JP4352106B2 - フォーカス合わせ方法、投影露光方法、フォーカス合わせ装置及び投影露光装置 - Google Patents

フォーカス合わせ方法、投影露光方法、フォーカス合わせ装置及び投影露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば投影露光をする際に行われるフォーカス合わせ方法及びフォーカス合わせ装置と、投影露光方法及び投影露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リソグラフィ用投影露光装置として、反射面の傾きを独立制御可能な複数のミラーを含んで構成されるDMD(デジタル・ミラーデバイス:空間光変調器の1つ)を設け、制御コンピュータによる静電解作用によってマイクロミラーをそれぞれ回転制御し、この回転制御により、所定の露光パターンをDMDに担持させ、この所定のパターンを露光対象物に投影する投影露光装置が考えられている。
【0003】
例えば、この投影露光装置を使用し半導体基板に集積回路パターンを形成するにあたっては、異なる露光パターンを何度も同一対象物に転写する必要があり、その際には、対象物である半導体基板のフォーカス合わせがその都度必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、空間光変調器を持つ投影露光にあっては、有効なフォーカス合わせ方法はなかった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、空間光変調器を持つ投影露光に使用して有効なフォーカス合わせ方法及びフォーカス合わせ装置と、投影露光方法及び投影露光装置を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のフォーカス合わせ方法(第1の発明)は、反射面の傾きを独立制御可能な複数のミラーを含んで構成される空間光変調器を使用し、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光を対象物に照射し、前記対象物での反射光を前記空間光変調器に戻し当該空間光変調器で反射した光の光量を検出し、その検出された光量が最大となる方向に前記対象物を移動させることによりフォーカス合わせを行うことを特徴とする。
このフォーカス合わせ方法によれば、空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光を対象物に照射することでその対象物に明暗パターンが形成される。この明暗パターンからの光の光量を検出し、光量が増大する方向に対象物を移動させることで簡単にフォーカス合わせが行えることになる。
【0007】
本発明の投影露光方法(第2の発明)は、第1の発明のフォーカス合わせ方法でフォーカス合わせを行った後、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを前記対象物に投影露光することを特徴とする。
この投影露光方法によれば、フォーカス合わせに使用された空間光変調器でさらに投影露光をするので、フォーカス合わせのためだけに特別な空間光変調器を用意する必要がなくなる。
【0008】
本発明のフォーカス合わせ装置(第3の発明)は、反射面の傾きを独立制御可能な複数のミラーを含んで構成される空間光変調器と、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光を対象物に照射するための光照射手段と、前記対象物での反射光であって前記空間光変調器側に戻され当該空間光変調器で反射された光の光量を検出するための光検出手段と、その検出された光量が最大となる方向に前記対象物を移動させる対象物移動手段とを備えることを特徴とする。
このフォーカス合わせ装置によれば、空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光が対象物に照射されることでその対象物に明暗パターンが形成される。そして、この明暗パターンからの光の光量が検出され、光量が増大する方向に対象物が移動されることで簡単にフォーカス合わせが行えることになる。
【0009】
本発明の投影露光装置(第4の発明)は、第3の発明のフォーカス合わせ装置を備え、前記空間光変調器は前記対象物への露光投影にも使用されるように構成されていることを特徴とする。
この投影露光装置によれば、フォーカス合わせに使用された空間光変調器でさらに投影露光が行われるように構成されているので、フォーカス合わせのためだけに特別な空間光変調器を用意する必要がなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1には実施形態のフォーカス合わせ装置が示されている。このフォーカス合わせ装置100は次の通り構成されている。
【0011】
