JP4343479B2 - 反応性はんだまたはろう材を製造する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応性はんだおよびろう材に関する。
【0002】
【従来の技術】
はんだおよびろう材は、部品、例えば、電気部品や光部品を結合するために用いられる金属組成物を含む。この金属組成物は、単体金属または合金マトリクスを有する。はんだの金属マトリクスは、低い融点、すなわち、約450℃より低い融点を有する。ろう材の金属マトリクスは、はんだの金属マトリクスより高い融点を有し、したがって、より耐熱性の高い結合(ボンド)を形成する。
【0003】
単純なはんだおよびろう材の金属マトリクスは、セラミック表面と容易には化学結合を形成しない。このため、このような表面へのはんだ付けやろう付けはしばしば、信頼性の低い結合を生じる。セラミックへの結合の信頼性を高くするために、反応性のはんだおよびろう材が開発された。反応性のはんだおよびろう材では、反応性原子が金属マトリクス中に分散される。反応性原子は、セラミックや半導体の表面を還元して、このような表面の原子がはんだやろう材の金属マトリクスと化学結合することができるようにする。
【0004】
反応性のはんだおよびろう材では、反応性原子は一般に、IIIB族もしくはIVB族の元素または希土類元素のいずれかである。これらの元素は、セラミックに見られる元素、例えば、酸素、炭素、窒素、またはフッ素に対して高い親和性を有する。このため、反応性元素は、セラミック表面を還元して安定な化合物を形成する。還元された後、セラミック表面は、はんだおよびろう材の金属マトリクス原子と、より容易に化学結合を形成する。
【0005】
残念ながら、はんだおよびろう材で用いられる反応性元素は容易に酸化し、加熱または溶融されると、はんだおよびろう材上に酸化被膜を形成しやすい。酸化被膜は、反応性はんだおよびろう材が、結合されるべき表面をぬらすのを妨げる。酸化被膜はまた、反応性原子がはんだおよびろう材の内部から、結合されるべき表面へと拡散するのを妨害する。したがって、酸化被膜の形成は、反応性はんだおよびろう材の結合を妨げる。
【0006】
耐酸化反応性はんだまたはろう材は、はんだまたはろう材の金属マトリクスの表面における反応性原子の濃度が、金属マトリクスの内部領域における濃度より低い反応性はんだまたはろう材である。耐酸化反応性はんだおよびろう材は、ぬれ性および結合性が改善されている。その理由は、表面における反応性原子の面濃度が低いため、このようなはんだおよびろう材は、はんだ付けまたはろう付けの初期段階中に酸化被膜を形成しにくくなるからである。このようなはんだまたはろう材が溶融した後、反応性原子ははんだまたはろう材の内部領域から表面へと拡散する。こうして、はんだ付けおよびろう付けの初期段階後、反応性原子は、結合されるべき表面を還元することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造する新規な、または、改良された方法があれば有用である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造する方法が提供される。この方法は、はんだおよびろう材を化学処理して選択的にそれらの表面から反応性原子を除去するのではなく、はんだおよびろう材の内部領域により多くの反応性原子を選択的に組み込む。化学除去処理を排除することによって、本発明の方法は、このような処理に基づく方法よりも広いクラスの耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造することができる。化学処理の排除はまた、はんだおよびろう材の表面における合金組成の変化のような、化学的に引き起こされる損傷の危険を低下させる。
【0009】
1つの特徴によれば、本発明は、反応性はんだまたはろう材を製造する方法を提供する。本発明の方法は、表面領域によりも内部領域のほうに、より高濃度の反応性原子を能動的に提供することによって、内部領域および表面領域を有する金属マトリクスを形成することを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、金属マトリクスの前面を通して反応性原子のイオンを注入して、内部領域内に反応性原子の埋め込み層を形成する。
