JP4351840B2 - 気体軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボ機械や高速電動機などの超高速で回転する軸を支える気体軸受装置に係わり、特に起動時に回転軸と軸受摺動面との間に働く摩擦力を低減可能な気体軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超高速でかつ高い回転精度が要求される回転機械の軸受には気体軸受装置が使用されている。従来の気体軸受装置は図8に示すように、ハウジング11の内壁に気体軸受2が取り付けられており、回転軸1が高速回転すると、気体軸受2の摺動面との間に気体潤滑膜が形成され、回転軸1が支持される構造となっている。
【0003】
ところで、回転機械の気体軸受において、起動時などの低回転数時では、気体潤滑膜の形成が不十分なため回転軸と軸受摺動面が接触し摩擦力が発生する。この摩擦力があまり大きいと起動トルクの過大、摺動面の摩耗や焼付き、自励振動などの問題につながる。回転軸と軸受摺動面の隙間(半径隙間)を小さくすれば、起動時における気体潤滑膜の早期形成は可能となる。しかし、あまり半径隙間を小さくすると、高速回転時において気体潤滑膜のせん断摩擦熱や膨張タービンからの熱の侵入により、回転軸が半径方向に膨張し、半径隙間が減少して潤滑膜が極端に薄くなり、その結果、高速回転する回転軸と軸受摺動面が接触するという危険が生じる。
【0004】
また、気体軸受を有する高速電動機では、起動時に回転軸が固定子から偏心していると、偏心量の増大に伴って磁気吸引力も増大するので、軸を摺動面に押し付ける力が大きくなり、非常に大きな接触力が発生する。これも起動トルクの過大や摺動面の摩擦や焼付きなどの問題につながる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記状況に対処するためになされたもので、その課題は、気体軸受で支持された回転機械において、起動時の回転軸と摺動面との接触による摩擦力の低下を図り、起動トルクの過大、摺動面の摩耗や焼付き、自励振動の発生を防止する気体軸受装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、請求項1記載の発明は、電動機のハウジングの内側に配置され、半径方向の気体軸受に支持された回転軸を持つ電動機の気体軸受装置において、前記気体軸受は前部軸受と後部軸受とでクリアランスを異ならせ、停止時は回転子の傾きにより前記回転子と前記固定子の回転軸の軸方向中心をずらし、起動時に前記固定子と前記回転子のずれにより軸方向に働く電磁力を利用して、前記回転軸を軸方向に駆動することで前記回転軸を前記気体軸受の軸受摺動面と水平方向に動かすと同時に前記回転軸の回転を開始することを特徴とする。
請求項1記載の発明によると、停止時に固定子と回転子の軸方向の磁気中心がずれるため、起動時にこのずれを修正する電磁力が軸方向に動き、それと同時に周方向の電磁力により回転する。静止摩擦力よりも動摩擦力の方が小さいため、回転軸を軸方向に動かすことにより、周方向の摩擦力を低減することができる。
また、軸を動かすために、電動機に既存の固定子および回転子を利用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
【0018】
図に示すように、回転軸1は通常の運転状態では、気体軸受2の摺動面との間に形成される気体潤滑膜によって支持される。回転軸1の内部には、先端に車輪3を有する支持脚4と、この支持脚4を半径方向に動かす駆動装置5を設ける。支持脚4は回転軸1の周方向に120°間隔で、同様のものを3本設ける。また、回転軸1の回転数を回転数計測装置6で計測し、この計測された回転数信号7を制御器8に入力し、制御信号9をスリップリング10を介して駆動装置5に入力するという制御系を構成している。
【0019】
起動時には支持脚4を回転軸1から外側に出し、車輪3をハウジング11の内壁に押し付ける。支持脚4は3本あるので、回転軸1を気体軸受2と同心位置で支持することができ、また車輪3により回転軸1は周方向に自由に回転できる。回転数が十分上昇すれば、支持脚4を回転軸1の内部に収納する。これにより、回転軸1と気体軸受2を接触させることなく起動することができ、通常運転に入れば、回転軸1を気体軸受2で支持することができる。
【0020】
図2は、本発明の第2実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
図に示すように、本実施形態では、図1における制御系(すなわち回転数計測装置6、制御器8、スリップリング10)を排し、代わりに支持脚4に質点12とばね13を取り付ける。ばね13は一端が回転軸1に、他端が支持脚4に取り付けられており、ばね13は支持脚4を回転軸1の外に押し出すような張力を与える。
【0021】
低回転数では、質点12に働く遠心力がばね13の張力より小さいため、支持脚4が外に出て、車輪3がハウジング11の内壁に押し付けられる。回転数が上昇すると、質点12に働く遠心力がばね13の張力より大きくなり、支持脚4が回転軸1の内部に格納される。このように本実施形態によると、第1実施形態における制御系が不要となり、全体の構成が簡略化される。
【0022】
図3は、本発明の第3実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
図に示すように、本実施形態は図1の第1実施形態における支持脚4と駆動装置5を、回転軸1の内部ではなくハウジング11に設けている。また、回転数を回転数計測装置6で計測し、回転数信号7を制御器8に入力し、制御信号9を駆動装置5に入力するという制御系を構成しており、駆動装置5によって支持脚4を回転軸1の半径方向に動かす。
【0023】
