JP4352141B2 - シートの配向測定方法及び配向測定装置 - Google Patents
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Description
(原理の説明)
漏れ電磁界によってシートの配向を測定する原理に関して、図面を用いて説明する。本実施例で述べる電磁波とは、電波法に規定する周波数3kHzを超え、30THz以下のものをいう。例えば、周波数1GHz〜300GHzの範囲のマイクロ波が好ましい。
次に、本発明の配向測定装置に関する特徴点を、図を用いて説明する。
本実施例の装置の原理は、導波管内部に電圧定在波(導波管内において入射波と反射波が重なり合って発生する電圧振幅の分布)を発生させて、その一部を漏洩孔から漏洩させてシートを測定するものである。
第一検知手段15及び第二検知手段16の配置は、双方の漏洩孔2がシートの移動方向において同一線上になるようにし、且つ、二つの検知手段の相対角度がシート面に垂直な軸を回転軸にして90度の角度になるように配設した一形態を示している。
図4(a)は、概観図を示し、図4(b)は、その側面図を示している。
第一検知手段15及び第二検知手段16を結合して、二つの導波管3の内部を一つの空間として構成し、かつ、一つの漏洩孔2を共有した構造の一体型検知手段17の一形態を示している。この形態の特徴は、二つの検知手段が移動するシートの同一のラインをスキャンできるだけでなく、漏洩孔2を含む導波管を共有するため、静止状態においてもシートの同一ポイントの配向測定が行えるという利点がある。
図5(a)は、第一検知手段15及び第二検知手段16を用い、二つの導波管3に電磁波1を照射した状態を示した概観図を示し、図5(b)は、その側面図を示している。第一検知手段15及び第二検知手段16の配置は、被測定物であるシート類を挟んで漏洩孔どうしが立体交差するように配設して、かつ、二つの検知手段の相対角度がシート面に垂直な軸を回転軸にして90度の角度になるように配設した一形態を示している。この形態の特徴は、二つの検知手段が移動するシートの同一のラインをスキャンできるだけでなく、二つの検知手段がシートを挟んで対象であるために、静止状態においても同一ポイントの配向測定が行えるという利点がある。
また、基材が無配向であるか否か、基材の上に印刷、蒸着、メッキ、貼着、塗布された材料が無配向であるか否かにより、基材と基材上の材料との組合せにより、測定対象物の配向性が確認される。
一つは、基材と基材上に印刷インキで印刷された物であり、基材が紙の場合は、配向測定において、基材のレベルより印刷インキのレベルが低いため印刷インキが無視される。二つ目は、基材上に塗布された物であり、基材がフィルムの場合は、基材が基準レベルとなり上に塗布された物がその測定対象となる。又は、基材と基材上の物の両方が測定対象となる。三つ目は、蒸着された物であり、基材がプラスチックの場合は、基材のレベルより蒸着のレベルがはるかに高いため、基材が無視できる。
図6は、実施例1を説明する図面であり、検知手段を複数個備えた配向測定装置の例として、第一検知手段15及び第二検知手段16の2個を配設した配向測定装置の一形態である。この実施例は、搬送装置を有し、配向測定装置と被測定物を相対的に移動させて高速処理によって配向を測定する装置である。
また、第一検知手段15及び第二検知手段16は同一の構造とし、マイクロ波モジュール25、導波管3、漏洩孔2、反射板14により構成し、装置の調整は、漏洩孔2を直径2mmの丸孔として、各々の導波管3のマイクロ波モジュール25の側の端から28mmの位置に配設し、反射板を左端から80mmの位置に配設したことによって、漏洩孔2から大きな電磁界を漏洩させることができた。
ゼロ調整及びゲイン調整を行える構造を持った第一増幅部18及び第二増幅部19は、第一検知手段15及び第二検知手段16の各々の検知電圧を得て増幅を行い、位置検知器22は搬送装置23の上のシート4の位置を検知するためロータリ・エンコーダなどを搭載し、演算処理部20は、位置検知器22がシートの到着を検知した時点で第一検知手段15及び第二検知手段16の検知電圧を演算・比較・記憶して、表示部21は、演算結果である配向性の数値を表示する。
このことから、実施例1の配向測定装置が樹脂、顔料又は他の材料による配向を測定できることが確認できた。
図7は、実施例2を説明する図面を示し、複数の検知手段を結合した一体型検知手段17を備えた配向測定装置の一形態であり、第一検知手段15及び第二検知手段16の2個を配設した配向測定装置である。実施例1が搬送装置により移動中に配向を測定するのに対して、本実施例は、停止中に配向を測定する装置で、スキャンせずに静止状態でシートの同一ポイントを測定できる利点がある。
演算処理部20が、第一検知手段15と第二検知手段16の検知電圧を記憶して演算・比較を行うため、シートと装置を相対的に回転させて縦・横の測定を行う手間がなくなった。
図8、9、10及び11は、実施例3を説明する図面である。実施例2が停止中に配向を測定する装置であるのに対して、実施例3は、搬送装置により移動させて配向性をスキャン測定して真偽を判別するものである。
