JP4347979B2 - 建物商品ニーズ情報処理システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、建物商品に対するニーズを把握するのに役立つ建物商品ニーズ情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅等の建物を購入しようとする人(以下、建物購入予定者という)が、或るメーカーから提供されている複数の建物商品のなかで自身が望む建物商品を選択する場合、モデルハウスの展示場やオープンハウスの場所に出向いて実際の建物商品を見学することが多い。そして、一般に営業マンは見学される方から様々な情報を得て建物商品のニーズを把握するように務めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建物購入予定者から提供される様々な情報のなかでどの情報が真にニーズとして把握されるべきなのか、その判断は大変に難しい。また、上記情報に基づいて建物商品の品揃えをどのようにするかといった判断をするのも大変に難しい。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑み、建物商品に対するニーズをできるだけ的確に把握することを可能にし、また建物商品の品揃えの判断に役立つ情報を生成できる建物商品ニーズ情報処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の建物商品ニーズ情報処理システムは、上記の課題を解決するために、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求および土地を特定する情報が入力される入力端末と、土地についての情報が蓄積された第1データベースと、入力された土地特定情報に基づいて前記第1データベースから得られる土地についての情報および入力された要求情報を含む建物商品購入予定者要求情報を生成する情報生成部と、前記建物商品購入予定者要求情報が蓄積される第2データベースと、前記建物商品購入予定者要求情報又は当該要求情報を加工した情報が出力される出力端末と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記の構成であれば、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求をそのまま要求として単純に把握するのではなく、建物を建てようとしている土地との関係を考慮して上記要求を捉えることができるので、土地との関係で建物商品に対するニーズを的確に把握することが可能になる。
【0007】
共通する要求が存在する建物商品購入予定者要求情報をリストアップし、リストアップされた情報のなかから土地に関して共通する情報を取得し、土地に関して共通する情報を有するものの数が所定基準よりも多いときに、共通する情報を持つ土地に対して前記共通する要求を土地対応ニーズ情報として保持するのがよい。前記土地対応ニーズ情報に基づいて第1データベース内の情報の修正及び/又は追加を行ってもよい。また、前記土地対応要ニーズ報に基づいて第2データベース内の情報の修正及び/又は追加を行ってもよい。
【0008】
また、この発明の建物商品ニーズ情報処理システムは、建物商品情報が蓄積された第1データベースと、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報が入力される入力端末と、入力された要求に基づいて建物商品購入予定者要求情報を生成する情報生成部と、前記建物商品購入予定者要求情報が蓄積される第2データベースと、前記建物商品購入予定者要求情報に基づく所定要求項目の要求分布および前記建物商品情報に基づいた当該要求項目についての建物商品品揃え分布を生成する情報処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記の構成であれば、前記建物商品購入予定者要求情報に基づく所定要求項目の要求分布および前記建物商品情報に基づいた当該要求項目についての建物商品品揃え分布が生成されるので、所定要求項目について建物商品に対する要求と現在保有する建物商品の品揃えのずれを的確に把握することが可能になる。
【0010】
前記要求分布及び建物商品品揃え分布を画像出力するのがよい。また、前記要求分布と建物商品品揃え分布とを比較し、相違度合いが所定基準を超えるときに報知するようにしてもよい。
【0011】
