JP4342755B2 - 加工果実の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、梅またはアンズの果実にペクチン質分解酵素を含浸させて果実組織を軟化させることからなる加工果実の製造方法、この方法で得られた梅またはアンズ及びこれらを含む食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
梅干は梅果実を加工した塩蔵品であり、大多数は20%程度の塩分を含むものであったが、近年の消費者の低塩指向に対応して、塩分含量を5〜10%程度に抑えた製品が主流となりつつある。例えば、減塩梅干の製造法として、高濃度の食塩に塩漬け(一次加工)した果実を、水で脱塩(二次加工)する手法が広く用いられている。
しかし、この手法では、製造工程から多量の食塩を含む排水が生じ、その処理によっては環境問題に発展することがある。また、この脱塩工程では、クエン酸などの梅果実中の有効成分も流失するので、本来、梅干が有しているとされる防腐特性等が損なわれる恐れがある。
【0003】
一方、梅干の果肉の軟らかさは、原料となる果実の熟度に、大きく影響される。すなわち、果肉が軟らかく嗜好性の高い製品を安定して製造するためには、適度に成熟した一定の熟度の果実を原料とする必要がある。例えば、過熟の果実を原料とした場合には、加工工程での果皮表面の損傷などが起こりやすく、また未熟な果実を用いた場合には、果肉が萎縮し、商品価値を失ってしまう。一定熟度の果実を原料に用いる限り、作業が一時に集中することは避けられないが、特に収穫、選別などの作業が容易な未熟果を原料として用いることができれば、作業の分散化が可能となり、生産効率の向上に寄与することができる。
このような状況から、梅果実を一次加工後に脱塩することなく、当初から少量の食塩で漬け込むことができ、また未熟果実を原料としても従来品と遜色のない味、食感および特性をもつ梅干を製造する技術の開発が強く求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
食塩は、梅干の製造において果実の保存のみならず果実組織の軟化にも重要な役割を果たしている。そこで、本発明者らは、このような食塩の役割についてさらに精査し、組織軟化は、果実中のペクチン鎖間をキレート結合しているカルシウム、マグネシウムなどの2価金属イオンが食塩に由来するナトリウムイオンで置換され、キレート結合が解離して生じるペクチン質の可溶化と、これに伴って活性化される果実中のペクチン質分解酵素によるペクチン質の低分子化によるものと考察した。
こうしたことから、食塩によるナトリウム置換以外の方法で梅果実中のペクチン質を低分子化させることができれば、高濃度の食塩を使用することなく、減塩梅干を製造することが可能になるものと考えられる。
また、果実の成熟過程においては、果実自体が有するペクチン質分解酵素によりペクチン質の低分子化が進み、果肉が軟化することが知られている。ペクチン質の低分子化が不十分な未熟果実についても、何らかの方法でペクチン質を低分子化することで、適熟の果実を使用した場合と同等の品質を有する梅干の製造が可能になるものと考えられる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような推察のもとで鋭意研究した結果、(1) ペクチン質分解酵素を果実に含浸させることによって果実組織が軟化されること、(2)含浸は果実をいったん減圧または加圧条件下に置いた後、常圧に戻すことによって促進されること、(3)酵素の浸透性は果実の収穫後の時間経過に伴い低下するが、水溶性カルシウム塩を含む溶液に果実を浸漬して保存すること、果実を減圧または加圧条件下に保存すること、あるいはその組合わせによって酵素の浸透性低下を防止できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明によれば、梅またはアンズの果実にペクチン質分解酵素を含浸させて果実組織を軟化させることからなる加工果実の製造方法、この方法で得られた梅またはアンズ及びこれらを含む食品が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の方法が適用される梅およびアンズは、それぞれバラ科に属する Prunus mume SIEB. et ZACCおよびPrunus armeniacaの学名で知られる植物の果実であり、食用に用いられるものであれば、梅は南高、養老、白加賀、曙、豊後など、アンズは平和号、新潟大実など、どのような品種のものであってもよい。
【0007】
この発明で用いられるペクチン質分解酵素は、不溶性のペクチン質を分解する酵素であれば、微生物由来のものまたは合成により得られるもののいずれであってもよく、1種のみの使用でも2種以上の併用であってもよい。
