JP4348968B2 - 電子辞書管理装置、辞書データ送信プログラム - Google Patents

電子辞書管理装置、辞書データ送信プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子化された見出し語情報に対応する説明情報のデータを送信する電子辞書管理装置、及び辞書データ送信プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、英和辞典、和英辞典、国語辞典、百科事典など各種の事典や辞書の内容を電子化して記録し、簡単に検索することができる機能が搭載された電子辞書(装置)が広く利用されている。こうした電子辞書では、見出し語と、その見出し語に対応する説明内容とが関連付けられて記録されており、見出し語を選択するあるいは文字列を入力することで、この入力された見出し語(あるいは文字列)に対応する説明内容を表示させることができる。
【0003】
近年では、携帯電話などにおいても英和辞典などの電子辞書の機能を搭載し、この電子辞書によって検索した単語や検索結果を電子メールの本文やメモに貼り付けて利用できるようになっている。
【0004】
また、特許文献1に掲載されているように電子辞書に通信機能を搭載し、パーソナルコンピュータなど他の電子装置と通信することができるものも考えられている。特許文献1に記載されている電子辞書は、パーソナルコンピュータの表示部で表示された英文のテキスト中で検索対象とする単語が範囲指定されることで、この範囲指定された単語データを通信によって受信し、この単語データについての検索を実行して、検索結果をパーソナルコンピュータに送信して表示させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−188795号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子辞書を利用する場合には、検索しようとする単語などを探して、その単語を見出し語として逐次選択(あるいは入力)しなければならず作業が非常に煩雑となっていた。また、電子辞書が高機能化する程、1つの単語に対して複数の語義の説明情報が用意されていることが多く、見出し語を指定して検索された検索結果から、自らが必要としている内容の語義についての説明情報を、その説明情報を確認しながら探さなくてはならなかった。さらに従来の電子辞書では、見出し語の指定に応じて検索した結果(説明内容)については、その電子辞書を使用しているユーザだけしか参照することができない。電子辞書には、ヒストリ機能と呼ばれる過去の検索結果を保存する機能を有しているものもあるが、このヒストリ機能を使用しても、実際に検索を実行した電子辞書でなければ検索結果を利用することができなかった。
【0007】
また、携帯電話に搭載された電子辞書の機能では、電子メールに検索結果を貼り付けることで、電子メールの本文として他の携帯電話の利用者に検索結果を閲覧させることができる。しかしながら、電子辞書の検索結果としてではなく、メール本文として閲覧できるだけである。さらに、電子メールの送信側では、例えば電子辞書の機能によって、ある1つの単語に対して多数の語義についての説明情報が得られた場合には、辞書から検索された説明情報の全てを送信するか、あるいは前述と同様にして必要とする語義の説明情報を的確に選択してメールに貼り付けて送信しなければならない。
【0008】
また、特許文献1に掲載された電子辞書においても、パーソナルコンピュータからの要求に応じて検索を実行するので、その検索結果についてはパーソナルコンピュータにおいて利用できるのみとなっていた。また、電子辞書を利用するたびに通信によって検索要求を送信し、その検索結果を取得しなければならなかった。さらに、この場合も電子辞書によって検索された検索結果が1つの単語に対して複数の語義の説明情報が含まれる場合には、必要とする語義の説明情報をさらに探す必要がある。
【0009】
さらに、電子辞書(装置)の違いによって記録されている辞書の内容が異なる場合がある。特に、見出し語に対応して複数の語義がある場合には、電子辞書毎に語義の数や優先順(記載順)が異なっている場合がある。従って、ある電子辞書に記録されたある見出し語に対する語義に関する情報(例えば、語義の記載順などを表す語義番号)を知り得たとしても、他の電子辞書で利用することで必要とする語義の説明情報を得ることはできなかった。
【0010】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、送信元の電子機器において辞書検索等によって特定した見出し語や語義のデータを、他の電子機器において簡単に利用させることを可能にする電子辞書管理装置、辞書データ送信プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の電子辞書管理装置によれば、受信手段により、送信元の電子機器から同機器に搭載された辞書を識別するための第1の特定情報と前記辞書で用いられる見出し語情報と語義の分類情報、及び送信先の電子機器に搭載された辞書を識別するための第2の特定情報とが受信され、特定情報判別手段により、前記受信手段によって受信された前記第1の特定情報と前記第2の特定情報とが一致するかが判別される。前記特定情報判別手段によって特定情報が一致しないと判別された場合に、情報検出手段により、前記見出し語情報と前記分類情報をもとに、前記送信先の電子機器に送信する前記第2の特定情報が示す辞書に対応する見出し語情報と語義の分類情報が検出され、送信手段により、前記情報検出手段によって検出された前記第2の特定情報が示す辞書に対応する見出し語情報と語義の分類情報を前記送信先の電子機器に送信される。
【0012】
これにより、見出し語情報に対して複数の語義の説明情報がある場合であっても、送信元の電子機器における辞書検索によって得られた見出し語情報と語義の分類情報を利用して、送信先の電子機器に搭載された辞書の該当する見出し語情報の語義の分類情報に対応する説明情報を簡単に利用させることができる。
【0013】
本発明の請求項2の電子辞書管理装置によれば、語義リンク記録手段により、複数の辞書に記録された共通する見出し語情報毎に、各辞書の見出し語情報に対応する語義の分類情報が前記複数の辞書間で同じ語義同士関連づけて記録される。そして、前記情報検出手段により、前記語義リンク記録手段により関連付けて記録された各辞書の見出し語に対応する語義の分類情報をもとに、第2の特定情報が示す辞書に対応する前記見出し語情報と語義の分類情報が検出される。
【0014】
これにより、語義リンク記録手段によって記録された、各辞書の見出し語情報毎の語義の分類情報の関連づけを参照することで、受信した見出し語情報と語義の分類情報に対する送信先の電子機器の辞書における見出し語情報と語義情報を簡単に取得して、送信先の電子機器に送信することができる。
【0015】
本発明の請求項3の電子辞書管理装置によれば、 音声送信依頼受信手段により、前記送信元の電子機器から前記送信先の電子機器に対する音声の送信依頼が受信され、前記音声送信依頼受信手段によって音声の送信依頼を受信した場合に、音声データ生成手段により、前記情報検出手段によって検出された前記見出し語と語義の分類情報に対応する説明情報の音声データが生成され、音声送信手段により、前記音声データ生成手段によって生成された音声データが前記送信先の電子機器に送信される。
【0016】
これにより、送信元の電子機器から受信した音声の送信依頼に応じて、送信先の電子機器に対して、見出し語情報と語義の分類情報に加えて、語義の分類情報に対応する説明情報の音声データを送信して、送信先の電子機器において情報内容を音声によって出力させることができる。
【0017】
本発明の請求項4の電子辞書管理装置によれば、前記音声送信依頼受信手段により、前記送信依頼と共に音質の種類を示すデータが受信され、前記音声データ生成手段により、前記音声送信依頼受信手段によって受信した音質の種類を示すデータに応じた音声データが生成される。
【0018】
これにより、送信先の電子機器に対して送信される音声データが再生された時の音質を、送信元の電子機器から指定することができる。
【0019】
本発明の請求項5の電子辞書管理装置によれば、前記音声送信依頼受信手段によって受信される音質の種類を示すデータは、人物を示すデータとする。
【0020】
これにより、歴史上の人物や著名人などの有名人(人物)を送信元の電子機器から指定して、送信先の電子機器においての有名人による(擬似)音声を出力させることができる。
【0021】
本発明の請求項6の電子辞書管理装置によれば、記録手段により、見出し語情報に対応して語義の分類情報毎に分類された説明情報が記録され、説明情報取得手段により、前記情報検出手段によって検出された見出し語情報と語義の分類情報に対応する説明情報が前記記録手段から取得され、前記送信手段によって、前記説明情報が前記送信先の電子機器に送信される。
【0022】
これにより、語義の分類情報に対応する説明情報が送信先の電子機器に記録されていない場合、すなわち辞書が搭載されていない場合であっても、電子辞書管理装置から説明情報を送信することで、送信先の説明情報の内容を利用することができる。
【0023】
本発明の請求項7の電子辞書管理装置によれば、前記記録手段により記録される説明情報は、前記電子機器に搭載された辞書において用いられる見出し語情報と語義の分類情報のそれぞれに対して記録された情報の一部であるとする。
【0024】
これにより、送信先の電子機器では、電子辞書管理装置から受信した情報を一覧表示させるなど、見出し語情報と語義の分類情報に対応する情報の全てを必要としない処理に利用することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0038】