以上に示したいずれかの構成において、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報を、建物商品の選定を支援していく過程のなかで取得するようにしてもよい。
【0012】
また、この発明の建物商品ニーズ情報処理システムは、建物商品情報が蓄積された第1データベースと、既に建築した建物に関する情報が蓄積された第2データベースと、前記第1データベースの建物商品情報と前記第2データベースの既に建築した建物に関する情報とを比較することで標準商品に対して実際に建築した建物の変更点情報を検出し、この変更点情報に基づいてニーズ判断に役立つ情報処理を行う情報処理部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記の構成であれば、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報ではなく、実際に建物を建てた人の現に実行した要求情報を捉えることができ、建物商品に対するニーズを的確に把握することが可能になる。
【0014】
また、この発明の建物商品ニーズ情報処理システムは、既に建築した建物の標準建物商品に対して相違する変更点情報が蓄積されたデータベースと、前記変更点情報に基づいてニーズ判断に役立つ情報処理を行う情報処理部と、を備えたことを特徴とする。かかる構成においても、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報ではなく、実際に建物を建てた人の現に実行した要求情報を捉えることができ、建物商品に対するニーズを的確に把握することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1乃至図9に基づいて説明する。
【0016】
図1は、この実施形態の建物商品ニーズ情報処理システムの概略構成を示した図であり、同図(a)は独立設置タイプを示し、同図(b)は通信ネットワークを利用するタイプを示している。この実施形態における建物商品ニーズ情報処理システム10は、第1データベースDB1、第2データベースDB2、第3データベースDB3、第4データベースDB4、建物商品ニーズ情報処理部1、入力部(キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル等)2、第1出力部(ディスプレイ、プリンタ等)3、及び第2出力部(ディスプレイ、プリンタ等)4を備えており、建物選定支援システムも兼ねるように構成されている。同図(b)においては、パーソナルコンピュータ12が入力部2及び出力部3を成し、ホストコンピュータ11がデータベースDB1,DB2,DB3,DB4、建物商品ニーズ情報処理部1、及び第2出力部4を成す。パーソナルコンピュータ12及びホストコンピュータ11は共に通信機能を備え、例えばインターネット13を通じて情報の通信を行うようになっている。なお、パーソナルコンピュータ12に限らず、情報の入出力及び通信が可能の機器であれば、どのような機器(例えばディジタル放送受信テレビやゲーム機器等)でもよい。また、インターネット13に限らず、公衆回線、専用回線を用いたり、或いは無線で通信を行うものでもよい。
【0017】
第1データベースDB1は、土地についての自然環境情報、土地についての社会環境情報、土地についての法的環境情報、及び地図データを蓄積している。図2(a)は第1データベースDB1の詳細(地図データは省略)を示している。土地についての自然環境情報とは、土地に固有の基本的に自然に由来する情報であり、例えば、気候情報(積雪量情報、降雨量情報、気温情報、湿度情報、台風関連情報、日照情報等)、地耐力情報(盛土、埋め立て情報等の自然に由来しない情報も含み得る)、地震情報、塩害情報、土地傾斜情報、土地面積情報、及び土地形状情報等がある。土地についての社会環境情報とは、土地周辺に設置された人工物或いは土地周辺を通過する人工物に由来する情報であり、騒音情報、及び地域設備情報(都市インフラ情報:図では地域設備情報として周辺道路幅情報を示している)がある。法的環境情報とは、土地についての法的な規制に関する情報であり、防火・準防火情報、用途制限情報、建ぺい率情報、及び容積率情報等がある。地図データは、建物・道路・鉄道情報、地質情報、土地利用情報、植生情報などから成り、例えば、「○市○町1丁目…」について、「近くに線路が在る」「近くに杉の森林が在る」「近くに海岸が在る」といった情報を提供することができる。
【0018】
