JP4343129B2 - 羽口レンガ - Google Patents
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Description
請求項3に記載の発明の羽口レンガは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、底壁は内層と外層とから構成されるとともに、前記外周部は、前記底壁の内層側に位置する第1傾斜面と前記底壁の外層側に位置する第2傾斜面とから構成され、前記第2傾斜面の傾斜角度が前記第1傾斜面の傾斜角度より小さくなるように形成されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明の羽口レンガにおいては、外周部が金属溶湯に面する内端側より外端側が拡がるように錘台状に形成され、底壁の内層から羽口レンガに加えられる応力はその一部が外周部の傾斜に沿って逃げ、緩和される。しかも、羽口レンガはその内端部の肉厚より外端部の肉厚が厚くなるように設定されているため、外端部ほど強度が高められており、底壁の内層から羽口レンガに加えられる応力に対する耐力が向上している。従って、操業を繰り返し、羽口レンガを繰り返し使用したとき、亀裂の発生を抑制することができる。
(第1実施形態)
図4に示すように、金属溶湯11を収容するための容器としての取鍋12は、耐火レンガにより略有底円筒状に形成されている。その周壁13は鉄皮14に内張りされた耐火壁により構成され、その耐火壁はアルミナ−カーボン系又はマグネシア−カーボン系のレンガで形成されている。また、底壁15も鉄皮に内張りされた耐火壁により構成され、その耐火壁はアルミナ−カーボン系レンガで形成されている。底壁15の耐火壁より内側には、レンガ又はキャスタブルレンガよりなる内層16と、バック材としてのハイアルミナレンガよりなる外層17とが設けられている。
・ 第1実施形態の羽口レンガ23においては、外周部が金属溶湯11に面する内端側より外端側が拡がるように円錘台状に形成され、底壁15の内層16から羽口レンガ23に加えられる応力は外周部の傾斜により緩和される。しかも、羽口レンガ23はその内端部の肉厚xより外端部の肉厚yが厚くなるように設定されているため、外端部ほど強度が高められており、底壁15の内層16から羽口レンガ23に加えられる応力に対する耐力が向上している。従って、操業を繰り返し、羽口レンガ23を繰り返し使用したとき、亀裂の発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
図5(a)及び(b)に示すように、この第2実施形態では、第1実施形態において、羽口レンガ23の下部外周部が円筒部29となっており、その他は第1実施形態と同じである。この場合、羽口レンガ23の外端部の肉厚yは、第1実施形態の場合に比べて薄くなっている。すなわち、羽口レンガ23の下部外周部は図5(a)の二点鎖線で囲まれた部分だけ第1実施形態の羽口レンガ23の下部外周部より小さくなる。その結果、第2実施形態の羽口レンガ23では第1実施形態の羽口レンガ23に比べて下部の強度が若干低下するが、外端部の肉厚yが内端部の肉厚xよりも大きいため、目的とする強度は維持され、羽口レンガ23の亀裂発生を抑制することができる。
(第3実施形態)
図6(a)及び(b)に示すように、この第3実施形態では、第1実施形態において、羽口レンガ23の外周部が四角錘台30となっており、その他は第1実施形態と同じである。この場合、羽口レンガ23の外側面である第1傾斜面23aの傾斜角度が内周面の斜状面24aの傾斜角度より小さくなるように設定されていることから、第1実施形態と同様に底壁15の内層16から羽口レンガ23に加えられる応力は緩和される。しかも、羽口レンガ23の四隅部分が、第1実施形態の場合に比べて厚くなっているため、その部分で強度を高めることができる。従って、羽口レンガ23の亀裂発生を十分に抑制することができる。
(実施例1及び比較例1、2)
内部に300トンの金属溶湯11を収容可能な取鍋12の底壁15に設けられた第1嵌合孔22及び第2嵌合孔27に、前記図1(a)及び(b)に示すポーラスプラグ25用の羽口レンガ23並びに図2(a)及び(b)に示すノズル用の羽口レンガ23を嵌合させた。取鍋12の底壁15の内層16は、キャスタブル耐火物で形成した。尚、底壁15の外層17はハイアルミナレンガで形成した。また、ポーラスプラグ25用の羽口レンガ23とノズル用の羽口レンガ23の高さを300mmとした。
以上の結果を表1及び表2に示した。
(実施例2及び比較例3、4)
内部に150トンの金属溶湯11を収容可能な取鍋12の底壁15に設けられた第1嵌合孔22及び第2嵌合孔27に、前記図5(a)及び(b)に示すポーラスプラグ25用の羽口レンガ23並びに図6(a)及び(b)に示すノズル用の羽口レンガ23を嵌合させた。取鍋12の底壁15の内層16は、ハイアルミナレンガで形成した。尚、底壁15の外層17は種類の異なるハイアルミナレンガで形成した。また、ポーラスプラグ25用の羽口レンガ23とノズル用の羽口レンガ23の高さを300mmとした。ポーラスプラグ25用の羽口レンガ23の内端部の肉厚x3、外端部の肉厚y3及びそれらの比(y3/x3)を表1に示した。また、ノズル用の羽口レンガ23の内端部の肉厚x4、外端部の肉厚y4及びそれらの比(y4/x4)を表2に示した。比較例3では、比(y1/x1)及び比(y2/x2)を0.9とし、比較例4では1.0とした。
・ 図7に示すように、羽口レンガ23の下部の外周部を上部外周の第1傾斜面23aより傾斜角度が小さい第2傾斜面23bとすることもできる。この第2傾斜面23bの上部は内層16に達しており、図7の矢印に示すように内層16から羽口レンガ23に加えられる応力をより容易に斜め上方へ逃がすことができる。従って、この羽口レンガ23では底壁15の内層16からの応力が一層緩和される。
・ 羽口レンガ23の外周部を五角錐台以上の多角錐台状に形成することもできる。
・ 各実施形態では溶湯として鋼鉄の溶湯を用いたが、それ以外にアルミニウム等の非鉄金属の溶湯を用いることもできる。
・ 外周部の傾斜面の傾斜角度が内周部の斜状面の傾斜角度より小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の羽口レンガ。このように構成した場合、羽口レンガを繰り返し使用したとき、亀裂の発生を抑制することができる。
Claims (3)
- 金属溶湯を貯留する容器の底壁に設けられた嵌合孔に嵌合されるとともに、金属溶湯にガスを吹き込むポーラスプラグ又は金属溶湯を排出するためのノズルが内包される保持孔を有し、外周部が金属溶湯に面する内端側より外端側が拡がるように錘台状に形成され、かつ内端部の肉厚に対する外端部の肉厚の比が1.2〜1.7となるように、内端部の肉厚より外端部の肉厚が厚くなるように設定されていることを特徴とする羽口レンガ。
- 前記外周部は円錐台状又は角錐台状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の羽口レンガ。
- 前記底壁は内層と外層とから構成されるとともに、前記外周部は、前記底壁の内層側に位置する第1傾斜面と前記底壁の外層側に位置する第2傾斜面とから構成され、前記第2傾斜面の傾斜角度が前記第1傾斜面の傾斜角度より小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の羽口レンガ。
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- 2005-02-28 JP JP2005055060A patent/JP4343129B2/ja active Active
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