JP4348447B2 - 制振アクチュエータ、振動センサー及び制振制御システム - Google Patents

制振アクチュエータ、振動センサー及び制振制御システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振動作ができる制振アクチュエータに関するものである。
また、本発明は、振動を検出できる振動センサーに関するものである。
さらに、本発明は、前記振動センサーと前記制振アクチュエータとを使用してなる制振制御システムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、この種の制振制御システムとしては、加振源に取り付けたアクチュエータと、加振源近くに設けた振動検出センサーと、この振動検出センサーによって検出した加振源の変位あるいは加速度を増幅するセンサーアンプと、前記センサーアンプで増幅した振動信号に波動制御法を適用し振動抑制制御信号を作成するコントローラと、このコントローラからの振動抑制制御信号を基に前記アクチュエータに振動抑制駆動信号を供給するポワーアンプとからなるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この制振制御システムに使用される制振アクチュエータは、形状記憶合金に、電流を流すコイルを捲き、前記コイルに流れる電流値を制御し、温度を変化させることにより形状記憶合金が伸縮する作用を利用したものも使用している(例えば、特許文献1参照)。
このような制振制御システムによれば、加振源である配管の曲がり部分での振動を抑制することができるので、配管の振動に基づく騒音が伝搬されるのを防止できるものであった。
【特許文献1】
特開平8−291890号公報(段落番号0001以降、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記制振制御システムによれば、コントローラで採用する制御法が複雑なため、コントローラに大きな負担がかかり、かつ、製造コストも高くなるという欠点があった。
また、上記制振制御システムに使用する形状記憶合金を用いたアクチュエータは、加熱用のコイルから形状記憶合金に熱が伝わるまでに時間がかかるため、制振制御ができなかったり、あるいは、熱伝導の速度を見越して制御をするようにすると、制御が複雑になってコントローラに負担がかかり、同様に製造コストが高くなるという欠点があった。
【0005】
本発明は、上述して点に鑑み、製造コストを抑え、応答のよい制振動作が可能な制振アクチュエータを提供することを第1の目的とする。
本発明は、簡単な構造でかつ確実に振動を検出できる振動センサーを提供することを第2の目的とする。
本発明は、製造コストを抑え、かつ、確実に制振制御ができる制振制御システムを提供することを第3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本願請求項1記載の発明に係る制振アクチュエータは、温度変化によって剛性が変化する形状記憶合金繊維線を一定のピッチでジグザクに配置した形状に構成した配線網の上側と下側とにガラス繊維強化プラスチック板を配置し、これらガラス繊維強化プラスチック板を前記配線網に押しつけて紫外線を照射してガラス繊維強化プラスチック板の内部に前記配線網が含有した形状に構成してなることを特徴とするものである。
上記第2の目的を達成するため、本願請求項2記載の発明に係る振動センサーは、抵抗材料である形状記憶合金繊維線を一定のピッチでジグザクに配置した形状に構成した配線網の上側と下側とにガラス繊維強化プラスチック板を配置し、これらガラス繊維強化プラスチック板を前記配線網に押しつけて紫外線を照射してガラス繊維強化プラスチック板の内部に前記配線網が含有した形状に構成してなることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明の実施の形態及び実施例について図面を参照して説明する。
〔本発明の第1の実施の形態及び第1の実施例〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータ及びそれの第1の実施例を示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータ及びそれの第1の実施例を示す平面図である。
【0008】
本発明に係る制振アクチュエータ10は、図1及び図2に示すように、温度変化によって剛性が大きく変化する形状記憶合金繊維線11で構成した配線網12と、前記配線網12を含有させたガラス繊維強化プラスチック板13とからなる。また、前記配線網12の端末には、端子14,15が接続固定されている。
ここで、前記制振アクチュエータ10は、図1に示すように、長さ190[mm]、幅15[mm]、厚さ1.5[mm]の寸法に形成した形状になっている。また、前記制振アクチュエータ10において、形状記憶合金繊維線11がガラス繊維強化プラスチック板13内に占める体積率(ガラス繊維強化プラスチック板13の断面積に対する配線網12の断面積の合計の割合)は、例えば1.09〔%〕であった。
【0009】
また、形状記憶合金繊維線11は、チタン(Ti)−ニッケル(Ni)合金でマルテン変態温度の目安であるAs(Austenite Start Temperature)温度が65〔℃〕のものを用いて配線網12を構成した。この配線網12は、形状記憶合金繊維線11を図2に示すように所定のピッチ(例えば1mm)でジグザクに配置した形状に構成したものである。
さらに、前記形状記憶合金繊維線11は、すばやく変態温度まで上昇させる必要があるため、線径を例えば200[μm]の適正電流値I〔A〕及び抵抗値R〔Ω〕の関係を次の数式1に示すように実験的に導き出した。
I=3873×R-5〔A〕 ・・・〔1〕
【0010】
(製造方法)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータの製造方法の一例を示す図である。
まず、図3(a)に示すような治具1を用い、これに形状記憶合金繊維線11を配置して配線網12を得る(第1の工程)。具体的には、所定の板5の上に、一定ピッチ(例えば1[mm])でかつ所定の距離(例えば160[mm])離れた2列にピン2,…、ピン3,…と、固定ピン4,5とを設けてなる治具1において、固定ピン4にまず形状記憶合金繊維線11の末端を固定し、ついで2列にピン2,…、ピン3,…に形状記憶合金繊維線11を順次配置してゆき、最後に固定ピン5に形状記憶合金繊維線11の他の末端を固定する。これにより、配線網12が得られる。
【0011】