図1は、本実施形態における電子辞書検索履歴管理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子辞書検索履歴管理システムは、複数の通信電子辞書10(10a,10b、10c,10d)がそれぞれインターネット14と接続されている。通信電子辞書10は、例えば通信機能が搭載された辞書検索専用装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA(personal digital assistant)などの各種電子機器によって実現される。なお、通信電子辞書10は、インターネット14だけに限らず、公衆回線網などの各種通信系を含むネットワークを介して接続することもできる。
【0039】
通信電子辞書10は、見出し語情報と、その見出し語情報に対応して少なくとも1つの語義の分類情報(語義番号)ごとに分類された説明情報を記録する辞書データを有し、見出し語が選択される、あるいは文字列が入力されることで、この入力された見出し語(あるいは文字列)に対応する語義番号と説明情報とを検索して表示する電子辞書機能が搭載されている。通信電子辞書10は、通信機能によって、インターネット12を通じて、他の情報機器(電子辞書サーバ14、パーソナルコンピュータ、他の通信電子辞書など)との通信によりデータを送受信することができる。
【0040】
電子辞書サーバ14(電子辞書管理装置)は、辞書データ送信サービスを提供するもので、ネットワーク上のサーバシステムやパーソナルコンピュータなどの情報機器によって実現される。電子辞書サーバ14は、通信電子辞書10によって実行された検索結果の情報、例えば見出し語情報と語義番号とを、インターネット14を通じて受信し、この情報に対応する検索結果の情報を送信元の通信電子辞書10から指示された他の通信電子辞書10に対して送信する機能を有する。電子辞書サーバ14は、例えば見出し語情報と語義番号を他の通信電子辞書10に対して送信することで、他の通信電子辞書10において送信元の通信電子辞書10において実行された辞書検索によって得られた情報を出力(表示、音声出力)させることができる。また、電子辞書サーバ14は、送信先の通信電子辞書10に対して検索結果を送信する際に、検索結果の内容(説明情報など)を読み上げる音声データを作成して送信する機能をも有する。
【0041】
図2は、本実施形態における通信電子辞書10(10a,10b,10c,10d)の構成を示すブロック図である。通信電子辞書10は、見出し語情報と、その見出し語情報に対応して少なくとも1つの語義の分類情報(語義番号)ごとに分類された説明情報を記録する辞書の辞書データを有し、見出し語が選択される、あるいは文字列が入力されることで、この入力された見出し語(あるいは文字列)に対応する語義番号と説明情報とを検索して表示する電子辞書機能が搭載されている。通信電子辞書10は、さらに通信機能が搭載されており、インターネット12を通じて電子辞書サーバ14との間の通信により検索結果の履歴(ヒストリ)のデータを送受信することができる。ヒストリデータには、検索された見出し語だけでなく、見出し語に対して複数の語義がある場合にユーザが検索結果として選択した語義の語義番号を含んでいる。
【0042】
図2に示すように、通信電子辞書10は、CPU20がメモリ22、記録装置24、入力部26、表示部27、音声出力部28、及び通信部29と相互に接続されて構成される。
【0043】
CPU20は、通信電子辞書10全体の制御を司るもので、メモリ22に記録されたプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。CPU20は、メモリ22に記録された辞書管理制御プログラム22a(電子辞書プログラム)を実行することにより、入力された文字列(見出し語)をもとに辞書データ22bを検索し、該当する見出し語に対応する説明情報を表示する電子辞書機能(辞書検索処理(図10、図11)、受信ヒストリ表示処理(図12))を実現する。
【0044】
メモリ22は、CPU20によってアクセスされるプログラムやデータが記録されるもので、本実施形態では例えば辞書管理制御プログラム22aなどの各種プログラムや、各プログラムを実行する際に用いられる各種データの他、作業用のデータを一時的に記録するためのワークエリアなどが設定される。辞書管理制御プログラム22aの実行に伴って格納される各種データとしては、見出し語情報と少なくとも1つの語義番号ごとに分類された説明情報とが関連付けられて記録された辞書の内容が電子化された辞書データ22b、辞書データ22bを用いた検索結果(見出し語、語義番号)の履歴を記録するMyヒストリデータ22c、他の通信電子辞書10において実行された検索結果を受信して記録する受信ヒストリデータ22d、他の通信電子辞書に対して送信した検索結果(見出し語、語義番号)の履歴を記録する送信ヒストリデータ22e、他の通信電子辞書の利用者に関するデータ、例えば、アドレス、利用者名、利用者の似顔絵を図像化したアイコンデータ、利用者が所持している通信電子辞書に搭載されている辞書名(辞書を識別する特定情報)などを含むデータが記録された似顔絵友達帳データ22f、電子辞書サーバ14から受信した他の通信電子辞書10により実行された検索結果と共に受信した有名人音声合成データ22g、他の通信電子辞書に対して検索結果と共に有名人音声合成データの送信を電子辞書サーバ14に対して要求するために用いられる有名人データ22h、辞書データ22bに記録されたデータ(例えばテキストデータ)をもとに検索結果を読み上げさせる音声の音声データを生成するための音声合成用データ22kなどが含まれる。
【0045】
なお、辞書データ22bには、辞書を識別する特定情報、すなわち辞書名のデータが付加されているものとする。また、似顔絵友達帳データ22fに登録されるデータ(アドレス、利用者名、アイコンデータ、辞書名など)は、必ずしも全てが登録されている必要はない。また、有名人データ22hには、電子辞書サーバ14において音声合成データを生成することができる複数の人物、ここでは歴史上の人物や著名人などの有名人に関するデータが含まれており、例えばそれぞれの有名人についての有名人名のデータと似顔絵を図像化したアイコンデータが含まれているものとする。アイコンデータは、送信先や有名人別・音声合成用データを指定させるための指定表示画面を表示する際に用いられる(図15(b)参照)。有名人データ22hは、電子辞書サーバ14からインターネット12を通じてダウンロードすることができるものとする。また、音声合成用データ22kには、限られた種類の音声を生成するためのデータのみが含まれているものとする(例えば男性音声と女性音声の2種類あるいは何れか1種類など)。また、辞書データ22bと対応づけて、各見出し語のそれぞれの語義についての先頭の内容(先頭データ)だけを登録したテーブル(語義見出しテーブル)が用意されていても良い。
【0046】
記録装置24は、記録媒体25を有しており、記録媒体25に対するプログラム、データ等の記録や読み出しを実行する。記録媒体25は磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成され、記録装置24に固定的に設けたもの、もしくは着脱自在に装着するものである。また、記録媒体25に記録されるプログラム、データ等は、通信回線等を介して接続された他の機器から受信して記録する構成にしても良く、さらに、通信回線等を介して接続された他の機器側に記録媒体を備えた記録装置を設け、この記録媒体に記録されているプログラムやデータを、通信回線を介して使用する構成にしても良い。
【0047】
入力部26は、複数の文字キーが配列されたキーボードや、マウスなどポインティングデバイスにより構成され、データや各種の指示を入力するために用いられる。また、入力部26には、上下左右方向を指示するためのカーソルキー、検索履歴を表示するヒストリーモードへの移行を指示するためのヒストリーキー、辞書データ22bの説明情報中に含まれる用例の表示を指示するための用例キー、検索に利用する辞書を選択するための辞書キー、入力した検索文字列(見出し語)に対する説明情報の表示や選択決定などを指示するための訳/決定キー、音声データの再生の実行を指示するための音声キーなどが設けられている。
【0048】
表示部27は、各種情報を表示するためのもので、メモリ22に格納された各種プログラムの実行に伴う画面を表示する。
音声出力部28は、各種音声を出力するためのもので、メモリ22に格納された各種プログラムの実行に伴う音声を出力する。特に音声出力部28は、辞書管理制御プログラム22aの実行に伴って、検索結果の内容(説明情報など)を読み上げる音声出力に用いられる。
通信部29は、CPU20の制御のもとで、インターネット12や各種ネットワークを介して他の情報機器(電子辞書サーバ14、パーソナルコンピュータ、他の通信電子辞書など)との通信を実行する。
【0049】
図3は、本実施形態における電子辞書サーバ14の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子辞書サーバ14は、CPU30がメモリ32、記録装置34、入力部36、表示部37、及び通信部38と相互に接続されて構成される。
【0050】
CPU30は、電子辞書サーバ14全体の制御を司るもので、メモリ32に記録されたプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。CPU30は、メモリ32に記録された辞書データ送信プログラム32aを実行することにより、インターネット12を通じて受信した検索結果を、指定された他の通信電子辞書10などに送信する辞書データ送信サービス機能(サーバ処理(図13))を実現する。
