JP4352608B2 - 結束具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、製品を収容した袋の口部(開口端部)等を絞り閉成するのに使用する結束具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の結束具としては、例えば図9〜図14に示したようなものが考えられている。即ち、食品等の製品を収容する製品収納袋1の口部(開口端部)1aを閉成する結束具としては、図9に示したように合成樹脂製で薄肉板状のクリップ板(クリップ)2が考えられている。
【0003】
この結束具としてのクリップ板2は、図10〜図12に示したように、合成樹脂製で薄肉の弾性板3と、この弾性板3に形成された締付保持孔4と、弾性板3に形成され且つ締付保持孔4に連設されたテーパ状の案内切欠5を有する。そして、弾性板3には、締付保持孔4及び案内切欠5により分離された一対の係合板部3a,3b及び一対の係合板部3a,3bを連設する連設板部3cが形成されている。また、係合板部3a,3bの基部(締付保持孔4の側方)にはピン挿通穴6,6が形成されている。
【0004】
この様なクリップ板2は、例えば図示しない自動結束機で製品収納袋1の口部1aに組み付けられて、製品収納袋1の口部1aを閉成する。即ちこの場合、まず、食品等を収容させた後製品収納袋1をコンベアによりクリップ取付用の図示しない自動結束機の部分まで搬送する。
【0005】
一方、この自動結束機のステージにおいては、図示しない一対のピンがクリップ板2のピン挿通孔6,6に挿通されていて、コンベアにより搬送される製品収納袋1の口部(開口端部)1aがクリップ板2の案内切欠5を介して締付保持孔4内まで案内される。この後、自動結束機は、一対のピンを互いに接近する方向に駆動して、クリップ板2のピン挿通穴6,6を図12の如く接近させると共に、クリップ板2の係合板部3a,3bを重ね合わせて、製品収納袋1の口部1aを絞って締付保持する様になっている。
【0006】
そして、自動結束機は、次に係合板部3a,3bの重ね合わせ部を図示しないプレス手段でプレス加工することにより、図13に示したように係合板部3a,3bに互いに嵌合する膨出凸部7,8を形成させて、係合板部3a,3bを膨出凸部7,8で固定する様になっている。
【0007】
この様にして製品収納袋1の口部1aはクリップ板2により閉成(結束)される様になっていた。
【0008】
この様に口部1aが結束された製品収納袋1においては、膨出凸部7,8の嵌合部の摩擦力により係合板部3a,3bが固定されていると共に、口部1aはクリップ板2により一箇所で絞られた状態で閉成されている。この際、口部1aには絞りにより発生する折り目や皺等があり、口部1aは絞り部1bから離れるに従って広がるために、クリップ板2が締付保持孔4の部分において口部1aの一箇所に食い込む力が発生する。これにより、口部1aの一箇所にはクリップ板2による結束保持力が作用することになる。
【0009】
この様にクリップ板2の結束保持力は、締付保持孔4により絞り込む力と、クリップ板2が締付保持孔4の部分において口部1aに食い込んだりする力の合成力によることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、口部1aのクリップ板2をつまんで持ち上げたりすると、梃子の原理で製品収納袋1の口部1aと接触しているところに大きな力が発生し、クリップ板2が口部1aの部分でずれる。これにより、口部1aの絞り部1bは、図14の如く一箇所で細く絞られた状態から図15の如く更に上下に変則的に絞られることになる。そして、この様に口部1aが変則的に絞られると、クリップ板2による口部1aの結束保持力が低下し、弱い力でクリップ板2が更にずれたり口部1aから外れたりする虞があった。
【0011】