ついで、図3(b)示すように、長さが例えば190[mm]、幅が例えば15[mm]、厚さが0.75[mm]の大きさで、かつ、紫外線を照射することにより硬化する柔らかいエポキシ系樹脂(ガラス繊維強化プラスチック)板Pを、前記配線網12の上側と下側に配置して前記配線網12に押しつけ、紫外線を例えば15分以上照射する(第2の工程)。これにより、ガラス繊維強化プラスチック板13の内部に配線網12が含有した半製品の制振アクチュエータ10が得られる。
【0012】
さらに、図3(c)に示すように、前記半製品の制振アクチュエータ10の前記ガラス繊維強化プラスチック板13の図示上側と下側から、加圧装置PMによって、圧力が例えば17〔MPa〕、温度が例えば80〔℃〕で、110分間継続して圧力を加え続ける(第3の工程)。これにより、制振アクチュエータ10の基本形態は完成する。
【0013】
ついで、図3(d)に示すように、不要な部分をカッティングし、かつ、配線網12の両端にアルミ圧着端子14,15を取り付けることにより、完成品の制振アクチュエータ10を得ることができる(第4の工程)。
なお、上記制振アクチュエータ10の製造方法は、一例を示したものであって、これに限定されるものではなく、例えば旋盤の回転動作と送り動作を用いて、形状記憶合金繊維線11を一定ピッチに捲回して配線網12を作成し、かつ、出来上がった配線網12にガラス繊維強化プラスチックの液体を流し込み、硬化させて形成するようなものであってもよい。
【0014】
(検証1)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムを示す図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムの振動台に制振アクチュエータを方持支持した状態を拡大して示す説明図である。
図6は、図5の状態に片持ち支持した制振アクチュエータを検証システムで検証した際に得られた振動特性を示す特性図であって、横軸に時間〔秒〕を、縦軸に振幅を、それぞれとったものである。図7は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証するシステムに与えた振動台の時刻履応答を示す特性図であって、横軸に時間〔秒〕を、縦軸に振幅を、それぞれとったものである。
【0015】
まず、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータ10の制振動作を検証するアクチュエータ検証システム20は、図4に示すように、制振アクチュエータ10に振動を与える振動台21と、前記制振アクチュエータ10の先端部の振動を検出して所定の振動信号として出力するレーザー変位計22と、レーザー変位検出部22aを固定する固定具23と、前記レーザー変位計22から出力されたアナログ振動信号をデジタル振動信号に変換するアナログデジタル変換器24と、前記アナログデジタル変換器24からのデジタル信号を取込み解析するコンピュータ25と、直流電源装置26とから構成されている。
【0016】
また、制振アクチュエータ10は、図5に示すように、固定片27,27で片持ち支持(制振アクチュエータ10の一方側で固定片27,27によって固定)されている。
なお、レーザー変位計22は、レーザー変位検出部22aと、前記レーザー変位検出部22aの検出信号を処理して計測できる計測装置部22bとからなる。ここで、このレーザー変位計22は、株式会社キーエンス製のもので、レーザー変位検出部22aは型式がLK−030のセンサヘッドであり、計測装置部22bはLK−2000lのアンプユニットである。また、使用している光源は、赤色半導体レーザーで波長は670〔nm 7のものである。さらに、出力は、±5〔V〕(1[μm]/mV)、サンプリング周期512[μS]、分解能が1[μm]のものである。
【0017】
さらに、アナログデジタル変換器24は、株式会社キーエンスのもので、型式がNR−110、シングルエンド16/差動8チャンネルで、レンジが±2.5〔V〕または±5〔V〕または±10〔V〕である。また、ゲインは1倍または10倍に設定できる。分解能は14〔ビット〕で、変換精度は±1LSBである。サンプリング周期は、最大20[μS]で、トリガ入力は1チャンネル電圧入力を使用できる。さらに、このアナログデジタル変換器24は、使用周囲温度が10〜35〔℃〕の範囲で使用する必要があり、今回の検証では当然この範囲にで使用した。
【0018】
また、制振アクチュエータ10は、図5に示すように、長さが150[mm]、幅が15[mm]、厚さが1.5[mm]のものを、前記振動台21の上で固定片27,27で片持ち支持をし、図7の振動台の時刻歴応答のような振動を振動台21を介して制振アクチュエータ10に加えた。
【0019】
上記コンピュータ25はノート型パソコンからなり、このノート型パソコンは、中央処理ユニットと、主メモリと、ハードディスク装置と、入力出力ポートと、ディスプレイと、キーボードと、その他必要な機器が内蔵されている。また、前記コンピュータ25は、当該ハードディスク装置に、例えばWINDOWS(登録商標)98、me、NT、2000、または、XPなどからなるオペレーティングシステムと、制振アクチュエータの検証を行うためのアプリケーションプログラムが格納されている。
【0020】
さらに、上記コンピュータ25は、電源スイッチをオンとすると、ハードディスク装置からオペレーティングシステムが主メモリに展開記憶されて実行された後、さらに、本検証を行うためのアプリケーションプログラムが主メモリに展開記憶されて処理を実行できることになる。さらに、コンピュータ25は、前記アプリケーションプログラムが実行されることにより、データ収集を行うことができる。
【0021】
ここで、制振アクチュエータ10は、形状記憶合金繊維線11に200[μm]のものを用いている。また、制振アクチュエータ10は、形状記憶合金繊維線11の体積率が1.09〔%〕のものを使用し、全重量は10〔グラム〕であった。また、このときの配線網12の抵抗値は、45.5〔Ω〕であり、かつ、配線網12に与えた電流値は570[mA]とした。このような状態で振動台21に振動を与えると、23.5〔Hz〕で共振した。
このようなアクチュエータ検証システム20によって測定した自由端付近の時刻歴応答は、図6に示すような減衰波形となり、振動を抑制していることがわかる。
【0022】
(検証2)
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムの振動台に所定の長さのガラス繊維強化プラスチック板を片持ち支持するとともに前記ガラス繊維強化プラスチック板の固定部付近のみ制振アクチュエータを片持ち支持した状態を示す説明図である。
