JP4343078B2 - 地下構造物および地下構造物の築造方法 - Google Patents

地下構造物および地下構造物の築造方法 Download PDF

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本発明は、地下構造物および地下構造物の築造方法に関する。
並設された複数本のトンネルを利用して築造した地下構造物が特許文献1に記載されている。この地下構造物は、その横断面の全てを実質的に包含するように複数本のトンネルを縦横に並べて構築し、その後、各トンネルの不要な覆工を撤去して大きな空間を形成することにより築造される。なお、複数のトンネルは、時間差をもって順次に構築され、後行のトンネルは、先行のトンネルの隣りに構築される。また、各トンネルは、推進工法またはシールド工法により構築される。
ここで、推進工法とは、トンネルの覆工となる筒状の函体を坑口から順次地中に圧入してトンネルを構築する工法である。なお、函体の先端には、刃口や掘進機などが取り付けられている。推進工法の掘進機は、函体を介して伝達された元押しジャッキの推力により掘進する。一方、シールド工法とは、トンネル切羽に設置された掘進機で地山を掘削するとともに、掘進機の内部でトンネルの覆工となるセグメントを組み立ててトンネルを構築する工法である。なお、シールド掘進機は、その内部で組み立てられたセグメントに反力をとって自ら掘進する。
ところで、特許文献1に記載された構成では、各トンネルの残置された覆工がそのまま地下構造物の本設の底版や側壁になっていることから、各トンネルの覆工を予め重厚なものにしておく必要がある。つまり、各トンネルの残置された覆工をそのまま本設の構造体として利用する場合には、各トンネルの覆工の厚さや強度を、閉断面のトンネルに使用する場合に必要な厚さや強度(すなわち、施工時に必要な厚さや強度)よりも大きくしておく必要がある。
特開2001−214699号公報(段落0022、図1)
ところが、本設の構造体としてそのまま利用できる程度に各トンネルの覆工を重厚なものにすると、覆工を構成する函体やセグメントの重量が嵩むことになるので、その搬入作業や組立作業に支障をきたす虞がある。
このような観点から、本発明は、並設された複数本のトンネルを利用して築造した地下構造物であって、各トンネルの覆工が必要以上に重厚になることがない地下構造物を提供することを課題とし、さらには、並設された複数本のトンネルを利用して地下構造物を築造する場合に、各トンネルの覆工を必要以上に重厚にしなくてもよい地下構造物の築造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために創案された本発明に係る地下構造物は、並設された複数本のトンネルを利用して築造した地下構造物であって、前記各トンネルの周辺地盤に面する覆工を残置させて形成した外周部と、前記外周部の内周に沿って形成された内周部とを備え、前記覆工は、前記周辺地盤に面するスキンプレートと、前記スキンプレートの内面に固着された主桁とを備えており、前記内周部は、隣り合う前記覆工同士の境界部分を跨ぐように打設されたコンクリートを含んで構成されており、前記内周部の底版の下面と前記スキンプレートとの間に、発泡スチロール、流動化処理土または前記コンクリートよりも貧配合のコンクリートが配置されていることを特徴とする。
この地下構造物は、各トンネルの覆工であって周辺地盤に面している覆工を利用して形成した外周部と、その内周に沿って形成した内周部との二層構造になっているので、内周部の厚さや強度を適宜調節することで、完成後に外周部が負担すべき荷重を小さくすることができる。つまり、各トンネルは、その施工時に必要な覆工の厚さ(すなわち、閉断面のトンネルである場合に必要な厚さ)を備えていればよく、したがって、各トンネルの覆工が必要以上に重厚になることがない。
なお、前記内周部、トンネル横断方向に隣り合う前記覆工同士の境界部分を跨ぐように打設されたコンクリートを含んで構成されていると、複数のトンネルを並設したときにその境界部分に生じる覆工間の隙間(継ぎ目)をコンクリートで塞ぐことができるので、この隙間からの地下水等の浸入を防止することができる。なお、コンクリートを打設する際には、外周部がそのまま周辺地盤側の型枠になることから、施工性がよい。
また、前記内周部を構成する前記コンクリートには、前記境界部分を跨ぐように配置された鉄筋を埋設してもよい。このようにすると、鉄筋の補強効果によって内周部の剛性が向上し、さらには、各トンネルの残置された覆工同士が鉄筋を介して互いに連結されることになるので、外周部の剛性も向上することとなる
お、外周部が仮設構造体である場合には、前記内周部が本設構造体となる。
また、本発明に係る地下構造物においては、隣り合う前記覆工同士を連結してもよい。このようにすると、隣り合う覆工同士が一体化されることになるので、外周部の剛性を向上させることができる。なお、隣り合う覆工同士は、例えば、ボルト・ナットからなる継手やくさびを利用した継手を介して連結してもよいし、溶接により連結してもよい。
