JP4353340B2 - コンタクトピン及びicソケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ICの端子と外部電気的テスト回路とを電気的に接続するコンタクトピン及びこのコンタクトピンを備えたICソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばBGAのようなバンプを備えたICのバーンインテスト等を行う場合、ICをICソケットに装着し、ICのバンプと外部電気的テスト回路とをICソケットに収容されたコンタクトピンで電気的に接続するようになっている。
【0003】
図20は、このようなバンプ60を備えたIC61の電気的テストを行うために使用されるコンタクトピン62を示すものである。このコンタクトピン62は、圧縮コイルスプリングであり、中間部分に主にバネ作用を発揮する巻き線部62aが形成され、巻き線部62aから上方へ延びる棒状部62bの先端部分がIC61のバンプ60に接触し、巻き線部62aから下方へ延びる棒状部62cの先端部分が外部電気的テスト回路に接続されるようになっている。
【0004】
このようなコンタクトピン62は、IC61が図示しないICソケットの所定位置(IC収容部)に装着されると、棒状部62bの先端部分がIC61のバンプ60で図中下方へ押圧され、主に巻き線部62aが撓み変形させられるため、この巻き線部62aの弾性変形力によって棒状部62bの先端部分がIC61のバンプ60に弾性的に接触し、IC61のバンプ60との接触状態が維持される。そして、このコンタクトピン62とIC61のバンプ60とが接触した状態において、外部電気的テスト回路とIC61とをコンタクトピン62を介して通電することにより、IC61の電気的テストが行われる。
【0005】
又、図21は、図20のコンタクトピン62の両先端部分62d,62eをリング状に巻いて、IC61の略球形のバンプ60とコンタクトピン62をリング状に線接触させるようにしたものである(特開平9−184852号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、IC61のバンプ60は半田ボールであって変形しやすいため、図20に示すように、バンプ60の形状が必ずしも均一の球形に形成されない場合もあり、又、外力を受けて変形する場合もある。そのため、図20に示すように、一本のコンタクトピン62の棒状部62bの先端部分をIC61のバンプ60に接触させようとすると、コンタクトピン62がバンプ60に接触しない状態を生じる虞がある。
【0007】
この点、図21は、コンタクトピン62をIC61のバンプ60にリング状に線接触させるように設計されたものであるため、IC61のバンプ60が変形していても、必ずIC61のバンプ60とコンタクトピン62が接触するとの印象を与える。しかし、現実には、IC61,コンタクトピン62及びICソケットの製作誤差や組立誤差等を考慮すると、IC61のバンプ60とコンタクトピン62のリング状の先端部分62dとが一点で接触することになり、図20の場合と同様の不具合を生じる虞がある。尚、図21に示すコンタクトピン62は、先端部分62dがリング状であり、図20に示すような棒状でないため、IC61のバンプ60表面に付着した酸化皮膜を破るワイピング効果が小さいという不具合も有している。
【0008】
そこで、本発明は、ICのバンプとの接触安定性に優れ、しかも優れたワイピング効果をも期待することができるコンタクトピン及びこのコンタクトピンを備えたICソケットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ICの複数のバンプのそれぞれに対応するように形成されたソケット本体の複数のピン穴のうちの一つに収容され、前記ソケット本体のIC収容部に装着された前記ICの複数のバンプのうちの一つに弾性接触して、前記ICの複数のバンプのうちの一つと外部電気的テスト回路を電気的に接続するコンタクトピンに関するものである。本発明のコンタクトピンは、前記ソケット本体の前記複数のピン穴のうちの一つに収容される複数の圧縮コイルスプリングで構成されている。そして、前記圧縮コイルスプリングは、前記ICが前記ソケット本体のIC収容部に装着される際に、その巻き線部から延びる棒状部の先端部が前記ICの複数のバンプのうちの一つに擦りながら弾性接触し、その巻き線部が主に撓み変形するようになっている。また、前記複数のコイルスプリングの各巻き線部は、それぞれ独立してバネ作用を発揮できるようにずれて位置している。
【0010】