【0051】
メモリ32は、CPU30によってアクセスされるプログラムやデータが記録されるもので、本実施形態では例えば辞書データ送信プログラム32aなどの各種プログラムや、各プログラムを実行する際に用いられる各種データの他、作業用のデータを一時的に記録するためのワークエリアなどが設定される。辞書データ送信プログラム32aの実行に伴って格納される各種データとしては、通信電子辞書10に搭載された電子辞書機能で用いられる複数の異なる辞書に記録された共通する見出し語毎に、各辞書の見出し語に対応する語義の語義番号(分類情報)を複数の辞書間で同じ語義同士を関連づけて記録する語義リンクテーブル32b(詳細については後述する(図8、図9))、通信電子辞書10から受信した検索結果(見出し語、語義番号)を各通信電子辞書10毎に分類して記録する個別ヒストリデータ33c、個別ヒストリデータ33cに記録された検索結果を指定された送信先に送信する際に、検索結果の内容を特定の音質による音声、すなわち本実施形態では有名人による音声によって読み上げる音声データを生成するための有名人別・音声合成用データ33dなどが含まれている。有名人別・音声合成用データ33dは、例えば著名人や歴史上の人物の顔や年齢から顔骨格データを作成して、その人が発する音声の特徴をもった音声を合成する技術を用いて作成される。この有名人別・音声合成用データ33dを用いることで、例えばテキストデータから、それを著名人や歴史上の人物などの有名人が読み上げた場合の擬似音声を合成することができる。
【0052】
記録装置34は、記録媒体35を有しており、記録媒体35に対するプログラム、データ等の記録や読み出しを実行する。記録媒体35は磁気的、光学的記録媒体、もしくは半導体メモリで構成され、記録装置34に固定的に設けたもの、もしくは着脱自在に装着するものである。また、記録媒体35に記録されるプログラム、データ等は、通信回線等を介して接続された他の機器から受信して記録する構成にしても良く、さらに、通信回線等を介して接続された他の機器側に記録媒体を備えた記録装置を設け、この記録媒体に記録されているプログラムやデータを、通信回線を介して使用する構成にしても良い。
【0053】
入力部36は、複数の文字キーが配列されたキーボードや、マウスなどポインティングデバイスにより構成される。
【0054】
表示部37は、各種情報を表示するためのもので、メモリ32に格納された各種プログラムの実行に伴う画面を表示する。
通信部38は、CPU30の制御のもとでインターネット12を通じて他の電子機器(通信電子辞書10など)との通信を実行する。
【0055】
次に、通信電子辞書10において扱われる各データの詳細について説明する。
図4には、Myヒストリデータ22cとして記録されるデータの一例を示している。図4に示すように、検索結果の履歴として、辞書データ22bに対する検索対象となった見出し語と、この見出し語に対応する少なくとも1つある語義から選択された語義の品詞及び語義番号と、検索が実行された日付を示すデータとが対応づけられて順次記録される。
【0056】
図5には、受信ヒストリデータ22dとして記録されるデータの一例を示している。図5に示すように、電子辞書サーバ14を通じて受信した他の通信電子辞書10における検索結果として、見出し語、品詞、語義番号と共に、送信者名、検索が実行された日付、音声データ管理用の各データが対応づけて順次記録される。音声データ管理用データには、音声データの有無と、音声データ有りの場合に音声データの生成に用いた音声合成用データが何れの有名人(人物)のものであるかを示すデータが含まれる。例えば、図5の見出し語「life」に対応する音声データ管理用データには、音声データ「有」、有名人名「マリ*ン」が記録されている。
【0057】
図6には、送信ヒストリデータ22eとして記録されるデータの一例を示している。図6に示すように、電子辞書サーバ14を通じて他の通信電子辞書に対して送信した検索結果として見出し語、品詞及び語義番号の他、送信先名、送信日を示す日付、音声データ管理用の各データが対応づけて順次記録される。音声データ管理用データには、音声データの有無と、音声データ有りの場合に音声データの生成に用いた音声合成用データが何れの有名人のものであるかを示すデータが含まれる。例えば、検索結果として、見出し語「problem」、語義番号「1」、品詞「名(名詞)」については、友人の「ミユキ」「アミ」に対して、11月25日に、音声データ「有」、有名人「マリ*ン」の音声合成用のデータを用いて合成された音声データを共に送信したことを示すデータが記録されている。
【0058】
図7には、似顔絵友達帳データ22fとして記録されるデータの一例を示している。図7に示すように、似顔絵友達帳データ22fには、他の通信電子辞書の利用者、すなわち検索結果の送信先に関するデータとして、例えば利用者名(名前)、アドレス、利用者の似顔絵を図像化したアイコンデータ、利用者が所持している通信電子辞書に搭載されている辞書名(辞書を識別する特定情報)などを含むデータが対応づけて記録されている。例えば、利用者「ミユキ」が使用している通信電子辞書10では、辞書名「ニュ○セ○チュリー英和辞書」の辞書データ22bが搭載されていることを示している。
【0059】
次に、電子辞書サーバ14において管理される語義リンクテーブル32bの詳細について説明する。図8及び図9には、本実施形態における語義リンクテーブル32bのデータ構成の一例を示している。
【0060】
語義リンクテーブル32bは、複数の異なる辞書に記録された共通する見出し語毎に、各辞書の見出し語に対応する語義の語義番号(分類情報)を複数の辞書間で同じ語義同士を関連づけて記録するもので、異なる辞書の辞書データにそれぞれ対応する複数の語義見出しテーブルを組み合わせて作成されている。語義見出しテーブルは、通信電子辞書10で用いられる辞書(辞書データ22b)に登記憶されている見出し語毎に、見出し語に対して辞書データ22bに登録されている説明情報の一部として、品詞と語義番号(語義の分類情報)と説明情報のうち先頭部分にあるデータ(先頭データ)とが対応づけられて格納されている。1つの見出し語に対して複数の品詞についての説明情報が記録されている場合には、各品詞のそれぞれについての先頭データが記録されている。また、1つの見出し語について複数の語義についての説明内容が記録される場合には、語義のそれぞれについての先頭データが語義番号と対応づけて記録されている。
【0061】
例えば、図8及び図9に示すジ○ニアス英和辞書に対応する語義見出しテーブルでは、見出し語「life」については、品詞として「名(名詞)」が登録されているが、この品詞について12つの語義番号1〜12が記録されており、それぞれの語義番号1〜12に対応する先頭データ、すなわち[生命、命…][生物、生き物…][人生、この世に生きること]…がそれぞれの語義番号と対応づけられて記録されている。図8及び図9には、その他にもニュ○セ○チュリー英和辞書、デ○リーコ○サイス英和辞書についての語義見出しテーブルが含まれている。
【0062】
そして、各辞書(ジ○ニアス英和辞書、ニュ○セ○チュリー英和辞書、デ○リーコ○サイス英和辞書)に対応する語義見出しテーブルは、各見出し語毎に、各辞書の見出し語に対応する語義の語義番号を複数の辞書間で同じ(あるいは類似した)語義同士を関連づけている。
【0063】
例えば、見出し語「life」に対応する語義「生命」については、ジ○ニアス英和辞書の語義番号「1」、ニュ○セ○チュリー英和辞書の語義番号「1」、デ○リーコ○サイス英和辞書の語義番号「2」とが対応付けられている。なお、図9に示す見出し語「remember」のように、例えばデ○リーコ○サイス英和辞書のみに「遺産を残してくれる」の語義が登録されており、ジ○ニアス英和辞書及びニュ○セ○チュリー英和辞書には該当する語義が登録されていない。こうした場合、見出し語「remember」に対して語義番号として「0」を記録しておく。
【0064】
なお、図8及び図9に示す語義リンクテーブル32bでは、各辞書毎に見出し語と対応づけて品詞、語義番号、及び先頭データとを対応づけて登録しているが、見出し語と対応づけて語義番号のみが登録された構成とすることもできる。
【0065】
次に、本実施形態における通信電子辞書10の動作について、図10乃至図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、通信電子辞書10aの利用者の名前が「タロウ」であり、同様にして、通信電子辞書10bの利用者は「ミユキ」、通信電子辞書10cの利用者は「アミ」、通信電子辞書10dの利用者は「ツヨシ」であるとして説明する。
【0066】
まず、通信電子辞書10における辞書検索処理について、図10及び図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0067】
例えば「タロウ」は、教科書に掲載された英文中の単語の意味を通信電子辞書10を使って調べるものとする。「タロウ」は、通信電子辞書10に用意されているジ○ニアス英和辞書辞書(辞書データ22b)を検索対象とする辞書として、例えば「英和」辞書を示す辞書キーを押すことで指定する。CPU20は、辞書キーが押されることで、英和辞書を検索する辞書モードに移行する。英和辞書を検索する辞書モードの初期画面では、検索文字列を入力するための入力欄の他、Myヒストリデータ22c、受信ヒストリデータ22d、送信ヒストリデータ22eの内容を表示するためのタグ(「MYヒストリ」「受信ヒストリ」「送信ヒストリ」)が設けられている。
【0068】
CPU20は、入力部26を通じて「タロウ」により、検索対象とする検索文字列(単語)が入力され(ステップA1)、「訳/決定」キーの操作によって検索実行が指示されると、この検索文字列(単語)について辞書データ22bに登録された見出し語を対象として検索を実行する(ステップA2)。