【0011】
他の実施例は、反応性原子が内部に分散した固体金属組成物から内部領域を形成し、金属組成物の外表面に表面領域を結合する。
【0012】
もう1つの特徴によれば、本発明は、第1および第2の表面領域と、第1および第2の内部領域とを有する金属マトリクスを含むはんだおよびろう材組成物を提供する。第1および第2の内部領域は、それぞれ第1および第2のの表面領域に隣接する。内部領域は、表面領域よりも高濃度の反応性原子を有する。第1および第2の内部領域は、相異なる反応性原子種を有する。
【0013】
もう1つの特徴によれば、本発明は、ある金属の第1マトリクス材料と、別の金属の第2マトリクス材料とを含むはんだおよびろう材組成物を提供する。第2マトリクス材料は第1マトリクス材料に結合される。第1マトリクス材料は、第2マトリクス材料の内部に位置し、第2マトリクス材料よりも高濃度の反応性原子を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
さまざまな実施例が、耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造する方法を提供する。これらの方法は、はんだおよびろう材の表面領域によりも、はんだおよびろう材の内部領域に、より高濃度の反応性原子を組み込む。
【0015】
図1は、粒子注入に基づく製造方法2の流れ図である。方法2は、はんだまたはろう材の金属マトリクスの表面を通して1種または数種の反応性元素のイオンを注入して、内部領域内に反応性原子の埋め込み層を形成する。方法2のさまざまなステップは、図2A〜図2Dによっても例示される。
【0016】
図2Aを参照すると、製造方法2は、所望のはんだまたはろう材のための金属マトリクスのシートまたはリボン10を提供することを含む(ステップ3)。金属マトリクスは、反応性原子のない、単体金属または合金である。
【0017】
図2Bを参照すると、製造方法2は、1種または数種の反応性元素イオン12の、金属マトリクス材料のシートまたはリボン10への能動的注入を実行することを含む(ステップ4)。この注入は、前面15からある選択された距離に、層14を生成する。層14は、選択されたドーズ量の、1種または数種の注入された反応性元素を含む。注入後、シートまたはリボン10内の反応性原子の濃度は、シート10の内部領域における濃度のほうが、前面15に隣接する領域における濃度より高い。すなわち、濃度は埋め込み層14で最大である。
【0018】
図2Cを参照すると、製造方法2は、前に注入したシートまたはリボン10の後面17を通して、1種または数種の反応性元素イオン16の別の能動的注入を実行することを含む(ステップ5)。この注入は、シートまたはリボン10の後面17からある距離に、第2の層18を生成する。第2の層18は、この第2の注入で用いられた、選択されたドーズ量の、1種または数種の注入された反応性原子を含む。この第2の注入後、シートまたはリボン10内の反応性原子の濃度は、シートまたはリボン10の内部にある第2の層18における濃度のほうが、後面17における濃度より高い。
【0019】
図2Dを参照すると、製造方法2はまた、最終耐酸化反応性はんだまたはろう材が所望の形状を有するように、注入されたシートまたはリボン10を機械的に成形することを含む(ステップ6)。例示的な成形ステップには、注入されたシートまたはリボン10の剪断、押抜き、放電加工、または穴あけが含まれる。
【0020】
さまざまな実施例において、反応性イオン種、種のドーズ量、および埋め込み層14、18の深さの選択は異なる。種の選択は、結合されるべき基板と、反応性はんだまたはろう材の金属マトリクスとに依存する。ドーズ量および深さの選択は、種、金属マトリクス中の種の溶解度および拡散率、ならびに結合されるべき基板に依存する。注入ドーズ量は通常、1平方センチメートルあたり約1014から約1017反応性原子の範囲にある。注入のドーズ量および継続時間の両方が、金属マトリクス中の反応性原子の最終注入濃度を決定する。
【0021】