このような構成の本発明によれば、コンタクトピンにICの端子が押圧されると、コンタクトピンを構成する複数の圧縮コイルスプリングの先端部が端子表面を擦りながら端子に接触する。この際、ICの端子表面に付着した酸化皮膜が剥がされ、ICの端子と外部電気的テスト回路の通電をより一層確実にする。又、本発明は、複数の圧縮コイルスプリングをICの端子に接触させるようになっているため、ICの端子が変形していても、いずれかの圧縮コイルスプリングがICの端子に接触する。
【0011】
請求項2の発明は、上記請求項1の発明におけるコンタクトピンに関するものである。この発明において、前記複数の圧縮コイルスプリングは、各巻き線部が重ならないように、且つ、各巻き線部がほぼ同軸上に位置するように束ねられたことを特徴としている。
【0012】
このような構成の本発明によれば、隣接するコンタクトピン間の距離を短くすることができるので、端子間距離の短いICの電気的テストを行うことが可能になる。
【0013】
請求項3の発明は、ICの複数のバンプのそれぞれに対応するように形成されたソケット本体の複数のピン穴のうちの一つに収容され、前記ソケット本体のIC収容部に装着された前記ICの複数のバンプのうちの一つに弾性接触して、前記ICの複数のバンプのうちの一つと外部電気的テスト回路を電気的に接続するコンタクトピンに関するものである。本発明のコンタクトピンは、前記ソケット本体の前記複数のピン穴のうちの一つに収容される複数の圧縮コイルスプリングで構成されている。そして、前記圧縮コイルスプリングは、前記ICが前記ソケット本体のIC収容部に装着される際に、その巻き線部から延びる棒状部の先端部が前記ICの複数のバンプのうちの一つに擦りながら弾性接触し、その巻き線部が主に撓み変形するようになっている。また、前記複数の圧縮コイルスプリングは、それぞれコイル径が異なるように形成され、それぞれの前記巻き線部がほぼ同心状に位置するように重ねられ、独立してバネ作用を発揮するようになっている。
【0014】
このような構成の本発明によれば、上記請求項2の発明の場合に比較して、コンタクトピンの長さを短くすることができるため、コンタクトピンを収容するソケット本体の小型化を図ることができる。
【0017】
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの発明におけるコンタクトピンに関するものである。この発明において、前記複数の圧縮コイルスプリングは、その先端部が前記ソケット本体の前記ピン穴に形成された溝に係合され、前記ピン穴の周方向に位置決めされたことを特徴としている。
【0018】
このような構成の本発明によれば、コンタクトピンを構成する複数の圧縮コイルスプリングの先端部がピン穴に形成された溝で位置決めされるため、コンタクトピンの先端部を正確にバンプに接触させることが可能になる。
【0019】
請求項5の発明は、ICソケットに関するものであり、前記請求項1〜4のいずれかに記載のコンタクトピンと、このコンタクトピンを収容するソケット本体に取り付けられ、このソケット本体のIC収容部に収容したICのバンプを前記コンタクトピン側へ付勢するカバーと、を備えたことを特徴としている。
【0020】
このような構成の本発明によれば、ICの端子が変形していても、コンタクトピンの先端部で端子表面に付着した酸化皮膜を剥ぎ取り、コンタクトピンの先端部を確実にICの端子に接触させることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係るICソケット1を示すものである。
【0023】
これらの図に示すように、本実施の形態のICソケット1は、IC2を支持する支持ボード3と、この支持ボード3のピン穴4に収容された複数のバネ部材5からなるコンタクトピン6と、前記支持ボード3上にボルト7・ナット8で締め付け固定されるカバー組立体10と、を備えている。
【0024】
支持ボード3は、図1〜図3及び図16〜図17に示すように、絶縁性樹脂材料(例えば、ポリエーテルイミド)で板状に形成されたものであり、その上面側に形成された矩形状の端子受容凹部11でIC2の端子12を受容し、この端子受容凹部11の縁部(支持ボード3の上面3a)13をIC2の下面2aに当接させて、IC2の下降量(コンタクトピン6の先端部6aと端子12とのオーバーラップ量)を規制するようになっている。その結果、IC2の下降量のばらつきを抑制し、コンタクトピン6に過度の負荷が作用するのを防止することができると共に、IC2の端子12の位置をコンタクトピン6の先端部6aに対して位置決めすることができる。そして、この支持ボード3には、端子受容凹部11と支持ボード3の下面側外部とを連通するピン穴4がIC2の端子12に対応するように複数形成されている。