同図において符号10は光源を示している。この光源10としては特に制限はされないがメタルハライドランプ、ハロゲンランプ又はキセノンランプ等が用いられる。光源10の近くにはリフレクタ20が設置される。このリフレクタ20は光源10からの光を反射して集束光にして次段のDMD(デジタル・ミラーデバイス:空間光変調器)30に向ける作用をなす。なお、光源10からの光を平行光にしてDMD30に照射するようにしてもよい。
【0012】
DMD30にはリフレクタ20からの平行光が斜方から入射する。DMD30は全体として方形状又は矩形状を呈しており、マイクロミラーがマトリクス状に並べられた構造となっている。マイクロミラーのそれぞれは静電界作用によって回転制御され、この回転制御により、DMD30が所定のミラーパターンを担持できるようになっている。このDMD30での反射光は次段のテレセントリック光学系40に入射する。この場合の反射光は、DMD30に担持されたミラーパターンを反映した光となっている。
【0013】
テレセントリック光学系40は、特に限定はされないが、2つの平凸レンズ41,42によって構成されている。そして、DMD30での反射光を、このテレセントリック光学系40を通して、対象物50に照射する。なお、光源10、リフレクタ20及びテレセントリック光学系40は光照射手段を構成する。ただし、光照射手段の構成要素はこれに限定されるものではないことは勿論である。
【0014】
対象物50は表面が平らなもので、半導体ウェーハがその代表的なものである。対象物50はステージ60上に設置される。この場合のステージ60は、モータ動力によって少なくともテレセントリック光学系40の光軸方向に移動可能に構成されている。つまり、モータ及びステージ60は対象物移動手段を構成している。ただし、対象物移動手段の構成要素はこれに限定されるものではないことは勿論である。
【0015】
対象物50での反射光は前記テレセントリック光学系40に入射する。テレセントリック光学系40はその光をDMD30に向けて出射する。
【0016】
DMD30はテレセントリック光学系40からの光を反射させ、光源10側に向かわせる。
【0017】
DMD30と光源10との間には、ハーフミラー70が設置されている。このハーフミラー70は、DMD30からの光を反射させて検出部80に向かわせる。
【0018】
検出部80は、この第1実施形態ではフォトダイオードによって構成されているが、フォトダイオードの代わりにCMOSで構成されていてもよい。なお、対象物50の反射光を検出するためのテレセントリック光学系40、DMD30、ハーフミラー70及び検出部80は光検出手段を構成している。ただし、光検出手段の構成要素はこれに限定されるものではないことは勿論である。
【0019】
次に、第1実施形態のフォーカス合わせ装置100の制御系200の一例を図2を用いて説明する。
【0020】
同図において符号110はコンピュータを示し、このコンピュータ110は、大別すれば、中央処理装置111及び主記憶装置112を備えている。そして、このコンピュータ110には補助記憶装置113、入力装置114及び出力装置115が接続されている。
【0021】
このうち補助記憶装置113にはデータやプログラムが記憶されている。主記憶装置112は、コンピュータ110を動かすときに必要なデータやプログラムが一時的に記憶される。中央処理装置111は演算装置及び制御装置を備えている。演算装置は主記憶装置112から送られたデータに対して演算を行う。制御装置は演算装置、主記憶装置112、補助記憶装置113、入力装置114及び出力装置115をコントロールするための制御信号を送る。入力装置114としてはキーボード、マウス及び検出部80等が接続されている。そして、検出部80からは受光量に基づく電気的信号がコンピュータ110に入力されるようになっている。出力装置115としてはディスプレイ、光源10、DMD30及びステージ移動用モータ等が接続されている。そして、光源10の明るさやDMD30のマイクロミラーの回転制御をコンピュータ110によって行うようになっている。
【0022】
このフォーカス合わせ装置100を使用してフォーカス合わせを行うには、DMD30のミラーパターンを入力装置120を通じて入力するか、或いは補助記憶装置113又は主記憶装置112に予め記憶させておいたミラーパターンを入力装置120を通じて指定する。この場合のミラーパターンとしては、特に限定はされないが、対象物50に照射したときに市松模様状のパターンが形成されるものであることが好ましい。
【0023】
このミラーパターンの入力又は指定が終わったら、光源10からの光をリフレクタ20を介してDMD30に照射する。DMD30はその光を反射し、その光がテレセントリック光学系40に導かれる。テレセントリック光学系40はDMD30からの光を入射し、入射した光を対象物50に向けて出射する。
【0024】