【0023】
図9は、図8の状態に片持ち支持した制振アクチュエータを検証システムで検証した際に得られた振動特性を示す特性図であって、横軸に時間〔秒〕を、縦軸に振幅を、それぞれとったものである。図10は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムの振動台に与えた振動台の時刻履応答を示す特性図であって、横軸に時間〔秒〕を、縦軸に振幅を、それぞれとったものである。
なお、この図8の場合にも、図4のアクチュエータ検証システム20を使用して測定をするものである。
【0024】
制振アクチュエータ10は、図8に示すように、片持ちの固定端からは150[mm]、試験片事態の長さは190[mm]、幅が20[mm]、厚さが1.1[mm]のものを用いた。
また、実験には、長さが190[mm]、幅が20[mm]、厚さが1.1mmのガラス繊維強化プラスチック板28を固定片27,27で片持ち支持してあり、この片持ち支持する際に前記ガラス繊維強化プラスチック板28の固定部付近に制振アクチュエータ10を同様に方持支持する。
【0025】
ここで、制振アクチュエータ10は、形状記憶合金繊維線11に200[μm]のものを用いている。また、制振アクチュエータ10は、形状記憶合金繊維線11の体積率が2.28〔%〕のものを使用し、全重量は13〔グラム〕であった。また、このときの配線網12の抵抗値は、30.7〔Ω〕であり、かつ、配線網12に与えた電流値は1007[mA]とした。このような状態で振動台21に図10に示す振動を与えると、23.5〔Hz〕で共振した。
このようなアクチュエータ検証システム20によって測定した自由端付近の時刻歴応答は、図9に示すような減衰波形となり、振動を抑制していることがわかる。
【0026】
(制振アクチュエータの振幅と振動台の振幅との関係)
次に、制振アクチュエータ10の振幅と振動台21との振幅の関係を説明する。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータの振幅と検証システムの振動台の振幅の関係を説明するための図である。
制振アクチュエータ10の共振状態及び制振状態の各位置における振幅を求めるため、図11に示すような静的な荷重Wが作用した長さlの片持ち状態の梁29を考える。
この梁29の各位置xにおける撓みの方程式を求める。まず、図11に示すように、固定端にx=0をとって表す。曲げモーメントMをxの関数として表す必要があるため、固定端からxでの距離での曲げモーメントMは、数式2で示される。
【0027】
M=−W(l−x) ・・・〔2〕
ここで、数式1を撓みの式に代入すると、
2 v/dx2 =W(l−x)÷EI ・・・〔3〕
となる。ここに、Eは縦弾性率、Iは断面2次モーメントである。
上記数式3をxで積分すると、
dv/dx=W{lx−(x2 /2)}÷EI+C1 ・・・〔4〕
となる。ここに、C1 は積分定数である。
さらに、上記数式4をxで積分すると、
v=W{(lx2 /2)−(x3 /6)}÷EI+xC1 +C2 ・・〔5〕
ここに、C2 は積分定数である。
また、x=0のときv=0、dv/dx=0となるのでC1 =C2 =0となって、数式5は次の数式6に示すようになる。
v=W{(lx2 /2)−(x3 /6)}÷EI ・・・〔6〕
【0028】
次に、数式6で示される撓みvを振動時における振幅vとして、実際に制振アクチュエータ10を振動台21の上で片持ち支持し、レーザー変位計22のレーザー変位検出部22aにより、自由端付近(x=140[mm])の振幅、長さ(l=150[mm])を数式6に代入する。
このときの制振アクチュエータ10の振幅は、振動台21を基準とするため振幅vは、図6の時刻歴応答のグラフから振幅抑制が完全に終了した3〔秒〕葺きの振幅の絶対値(=1.0[mm])と、振動台21の振幅の絶対値(=0.12[mm])の差(Δv=0.88[mm]とし、振動第に対する制振アクチュエータ10の振幅とした。
これらの数値を数式〔6〕に代入する。
【0029】
0.88=W{(150×1402 /2)−(1403 /6)}÷EI
∴ W/EI=8.69×10-7 ・・・〔7〕
また、図6から共振時の振幅(=3.9[mm])でも、振動抑制時と同様に、制振アクチュエータ10と振動台21との相対的な振幅(V=3.78)を数式6に代入すると、
3.78=W{(150×1402 /2)−(1403 /6)}÷EI
∴ W/EI=3.73×10-6 ・・・〔8〕
となる。
【0030】
そして、数式7及び数式8として求められた値を数式6に代入すると、
(i) 振動抑制時;v=8.69×10-7{(150x2 /2)−(x3 /6)}・・・〔9〕
(ii)共振時;v=3.73×10-6{(150x2 /2)−(x3 /6)}・・・〔10〕
【0031】
この数式9と数式10の振幅vと、位置関係x(0≦x≦150)を図12のグラフに示す。図12は、上記数式によって求めた振幅vと、位置関係x(0≦x≦150)とを振動抑制時及び共振状態で示す特性図であって、横軸に位置x[mm]を、縦軸に振幅v[mm]を、それぞれとったものである。
この図からも分かるように、共振の場合には、ガラス繊維強化プラスチック板29の先端にゆくほど振幅vが大きくなって最大(x=150)で振幅vが4.3[mm]となっていることかわかる。
【0032】
また、振動抑制状態でも、ガラス繊維強化プラスチック板29の先端にゆくに従って振幅vは大きくなる傾向を示すが、最大(x=150)でも振幅vが約1[mm]程度に抑えられていることがわかる。
一方、制振アクチュエータ10の最初の位置を基準点(=0点)としたときの、制振アクチュエータ10の振幅v’と、振幅測定位置xとの関係は、振動台21の振幅(=0.12[mm])をも含む必要がある。そのため、振幅抑制時では次の数式11で求められ、共振時では次の数式12で求められる。
【0033】
(iii) 振動抑制状態; v’=8.69×10-7{(150x2 /2)−(x3 /6)}+0.12 ・・・〔11〕
(iv)共振時;v’=3.73×10-6{(150x2 /2)−(x3 /6)}+0.12 ・・・〔12〕
【0034】
この数式11と数式12の振幅v’と、位置x(0≦x≦150)との関係、及び振動第の振幅(23.4〔Hz〕時)とを図13のグラフに示す。図13は、上記数式によって求めた振幅v’と、位置x(0≦x≦150)の関係、及び、振動台の振幅の関係を示す特性図であって、横軸に位置x[mm]を、縦軸に振幅v[mm]を、それぞれとったものである。