ここで、端子受容凹部11には、スペーサ14が収容されている。このスペーサ14は、支持ボード3のピン穴4に連通するピン穴15がIC2の端子12に対応するように支持ボード3のピン穴4と同数形成されている(図18参照)。尚、スペーサ14のピン穴15は、支持ボード3のピン穴4の上側開口部4aよりも小径になっており、コンタクトピン6の先端部6aをIC2の端子12に接触し易い位置でガイドする機能を有している。又、支持ボード3のピン穴4の下側開口部4bは、上記ピン穴4の上側開口部4a及びスペーサ14のピン穴15よりも小径に形成されており、複数のバネ部材5からなるコンタクトピン6の下端部をまとめるように機能する。
【0025】
又、支持ボード3の上面3aには、カバー組立体10の位置決めピン16に係合する位置決め穴17が4箇所形成されている。更に、この支持ボード3の位置決め穴17の外側には、カバー組立体10を締め付け固定するためのボルト7を挿通するボルト穴18が形成されると共に、そのボルト7に螺合するナット8を収容するナット収容穴20が形成されている。
【0026】
コンタクトピン6は、導電性を有すると共に、弾性変形可能な材料で形成された3本の圧縮コイルスプリング(バネ部材)5で構成されている(図3及び図4参照)。このコンタクトピン6は、巻き線部5aの位置が重ならない3本の圧縮コイルスプリング5が1セットとして支持ボード3及びスペーサ14のピン穴4,15に収容されたものであり、上部側先端部6aがIC2の端子12に向かって延び、この上部側の先端部6aがIC2の端子12に弾性接触して、主に巻き線部5aがバネ作用を発揮するようになっている。ここで、コンタクトピン6としての圧縮コイルスプリング5は、図4(a)のように横一直線状に配列したり、図4(b)のように適当な間隔でランダムに配列するようにしてもよい。そして、これら3本の圧縮コイルスプリング5の下端部が半田21でまとめられた状態で外部電気的テスト回路(図示せず)に接続されるようになっている。尚、同一のピン穴4,15に収容された3本の圧縮コイルスプリング5は、巻き線部5aが互いに上下方向にずれた位置にあるため、それぞれが独立してバネ作用を発揮することができる。従って、3本の圧縮コイルスプリング5は、それぞれの先端部6aをIC2の端子12の形状に応じて端子12の外表面に弾性接触させることが可能になる。
【0027】
カバー組立体10は、図1〜図2及び図12〜図15に示すように、支持ボード3上にボルト7・ナット8で締め付け固定される枠体22と、この枠体22に回動可能に取り付けられ、枠体22の矩形状のIC収容部23を開閉するカバー24とを備えている。ここで、枠体22は、前記支持ボード3と共にソケット本体25を構成するようになっている。
【0028】
このうち、枠体22は、その下面に位置決めピン16が形成されており、この位置決めピン16を支持ボード3の位置決め穴17に係合することにより、IC収容部23を支持ボード3に対して位置決めするようになっている。そして、この枠体22は、IC収容部23の4隅にIC2を支持ボード3上の所定位置に案内するガイド壁26がそれぞれ形成されている(図13〜15参照)。このガイド壁26は、上方へ向かうに従ってIC収容部23を拡大するように傾斜しており、IC2を円滑に所定位置に案内する位置決め手段として機能する。
【0029】
又、枠体22の一方の側面側には、カバー24を回動可能に取り付けるためのカバー取付部27が形成されている。そして、このカバー取付部27には、カバー24のアーム部28が回動軸30を介して回動できるように取り付けられている。更に、枠体22の他方の側面側には、カバー24の段部31に係合するフック32が回動軸33を介して回動できるように取り付けられている。尚、カバー24は、バネ34で常時図12,13中右回り方向(開く方向)へ付勢されている。又、フック32は、バネ35で常時図12,13中右回り方向(カバー24を閉じる方向)へ付勢されている。
【0030】
カバー24には、IC押圧ブロック36が取り付けられている。このIC押圧ブロック36は、図12,13,15に示すように、カバー24の下面側に形成されたブロック収容凹部37内にスライドできるように収容されており、上部両側に一対形成された舌片38の取付穴40に軸41が嵌着され、その軸41の両端部がそれぞれブロック収容凹部37の側壁42の長穴43にスライドできるように係合されている。そして、カバー24のブロック収容凹部37の上方にはスプリング収容穴44が形成されており、このスプリング収容穴44内には圧縮コイルスプリング45が収容されている。この圧縮コイルスプリング45は、軸41を介してIC押圧ブロック36を常時図12,15中下方へ付勢するようになっており、このIC押圧ブロック36を介してIC2の端子12をコンタクトピン6側へ押圧し、IC2の端子12とコンタクトピン6とを所望の接触圧で接触させる(図3参照)。