さまざまな実施例において、ステップ4、5は、同種または異種の反応性元素をシートまたはリボン10に注入する。表面15および表面17を通して異種の反応性元素のイオン12、16を注入すると、相異なる基板を結合するように設計されたはんだまたはろう材が生成される。例えば、ダイヤモンドをシリコンに結合するはんだが、シートまたはリボン10の前面15を通して希土類イオンを注入し(ステップ4)、シートまたはリボン10の後面17を通してチタンイオンを注入する(ステップ5)ことにより形成される。希土類原子は、表面15をダイヤモンドに結合するのを助け、チタン原子は、表面17をシリコンに結合するのを助ける。
【0022】
さまざまな実施例において、注入される反応性イオンのドーズ量を変えて、異なる結合強度のはんだおよびろう材が生成される。組立中に部品をつなぎ止めておくだけのために設計されるはんだおよびろう材は、少ないドーズ量の反応性元素イオンで形成される。このようなはんだおよびろう材は、選択された臨界値を応力が超えると切れる結合を形成し、このような臨界値を超える応力は、組立完了後に加えられる。
【0023】
方法2のいくつかの実施例は、反応性イオンがはんだまたはろう材の選択された領域にのみ注入されるように、注入ステップ4および5の期間中にシャドウマスクを使用する。
【0024】
図3〜図6に、反応性原子が内部に分散した固体金属組成物から耐酸化反応性はんだおよびろう材の内部領域を生成するさまざまな方法を示す。これらの方法は、最終はんだおよびろう材の表面領域を、固体金属組成物の外表面に結合する。
【0025】
図3に、耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造する代替方法を示す。この方法は、内側層23の周りにジャケット層21、22を配置することによってスタック20を形成することを含む。内側層23は、選択された均一濃度の反応性原子が内部に分散した単体金属または合金を有する。ジャケット層21、22は、内側層23と同じ金属マトリクスを有するが、ジャケット層21、22のマトリクスには反応性原子はない。例示的なジャケット層21、22の厚さは約1.0ミクロン(μ)〜約200μであり、好ましくは約5μ〜約25μである。
【0026】
この方法はまた、スタック20を物理的に変形してジャケット層と内側層21、22、23を一緒に冷間溶接することを含む。冷間溶接は、ジャケット層21、22もしくは内側層23またはその両方の塑性変形の結果として起こる。実施例では、スタック20をローラ24、25の間で圧延して、冷間溶接を引き起こす塑性変形を生じさせる。冷間溶接されたスタック26は、最終耐酸化反応性はんだまたはろう材である。
【0027】
いくつかの実施例では、内側層23は、急速凝固プロセスによって形成された反応性はんだおよびろう材である。急速凝固プロセスは、多くの核生成点が形成されるように、出発反応性はんだまたはろう材を過冷却する。核生成点は、はんだおよびろう材の金属マトリクス中に反応性原子の金属相間アイランドの成長を促す。例示的なプロセスは、溶融した反応性はんだを少なくとも毎時1000℃以上の速度で、好ましくは少なくとも毎時6000℃の速度で冷却して、過冷却を生成する。AuリッチのAu−Sn−LuおよびSnリッチのAg−Sn−Luはんだの過冷却はそれぞれ、AuLuおよびSnLuアイランドを生成する。反応性原子が希土類元素であるはんだの過冷却は、ほとんどの反応性原子がこのような金属相間アイランド内にあるはんだを生成する。
【0028】
金属相間アイランドは安定であるため、アイランドは、このようなアイランドを有する内側層23から形成された耐酸化反応性はんだおよびろう材の使用中の、酸化に対する付加的保護を提供する。急速凝固プロセスによるこのような金属相間アイランドの生成については、米国特許出願第09/642216号に記載されている。
【0029】
上記の急速凝固プロセスにより形成される内側層23では、アイランドサイズは小さく保たれる。アイランドサイズが小さい場合、最終反応性はんだのグレインサイズ(粒度、粒径)はしばしば、アイランドを有しない同組成のはんだ中のグレインサイズより小さい。グレインサイズが小さいほうが、このようなはんだの強度と疲労耐性を改善するのに有効である。はんだ付け中の反応性原子の高速なアイランド溶解および急速な拡散を達成するためには、グレインサイズを小さく保たなければならない。例示的な内側層23では、アイランドの直径は60μより小さく、好ましくは、約20μ〜約10μより小さい。