この図からも分かるように、共振の場合には、ガラス繊維強化プラスチック板29の先端にゆくほど振幅vが大きくなって最大(x=150)で振幅vが4.5[mm]となっていることかわかる。
【0035】
また、振動抑制状態でも、ガラス繊維強化プラスチック板29の先端にゆくに従って振幅vは大きくなる傾向を示すが、最大(x=150)でも振幅vが約1[mm]程度に抑えられていることがわかる。
さらに、振動台21の振動は、一定であることがわかる。
以上のことから、上記制振アクチュエータ10は、振動を抑制するアクチュエータとしての能力を充分に有している。
【0036】
〔本発明の第2の実施の形態及び第2の実施例〕
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る振動センサー及びそれの第2の実施例を示す平面図である。
本発明に係る振動センサー30は、図14に示すように、抵抗材料としての形状記憶合金繊維線31で構成した配線網32と、前記配線網32を含有させたベースとしてのガラス繊維強化プラスチック板33とからなる。すなわち、前記配線網32は、抵抗材料としてTi−Ni合金からなる形状記憶合金繊維線31を所定のピッチ(例えば0.1[mm])にジグザクに、ベースであるガラス繊維強化プラスチック板33に密着固定させたものである。また、配線網32の端末には、アルミ圧着端子34,35が接続固着されている。
【0037】
ここで、前記振動センサー30は、図14に示すように、例えば長さ190[mm]、幅15[mm]、厚さ1.5[mm]の寸法に形成した形状になっている。また、形状記憶合金繊維線31の径は、100[μm]のものを使用した。また、振動センサー30の重量は、10〔g〕に設定した。その結果、前記振動センサー30において、形状記憶合金繊維線31がガラス繊維強化プラスチック板33内に占める体積率(ガラス繊維強化プラスチック板33の断面積に対する配線網32の断面積の合計の割合)は、0.51〔%〕になった。
【0038】
また、前記振動センサー30は、変形なしの状態で577[Ω]となった。このような構造にすることにより、約1.0[μΩm]の抵抗率を持つ当該振動センサー30を得ることができた。なお、この抵抗値及び抵抗率は、振動センサー30のアルミ圧着端子34,35を抵抗計に接続して実測した結果得られたものである。
【0039】
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る振動センサーと対比するために用いたひずみゲージを示す平面図である。
図15において、ひずみゲージ40は、抵抗材料としてニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金から抵抗線箔41で構成した配線網42と、この配線網42が蒸着されているポリイミドで構成したベース43とから構成したものである。
【0040】
このひずみゲージ40は、株式会社共和電業製で、型式がKFRP−5−120−C1−9のもので、抵抗線箔41にはNi−Cr系合金箔を使用し、ベース43はポリイミドを使用している。さらに、前記ベース43の寸法は縦5[mm]×横15[mm]であり、前記ベース43上に蒸着されている配線網42の寸法は縦1.4[mm]×横5[mm]である。また、このひずみゲージ40は変形なしの状態で120[Ω]となっており、かつ、ゲージ率は約2.1〔%〕とされている。このひずみゲージ40の抵抗率は1.1[μΩm]であった。
【0041】
したがって、上記図14に示す振動センサー30は、図15に示すひずみゲージ40とは寸法が異なるものの、前記形状記憶合金繊維線31が前記ひずみゲージ40の抵抗線箔41と非常に近い性質をもっているため、前記ひずみゲージ40と略同一の抵抗率を持ったものとなり、かつ、前記ひずみゲージ40と同様に当該振動センサー30が微小ひずみに対しても大きな抵抗R値の変動を得ることができることになる。
【0042】
(検証1)
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る振動センサーがひずみゲージと同じ性質を有するか否かを検証するセンサー検証システムを示すブロック図である。図17は、 比較用のひずみゲージを前記振動センサーと同一寸法のガラス繊維強化プラスチック板に貼り付け、当該ガラス繊維強化プラスチック板を自由振動させたときの測定系を示す図である。
【0043】
図18は、上記振動センサーを自由振動させたときに、前記センサー検証システムにより当該振動センサーの抵抗値の変化の様子を測定した結果得られた特性図であって、横軸に時間を、縦軸に抵抗値を、それぞれとったものである。
図19は、比較用のひずみゲージを前記振動センサーと同一寸法のガラス繊維強化プラスチック板に貼り付け、当該ガラス繊維強化プラスチック板を自由振動させたときに、図17の測定系を用いて、ひずみゲージの抵抗値の変化の様子を測定した結果得られた特性図であって、横軸に時間を、縦軸に抵抗値を、それぞれとったものである。
【0044】
この図16において、センサー検証システム50は、当該振動センサー30の検出信号を所定の振幅値にする検出補助回路51と、前記検出補助回路51からの検出信号を所定レベルまで増幅する演算増幅器52と、前記演算増幅器52からのアナログ検出信号をデジタル検出信号にするアナログ・デジタル変換器53と、前記アナログ・デジタル変換器53からのデジタル検出信号をデータ収集するコンピュータ54とから構成されている。
【0045】
前記検出補助回路51はホイートストンブリッジで構成されており、a点とc点の間に抵抗Raを、b点とd点の間に抵抗Rbを、c点とb点の間に抵抗Rcを、a点とd点の間に振動センサー30と精密可変抵抗Rxとの直列回路を、c点とd点の間に直流5〔V〕の電池Eを、それぞれ接続し、かつ、a点とb点とから検出信号を取り出すようになっている。ここで、抵抗Ra,Rb,Rcは600[Ω]を使用し、精密可変抵抗Rxは0〜100[Ω]の抵抗値のものを使用した。
【0046】
また、振動センサー30を図16に示すように片持ち支持し、かつ、前記振動センサー30を自由振動させて、上記センサー検証システム50により、前記振動センサー30の抵抗値の変化の様子(自由振動波形)を測定した。その測定結果は、図18に示すような特性図となった。この図18からわかるように、時刻にしたがって振動が減衰してゆく波形を得ることができた。
【0047】