また、本発明に係る地下構造物においては、隣り合う前記覆工間の目地を覆うカバーを少なくとも一方の前記覆工に設けてもよい。このようにすると、覆工間の目地からの地下水等の浸入を防止することができる。
また、前記の課題を解決するために創案された本発明に係る地下構造物の築造方法は、築造すべき地下構造物の横断面の全てを実質的に包含するように複数本のトンネルを並設するトンネル構築工程と、前記各トンネルの周辺地盤に面する覆工に沿ってコンクリートを打設して内周部を構築する内周部構築工程と、前記各トンネルの前記内周部の内空側に露出している覆工を撤去する覆工撤去工程とを含む地下構造物の築造方法であって、前記内周部の底版となるべき位置の下側に位置する前記覆工上に、発泡スチロール、流動化処理土または前記コンクリートよりも貧配合のコンクリートを配置した後、前記内周部構築工程を行うことを特徴とする。
要するに、本発明に係る地下構造物の築造方法は、築造すべき地下構造物の横断面の全てを実質的に包含するように複数本のトンネルを並設し、前記各トンネルの周辺地盤に面する覆工に沿って内周部を構築した後に、前記各トンネルの前記内周部の内空側に露出している覆工を撤去するものである。
ここで、「築造すべき地下構造物の横断面の全てを実質的に包含する」とは、複数のトンネルの横断面の面積の合計と地下構造物の横断面の面積とが等しいか、あるいはその差が地下構造物の横断面の面積に比して小さいことをいう。
このようにすると、内周部の構築が完了するまで、各トンネルを閉断面にしておくことができるので、各トンネルの覆工を必要以上に重厚にする必要がない。すなわち、各トンネルの不要な覆工を撤去した後に内周部を構築するという施工手順を採用する場合には、内周部が構築されるまでは、開断面となった各トンネルで(すなわち、残置された覆工のみで)周辺地盤を支保しなければならないので、その覆工を重厚にしておく必要があるが、内周部の構築後に各トンネルの不要な覆工を撤去するという施工手順を採用する本発明によれば、各トンネルの覆工は、閉断面のトンネルである場合に必要な厚さや強度を備えていればよく、したがって、各トンネルの覆工が必要以上に重厚になることがない。また、このようにして築造された地下構造物は、各トンネルの残置された覆工を利用して形成した外周部と、その内周に沿って形成した内周部との二層構造になっているので、内周部の厚さや強度を適宜調節することで、完成後に外周部が負担すべき荷重を小さくすることもできる。
なお、本発明に係る地下構造物の築造方法においては、前記内周部構築工程を行う前に、前記各トンネルの覆工に開口部を形成して隣り合う前記トンネル同士を連通させるトンネル連通工程を行うとよい。
このようにすると、隣り合うトンネル同士の境界部分にコンクリートを打設することが可能となる。つまり、最終的に残置される覆工同士の境界部分を跨ぐようにコンクリートを打設することが可能となる。なお、覆工同士の境界部分にコンクリートを打設すると、覆工間の隙間(継ぎ目)がコンクリートで塞がれることになるので、この隙間からの地下水等の浸入を防止することができる。なお、コンクリートを打設する際には、外周部がそのまま周辺地盤側の型枠になることから、施工性がよい。
ここで、例えば、前記各トンネルの覆工にトンネル軸方向に間隔をあけて配置された複数の枠状の主桁が含まれている場合には、前記各主桁を残しつつ前記各トンネルの覆工に開口部を形成して隣り合う前記トンネル同士を連通させるとよい。このように主桁を残置させつつ隣り合う前記トンネル同士を連通させると、覆工の剛性の低下を防ぐことができる。
また、前記内周部構築工程に、前記内周部を構成する前記コンクリートに埋設される鉄筋を前記開口部に挿通する工程が含まれていてもよい。
このようにすると、鉄筋の補強効果によって内周部の剛性が向上するだけでなく、最終的に残置される覆工が鉄筋を介して互いに連結されることになるので、剛性の高い地下構造物を構築することができる。
また、前記トンネル連通工程では、前記開口部を塞いでいた蓋部材を取り外すことで、隣り合う前記トンネル同士を連通させることが望ましい。
並設された複数本のトンネルを利用して地下構造物を築造する際に、各トンネルがこの覆工構造を備えていると、各トンネルにおいて覆工本体から蓋部材を取り外すだけで、隣り合うトンネル間を連通させることができる。
本発明に係る地下構造物によると、並設された複数本のトンネルの各覆工が必要以上に重厚になることがない。
また、本発明に係る地下構造物の築造方法によると、並設された複数本のトンネルを利用して地下構造物を築造する際に、各トンネルの覆工を必要以上に重厚にしなくとも、地下構造物を構築することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
<地下構造物の構成>