ペクチン質分解酵素としては、トリコスポロン・ペニシラタム(Trichosporon penicillatum)など酵母および酵母近縁の微生物由来のプロトペクチナーゼ類(Methods in Enzymology、161 巻、335頁、1988年)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)由来のポリガラクチュロナーゼ類(Biochem. Biophys. Biotech., 64巻、1337および1729頁、2000年)、トリコスポロン・ペニシラタム由来のポリメトキシガラクチュロナーゼ類(FEBS Letters, 414巻、439頁、1997年)などが挙げられるが、トリコスポロン・ペニシラタムSNO3株の生産するプロトペクチナーゼ-S (Methods in Enzymology、161 巻、335頁、1988年)が特に好ましい。
【0008】
これらの酵素は、液体または固体のいずれの形態でもよいが、水、緩衝液、好ましくは蒸留水のような酵素作用に影響を及ぼさない溶液に酵素を溶解させた酵素含有水溶液として用いることができ、これに梅またはアンズの果実を室温、好ましくは25〜37℃の温度で一定時間浸漬し、酵素を果実に含浸させることにより、果実組織を軟化さすことができる。
ペクチン質分解酵素は、酵素および対象果実の種類等によるが、通常、果実1kg当たりに10〜50万U (国際単位)、詳しくは20〜40万Uの濃度で使用することができ、酵素含有水溶液は全体としてこの範囲の濃度になり、かつ全ての果実が浸漬するように調製することが好ましい。
【0009】
なお、果実にペクチン質分解酵素を含浸させることができれば、その手順および浸漬時間等は任意である。例えば、果実を入れた容器に酵素含有水溶液を加えてもよく、あらかじめ酵素含有水溶液を入れた容器に果実を加えてもよい。
浸漬時間は特に限定されず、通常10分〜1時間、好ましくは10〜20分である。
酵素は、0〜40mmHgのような減圧又は770〜800mmHgのような加圧条件下に果実を置いた後に常圧に戻すことによって効率的に含浸させることができ、具体的には、果実をペクチン質分解酵素含有水溶液に浸漬した状態で、室温下の真空容器に入れ、容器内の圧力を20〜30mmHgの減圧条件下に保持し、次いでこれを急激に常圧に戻して行われる。
減圧又は加圧に保持する時間は、特に限定されず、通常10分〜1時間、好ましくは10〜20分である。このような圧力の変化は、例えば公知の圧力容器に果実と酵素含有水溶液を入れた状態で圧力変換器を用いて行うことができる。
【0010】
上記のようにしてペクチン質分解酵素を果実に含浸させるには、収穫、すなわち樹木からの採取時を起点として、24時間以内の果実を用いる必要がある。これは、果実の収穫後の時間経過に伴って果実に対する酵素の浸透性が低下し、例えば収穫後48時間を経た果実への酵素の含浸はほとんど不可能であるためである。しかしながら、本発明者らの研究によれば、この収穫後の時間経過に伴う酵素浸透性の低下は、果実を水溶性カルシウム塩を含む水溶液に浸漬して保存するか、あるいは果実を減圧条件下もしくは加圧条件下に保存することによって、防止できる。
【0011】
果実を水溶性カルシウム塩含有水溶液に浸漬して保存する場合には、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、硝酸カルシウムおよび酢酸カルシウムなどの水溶性のカルシウムを用いて、0.1〜2.0%のカルシウムイオン濃度の水溶液とし、これに果実を浸漬させる。上記のうち、塩化カルシウムまたはグルコン酸カルシウムが特に好ましく、カルシウム溶液に浸漬した果実は、数日間を室温で保存することができる。
また、果実を減圧又は加圧保存する場合は、前記のような圧力及び手法によって行うことができ、例えば果実をポリエチレン重層フィルムの袋などに真空包装して、室温で保存することが好ましい。
したがって、本方法を適用しようとする果実は、収穫後、酵素浸透性が低下しないうち(収穫後数時間以内が望ましい)に、水溶性カルシウム塩を含む溶液に浸漬するか、減圧又は加圧条件下におくか、又はこれらの方法の組み合わせによって保存することにより、採取から数日を経た後も酵素を有効に含浸させることができる。
【0012】
本発明の方法により得られる梅またはアンズは、そのまま食品として使用するか、またはさらに二次加工を行って、各種の食品、例えば餡、ゼリー、羊羹、特に梅の場合には梅干、梅漬けに製造することができる。
最終製品の製造に必要な砂糖、塩のような調味料、着色料、保存剤、防腐剤などは、酵素とともに果実に含浸させるか、または酵素を含浸させた後にあらためて果実に加えることができる。