【0069】
例えば、図14(a)に示すように、検索対象とする辞書として「英和」(ここではジ○ニアス英和辞書を示す)が指定され、検索文字列として図7(a)に示す英文中の単語「life」が入力されたものとする。
【0070】
CPU20は、辞書データ22bから検索対象とする検索文字列(単語)に該当する見出し語が得られると、その見出し語と、この見出し語に対応する各語義の語義番号と説明情報とを表示部27において一覧表示させる(ステップA3)。例えば、図14(b)に示すように、見出し語(検索文字列)「life」に対応する複数の語義の語義番号と先頭データの内容が、表示部27の画面で表示可能な分(ここでは語義番号1〜5)について表示される。
【0071】
また、CPU20は、この検索によって得られた検索結果、すなわち現在検索対象となった見出し語を示すデータをMYヒストリデータ22dに仮登録し(ステップA4)、表示画面中に設けられたヒストリ表示エリア(例えば表示画面中の上部に設けられる)に、MYヒストリデータ22dから最後に登録された順に3単語を読み出して表示させる(ステップA5)。図14(b)に示す例では、「in shape」「kind」「life」の単語がMYヒストリデータ22dの最新3単語として表示されている。
【0072】
ここで、上または下方向のスクロールキーが押された場合(ステップA7)、CPU20は、反転カーソルの位置を現在の語義番号から上または下の次の語義番号に移動させる。そして、スクロールキーが繰り返し押され、反転カーソルの位置が画面端の語義番号にまで移動されると、画面スクロールさせて新たな語義番号に反転カーソルの位置を移動させて、この語義番号に対応する説明情報を表示させる(ステップA8)。こうして、任意の語義についての説明情報を表示させることができる。
【0073】
説明情報には語義に対して「用例」に関する情報が付加されている。そして、この「用例」の情報が付加された語義に対しては「用例」を表す記号が表示されている。CPU20は、用例キーが押されると(ステップA11)、その時の反転カーソルが位置している語義番号に対応する説明情報に「用例」の情報が付加されていれば用例表示モードへ移行し、その語義についての「用例」の情報を表示させる。また、辞書キーが押されると(ステップA12)、CPU20は、指定された辞書を検索対象として辞書検索処理を実行するための辞書モードに移行する。
【0074】
また、音声キーが押された場合(ステップA9)、CPU20は、現在、反転カーソルによって指定されている見出し語の語義の内容を読み上げるための音声データを生成し、この音声データに基づく音声を音声出力部28から出力させる(ステップA10)。この際、CPU20は、例えば辞書データ22bに記録されている指定された見出し語の語義のデータ(例えばテキストデータ)をもとに、音声合成用データ22kを用いて音声データを生成する。
【0075】
一方、見出し語に対する語義番号と各語義の説明情報が一覧表示されている状態でヒストリキーが押された場合(ステップA6、Yes)、CPU20は、ヒストリモードに移行し、ヒストリ表示エリアの現在の見出し語(ここでは「life」)を例えば反転表示などによって強調表示する。そして、検索結果として表示されている見出し語に対する複数の語義についての一覧表示において、最初の語義(例えば語義番号のみ)を例えば反転カーソル表示などにより強調表示する(ステップA13)。例えば、図14(c)に示すように、「ヒストリ」キーを押すことで、ヒストリ表示エリア中の最新の見出し語「life」が反転表示されると共に、検索結果として一覧表示されている語義番号「1」が反転カーソル表示される。
【0076】
ここで、上または下方向のスクロールキーが押された場合(ステップA14)、CPU20は、反転カーソルの位置を現在の語義番号から上または下の次の語義番号に移動させる。そして、スクロールキーが繰り返し押され、反転カーソルの位置が画面端の語義番号にまで移動されると、画面スクロールさせて新たな語義番号に反転カーソルの位置を移動させて、この語義番号に対応する説明情報を表示させる(ステップA15)。例えば、図15(a)に示すように、下スクロールキーが複数回押されることで、語義番号「6」に移動され、それに伴って画面スクロールにより語義番号「6」の説明情報を表示させる。また、Myヒストリデータ22cに仮登録された最新の単語(ここでは「life」)に対して指定された語義番号「6」と品詞「名(名詞)」を追加登録し、ヒストリ表示エリアにおいて見出し語と共に品詞と語義番号とを表示させる。
【0077】
ここで、「訳/決定」キーが押された場合(ステップA16、Yes)、CPU20は、検索結果の送信先と有名人音声を指定するための指定表示画面(サブウィンドウ)を表示させる(ステップA17)。CPU20は、似顔絵友達帳データ22fに予め記録されている他の通信電子辞書の利用者に関するデータをもとに、利用者名と利用者の似顔絵を図像化したアイコンとを対応づけて一覧表示し、また有名人音声合成データ22gに含まれる有名人名のデータとアイコンデータをもとに、有名人名と有名人の似顔絵を図像化したアイコンとを対応づけて一覧表示する。
【0078】
例えば、図15(b)に示すように、送信先と有名人音声の指定表示画面を表示する。図15(b)に示す例では、送信先として、「ミユキ」「アミ」「ツヨシ」などの利用者(友人)の名前とアイコンとが対応付けて表示されている。また、検索結果を他の通信電子辞書に対して送信しないことを指示するための「送信せず」の項目も用意されている。また、「マリ*ン」「ジョンレ*ン」などの有名人の名前とアイコンとが対応付けて表示されている。また、有名人音声無しを指示するための「音声なし」の項目も用意されている。さらに、指定表示画面における指定内容の最終確認を指示するための項目(「よろしいですか?」[はい][いいえ])が用意されている。
【0079】
なお、指定表示画面の初期状態では「送信せず」「音声なし」、「試聴する?」[いいえ]、「よろしいですか?」[はい]が指定された状態にあるものとする。また、有名人の何れかが指定された場合には、「試聴する?」[はい]、「よろしいですか?」[いいえ]に自動設定して、ユーザによる変更操作が必要となるようにし、不用意に検索結果の送信が実行されないようにする。
【0080】
ここで、「送信せず」が指定され、「よろしいですか?」の項目で「はい」が指定された状態で「訳/決定」キーが押された場合には(ステップA19)(図15(b))、CPU20は、見出し語と反転カーソルによって指定されている語義番号と品詞を示すデータとを、Myヒストリデータ22cに登録して辞書検索処理を終了する(ステップA20)。
【0081】
一方、例えば左右方向のカーソルキーが押されることで、「友人のアイコン」が指定された場合(ステップA18、Yes)、CPU20は、指定された友人に対して検索結果を送信するための処理を実行する。
【0082】
例えば、図15(c)では、右カーソルキーが押されることで、送信先の指定表示画面において「ミユキ」と「アミ」(ここでは2人)が送信先として指定されている。なお、送信先としては複数指定するだけでなく、当然ながら1人毎に指定することができる。
【0083】
ここで、下カーソルキーが押された場合には、CPU20は、指定対象項目を有名人音声の有無に変更して、カーソル(図15中、矩形枠で表す)を[音声なし]の位置に変更する。ここでは、左右カーソルキーの操作によって何れかの有名人を選択することができる。ここで、左右カーソルキーが操作されると、CPU20は、その操作に応じて、有名人名とアイコンの位置に順次カーソルを移動させる。
【0084】
何れかの有名人が指定され(ステップA21,A22)、「試聴する?」の項目が[はい]に選択された状態で「訳/決定」キーが押された場合(ステップA23,A24)、CPU20は、指定された有名人と、辞書データ22bに付加された辞書名のデータ(辞書を識別する特定情報)と、先に指定されている見出し語の語義番号の情報と共に試聴用音声データの送信要求を、通信部29からインターネット12を通じて電子辞書サーバ14に送信する(ステップA25)。
【0085】
例えば、図15(c)に示す指定表示画面では、有名人として「マリ*ン」が指定され、「試聴する?」の項目が[はい]に選択された状態で「訳/決定」キーが押されたことで、有名人「マリ*ン」の情報が見出し語「life」の語義番号「6」の情報と共に電子辞書サーバ14に対して送信される。
【0086】
通信電子辞書10は、電子辞書サーバ14に対して、有名人と見出し語の語義番号の情報を送信することで、この送信した見出し語の語義番号に該当する内容を指定した有名人の音声によって読み上げる有名人音声合成データを電子辞書サーバ14から受信する。なお、電子辞書サーバ14が通信電子辞書10に対して有名人音声合成データを送信する処理については後述する(図12、サーバ処理)。
【0087】
CPU20は、通信部29を通じて有名人音声合成データを受信すると、有名人音声合成データ22gとして記録すると共に、このデータをもとに音声出力部28から音声を出力させる(ステップA26)。例えば、図15(c)に示すように、見出し語「life」の語義番号「6」に対応する内容「生活、暮し(方)、生き方、country life、いなかの生活…」を有名人「マリ*ン」の音声によって出力させる。
【0088】
これにより、通信電子辞書10のユーザ(例えば「タロウ」)は、送信先として指定している「ミユキ」「アミ」に対して電子辞書サーバ14から送信される有名人音声合成データによって出力される音声内容を確認することができる。なお、ここで出力された音声を確認することで別の有名人の音声を送信したい場合には、カーソルキーの操作によって別の有名人(例えば「ジョンレ*ン」)を指定して、前述と同様にして、その指定した有名人の音声によって読み上げられる内容を確認することができる。