本実施形態に係る地下構造物Uは、図1に示すように、その横断面の全てを包含するように並設された複数本(本実施形態では六本)のトンネルT,T,…を利用して築造したものであり、周辺地盤Gに面する外周部1と、この外周部1の内周に沿って形成された内周部2とを備えている。なお、図1では、その左半分において内周部2(コンクリート2Cおよび鉄筋枠2R)の図示を省略している。
ここで、地下構造物Uの横断面は矩形を呈しており、各トンネルTの横断面も矩形を呈している。また、複数のトンネルT,T,…は、同一の横断面形状を有しており、かつ、複数のトンネルT,T,…の横断面の面積の合計と地下構造物Uの横断面の面積とがおおよそ等しくなっている。
まず、各トンネルTの施工時の覆工L(覆工構造)について詳細に説明する。ここで、各トンネルTは、推進工法またはシールド工法により構築することができるが、本実施形態では、推進工法により構築する場合を例示する。なお、トンネルTの施工時の覆工Lには、周辺地盤Gに面していて、かつ、地下構造物Uの完成後も残置される覆工L1と、内周部2の内空側に露出し、かつ、完成前に撤去される覆工L2とがある。なお、以下の説明では、残置される覆工L1を「残置覆工L1」と称し、撤去される覆工L2を「撤去覆工L2」と称することがある。
各トンネルTの施工時の覆工Lは、図2の(a)に示すように、複数の開口部10a,10a,…を有する覆工本体LAと、各開口部10aを塞ぐ蓋部材LBとを備えている。なお、各トンネルTの覆工本体LAにおいて、各開口部10aは、隣りに位置する他のトンネルTに面する部位に形成されている。つまり、トンネルTを構築する際に用いられる覆工構造は、隣りに位置する他のトンネルTに面する部位に開口部10aを有する覆工本体LAと、開口部10aを塞ぐ蓋部材LBとを備えている、といえる。
また、本実施形態においては、覆工本体LAは、トンネル軸方向に連設された複数の函体10,10,…を含んで構成されている。
函体10は、図3にも示すように、角筒状に形成されたスキンプレート11と、トンネル軸方向に間隔をあけて配置された複数の枠状の主桁12,12,…と、隣り合う主桁12,12間においてトンネル軸方向に沿って配置された複数の縦リブ13,13,…とを含んで構成されている。
スキンプレート11は、複数の枠状の主桁12,12,…を取り囲むように配置されていて、全体として角筒状を呈しているが(図2の(a)参照)、隣りに位置する他のトンネルTに面する部位に開口部10aが形成されている。また、図3に示すように、スキンプレート11は、例えば、複数枚の鋼製の板材11aを溶接により接合することにより形成することができる。なお、図5の(b)に示すように、開口部10aは、少なくともその一部が内周部2となる領域に掛かるように形成されている。
主桁12は、図3に示すように、トンネルTの横断面内においてスキンプレート11の内面に沿って枠状に配置された四枚の鋼製の板材12a,12a,…からなる。各板材12aは、隣接する他の板材12aに溶接されるとともに、スキンプレート11の内周面に溶接される。なお、主桁12の構成は、図示のものに限定されることはなく、例えば、図示は省略するが、板材12aに替えて角形鋼管やI型鋼などを利用してもよい。
縦リブ13は、主として掘進機K(図4の(a)参照)の推進ジャッキの推力を支持し、あるいは、図示せぬ坑口に設置された元押しジャッキの推力を掘進機K(図4の(a)参照)に伝達するためのものであり、スキンプレート11の内周面に溶接により接合された鋼製の板材からなる。なお、縦リブ13の長手方向の端部は、主桁12の側面に溶接により接合されている。
なお、本実施形態においては、函体10を鋼製の部材で構成したが、この他、球状黒鉛鋳鉄製の部材で構成してもよく、さらには、鉄筋コンクリート製の部材で構成してもよい。また、図示は省略するが、複数のセグメントを組み合わせて函体10を構成してもよい。なお、この場合には、残置覆工L1と撤去覆工L2(図1参照)との境界部分にセグメントの継手(継ぎ目)を位置させると、後記する覆工撤去工程を簡易迅速に行うことが可能となる。
図2の(a)および(b)に示す蓋部材LBは、矩形形状を呈する外面板15と、この外面板15の内面(覆工本体LAの内空側の面)に対向して配置された一対の取付板16,16と、一対の取付板16,16間に対向して配置された一対の補強リブ17,17とを備えて構成されていて、覆工本体LAに着脱可能に取り付けられている。
外面板15は、覆工本体LA(すなわち、函体10)の開口部10aと同じ平面形状に成形されていて、覆工本体LAの外面(すなわち、スキンプレート11)と面一に配置される。
一対の取付板16,16は、トンネル軸方向に隣り合う主桁12,12間にちょうど納まるような間隔をもって対峙しており、それぞれボルト・ナットによって主桁12に着脱可能に固定されている。
なお、外面板15、一対の取付板16,16および一対の補強リブ17,17は、鋼製の板材からなり、溶接によって互いに接合されている。