【0031】
ここで、IC押圧ブロック36は、カバー24が開いた状態において、軸41が圧縮コイルスプリング45で押圧されて長穴43の下端に当接する。又、IC押圧ブロック36は、カバー24が閉じられると、IC2の厚みの分だけ圧縮コイルスプリング45を押し縮め、軸41が長穴43内をスライドすると共に、IC押圧ブロック36の側壁36aがブロック収容凹部37の側壁37aにガイドされてスライドする。
【0032】
尚、IC押圧ブロック36は、その下面がIC2の形状に合わせて矩形状に形成されており、その下面に矩形状の凹部46が形成され、この矩形状の凹部46の外側にIC押圧面47が形成されている。そして、このIC押圧面47がIC2の端子12に対応する部位の上面を押圧するようになっている(図3参照)。従って、IC2の端子12がコンタクトピン6の先端部6aに確実に接触する。ここで、上記カバー24,IC押圧ブロック36及び圧縮コイルスプリング45によりIC押圧手段が構成されている。
【0033】
又、カバー24の段部31の上方には傾斜壁48が形成されている。そのため、フック32先端の操作部32a近傍にフック32を操作するための十分な空間が確保され、フック32を機械又は手動で容易に操作できるようになっている。
【0034】
このような構成のICソケット1は、カバー24の段部31とフック32との係合を解除すると、カバー24がバネ34の力で図12中右回り方向へ回動し、枠体22のIC収容部23が開く(図13参照)。次いで、IC2が端子12を下にした状態で枠体22のIC収容部23に挿入される(図1及び図3参照)。この際、IC2は、枠体22のガイド壁26に案内されてIC収容部23の所定位置に移動して位置決めされる。
【0035】
次いで、カバー24が閉じられ、フック32がカバー24の段部31に係合されると、カバー24が枠体22の上部にロックされる。この際、圧縮コイルスプリング45がIC2の厚み分だけ圧縮され、圧縮コイルスプリング45のバネ力がIC押圧ブロック36を介してIC2に作用する。その結果、IC2の端子12は、コンタクトピン6の先端部6aを下方へ押圧し、コンタクトピン6を構成する圧縮コイルスプリング5の巻き線部5aを撓み変形させると共に、各圧縮コイルスプリング5の先端部6aを弾性変形させる。この際、コンタクトピン6の先端部6aは、端子12の表面を擦りながら弾性接触し、端子12の表面に付着した酸化皮膜を削り取って確実な通電を可能にする。しかも、1個の端子12に対して3本の圧縮コイルスプリング(コンタクトピン)5が接触するように構成されているため、端子12が変形していても、3本中のいずれかの圧縮コイルスプリング5が端子12に接触する。
【0036】
以上のように、本実施の形態は、3本の圧縮コイルスプリング5からなるコンタクトピン6の先端部6aがIC2の端子12に擦りながら弾性接触するため、端子12の表面に付着した酸化皮膜を剥がすことができるというワイピング効果を得ることができる。又、本実施の形態は、3本の圧縮コイルスプリング5からなるコンタクトピン6をIC2の端子12に弾性接触させる構成であるため、IC2の端子12が変形していても、3本の圧縮コイルスプリング5のいずれかが端子12に接触し、コンタクトピン6の接触安定性が向上する。従って、本実施の形態のコンタクトピン6及びこのコンタクトピン6を備えたICソケット1によれば、IC2の端子12と外部電気的テスト回路とをコンタクトピン6を介して確実に通電することができ、IC2の電気的テストを従来例よりもより一層確実に行うことができる。
【0037】
[第2の実施の形態]
図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態に係るICソケット1の要部拡大断面図である。これらの図に示すように、本実施の形態は、巻き線部5a,5b,5cが重ならないように形成された3本の圧縮コイルスプリング5を、各巻き線部5a,5b,5cがほぼ同軸上に位置するように束ねてコンタクトピン6とした構成になっている。このように束ねられた3本の圧縮コイルスプリング5からなるコンタクトピン6は、支持ボード3のピン穴4及びスペーサ14のピン穴15に収容されており、各圧縮コイルスプリング5が独立してバネ作用を発揮するようになっている。
【0038】