そして、この実施形態では、積雪量、地耐力、地震、騒音などについては、5段階ランクで数字を当てはめることとしている。ここでは、“5”の数値を有する土地が最も悪条件であることを示し、“1”の数値を有する土地が最も良い条件であることを示している。一方、土地面積、道路幅、建ぺい率等については、具体的な数値が記述される。土地形状については、例えば、その土地の測量情報が保有される。なお、全ての土地について全ての情報が格納されているわけではない。土地面積情報や土地形状情報については、これらの情報が蓄積されていない場合、或いは、蓄積されていても○番○号といった具体的住所を入力するのを躊躇する利用者に対する場合、利用者が土地面積情報と土地形状情報とを入力するようにしてもよい。
【0019】
第2データベースDB2は、各建物商品について、自然環境情報に対する数値化された適正判定情報と社会環境情報に対する数値化された適正判定情報と法的環境情報に対する数値化された適正判定情報とを含む建物商品情報を蓄積している。すなわち、建物供給者が用意している各建物商品には、前記環境情報に照らして適正判定するための数値化された適正判定情報として各建物で共通の数値化されたデータを持たせてある。図2(b)は第2データベースDB2の詳細を示している。自然環境情報に対する適正判定情報としては、耐候性情報、断熱性情報、耐力情報、基礎情報、耐震性情報、耐錆情報、建築面積情報、及び建築平面形状情報等がある。社会環境情報に対する適正判定情報としては、防音性情報、及び資材搬入性情報等がある。なお、資材搬入性情報とは、建物の資材を建築現場に搬入する際の容易性(資材が大きければ周辺道路は幅広であることが必要になる)を示しているものとする。ユニット式の建物であれば、資材搬入性情報の数値は低くなる。法的環境情報に対する適正判定情報としては、耐火性、延床面積、及び建物高さ等がある。なお、或る環境情報についての適正判定情報が他の環境情報の適正判定情報として重複利用される場合もある。
【0020】
そして、この実施形態では、耐候性情報、断熱性情報、防音性、耐火性等については、5段階ランクで数字を当てはめることとし、数値が大きいほど良いとする。例えば、地耐力について“5”の数値を有する建物は、例えば地耐力3トン程度の土地に建てても大丈夫であり、“1”数値を有する建物は例えば地耐力30トン程度の地盤に建てることを推奨するものとする。一方、建築面積、建物高さ等については、具体的な数値が記述される。
【0021】
建物商品情報には各種仕様情報と各種画像情報とがある。各種仕様情報としては1階面積、2階面積、各部屋の面積、工法、構造、基礎構造、断熱性能、および建物重量などがある。各種画像情報としては、外観図、間取り図、構造図などがある。
【0022】
なお、この実施形態では、各建物商品情報として設計規格情報および性能情報を含めている。すなわち、建物供給者が用意している各建物商品には、設計規格情報および性能情報として各建物で共通の数値化されたデータを持たせてある。設計規格情報は、当該建物商品についての用途・規模に応じた建物としての推奨値(建築可能な規模(面積や高さなど)、形状、快適な居住を実現するための推奨人数など)を示すものである。この情報は後述する建物規模条件入力に対する建物選定要因として利用される。性能条件とは、グレード(居住性、安全性、耐久性等を示す性能を数値で表現)である。この情報は後述する建物性能条件入力に対する建物選定要因として利用される。
【0023】
第3データベースDB3は、既に建築した建物に関する施工物件情報を蓄積している。図2(c)は第3データベース3の詳細を示している。この例では、建物商品名、標準建物商品に対する相違を示す変更点情報(変更の理由を記述しておいてもよい)、施工納期情報、見積もり、その他の情報を有する。
【0024】
第4データベースDB4は、建物選定支援処理において利用者から与えられた情報(要求情報)等に基づいて生成した建物商品購入予定者要求情報、この建物商品購入予定者要求情報と土地特定情報とに基づいて生成した土地対応ニーズ情報、ニーズ判断に役立つ情報処理の結果情報などが蓄積される。第4データベースDB4の詳細については後述する。
【0025】