次に、図1を参照して、地下構造物Uを構成する外周部1および内周部2について詳細に説明する。なお、以下の説明において、トンネル横断方向とは、図1において左右方向または上下方向を意味する。
外周部1は、角筒状の外殻を形成するように配置された複数の残置覆工L1,L1,…を含んで構成されていて、内周部2とともに本設構造体を形成している。つまり、各トンネルTの断面矩形枠状の覆工Lのうち、周辺地盤Gに面する断面略L字状または断面略一文字状の残置覆工L1によって本設構造体の一部として機能する外周部1が構成されている。また、トンネル横断方向に隣り合う残置覆工L1,L1は、ボルト・ナットからなる継手J1を介して互いに連結されている。このようにすると、トンネル横断方向に隣り合う残置覆工L1,L1が強固に一体化されることになるので、外周部1の剛性を向上させることができる。
また、本実施形態では、外周部1と内周部2とを一体にすべく、残置覆工L1の主桁12および縦リブ13をコンクリート2Cに埋設している。なお、スキンプレート11の内面に図示せぬスタッドジベル等を配置して、外周部1と内周部2との結合強度を増強してもよい。
内周部2は、トンネル軸方向(図1において紙面垂直方向)に間隔をあけて配置された複数の鉄筋枠2R,2R,…(図6参照)と、外周部1の内周に沿って打設されたコンクリート2Cとを含んで構成されていて、本実施形態では、頂版21、底版22および側壁23を備えている。
鉄筋枠2Rは、外周部1の内周に沿って枠状に組まれた複数の鉄筋24,24,…から構成されており、そのうちの少なくとも一本の鉄筋24がトンネル横断方向に隣り合う残置覆工L1,L1の境界部分を跨ぐように配置されている(図5の(c)参照)。このようにすると、鉄筋24の補強効果によって内周部2の剛性が向上し、さらには、隣り合う残置覆工L1,L1が鉄筋24を介して互いに連結されることになるので、外周部1の剛性も向上することとなる。なお、本実施形態では、隣り合う残置覆工L1,L1を連結する継手J1よりも内空側(すなわち、内周部2の内周側)に鉄筋枠2Rを配置したが、鉄筋枠2Rの位置や個数はこれに限定されることはなく、作用する荷重の大きさ等に応じて適宜変更しても差し支えない。また、鉄筋枠2Rにおいて、各鉄筋24の端部は、隣接する他の鉄筋24と重複(ラップ)させることが望ましい。
コンクリート2Cは、各残置覆工L1の内周部分に加えて、トンネル横断方向に隣り合う残置覆工L1,L1の境界部分を跨ぐように打設されている(図5の(d)参照)。なお、トンネル横断方向に隣り合う残置覆工L1,L1が一体になるように、コンクリート2Cの打継ぎ目を残置覆工L1,L1間の境界部分(継ぎ目部分)とずらした位置に設けるのが望ましい。このようにすると、複数のトンネルT,T,…を並設したときに生じる残置覆工L1,L1間の隙間をコンクリート2Cで塞ぐことができるので、内周部2の内空側への地下水等の浸入を防止することができる。なお、コンクリート2Cの配合および強度は、施工性(流動性)や土被り、さらには内周部2が負担すべき荷重の大きさ等を考慮して適宜設定すればよい。
ここで、本実施形態においては、外周部1となる残置覆工L1が鋼製の部材で構成されており、かつ、内周部2がコンクリート2Cを含んで構成されていることから、コンクリート外周部1と内周部2とによって所謂オープンサンドイッチ構造が形成されることになる。これにより、内周部2を構成するコンクリート2Cの厚さを小さくすることができ、また、外周部1のない単純な鉄筋コンクリート構造に比べ鉄筋量を大幅に低減することができる。
以上説明したように、この地下構造物Uは、各トンネルTの覆工Lを利用して形成した外周部1と、その内周に沿って形成した内周部2との二層構造になっているので、内周部2の厚さや強度を適宜調節することで、完成後に外周部1が負担すべき荷重を小さくすることができる。つまり、各トンネルTは、その施工時に必要な覆工Lの厚さを備えていればよく、したがって、各トンネルTの覆工Lが必要以上に重厚になることがない。
<地下構造物の築造方法>
次に、地下構造物Uの築造方法を説明する。図4に示すように、この地下構造物Uの構築方法は、地下構造物Uの横断面の全てを実質的に包含するように複数本のトンネルT,T,…を並設し(図4の(a)および(b)参照)、各トンネルTの周辺地盤Gに面する覆工L1に沿って内周部2を構築した後に(図4の(c)参照)、各トンネルTにおいて内周部2の内空側に露出している覆工L2を撤去するものである(図4の(d)参照)。
より詳細には、この地下構造物Uの築造方法は、以下に説明するトンネル構築工程、トンネル連通工程、内周部構築工程および覆工撤去工程を含んでいる。