【0089】
ここで、カーソルキーの操作により、最終確認のための項目「よろしいですか?」が[はい]に指定され、「訳/決定」キーが押された場合(ステップA27)、CPU20は、送信先として指定された「友人」(ここでは「ミユキ」「アミ」)について、似顔絵友達帳データ22fを参照して、友人が所持している通信電子辞書のアドレスと辞書名のデータを読み出し、このデータとMyヒストリデータ22cに登録されたデータ、すなわち見出し語、語義番号(及び品詞のデータ))と共に、辞書データ22bに付加された辞書名のデータ、指定表示画面で指定された有名人の情報を、他の端末への送信依頼と共に電子辞書サーバ14に通信部29を通じて送信する(ステップA31)。
【0090】
そして、CPU20は、送信したヒストリデータ(見出し語、語義番号(及び品詞))と辞書名のデータの他、送信先名、日付、音声データ管理用データの各データを送信ヒストリデータ22eとして記録する(ステップA30)。例えば、図6に示す送信ヒストリデータ22eでは、見出し語「life」に対しては、品詞「名(名詞)」、語義番号「6」、送信先名「ミユキ・アミ」、日付「11/25」、音声データ管理用データ「有(有名人指定有り)、マリ*ン(有名人名)」が記録されている。
【0091】
CPU20は、電子辞書サーバ14に対して、検索結果の他の端末への送信依頼が完了すると、図16(a)に示すように、表示部27における表示画面を元の検索結果を表示する画面に戻す。
【0092】
こうして、「タロウ」は通信電子辞書10における辞書(ジ○ニアス英和辞書)を用いた検索結果(ヒストリデータ)の友人への送信依頼を、検索結果の内容を読み上げる有名人を指定して電子辞書サーバ14に対して要求をすることができる。
【0093】
一方、送信先と有名人音声の指定表示画面において「音声なし」が指定され、最終確認のための項目「よろしいですか?」が[はい]に指定され、「訳/決定」キーが押された場合(ステップA28)、CPU20は、送信先として指定された「友人」について、似顔絵友達帳データ22fを参照して、友人が所持している通信電子辞書のアドレスと辞書名のデータを読み出し、このデータとMyヒストリデータ22cに登録されたデータ、すなわち見出し語、語義番号(及び品詞のデータ))と共に、辞書データ22bに付加された辞書名のデータ(辞書を識別する特定情報)を、他の端末への送信依頼と共に電子辞書サーバ14に通信部29を通じて送信する(ステップA29)。
【0094】
そして、CPU20は、送信したヒストリデータ(見出し語、語義番号(及び品詞))と辞書名のデータの他、送信先名、日付、音声データ管理用データの各データを送信ヒストリデータ22eとして記録する(ステップA30)。
【0095】
こうして、「タロウ」は、例えば教科書に記載されている単語「problem」「remember」「precious」について、前述と同様にして通信電子辞書10(ジ○ニアス英和辞書)を用いて検索を実行し、検索結果ヒストリデータ、すなわち「problem、名、1」「remember、動他、2」「precious、形、1」を「ミユキ」「アミ」に対して送信したものとする。
【0096】
この他の通信電子辞書に対して送信したヒストリデータは、送信ヒストリデータ22eとして記録される。ここで、「英和」辞書を示す辞書キーが押され、英和辞書を検索する辞書モードに移行すると、CPU20は、英和辞書を検索する辞書モードの初期画面を表示させる。ここで、例えば図16(b)に示すように、右カーソルキーが2回押されることで、「送信ヒストリ」タグが指定されると、CPU20は、受信ヒストリデータ22dの内容、すなわち見出し語、語義番号、及び品詞と対応づけて、送信先の友人の似顔絵を表すアイコンと日付と共に、見出し語と語義番号から検索される辞書データ22bの説明情報を表示する。図16(b)に示す例では、友人の「ツヨシ」に対して、11月23日に見出し語「kind」についてのヒストリデータを送信し、「ミユキ」「アミ」に対して、11月25日に見出し語「life」「problem」「remember」「precious」についてのヒストリデータを送信したことが分かる。なお、友人の似顔絵のアイコンを表示させることで、視覚的に容易に送信先の相手を把握し、通信電子辞書10を用いて検索の対象となった書籍など(例えば送信者が同じクラスに所属していれば授業で使用する教科書など)を推測することができる。また、日付を表示させることで、送信者と日付をもとにして、必要としているヒストリ(検索結果)であるかを推測することができる。例えば、当日の日付であれば、翌日の英語の授業で扱われる教科書中の単語の検索結果であることが推測できる。
【0097】
次に、電子辞書サーバ14におけるサーバ処理について、図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
CPU30は、通信部38を通じて端末からの通信があると(ステップC1)、他の端末へのヒストリデータの送信依頼であるか、あるいは試聴用音声データの送信要求であるかを判別する(ステップC2)。
【0098】
ここで、試聴用音声データの送信要求であった場合(ステップC2、No)、CPU30は、送信元の通信電子辞書10において(図11、ステップA25)指定された有名人と辞書名と見出し語の語義番号の情報を取得できた場合(ステップC8)、辞書名に該当する語義見出しテーブルが語義リンクテーブル32bにあるか判別する(ステップC9)。ここで、該当する語義見出しテーブルがある場合、CPU30は、語義リンクテーブル32bの該当する語義見出しテーブルを対象として、指定された見出し語の語義番号に対応する先頭データを読み出す(ステップC10)。
【0099】
そして、CPU30は、有名人別・音声合成用データ33dとして予め用意されている複数の有名人についての音声合成用データのうち、送信元の通信電子辞書10において指定された有名人音声合成用のデータを用いて、語義リンクテーブル32bから読み出された先頭データを読み上げる有名人の音声による音声データ(試聴用有名人音声合成データ)を生成して、通信部38を通じて要求元の通信電子辞書10に対して送信する(ステップC11)。この際、有名人音声合成データを格納するファイルを圧縮することでデータ量を少なくし、送信コストを低減させるようにしても良い。
【0100】
有名人音声合成データを受信した通信電子辞書10では、有名人音声合成データを再生することで、辞書の内容(先頭データ)を有名人の音声によって読み上げ(試聴)させることができる(図11、ステップA25)。
【0101】
一方、通信電子辞書10からの通信により他の端末へのヒストリデータの送信依頼を受信した場合(ステップC2、No)、CPU30は、通信電子辞書10から受信した送信元の通信電子辞書10で使用されている辞書(以下、送信元辞書と称する)の辞書名と送信先の通信電子辞書10で使用されている辞書(以下、送信先辞書と称する)の辞書名のデータをもとに、それぞれの辞書名に該当する語義見出しテーブルが語義リンクテーブル32bにあるか判別する(ステップC3)。ここで、該当する語義見出しテーブルがある場合、CPU30は、語義リンクテーブル32bの送信元辞書に該当する語義見出しテーブルを対象として、受信したヒストリデータ中の見出し語の語義番号に対応する送信先辞書の語義番号を読み出す(ステップC4)。
【0102】
例えば、「タロウ」が使用する通信電子辞書10aの送信元辞書がジ○ニアス英和辞書であり、見出し語「life」の語義番号「6」を取得し、送信先辞書(「ミユキ」が使用している通信電子辞書10bに搭載されている辞書)がニュ○セ○チュリー英和辞書であれば、図8に示す語義リンクテーブル32bに関連付けられた語義番号をもとに、ジ○ニアス英和辞書における見出し語「life」の語義番号「6」(「生活、暮らし(方)、生き方…」の語義を示す)に対応する、ニュ○セ○チュリー英和辞書用の語義番号「13」(「(特定の)生活…、暮らし方…」の語義を示す)を読み出す。
【0103】
CPU30は、指定された送信先の他の通信電子辞書に対してヒストリデータ、すなわち見出し語、語義リンクテーブル32bを用いて送信先の辞書に合わせて変換した語義番号(及び品詞のデータ)、送信先の辞書名のデータ(辞書を識別する特定情報)、及び送信者名の各データを、通信部28を通じて送信する(ステップC5)。
【0104】
また、送信元の通信電子辞書10から「有名人の情報」を受信している場合(ステップC6、Yes)、CPU30は、有名人別・音声合成用データ33dとして予め用意されている複数の有名人についての音声合成用データのうち、送信元の通信電子辞書10において指定された有名人音声合成用のデータを用いて、語義リンクテーブル32bから読み出された先頭データを読み上げる有名人の音声による音声データ(有名人音声合成データ)を生成して、通信部38を通じて送信先の通信電子辞書10に対して送信する(ステップC7)。この際、有名人音声合成データを格納するファイルを圧縮することでデータ量を少なくし、送信コストを低減させるようにしても良い。
【0105】
また、有名人音声合成データに、該当する有名人名を示すデータとアイコン(例えば有名人の似顔絵)を表示するためのアイコンデータを付加して送信するようにしても良い。これにより送信先の通信電子辞書10に有名人データが記録されていなくても、有名人名とアイコンとを表示させることができる。
【0106】
