JP4353050B2 - バッテリーパック - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池などの二次電池を多直列接続したバッテリーパックに関し、特に、充放電時における電池の保護技術に関する。
従来、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池などの二次電池を多直列接続したバッテリーパックとして、図3に示すものがある。図3に示したバッテリーパック1は、比較的高い電圧が必要な電子機器に装着されるバッテリーパックであり、正極側端子24と負極側端子25との間に、複数個のセルグループ10a,10b,‥‥,10nを直列に接続して構成される。第1のセルグループ10aと正極側端子24との間には、充放電制御スイッチ23が接続してある。充放電制御スイッチ23は、例えば電界効果トランジスタ(以下、FET:Field Effect Transistorという)で構成され、後述する異常判断ユニット22によりオン・オフが制御される。各セルグループ10a,10b,‥‥,10nは、ここでは3個のセル11,12,13を直列接続してある。従って、このバッテリーパック1は、[セルグループの数×3]の個数のセルが直列に接続されている。各セル11,12,13は、例えばリチウムイオン電池で構成される二次電池である。
各セルグループ10a,10b,‥‥,10nには、それぞれ個別に異常検出ユニット21a,21b,‥‥,21nが接続してある。異常検出ユニット21a,21b,‥‥,21nは、それぞれが集積回路化されて構成される。第1のセルグループ10aで異常検出する構成について説明すると、第1のセルグループ10a内に直列接続された3個のセル11,12,13は、1個のセルごとに個別に端子間電圧を異常検出ユニット21aで検出する。異常検出ユニット21aでは、3個のセル11,12,13の内の少なくとも1個の端子間電圧が過放電又は過充電状態であることを検出した場合に、異常判断ユニット22に異常検出信号を供給する。第2のセルグループ10bから第nのセルグループ10nまでについても、それぞれ接続された異常検出ユニット21b〜21nで、同様に各セル11,12,13の充電異常又は放電異常を検出した場合に、異常判断ユニット22に異常検出信号を供給する。
異常判断ユニット22は、異常検出ユニット21a〜21nの内のいずれか1つから異常検出信号が供給された場合に、充放電制御スイッチ23をオフ状態として、充電又は放電を停止させる。
図3に示した構成とすることで、多数のセルを直列に接続したバッテリーパックが得られ、正極側端子24、負極側端子25間の電圧が比較的高電圧のバッテリーパックが得られる。
この図3に示した構成において、直列に接続されたセルを、3個ずつのセルグループ10a〜10nに分けて、セルグループ毎に異常検出する構成としてあるのは、既存の集積回路化された異常検出ユニットが、3個ないし4個程度の限られた数のセルの端子電圧しか監視できない構成となっているためである。
特許文献1には、直列に多数接続されたセルの充電時の監視を、セルごとに個別に行うことについての記載がある。
特開平8−191547号公報(図1)
ところで、図3に示したバッテリーパックは、異常検出ユニットの構成が複雑である問題があった。即ち、3個などの決められた数のセル毎に、異常検出ユニットが必要であるとともに、その複数個の異常検出ユニットからの信号に基づいて、充放電制御スイッチを制御する異常判断ユニットが必要であり、セル保護のための構成が複雑である問題があった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、過充放電によるバッテリーパックの破壊を防止するための構成を簡素化することを目的とする。