例えば、含有塩分が約5%の梅干は、10%濃度になるように酵素含有水溶液に食塩を溶解して果実を含浸させるか、または酵素を含浸させた後、10重量%の食塩に2時間〜1日のあいだ果実を漬けることで酵素と食塩が含浸した果実を得て、次いでこれを3日間〜1週間のあいだ天日に干し、赤じその葉を加えることで二次加工し、製品とすることができる。
【0013】
このように、本発明の方法は、従来、長時間を要した加工を短時間で行うことができ、加工時間の短縮と工程の簡略化を図ることができる。また、梅干のような塩蔵品を製造する場合には、少量の食塩で従来品と変わらない味や特質を得ることができ、含塩排水を少量に抑えることができる。
また、従来原料として使用することが難しかった未熟果実も利用できることから、これを含む食品の生産率を向上させることができる。
さらに、ペクチン質分解酵素は、従来法よりも多いペクチンオリゴ糖を果実組織中に生ずるため、本発明の方法で得られた梅またはアンズおよびこれらを含む食品を摂取することにより、ペクチンオリゴ糖による癌細胞発生の抑制等の効果も期待される。
【0014】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
プラスチック製の容器中の蒸留水1,000mlにトリコスポロン・ペニシラタムSNO3株の生産するプロトペクチナーゼ-Sを溶解させて0.1%酵素含有水溶液(150,000U)とし、これに南高種の梅果実(800g)を入れた。この容器を室温下で圧力変換器(東京理化製)により20mmHgまで減圧し、15分間保持した後、急速に常圧に戻し、さらに15分間静置した。
その後、処理果実を凍結状態にして1〜3mmの厚さにスライスし、70%および90%のエタノールで脱水処理して超薄切片標本を作製し、これをTBS (Tris- Base)緩衝液(pH 7.0)中で抗プロトペクチナーゼ-S ウサギ抗体 (Agric. Biol. Chem., 46巻、667頁、1982年)と抗ウサギIgGヤギ抗体(ICN Pharmaceuticals, Inc.製)を用いて酵素免疫染色し、酵素の含浸状態を観察した。
その結果、収穫から2時間以内に処理した果実では、プロトペクチナーゼが果実の深部まで浸透していることが確認された。一方、収穫から48 時間以上が経過した果実では、酵素を含浸させていない対照の果実と同程度で、プロトペクチナーゼはほとんど含浸していなかった(図1A〜C)。
【0015】
実施例2
果実に含浸したペクチン質分解酵素による作用を検討するため、実施例1と同様にして処理した梅果実(A)、酵素含有水溶液に10重量%の食塩を溶解して実施例1と同様に処理した梅果実(B)、従来法により10重量%の食塩で塩漬けした梅果実(C)および20重量%の食塩で塩漬けした梅果実(D)について、果実から蒸留水により抽出した水溶性ペクチン質画分をゲル濾過法(アマシャム ファルマシア バイオテク製、HiLoad 16/60 Superdex 75 prep gradeカラムを使用)により分析した。
条件は、Vo 40ml;Vt 120ml;溶離液 水;流速 1ml/分;分取2ml/画分とし、検出はカルバゾール硫酸法により行った。また、試料(A)〜(C)は0.1g/mlの等量とし、試料(D)はその5倍量を用いた。
この結果、試料(C)および試料(D)よりも試料(A)でペクチン質がよく分解され、特に酵素と同時に食塩を含浸させた試料(B)では、ペクチン質の分解が促進され、酵素が果実組織内で十分に作用していることが示された(図2)。
また、上記と同条件のクロマトグラフィーにより各試料で分解されたペクチン質を分析したところ、試料(C)および試料(D)中には高分子の糖がみられるが、試料(A)および(B)では、オリゴ糖が存在することが認められた。
【0016】
実施例3
収穫直後に、種々の水溶性カルシウム塩を含む水溶液に浸漬し、室温で2日間保存した後、実施例1と同様の操作で、酵素を含浸させたウメ果実について、酵素の果実内への含浸状態を比較した。
この結果、水溶性カルシウム塩を含む水溶液に浸漬することで、果実の酵素浸透能が保持されることが認められた(図3)。
【0017】
実施例4
収穫直後の梅果実 500gを、室温の温度条件下、無包装又は真空包装(20mmHg)の雰囲気条件で、プラスチックラミネート製の袋に入れて2日間保存し、実施例1と同様にして酵素含浸能を検討した。
その結果、果実を真空包装して室温で保存した場合には、果実が収穫直後と同等の酵素含浸能を維持しており、このような条件下で保存すれば、酵素を果実に効率よく含浸できることが分かった(図4)。
【0018】
実施例5