起動時には支持脚4を回転軸1の方向に動かして車輪3を回転軸1に押し付ける。回転数が上昇すれば、支持脚4をハウジング11に格納する。第1実施形態のように、支持脚4と駆動装置5を高速回転する回転軸1に設けるよりも、静止したハウジング11に設けることで、安全性と保守性に優れるという効果が期待できる。
【0024】
図4は、本発明の第4実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図である。
図に示すように、本実施形態はハウジング11の内壁に電磁石15を取り付ける。制御器8は起動スイッチが入ると、電磁石15に励磁電流16を流して回転軸1を半径方向に浮上させる。同時に制御器8は起動装置17に起動信号18を送り、回転軸1の回転を開始する。これにより、起動の瞬間に回転軸を軸受摺動面から浮かせることで、完全な直接接触よりも摩擦力を低減できる。
【0025】
図5は、本発明の第5実施形態の気体軸受装置の断面図である。
図に示すように、本実施形態はハウジング11の軸方向の内壁に電磁石15を取り付ける。制御器8は起動スイッチが入ると、電磁石15に励磁電流16を流して回転軸1を軸方向に動かす。同時に制御器8は起動装置17に起動信号18を送り、回転軸1の回転を開始する。
【0026】
本実施形態では、静止摩擦力よりも動摩擦力の方が小さくなるという性質を利用している。すなわち、起動の瞬間に回転軸を軸方向に動かすことで、周方向の摩擦力が小さくなり、起動に必要なトルクを低減できる。
【0027】
図6は、本発明の第6実施形態(請求項1に対応)の気体軸受装置の断面図である。
図に示すように、本実施形態は電動機であり、回転軸1は前部軸受19と後部軸受20の2個の気体軸受で支持されている。回転軸1には回転子21が、また回転子21と対向するハウジング11の内壁に固定子22が取り付けられており、両者の間の電磁力で回転軸1が回転する。前部軸受19と後部軸受20は同心であるが、後部軸受20の方が半径隙間が大きくなっている。電動機を停止すると、回転軸1は自重により軸受の摺動面に接触するまで下がるが、この際、前部軸受19と後部軸受20の半径隙間の差のため、回転軸1は後部軸受20側に傾き、回転子21と固定子22の軸方向の磁気中心がずれた状態で停止する。
【0028】
このように、回転子21と固定子22の軸方向の磁気中心を意図的にずらしておくと、起動時にこのずれを修正するような電磁力が軸方向に働いて回転軸1が軸方向に動き、それと同時に周方向の電磁力により回転を始める。これにより、図5の第5実施形態と同様に周方向の摩擦力を低減でき、更に回転軸を軸方向に動かすために、電動機に既存の回転子と固定子を利用できるという利点がある。
【0029】
図7は、本発明の第7実施形態の気体軸受装置の断面図である。
図に示すように、本実施形態は図6の電動機における前部軸受19と後部軸受20の半径隙間の差をなくし、代わりに回転軸1の軸方向に位置するハウジング11の軸方向の内壁に電磁石15を取り付ける。回転数を回転数計測装置6で計測し、回転数信号7を制御器8に入力し、励磁電流16を電磁石15に与えるという制御系を構成する。
【0030】
停止時に回転数が下がると、電磁力により回転軸1を引っ張ることで、回転子21と固定子22の軸方向の磁気中心を意図的にずらす。図6の第6実施形態では、気体軸受の半径隙間を大きくすることにより、起動時の気体潤滑膜の形成が遅れるという不具合が予想されるが、本実施形態ではかかる不具合を回避できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、気体軸受で支持された回転機械において、起動時の回転軸と摺動面との接触による摩擦力の低減を図ることにより、起動トルクの過大、摺動面の摩耗や焼付き、自励振動の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図。
【図2】本発明の第2実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図。
【図3】本発明の第3実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図。
【図4】本発明の第4実施形態の気体軸受装置の構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は断面図。
【図5】本発明の第5実施形態の気体軸受装置の断面図。
【図6】本発明の第6実施形態の気体軸受装置の断面図。
【図7】本発明の第7実施形態の気体軸受装置の断面図。
【図8】従来技術の気体軸受装置の断面図。
【符号の説明】
1…回転軸、2…気体軸受、3…車輪、4…支持脚、5…駆動装置、6…回転数計測装置、7…回転数信号、8…制御器、9…制御信号、10…スリップリング、11…ハウジング、12…質点、13…ばね、15…電磁石、16…励磁電流、17…起動装置、18…起動信号、19…前部軸受、20…後部軸受、21…回転子、22…固定子。
Claims (1)
- 電動機のハウジングの内側に配置され、半径方向の気体軸受に支持された回転軸を持つ電動機の気体軸受装置において、前記気体軸受は前部軸受と後部軸受とでクリアランスを異ならせ、停止時は回転子の傾きにより前記回転子と前記固定子の回転軸の軸方向中心をずらし、起動時に前記固定子と前記回転子のずれにより軸方向に働く電磁力を利用して、前記回転軸を軸方向に駆動することで前記回転軸を前記気体軸受の軸受摺動面と水平方向に動かすと同時に前記回転軸の回転を開始することを特徴とする気体軸受装置。
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JP2002353489A JP4351840B2 (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 気体軸受装置 |
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