JP4348488B2 - 発光基板led素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は単一素子で2種類の発光ピークを持つ新規な半導体発光素子の構造に関する。より具体的には、基板の上に発光層をエピタキシャル成長させた単一LED構造であって、発光層の光と基板蛍光を合成しピンク色、赤紫、橙色、黄色、白色などの中間色を生ずるLEDに関する。
【0002】
【従来の技術】
様々の単色光を発生する高輝度の発光ダイオード(LED)が既に実用化されている。赤色LEDとしては、AlGaAsやGaAsPなどを発光層とするLEDが広く用いられている。数Cd(カンデラ)以上の高輝度のものが低コストで製造される。赤色以外の単色LEDも幾つも実用化されている。緑色・黄緑色用のGaP、青色用のSiC、青色・緑色用のGaInN、橙色・黄色用のAlGaInPを活性層に使ったLEDが低コストのLEDとして実用化されている。基板はGaAs、GaP、SiC、サファイアなどである。
【0003】
実用化されているLEDの色相と活性層の組成の関係は次のようである。
(1)赤色LED… AlGaAs、GaAsP
(2)緑色・黄緑色LED…GaP
(3)青色……SiC
(4)青色・緑色…GaInN
(5)橙色・黄色…AlGaInP
【0004】
しかしながらこれらのLEDは全て活性層におけるバンドギャップ間遷移による発光を利用している。電子のバンドギャップ遷移によるから波長が一つに決まる。単一波長の光だから単色である。バンドギャップでの電子・正孔の再結合による発光であるから狭い幅のスペクトルを持つ。いずれも単一の半導体材料のバンドギャップ発光であるから単色しか出せない。
【0005】
原色の他にいくつかの中間色を発することができる。しかし中間色といっても単色であることに変わりない。これまでのLEDによって発生できる色は、赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色、青緑色、青色、青紫色、紫色などである。これらは、原色あるいは赤と緑の中間色または緑と青の中間色である。中間色といっても単色であり複合した色合いではない。しかも赤と青の中間色、赤と緑と青の中間色を単一LEDで発光させるものはなかった。
【0006】
中間色を作り出すために、赤、緑、青の3原色LEDを複数個組み合わせたものが使われる。3原色のLEDを組み合わせるとどのような中間色をも作り出すことができる。しかし異なるLEDを幾つも組み合わせると構造が複雑になる。色が分離してみえないような工夫も必要である。組み合わせでなくて単一LEDによって中間色を与えるのが本発明の目的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
照明用途や一部の表示用途には、上記の単色の光源ではなく、赤と青の中間色(赤紫色やピンク色)の光源や、赤と青と緑の中間色(白色)の光源が求められている。上述のとおり通常のLEDでは単色しかでない。照明、表示には中間色が必要である。だから現在もなお照明、表示には、蛍光灯や白熱灯が用いられている。
【0008】
これらの照明表示灯は実績もあり取扱いが簡便であるなどの長所がある。また装置や管球は安価である。商用電源を直接に接続して用いる事が出来るなど、成熟した技術の持つ利点がある。ところが白熱球は寿命がいかにも短い。頻繁に切れるのでたびたび取り替える必要がある。白熱球は発光効率が悪いという難点もある。蛍光灯は寿命については改善されているが、大型の装置で重いという欠点がある。
【0009】
LEDは電流を直接に光に変えるので効率が良い。また長寿命である。しかも個々の素子は極めて軽い。原色のままでよい表示用途などにはLEDも使われているが、白色や赤紫色、ピンク色などの色を出す事が出来ないので用途は限られる。中間色を出すためには複数の異なるLEDを組合わせるしかない。しかしそれは複雑な構造になり高コストになる。
【0010】
ただ一つLEDで白色を合成する、といった試みがなされている。これは、GaInNを用いた高輝度の青色LEDと、YAG黄色蛍光体とを組み合わせたものである。サファイヤ基板の上にGaN結晶を成長させ、さらにGaInN活性層を成長させて青色LEDを作製する技術が確立されたので、この青色LEDを応用したものである。この白色LEDは「光機能材料マニュアル」(光機能材料マニュアル編集幹事会編、オプトロニクス社、1997年6月刊)に紹介されている。
【0011】
図1にその文献に示された公知の白色LEDを示す。サファイヤ基板の上にGaInN/GaNの構造を設けた青色LED5がステム2の窪み4の中にボンディングされている。LEDのp側電極、n側電極は素子上面にあるがこれらがステム2、3にワイヤボンディングされている。GaInN−LED5の上にはYAG蛍光体6が充填されている。YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)は黄色い材料であって青色光を吸収して黄色い蛍光を発する。GaInNバンドギャップ発光の青色と、YAG蛍光材からの黄色が合成されて、人間の目に感知されるから白色に見えるというのである。
【0012】