【0030】
耐酸化反応性はんだおよびろう材の冷間溶接製造の別の方法は、円柱形断面を有するはんだおよびろう材を生成する。この方法は、反応性原子を含まない円柱形ジャケット層を、円柱形内側層の周りに配置することによって、複合材を形成することを含む。内側層およびジャケット層は同じ金属マトリクスを有するが、内側層は、内部に分散した反応性原子をも有する。例示的な内側層は、例えば、上記の急速凝固プロセスにより生成された反応性はんだまたはろう材である。配置後、複合材をスエージングまたは線引きすることによって、同心円状の層はともに冷間溶接されて、円柱形断面のはんだまたはろう材が生成される。
【0031】
いくつかの実施例は、上記の方法により生成される円柱形はんだおよびろう材を母材として使用する。このような実施例では、母材をリボン形状に平滑矯正(roll-flatten)する。最終リボン形状の表面領域は依然として反応性元素を含まない。
【0032】
図4に、耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造するための浸漬法を示す。この方法は、反応性原子がすでに内部に分散された金属マトリクスの出発シートまたはワイヤ30を提供することを含む。この方法は、出発シートまたはワイヤ30を、単体金属または合金の溶融浴32中に浸漬することを含む。浴には反応性元素はない。この方法は、選択された浸漬時間後、溶融浴32から被覆されたシートまたはワイヤ34を取り出すことを含む。浴32の温度および浸漬時間は、被覆の厚さを制御する。被覆されたシートまたはワイヤ34は、最終耐酸化反応性はんだまたはろう材であるか、あるいは、そのようなはんだまたはろう材を生成するために後で機械的に変形される母材である。
【0033】
図4の方法では、金属被覆は、出発シートまたはワイヤ30の金属マトリクスより低い融点を有する。さもないと、出発シートまたはワイヤ30が部分的に溶融することにより、反応性原子が浴32中に拡散してしまう。その場合、そのような反応性原子は、後で浸漬されるシートまたはワイヤ30の部分の表面領域を汚染してしまうことになる。
【0034】
いくつかの実施例では、出発シートまたはワイヤ30は、上記の急速凝固プロセスにより生成される反応性はんだまたはろう材である。
【0035】
図5に、耐酸化反応性はんだまたはろう材を製造するための代替方法を示す。この方法は、反応性元素を含まない金属ジャケット層42、44を出発金属シート40に結合するために薄膜堆積を実行することを含む。出発金属シート40は、内部に分散された反応性原子を有する。薄膜堆積プロセスとしては、蒸着(evaporation)、スパッタリング、および化学蒸着(CVD)がある。薄膜堆積により、さまざまな金属組成を有するジャケット層42、44を形成することができる。薄膜堆積による方法は、内部領域と表面領域が相異なる単体金属組成または合金組成を有するような耐酸化反応性はんだおよびろう材を形成することができる。
【0036】
いくつかの実施例では、出発シート40は、上記の急速凝固プロセスにより生成される反応性はんだまたはろう材である。このような出発シートの場合、薄膜堆積中、温度は低く保持される。温度により引き起こされる金属相間アイランドの粗大化を低減するために、温度は、出発シートの融点の約0.8倍(ケルビン度で)より低く、好ましくは出発シートの融点の約0.6倍より低く保持される。
【0037】
図6に、耐酸化反応性はんだまたはろう材を製造するためのもう1つの方法を示す。この方法は、電気めっきセル54を設定することを含む。セル54中で、反応性はんだまたはろう材のシート50はカソードとして作用し、ジャケット材料片52はアノードとして作用する。ジャケット材料片52は反応性元素を含まない。
【0038】
この方法は、セルに電圧をかけることを含む。この電圧により、ジャケット材料はアノードからセルの電解液を通ってカソードに移動する。移動する材料は、反応性元素を含まない金属材料の被覆で、反応性はんだまたはろう材のシート50を電気めっきする。