次に、ひずみゲージ40の測定系を図17を参照しながら説明する。ひずみゲージ40の測定系は、図17に示すように、端子iと端子kの間に接続した120[Ω]の抵抗Ri、端子jと端子lの間に接続した120[Ω]のRj、端子kと端子lの間に接続した120[Ω]のRkからなるホイートストンブリッジWBと、端子iと端子jの間に接続したひずみゲージ40と、前記端子jと端子kに直流電圧を供給しかつ前記端子jと端子kからひずみ検出信号を取り込む動ひずみ計DSMと、前記動ひずみ計DSMからのアナログひずみ検出信号をデジタルひずみ検出信号に変換アナログ・デジタル変換器53と、前記アナログ・デジタル変換器53からのデジタル検出信号をデータ収集するコンピュータ54とから構成されている。
【0048】
ここで、動ひずみ系DSMは、共和電業株式会社製で、型式DPM−700B、適用抵抗80〜1000[Ω]、平行調整範囲±2〔%〕、平行調整方式は十電子式オートバランスであり、感度は10×10-3ひずみ入力0.2[V]、ゲージ率2.00(固定)である。また、ホイートストンブリッジは、共和電業株式会社製、型式がDB−120Pで、固定抵抗120[Ω]である。
【0049】
さらに、前記振動センサー30と同一の寸法のガラス繊維強化プラスチック板PBを図16に示すと同じように片持ち支持し、そのガラス繊維強化プラスチック板PBの固定部分の近くにひずみゲージ40を貼り付け、ガラス繊維強化プラスチック板PBを自由振動させて、図17に示す測定系を用いて、ひずみゲージ40の抵抗値の変化の様子(自由振動波形)を測定した。その測定結果は、図19に示すような特性図となった。この図19からわかるように、時刻にしたがって振動が減衰してゆく波形を得ることができた。
【0050】
すなわち、前記振動センサー30の自由振動が減衰してゆく時間は、前記ひずみゲージ40の自由振動が減衰してゆく時間とは異なるものの、同様な形状となることがわかる。
また、図18の波形と図19の波形から、前記振動センサー30の検出能力の妥当性を調べるため、両測定値の固有振動数及び弦水肥を求めたところ、この振動センサー30の測定値と、前記ひずみゲージ40の測定値に大きな相違はなかったため、前記振動センサー30の検出能力の有効性を確かめることができた。
【0051】
なお、図8に示すような、ガラス繊維強化プラスチック板を片持ち支持し、それの固定部付近に、前記ガラス繊維強化プラスチック板より小さい振動センサーを固定した構造であっても、上述したと同様な波形を得ることができることはいうまでもない。
このように上記振動センサー30は、振動を有効に検出できるセンサーとしての能力を有している。
【0052】
(本発明の第3の実施の形態)
図20は、本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムを示すブロック図である。
本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システム60は、振動を検出し当該振動に対して逆の運動を供給して制振させるものであり、図20に示すように、振動を検出する振動センサー61と、当該振動センサー61の検出信号を所定の振幅値にする検出補助回路62と、前記検出補助回路62からの所定振幅の検出信号を前処理して振動信号にする前処理回路63と、前記前処理回路63からの振動信号を取込み、当該振動信号が共振しているときに電流を供給し、当該振動信号が共振しないときに電流の供給を止める制御回路64と、前記制御回路64から供給される電流の有無によって制振動作を行う制振アクチュエータ65とから構成されている。
【0053】
なお、前記振動センサー61と前記制振アクチュエータ65は、振動源に取り付けられている。また、振動センサー61は本発明の第2の実施の形態に係る振動センサー30を使用し、前記制振アクチュエータ65は本発明の第1の実施の形態の制振アクチュエータ10を使用している。
さらに、前記前処理回路63及び制御回路64は、特に示していないが、直流電源から所望の電力の供給を受けるように構成されている。
このような構成の動作を説明する。図21は、本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムにおける制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【0054】
前記振動センサー61が振動を検出すると、前記検出補助回路62で所定の振幅値にされて振動検出信号が出力される。前記振動検出信号は、前処理回路63に入力される。前処理回路63では、入力された振動検出信号を所定のレベルに増幅し、また、所定レベルになった振動検出信号から不要な成分を除去した後の振動信号を制御回路64に与える。
【0055】
前記制御回路64は、入力された振動信号が共振しているか否かを判定する(図21のS20)。前記制御回路64は、入力された振動信号が振動していると判断したときには(図21のS20;YES)、前記制振アクチュエータ65に電流を供給する(図21のS21)。一方、前記制御回路64は、入力された振動信号が振動していない判断したときには(図21のS20;NO)、前記制振アクチュエータ65に電流を供給しない(図21のS22)。
前記制御回路64は、上述した動作を繰り返すことにより、振動源からの振動を抑制させることができる。
【0056】
(本発明の第3の実施の形態の具体例)
図22ないし図24は本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例を説明するためのものである。ここに、図22は、本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例を示す回路図である。図23は、本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例において、制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。図24は、本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例において、制御回路の動作を説明するためのタイミングチャートであって、図24(a)が制御回路に入力される入力信号波形を、図24(b)が制御回路から出力される出力信号を、それぞれ示すものである。
【0057】
また、図24(a)において、横軸に時間を、縦軸に入力波形を、それぞれとったものである。図24(b)において、横軸に時間を、縦軸に出力信号を、それぞれとったものである。
本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システム60の具体例も、図22に示すように、振動センサー61と、検出補助回路62と、前処理回路63と、制御回路64と、制振アクチュエータ65とから構成されており、前記検出補助回路62と、前記前処理回路63と、前記制御回路64とが具体的な回路構成として示されている。以下、前記検出補助回路62と、前記前処理回路63と、前記制御回路64とについて、具体的に説明する。