このような構成の本実施の形態は、コンタクトピン6を構成する各圧縮コイルスプリング5の上部側先端部6aがIC2の端子12に向かって延びており、この圧縮コイルスプリング5の先端部6aがIC2の端子12に擦りながら接触するため、前記第1の実施の形態と同様に、ワイピング効果を期待することができると共に、IC2と外部電気的テスト回路を確実に通電することができる。しかも、本実施の形態は、上記したように、コンタクトピン6を構成する3本の圧縮コイルスプリング5の巻き線部5a,5b,5cがほぼ同軸上に位置するようになっているため、ピン穴4,15の穴径を前記第1の実施の形態のピン穴4,15よりも小さくすることができる。従って、端子12,12間距離が短いIC2の電気的テストに適用することが可能になる。
【0039】
[第3の実施の形態]
図7及び図8は、本発明の第3の実施の形態に係るICソケット1の要部拡大断面図である。これらの図に示すように、本実施の形態は、巻き線部5a,5b,5cのコイル径が異なる3本の圧縮コイルスプリング(バネ部材)5がほぼ同心状に位置するように組み合わされてコンタクトピン6を構成し、各圧縮コイルスプリング5が独立してバネ作用を発揮するように支持ボード3及びスペーサ14のピン穴4,15に収容されている。
【0040】
このような構成の本実施の形態は、前記各実施の形態と同様に、コンタクトピン6の上部側先端部6aがIC2の端子12に向かって延びており、このコンタクトピン6の先端部6aがIC2の端子12に擦りながら接触するため、ワイピング効果を期待することができると共に、IC2と外部電気的テスト回路を確実に通電することができる。しかも、本実施の形態は、上記したように、コンタクトピン6を構成する3本の圧縮コイルスプリング5の巻き線部5a,5b,5cがほぼ同心状に位置するようになっているため、コンタクトピン6の長さを短くすることができ、支持ボード3の厚み(図17の上下方向寸法)を減少させることができ、ICソケット1の小型化を図ることができる。
【0041】
[第4の実施の形態]
図9は、本発明の第4の実施の形態に係るICソケット1の要部拡大断面図である。この図に示すように、本実施の形態は、コンタクトピン6が導電性を有する複数の棒状弾性体(バネ部材)50で構成されており、この棒状弾性体50が支持ボード3及びスペーサ14のピン穴4,15に複数収容され、各棒状弾性体50がそれぞれ独立して撓み変形してバネ作用を発揮するようになっている。
【0042】
このような構成の本実施の形態は、コンタクトピン6の上部側先端部6aがIC2の端子12に向かって延びているため、IC2がカバー24で図中下方へ押圧されると、コンタクトピン6の上部側先端部6aがIC2の端子12表面を擦りながら弾性接触し、ワイピング効果を発揮する。その結果、本実施の形態は、前記各実施の形態と同様に、IC2と外部電気的テスト回路を確実に通電することができる。又、本実施の形態は、コンタクトピン6を構成する棒状弾性体50の形状が簡単であり、ピン穴4,15内に多数の棒状弾性体50を収容することができるため、多数の棒状弾性体50を1個の端子12に接触させることができ、IC2の電気的テストを確実に行うことが可能になる。更に、本実施の形態によれば、棒状弾性体50の形状が簡単で収容スペースが少なくてすむため、隣接するコンタクトピン6との距離を小さくすることができ、端子12,12間距離の短いIC2の電気的テストに適用することが可能になる。
【0043】
図11は、IC2の端子12とコンタクトピン6の上部側先端部6aの接触状態を示す図である。このうち図11(a)は、コンタクトピン6の先端がIC2の端子12に当接した状態を示す図である。又、図11(b)は、コンタクトピン6の先端部6aがIC2の端子12に対してオーバーラップした状態を示すものであり、コンタクトピン6を構成する各棒状弾性体50の先端部6aが撓み変形してIC2の端子12に接触している。更に、図11(c)は、コンタクトピン6の先端部6aとIC2の端子12のオーバーラップ量が大きい場合を示すものであり、各棒状弾性体50が独立して撓み変形し、各棒状弾性体50の先端部6aがIC2の端子12表面に十分に摺接した状態を示している。このように、IC2の端子12位置がばらついても、コンタクトピン6の先端部6aをIC2の端子12に接触させることが可能になり、外部電気的テスト回路とIC2をコンタクトピン6を介して電気的に接続することが可能になる。
【0044】
尚、IC2の端子12が図19に示すように変形していても、コンタクトピン6を構成する棒状弾性体50が多数ピン穴4,15内に収容されているため(図9参照)、必ずいずれかの棒状弾性体50がIC2の端子12に接触することになる。この点、従来例のように、1個の端子12に1本のコンタクトピン6で接触させる構成であると、端子12が図19のように変形している場合には、コンタクトピン6が端子12に接触しないことがある。