トンネル構築工程は、築造すべき地下構造物Uの横断面の全てを実質的に包含するように複数本のトンネルT,T,…を並設する工程である(図4の(a)および(b)参照)。つまり、トンネル構築工程は、地下構造物Uが構築される領域を均等に分割してなる複数の小領域のそれぞれにトンネルTを構築する工程であり、総てのトンネルTの構築が完了した時点で、地下構造物Uが構築される領域の掘削と支保とが完了する。
複数のトンネルT,T,…を施工順にトンネルT1〜T6と称してトンネル構築工程をより具体的に説明する。まず、図4の(a)に示すように、築造すべき地下構造物Uの下部中央の小領域に基準となる一本目のトンネルT1を構築したうえで、この一本目のトンネルT1の横隣りの小領域に、一本目のトンネルT1をガイドにして二本目のトンネルT2および三本目のトンネルT3を構築する。続いて、図4の(b)に示すように、一本目のトンネルT1の縦(上)隣りの小領域にこれをガイドにして四本目のトンネルT4を構築し、さらに、トンネルT2およびトンネルT4に隣接する小領域にこれらをガイドにして五本目のトンネルT5を構築し、トンネルT3およびトンネルT4に隣接する小領域にこれらをガイドにして六本目のトンネルT6を構築する。なお、トンネルT1〜T6の構築順序は、図示のものに限らず、適宜変更しても差し支えない。
各トンネルTは、複数の函体10,10,…(図2の(a)参照)を図示せぬ坑口から順次押し出す(押し込む)ことにより構築される。なお、トンネルTの施工中は、函体10の周囲に滑材を注入・充填しておき、トンネルTの構築が完了した後に、硬化性の裏込材に置き換える。また、図示は省略するが、各トンネルTにおいて、トンネル軸方向に隣り合う函体10,10は、図示せぬボルト・ナット等を用いて互いに連結するとよい。
なお、図4の(a)に示す掘進機Kは、その後方にある函体10に反力をとって自ら掘進するもの(つまり、推進ジャッキを装備しているもの)でもよいし、函体10を介して伝達された元押しジャッキの推力により掘進するものであってもよい。掘進機Kのカッターヘッドとしては、例えば、放射状に配置されたカッタースポークK1,K1,…と、四隅に設けられたコーナーカッターK2,K2,…とを備えるものを採用することができる。なお、カッタースポークK1は、半径方向に伸縮可能に構成されている。これにより、掘削断面を矩形にすることが可能となる。なお、カッターヘッドの形態は、図示のものに限定されるものではなく、掘削断面の形状や土質等に応じて変更しても差し支えない。例えば、図示は省略するが、略菱形を呈する二つの揺動カッターを備えるカッターヘッドを採用してもよい。この場合、揺動カッターは、それぞれ揺動軸を中心に揺動し、互いに干渉しないように相反する方向に制御される
トンネル連通工程は、図5の(b)に示すように、各トンネルTの覆工Lの適所に開口部10aを形成してトンネル横断方向に隣り合うトンネルT,Tを連通させる工程であり、より具体的には、各トンネルTにおいて、各主桁12を残しつつ覆工本体LA(すなわち、函体10)から蓋部材LB(図5の(a)参照)を取り外して開口部10aを形成することにより、上下あるいは左右に隣り合うトンネルT,Tを連通させる工程である。このように主桁12,12,…を残置させつつ隣り合うトンネルT,T間を連通させると、覆工Lの剛性の低下を最小限に抑えることができる。なお、トンネル連通工程は、好適には、トンネル構築工程が完了した時点で行われるが、トンネル構築工程を行っている最中に行ってもよい。また、必要に応じて、トンネル横断方向に隣り合う覆工L,Lをボルト・ナットからなる継手J1を介して連結する。また、例えば、地下水圧が高い場合には、トンネル横断方向に隣り合う覆工L,Lの目地部分A(図4の(b)参照)に、止水注入を施したうえで、トンネルT,T間を連通させるとよい。
内周部構築工程は、図4の(c)に示すように、各トンネルTの周辺地盤Gに面する残置覆工L1に沿って内周部2(頂版21、底版22および側壁23)を構築する工程であり、コンクリート2Cが打設される領域に鉄筋枠2Rを配置する配筋工程と、コンクリート2Cを打設するコンクリート打設工程とを含んでいる。
ここで、配筋工程には、図5の(c)に示すように、鉄筋枠2Rを構成する複数の鉄筋24,24,…のうち、少なくとも一本の鉄筋24を覆工Lの開口部10aに挿通する工程が含まれている。つまり、図6にも示すように、配筋工程には、各トンネルTの覆工Lに設けた開口部10a(すなわち、トンネル軸方向に隣り合う主桁12,12の間)に鉄筋24を挿通する工程が含まれている。
また、コンクリート打設工程においては、図5の(d)に示すように、各トンネルTの残置覆工L1の内周側に加えて、トンネル横断方向(図では左右方向)に隣り合う残置覆工L1,L1の境界部分を跨ぐようにコンクリート2Cを打設する。なお、残置覆工L1の主桁12および縦リブ13は、コンクリート2Cの内部に埋設される。また、コンクリート2Cを打設する際には、その内空側に型枠や型枠支保工を設置する必要があるが、周辺地盤G側については、外周部1(より詳細には、スキンプレート11)がそのまま型枠になることから、施工性がよい。