そこで、この発明は、製品収納袋の口部を弾性板の締付保持孔で絞って結束保持した状態において、この弾性板をつまんで製品収納袋を持ち上げても、弾性板が結束位置からずれるのを防止できる結束具を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、締付保持孔及び前記締付保持孔に連設した案内切欠を弾性板に形成することにより、前記案内切欠で分離された一対の係合板部及び前記一対の係合板部を連設する連設板部が前記弾性板に形成され、且つ前記一対の係合板部を重ね合わせたときに互いに係止可能な係止部が前記一対の係合板部にそれぞれ設けられている結束具であって、前記締付保持孔に沿って両側部まで延びる切り込み又はスリットを前記連設板部に形成することにより、前記切り込み又はスリットが前記締付保持孔と前記連設板部の前記締付保持孔とは反対側の端部との間に位置させられている結束具としたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記スリットは前記締付保持孔に沿って円弧状又はコ字状に延びることを特徴とする。更に、請求項3の発明は、前記スリットの両端を結ぶ線は前記締付保持孔の略中心に来るように設定されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1(a)〜図1(c),図2において、1は食品等の製品を収容する製品収納袋、1aは製品収納袋1の口部(開口端部)、2は口部1aを閉成する略U字状のクリップ板(袋結束具)、1bは結束具2により結束された絞り部(結束部)である。
【0016】
この結束具としてのクリップ板2は、図4に示したように、合成樹脂製で薄肉の弾性板3と、この弾性板3に形成された締付保持孔4と、弾性板3に形成され且つ締付保持孔4に連設された案内切欠5を有する。この案内切欠5は、締付保持孔4から離反するに従って幅が徐々に広くなるように緩い円弧でテーパ状に形成されている。また、弾性板3には放射状に等ピッチで締付保持孔4に開口する切欠4aが多数形成されている。この切欠4aを設けることで、切欠4a,4a間には凸部4bが形成されている。
【0017】
そして、弾性板3には、締付保持孔4及び案内切欠5により分離された一対の係合板部3a,3b及び一対の係合板部3a,3bを連設する連設板部3cが形成されている。また、係合板部3a,3bの基部(締付保持孔4の側方)にはピン挿通穴6,6が形成されている。
【0018】
また、係合板部3a,3bの先端部にはフック部3a1,3b1がそれぞれ形成され、連設板部3cの締付保持孔4とは反対側の端部には凸部3dが形成されている。また、連設板部3cには、締付保持孔4に沿って側方まで円弧状に延びるスリット3eが形成されている。
【0019】
次に、この様な構成の結束具の作用を説明する。
【0020】
この様なクリップ板2は、例えば図示しない自動結束機で製品収納袋1の口部1aに組み付けられて、製品収納袋1の口部1aを閉成する。即ちこの場合、まず、食品等を収容させた後製品収納袋1をコンベアによりクリップ取付用の図示しない自動結束機の部分まで搬送する。
【0021】
一方、この自動結束機のステージにおいては、図示しない一対のピンがクリップ板2のピン挿通孔6,6に挿通されていて、コンベアにより搬送される製品収納袋1の口部(開口端部)1aがクリップ板2の案内切欠5を介して締付保持孔4内まで案内される。この後、自動結束機は、一対のピンを互いに接近する方向に駆動して、クリップ板2のピン挿通穴6,6を図1(b),図2,図5の如く接近させると共に、クリップ板2の係合板部3a,3bを重ね合わせることにより、製品収納袋1の口部1aを絞って締付保持する様になっている。
【0022】
そして、自動結束機は、次に係合板部3a,3bの重ね合わせ部を図示しないプレス手段でプレス加工することにより、図3に示したように係合板部3a,3bに互いに嵌合する膨出凸部(係止部)7,8を形成させて、係合板部3a,3bを膨出凸部7,8で固定する様になっている。
【0023】
この様にして製品収納袋1の口部1aはクリップ板2により閉成(結束)される様になっていた。
【0024】
この様に口部1aが結束された製品収納袋1においては、膨出凸部7,8の嵌合部の摩擦力により係合板部3a,3bが固定されていると共に、口部1aはクリップ板2により一箇所で絞られた状態で閉成されている。この際、口部1aには絞りにより発生する折り目や皺等があり、口部1aは絞り部1bから離れるに従って広がるために、クリップ板2が締付保持孔4の部分において口部1aの一箇所に食い込む力が発生する。これにより、口部1aの一箇所にはクリップ板2による結束保持力が作用することになる。
【0025】
この様にクリップ板2の結束保持力は、締付保持孔4により絞り込む力と、クリップ板2が締付保持孔4の部分において口部1aに食い込んだりする力の合成力によることになる。
【0026】
