JP4347480B2 - 瓶体陳列用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PETボトルなどの瓶体を複数立て並べ、且つ多段に積んで陳列する際に用いられる合成樹脂製の容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
PETボトル(以下、ボトルという)は内容量の違いによりサイズや外形状などが異なり、主として容量が0.5リットルで胴部が円形又は角形のもの、容量が1.5リットルで胴部が円形のもの、及び容量が2リットルで胴部が角形のものが多用されている。
これらボトルは販売店で保冷ケースなどに収納されて陳列される他、容量1リットル以上のボトルは専用のトレーに立て並べて陳列され、容量0.5リットルのものはボトルが梱包された段ボール箱の上半分を切り取り、下半分をトレーに代用して立て並べて陳列されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
容量0.5リットルのボトルを梱包段ボール箱を用いて陳列する方法は簡易ではあるが見栄えが悪く、段ボールの強度が低いため、多段に積み重ねた際に上下段ボール箱の積み重ね位置がずれていたりすると歪みが生じて崩れたりボトルが転倒したりする虞れがあった。また、梱包段ボール箱は、ボトルの外形状が円形のものと角形のものとでは寸法が異なっているため、同じ段ボール箱の上に円形のボトルと角形のボトルを混ぜて立て並べることができなかった。
【0004】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、ボトルなどの瓶体を見やすく且つ見栄え良く陳列するのに適した合成樹脂製の容器において、外形上の異なる瓶体を複数混ぜて立て並べ、且つ多段に安定して積み重ねることができるようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
市場に出回っている容量0.5リットルのボトルは、胴外形(断面)が円形のものと角形のものとでは胴部の寸法が異なり、専用トレーとしての陳列用容器を何れかの寸法に合わせて形成すると円形、角形双方のボトルを一緒に陳列することができない。他方、胴外形が異なっていてもボトルの高さは略同じなので、円形、角形双方のボトルを容器上に安定して立て並べることができれば、異なる胴外形のものを混ぜ合わせて多段に陳列することが可能である。
【0006】
そこで本発明の瓶体陳列用容器は、容器上面に複数本の瓶体を立て並べ、この立て並べた瓶体の上に当該他の容器を載せてさらに瓶体を立て並べることができるように形成された容器であって、前記容器上面に瓶体底部が嵌入する凹部が複数設けられ、各凹部と位置対応した容器下面に瓶体頂部が嵌入するリブが設けられているとともに、前記各凹部は胴外形が円形である円形瓶体の胴部の略半周面が接する湾曲した壁面部と、胴外形が角形である角形瓶体の胴部の少なくとも二つの角部に挟まれた周面部が接する折れ曲がった壁面部を向かい合わせに配して形成され、凹部に嵌入された円形、角形何れの瓶体も前記壁面部で底部の移動が規制されて嵌入位置に保持されるように構成した。
【0007】
これによれば、胴外形が円形、角形何れの瓶体も胴部を凹部内の湾曲した壁面部と折れ曲がった壁面部に接触させて瓶体底部の移動が規制され、凹部内で傾くことなく立設する。容器に立て並べた瓶体の上にさらに他の容器を載せた状態で、瓶体頂部の移動が容器下面のリブで規制されるため、多段に積んでも瓶体の位置がずれたり傾いたりすることはない。
【0008】
上記構成において、凹部の壁面部に、瓶体外周面と係合する上下方向に延びた突条を設ければ、突条により瓶体のガタつきが防止され、瓶体を安定的に凹部内の所定位置に固定できて好ましい。
【0009】
なお、本発明の容器は、ガラス製の瓶体など、PETボトル以外の瓶体の陳列にも利用できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施例を図面を参照して説明する。
図1〜図5は本発明の一実施形態を示し、それぞれ図1は陳列用容器の斜視図、図2は容器の上面と下面を示した図、図3は容器上面に設けられた凹部の形状を説明するための図、図4は図2のIV−IV線断面図、図5は空の容器を積み重ねた状態を示している。
【0011】
陳列用容器1は四隅を曲面とした平面視略矩形を呈し、その容器上面2に、容量0.5リットルのボトルの底部が嵌入可能な大きさの凹部21を縦4列、横6列で並設し、計24本のボトルを立て並べることができるように形成されている。
【0012】