【0045】
図10(a)は、本発明の第4の実施の形態に係るICソケット1の要部拡大平面図であり、特にスペーサ14のピン穴15の上部側開口部15aの平面図を示すものである。この図10(a)に示すように、本実施の形態は、スペーサ14のピン穴15の上部側開口部15aに溝(ピン支持部)51を複数形成し、この溝51内にコンタクトピン6を構成する各棒状弾性体50を係合し、各棒状弾性体50をスペーサ14のピン穴15の周方向に位置決めするようになっている。尚、本実施の形態は、図9及び図10(a)に示すように、複数の棒状弾性体50が上方に向かって広がるようにピン穴4,15内に収容されている。但し、図10(b)のように、溝51に係合されない複数の棒状弾性体50をランダムに収容するようにしてもよい。
【0046】
このようにコンタクトピン6を位置決めすることにより、コンタクトピン6をより一層確実にIC2の端子12に弾性接触させることができる。
【0047】
尚、上記第1〜第3の実施の形態において、ピン穴4,15に3本の圧縮コイルスプリング(バネ部材)5を収容する態様を示したが、これに限られず、ピン穴4,15に収容する圧縮コイルスプリング5は2本でもよく、又4本以上収容するようにしてもよい。
【0048】
又、上記各実施の形態は、クラムシェルタイプのICソケットに限られず、オープントップタイプのICソケットに適用するようにしてもよい。
【0049】
又、上記各実施の形態は、BGAタイプやLGAタイプのICの電気的テストに適用でき、更に、バンプ形状が球形でない、例えば円錐台形状のバンプが形成されたICにも適用することができる。
【0050】
又、上記各実施の形態において、スペーサ14を端子受容凹部11に配置する態様を示したが、スペーサ14を省略し、支持ボード3のピン穴4のみにコンタクトピン6を収容するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコンタクトピンは、ソケット本体のピン穴内に収容され、その先端部が前記端子に向かって延びる複数本の圧縮コイルスプリングからなり、これら複数の圧縮コイルスプリングがそれぞれ独立してばね作用を発揮するように形成されているため、コンタクトピンにICの端子が押圧されると、コンタクトピンを構成する複数の圧縮コイルスプリングの先端部が端子表面を擦りながら端子に接触し、ICの端子表面に付着した酸化皮膜を剥がすことができる。しかも、本発明のコンタクトピンは、複数の圧縮コイルスプリングをICの端子に接触させるようになっているため、ICの端子が変形していても、いずれかの圧縮コイルスプリングがICの端子に接触し、コンタクトピンの接触安定性が向上する。従って、本発明のコンタクトピンは、ICの端子と外部電気的テスト回路を電気的に確実に接続でき、ICの電気的テストを従来例よりも確実に行うことができる。
【0052】
又、上記のようなコンタクトピンを備えたICソケットは、ソケット本体のIC収容部に収容したICをカバーでコンタクトピン側へ付勢することにより、ICの端子とコンタクトピンとの接触部に所望の接触圧を生じさせ、コンタクトピンと端子を確実に弾性接触させることができるため、ICの電気的テストを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るICソケットの分解斜視図である。
【図2】同ICソケットの正面側断面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るバネ部材の配列状態を示す平面図である。図4(a)は第1の配列状態図であり、図4(b)は第2の配列状態図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すICの要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るバネ部材の配列状態を示す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るICの要部拡大断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るバネ部材の配列状態を示す平面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係るICの要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るバネ部材の配列状態を示す平面図である。図10(a)は第1の配列状態を示す平面図であり、図10(b)は第2の配列状態を示す平面図である。