図2はそのような白色LEDの発光スペクトル図である。460nmの近傍に鋭い発光ピークがある。これは青色LED固有のピークである。550nmを中心としたブロードなピークがあるが、これは黄色YAGの蛍光による発光である。電子遷移発光と蛍光によって青色と黄色を出すようにしている。一つのLEDであって白色を作る事が出来る、というわけである。
【0013】
ところがこの構造には欠点がある。YAG蛍光材が黄色で不透明であって、これによる吸収が大きいということである。LEDの青色が外までなかなかでてこないので、効率が極めて悪い。青色LED単体では輝度1Cd(カンデラ)以上、外部量子効率が5%以上であるが、YAGで囲んで白色LEDにすると、輝度が0.5Cd、外部量子効率が3.5%に低下してしまう。
【0014】
YAG蛍光材は透明性が悪いだけでなく、光変換効率つまり黄色を作る能力自体も低い。せいぜい10%程度である。見た目の白色光の色調を暖色系の白色にするために、黄色発光の強度を上げようとすると蛍光材厚みを増やす必要がある。するとますます吸収が増えて輝度が低下する、という欠点がある。GaInN+YAGはGaInN青色LEDが製造できるようになって始めて可能になった試みである。LEDによって白色を作ろうとする試みはこれ以外にない。
【0015】
白色以外の中間色調に対するニーズもある。赤と緑の中間色である黄色や橙色は警告灯や表示用途むけに大きい需要が見込まれる。赤と緑の中間色である橙色や黄色を出す単一のLEDは製造可能である。しかし何れも低輝度で高コストである。例えばn型GaAs基板の上にp型AlGaInPの層をMOCVD法によって積んだLEDが黄色を出す。ところがp型層での電流の広がりが悪いのでAlGaInPを厚くしなければならない。そのために高コストになってしまう。さらに輝度が低い。高コスト低輝度というのLEDにとっては大きな難点である。その代わりに、より安価な赤色LED(AlGaAs)と緑色LED(GaP)の二つのLEDを組み合わせて用いる、といったことがなされる。また色付きのカバーガラスを載せるというような工夫もなされる。2種のLEDを組み合わせたものは構造複雑になる。電源も単純でない。より安価で橙色、黄色を出す高輝度単一LEDが望まれる。さらに赤青の中間色(ピンク、赤紫)、赤緑青の中間色を従来の単一LEDで作り出す事は全く不可能であった。従来技術の難点を克服し、単一のLEDによって赤青の中間色、赤青緑の中間色を発生するLEDを提供することが本発明の目的である。
【0016】
一般的な色度図を図19によって説明する。色度図は、一般の可視の光源色もしくは物体色について、三原色である赤、緑、青に対する刺激値(人間の目の中にある「すい体」と呼ばれる三種類の視感覚器が感じる刺激量)を数値化することにより、平面座標上で表示するために工夫された図である。任意の光源の発光スペクトルをQ(λ)とすると、これにそれぞれの色を認識する視感覚器の分光感度特性に相当する等色関数を乗じたものが、それぞれの色の刺激値となる。すなわち、赤に対応する等色関数をr(λ)、緑に対応する等色関数をg(λ)、青に対応する等色関数をb(λ)とすると、赤の刺激量XはX=∫Q(λ)r(λ)dλ、緑の刺激量YはY=∫Q(λ)g(λ)dλ、青の刺激量ZはZ=∫Q(λ)b(λ)dλとなる。これらを総刺激量で規格化した、x=X/(X+Y+Z)、y=Y/(X+Y+Z)により張られる平面座標が図17に示した色度図である。原理上、この座標系ではいかなるスペクトルを有する色も、座標上の(0,0)、(1,0)、(0,1)を結んでできる直角二等辺三角形の内部にある一点として表される。
色度図上において、単色光は、図19中の太いC型の実線で示される。この形は、等色関数の形状から決まるもので、例えば550nm以長の波長領域では、青の感度が0であるので、単色光の色度はx+y=1の直線上に存在する。また505nm以短の波長領域では、青が増大するとともにし、赤に相当する分光感度もわずかに増えてゆくので、図のように直線x=0(つまりy軸)からずれた曲線を描く。C型曲線上の長波長の極限点と短波長の極限点は直線で結ばれているが、この直線は単色光に対応するものではなく、純紫軌跡と呼ばれている。このC型の曲線と純紫軌跡との囲まれる領域の内部の点が中間色を表すことになる。この中間色の中心部が白色の領域である。図19から分かるとおり、白色の領域はx=0.21〜0.49、y=0.2〜0.46程度の範囲に存在する。本発明で目的とする色は、従来のLEDではできなかった、この白色領域とその下側のピンク色、紫色、赤紫色の青赤中間色領域、及び従来のLEDでは高コスト低輝度品しかなかった、黄色、橙色の赤緑中間色領域(白色領域の右上側)である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蛍光材を用いず、不純物を添加した半導体基板又は絶縁体基板そのものによって蛍光を発するようにして、バンドギャップ遷移による発光と組み合わせて中間色を発生するLEDを与える。基板の上のエピタキシャル成長層(発光構造)はバンドギャップ遷移によって短波長の強い光を出し、その光によって基板自体がより長い波長の蛍光を発生するようにした。つまりLED発光と基板の蛍光を利用する。
【0018】