【0039】
上で説明した方法は、単体金属または合金のマトリクスを有するさまざまな耐酸化反応性はんだおよびろう材を生成することができる。例示的な単体金属マトリクスは、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、および金(Au)である。例示的な合金マトリクスとしては、金−スズ(Au−Sn)、鉛−スズ(Pb−Sn)、ビスマス−スズ(Bi−Sn)、スズ−銀(Sn−Ag)、スズ−亜鉛(Sn−Zn)、スズ−アンチモン(Sn−Sb)、銅−銀(Cu−Ag)、カドミウム−銀(Cd−Ag)、銅−亜鉛−銀(Cu−Zn−Ag)、銀−銅−亜鉛−ニッケル(Ag−Cu−Zn−Ni)、および銅−スズ−銀(Cu−Sn−Ag)がある。例示的なはんだは、次の形のおよその重量パーセント(wt.%)組成を有する合金マトリクスを有する。
Au−20wt.%Sn共融(融点(m.p.)=280℃)、
Au−12.5wt.%Ge共融(m.p.=361℃)、
Au−3.2wt.%Si共融(m.p.=363℃)、
Au−25.5wt.%Sb共融(m.p.=360℃)、
Au−42wt.%In共融(m.p.=495℃)、
Ag−3.5wt.%Sn共融(m.p.=221℃)、
Sn−37wt.%Pb、
Pb−5wt.%Sn、
Bi−48wt.%Sn、
Sn−5wt.%Sb、
Sn−45wt.%In。
例示的なろう材は、次のようなおよその合金組成の金属マトリクスを有する。
Cu−50wt.%Ag(m.p.871℃)、
Cu−37wt.%Zn−5wt.%Ag(m.p.879℃)、
Cd−5wt.%Ag(m.p.393℃)、
Ag−30wt.%Cu−28wt.%Zn−2wt.%Ni(m.p.779℃)、
Cu−8wt.%Sn−7wt.%Ag(m.p.985℃)、
Ag−25wt.%Cu−15wt.%Zn(m.p.718℃)。
【0040】
さまざまなはんだおよびろう材が、0.2〜5.0wt.%のAuもしくはAgまたはその両方を含む金属マトリクスを有する。これらの小さい重量パーセントのAuあるいはAgは、金属マトリクス中の希土類(すなわち、反応性原子)の固体溶解度を増大させる。AuやAgは、反応性原子を酸化に対して保護するのにも有効である。その理由は、小さい重量パーセントのAuやAgを有するはんだおよびろう材のほうが酸素は溶けにくいからである。AuやAgはまた、これらの金属マトリクスが溶融することにより希土類原子が界面に拡散してこのようなはんだおよびろう材が基板に結合するのを助ける際に、希土類原子の溶解を加速するのにも有効である。
【0041】
上記の方法により製造される耐酸化反応性はんだおよびろう材は、内部にさまざまな反応性元素種を含む。いくつかのこのような反応性はんだおよびろう材は、次の反応性元素のうちの1つ以上を含む:チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、およびルテニウム(Lu)。
【0042】
反応性元素は一般に、上記の方法により生成される反応性はんだおよびろう材の金属マトリクス中では低い濃度を有する。このようなはんだおよびろう材の内部領域では、反応性元素の例示的な全重量パーセントは、約0.1wt.%〜5wt.%の範囲にあり、好ましくは、約0.2〜2wt.%の範囲にある。反応性元素の選択される濃度は、はんだ−基板間あるいはろう材−基板間界面における所望の反応性、金属マトリクス中の反応性原子のアイランドのサイズ、および、金属マトリクス中の反応性原子の溶解度に依存する。
【0043】
上記の方法は、介在する金属化(メタライゼーション)層なしに、さまざまな基板に直接結合する耐酸化反応性はんだおよびろう材を生成する。このような例示的な基板としてはセラミックがある。セラミックには、SiO、Al、NiO、Cr、TiO、NbO、Fe、Ta、ZrO、CuO、およびZnOのような酸化物、SiC、TiCおよびTaCのような炭化物、TiN、TaN、Si、およびAlNのような窒化物、ならびに、CaF、MgFのようなフッ化物がある。他の例示的な基板としては、Al、Si、Ti、Cr、Zr、Znのような自然酸化物を有する金属、およびこのような金属の合金がある。他の例示的な基板としては、Si、GaAs、およびGaNのような半導体、LiNbO、ZnS、ZnSe、YAGのような光学材料、ならびに、ダイヤモンド、サファイア、トパーズ、およびプラチナ(白金)のような宝石材料がある。