なお、配筋工程およびコンクリート打設工程は、例えば、内周部2の部位(図1に示す頂版21、底版22および側壁23等)ごとに数次に分けて行ってもよい。
覆工撤去工程は、各トンネルTの内周部2の内空側に露出している覆工(撤去覆工)L2を撤去する工程であり、コンクリート2Cが所定の強度に達した段階で行われる。本実施形態では、覆工Lが鋼製の函体10を備えて構成されていることから、例えば、ガス切断等を採用することができる。なお、撤去覆工L2を切除する際には、土圧等に耐え得る本設構造体としての外周部1と内周部2とが完成しているので、支保工を設ける必要はない。
そして、覆工撤去工程が完了すると、図4の(d)に示すように、外周部1と内周部2とを備える地下構造物Uが築造されることになる。
以上のような施工手順で地下構造物Uを築造すると、内周部2の構築が完了するまで、各トンネルTを閉断面のままにしておくことができるので(図4の(c)参照)、各トンネルTの覆工Lを必要以上に重厚にしておく必要がない。すなわち、各トンネルTの撤去覆工L2を除去した後に内周部2を構築するという施工手順を採用する場合には、内周部2が構築されるまでは、開断面となった各トンネルTで(すなわち、残置覆工L1のみで)周辺地盤Gを支保しなければならないので、少なくとも残置覆工L1を重厚にしておく必要があるが、内周部2の構築後に撤去覆工L2を除去するという施工手順を採用する本実施形態の築造方法によれば、各トンネルTの覆工Lは、トンネルTが閉断面である場合に必要な厚さを備えていればよく、したがって、各トンネルTの覆工Lが必要以上に重厚になることがない。
<地下構造物の第一の変形例>
なお、前記した地下構造物Uの構成や築造方法は適宜変更しても差し支えない。例えば、前記した実施形態においては、隣り合う覆工L,Lの外周面同士が実質的に接するように各トンネルTを構築した場合を例示したが(図1参照)、図7に示すように、各トンネルTを構築する際に、トンネル横断方向に隣り合う覆工L,L間に隙間Sが形成されることを許容してもよい。この場合、隣り合う残置覆工L1,L1は、隙間Sにコマ材S1を挿入したうえで、長ボルトとナットからなる継手J2を介して連結するとよい。なお、図7は、前記した覆工撤去工程を行う前の状態を示している。
隣り合うトンネルT,T間に隙間Sが形成されることを許容する場合には、一方のトンネルTの残置覆工L1に雄型のカバー18Aを設けるとともに、他方のトンネルTの残置覆工L1に雌型のカバー18Bを設けて、トンネルT,T間の隙間Sを覆うとよい。ここで、雄型のカバー18Aは、残置覆工L1の周辺地盤Gに面する部位に取り付けられていて、その先端部分が雌型のカバー18B側に突出している。雌型のカバー18Bも、残置覆工L1の周辺地盤Gに面する部位に取り付けられていて、その先端部分が雄型のカバー18A側に突出しているが、その先端部分には、雄型のカバー18Aが挿入される断面C字形状の嵌合部181が形成されている。なお、各カバー18A,18Bは、トンネル軸方向(紙面垂直方向)に連続している。このようにしてトンネルT,T間の隙間Sを覆うと、トンネルT,T間の止水がより確実なものになる。また、残置覆工L1の周辺地盤Gに面する部位に雄型のカバー18Aおよび雌型のカバー18Bを設けると、残置覆工L1,L1間においても、コンクリート2Cの厚さを確実に確保できるようになる。
<地下構造物の第二の変形例>
また、前記した実施形態においては、上下あるいは左右に隣り合う残置覆工L1,L1をボルト・ナットからなる継手J1(図1参照)を介して連結した場合を例示したが、この他、例えば図8に示すように、一方の残置覆工L1に設けたガイド溝Dに他方の残置覆工L1に設けた突条Pを遊嵌させてなる継手J3を介して連結してもよい。なお、図8は、前記した覆工撤去工程を行う前の状態を示している。
つまり、各トンネルTの覆工Lとなる函体10’に、トンネル軸方向に沿ってガイド溝Dおよび突条Pの両方または一方を設けておき、先行して構築されたトンネルTに沿って後行のトンネルTとなる函体10’を押し出す際に、ガイド溝Dと突条Pとを遊嵌させることによって、これらを連結してもよい。
ここで、ガイド溝Dは、幅狭部D1と幅広部D2とを備える断面T字形状の溝(いわゆるT溝)であり、隣接する他のトンネルT側に開口している。
また、突条Pは、ウェブP1の幅(厚さ)がガイド溝Dの幅狭部D1の幅(すなわち、ガイド溝Dの開口幅)よりも小さくなっており、かつ、頭部P2の断面積がガイド溝Dの幅広部D2の断面積よりも小さくなっているので、上下左右に動き得るクリアランスをもってガイド溝Dの内部に入り込む。
そして、このような函体10’を利用して各トンネルTを構成すると、先行するトンネルTが蛇行し、あるいは捩れている場合や、後行のトンネルTの掘進機K(図4の(a)参照)にローリングやピッチング等が発生した場合であっても、これらの影響が両トンネルT,Tの連結部分で吸収されることになるので、その施工を確実に行うことができる。