建物商品ニーズ情報処理部1は建物選定処理部を兼ねるものである。この建物選定処理部として機能するとき、得られた環境情報(自然、社会、法的)と各建物商品の適正判定情報とを対比することによって一つ又は複数の建物を選定する処理を行う。具体的には、入力された土地特定情報をキーにして第1データベースDB1から当該土地についての環境情報を引き出す。そして、この環境情報を第2データベースに蓄積されている適正判定情報に照らし合わせ、一つ又は複数の建物を選定する。以下、この建物選定処理の一例を説明する。例えば、自然環境情報において塩害の値が“4”であり、適正判定要因において耐錆性が“5”であれば、+1点であるとする。同様に、自然環境情報において地耐力の値が“2”であり、適正判定要因におい基礎が“5”であれば、+3点であるとする。一項目でもマイナス点が生じたときには、“不可”を示すフラグをセットする。同様の処理を他の環境情報についても実行し、合計点を算出する。また、建物面積が土地面積よりも大きいときや建ぺい率を満たさないとき等にも、“不可”を示すフラグをセットする。この処理により、或る建物商品の合計点は20点、別の建物商品の合計点は32点のごとく、各建物商品の合計点が得られる。そして、不可のフラグがセットされていない建物商品(候補商品)について、例えば合計点の平均値に最も近い合計点を持つ建物を推奨NO.1として出力し、次に平均値に近い合計点を持つ建物を推奨NO.2として出力する(オーバースペックの建物や要求ぎりぎりの建物は推奨順位としては後にする場合である)。以上説明した建物選定処理は例示であり、他の選定処理を採用することもできる。例えば、上記の場合は、各項目の点数には何ら重み付けをしていないが、項目によって重み付けを行ってもよいし、重み付けする項目や重み付けの程度を土地によって変更するようにしてもよい。また、マイナス点が生じた項目の重要度が低いと判断されるときには、準候補として出力するようにしてもよい。勿論、合計点の高い順にソートして推奨順位を決めるようにしてもよい。また、合計点で推奨順位を決めるといったことは行わないようにしてもよい。また、合計点を算出せずに単に不可フラグのセット状態で建物商品の候補を選定するようにしてもよい。
【0026】
図3(a)は土地特定情報の入力画面例であり、図3(b)は推奨NO.1の建物商品情報の出力画面例である。上記入力画面では、土地特定情報として住所、郵便番号、地番、電話番号、緯経度、地図入力、地域表示のいずれかを利用者が任意に選択できる構成を示している。なお、上記の地図入力を選択したときには、画面に所定縮尺の地図が表示される。そして、例えば、地図上をクリックすることで段階的にクリック箇所が拡大され、最拡大の地図上において直に土地特定を行うことになる。図3(b)の出力画面では、建物の外観図が画像表示されるとともに、建物商品情報が表示されている。また、この出力画面には、「次の候補を見る」「候補一覧を見る」「入力画面に戻る」「他の図面を見る」「近隣建物拝見」「決定し次の入力に進む」「決定しないで次の入力に進む」のボタンが用意されている。
【0027】
上記図3(b)の出力画面において、「決定し次の入力に進む」のボタンをクリックしたときには、平面プラン、設備プラン、装飾プラン(建物プランニング処理)の入力画面に進むことになる。一方、「決定しないで次の入力に進む」のボタンをクリックしたときには、建物規模条件の入力を促す入力画面が表示される。図4(a)は規模条件入力画面であり、図4(b)は入力された建物規模条件に基づいて前記候補の中から選定された建物の商品情報出力画面である。建物規模条件とは、建物規模(面積,高さ等)、用途(居住、店舗、一階店舗二階居住等)、形状(平面,立面等)である。そして、この出力画面には、「次の候補を見る」「候補一覧を見る」「入力画面に戻る」「他の図面を見る」「決定し次の入力に進む」「決定しないで次の入力に進む」のボタンが用意されている。
【0028】
図4(b)の出力画面において、「決定し次の入力に進む」のボタンをクリックしたときには、平面プラン、設備プラン、装飾プラン(建物プランニング処理)の入力画面に進むことになる。一方、「決定しないで次の入力に進む」のボタンをクリックしたときには、建物性能条件の入力を促す入力画面が表示される。図5(a)は性能条件入力画面であり、図5(b)は入力された建物性能条件に基づいて前記建物規模条件を満たす候補の中から選定された建物の商品情報出力画面である。建物性能条件とは、グレード(居住性、安全性、耐久性等を示す性能値で表現)である。そして、この出力画面には、「次の候補を見る」「候補一覧を見る」「入力画面に戻る」「他の図面を見る」「準候補を見る」「決定し次の入力に進む」のボタンが用意されている。「決定し次の入力に進む」のボタンをクリックしたときには、平面プラン、設備プラン、装飾プラン(建物プランニング処理)の入力画面に進むことになる。
【0029】