これによって、対象物50の表面には、ミラーパターンに対応した明暗パターンが形成される。この明暗パターンを有する光は、テレセントリック光学系40、DMD30及びハーフミラー70を経て検出部80に到達する。この検出部80は明暗パターンの光像を得、明暗に応じた(受光量に応じた)電気的信号をマイクロコンピュータ110に出力する。
【0025】
コンピュータ110は、中央処理装置111により、その電気的信号の値を演算し、その演算値が基準値よりも小さいとき(ぼけ具合が大きいとき)は、中央処理装置111はステージ60ひいては対象物50を電気的信号の値が増大する方向(ぼけ具合が解消される方向)に移動させる(図3参照)。
【0026】
以上のようにぼけ具合が解消される方向に対象物50を移動させることにより、自動的にフォーカス合わせを行うことができる。
【0027】
なお、DMD30のミラー部を使用するにあたっては、全体を使用してもよいし、DMD30のミラー部を部分的に使用してもよい。部分的に使用する場合には、互いに離れた2箇所以上の部分を使用することが好ましい。より好ましくは3箇所以上の部分を使用すれば、対象物50のあらゆる傾きをも検出することができ、ステージ60のチルト角を変更制御できるようにしておけば、対象物50の傾きも自動補正することができるからである。
【0028】
(第2実施形態)
第2実施形態は投影露光装置であり、第1実施形態のフォーカス合わせ装置100をそのまま投影露光装置として使用するものである。
【0029】
この投影露光装置では、前記DMD30に担持されるミラーパターンを露光パターンとしても用い、光源10からの光をリフレクタ20、DMD30及びテレセントリック光学系40を介して対象物50に照射するように構成されている。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることはいうまでもない。
【0031】
例えば、前記実施形態では、ハーフミラー70をDMD30と光源10との間に設けたが、ハーフミラー70をテレセントリック光学系40とDMD30又は対象物50との間に設け、そのハーフミラー70での反射光を検出部80で検出するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明の代表的なものの効果について説明すれば、反射面の傾きを独立制御可能な複数のミラーを含んで構成される空間光変調器を使用し、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光を対象物に照射し、前記対象物での反射光を前記空間光変調器に戻し当該空間光変調器で反射した光の光量を検出し、その検出された光量が最大となる方向に前記対象物を移動させることによりフォーカス合わせを行うので、簡単にフォーカス合わせができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のフォーカス合わせ装置の光学系の構成図である。
【図2】第1実施形態のフォーカス合わせ装置の制御系の構成図である。
【図3】第1実施形態のフォーカス合わせ装置のフォーカス合わせ方法の説明図である。
【符号の説明】
10 光源
20 リフレクタ
30 DMD
40 テレセントリック光学系
50 対象物
70 ハーフミラー
80 検出部

Claims (4)

  1. 反射面の傾きを独立制御可能な複数のミラーを含んで構成される空間光変調器を使用し、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光を対象物に照射し、前記対象物での反射光を前記空間光変調器に戻し当該空間光変調器で反射した光の光量を検出し、その検出された光量が最大となる方向に前記対象物を移動させることによりフォーカス合わせを行うことを特徴とするフォーカス合わせ方法。
  2. 請求項1記載のフォーカス合わせ方法によってフォーカス合わせを行った後、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを前記対象物に投影露光することを特徴とする投影露光方法。
  3. 反射面の傾きを独立制御可能な複数のミラーを含んで構成される空間光変調器と、前記空間光変調器に担持されるミラーパターンを反映した光を対象物に照射するための光照射手段と、前記対象物での反射光であって前記空間光変調器側に戻され当該空間光変調器で反射された光の光量を検出するための光検出手段と、その検出された光量が最大となる方向に前記対象物を移動させる対象物移動手段とを備えることを特徴とするフォーカス合わせ装置。
  4. 請求項3記載のフォーカス合わせ装置を備え、前記空間光変調器は前記対象物への露光投影にも使用されるように構成されていることを特徴とする投影露光装置。
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