LEDというものは、単結晶基板とその上にエピタキシャル成長した発光構造とよりなる。エピタキシャル成長層が出す光の波長をλ1とすると基板はこれに対して通常透明でなければならない。もしも基板が不透明で吸収があるならそれを除くような工夫がなされた。不純物によって色が鮮明さを損なうというなら基板の不純物をできるだけ少なくするというような工夫がなされた。基板はできるだけ透明清澄でなければならなかった。
【0019】
本発明はそれとは反対に積極的に基板に発光中心を与える。適当なドーパントを基板に添加すると発光中心となる。ドーピングによって基板に蛍光性を賦与する。蛍光とLED発光の組み合わせによって中間色、白色を合成する。
【0020】
活性層でのバンドギャップ遷移によってλ1(中心波長C)が出ると、基板の蛍光中心がこれを吸収して、それよりエネルギーの低いλ2(中心波長B)の蛍光を発するようにする(λ1<λ2)。するとλ1(中心C)+λ2(中心B)の光が出るから人間の目にはこれらの合成色として見えるのである。
【0021】
活性層の材料を変えるとバンドギャップ遷移の光の波長λ1が変わる。基板のドーパントの種類を変えるとλ2を変えることができる。ドーパントの量を変えるか或いは基板厚みを変えると蛍光の強度が変化する。だからエピタキシャル発光構造と、基板のドーパントを変えるとさまざまの中間色を発生させることができるのである。通常のLEDはかならず基板と発光構造があるから、本発明はその他の構造物を付け加える必要がない。単に基板にドーピングするという工程が増えるだけである。
【0022】
図4の発光強度分布図は本発明のLEDの原理を示す。波長Cが電流励起による発光を示す。波長Bが基板蛍光である。本発明を理解するには3つの波長A、B、Cの関係を了解する必要がある。
波長C=エピタキシャル発光構造でのバンドギャップ遷移による発光
波長B=基板での蛍光
波長A=基板に吸収されて蛍光を発する事のできる最長の波長
【0023】
蛍光Cに変わりうる最低エネルギーの光がAであるから、1光子励起の場合、必ず波長B>波長Aである。発光構造の出す光Cが、波長C<波長Aであれば、発光構造の光Cは、基板中に蛍光を励起できる。バンドギャップ遷移光Cと蛍光Bが外部に放出される。外部に出る光は、(C+B)である。波長Aは臨界的な意味を持つ波長に過ぎず外部に出る光ではない。
【0024】
図3に本発明のLEDの概念図を示す。本発明のLEDチップ9が、素子架台(ステム)10の上に取り付けられる。LEDチップ9は基板12とエピタキシャル発光構造13とよりなる。基板裏面に電極がある場合は、ステム10にその電極が接続される。もう一方の電極は、ワイヤ14によって、ステム11に接続される。チップ、ステム上方の全体を透明樹脂15によってモールドしてある。
【0025】
基板12のドーパントとして図4の波長Aより短波長の光を吸収し、波長B(λ2)にピークを持つ蛍光を発するものを選定する。エピタキシャル発光構造13のバンドギャップ発光の波長Cがλ1にあたる。一方、蛍光を励起しうる最低エネルギーの光の波長をAとしている。波長A以下の波長を持つ光は蛍光を発生できる。エピタキシャル発光構造が発する波長Cが、C<Aであればその光は、基板のドーパントを励起し蛍光を発生させることができる。それゆえ、C<A<Bであればどのような基板、エピタキシャル発光構造の組合わせでも良いことになる。但し、大きい結晶基板として得られる材料は限られている。格子整合の条件などがあるから、ある基板に対してエピタキシャル成長できる薄膜も限られる。
【0026】
本発明において、基板から出るのは蛍光であるから、1光子吸収の場合、入射光子のエネルギーより低いのは当然で、蛍光波長λ2は、励起光λ1より長い。2光子吸収ならば蛍光の方が短波長という事も有り得る。またエピタキシャル発光構造からの発光もしくは基板からの蛍光が、可視光領域から著しくはずれる場合は、本発明の目的に合致しない。
【0027】
図4において、波長Cを中心とする鋭いピークはエピタキシャル発光構造からの電子のバンドギャップ遷移による発光である。それより長い波長のブロードなスペクトルBは基板の蛍光を示す。波長Aより短い波長の光は基板の発光中心を励起し蛍光を発することができる。活性層から出る光の波長は波長Aより短い。活性層から短い波長の光がでて、これが基板の発光中心を励起して長波長の蛍光を出す。合成された光が外部に放出されるが、これはバンドギャップ発光Cと蛍光Bの組み合わせになる。エピタキシャル発光構造を変えるとバンドギャップ発光Cの波長を変えることができる。つまり活性層構造を変えれば波長Cを変えることができる。基板のドーパントを変えると蛍光波長Bを変えることができる。基板ドーパント濃度を変えると蛍光の比率を増減できる。基板厚みを変えると蛍光の比率を加減できる。
【0028】
つまり波長Bをピークとする蛍光(基板発光)はドーパント、ドーパント濃度、厚み、という自在に変化できるパラメータを持つ。エピタキシャル発光構造は、活性層がパラメータになり波長Cを自在に変動させることができる。
【0029】
本発明はエピ発光C、蛍光Bを変化させ、広い範囲の中間色、白色を発生するLEDを得る事ができる。本発明のLEDは、これまでLEDでは不可能であった、赤青の中間色、赤青緑の中間色をも発生させることができる。まことに優れた発明である。
【0030】