【0058】
前記検出補助回路62はホイートストンブリッジで構成されており、a点とc点の間に抵抗Raを、b点とd点の間に抵抗Rbを、c点とb点の間に抵抗Rcを、a点とd点の間に振動センサー61と精密可変抵抗Rxとの直列回路を、c点とd点の間に直流5〔V〕の電池Eを、それぞれ接続し、かつ、a点とb点とから検出信号を取り出すようになっている。ここで、抵抗Ra,Rb,Rcは600[Ω]を使用し、精密可変抵抗Rxは0〜100[Ω]の抵抗値のものを使用している。
【0059】
前記前処理回路63は、前記検出補助回路62のa点とb点とから取り出された検出信号を増幅する増幅回路63aと、前記増幅回路63aで増幅された検出信号から高調波成分を取り除いて振動信号として出力するくローパスフィルタ回路63bとから構成されている。
ここで、前記増幅回路63aは、ANALOG DEVICES製のインスツルメンテーションアンプICで、型式が「AD623」のものを使用し、増幅度を50〔デシベル〕に設定した。演算増幅器OP1〜OP3と、抵抗R2〜R7とは、型式が「AD623」にワッチップICとして内部に含まれる。ただし、抵抗R1だけは、増幅率を決定するために外付けする。また、コンデンサC1〜C3も外乱を防ぐために、外付けしたものである。
【0060】
前記演算増幅器OP1,OP2,OP3は、電源プラス端子を直流電源(+9〔V〕)に、電源マイナス端子をアースに、それぞれ接続されている。前記演算増幅器OP1の電源プラス端子はコンデンサC1(0.1[μF])を介してアースに接続されている。前記演算増幅器OP2の電源プラス端子はコンデンサC2(0.1[μF])を介してアースに接続されている。前記演算増幅器OP3の電源プラス端子はコンデンサC3(0.1[μF])を介してアースに接続されている。
【0061】
前記演算増幅器OP1のマイナス入力端子は抵抗R1(400[Ω])を介して前記演算増幅器OP2のマイナス入力端子に接続されている。前記演算増幅器OP1のプラス入力端子は、検出補助回路62のホイートストンブリッジのa点に接続されている。前記演算増幅器OP2のプラス入力端子は、検出補助回路62のホイートストンブリッジのb点に接続されている。
【0062】
前記演算増幅器OP1のプラス入力端子は、抵抗R2(50[kΩ])を介して前記演算増幅器OP1の出力端子に接続されている。前記演算増幅器OP2のプラス入力端子は、抵抗R3(50[kΩ])を介して前記演算増幅器OP2の出力端子に接続されている。前記演算増幅器OP1の出力端子は、抵抗R4(50[kΩ])を介して演算増幅器OP3のマイナス入力端子に接続されている。前記演算増幅器OP2の出力端子は、抵抗R5(50[kΩ])を介して演算増幅器OP3のプラス入力端子に接続されている。
【0063】
前記演算増幅器OP3のマイナス入力端子は、抵抗R6(50[kΩ])を介して当該演算増幅器OP3の出力端子に接続されている。前記演算増幅器OP3のプラス入力端子は、抵抗R7(50[kΩ])を介してアースに接続されている。前記演算増幅器OP3の出力端子は、当該増幅回路63aの出力端子となる。
前記ローパスフィルタ回路63bは、演算増幅器OP4と、抵抗R8,R9と、コンデンサC4〜C7とを備え、次のように構成されている。この演算増幅器OP4は、Texas Instrunents Inc製、型式が「OP07C」を使用した。前記演算増幅器OP4のプラス電源端子はプラス直流電源(+9[V])に接続されるとともに、コンデンサC4を介してアースに接続されている。また、前記演算増幅器OP4のマイナス電源端子はマイナス直流電源(−9[V])に接続されるとともに、コンデンサC5を介してアースに接続されている。
【0064】
前記増幅回路63aの出力端子(前記演算増幅器OP3の出力端子)は、抵抗R8(10[kΩ])と抵抗R9(10[kΩ])の直列回路を介して前記演算増幅器OP4のプラス入力端子に接続されている。前記抵抗R8と抵抗R9の接続点は、コンデンサC6を介して演算増幅器OP4の出力端子に接続されている。また、前記演算増幅器OP4のプラス入力端子は、コンデンサC7を介してアースに接続されている。前記演算増幅器OP4のマイナス入力端子は、当該演算増幅器OP4の出力端子に接続されている。この演算増幅器OP4の出力端子が前記ローパスフィルタ回路63bの出力端子となる。なお、ローパスフィルタ回路63bは、遮断周波数を1〔kHz〕に設定した。
【0065】
次に、制御回路64の具体的構成を説明する。この制御回路64は、PIC(Peripheral Interface Controller)64aと、前記PIC64aからの出力信号を増幅する電力増幅回路64bとから構成されている。
このPIC64aとは、コンピュータの周辺に接続される周辺機器の接続部分を制御するためのマイクロコントローラであって、プログラムにより機能を実現することができる集積回路(IC)である。
【0066】
このPIC64aは、ミッドレンジシリースの「PIC16F877」を使用した。この「PIC16F877」は、Microchip Technology Inc製である。このPIC64aは、検出補助回路62から得られた振動検出信号を当該PIC64aの内部に搭載したアナログ・デジタル変換器でアナログ・デジタル変換を行い、適切な電圧を計算して出力するような制御機能を持たせたものである。このPIC64aは、分解能が10ビットのアナログ・デジタル変換器を内蔵したものである。また、PIC64aのレファレンス電圧(0[V]<Vref<2.5[V])の兼ね合いから、上記増幅回路63aの増幅度は50〔dB〕に設定されている。
【0067】
また、前記PIC64aには、共振状態を判断させる手段として差分法の原理をプログラムして記憶させた。これのプログラムは次のような手法による。まず、図23(a)に示すような入力信号がPIC64aに入力されると、前記PIC64aは当該入力信号を周期Δtでサンプリングし、当該PIC64a内のアナログ・デジタル変換器でアナログ・デジタル変換する。その時々の入力電圧の値をa0 ,a1 ,a2 ,…,an とする。また、PIC64aは、「現在得られた入力信号の電圧値am 」と、「一つ前に測定した入力信号の電圧値am-1 」の差を二乗し、予め定められた基準値ΔV2 と比較し、(am −am-1 )2 がΔV2 より大きければ出力電圧Vout をONにし、(am −am-1 )2 がΔV2 より小さければ出力電圧Vout をOFFにする動作をするように構成されている。このPIC64aの出力電圧Vout は、電力増幅回路64bに入力される。電力増幅回路64bは所定の電力増幅をし、その出力電圧を制振アクチュエータ65に供給するようになっている。
