熱すると共に負圧をかけて開孔させる方法、加熱されたニードルにより熱可塑性エラストマー樹脂を含む樹脂組成物から成形されたシート状物に開孔部を設ける方法、突起を有するエンボスロールにより開孔を付与する方法等の手段により施される。
従って、図3(a)〜(c)に示す本実施形態の圧縮回復性シートの製造に際しては、前述の図1に示す参考形態の圧縮回復性シートの好ましい製造法と同様にしてシート状物を得、該シート状物に、前記の多数の凸部からなる形状を形成する手段を施すことにより、本実施形態の圧縮回復性シートとする。
【0024】
本発明の圧縮回復性シートは、前述の好ましい実施形態に基づき説明したが、これらの実施形態に限定されず、種々の変更形態が可能であり、図3(a)〜(c)に示す実施形態の圧縮回復性シートにおける孔部の形状を、多角形、亀甲形、星形等としたものであっても良い。また、本発明の圧縮回復性シートの形状は、平板状(平面状)、三次元曲面形状等が挙げられ、特に制限はなく、用途に応じて成形加工した形状とすることができる。
【0025】
本発明の圧縮回復性シートは、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品におけるクッション材として用いることが好ましい。
例えば、本発明の圧縮回復性シートを吸収性物品におけるクッション材として用いた場合について図4を参照して説明すると、図4は本発明の圧縮回復性シートを用いた吸収性物品の要部を模式的に示す断面図で、本発明の圧縮回復性シート44は、吸収性物品の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く〔図4(a)参照;矢印は荷重方向を表す〕、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品に必要な(安心感を与える)厚みを発現させる〔図4(b)参照〕ものである。
【0026】
本発明の圧縮回復性シートは、主として使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品におけるクッション材として好適である。
【0027】
次に、本発明の吸収性物品の1実施形態について、その要部の断面図を示す図5を参照して説明する。
図5は、展開型の使い捨ておむつの長手方向の断面を模式的に示す断面図で、本実施形態の使い捨ておむつ10は、図5に示すように、液透過性の表面シート20、液不透過性の裏面シート30、両シート20,30間に介在された液保持性の吸収体40、及びクッション材として前述の本発明の圧縮回復性シート44を具備するものであり、該圧縮回復性シート44が、吸収体40の下部(吸収体40における裏面シート30側の面)に配置されているものである。
【0028】
このように、本実施形態の使い捨ておむつ10は、クッション材として圧縮回復性シート44を具備するため、包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く〔図4(a)参照;矢印は荷重方向を表す〕、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に必要な(安心感を与える)厚みを発現する〔図4(b)参照〕ものである。
【0029】
尚、圧縮回復性シート44は、吸収体40の上部(吸収体40における表面シート20側の面)又は内部に配することもでき、また、使い捨ておむつ10の他の適宜な箇所に配することもでき、更に、これらの複数箇所に配することもできる。
また、吸収体40における他の構成部材は、吸収性ポリマー42をその繊維間隙に保持してなる嵩高不織布41、及び該嵩高不織布41を包装する台紙43である。
【0030】
本実施形態の使い捨ておむつは、包装体に入れる際には、通常通り、適宜折り畳まれ、積層され、圧縮されて収納包装される。そして、前述した本発明の圧縮回復性シートは、このように包装されたときの厚みが本発明に係る前記圧縮回復率を有していないシートを用いた場合と同程度であるが、前記使い捨ておむつを包装袋から取り出して使用する際には、本発明の圧縮回復性シートは前記圧縮回復率を満たす厚みに回復する。
【0031】
本実施形態の使い捨ておむつは、前述の如く構成されているので、包装体とした場合には、厚みが薄く、コンパクトにでき、しかも、包装体から取り出して使用する際には厚みが回復して適度な厚みを有するようになるため、使用者等に薄さからくる不安感を与えることなく安心して使用できる。
【0032】
【実施例】
実施例1〜4及び比較例1〜4
表1に示す樹脂組成の各成分を用いて混合した樹脂組成物を、200℃にて単軸押出機(φ50mm、L/D=28)の先端にTダイを接続したTダイ成形設備(シート幅300mm)により溶融押出成形してシート状物とし、該シート状物を、両面から凸ロールを用いて80℃で、凸部の数が5個/cm2 、エンボス深さが2.5mmのスチールマッチエンボス機によりエンボス加工することにより、表1に示す熱可塑性エラストマー含有率、坪量、厚み(無荷重厚み)及び圧縮回復率を有する、図3(a)〜(c)に示す規則的に配列された多数の凸部〔凸部の数;5個/cm2 (圧縮回復性シートの面積基準)、各凸部間の距離;4.5mm、凸部における表面と裏面との間の厚み;0.07mm〕が形成されている圧縮回復性シートを得た。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例5〜8及び比較例5〜8
吸収体として、吸収性ポリマーとそれを繊維間隙に担持してなる繊維集合体としての嵩高不織布とを台紙で包装したものを用い、該吸収体における裏面シート側の面に、実施例1〜4及び比較例1〜4の各圧縮回復性シートをクッション材として配置し、それ以外の部材は、公知の部材を用いて、図5に示す使い捨ておむつを作成した。
得られたおむつの荷重下厚みと無荷重厚みとを下記測定法に準じて測定した。また、このおむつを通常の方法で包装体内で24時間放置した後、該包装体からおむつを取り出し、その安心感について下記基準に従い評価した。それらの結果を表2に示す。