本発明のLEDチップの形状自体は、従来のLEDチップと変わりない。余分な蛍光材を塗布する必要がない。ステムもありふれた通常のものを使用できる。既に確立されている低コストのLED素子作製技術をそのまま応用することができる。
【0031】
およそLEDなるものには、エピタキシャル層を形成するための台として基板が必要である。基板はどうしても要るものなのである。従来のLEDにおいて基板はエピ層を保持し電流を通すという以外に積極的な役割は何一つなかった。基板が発光するというような場合は、不純物を除去したりして基板発光を排除するような工夫がなされた。基板は透明で吸収がなく発光しないようなものが良いとされてきた。本発明では基板蛍光を反対に積極的に利用する。蛍光を利用して中間色や白色を作りだそうとする、まさに発想の逆転によって生じた技術である。
【0032】
本発明者は、先願の特願平10−194156号において、ZnSe基板+ZnSe系エピ層により、バンドギャップ遷移発光と蛍光を組み合わせ白色光LEDを作製する技術を提案した。これはZnSe系活性層で青色を、ZnSe基板で黄色を発生させ合成して白色光としている。しかし基板のドーパント、基板の種類、エピ層を工夫すると、さらに広範囲の中間色を創出することができる。これまで不可能であった赤青の中間色、赤青緑中間色をもLEDによって作り出すことができるのである。赤緑の中間色は従来のLEDでも出来たが高コストであった。本発明は赤緑の中間色を安価なLEDによって発生させることができる。
【0033】
【実施例】
[実施例1(ZnSe基板(I);ZnSe系白色素子;480nm、580nm)]
基板として、ヨウ素ドープn型ZnSe基板を採用した。エピタキシャル発光構造としてZnSeを母体とする混晶からなる積層構造を作製した(図5)。ヨウ素をドーピングしたZnSe基板20は、バンドテーリング現象により、本来のバンドギャップエネルギーに対応する波長である460nmより長波長の510nmより短い波長の光を吸収し(波長A;510nm)、不純物中心(ヨウ素)による580nmにブロードなピークを有する蛍光(波長B;580nm)を発する。これはSA発光と呼ばれる。ヨウ素原子のようにSA発光を生ずる不純物をSA発光中心という。バンドテーリング現象は本発明では重要な役割を果たしている。バンドギャップEgの半導体は、それに対応する波長λg(=hc/Eg)より短い波長λ(<λg)の光を吸収し、長い波長λ(>λg)の光を透過する。ところが不純物をドープすることによって伝導帯端、価電子帯の端に不純物準位ができると、不純物準位・価電子帯の遷移、伝導帯・不純物準位の遷移が起こる。つまりλg以上の波長の光をも吸収できるようになる。これがバンドテーリング現象である。本実施例では、バンドテーリングによって、λg(460nm)より長い波長A(510nm)までの光を基板が吸収できる。つまり、波長A(510nm)までの波長の光によってSA発光を発することができる。
【0034】
ZnSe基板20は厚みの影響を調べるために、50μm厚の基板(素子イ)と、500μm厚の基板(素子ロ)を用意した。2種類の厚みのZnSe基板に、図5に示すようなエピタキシャル発光構造体を、MBE法によりホモエピタキシャル成長させた。このエピタキシャル発光構造体の発光ピーク波長は480nmである(波長C;480nm)。
【0035】
このエピタキシャル発光構造体は、上から順に、p型のZnSeとZnTe積層超格子構造からなるp型コンタクト層25、p型Zn0.85Mg0.15S0.10Se0.90クラッド層24、 ZnSeとZnCdSeの積層構造からなる多重量子井戸活性層23、n型Zn0.85Mg0.15S0.10Se0.90クラッド層22よりなる。実際にはZnSe基板20とエピタキシャル発光構造体の間にはn型ZnSeバッファ層21がある。基板側から順に述べると、
【0036】
(1)n型ZnSe基板(Iドープ、SA発光=580nm;B)20
(2)n型ZnSeバッファ層 21
(3)n型Zn0.85Mg0.15S0.10Se0.90クラッド層 22
(4)ZnSe/Zn0.88Cd0.12Se多重量子井戸活性層(480nm;C)23
(5)p型Zn0.85Mg0.15S0.10Se0.90クラッド層 24
(6)p型ZnTe/ZnSe超格子コンタクト層 25
というような層構造である。なお(4)の活性層は、ZnSe0.99Te0.01ダブルヘテロ活性層(480nm:C)としても構わない。
【0037】
このエピウエハのp型コンタクト層の上に、Pd/Auからなるチップ単位毎のドット状のパターンp側電極を形成し、その上に20nm以下の厚みの薄膜Au電極を上面全面に形成した。20nm以下のAuとすると光を通し透明電極になる。基板裏面側には、Inからなるn側電極を形成した。電極形成後のエピウエハを250μm×250μm角の寸法のチップに切りだした。チップを素子架台(ステム)に固定してLEDとした。
【0038】
このLEDでは、波長C(480nm)は波長A(510nm)より短いので、エピタキシャル発光構造から出た光の内、基板に入射した分は基板にて吸収され、波長B(580nm)の蛍光を発生する。だから外部に出る光は、480nm+580nmである。
【0039】
このLEDを定電流モードで測定した。典型的な発光強度は20mAで2mWであった。高輝度の白色光を得る事が出来た。
【0040】