収穫後24時間室温で大気下で保存した南高種の梅果実500gを、実施例1に記載の酵素含有水溶液にショ糖(和光純薬製)20%と赤色102号色素(三栄源エフ・エフ・アイ製、波長520nmでの吸光度5.0)および塩化カルシウム(和光純薬製)5%を溶解した溶液に、実施例1に記載の条件で含浸させた。次いで、この果実の果肉5gを集めて室温で20mlの蒸留水に懸濁して十分に攪拌した後、遠心分離(15分、10,000rpm、5℃)で上澄液を集め、吸光度とショ糖(エルモ製、糖度計を使用)濃度を測定した。
この結果、波長520nmでの吸光度が1.2で、果肉中にショ糖10%が含浸されていることが示され、酵素とともに最終的な製品に必要とされる調味料および着色料を果実に含浸させることにより、目的とする製品が容易に製造できることが示された。
【0019】
実施例6
収穫直後の南高種のウメ未熟果実1000gを2Lの2%塩化カルシウム水溶液に浸漬し、室温で2日間保存した後、500gずつ2群に分けた。
一群には、実施例2に記載の条件で、酵素の含浸を行った。すなわち、トリコスポロン・ペニシラタムSNO3株の生産するプロトペクチナーゼ-Sを0.1%になるように1000mLの10%食塩水に溶解し (150,000U)、室温下で圧力変換器(東京理化製)により20mmHgまで減圧し、15分間保持した後、急速に常圧に戻し、さらに15分間静置した(A区)。別の一群には酵素含浸処理は施さなかった(B区)。A区、B区ともに、果実を水で洗浄し、表面を乾燥させた後、55.6gの食塩で塩漬けし(最終塩分10%)、常法により落とし蓋をのせた上に50gの重石を置き、室温で5週間保存した。その後、3日間天日干しを行い、梅干を調製した。
【0020】
B区の梅干は、果肉が萎縮、硬化し、通常の適熟の果実を用いて製造した梅干とは大きく異なる食感のものであったが、A区のものは従来品と比べて、遜色のない食感のものとなっていた。
食品物性測定装置((株)サン科学製、レオメーター CR-200D型)を用いて、それぞれの物性の評価を行った。すなわち、各区の梅干の片面を種に接する断面で切断し、切断面を下にして、装置の測定台に置いた。試料の上方より金属製歯形感圧軸((株)サン科学製感圧軸No.34歯形A)を試料表面に接触させ、20mm/minの速度で3mm進入させたときの最大荷重を測定した。
B区についての最大荷重は任意に選んだ7個の平均で、214.1gfであったのに対して、A区では、24.9gfと大きな差が認められた。この値を、適熟果を原料に高濃度の食塩を用いる従来法で調製した標準的な製品について同様にして得られる荷重値23.3gfと比較しても、有意差は認められなかった(表1)。
【表1】
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、梅またはアンズの果実にペクチン質分解酵素を含浸させて果実組織を軟化させることからなる加工果実の製造方法、この方法で得られた梅またはアンズ及びこれらを含む食品が提供される。
この方法により、従来要していた加工時間の短縮と工程の簡略化を図るとともに、従来は使用されなかった未熟果実を加工に用いることができる。また、従来梅干のような塩蔵品を製造する場合には、少量の食塩で従来品と変わらない味や特質を備えた食品を得ることができる上に、含塩排水を少量に抑えることができ、環境面及び生産効率において好ましい結果がもたらされる。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1A】収穫直後に酵素を含浸させた梅果実の酵素免疫染色を示す。酵素が含浸した果実は、染色されている。
【図1B】酵素を含浸させていない対照の梅果実の酵素免疫染色を示す。
【図1C】収穫から48時間以上経過した後に酵素を含浸させた梅果実の酵素免疫染色を示す。
【図2】 梅果実中のペクチンの分子量分布を示す。試料A:プロトペクチナーゼ-Sを含浸させた果実、試料B:酵素含有水溶液に食塩10重量%を溶解して含浸させた果実、試料C:10重量%の食塩で塩漬けした果実、試料D:20重量%の食塩で塩漬けした果実。
【図3】 各種カルシウム塩溶液への浸漬による酵素含浸能の変化を示す。
【図4】 貯蔵条件による酵素含浸能の変化を示す。
Claims (4)
- 収穫から24時間以内の、あるいは収穫後に水溶性カルシウム塩を含む水溶液中または減圧下で保存された丸のままの梅またはアンズの果実をペクチン質分解酵素含有水溶液に浸漬し、前記水溶液に浸漬した状態の前記果実を0〜40 mmHgの減圧下に保持した後、常圧に戻すことにより、前記果実にペクチン質分解酵素を含浸させて果実組織を軟化させることからなる加工果実の製造方法。
- ペクチン質分解酵素が10〜50万U (国際単位)の濃度で果実1kg当たりに用いられる請求項1に記載の方法。
- 請求項1または2に記載の方法で得られた梅またはアンズ。
- 請求項3に記載の梅またはアンズを含む食品。
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