本発明は、一方の極端子及び他方の極端子の間に複数個直列接続された二次電池を備えたバッテリーパックにおいて、複数個直列接続された二次電池を、所定個ずつ第1段〜第n段のグループに分割し、そのグループ毎に、そのグループ内の二次電池の電圧を個別に検出し、検出されたグループ内の二次電池の電圧を基準電圧と比較し、グループ内の二次電池の電圧異常を検出する複数の検出手段と、それぞれの検出手段で検出された電圧が基準電圧の範囲外である場合に、二次電池への充電電流又は二次電池からの放電電流を遮断する制御を行う、複数の検出手段毎に個別に設けられ、複数の検出手段毎にグループ内の二次電池に接続される複数のスイッチ素子と、スイッチ素子及びグループ内の二次電池に接続され、スイッチ素子又はグループ内の二次電池に印加される電圧が所定電圧以上である場合に、スイッチ素子又はグループ内の二次電池に印加される電圧を制限する、グループ毎に設けられた複数の電圧制限素子とを備え、一方の極端子と第1段のグループの間に、第1段のグループの検出手段に設けられたスイッチ素子が接続され、第2段〜第n段のグループについては、前段及び後段のグループの間に、後段のグループの検出手段に設けられたスイッチ素子が接続される
このようにしたことで、それぞれのグループにおいて、グループ内の二次電池の電圧を個別に検出して、異常電圧を検出した場合には、スイッチ素子を制御し、グループ毎に過剰な充電電流又は放電電流を遮断することができ、更に、それぞれのグループのスイッチ素子に設けた電圧制限素子により、スイッチ素子に対する所定電圧以上の異常電圧を制限することが可能となる。
本発明によれば、充電時または放電時において、グループ毎に個別に二次電池に対する電圧異常を検出して、グループ毎に個別に充電電流または放電電流を遮断するので、二次電池をグループ毎に簡単に保護できると共に、グループ毎に設けられたスイッチ素子に印加される電圧が所定電圧以上である場合に、この印加電圧を所定電圧に制限する電圧制限素子を設けたので、例えば複数設けた検出手段の1つに何らかの異常があって、検出手段が短絡するような事故があっても、スイッチ素子の破壊を防止することができる。
この場合、スイッチ素子は電界効果トランジスタであり、電界効果トランジスタのゲート端子に、検出手段から制御信号が供給され、ゲート端子とソース端子に電圧制限素子が接続されることで、スイッチ素子として使用した電界効果トランジスタの異常電圧による破壊を効果的に防止できるという効果がある。
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態によるバッテリーパック100の構成例を示した図である。図1に示したバッテリーパック100は、比較的高い電圧が必要な電子機器に装着されるバッテリーパックであり、正極側端子24と負極側端子25との間に、複数個のセルグループ10a,10b,‥‥,10nを直列に接続して構成される。各セルグループ10a〜10nには、ここでは3個のセル11,12,13を直列接続してある。従って、このバッテリーパック100は、[セルグループの数×3]の個数のセルが直列に接続されている。各セル11,12,13は例えばリチウムイオン電池で構成される二次電池である。
そして本例の場合には、それぞれのセルグループ10a〜10n毎に、充電制御FET及び放電制御FETで構成される充放電制御スイッチが接続してある。即ち、正極側端子24と第1のセルグループ10aとの間に、第1のセルグループ10a用の充放電制御スイッチとして機能する充電制御FET111aと放電制御FET112aとが接続してある。また、第1のセルグループ10aと第2のセルグループ10bとの間に、第2のセルグループ10b用の充放電制御スイッチとして機能する充電制御FET111bと放電制御FET112bとが接続してある。以下同様に、前段のセルグループとの間に、後段のセルグループ用の充放電制御スイッチとして機能する充電制御FETと放電制御FETとが接続してあり、最終段のセルグループ10n用の充放電制御スイッチとして機能する充電制御FET111nと放電制御FET112nとがセルグループ10nの直前に接続してある。
各充電制御FET111a〜111nと放電制御FET112a〜112nは、それぞれのセルグループ10a〜10n毎に個別に設けた異常制御ユニット101a,101b,‥‥,101nからゲートに供給される信号でオン・オフが制御される。異常制御ユニット101a,101b,‥‥,101nは、それぞれが集積回路化されて構成されており、各セルグループ10a,10b,‥‥,10n内のセル11,12,13の電圧を1個のセルごとに個別に端子間電圧を検出可能な構成としてある。異常制御ユニット101a,101b,‥‥,101nは、それぞれのセルグループ毎に個別に検出したセル電圧と異常制御ユニットで保持している基準電圧とを比較し、万一、基準電圧の範囲外のセル電圧などを検知した場合や、過電流を検出した場合に、その異常制御ユニットに接続された充電制御FET又は放電制御FETに対してオフさせる信号を供給することで充電又は放電を停止させることができる。