【図11】ICの端子とコンタクトピンとの接触状態を示す図である。図11(a)は第1の接触状態図であり、図11(b)は第2の接触状態図であり、図11(c)は第3の接触状態図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るカバー組立体の断面図(図14のA−A線に沿って切断して示す断面図)である。
【図13】同カバー組立体のカバーを開いた状態図である。
【図14】同カバー組立体の一部を切り欠いて示す平面図である。
【図15】図14のB−B線に沿って切断して示す断面図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る支持ボードの平面図である。
【図17】同支持ボードの正面側断面図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係るスペーサを示す図である。図18(a)は同スペーサの平面図であり、図18(b)は同スペーサの一部を切り欠いて示す正面図である。
【図19】変形したICの端子とコンタクトピンとの接触状態を示す図である。
【図20】第1の従来例を示すICの端子とコンタクトピンの関係状態図である。
【図21】第2の従来例を示すICの端子とコンタクトピンの関係状態図である。
【符号の説明】
1……ICソケット、2……IC、4,15……ピン穴、5……圧縮コイルスプリング(バネ部材)、5a,5b,5c……巻き線部、6……コンタクトピン、6a……先端部、12……端子、23……IC収容部、24……カバー、25……ソケット本体、50……棒状弾性体(バネ部材)、51……溝(ピン支持部)
Claims (5)
- ICの複数のバンプのそれぞれに対応するように形成されたソケット本体の複数のピン穴のうちの一つに収容され、前記ソケット本体のIC収容部に装着された前記ICの複数のバンプのうちの一つに弾性接触して、前記ICの複数のバンプのうちの一つと外部電気的テスト回路を電気的に接続するコンタクトピンにおいて、
前記ソケット本体の前記複数のピン穴のうちの一つに収容される複数の圧縮コイルスプリングで構成され、
前記圧縮コイルスプリングは、前記ICが前記ソケット本体のIC収容部に装着される際に、その巻き線部から延びる棒状部の先端部が前記ICの複数のバンプのうちの一つに擦りながら弾性接触し、その巻き線部が主に撓み変形するようになっており、
前記複数のコイルスプリングの各巻き線部は、それぞれ独立してバネ作用を発揮できるようにずれて位置している、
ことを特徴とするコンタクトピン。 - 前記複数の圧縮コイルスプリングは、各巻き線部が重ならないように、且つ、各巻き線部がほぼ同軸上に位置するように束ねられたことを特徴とする請求項1記載のコンタクトピン。
- ICの複数のバンプのそれぞれに対応するように形成されたソケット本体の複数のピン穴のうちの一つに収容され、前記ソケット本体のIC収容部に装着された前記ICの複数のバンプのうちの一つに弾性接触して、前記ICの複数のバンプのうちの一つと外部電気的テスト回路を電気的に接続するコンタクトピンにおいて、
前記ソケット本体の前記複数のピン穴のうちの一つに収容される複数の圧縮コイルスプリングで構成され、
前記圧縮コイルスプリングは、前記ICが前記ソケット本体のIC収容部に装着される際に、その巻き線部から延びる棒状部の先端部が前記ICの複数のバンプのうちの一つに擦りながら弾性接触し、その巻き線部が主に撓み変形するようになっており、
前記複数の圧縮コイルスプリングは、それぞれコイル径が異なるように形成され、それぞれの前記巻き線部がほぼ同心状に位置するように重ねられ、独立してバネ作用を発揮する、
ことを特徴とするコンタクトピン。 - 前記複数の圧縮コイルスプリングは、その先端部が前記ソケット本体の前記ピン穴に形成された溝に係合され、前記ピン穴の周方向に位置決めされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンタクトピン。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載のコンタクトピンと、
このコンタクトピンを収容するソケット本体に取り付けられ、このソケット本体のIC収容部に収容したICのバンプを前記コンタクトピン側へ付勢するカバーと、
を備えたことを特徴とするICソケット。
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