このLEDの発光スペクトルを図6に示す。設計通り、480nmに鋭いピークを持つ発光構造からの発光と、580nmにブロードなピークを持つZnSe基板のSA発光とが組合わさっているという事が分かる。
【0041】
基板が薄い(50μm)の素子イは、基板蛍光強度が小さい。基板が厚い(500μm)素子ロは、基板蛍光強度が大きい。厚い基板は多くのSA発光中心を含む。だから基板が厚いほうが蛍光が増えるのは理解できる。
【0042】
同じLEDの発光スペクトルを色度図上に表現したものが図7である。基板厚みが50μmの素子イは、色度が(x,y)=(0.25,0.27)の青みがかった白色であった。基板厚みが500μmの素子ロは色度が(x,y)=(0.32,0.32)の純白色であった。図7には、エピタキシャル発光構造からの光の色度(△点)と、基板蛍光の色度(□点)をも示す。素子イ、ロの色度は、これらふたつの点を結ぶ線分の上に乗っている。
【0043】
[実施例2(ZnSe基板(Al,I);ZnSe系ピンク・赤紫色素子;465nm、600nm)]
基板として、n型ZnSe基板(ドーパント:ヨウ素とアルミニウム)を選んだ。エピタキシャル発光構造として、ZnSeを母体とする混晶からなる積層構造を採用した。
【0044】
ヨウ素とアルミニウムを共ドープしたZnSe基板は、バンドテーリング現象により、本来のバンドギャップに対応する波長である460nmより長い波長である510nm以短の波長を吸収し(波長A:510nm)、SA発光と呼ばれる不純物中心を介した600nmにブロードなピークを持つ蛍光を発する(波長B:600nm)。
【0045】
ドーパントによって蛍光波長が変化する。実施例1ではヨウ素がドーパントであったから蛍光の中心波長は580nmであった。実施例2ではI、Al(ヨウ素、アルミニウム)がドーパントであるから蛍光中心波長は600nmになる。Alを加えたのは、蛍光を長波長側へ推移させるためである。
【0046】
ここでZnSe基板は、ドーピング量nを1×1017cm−3(素子ハ)と、5×1018cm−3(素子ニ)の2種類のものを用意した。厚みは何れも250μmである。ドーパント濃度を変える事によってどのようにSA発光が変化するのか確かめるのが目的である。
【0047】
この導電性ZnSe基板上に、図8に示すようなピーク波長が465nmである青色発光のエピタキシャル発光構造を、MBE法によってホモエピタキシャル成長させた(波長C:465nm)。エピタキシャル発光構造は上から順に、p型にドープされたZnSeとZnTeの積層超格子からなるp型コンタクト層35、p型にドープされたBe0.20Mg0.20Zn0.60Seからなるp型クラッド層34、ZnSeからなるダブルヘテロ活性層33、n型にドープされたZn0.85Mg0.15S0.10Se0.90層からなるn型クラッド層32よりなる。基板側から順に述べると、
【0048】
(1)n型ZnSe基板(I、Alドープ)30
(2)n型ZnSeバッファ層 31
(3)n型Zn0.85Mg0.15S0.10Se0.90クラッド層 32
(4)ZnSeダブルヘテロ活性層(465nm)33
(5)p型Be0.20Mg0.20Zn0.60Seクラッド層 34
(6)p型ZnTe/ZnSe超格子コンタクト層 35
というような層構造である。
【0049】
このエピウエハを使って、実施例1と同じ方法でLEDを作製した。このLEDにおいても、波長C(465nm)は、波長A(510nm)よりも短いので、エピタキシャル発光構造から出た465nmの光の内、基板に入射した分は、基板に吸収され、波長B(600nm)の蛍光を生ずる。
【0050】
このLEDを定電流モードで測定したところ、典型的な輝度は、20mAで1mWであった。高輝度のピンク色、および赤紫色光を得る事が出来た。
【0051】
このLEDの発光スペクトルを図9に示す。設計通り、465nmに鋭いピークを持つエピタキシャル発光構造からの発光(バンドギャップ遷移による)と、600nmにブロードなピークを持つZnSe基板からのSA発光が組合わさっているのが分かる。
【0052】
ドーピング量が少ない(1×1017cm−3)基板の素子ハでは基板の蛍光強度が小さく、ドーピング量が多い(5×1018cm−3)基板の素子ニでは、基板蛍光強度が大きくなっている。蛍光がドーピング量に比例して強くなるという事が分かる。
【0053】
この発光スペクトルを色度図上で表現したものが図10である。ドーピング量が小さい(1×1017cm−3)素子ハは色度が、(x,y)=(0.34,0.19)の赤紫色である。ドーピング量が大きい(5×1018cm−3)素子ニは色度が(x,y)=(0.50,0.29)のピンク色となっている。図10には、エピタキシャル発光構造からの発光色度(△点)と、基板蛍光のみの色度(□点)を示す。素子ハ、素子ニともにこれらの2つの点を結ぶ線分の上に乗る。
【0054】
[実施例3(AlGaAs基板(Si);ZnSe系黄色・橙色素子;520、550nm、690nm)]
基板として、Siをドープしたn型GaAs基板46上にn型AlGaAs層47を液層エピタキシャル法(LPE)により形成したAlGaAs基板40を採用した。エピタキシャル発光構造体としてZnSeを母体とする混晶からなる積層構造を採用した。
【0055】