各凹部21は、ボトル底面が接する上面部23から上方に突出した適宜高さの仕切り壁面部22によってボトルの胴部が略一杯に嵌まって外周を包囲する形状に画され、凹部21にボトルを嵌入した状態で隣接したボトルと接触せず、且つ倒れ難いように設けられている。
【0013】
詳しくは、図3に示されているように、各凹部21を画する仕切り壁面部22は、胴外形が円形のボトル4の胴部外径と略同曲率で湾曲していて円形ボトル4の胴部の略半分の外周面が接する湾曲壁面部211と、胴外形が角形のボトル5の胴部の少なくとも二つの角部51,51と接するテーパ面部222a,222aと両テーパ部の間の平面部222bとにより角形ボトル5の胴部の両角部51,51間の外周面が接する折曲壁面部222を有し、これら両壁面部が互いに向かい合わせに配されている。
両壁面部は、湾曲壁面部221と平面部222bとの間隔が円形ボトル4の胴部外径B4 と略同じか若干大きくなるように設定され、湾曲壁面部221とテーパ面部222aとの間隔が角形ボトル5の対向位置の角部51,51間の長さB5 と略同じか若干大きくなるように設定されており、凹部21内において、円形ボトル4は胴部の略半周面が湾曲壁面部221に接し、これと対向する胴部の他の周面の一部が折曲壁面部222と接して、また、角形ボトル5は胴部の一側の角部51,51間の周面が折曲壁面部222に接し、これと対向する胴部の他の角部が湾曲壁面部221と接して、それぞれ移動が規制され嵌入位置に固定されるようになっている。
凹部21内で円形ボトル4の中心4aと角形ボトル5の中心5aは、湾曲壁面部221と折曲壁面部222の平面部222bを結んだ直線方向(図3中矢符B4 方向)に沿って若干ずれた位置となる。
【0014】
また、容器下面3には、その周縁に下方に突出した側壁部31が設けられているとともに、容器上面3の各凹部21と対応する位置、すなわち各凹部21の裏面に、側壁部31と同じ長さ下方に突出したボトル頂部が嵌入可能な大きさの円形のリブ32が設けられている。
リブ32は凹部21を画する仕切り壁面部22よりも小径に設定され、また、側壁部31は仕切り壁面部22よりも外側に位置をずらして設けられており、空の容器同士を重ねたときに、側壁部31及びリブ32と仕切り壁面部22とが衝当し合わずに容器上面2が容器下面3内に嵌まり込み、低く重ねて積めるようになっている(図5参照)。
【0015】
凹部21は、図6に示されているように、その壁面部に円形ボトル4、角形ボトル5の外周面と係合する上下方向に延びた突条を設け、凹部21内にボトルが安定的に固定されるように形成することができる。
詳しくは、図示されているように、湾曲壁面部221と折曲壁面部222の間で対向した壁面部223,223と、折曲壁面部222の平面部222bとに円形ボトル4の外周面と係合する突条22a,22a及び突条22b,22bをそれぞれ設け、また、折曲壁面部222のテーパ面部222a,222aに角形ボトル5と係合する突条22c,22cを設けてある。
このように突条を配置すれば、円形、角形何れのボトルを凹部21内に嵌入しても、突条がボトルの胴部外周面に係合してボトルの位置がずれたりガタついたりすることを防止し、ボトルを凹部21内の所定位置に固定することが可能となる。
なお、各突条はボトルに係合する適宜な突出幅及び長さのものとし、突条22a〜22cの何れか一つを選択的に設けてもよい。
【0016】
また、凹部21を画する仕切り壁面部22は、図7及び図8に示されているように、角形ボトル5の角部と接するテーパ面部を設けずに、角形ボトル5の角部51,51間の一辺の外周面が接するように平面部222bを配して折曲壁面部222を構成し、これを円形ボトル4の胴部の略半分の外周面が接する湾曲壁面部211と向かい合わせに配した構成とすることができる。
この場合、凹部21内において、円形ボトル4は胴部の略半周面が湾曲壁面部221に接し、これと対向する胴部の他の周面の一部が平面部222bと接して、角形ボトル5は胴部の一辺の周面が平面部222bに接し、これと対向する胴部の他の一辺の周面を挟む両角部が湾曲壁面部221と接して、それぞれ移動が規制され嵌入位置に固定される。
【0017】
さらに、凹部21を画する仕切り壁面部22は、図9及び図10に示されているように、円形ボトル4の胴部の略半分の外周面が接する湾曲壁面部221と、角形ボトル5の三つの角部51,51,51間の二辺の外周面が接するように平面部222b,222bを配した折曲壁面部222とを向かい合わせに配した構成とすることができる。