なお、前述した説明では、電子辞書サーバ14では送信元の通信電子辞書10から指定された有名人の声を出力させるための有名人音声合成データ(試聴用も含む)を、語義リンクテーブル32bに記録された見出し語の各語義番号に対応する先頭データを対象にして生成しているが、通信電子辞書10で使用されている辞書(ジ○ニアス英和辞書、ニュ○セ○チュリー英和辞書、デ○リーコ○サイス英和辞書など)の辞書データを記録しておくことで、先頭データだけではなく、辞書データ中の説明情報の全てを読み上げるための有名人音声合成データを生成するようにしても良い。説明情報に「用例」などの付加情報がある場合には、これら「用例」を読み上げるための有名人音声合成データを生成することもできる。
【0107】
このようにして、電子辞書サーバ14におけるサーバ処理では、送信元の通信電子辞書10における辞書(例えば、ジ○ニアス英和辞書)を用いた検索結果(ヒストリデータ)を、送信先の通信電子辞書に搭載されている辞書(例えば、ニュ○セ○チュリー英和辞書)に合わせて、検索対象となった見出し語の語義番号に変換して送信することができる。この際、送信元から検索結果を読み上げるための「有名人の情報」を取得している場合には、指定された有名人の擬似音声によって検索結果を読み上げる音声合成データを生成して、送信先の通信電子辞書10に対して送信することができる。
【0108】
なお、図12に示すサーバ処理では、送信元の通信電子辞書10から受信した見出し語と語義番号を、語義リンクテーブル32bを用いて送信先の辞書における見出し語の語義番号に変換して、ヒストリデータとして送信先の通信電子辞書10に送信しているが、語義番号だけでなく語義の内容(説明情報)を送信先の通信電子辞書10に送信するようにしても良い。例えば、語義リンクテーブル32bに記録された送信先の辞書(送信元の通信電子辞書10により指定された辞書)の先頭データ(説明情報の一部)を送信する。また、電子辞書サーバ14に各通信電子辞書10に搭載される辞書が記録されている場合には、該当する語義の説明情報の全てを送信するようにしても良い。
【0109】
こうして、電子辞書サーバ14から辞書の内容(説明情報)を送信先の通信電子辞書10に送信することで、送信先の通信電子辞書10に辞書が搭載されていなくても辞書を利用することができる。例えば、通信電子辞書10が携帯電話などによって実現され記憶容量に制限があるために辞書データの全てを記録できない場合であっても、他の通信電子辞書10から提供される有効な辞書検索結果については詳細な説明情報を取得することができるようになる。
【0110】
なお、送信先の通信電子辞書10に説明情報を送信する場合、送信先の通信電子辞書10に搭載された辞書における説明情報ではなく、送信元の通信電子辞書10に搭載された辞書の説明情報を送信するようにしても良い。また、送信先の通信電子辞書10に対しては、常に該当する語義の説明情報(あるいはその一部)を常に送信するようにしても良いし、送信先の辞書が予め決められた特定の辞書、例えば情報量が少ない辞書である場合に説明情報を送信するようにしても良い。
【0111】
次に、通信電子辞書10における受信ヒストリ表示処理について、図13及び図10(前述した辞書検索処理の一部)に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0112】
ここでは、ユーザ「ミユキ」が使用する通信電子辞書10bを対象として、電子辞書サーバ14を通じて、他の通信電子辞書からヒストリデータを受信する場合について説明する。
【0113】
例えばユーザ「ミユキ」は、通信電子辞書10に用意されているニュ○セ○チュリー英和辞書(辞書データ22b)を検索対象とする辞書として、例えば「英和」辞書を示す辞書キーを押すことで指定する。CPU20は、辞書キーが押されることで、英和辞書を検索する辞書モードに移行する。英和辞書を検索する辞書モードの初期画面では、検索文字列を入力するための入力欄の他、Myヒストリデータ22c、受信ヒストリデータ22d、送信ヒストリデータ22eの内容を表示するためのタグ(「MYヒストリ」「受信ヒストリ」「送信ヒストリ」)が設けられている。例えば、図17(a)に示すように、「MYヒストリ」「受信ヒストリ」「送信ヒストリ」タグが表示された初期画面が表示される(「MYヒストリ」が選択された状態)。ここでは、任意にタグを指定して、該当するヒストリの内容を一覧表示させることができる。
【0114】
ここで、通信電子辞書10は、電子辞書サーバ14から通信部29を通じてヒストリデータの受信があった場合(ステップB1、Yes)、先頭の受信したヒストリデータを指定し(ステップB9)、その受信したヒストリデータ(見出し語、辞書名、語義番号(及び品詞)、送信者名を示す各データ)を読み出す(ステップB3)。
【0115】
そして、CPU30は、受信したヒストリデータについての見出し語、辞書名、語義番号(及び品詞)、送信者名を示す各データを、受信ヒストリデータ22dとして登録する(ステップB4)。また、CPU30は、ヒストリデータを受信した日付のデータを対応づけて登録する。
【0116】
ここで、ヒストリデータと共に有名人音声合成データを受信した場合(ステップB5、Yes)、CPU30は、受信した有名人音声合成データを有名人音声合成データ22gとして保存する(ステップB6)。この際、有名人音声合成データにアイコンデータが付加されていた場合には、有名人音声合成データと関連付けてアイコンデータも保存する。また、CPU30は、受信ヒストリデータ22dの音声データ管理用データに、音声データ有りを示すデータと共に、有名人を示すデータを登録する(ステップB7)。例えば、図5に示す見出し語「life」に対する音声データ管理用データには、音声データ「有り」を示すデータと、有名人名として「マリ*ン」が登録されている。
【0117】
以下、同様にして、電子辞書サーバ14から受信したヒストリデータが他にあれば、同様の処理をそれぞれのヒストリデータに対して繰り返して実行する(ステップB3〜B8)。
【0118】
全ての受信したヒストリデータを受信ヒストリデータ22dとして登録すると(ステップB8、No)、CPU20は、受信ヒストリデータ22dをもとに受信ヒストリを一覧表示させる(ステップB9)。なお、「英和」辞書モードに移行した初期画面において、図17(b)に示すように、例えば右カーソルキーが押された場合に、選択タグを「受信ヒストリ」に移動させて、受信ヒストリデータ22dをもとに受信ヒストリを一覧表示させることもできる。
【0119】
CPU20は、受信ヒストリデータ22dから見出し語、語義番号(自辞書用)、品詞のデータを表示する。また、このデータと対応づけて送信者名のデータに応じて似顔絵友達帳データ22fから読み出したアイコンデータによる友人のアイコン(似顔絵アイコン)と受信日とを表示させる。また、受信したヒストリデータの見出し語と自辞書用に変換された語義番号に応じて、辞書データ22bから該当する語義の内容(説明情報)を読み出して表示する。なお、通信電子辞書10の辞書データ22bと対応づけて、各見出し語のそれぞれの語義についての先頭の内容だけを登録したテーブル(語義リンクテーブル32bの語義見出しテーブルに相当するもの)が記憶されている場合には、受信したヒストリデータの見出し語と語義番号をもとに、このテーブルを検索して該当する語義の先頭データのみを取得して一覧表示に供することができる。
【0120】
また、ヒストリデータと共に有名人音声合成データを受信している場合には、有名人のアイコンデータをもとにして、音声出力が可能であることを表すようにアイコンを表示させる。図17(b)に示す一覧表示の例では、各見出し語について同じ有名人「マリ*ン」のアイコンデータが表示されている。なお、アイコンは、単なる有名人の似顔絵を表すだけでなく、音声付きであることが明示されるように「吹き出し」の形状パターンが付加されている。「吹き出し」が付加された有名人のアイコンの詳細を図18(b)に示している。
【0121】
また、CPU20は、受信ヒストリの表示エリアにおいて、現在選択されている見出し語(初期段階では先頭の見出し語)(品詞及び語義番号を含む)に反転カーソルを設定し、反転表示により強調する(ステップB10)。
【0122】
ここで、上または下方向のスクロールキーが押された場合(ステップB11)、CPU20は、反転カーソルの位置を現在の見出し語から上または下の次の見出し語に移動させる。そして、スクロールキーが繰り返し押され、反転カーソルの位置が画面端の見出し語にまで移動されると、画面スクロールさせて新たな見出し語に反転カーソルの位置を移動させて、この見出し語に対応する先頭データを表示させる(ステップB12)。こうして、何れかの見出し語と語義番号の組みを任意に選択することができる。例えば、図17(c)は、受信ヒストリに一覧表示された複数のヒストリデータから見出し語「life」が反転カーソルによって選択されている状態を表している。
【0123】
ここで、「音声」キーが押された場合(ステップB13、Yes)、CPU20は、反転カーソルによって指定されている見出し語と語義に対応する有名人音声合成データを記録していれば、音声出力部28によって該当する有名人音声合成データを再生させて、見出し語に対応する説明情報(この場合では先頭データ)を読み上げる有名人の擬似音声を出力させる(ステップB14)。
【0124】
同様にして、カーソルキーの操作によって任意の見出し語(語義)を指定し、「音声」キーを押すことで、該当する見出し語の語義の内容(先頭データ)を有名人の音声によって読み上げさせることができる(ステップB11〜B14)。
【0125】
また、何れかの見出し語が反転カーソルによって指定された状態で「訳/決定」キーが押された場合(ステップB15)、CPU20は、現在選択されている見出し語及び語義番号に応じて、辞書データ22bから対応する説明情報を読み出して表示させる(ステップB16)。また、CPU20は、この検索によって得られた検索結果、すなわち現在検索対象となった見出し語を示すデータをMYヒストリデータ22dに登録し、表示画面中に設けられたヒストリ表示エリア(例えば表示画面中の上部に設けられる)に、MYヒストリデータ22dから最後に登録された順に3単語を読み出して表示させる(ステップB17)。図18(a)に示す例では、「remember」「problem」の他、最後に説明情報を表示させた「life」の単語がMYヒストリデータ22dの最新3単語として表示されている。