AlGaAs基板40は、Al組成を変化させる事によって、バンドギャップを変化させることができる。バンドギャッエネルギーを対応する波長で表現すると、570nm〜860nmの範囲でバンドギャップエネルギーを変化させることが可能である。ここでは基板側組成としてAl0.50Ga0.50Asの組成を選んだ。AlGaAs基板40にドープするn型不純物としてSiを採用した。このAl組成のAlGaAs基板は640nmより短い波長(波長A:640nm)を吸収し、ドーパントであるSiの再結合中心発光により690nmにブロードなピークを持つ蛍光を発する(波長B:690nm)。
【0056】
この導電性AlGaAs基板40に、発光ピーク波長が520nm(素子ホ)又は550nm(素子ヘ)であるような緑色の発光構造(図11)を、MBE法によりヘテロエピタキシャル成長させた。このエピタキシャル発光構造は上から順に、p型にドープされたZnTeとZnSeの積層超格子構造からなるp型コンタクト層45、p型にドープされたZn0.90Mg0.10S0.15Se0.85層からなるp型クラッド層44、ZnS0.06Se0.94層とZn0.70Cd0.30Se層(ホ)、若しくはZnS0.06Se0.94層とZn0.60Cd0.40Se層(ヘ)の積層構造からなる多重量子井戸活性層43、n型にドープされたZn0.90Mg0.10S0.15Se0.85層からなるn型クラッド層42、より形成される。実際にはn型AlGaAs基板40とエピタキシャル発光構造の間にはn型ZnSSeバッファ層41がある。
【0057】
基板側から層構造を列記すると
(1)n型GaAs基板 46
(2)n型AlGaAs層(Siドープ、SA発光=690nm)47
(3)n型ZnSSeバッファ層 41
(4)n型Zn0.90Mg0.10S0.15Se0.85クラッド層 42
(5)ZnS0.06Se0.94/Zn0.70Cd0.30Se多重量子井戸活性層(520nm)43…(素子ホ)、又は
(5’)ZnS0.06Se0.94/Zn0.60Cd0.40Se多重量子井戸活性層(550nm)43…(素子ヘ)
(6)p型Zn0.90Mg0.10S0.15Se0.85クラッド層 44
(7)p型ZnTe/ZnSe超格子コンタクト層 45
というような積層構造になる。なお(5)の素子ホの活性層については、ZnSe0.90Te0.10ダブルヘテロ活性層(520nm)としても構わない。
【0058】
素子ホ、ヘは多重量子井戸活性層の一方の層ZnCdSeのCdの混晶比が異なる。素子ホは0.30、素子ヘは0.40である。Cdの比率が高くなるとバンドギャップが狭くなり発光波長は長くなる。
【0059】
このようなエピウエハについて、実施例1と同じ方法によってLEDを作製した。但し基板側のn側電極としてはAu−Ge電極を採用した。p側電極は、Pd/Au電極であり前例と同じである。
【0060】
このLEDは、基板と、エピタキシャル発光構造が異なるが、それでも発光波長(波長C)が、蛍光の波長(波長A)より短波長である。エピタキシャル発光構造からでた光(520nm又は550nm)の内基板に入射した分は基板によって吸収され、波長B(690nm)の蛍光を発生する。
【0061】
このLEDを定電流モードで測定した。高輝度の黄色及び橙色光を得る事が出来た。典型的な輝度は20mAで3mWであった。
【0062】
このLEDの発光スペクトルを図12に示す。設計通り、520nm(素子ホ)または550nm(素子ヘ)にピークを持つ鋭い発光構造(バンドギャップ遷移による)と、690nmにブロードなピークを持つAlGaAs基板の不純物発光が組み合わされているのが分かる。
【0063】
この発光スペクトルを色度図に表現したものが図13である。エピタキシャル発光構造からの発光波長が520nm(素子ホ)は色度が(x,y)=(0.47,0.48)の黄色となっている。エピタキシャル発光構造からの発光波長が550nm(素子へ)は色度が(x,y)=(0.57,0.43)の橙色となっている。図13においても、発光構造からの光のみの色度(△:2種類)と、基板蛍光のみの色度(□点)を示す。素子へ、素子ホともに、これらの点を結ぶ線分の上にある。
【0064】
[実施例4(GaP基板(Zn,O);GaInN系黄色素子;520nm、700nm)]
基板として、ZnとOを共ドープした半絶縁性GaP基板50を採用した。エピタキシャル発光構造としてはGaNを母体とする混晶の積層構造を採用した。GaPは間接遷移型半導体であるが、ZnとOをドープする事によって、550nm(波長A:550nm)より短い波長を吸収し、不純物再結合中心を介した再結合発光によって、700nmにブロードなピークを持つ蛍光を発する(波長B:700nm)。
【0065】
この半絶縁性GaP基板上に、図14に示すようなエピタキシャル発光構造をMOCVD法によってヘテロエピタキシャル成長させた。これはピーク波長が520nmの緑色を生じるエピタキシャル発光構造(波長C:520nm)である。
【0066】
このエピタキシャル発光構造は、上から順に、p型にドープされたGaNからなるp型コンタクト層55、p型にドープされたAl0.15Ga0.85N層からなるp型クラッド層54、Ga0.70In0.30N層からなるダブルヘテロ活性層53、n型にドープされたAl0.15Ga0.85N層からなるn型クラッド層52、n型にドープされたGaNからなるn型コンタクト(バッファ層)層51よりなる。