充電制御FET111a,111b,‥‥,111nと、放電制御FET112a,112b,‥‥,112nは、それぞれ別の異常制御ユニット101a,101b,‥‥,101nからの信号でオン・オフが制御される電界効果トランジスタである。
充電制御FET111a,111b,‥‥,111nは、オン状態のときに、各セルグループ内のセル11,12,13に正極側端子24から充電電流が流れるように接続してあり、その充電電流の流れとは逆方向である放電方向に電流が流れるように、各充電制御FET111a,111b,‥‥,111nにダイオード102a,102b,‥‥,102nが、並列に接続してある。
放電制御FET112a,112b,‥‥,112nは、オン状態のときに、各セルグループ内のセル11,12,13から正極側端子24に放電電流が流れるように接続してあり、その放電電流の流れとは逆方向である充電方向に電流が流れるように、各放電制御FET112a,112b,‥‥,112nにダイオード103a,103b,‥‥,103nが、並列に接続してある。
これらの充電制御FET111a〜111nと放電制御FET112a〜112nは、通常時は異常制御ユニット101a〜101nがオン状態とする制御を行い、充電又は放電の異常を検出した場合にオフ状態とする制御を行う。
次に、本例のバッテリーパック100の充電時の動作を説明する。
充電時には、バッテリーパック100の正極側端子24と負極側端子25に、図示しない充電装置を接続し、正極側端子24から充電電流を供給する。通常時には充電制御FET111a,111b,‥‥,111nはオン状態であるので、充電装置から供給される充電電流は正極側端子24から充電制御FET111aを経て、ダイオード103aを通過後、第1のセルグループ10aに到る。同様に、第2のセルグループ10bから第nのセルグループ10nまで充電電流が流れ、直列に接続された全てのセルグループ内のセル11,12,13が充電される。基本的に充電の開始や終了は充電装置側で制御される。
充電中は、異常制御ユニット101a,101b,‥‥,101nがそれぞれのセルグループ10a,10b,‥‥,10n内のセル11,12,13の電圧を個別に監視し、電圧値が基準値の範囲内であれば充電は継続して行われる。ここで、あるセルグループ内のセルについて、電圧値が基準値の範囲を超過した場合や、過電流を検出した場合に、それぞれのセルグループ単位に異常制御ユニットが充電制御FETをオフさせる。こうして、電圧異常を検知したセルグループの充電制御FETをオフ状態にすることで、充電を停止してセルを保護することができる。
次に放電時の動作を説明する。放電時には、バッテリーパック100の正極側端子24と負極側端子25に、図示しない負荷装置を接続し、正極側端子24から負荷装置に放電電流を供給する。通常時には放電制御FET112a,112b,‥‥,112nはオン状態であるので、直列に接続されたセルからの放電電流は、各セルグループと直列に接続された放電制御FET112a〜112nとダイオード102a〜102nを通過して、バッテリーパック100の正極側端子24から負荷装置に供給される。
放電中も、異常制御ユニット101a,101b,‥‥,101nがそれぞれのセルグループ10a,10b,‥‥,10n内のセル11,12,13の電圧を個別に監視し、電圧値が基準値の範囲内であれば放電は継続して行われる。ここで、電圧値が基準値の範囲に満たない場合や、過電流を検出した場合に、それぞれのセルグループ単位に異常制御ユニットから放電制御FETをオフさせる。こうして、電圧異常を検知したセルグループの放電制御FETをオフ状態にすることで、放電を停止してセルを保護することができる。
このように本例のバッテリーパック100によると、バッテリーパック100内に多数のセルが直列接続された構成としてあるが、その直列接続された全てのセル電圧を、異常制御ユニット101a〜101nで個別に監視して、充電時及び放電時の保護動作を行うので、安全性が高い保護動作を行うことができる。この場合、個々の異常制御ユニット101a〜101nでは、3個などの限られた数のセル電圧を監視するだけでよく、既存の3個程度のセル監視を行う構成の保護ICがそのまま適用できる。