さて、建物商品ニーズ情報処理部1は、上述した建物選定支援処理に際して建物購入予定者が入力した各種情報(建物規模要求、建物性能要求、建物プランニングに関する要求、その他の要求)と当該利用者が入力した土地特定情報とに基づいて各種情報を整理し、第4データベースDB4に蓄積する。図6は第4データベースDB4の詳細例を示した説明図であって、或る建物購入予定者についての要求情報を示している。この図において、適正要求情報(自然、社会、法的)は、建物購入予定者が入力した土地特定情報に基づいて図2(a)に示した情報を取り出すことで作成できる。建物規模要求や建物性能要求は、図4(a)に示した規模条件入力や図5(a)に示した性能条件入力の画面において入力された情報によって作成することができる。平面プラン、設備プラン、装飾プランにおける要求は、図3(b)、図4(b)、図5(b)の「決定し次の入力に進む」のボタンをクリックしたときに進む建物プランニング処理において入力された情報によって作成することができる。希望納期や希望コストなどについては、図示はしていないが、そのような要求の入力を受け付ける画面を表示して入力を受けることで作成することができる。
【0030】
図7は建物商品ニーズ情報処理の一例を示している。この処理例は、共通する要求が存在する建物商品購入予定者要求情報をリストアップし、リストアップされた情報のなかから土地に関して共通する情報を取得し、土地に関して共通する情報を有するものの数がリストアップ数に対して所定基準よりも多いときに、共通する情報を持つ土地に対して前記共通する要求を土地対応ニーズ情報として保持する処理である。例えば、設備プランとしてサッシ窓の要求度が“5”(性能の高いサッシ窓が欲しいという要求しているとする)であったとする。そして、これと共通する要求を持つものとして、例えば100件の情報リストがリストアップされたとする。次に、これら100件のリストにおいて、その住所情報を第1データベースDB1の地図データに照らし、土地に関する共通情報として「杉の森林が近くにある」とするものが70件であったとする。所定基準値を例えばリストアップ件数の1/2である50とすると、上記70件は50より大きい。この場合、共通する情報である「杉の森林が近くにある」という土地に対して前記「性能の高いサッシ窓が欲しい」とする要求を土地対応ニーズ情報として把握することになる。以上説明した建物商品ニーズ情報処理は例示であり、他の情報処理を採用することもできる。例えば、単にリストアップ件数を基準値とし、リストアップ件数が例えば20件以上あれば図7において「YES」とするようにしてもよい。
【0031】
また、建物商品ニーズ情報処理部1は、必要ならば第1データベースDB1および第2データベースDB2内の情報の修正及び/又は追加を行う。例えば、第1データベースDB1については、「杉花粉害」という項目を追加し、各土地について「杉花粉害」の状況を調査し、数値を入れていくようにしてもよい。また、第2データベースDB2については、建物商品情報として例えば「花粉侵入防止性能」といった項目を追加し得る。
【0032】
図8は建物商品ニーズ情報処理の他の例を示している。この処理例は、建物商品情報が蓄積された第2データベースDB2、及び建物商品ニーズ情報(建物商品購入予定者要求情報)が蓄積された第4データベースDB4を利用し、建物商品ニーズ情報処理部1が、前記建物商品購入予定者要求情報に基づく所定要求項目の要求分布および前記建物商品情報に基づいた当該要求項目についての建物商品品揃え分布を生成する。図8(a)は、要求項目としてリビングルームを採り上げ、その面積を横軸にとり、要求件数を縦軸にとったときの分布図である。また、同図(b)は、リビング面積に注目した建物商品品揃えの分布図であり、リビング面積を横軸にとり、品揃えを縦軸にとったものである。この分布図の▲1▼例からは、建物商品購入予定者の要求は、比較的小さい面積の要求と比較的大きい面積の要求に二極化しているのに対し、建物商品の品揃えは中くらいの面積に集中しており、両者に大きなずれが生じていることが分かることになる。また分布図の▲2▼例からは、要求分布の中心と品揃え分布の中心にずれが生じていることが分かる。要求項目としてリビングルームを挙げたが、これに限らず、建物商品の様々な要素を要求項目とすることができる。
【0033】
建物商品ニーズ情報処理部1は、生成した分布図情報に基づいて画像情報を生成し、第2出力部4に供給することができる。第2出力部4は、図8に示したような分布図をディスプレイ上に表示する。第2出力部4がプリンタであれば、記録紙に分布図を印字することができる。
【0034】