【0067】
エピタキシャル発光構造とGaP基板50の間には、バッファ層が存在するのがこれまでの例であったが、この実施例では、n型GaNコンタクト層51がバッファ層の役割を兼ねる。GaP基板が絶縁性であるから底面にn側電極を付けることができない。GaNからなるn型バッファ層の一部に到るまでエピ層を切りとってn側電極を作製する。だからn型GaNバッファ層というべきところをn型GaNコンタクト層と表現している。p側電極はPd/Au、n側電極はTi/Alである。p側電極はp型コンタクト層の上に、n側電極は一部露呈したn型コンタクト層の上に形成する。
【0068】
エピウエハの層構造を下から記すと、
(1)半絶縁性GaP基板(Zn、Oドープ;700nm) 50
(2)n型GaNコンタクト層(n側電極取り付け) 51
(3)n型Al0.15Ga.85Nクラッド層 52
(4)Ga0.70In0.30Nダブルヘテロ活性層(520nm) 53
(5)p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層 54
(6)p型GaNコンタクト層 55
というようになる。
【0069】
このエピウエハのp型GaNコンタクト層55の上にPd/Auからなるドット状のp側電極を500μm×500μmの周期で形成した。これがチップサイズである。同じ周期で、エピ層の一部をドライエッチングによって垂直に切りn型GaNコンタクト層51を露呈させ、そこにTi/Alからなるドット状のn側電極を形成した。n側電極は底面でなく、上面の露呈したn型コンタクト層に形成するのでドット状にする。電極形成後のエピウエハを500μm×500μm角のサイズに切り出し、素子架台(ステム)に固定した。これを素子トとする。
【0070】
この素子トの場合基板が絶縁性であるから、図3のように通常のLEDの実装方法は適用できない。図1のサファイヤ/GaInNのように、チップ上側から、n側電極とp側電極にワイヤをボンディングして、リードに接続する。
【0071】
このLED素子トでも、波長C(520nm)は、波長A(550nm)より短波長であるから、エピタキシャル発光構造からでた光(520nm)の内、基板に入射した分は、GaP基板によって吸収され波長B(700nm)の蛍光を発する。外部には、520nmの光と700nmの光の合成されたものが出る。
【0072】
このLEDを定電流モードで測定したところ発光は黄色で典型的な輝度は20mAで3mWであった。高輝度の黄色光を得る事が出来た。
【0073】
図15はこのLEDの発光スペクトルを示すグラフである。設計通り、520nmにピークを持つエピタキシャル発光構造からの(バンドギャップ遷移)発光と、700nmにブロードなピークを持つGaP基板からの不純物発光が組合わさっているということが分かる。
【0074】
この発光スペクトルを色度図上で表したものが図16である。この光は色度が(x,y)=(0.45,0.46)の黄色となっている。図16においても、エピタキシャル発光構造からの発光についての色度(△点)と、基板の蛍光の色度(□点)を示す。この素子の色度は、発光構造色度と基板蛍光色度を結ぶ線分の上にある。
【0075】
図17に実施例1〜4に述べたイ〜トのLEDの色度と、それらのエピタキシャル発光構造体、基板蛍光の色度を一括して示す。
【0076】
図18には実施例1〜4の基板材料、蛍光中心波長、エピタキシャル発光構造体の材料、電流注入発光の波長、基板厚み、ドーパント濃度、実施例の符号などを一括して示す。
【0077】
【発明の効果】
従来の単一LEDでは、赤青中間色、赤青緑中間色を作る事が出来なかった。本発明によれば、赤青中間色(赤紫色やピンク色)や、赤青緑の中間色(白色)単一LEDを簡単で低コストのプロセスにより作製することができる。それも高輝度の赤紫色、ピンク色、白色の単一LEDを与えることができる。赤緑の中間色LEDは従来でも存在したが本発明はより低いコストで高輝度の赤緑中間色(黄色、橙色)LEDを作製することができる。LEDによって作り出すことのできる中間色の範囲が広がる。単一のLEDであって製造コストを低減できる。LEDであるから小型軽量低電圧であって取扱いも容易である。装飾用、表示用などの用途に大きな需要を期待する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 GaInN−LEDの上をYAG蛍光材に埋め込んだ従来例にかかる白色LED素子の断面図。(a)はLED素子全体の断面図。(b)のYAG蛍光材とLEDチップの近傍のみの断面図。
【図2】 図1の白色LEDの発光スペクトル図。
【図3】 本発明の実施例にかかる中間色、白色LED素子の断面図。(a)は素子全体の断面図。(b)はチップの近傍のみの断面図。
【図4】 電流注入発光と基板蛍光発光を利用した本発明のLEDの原理を説明するためのスペクトル図。波長Aは蛍光を引き起こすための最長の波長、波長Bは蛍光のピーク中心の波長、波長Cは電流注入によるバンドギャップ遷移発光のピーク中心波長。
【図5】 本発明の実施例1(ZnSe・ZnCdSe/ZnSe(I))にかかる発光基板LEDの層構造図。