そして本例においては、保護回路である異常制御ユニット101a〜101n毎に、個別に充放電を制御するスイッチとしての充電制御FET及び放電制御FETを設ける構成としたので、複数設けた異常制御ユニット101a〜101nでの監視状態を統括する制御手段(図3に示した従来構成での異常判断ユニット22に相当)が必要なく、制御構成が簡単になる。
次に、本発明の第2の実施の形態を、図2を参照して説明する。図2において、既に説明した第1の実施の形態で説明した図1に対応する部分には同一符号を付す。
図2は、本実施の形態によるバッテリーパック100′の構成例を示した図である。図2に示したバッテリーパック100′は、比較的高い電圧が必要な電子機器に装着されるバッテリーパックであり、正極側端子24と負極側端子25との間に、2個のセルグループ10a,10bを直列に接続して構成される。各セルグループ10a,10bには、ここでは3個のセル11,12,13を直列接続してある。従って、このバッテリーパック100′は6個のセルが直列に接続されている。各セル11,12,13は例えばリチウムイオン電池で構成される二次電池である。
そして、それぞれのセルグループ10a,10b毎に、充電制御FET及び放電制御FETで構成される充放電制御スイッチが接続してある。即ち、正極側端子24と第1のセルグループ10aとの間に、第1のセルグループ10a用の充放電制御スイッチとして機能する充電制御FET111aと放電制御FET112aとが接続してある。また、第1のセルグループ10aと第2のセルグループ10bとの間に、第2のセルグループ10b用の充放電制御スイッチとして機能する充電制御FET111bと放電制御FET112bとが接続してある。
各充電制御FET111a,111bと放電制御FET112a,112bは、それぞれのセルグループ10a,10b毎に個別に設けた異常制御ユニット101a,101bからゲートに供給される信号でオン・オフが制御される。異常制御ユニット101a,101bは、それぞれが集積回路化されて構成されており、各セルグループ10a,10b内のセル11,12,13の電圧を1個のセルごとに個別に端子間電圧を検出可能な構成としてある。異常制御ユニット101a,101bは、それぞれのセルグループ毎に個別に検出したセル電圧と異常制御ユニットで保持している基準電圧とを比較し、万一、基準電圧の範囲外のセル電圧などを検知した場合、その異常制御ユニットに接続された充電制御FET又は放電制御FETに対してオフさせる信号を供給することで充電又は放電を停止させることができる。
充電制御FET111a,111bと、放電制御FET112a,112bは、それぞれ別の異常制御ユニット101a,101bからの信号でオン・オフが制御される電界効果トランジスタである。
充電制御FET111a,111bは、オン状態のときに、各セルグループ内のセル11,12,13に端子24に充電電流が流れるように接続してあり、その充電電流の流れとは逆方向である放電方向に電流が流れるように、各充電制御FET111a,111bにダイオード102a,102bが、並列に接続してある。
放電制御FET112a,112bは、オン状態のときに、各セルグループ内のセル11,12,13から端子24から放電電流が流れるように接続してあり、その放電電流の流れとは逆方向である充電方向に電流が流れるように、各放電制御FET112a,112bにダイオード103a,103bが、並列に接続してある。
これらの充電制御FET111a,111bと放電制御FET112a,112bは、通常時は異常制御ユニット101a,101bがオン状態とする制御を行い、充電又は放電の異常を検出した場合にオフ状態とする制御を行う。
そして本例の場合には、それぞれの回路で発生する異常電圧に対して、一定の基準電圧に定電圧化する機能を有する電圧制限素子が接続してある。この電圧制限素子は、複数用意された異常制御ユニット101a,101bの内のいずれかの回路に異常が発生し、短絡状態となった場合、正常な回路に耐電圧を超過した異常電圧が印加されることで、回路が破壊されることを防ぐために設置するものである。電圧制限素子を設置することで、異常電圧が定電圧化され、他の回路への影響を回避することが可能となる。