この状態で、クリップ板2の凸部3dをつまんで持ち上げると、連設板部3cがスリット3eの両端に対応する部分から図7の如く撓んで上方に回動する。この際、クリップ板2が製品収納袋1の口部1aと接触しているところに大きな力が発生せず、クリップ板2が口部1aの部分でずれることがない。この結果、口部1aの絞り部1bは更に上下に変則的に絞られることがないので、クリップ板2による口部1aの結束保持力が低下することがなく、弱い力でクリップ板2が更にずれたり口部1aから外れたりすることもない。
(その他)
以上説明した実施例では、スリット3eを円弧状に形成したが必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図8に示したようにスリット3eはコ字状でもよい。尚、スリット3eは、図5の様に係合板部3a,3bを重ね合わせて結束したときに、両端を結ぶ線が締付保持孔4の略中心に来るように設定するのが望ましい。
【0027】
また、上述した実施例では弾性板3にスリット3eを設けた構成としたが、必ずしもスリット3eである必要がない。例えば、スリット3eに代えて切り込みを設けた構成としてもよい。この場合、切り込みを設ける位置や長さはスリット3eと同様にする。
【0028】
更に、上述したクリップ板2は、ワイヤ等の線状部材や他の製品のの結束に用いることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、締付保持孔及び前記締付保持孔に連設した案内切欠を弾性板に形成することにより、前記案内切欠で分離された一対の係合板部及び前記一対の係合板部を連設する連設板部が前記弾性板に形成され、且つ前記一対の係合板部を重ね合わせたときに互いに係止可能な係止部が前記一対の係合板部にそれぞれ設けられている結束具であって、前記締付保持孔に沿って両側部まで延びる切り込み又はスリットが前記連設板部に形成されている構成としたので、製品収納袋の口部を弾性板の締付保持孔で絞って結束保持した状態において、この弾性板をつまんで製品収納袋を持ち上げても、弾性板が結束位置からずれるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明に係る結束具で結束された製品収納袋の側面図、(b)は(a)の要部拡大斜視図、(c)は(b)の製品収納袋を右斜め上方から見た斜視図である。
【図2】図1(b)の制振収納袋を左斜め上方から見た斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図1〜図3に示した結束具の使用前の平面図である。
【図5】図4に示した結束具の使用状態の平面図である。
【図6】図1(c)のB−B線に沿う断面図である。
【図7】図6の作用説明図である。
【図8】この発明に係る結束具の変形例を示す平面図である。
【図9】従来の結束具で結束された製品収納袋の側面図である。
【図10】図9の要部拡大斜視図である。
【図11】図10の結束具の使用前の平面図である。
【図12】図11の結束具の使用状態を示す平面図である。
【図13】図12のD−D線に沿う断面図である。
【図14】図10のC−C線に沿う断面図である。
【図15】図14の作用説明図である。
【符号の説明】
1・・・製品収納袋
1a・・・口部(開口端部)
1b・・・絞り部(結束部)
2・・・クリップ板(袋結束具)
3・・・弾性板
3a,3b・・・係合板部
3c・・・連設板部
3e・・・スリット
4・・・締付保持孔
5・・・案内切欠
7,8・・・膨出凸部(係止部)
Claims (3)
- 締付保持孔及び前記締付保持孔に連設した案内切欠を弾性板に形成することにより、前記案内切欠で分離された一対の係合板部及び前記一対の係合板部を連設する連設板部が前記弾性板に形成され、且つ前記一対の係合板部を重ね合わせたときに互いに係止可能な係止部が前記一対の係合板部にそれぞれ設けられている結束具であって、
前記締付保持孔に沿って両側部まで延びる切り込み又はスリットを前記連設板部に形成することにより、前記切り込み又はスリットが前記締付保持孔と前記連設板部の前記締付保持孔とは反対側の端部との間に位置させられていることを特徴とする結束具。
る結束具。 - 前記スリットは前記締付保持孔に沿って円弧状又はコ字状に延びることを特徴とする請求項1に記載の結束具。
- 前記スリットの両端を結ぶ線は前記締付保持孔の略中心に来るように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の結束具。
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