【図6】 本発明の実施例1(ZnSe・ZnCdSe/ZnSe(I))にかかる発光基板LEDの発光スペクトル図。
【図7】 本発明の実施例1(ZnSe・ZnCdSe/ZnSe(I))にかかる発光基板LEDの発光色度を示す色度図。
【図8】 本発明の実施例2(ZnSe/ZnSe(Al・I))にかかる発光基板LEDの層構造図。
【図9】 本発明の実施例2(ZnSe/ZnSe(Al・I))にかかる発光基板LEDの発光スペクトル図。
【図10】 本発明の実施例2(ZnSe/ZnSe(Al・I))にかかる発光基板LEDの発光色度を示す色度図。
【図11】 本発明の実施例3(ZnSSe・ZnCdSe/AlGaAs(Si))にかかる発光基板LEDの層構造図。
【図12】 本発明の実施例3(ZnSSe・ZnCdSe/AlGaAs(Si))にかかる発光基板LEDの発光スペクトル図。
【図13】 本発明の実施例3(ZnSSe・ZnCdSe/AlGaAs(Si))にかかる発光基板LEDの発光色度を示す色度図。
【図14】 本発明の実施例4(GaInN/GaP(Zn・O))にかかる発光基板LEDの層構造図。
【図15】 本発明の実施例4(GaInN/GaP(Zn・O))にかかる発光基板LEDの発光スペクトル図。
【図16】 本発明の実施例4(GaInN/GaP(Zn・O))にかかる発光基板LEDの発光色度を示す色度図。
【図17】 実施例1〜4の全てのLED(イ〜ト)の発光色度を一つに纏めて示す色度図。
【図18】 実施例1〜4の全てのLED(イ〜ト)の基板の材料、蛍光波長、活性層材料、電流注入発光波長、LED符号、相違点(基板厚み、不純物濃度、活性層)、LEDの色度を示す表。
【図19】 赤成分をx軸に、緑成分をy軸にとり波長を付した輪郭線によって単色を表現し輪郭線内部に生成する中間色の領域をも示す一般的な色度図。
【符号の説明】
1 透明樹脂
2 ステム
3 ステム
4 ステム上面の窪み
5 GaInN−LED
6 YAG蛍光体
7 ワイヤ
8 ワイヤ
9 LEDチップ
10 ステム
11 ステム
12 基板
13 エピタキシャル発光構造
14 ワイヤ
15 透明樹脂
20 n型ZnSe基板(Iドープ)
21 n型ZnSeバッファ層
22 n型ZnMgSSeクラッド層
23 ZnSe/ZnCdSe多重量子井戸活性層
24 p型ZnMgSSeクラッド層
25 p型ZnTe/ZnSe超格子コンタクト層
30 n型ZnSe基板(I、Alドープ)
31 n型ZnSeバッファ層
32 n型ZnMgSSeクラッド層
33 ZnSeダブルへテロ活性層
34 p型BeZnMgSeクラッド層
35 p型ZnTe/ZnSe超格子コンタクト層
40 n型AlGaAs基板(Siドープ)
41 n型ZnSSeバッファ層
42 n型ZnMgSSeクラッド層
43 ZnSSe/ZnCdSe多重量子井戸活性層
44 p型ZnMgSSeクラッド層
45 p型ZnTe/ZnSe超格子コンタクト層
46n型GaAs基板
50 半絶縁性GaP基板(Zn,Oドープ)
51 n型GaNコンタクト層
52 n型AlGaNクラッド層
53 GaInNダブルヘテロ活性層
54 p型AlGaNクラッド層
55 p型GaNコンタクト層
Claims (5)
- 基板のバンドテーリング現象によってSA発光を発する蛍光中心となる不純物を添加した半導体結晶からなる基板と、基板上に形成され電流注入により発光する構造を持つエピタキシャル層とを含み、該エピタキシャル層の電流注入による発光と、該発光により基板を光励起して得られるSA発光である蛍光との2種類の異なる波長の発光を混合して、赤紫色、ピンク色、黄色、橙色、白色のいずれかの中間色を発光することを特徴とする発光基板LED素子。
- 基板がAlGaAs基板であり、Siをドープし、SA発光のピーク波長が690nmであり、エピタキシャル層の活性層が、ZnSe層、ZnSSe/ZnCdSe層、ZnSeTe層の何れかである事を特徴とする請求項1に記載の発光基板LED素子。
- 基板がGaP基板であり、ZnおよびOをドープし、SA発光のピーク波長が700nmであり、エピタキシャル層の活性層が、GaInN層である事を特徴とする請求項1に記載の発光基板LED素子。
- 基板がZnSe基板であり、IもしくはI+Alをドープし、それぞれ580nm、600nmを中心にSA発光をし、エピタキシャル層の活性層が、ZnSe層、ZnSe/ZnCdSe層、ZnSeTe層の何れかである事を特徴とする請求項1に記載の発光基板LED素子。
- 蛍光中心となる不純物を添加した半導体結晶からなる基板と、基板上に形成され電流注入により発光する構造を持つエピタキシャル層とを含み、該エピタキシャル層の電流注入による発光と、該発光により基板を光励起して得られる蛍光との2種類の異なる波長の発光を混合して、赤紫色、ピンク色、黄色橙色、白色のいずれかの中間色を発光するようにした発光基板LED素子について、該結晶基板の構成元素組成、不純物元素種、不純物元素量、基板厚みを変化させ、またエピタキシャル層の構造を変化させることにより、該2種類の発光のピーク波長、ピーク強度比を調整し、素子の発光の色調を変化させることを特徴とする発光基板LED素子の製造方法。
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