【0126】
なお、説明情報を表示する画面中においても、電子辞書サーバ14から有名人音声合成データを受信していることを表すように有名人のアイコンを表示させている。図18(a)に示す例では、画面右上隅に有名人「マリ*ン」のアイコン(詳細は図18(b)に示す)を表示している。
【0127】
以下、「ミユキ」が使用する通信電子辞書10bでは、前述した辞書検索処理におけるステップA6以降の処理を実行することができる。例えば、上下カーソルキーの操作によって、前後の語義の説明情報を表示させたり(ステップA7,A8)、説明情報中の「用例」を選択して用例の内容を表示させるといったことができる(ステップA11)。また、「音声」キーが押された場合(ステップA9)、CPU20は、現在表示中の見出し語と語義に対応する有名人音声合成データ(ここでは語義の先頭データに対応する)が記録されていれば、この該当する有名人音声合成データを音声出力部28によって再生させて、見出し語に対応する説明情報を読み上げる有名人の擬似音声を出力させる(ステップA10)。なお、電子辞書サーバ14から該当する見出し語の語義の説明情報(用例などの内容を含む)を読み上げる有名人音声合成データを電子辞書サーバ14から受信して記録している場合には、先頭データを読み上げる音声だけでなく、説明情報の全てを読み上げる音声を出力させることもできる。
【0128】
次に、ユーザ「アミ」が使用する通信電子辞書10cにおける表示例について説明する。
通信電子辞書10は、電子辞書機能が搭載された専用装置に限らず、携帯電話やPDA(personal digital assistant)などの携帯を目的とした装置に電子辞書機能を搭載して実現されても良い。携帯を目的とした携帯電話やPDAなど、記憶容量や表示画面が比較的小さい電子機器によって通信電子辞書10を実現する場合には、例えば情報量を少なくしたデ○リーコ○サイス英和辞書などの辞書データを扱うようにすることが好ましい。
【0129】
ユーザ「アミ」が使用する通信電子辞書10cは、例えば携帯電話によって実現されるものとして、情報量を少なくしたデ○リーコ○サイス英和辞書の辞書データ22bが記録されているものとする。また、通信電子辞書10cは、ユーザ「ミユキ」の使用する通信電子辞書10bと同じヒストリデータを他の通信電子辞書から受信しているものとする。
【0130】
図19(a)には、ユーザ「アミ」の通信電子辞書10cの初期画面を表している。ここで、右カーソルキーの操作によって「受信ヒストリ」タグが選択されると、図19(b)に示すように、他の通信電子辞書から受信した受信ヒストリデータ22dの内容が一覧表示される。通信電子辞書10cは、電子辞書サーバ14を通じて他の通信電子辞書から受信したデータをもとに、見出し語、語義番号(自辞書用)、品詞、送信元の友人の似顔絵によるアイコン、受信日を表示すると共に、受信したヒストリデータの見出し語と自辞書用に変換された語義番号に応じて、辞書データ22bから該当する語義の内容(説明情報)を読み出して表示する。図19(b)に示す例では、見出し語「life」については説明情報として「生活」のみが表示されている。
【0131】
また、電子辞書サーバ14から有名人音声合成データを受信している場合には、有名人のアイコンデータをもとにして、音声出力が可能であることを表すようにアイコンを表示させる。図19(b)に示す一覧表示の例では、「吹き出し」が付加された有名人「マリ*ン」のアイコンが表示されている(図18(b)参照)。
【0132】
受信ヒストリの一覧表示中では、図19(c)に示すように、見出し語(品詞、語義番号)をカーソルキーによる反転カーソルの移動操作によって任意に選択することができる。
【0133】
ここで、何れかの見出し語が選択された状態で「音声」キーが押された場合、CPU20は、反転カーソルによって指定されている見出し語と語義に対応する有名人音声合成データを記録していれば、音声出力部28によって該当する有名人音声合成データを再生させて、見出し語に対応する説明情報(この場合では先頭データ)を読み上げる有名人の擬似音声を出力させる。
【0134】
また、何れかの見出し語が選択された状態で「訳/決定」キーを押されることで、選択された見出し語及び語義番号をもとに、辞書データ22b(ここではデ○リーコ○サイス英和辞書)を検索して、該当する説明情報を表示させることができる。
【0135】
図20には、受信ヒストリ中から選択された見出し語「life」に該当する説明情報が表示された画面の一例を示している。なお、デ○リーコ○サイス英和辞書は、他の辞書(ジ○ニアス英和辞書、ニュ○セ○チュリー英和辞書)と比較して、説明情報の情報量を少なくした構成であるので、複数の語義についての説明情報を一括して表示している。従って、該当する語義番号に対応する説明情報(ここでは「生活」)を反転表示によって表している。
【0136】
なお、図19及び図20に示す表示画面は一例であって、携帯電話に設けられた限られた表示画面サイズに応じたフォーマットを用いることができ、例えば各図で示す表示内容を複数画面で切り替えて表示させるようにしても良い。
【0137】
このようにして、送信元の通信電子辞書10と異なる辞書を搭載している場合であっても、電子辞書サーバ14において自辞書に応じた見出し語と語義番号に変換されてヒストリデータを受信することができるので、受信したヒストリデータをもとに辞書データ22bから該当する語義番号の説明情報を検索して表示させることができる。従って、1つの見出し語に対して複数の語義の説明情報がある場合であっても、他の通信電子辞書10における辞書の語義に関する情報を利用して、必要とする説明情報を簡単に利用することが可能となる。
【0138】
なお、携帯電話などの記憶容量が限られた電子機器により通信電子辞書10が実現されている場合、電子辞書サーバ14からヒストリデータ(見出し語、語義番号)だけでなく、該当する語義の説明情報も共に受信することができる場合には、電子辞書サーバ14から受信した説明情報を用いて、受信ヒストリの一覧表示をするようにしても良い。さらに、電子辞書サーバ14から説明情報を受信できる場合には、通信電子辞書10に記録される辞書データ22bを本来の辞書の内容の一部、例えば説明情報については先頭データに該当するデータのみとすることで、辞書データ22bのデータ量を少なくして、通信電子辞書10の限られた記憶容量を有効に利用できるようにすることもできる。さらに、通信電子辞書10に辞書データ22bを全く必要としないようにしても良い。こうした通信電子辞書10は、例えば、電子辞書サーバ14に対して説明情報の送信が必要であることを通知する。電子辞書サーバ14は、送信先の通信電子辞書10から説明情報の送信要求があった場合に、ヒストリデータ(見出し語、語義番号)だけでなく、該当する語義の説明情報を送信する。この際、電子辞書サーバ14は、説明情報だけでなく見出し語と語義番号、さらには説明情報の内容を読み上げる有名人音声合成データを共に送信しても良い。また、説明情報に代えて有名人音声合成データのみを送信するようにしても良い。
【0139】
また、前述した説明では、電子辞書サーバ14において検索結果の内容を読み上げるための有名人音声合成データを生成して、送信先の通信電子辞書10に送信するとしているが、通信電子辞書10のそれぞれに有名人別・音声合成用データを保持させておくことで、通信電子辞書10において有名人音声合成データを生成して音声出力するようにしても良い。この場合、ユーザからの指示に応じて、予め音声出力の対象とする有名人の音声合成用データを電子辞書サーバ14からダウンロードして記録しておいたり、電子辞書サーバ14がヒストリデータと共に送信元の通信電子辞書10において指定された有名人の音声合成用データを送信先の通信電子辞書10に送信するようにしても良い。
【0140】
また、前述した説明では、電子辞書サーバ14から送信先の通信電子辞書10に対して、見出し語と語義番号、及びこの語義番号に対応する説明情報の内容を読み上げる音声の有名人音声合成データとを送信するとしているが、見出し語と有名人音声合成データのみを送信するようにしても良い。送信先の通信電子辞書10では、電子辞書サーバ14から受信した見出し語を表示すると共に、有名人音声合成データを再生することで、見出し語に対応する説明情報の内容を音声によって取得することができる。さらに、電子辞書サーバ14は、送信元の通信電子辞書10から見出し語と語義番号を受信するとしているが、見出し語の情報だけを受信するようにしても良い。その他の処理については、前述と同様にして実行されるものとする。
【0141】
また、通信電子辞書10における辞書データ22bでは、1つの見出し語情報に対して少なくとも1つの語義番号によって説明情報を分類しているが、語義番号によらず他の分類情報、例えば記号、文字列などによって分類する形式であっても良い。
【0142】
また、通信電子辞書10で用いられる辞書データは、ネットワークを通じて、電子辞書サーバ14からダウンロードされるものとしても良い。
【0143】
また、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、前述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られるので有れば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0144】