また、建物商品ニーズ情報処理部1は、前記要求分布と建物商品品揃え分布とを比較し、相違度合いが所定基準より大であるときに報知する。図8(a)の例▲1▼及び図8(b)の分布図を重ね合わせると、図9に示すようになる。この図9に示しているように、両曲線の相違により生じる面積(図において斜線部分)を求めることにより、要求分布と建物商品品揃え分布の相違の程度が求まる。上記面積が所定値よりも大となったとき、これを知らせるメッセージを例えば第2出力部4において表示出力することが考えられる。
【0035】
また、建物商品ニーズ情報処理部1は、既に建築した建物に関する施工物件情報が蓄積された第3データベースDB3を利用し、当該施工物件情報における変更点情報に基づいてニーズ判断に役立つ情報処理を行うこともできる。これによれば、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報ではなく、実際に建物を建てた人の現に実行した要求情報を捉えることができ、建物商品に対するニーズを的確に把握することが可能になる。なお、ニーズ判断に役立つ情報処理例としては、例えば、図8(a)において、縦軸の要求件数に代えて実際の変更件数を集計して当てはめるといった処理が考えられる。
【0036】
なお、施工物件情報に変更点情報を含めず、建物商品ニーズ情報部1が、第3データベースDB3の施工物件情報における建物情報と第2データベースDB2の建物商品情報(標準商品)とを比較し、標準商品に対して実際に建築した建物の変更点情報を自動抽出するようにしてもよい。
【0037】
また、以上説明した例では、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報を、建物商品の選定を支援していく過程のなかで取得するようにしたが、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報を、紙によるアンケートやインターネット等を用いる電子的なアンケートによって取得するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求をそのまま要求として単純に把握するのではなく、建物を建てようとしている土地との関係を考慮して上記要求を捉えることができるので、土地との関係で建物商品に対するニーズを的確に把握することが可能になる。また、前記建物商品購入予定者要求情報に基づく所定要求項目の要求分布および前記建物商品情報に基づいた当該要求項目についての建物商品品揃え分布を生成する構成であれば、所定要求項目について建物商品に対する要求と現在保有する建物商品の品揃えのずれを的確に把握することが可能になる。また、既に建築した建物に関する情報を利用する構成であれば、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報ではなく、実際に建物を建てた人の現に実行した要求情報を捉えることができ、建物商品に対するニーズを的確に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施形態の建物商品ニーズ情報処理システムの概略構成を示した図であり、同図(a)は独立設置タイプを示し、同図(b)は通信ネットワークを利用するタイプを示した図である。
【図2】同図(a)は第1データベースの詳細を示し、同図(b)は第2データベースの詳細を示し、同図(c)は第3データベースの詳細を示した説明図である。
【図3】同図(a)は土地特定情報の入力画面を示し、同図(b)は建物商品の候補出力画面を示した説明図である。
【図4】同図(a)は建物規模情報の入力画面を示し、同図(b)は建物商品の候補出力画面を示した説明図である。
【図5】同図(a)は建物性能情報の入力画面を示し、同図(b)は建物商品の候補出力画面を示した説明図である。
【図6】第4データベースにおける建物商品購入予定者要求情報の詳細を示した説明図である。
【図7】建物商品ニーズ情報処理の一例を示した説明図である。
【図8】建物商品ニーズ情報処理の他の例である分布図生成において生成された分布図を示した図であって、同図(a)は要求件数に対するものを示し、同図(b)は建物商品品揃えに対するものを示している。
【図9】要求分布と建物商品品揃え分布の相違の程度を求める処理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 建物商品ニーズ情報処理部
2 入力部
3 出力部
10 建物商品ニーズ情報処理システム
11 ホストコンピュータ
12 パーソナルコンピュータ
DB1 第1データベース
DB2 第2データベース