つまり、後行のトンネルTとなる函体10’(以下、「後行の函体10’」という)を先行のトンネルTに沿って押し出す際には、後行の函体10’の突条Pは、先行トンネルTを構成する函体10’のガイド溝Dの内部にトンネル軸方向から挿入されことになるが、この突条Pがガイド溝Dの内部に遊嵌状態で入り込むので、先行のトンネルTが蛇行等していても、あるいは、後行のトンネルTの掘進機Kにローリング等が生じていても、突条Pとガイド溝Dとが直ちに競ってしまうというような不都合が発生することがなく、その結果、後行の函体10’をスムーズに押し出すことが可能となる。
また、このガイド溝Dおよび突条Pは、遊嵌状態で結合してトンネルTの蛇行等に対応可能に構成されている一方で、突条Pの頭部P2(すなわち、突条Pの突端部分)がガイド溝Dの幅狭部D1の幅よりも大きい幅寸法に成形されているので、隣り合う函体10’,10’が必要以上に離間することがなく、その結果、寸法精度の高い地下構造物を構築することが可能となる。
なお、ガイド溝Dおよび突条Pの構成は、図8に示すものに限定されることはなく、適宜変更しても差し支えない。
<地下構造物の第三の変形例>
また、前記した実施形態においては、外周部1が内周部2とともに本設構造体を形成している場合を例示したが、図9に示すように、外周部1’を仮設構造体とし、内周部2’を本設構造体としてもよい。なお、図9は、前記した覆工撤去工程を行う前の状態を示している。
ここで、仮設構造体である外周部1’の構成は、図1に示す外周部1の構成と同様であるので、その詳細な説明は省略するが、外周部1’においては、完成後に負担すべき荷重を考慮する必要がないので、上下あるいは左右に隣り合う残置覆工L1,L1を連結しなくともよい。
また、内周部2’は、その外周側に配置された外周鉄筋枠2R’とその内周側に配置された内周鉄筋枠2R”とを備えている。なお、外周鉄筋枠2R’および内周鉄筋枠2R”を構成する少なくとも一本の鉄筋24が、上下あるいは左右に隣り合う残置覆工L1,L1(トンネルT,T)の境界部分を跨ぐように配置されている。ここで、内周部2’を構成するコンクリート2C’の厚さや圧縮強度、並びに、外周鉄筋枠2R’および内周鉄筋枠2R”の位置や個数、さらには、鉄筋24の太さ等は、外周部1’が土圧等を負担しないものと仮定して設定すればよい。なお、図9においては、外周部1’の縦リブ13,13間にコンクリート2C’が入り込んでいるが、コンクリート2C’を打設する前に流動化処理土や貧配合のコンクリートを打設しておいてもよい。
また、外周部1’を仮設構造体とした場合の地下構造物の築造方法は、これを本設構造体とした地下構造物U(図1参照)の場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
<地下構造物の第四の変形例>
図10に示すように、外周部1’を仮設構造体とする場合であって、隣り合うトンネルT,T間に隙間Sが形成されることを許容する場合には、一方のトンネルTの残置覆工L1に雄型のカバー18Aを設けるとともに、他方のトンネルTの残置覆工L1に雌型のカバー18Bを設けて、トンネルT,T間の隙間Sを覆うとよい。この場合、カバー18A,18Bと内周部2’との間にはモルタル等の間詰材18Cを充填するとよい。
<地下構造物の第五の変形例>
また、外周部1’を仮設構造体とする場合には、各トンネルTを構築する際に、図11に示す函体10”を利用してもよい。この函体10”は、隣り合う主桁12,12間であって内周部2’(図10参照)の外周側に位置する部位に充填材19が詰め込まれている。充填材19としては、例えば、流動化処理土、貧配合のコンクリート、発泡スチロールなどを用いることができる。このようにすると、図10において、内周部2’となる高品質のコンクリート2C’が外周部1’に入り込むことがなく、結果として、コスト削減を図ることが可能となる。なお、充填材19は、地中に押し出す前に工場や現場等において予め函体10”に打設しておく。
<その他の変形例>
前記した実施形態では、地下構造物Uの横断面が矩形である場合を例示したが(図1参照)、これに限定されることはなく、例えば、L字形状、T字形状、コ字形状、凹形状などであってもよい。また、各トンネルTの横断面も矩形に限定されることはなく、例えば、角丸四角形や小判形を呈していても差し支えない。
さらに、前記した実施形態では、地下構造物Uが構築される領域を均等に分割してなる複数の小領域のそれぞれに同一の寸法・形状を有するトンネルTを構築したが(図1参照)、必ずしも均等に分割する必要はない。すなわち、複数のトンネルT,T,…の横断面の面積の合計と地下構造物Uの横断面の面積とがおおよそ等しくなっていれば、各トンネルの横断面の寸法や形状等は、二種類以上であってもよい。
また、前記した実施形態では、地下構造物Uが構築される領域を二段三列に分割した場合を例示したが、領域の分割方式がこれに限定されることがないのは言うまでもない。