また、前述した各実施形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラム(辞書管理制御プログラム22a、辞書データ送信プログラム32a)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。通信電子辞書あるいは電子辞書サーバを実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1の電子辞書管理装置によれば、見出し語情報に対して複数の語義の説明情報がある場合であっても、送信元の電子機器における辞書検索によって得られた見出し語情報と語義の分類情報を利用して、送信先の電子機器に搭載された辞書の該当する見出し語情報の語義の分類情報に対応する説明情報を簡単に利用させることができる。
【0146】
また本発明の請求項2の電子辞書管理装置によれば、語義リンク記録手段によって記録された、各辞書の見出し語情報毎の語義の分類情報の関連づけを参照することで、受信した見出し語情報と語義の分類情報に対する送信先の電子機器の辞書における見出し語情報と語義情報を簡単に取得して、送信先の電子機器に送信することができる。
【0147】
また本発明の請求項3の電子辞書管理装置によれば、送信元の電子機器から受信した音声の送信依頼に応じて、送信先の電子機器に対して、見出し語情報と語義の分類情報に加えて、語義の分類情報に対応する説明情報の音声データを送信して、送信先の電子機器において情報内容を音声によって出力させることができる。
【0148】
また本発明の請求項4の電子辞書管理装置によれば、送信先の電子機器に対して送信される音声データが再生された時の音質を、送信元の電子機器から指定することができる。
【0149】
また本発明の請求項5の電子辞書管理装置によれば、歴史上の人物や著名人などの有名人(人物)を送信元の電子機器から指定して、送信先の電子機器においての有名人による(擬似)音声を出力させることができる。
【0150】
また本発明の請求項6の電子辞書管理装置によれば、語義の分類情報に対応する説明情報が送信先の電子機器に記録されていない場合、すなわち辞書が搭載されていない場合であっても、電子辞書管理装置から説明情報を送信することで、送信先の説明情報の内容を利用することができる。
【0151】
また本発明の請求項7の電子辞書管理装置によれば、送信先の電子機器では、電子辞書管理装置から受信した情報を一覧表示させるなど、見出し語情報と語義の分類情報に対応する情報の全てを必要としない処理に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における電子辞書検索履歴管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における通信電子辞書10の構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態における電子辞書サーバ14の構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態におけるMyヒストリデータ22cとして記録されるデータの一例を示す図。
【図5】本実施形態における受信ヒストリデータ22dとして記録されるデータの一例を示す図。
【図6】本実施形態における送信ヒストリデータ22eとして記録されるデータの一例を示す図。
【図7】本実施形態における似顔絵友達帳データ22fとして記録されるデータの一例を示す図。
【図8】本実施形態における語義リンクテーブル32bのデータ構成の一例を示す図。
【図9】本実施形態における語義リンクテーブル32bのデータ構成の一例を示す図。
【図10】本実施形態における通信電子辞書10の辞書検索処理について説明するためのフローチャート。
【図11】本実施形態における通信電子辞書10の辞書検索処理について説明するためのフローチャート。
【図12】本実施形態における通信電子辞書10の受信ヒストリ表示処理について説明するためのフローチャート。
【図13】本実施形態における電子辞書サーバ14のサーバ処理について説明するためのフローチャート。
【図14】本実施形態における通信電子辞書10(送信側)の表示画面の一例を示す図。
【図15】本実施形態における通信電子辞書10(送信側)の表示画面の一例を示す図。
【図16】本実施形態における通信電子辞書10(送信側)の表示画面の一例を示す図。
【図17】本実施形態における通信電子辞書10(受信側)の表示画面の一例を示す図。
【図18】本実施形態における通信電子辞書10(受信側)の表示画面の一例を示す図。
【図19】本実施形態における通信電子辞書10(受信側)の表示画面の一例を示す図。
【図20】本実施形態における通信電子辞書10(受信側)の表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
10(10a,10b,10c,10d)…通信電子辞書、12…インターネット、14…電子辞書サーバ、20,30…CPU30、22,32…メモリ、22a…辞書管理制御プログラム、22b…辞書データ、22c…Myヒストリデータ、22d…受信ヒストリデータ、22e…送信ヒストリデータ、22f…似顔絵友達帳データ、22g…有名人別・音声合成用データ、22h…有名人データ、22k…音声合成用データ、24,34…記録装置、26,36…入力部、27,37…表示部、28…音声出力部、29,38…通信部、32a…辞書データ送信プログラム、32b…語義リンクテーブル、33c…個別ヒストリデータ、33d…有名人別・音声合成用データ。

Claims (8)

  1. 送信元の電子機器から同機器に搭載された辞書を識別するための第1の特定情報と前記辞書で用いられる見出し語情報と語義の分類情報、及び送信先の電子機器に搭載された辞書を識別するための第2の特定情報とを受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された前記第1の特定情報と前記第2の特定情報とが一致するかを判別する特定情報判別手段と、
    前記特定情報判別手段によって特定情報が一致しないと判別された場合に、前記見出し語情報と前記分類情報をもとに、前記送信先の電子機器に送信する前記第2の特定情報が示す辞書に対応する見出し語情報と語義の分類情報を検出する情報検出手段と、
    前記情報検出手段によって検出された前記第2の特定情報が示す辞書に対応する見出し語情報と語義の分類情報を前記送信先の電子機器に送信する送信手段とを具備したことを特徴とする電子辞書管理装置。
  2. 複数の辞書に記録された共通する見出し語情報毎に、各辞書の見出し語情報に対応する語義の分類情報を前記複数の辞書間で同じ語義同士関連づけて記録する語義リンク記録手段を有し、
    前記情報検出手段は、前記語義リンク記録手段により関連付けて記録された各辞書の見出し語に対応する語義の分類情報をもとに、第2の特定情報が示す辞書に対応する前記見出し語情報と語義の分類情報を検出することを特徴とする請求項1記載の電子辞書管理装置。
  3. 前記送信元の電子機器から前記送信先の電子機器に対する音声の送信依頼を受信する音声送信依頼受信手段と、
    前記音声送信依頼受信手段によって音声の送信依頼を受信した場合に、前記情報検出手段によって検出された前記見出し語と語義の分類情報に対応する説明情報の音声データを生成する音声データ生成手段と、
    前記音声データ生成手段によって生成された音声データを前記送信先の電子機器に送信する音声送信手段とを具備したことを特徴とする請求項1記載の電子辞書管理装置。
  4. 前記音声送信依頼受信手段は、前記送信依頼と共に音質の種類を示すデータを受信し、
    前記音声データ生成手段は、前記音声送信依頼受信手段によって受信した音質の種類を示すデータに応じた音声データを生成することを特徴とする請求項3記載の電子辞書管理装置。
  5. 前記音声送信依頼受信手段によって受信される音質の種類を示すデータは、人物を示すデータであることを特徴とする請求項4記載の電子辞書管理装置。
  6. 見出し語情報に対応して語義の分類情報毎に分類された説明情報を記録する記録手段と、
    前記情報検出手段によって検出された見出し語情報と語義の分類情報に対応する説明情報を前記記録手段から取得する説明情報取得手段とを具備し、
    前記送信手段は、前記説明情報を前記送信先の電子機器に送信することを特徴とする請求項1記載の電子辞書管理装置。
  7. 前記記録手段により記録される説明情報は、前記電子機器に搭載された辞書において用いられる見出し語情報と語義の分類情報のそれぞれに対して記録された情報の一部であることを特徴とする請求項6記載の電子辞書管理装置。
  8. コンピュータを、
    送信元の電子機器から同機器に搭載された辞書を識別するための第1の特定情報と前記辞書で用いられる見出し語情報と語義の分類情報、及び送信先の電子機器に搭載された辞書を識別するための第2の特定情報とを受信する受信手段
    前記受信手段によって受信された前記第1の特定情報と前記第2の特定情報とが一致するかを判別する特定情報判別手段
    前記特定情報判別手段によって特定情報が一致しないと判別された場合に、前記見出し語情報と前記分類情報をもとに、前記送信先の電子機器に送信する前記第2の特定情報が示す辞書に対応する見出し語情報と語義の分類情報を検出する情報検出手段
    前記情報検出手段によって検出された前記第2の特定情報が示す辞書に対応する見出し語情報と語義の分類情報を前記送信先の電子機器に送信する送信手段
    として機能させるための辞書データ送信プログラム。
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