【0044】
上記の方法により生成される耐酸化反応性はんだおよびろう材を結合することは、従来の反応性はんだまたはろう材のための技術によって行われる。フラックスおよび超音波処理は通常は不要であるが、このような処理は、溶融したはんだまたはろう材上に酸化被膜が形成される危険をさらに低減することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造する方法が提供される。この方法は、はんだおよびろう材を化学処理して選択的にそれらの表面から反応性原子を除去するのではなく、はんだおよびろう材の内部領域により多くの反応性原子を選択的に組み込む。化学除去処理を排除することによって、本発明の方法は、このような処理に基づく方法よりも広いクラスの耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造することができる。化学処理の排除はまた、はんだおよびろう材の表面における合金組成の変化のような、化学的に引き起こされる損傷の危険を低下させる。
【0046】
特許請求の範囲の発明の要件の後に括弧で記載した番号がある場合は、本発明の一実施例の対応関係を示すものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造するための注入法の流れ図である。
【図2】図1の方法のステップを例示する図である。
【図3】耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造するための冷間溶接法を示す図である。
【図4】耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造するための浸漬法を示す図である。
【図5】耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造するための薄膜堆積法を示す図である。
【図6】耐酸化反応性はんだおよびろう材を製造するための電気めっき法を示す図である。
【符号の説明】
10 シートまたはリボン
12 反応性元素イオン
14 埋め込み層
15 前面
16 反応性元素イオン
17 後面
18 第2の埋め込み層
20 スタック
21,22 ジャケット層
23 内側層
24,25 ローラ
26 冷間溶接されたスタック
30 出発シートまたはワイヤ
32 溶融浴
34 被覆されたシートまたはワイヤ
40 出発金属シート
42,44 ジャケット層
50 反応性はんだまたはろう材のシート
52 ジャケット材料片
54 電気めっきセル

Claims (3)

  1. 反応性はんだ又はろう材を製造する方法であって、
    単体金属又は合金のマトリクスを形成するステップであって、該マトリクスの表面領域よりも内部領域の方により高濃度の反応性原子を提供するステップを含む、ステップ
    からなる方法において、
    該提供するステップが、該内部領域に反応性原子の埋め込み層を形成するために該金属マトリクスの前面を通して該反応性原子のイオンを注入するステップからなり、
    該反応性原子がIIIB族元素及び希土類元素のうちの1つを含むことを特徴とする方法。
  2. はんだ又はろう材組成物であって、
    単体金属又は合金のマトリクスからなる組成物において、
    該マトリクスが第1および第2の表面領域並びに第1および第2の内部領域を有し、該第1および第2の内部領域が、それぞれ第1および第2の表面領域に隣接し、該内部領域が該表面領域よりも高濃度の反応性原子を有し、該第1および第2の内部領域が内部に分散した相異なる反応性原子を有し
    該反応性原子がIIIB族元素及び希土類元素のうちの1つを含むことを特徴とする組成物。
  3. 該反応性原子は該表面領域には存在しないことを特徴とする請求項記載の組成物。
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