【0035】
<おむつ荷重下厚みと無荷重厚み測定法>
まず、吸収性物品を平面状に広げ、吸収性物品をその長手方向に2等分する線と幅方向に2等分する線との交点を中心に長手方向100mm×幅方向100mmの寸法で切り出して試験片を得る。なお、吸収性物品の長手方向または幅方向の寸法が100mmに満たない場合、吸収性物品の寸法を試験片の寸法とする。
試験片を水平な台上に静置し、無荷重の状態で24時間置く。次いで、試験片の上におもりとアクリル板とを載置し、荷重をかけた状態で24時間放置する。ここで、おもりは、試験片にアクリル板と合わせて180gf/cm2 の荷重がかかる様な重さ及び大きさのものを用いた。また、アクリル板は、長さ100mm×幅100mm×厚み5mmのものを用いた。
荷重を24時間かけた後、そのままの状態で試験片4隅の厚みを測定し(測定法1)、この測定値の平均をとって180gf/cm2 の荷重をかけた場合の荷重下厚みとする。
次いで、おもりとアクリル板を取り除き、無荷重の状態で30分置く。30分経過後、試験片に反りや歪みがあると厚みを正確に測定できないため、試験片に1gf/cm2 の荷重がかかるようにおもり及びアクリル板を載置し、試験片を平坦な状態に保つ。
ここで、おもりは、試験片にアクリル板と合わせて1gf/cm2 の荷重がかかる様な重さ及び大きさのものを用い、アクリル板は、長さ100mm×幅100mm×厚み5mmのものを用いた。
そして、アクリル板とおもりを載せ、直ちに前記測定法1と同様に試験片の厚みを測定し、この測定値の平均をとって、無荷重厚みとする。
【0036】
<安心感の評価基準>
◎;包装体から取り出した時厚み感があり、安心感が非常に良好。
○;包装体から取り出した時厚み感があり、安心感が良好。
△;包装体から取り出した時厚み感がややなく、安心感がやや悪い。
×;包装体から取り出した時厚み感がなく、安心感が悪い。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明の圧縮回復性シートは、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いた場合に、吸収性物品の包装体内(ある荷重下)では厚みが薄く、包装体から取り出し使用する際(荷重が取り除かれた際)には、厚みが回復し、使用時に吸収性物品に必要な(安心感を与える)厚みを発現させるものである。
また、本発明の吸収性物品は、包装体とした場合にはコンパクトであるが、包装体から取り出し使用する際には、厚みが回復し、使用時における安心感が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の圧縮回復性シートの1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1の圧縮回復性シートを製造するための製造装置の一部を示す概略斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のJ−J拡大断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の圧縮回復性シートの他の実施形態を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)の拡大斜視図であり、図3(c)は、図3(b)のI−I’断面図である。
【図4】図4(a)は、本発明の圧縮回復性シートを具備する吸収体のある荷重下での状態を模式的に示す断面図であり、図4(b)は、本発明の圧縮回復性シートを具備する吸収体の使用時の(荷重が取り除かれた際の)状態を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの1実施形態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮回復性シート
2 凸ロール
3 凸部
4 孔部
5 頂部
6 底部
7 筒状壁部
10 使い捨ておむつ
20 表面シート
30 裏面シート
40 吸収体
41 ポリマー固定不織布
42 吸収性ポリマー
43 台紙
44 圧縮回復性シート
Claims (4)
- 熱可塑性エラストマー樹脂を65〜86重量%含む樹脂組成物から成形されてなる圧縮回復性シートであって、
前記熱可塑性エラストマー樹脂が、メタロセン触媒を用いて得られる低密度ポリエチレン、又はスチレン系の熱可塑性エラストマーであり、
坪量が15〜100g/m2 であり、無荷重厚みが1〜10mmであり、圧縮回復率が60〜100%であり、
規則的に配列された多数の凸部が形成されており、
前記凸部それぞれは、孔部を囲んで形成された筒状壁部から形成されており、該筒状壁部は、該凸部の頂部及び底部に開口部を有し、該底部の該開口部の周囲が前記圧縮回復性シートの凸部以外の部分に連続しており、
前記凸部は、千鳥状に配列され、前記圧縮回復性シートの面積1cm 2 当たりの個数が1〜100個であり、該各凸部間の距離Nが1〜20mmである、吸収性物品用の圧縮回復性シート。 - シートを、凸ロールを用いてヒートロール加工することによって形成された請求項1記載の吸収性物品用の圧縮回復性シート。
- 請求項1又は2に記載の吸収性物品用の圧縮回復性シートの製造方法であって、
熱可塑性エラストマー樹脂を65〜86重量%含む樹脂組成物を溶融押出成形してシート状物となし、次いで、該シート状物を、凸ロールを用いてヒートロール加工する、圧縮回復性シートの製造方法。 - 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、両シート間に介在された液保持性の吸収体、及びクッション材として請求項1又は2に記載の吸収性物品用の圧縮回復性シートを具備する吸収性物品。
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