詳しくは、折曲壁面部222は直交させた平面部222b,222bの両端に直角に折れた折曲部222c,222cを設けてなり、湾曲壁面部221は前記折曲部222c,222cに連ねて設けられられている。両壁面部は、凹部21内に円形ボトル4と角形ボトル5を入れたときに、円形ボトル4の胴部周面が湾曲壁面部221に接し、これと対向する胴部の他の周面が平面部222b,222bと接して、角形ボトル5は胴部の二辺の周面と三つの角部51,51,51が折曲壁面部222の平面部222b,222bと折曲部222c,222cに内接して、それぞれ嵌入位置に保持されるようになっている。
凹部21内で円形ボトル4の中心4aと角形ボトル5の中心5aは、湾曲壁面部221の中点と、平面部222b,222bの交点を結んだ直線方向(図10中矢符B5 方向)に沿って若干ずれた位置となる。
【0018】
またさらに、凹部21を画する仕切り壁面部22は、図11及び図12に示されているように、円形ボトル4の胴部の外周面が接する湾曲壁面部221と、角形ボトル5の角部51が接するように折曲壁面部222を交互に連ねて配した構成とし、凹部21内に円形ボトル4を入れたときには胴部周面が各湾曲壁面部221に接し、角形ボトル5を入れたときには各角部51が各折曲壁面部222に接してそれぞれ嵌入位置に保持されるように設けることもできる。
【0019】
このように形成された本発明の陳列用容器1によれば、容器上面2の各凹部21内に円形ボトル4又は角形ボトル5を嵌め入れ、その上に他の容器1及びボトル4,5を載せて多段に積み重ねることができる。
凹部21に嵌め入れた各ボトル4,5は、それぞれ胴部を湾曲壁面部221と折曲壁面部222とに接触させて底部の移動が規制され、凹部21内で傾くことなく安定して立設する。また、これらボトル4,5の上に容器1を載せた状態で、容器下面3の円形のリブ32内にボトル頂部が嵌まり込むため、ボトル頂部の移動がリブ32によって規制され、各ボトル4,5の立設位置をずらすことなく安定した状態で多段に積み重ねられる。
また、容器1を介してボトル4,5を多段に積んだ場合、フロアーに接地する最下段の容器には大きな荷重がかかるが、各凹部21の裏面にリブ32を設け、これらリブ32と容器下面3の側壁部31とを接地させて下方荷重に対する容器の支持強度を高めてあるので、上段のボトル4,5の重みで容器が歪んだりするようなことはなく、積み重ねたボトルを安定的に支持する。
【0020】
【発明の効果】
本発明の瓶体陳列用容器によれば、外形状の異なる瓶体を混ぜ合わせて複数本立て並べ、且つ多段に安定して積み重ねることができ、瓶体を見やすく且つ見栄え良く陳列することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の陳列用容器の斜視図である。
【図2】図1の容器の上面及び下面を示した図である。
【図3】図1の容器上面に設けられた凹部の形状を説明するための図である。
【図4】図2のIV−VI線に沿った断面図である。
【図5】図1の空の容器を積み重ねた状態を示した図である。
【図6】凹部内に突条を設けた実施形態を説明するための図である。
【図7】凹部の形態を変形した陳列用容器の上面の概略図である。
【図8】図7の凹部の形態を説明するための図である。
【図9】凹部の形態をさらに変形した陳列用容器の上面の概略図である。
【図10】図9の凹部の形態を説明するための図である。
【図11】凹部の形態をまたさらに変形した陳列用容器の上面の概略図である。
【図12】図11の凹部の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1:陳列用容器 2:容器上面 21:凹部
22:仕切り壁面部 221:湾曲壁面部 222:折曲壁面部
3:容器下面 31:側壁部 32:リブ
4:円形ボトル 5:角形ボトル
Claims (2)
- 容器上面に複数本の瓶体を立て並べ、この立て並べた瓶体の上に当該他の容器を載せてさらに瓶体を立て並べることができるように形成された容器であって、
前記容器上面に瓶体底部が嵌入する凹部が複数設けられ、各凹部と位置対応した容器下面に瓶体頂部が嵌入するリブが設けられているとともに、
前記各凹部は胴外形が円形である円形瓶体の胴部の略半周面が接する湾曲した壁面部と、胴外形が角形である角形瓶体の胴部の少なくとも二つの角部に挟まれた周面部が接する折れ曲がった壁面部を向かい合わせに配して形成され、
凹部に嵌入された円形、角形何れの瓶体も前記壁面部で底部の移動が規制されて嵌入位置に保持されるように構成された瓶体陳列用容器。 - 凹部の壁面部に、瓶体外周面と係合する上下方向に延びた突条を設けた請求項1に記載の瓶体陳列用容器。
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