具体的には、電圧制限素子104a,104bが、充電制御FET111a,111bのソース−ゲート間に接続してある。同様に、電圧制限素子105a,105bが、放電制御FET112a,112bのソース−ゲート間に接続してある。また、電圧制限素子106a,106bが、セルグループ10a,10bのセル11の正極側とセル13の負極側との間に接続してある。このように各セルグループのセル11の正極側とセル13の負極側との間に電圧制限素子105a又は105bが接続してあることで、各異常制御ユニット101a,101bの正極側の電源端子と負極側の電源端子との間に、電圧制限素子が接続されていることになる。
それぞれの電圧制限素子に対しては、抵抗器が接続してある。即ち、それぞれの電圧制限素子104a,104bのゲート側接続端子と異常制御ユニット101a,101bの充電制御端子との間に、抵抗器107a,107bが接続してある。また、抵抗108a,108bは、それぞれの電圧制限素子105a,105bのゲート側接続端子と異常制御ユニット101a,101bの放電制御端子との間に、抵抗器108a,108bが接続設置してある。さらに、それぞれの電圧制限素子106a,106bの一端と、セル13の負極との間に、抵抗器109a,109bが接続設置してある。
この電圧制限素子には、規定電圧以上の電圧を定電圧化する機能を有する素子が使用され、例えば、ツェナーダイオード、バリスタ等を用いる。
次に、本例のバッテリーパック100′の充電時の動作を説明する。
充電時には、バッテリーパック100′の正極側端子24と負極側端子25に、図示しない充電装置を接続し、正極側端子24から充電電流を供給する。通常時には充電制御FET111a,111bはオン状態であるので、充電装置から供給される充電電流は正極側端子24から充電制御FET111aを経て、ダイオード103aを通過後、第1のセルグループ10aに到る。同様に、第2のセルグループ10bまで充電電流が流れ、直列に接続された全てのセルグループ内のセル11,12,13が充電される。
充電中は、異常制御ユニット101a,101bがそれぞれのセルグループ10a,10b内のセル11,12,13の電圧を個別に監視し、電圧値が基準値の範囲内であれば充電は継続して行われる。ここで、あるセルグループ内のセルについて、電圧値が基準値の範囲を超過した場合、それぞれのセルグループ単位に異常制御ユニットが充電制御FETをオフさせる。こうして、電圧異常を検知したセルグループの充電制御FETをオフ状態にすることで、充電を停止してセルを保護することができる。
ここで、充電時における具体的な動作を、電圧値の例を示して説明する。例えば図2に示したバッテリーパック100′内の各セル11,12,13として、2.3V〜4.2Vまでの範囲で使用されるリチウムイオン電池を使用し、充電時には充電装置から1セル当たり4.2Vの充電電圧を印加するものとする。従って、6セル構成であるので、4.2V×6の25.2Vの充電電圧をバッテリーパック100′に印加する。このような場合には、異常制御ユニット101a,101bでは、各セル電圧が、2.3V〜4.2Vの範囲を検出している状態であれば、正常状態であるとみなし、充電を続ける。
そして、バッテリーパック100′内の6個のセルの内の1つでも、セル電圧が4.2V以上となった場合には、そのセルに接続された異常制御ユニットが充電制御FETをオフさせる。こうして、電圧異常を検知したセルグループの充電制御FETをオフ状態にすることで、充電を停止してセルを保護することができる。
次に放電時の動作を説明する。放電時には、バッテリーパック100′の正極側端子24と負極側端子25に、図示しない負荷装置を接続し、正極側端子24から負荷装置に放電電流を供給する。通常時には放電制御FET112a,112bはオン状態であるので、直列に接続されたセルからの放電電流は、各セルグループと直列に接続された放電制御FET112a,112bとダイオード102a,102bを通過して、バッテリーパック100の正極側端子24から負荷装置に供給される。