DB3 第3データベース
DB4 第4データベース
Claims (10)
- 少なくとも建物商品購入予定者の建物商品に対する要求および土地の所在地を特定する情報が入力される入力端末と、前記所在地を特定する情報に対応付けられた土地についての情報が蓄積された第1データベースと、入力された前記所在地を特定する情報に基づいて前記第1データベースから得られる当該土地についての情報および入力された要求情報を含む建物商品購入予定者要求情報を生成する第1情報生成部と、前記建物商品購入予定者要求情報が蓄積される第2データベースと、共通する要求が存在する建物商品購入予定者要求情報のなかから土地に関して共通する情報を取得し、土地に関して共通する情報を有するものの数が所定基準よりも多いときに、共通する情報を持つ土地に対して前記共通する要求を土地対応ニーズ情報として生成する第2情報生成部と、少なくとも前記土地対応ニーズ情報が出力される出力端末と、を備えたことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項1に記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、前記土地対応ニーズ情報に基づいて第1データベース内の情報の修正及び/又は追加を行うことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項1に記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、前記土地対応ニーズ情報に基づいて第2データベース内の情報の修正及び/又は追加を行うことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、建物商品情報が蓄積された第3データベースと、前記建物商品購入予定者要求情報に基づく所定要求項目の要求分布および前記建物商品情報に基づいた当該要求項目についての建物商品品揃え分布を生成する情報処理部と、を備えたことを特徴とする建物商品ニーズ把握システム。
- 請求項4に記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、前記要求分布及び建物商品品揃え分布を前記出力端末にて画像出力することを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項4に記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、前記要求分布と建物商品品揃え分布とを比較し、相違度合いが所定基準を超えるときに報知する手段を設けたことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、建物商品情報が蓄積された第3データベースと、既に建築した建物に関する情報が蓄積された第4データベースと、前記第3データベースの建物商品情報と前記第4データベースの既に建築した建物に関する情報とを比較することで標準商品に対して実際に建築した建物の変更点情報を検出し、この変更点情報に基づいてニーズ判断に役立つ情報処理を行う情報処理部と、を備えたことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、既に建築した建物に関する情報が蓄積された第4データベースを備え、前記情報処理部は、前記第3データベースの建物商品情報と前記第4データベースの既に建築した建物に関する情報とを比較することで標準商品に対して実際に建築した建物の変更点情報を検出し、この変更点情報に基づいてニーズ判断に役立つ情報処理を行うことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、建物商品購入予定者の建物商品に対する要求情報は、建物商品の選定を支援していく過程のなかで取得されることを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
- 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の建物商品ニーズ情報処理システムにおいて、既に建築した建物の標準建物商品に対して相違する変更点情報が蓄積された第5データベースを備え、前記変更点情報に基づいてニーズ判断に役立つ情報処理を行うようにしたことを特徴とする建物商品ニーズ情報処理システム。
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