特に、記名パネル35は、真偽を判別する目的のために、繊維配向性を調整させた。基材31は、厚さ0.3mmのPETフィルムを用いたが、PET以外でも分子配向性をもたない樹脂であればよく、厚さは0.75mm以内とする。印刷層32は、身分証明書のデザインや情報を印刷するが、用いるインキが、樹脂と顔料を主体として混合したものであれば、印刷膜厚が25μm程度以内とする。記名パネル35は、所持者のサインを記載するためのもので、非配向部29及び配向部30の2種類の材料により構成する。非配向部29の材料は、長網式抄紙機を用いて繊維配向性を持たせないように比較的低速で製造を行なって得られた紙であり、配向部30の材料は、丸網式抄紙機を用いて繊維配向性をもたせるように高速で製造を行って得られた紙である。
図10(a)は、モータ駆動回路28により一定速度に制御された切替え機構用モータ27によって遮蔽板25が連続回転する様子を示しており、回転の位置により、図10(b)のように第二検知手段16の側を遮断して第一検知手段15の測定が行える位置と、図10(c)のように第一検知手段15の側を遮断して第二検知手段16の測定が行える位置を、順番に繰り返す。
第一増幅部18及び第二増幅部19は、第一検知手段15及び第二検知手段16からの検知電圧を増幅し、演算処理部20は、第一増幅部18及び第二増幅部19で得られた生波形に対して波形整形、整流及びAD変換の各演算を施すことにより、第一検知手段15及び第二検知手段16の検知電圧を定量的なデジタル値に変換している。真偽判別部24は、第一検知手段15と第二検知手段16のデジタル値を演算し、差信号を得て、位置検知器22からの位置信号にもとづいて、身分証明書の規定位置に規定の差信号が存在することを認識して真偽を判別し、表示部21で結果を表示するものである。
2 漏洩孔
3 導波管
4 シート
5 電界分布
6 磁界分布
7 送信アンテナ
8 送信ダイオード
9 受信アンテナ
10 受信ダイオード
11 電磁波送信部
12 電磁波受信部
13 無反射終端器
14 反射板
15 第一検知手段
16 第二検知手段
17 一体型検知手段
18 第一増幅部
19 第二増幅部
20 演算処理部
21 表示部
22 位置検知器
23 搬送装置
24 導波管切替機構
25 遮蔽板
26 真偽判別部
27 モータ駆動回路
28 切替え機構用モータ
29 非配向部
30 配向部
31 基材
32 印刷層
33 身分証明書
34 接着層
35 記名パネル
a1 波 形
Claims (3)
- シートを構成する材料の配向性を、漏れ電磁界を測定する導波管による電磁波が、該シートを構成する材料の特性に依存することを利用して、シートを構成する材料の配向性を求めるシートの配向測定装置であって、
少なくとも一つの漏洩孔を有する前記導波管と、
前記導波管の中に電磁波を照射して送信する電磁波送信部と、
前記照射した電磁波が前記導波管内を伝搬して前記漏洩孔から電磁界を漏洩し、前記電磁界が前記漏洩孔に対向して配置された被測定物であるシートを透過するときに、前記シートを構成する材料特性に応じて変化する前記導波管内の電磁波の振幅及び/又は位相の変化を受信する電磁波受信部とで検知電圧を検知する検知手段を複数備え、
前記検知手段を有する前記導波管が、所定の空間を共有するように結合され、前記漏洩孔が同じ位置に設けられていることを特徴とするシートの配向測定装置。 - シートを構成する材料の配向性を、漏れ電磁界を測定する導波管による電磁波が、該シートを構成する材料の特性に依存することを利用して、シートを構成する材料の配向性を求めるシートの配向測定装置であって、
少なくとも一つの漏洩孔を有する前記導波管と、
前記導波管の中に電磁波を照射して送信する電磁波送信部と、
前記照射した電磁波が前記導波管内を伝搬して前記漏洩孔から電磁界を漏洩し、前記電磁界が前記漏洩孔に対向して配置された被測定物であるシートを透過するときに、前記シートを構成する材料特性に応じて変化する前記導波管内の電磁波の振幅及び/又は位相の変化を受信する電磁波受信部とで検知電圧を検知する検知手段を複数備え、
前記複数の検知手段は、前記導波管の漏洩孔の上に載置したシートを挟んでそれぞれの漏洩孔どうしが立体交差するように配設されていることを特徴とするシートの配向測定装置。 - 前記請求項1又は2記載のシートの配向測定装置を用いて前記シートを構成する材料の配向性を、漏れ電磁界を測定する前記導波管による電磁波が、前記シートを構成する材料の特性に依存することを利用して、シートを構成する材料の配向性を求めるシートの配向測定方法であって、
少なくとも一つ漏洩孔を有する前記導波管と、
前記導波管の中に、電磁波を照射する電磁波送信部より電磁波を送信し、
前記照射された前記電磁波が前記導波管内を伝搬して前記漏洩孔から電磁界を漏洩し、前記電磁界が前記漏洩孔に対向して配置された被測定物であるシートを透過するときに、前記シートを構成する材料の特性に応じて変化する前記導波管内の電磁波の振幅及び/又は位相の変化を受信する電磁波受信部とで検知電圧を受信する複数の検知手段を用い、
前記複数の検知手段は、導波管の漏洩孔の上に載置したシートのシート面に垂直な軸を回転軸として、異なる角度になるように設定されて前記電磁波受信部により各々の検知電圧を測定し、
前記得られた各々の検知電圧をもとに比誘電率又は導電率の異方性を得ることによりシートの配向性を求めることを特徴とするシートの配向測定方法。
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