放電中も、異常制御ユニット101a,101bがそれぞれのセルグループ10a,10b内のセル11,12,13の電圧を個別に監視し、電圧値が基準値の範囲内であれば放電は継続して行われる。ここで、電圧値が基準値の範囲に満たない場合、それぞれのセルグループ単位に異常制御ユニットから放電制御FETをオフさせる。こうして、電圧異常を検知したセルグループの放電制御FETをオフ状態にすることで、放電を停止してセルを保護することができる。この充電時の動作と放電時の動作は、第1の実施の形態で説明した動作と同じである。
ここで、放電時における具体的な動作を、電圧値の例を示して説明する。各セル11,12,13として、2.3V〜4.2Vまでの範囲で使用されるリチウムイオン電池を使用したとすると、各セル電圧が2.3V〜4.2Vの範囲であれば、正常状態であるとみなし、放電を続ける。
そして、バッテリーパック100′内の6個のセルの内の1つでもセル電圧が2.3V以下となった場合には、そのセルに接続された異常制御ユニットが放電制御FETをオフさせる。こうして、電圧異常を検知したセルグループの放電制御FETをオフ状態にすることで、放電を停止してセルを保護することができる。
そして本例においては、何らかの要因で、2つ用意された異常制御ユニット101a,101bの内の一方が短絡状態となった場合でも、正常な異常制御ユニットや各FETの破壊を防止することができる。即ち、例えば図2に示した構成において、充電中に一方の異常制御ユニット101bが短絡状態となった場合を想定する。このときには、他方の異常制御ユニット101aに一気に充電電圧がかかることになるが、各FETのゲート−ソース間には電圧制限素子が接続されているために、ゲート−ソース間電圧が定電圧化されて、各FETのゲート−ソース間電圧の耐圧を越えるような電圧がかかることはなくなる。また、各セルグループ10a,10bのセル11の正極側とセル13の負極側との間にも電圧制限素子106a,106bが接続してあるので、セル11〜13にも耐圧を越えるような電圧がかかることはなくなる。従って、過電圧による充放電制御FETの破壊を防止できるとともに、セルについても保護される。
この電圧制限素子を用いた具体的な動作を、電圧値の例を示して説明すると、例えば図2に示した構成で、各FETのゲート−ソース間の最大電圧は、20Vであり、各電圧制限素子では18Vに定電圧化するものとする。また、充電時には1セル当たり4.2Vの電圧を印加するものとし、6セルが直列接続された構成であるので、充電装置から25.2Vを印加して充電するものとする。ここで、例えば、充電中に一方の異常制御ユニット101bが短絡状態となった場合を想定する。このときには、他方の異常制御ユニット101a、電池6セル直列分の充電電圧である25.2Vが印加されることになる。この時、電圧制限素子が無い場合は、FETのゲート−ソース間電圧の耐圧である20Vを越えてしまうために、FETが破壊されてしまう。しかしながら本例の場合には、各FETのゲート−ソース間には電圧制限素子が接続されているために、ゲート−ソース間電圧が20V以下に定電圧化されて、各FETのゲート−ソース間電圧の耐圧を越えるような電圧がかかることはなくなる。
以上説明したように、本例のバッテリーパック100′によると、セルグループ毎に用意した異常制御ユニット101a,101bで個別にセルを監視して、充電時及び放電時の保護動作を行うので、第1の実施の形態の場合と同様に、既存の限られた数のセル電圧を監視する構成の保護ICをそのまま適用して、多数のセルが直列接続されたバッテリーパック内の保護動作を良好に行うことが出来る。
そして、保護回路である異常制御ユニット101a〜101n毎に、個別に充放電を制御するスイッチとしての充電制御FET及び放電制御FETを設ける構成としたので、複数設けた異常制御ユニット101a〜101nでの監視状態を統括する制御手段(図3に示した従来構成での異常判断ユニット22に相当)が必要なく、制御構成が簡単になる。
そして、本実施の形態の場合には、バッテリーパック内の各FETやセルに、電圧制限素子を接続するようにしたので、バッテリーパック内の1つの保護回路(異常制御ユニット)が短絡するような異常があった場合でも、その短絡によって異常な電圧がFETやセルに印加されないので、より確実に保護動作を行うことができる。