【0068】
このような構成の制振制御システム60の動作を説明する。振動センサー61が振動を検出すると、振動の大きさに応じた抵抗値の変化を示す。この振動センサー61による抵抗値の変化は、ホイートストンブリッジで構成された検出補助回路62によって所定のレベルの振動検出信号として出力される。
前記検出補助回路62の出力端子から出力された振動検出信号は、前処理回路63の増幅回路63aの演算増幅器OP1,OP2,OP3によって所定の増幅度(50〔dB〕)で定められたレベルまで増幅される。
【0069】
前記増幅回路63aで増幅された振動検出信号は、ローパスフィルタ回路63bによって高調波成分が除去されて振動信号とされ、ローパスフィルタ回路63bの出力端子からPIC64aの入力端子に供給される。このローパスフィルタ回路63bから出力される振動信号(PIC64aの入力端子に入力される振動信号)は、図23(a)に示すような入力信号波形を示す。
前記PIC64aは、入力された入力信号をサンプリング周期Δtでアナログ・デジタル変換し、その電圧値をa0 とし、これを記憶する。なお、PIC64aは、現在の電圧値と、一サンプリング周期前の電圧値とを少なくとも記憶できるようになっている。
【0070】
前記PIC64aは、最初( 時刻t0) は、一サンプリング周期前に得て記憶しておいた電圧値がないので、これをゼロとし、このゼロと現在の電圧値a0 との差の二乗が、予め記憶させておいた基準電圧Δt2より小さいと判断され(図22のS30;False)、出力電圧Vout がOFFになる(図22のS32)。これにより、前記電力増幅回路64bから前記制振アクチュエータ65には電流が供給されない。
【0071】
次の周期(t1)では、前記PIC64aは、入力信号の電圧値a1 を得るので、(a0−a1 )2 がΔV2 より大きくなって(図23のS30;True)、入力された振動信号が振動していると判断され、出力電圧V
out をONになる(図23のS31、図24(b)の時刻t1)。これにより、前記電力増幅回路64bからは前記制振アクチュエータ65に電流が供給される。
さらに次の周期(t2)では、前記PIC64aは、入力信号の電圧値a2を得ると、(a1−a2)2 がΔV2 より小さくなって(図23のS30;False)、入力された振動信号が振動していないと判断され、出力電圧Vout をOFFとなる(図23のS31、図24(b)の時刻t2)。これにより、前記電力増幅回路64bから前記制振アクチュエータ65には電流が供給されない。
【0072】
次の周期(t3)では、前記PIC64aは、入力信号の電圧値a3 を得るので、(a2 −a3 )2 がΔV2 より大きくなって(図23のS30;True)、入力された振動信号が振動していると判断され、出力電圧Vout をONになる(図23のS31、図24(b)の時刻t3)。これにより、前記電力増幅回路64bからは前記制振アクチュエータ65に電流が供給される。
【0073】
さらに次の周期(t4)では、前記PIC64aは、入力信号の電圧値a4 を得るので、(a3 −a4 )2 がΔV2 より大きくなって(図23のS30;True)、入力された振動信号が振動していると判断され、出力電圧Vout をONになる(図23のS31、図24(b)の時刻t4)。これにより、前記電力増幅回路64bから前記制振アクチュエータ65には電流が供給される。
さらに次の周期(t5)では、前記PIC64aは、入力信号の電圧値a5 を得ると、(a4 −a5 )2 がΔV2 より小さくなって(図23のS30;False)、入力された振動信号が振動していないと判断され、出力電圧Vout をOFFとなる(図23のS31、図24(b)の時刻t5)。これにより、前記電力増幅回路64bから前記制振アクチュエータ65には電流が供給されない。
【0074】
さらに次の周期(t6)では、前記PIC64aは、入力信号の電圧値a6 を得るので、(a5 −a6 )2 がΔV2 より大きくなって(図23のS30;True)、入力された振動信号が振動していると判断され、出力電圧Vout をONになる(図23のS31、図24(b)の時刻t6)。これにより、前記電力増幅回路64bから前記制振アクチュエータ65には電流が供給される。
前記PIC64aが、振動源に取り付けた振動センサー61からの振動検出信号を基に上述した動作を次々と繰り返すことにより、振動源に取り付けた制振アクチュエータ65によって振動を抑制させることができる。
なお、上記振動センサー61と制振アクチュエータ65とは別々に振動源に取り付けてもよいし、また、振動センサー61と制振アクチュエータ65とを1体に構成したものであってもよい。
【0075】
(応用例)
なお、上記制振制御システム60は、例えば車両や運行体の各種制御システムを構成するICプリント基盤の振動制御に応用できる。
また、上記制振制御システム60は、スポーツ施設や体育館などに用いられるシェル空間構造の膜構造やフレーム剤の接合部に当該振動センサー61と制振アクチュエータ65との一体板を用い、かつ制振制御システム60で制振アクチュエータ65を制御するることにより、風や地震に対する免震材としての機能をさせることができる。
【0076】
上述した制振アクチュエータ10や振動センサー30の構造をもつ本本発明の構造体は、可変剛性機能(硬さや変形のしにくさを変化させられる)、ひずみ検知機能、高い材料減衰特性、高い成型の自由度第、結露がしにくい、高い光透過性、電波透過性、形状記憶効果など多くの利点があるので、応用分野に応じた材料設計を行うことができ、多用な分野への適用が可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、形状記憶合金繊維線で構成した配線網と、前記配線網を含有させたガラス繊維強化プラスチック板とからなるので、製造コストが安く、かつ、応答のよい制振動作をする制振アクチュエータを得ることがきるという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、形状記憶合金繊維線で構成したと配線網と、前記配線網を含有させたガラス繊維強化プラスチック板とからなるので、簡単な構造でかつ確実に振動を検出できる振動センサーを得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