本発明に係る地下構造物を示す断面図である。 (a)はトンネルの覆工構造を示す斜視図、(b)は蓋部材を示す斜視図である。 覆工構造を構成する函体を示す分解斜視図である。 本発明に係る地下構造物の築造手順を示す断面図であって、(a)および(b)はトンネル構築工程を説明する図、(c)は内周部構築工程を説明する図、(d)は覆工撤去工程を説明する図である。 (a)および(b)は、トンネル連通工程を説明するための断面図、(c)および(d)は内周部構築工程を説明するための断面図である。 隣り合うトンネル間に鉄筋を配置した状態を示す斜視図である。 本発明に係る地下構造物の第一の変形例を説明するための断面図である。 本発明に係る地下構造物の第二の変形例を説明するための断面図である。 本発明に係る地下構造物の第三の変形例を説明するための断面図である。 本発明に係る地下構造物の第四の変形例を説明するための断面図である。 本発明に係る地下構造物の第五の変形例を説明するための断面図である。
符号の説明
U 地下構造物
1 外周部
2 内周部
2C コンクリート
2R 鉄筋枠
24 鉄筋
T(T1〜T6) トンネル
L 覆工
LA 覆工本体
LB 蓋部材
L1 残置覆工(残置される覆工)
L2 撤去覆工(撤去される覆工)
10 函体
10a 開口部
11 スキンプレート
12 主桁
13 縦リブ
18A,18B カバー

Claims (10)

  1. 並設された複数本のトンネルを利用して築造した地下構造物であって、
    前記各トンネルの周辺地盤に面する覆工を残置させて形成した外周部と、
    前記外周部の内周に沿って形成された内周部とを備え、
    前記覆工は、前記周辺地盤に面するスキンプレートと、前記スキンプレートの内面に固着された主桁とを備えており、
    前記内周部は、隣り合う前記覆工同士の境界部分を跨ぐように打設されたコンクリートを含んで構成されており、
    前記内周部の底版の下面と前記スキンプレートとの間に、発泡スチロール、流動化処理土または前記コンクリートよりも貧配合のコンクリートが配置されていることを特徴とする地下構造物。
  2. 前記内周部を構成する前記コンクリートには、前記境界部分を跨ぐように配置された鉄筋が埋設されていることを特徴とする請求項に記載の地下構造物。
  3. 前記外周部が仮設構造体であり、前記内周部が本設構造体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地下構造物。
  4. 隣り合う前記覆工同士が連結されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の地下構造物。
  5. 隣り合う前記覆工間の目地が、少なくとも一方の前記覆工に設けられたカバーによって覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の地下構造物。
  6. 築造すべき地下構造物の横断面の全てを実質的に包含するように複数本のトンネルを並設するトンネル構築工程と、
    前記各トンネルの周辺地盤に面する覆工に沿ってコンクリートを打設して内周部を構築する内周部構築工程と、
    前記各トンネルの前記内周部の内空側に露出している覆工を撤去する覆工撤去工程とを含む地下構造物の築造方法であって、
    前記内周部の底版となるべき位置の下側に位置する前記覆工上に、発泡スチロール、流動化処理土または前記コンクリートよりも貧配合のコンクリートを配置した後、前記内周部構築工程を行うことを特徴とする地下構造物の築造方法。
  7. 前記内周部構築工程を行う前に、前記各トンネルの覆工に開口部を形成して隣り合う前記トンネル同士を連通させるトンネル連通工程を行うことを特徴とする請求項に記載の地下構造物の築造方法。
  8. 前記各トンネルの覆工には、トンネル軸方向に間隔をあけて配置された複数の枠状の主桁が含まれており、
    前記内周部構築工程を行う前に、前記各主桁を残しつつ前記各トンネルの覆工に開口部を形成して隣り合う前記トンネル同士を連通させるトンネル連通工程を行うことを特徴とする請求項に記載の地下構造物の築造方法。
  9. 前記内周部構築工程には、前記内周部を構成する前記コンクリートに埋設される鉄筋を前記開口部に挿通する工程が含まれていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の地下構造物の築造方法。
  10. 前記トンネル連通工程では、前記開口部を塞いでいた蓋部材を取り外すことで、隣り合う前記トンネル同士を連通させることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の地下構造物の築造方法。
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