なお、この第2の実施の形態では、電圧制限素子を、バッテリーパック内の全ての充電又は放電制御スイッチであるFETと、各保護回路(異常制御ユニット)に接続する構成としたが、一部の電圧制限素子を省略するようにしてもよい。例えば、FETへの電圧制限素子の接続として、放電制御FETについては電圧制限素子を接続せず、放電制御FETにだけ電圧制限素子を接続する構成として、充電時の異常に対してセルを保護できる構成としてもよい。
また、電圧制限素子として、ツェナーダイオードやバリスタを使用する例を示したが、同様の電圧制限機能を有する他の素子を使用してもよい。例えば、抵抗器又はポジスタ(商標)を接続してもよい。また、電圧制限素子と並列にコンデンサを接続するようにしてもよい。
また、第2の実施の形態では、セルグループを2つ直列接続した構成であり、合計6個のセルを直列接続したバッテリーパックとしたが、3つ或いはそれ以上の複数個のセルグループを直列接続した多直列接続のバッテリーパックとする構成でもよく、1つのセルグループ内でセルを直列接続する個数についても、上述した3個に限定されない。
また、上述した各実施の形態では、バッテリーパック内のセルとして、リチウムイオン電池を使用した例としたが、リチウムポリマー電池などのその他のリチウム系の二次電池が多直列接続されたバッテリーパックとしてもよい。さらに、リチウム系の電池以外の二次電池が多直列接続されたバッテリーパックとしてもよい。上述した電池電圧や充電電圧についても一例を示したものであり、使用するセルに適合した電圧値を選定すればよい。
本発明の第1の実施の形態によるバッテリーパックの例を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態によるバッテリーパックの例を示す回路図である。 従来のバッテリーパックの一例を示す回路図である。
符号の説明
1…従来型バッテリーパック、10a〜10n…セルグループ、11…セル、12…セル、13…セル、21a〜21n…異常制御ユニット、22…異常判断ユニット、23…充放電制御スイッチ、24…正極側端子、25…負極側端子、100…多直列接続バッテリーパック、100′…6直列接続バッテリーパック、101a〜101n…異常制御ユニット、102a〜102n…ダイオード、103a〜103n…ダイオード、104a,104b…電圧制限素子、105a,105b…電圧制限素子、106a,106b…電圧制限素子、107a,107b…抵抗器、108a,108b…抵抗器、109a,109b…抵抗器、111a〜111n…充電制御FET、112a〜112n…放電制御FET

Claims (2)

  1. 一方の極端子及び他方の極端子の間に複数個直列接続された二次電池と、
    前記複数個直列接続された二次電池を、所定個ずつ第1段〜第n段のグループに分割して構成されるグループ毎に、そのグループ内の二次電池の電圧を個別に検出し、検出された前記グループ内の二次電池の電圧を基準電圧と比較し、前記グループ内の二次電池の電圧異常を検出する複数の検出手段と、
    前記それぞれの検出手段で検出された電圧が前記基準電圧の範囲外である場合に、前記二次電池への充電電流又は前記二次電池からの放電電流を遮断する制御を行う、前記複数の検出手段毎に個別に設けられた複数のスイッチ素子と、
    前記スイッチ素子及び前記グループ内の二次電池に接続され、前記スイッチ素子又は前記グループ内の二次電池に印加される電圧が所定電圧以上である場合に、前記スイッチ素子又は前記グループ内の二次電池に印加される電圧を制限する、前記グループ毎に設けられた複数の電圧制限素子とを備え
    前記一方の極端子と前記第1段のグループの間に、前記第1段のグループの前記検出手段に設けられた前記スイッチ素子が接続され、前記第2段〜第n段のグループについては、前段及び後段のグループの間に、前記後段のグループの前記検出手段に設けられた前記スイッチ素子が接続される
    バッテリーパック。
  2. 請求項1記載のバッテリーパックにおいて、
    前記スイッチ素子は電界効果トランジスタであり、
    前記電界効果トランジスタのゲート端子に、前記検出手段から制御信号が供給され、ゲート端子とソース端子に前記電圧制限素子が接続され
    バッテリーパック。
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