、振動を検出する振動センサーと、当該振動センサーの検出信号を所定の振幅値にする検出補助回路と、前記検出補助回路からの所定振幅の検出信号を前処理して振動信号にする前処理回路と、前記前処理回路からの振動信号を取込み、当該振動信号が共振しているときに電流を供給し、当該振動信号が共振しないときに電流の供給を止める制御回路と、前記制御回路から供給される電流の有無によって制振動作を行う制振アクチュエータとからなり、振動センサーからの振動検出信号を基に共振しているか否かで制振アクチュエータに流す電流を制御して振動を抑制するので、製造コストを抑え、かつ、振動源の振動確実に抑制することができる制振制御システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータ及びそれの第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータ及びそれの第1の実施例を示す平面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータの製造方法の一例を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムを示す図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムの振動台に制振アクチュエータを方持支持した状態を示す説明図である。
【図6】 図5の状態に片持ち支持した制振アクチュエータを検証システムで検証した際に得られた振動特性を示す特性図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証するシステムに与えた振動台の時刻履応答を示す特性図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムの振動台に所定の長さのガラス繊維強化プラスチック板を片持ち支持するとともに前記ガラス繊維強化プラスチック板の固定部付近のみ制振アクチュエータを片持ち支持した状態を示す説明図である。
【図9】 図8の状態に片持ち支持した制振アクチュエータを検証システムで検証した際に得られた振動特性を示す特性図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータが制振できることを検証する検証システムの振動台に与えた振動台の時刻履応答を示す特性図である。
【図11】 本発明の第1の実施の形態に係る制振アクチュエータの振幅と検証システムの振動台の振幅の関係を説明するための図である。
【図12】 上記数式によって求めた振幅vと、位置関係xとを振動抑制時及び共振状態で示す特性図である。
【図13】 上記数式によって求めた振幅v’と、位置xの関係、及び、振動台の振幅の関係を示す特性図である。
【図14】 本発明の第2の実施の形態に係る振動センサー及びそれの第2の実施例を示す平面図である。
【図15】 本発明の第2の実施の形態に係る振動センサーと対比するために用いたひずみゲージを示す平面図である。
【図16】 本発明の第2の実施の形態に係る振動センサーがひずみゲージと同じ性質を有するか否かを検証するセンサー検証システムを示すブロック図である。
【図17】 比較用のひずみゲージを振動センサーと同一寸法のガラス繊維強化プラスチック板に貼り付け、当該ガラス繊維強化プラスチック板を自由振動させたときの測定系を示す図である。
【図18】 上記振動センサーを自由振動させたときに、前記センサー検証システムにより当該振動センサーの抵抗値の変化の様子を測定した結果得られた特性図である。
【図19】 比較用のひずみゲージを前記振動センサーと同一寸法のガラス繊維強化プラスチック板に貼り付け、当該ガラス繊維強化プラスチック板を自由振動させたときに、図17の測定系により、ひずみゲージの抵抗値の変化の様子を測定した結果得られた特性図である。
【図20】 本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムを示すブロック図である。
【図21】 本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムにおける制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】 本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例を示す回路図である。
【図23】 本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例において、制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図24】 本発明の第3の実施の形態に係る制振制御システムの具体的構成例において、制御回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 制振アクチュエータ
30 振動センサー
11,31 形状記憶合金繊維線
12,32 配線網
13,33 ガラス繊維強化プラスチック板
14,15、34,35 アルミ圧着端子
20 アクチュエータ検証システム
21 振動台
22 レーザー変位計
23 固定具
24 アナログデジタル変換器
25 コンピュータ
50 センサー検証システム
51 検出補助回路
52 演算増幅器
53 アナログ・デジタル変換器
54 コンピュータ
60 制振制御システム
61 振動センサー
62 検出補助回路
63 前処理回路
63a 増幅回路
63b ローパスフィルタ回路
64 制御回路
64a PIC
64b 電力増幅回路
65 制振アクチュエータ

Claims (2)

  1. 温度変化によって剛性が変化する形状記憶合金繊維線を一定のピッチでジグザクに配置した形状に構成した配線網の上側と下側とにガラス繊維強化プラスチック板を配置し、これらガラス繊維強化プラスチック板を前記配線網に押しつけて紫外線を照射してガラス繊維強化プラスチック板の内部に前記配線網が含有した形状に構成してなることを特徴とする制振アクチュエータ。
  2. 抵抗材料である形状記憶合金繊維線を一定のピッチでジグザクに配置した形状に構成した配線網の上側と下側とにガラス繊維強化プラスチック板を配置し、これらガラス繊維強化プラスチック板を前記配線網に押しつけて紫外線を照射してガラス繊維強化プラスチック板の内部に前記配線網が含有した形状に構成してなることを特徴とする振動センサー。
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