JP4341496B2 - 多層光情報記録媒体 - Google Patents

多層光情報記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4341496B2
JP4341496B2 JP2004221068A JP2004221068A JP4341496B2 JP 4341496 B2 JP4341496 B2 JP 4341496B2 JP 2004221068 A JP2004221068 A JP 2004221068A JP 2004221068 A JP2004221068 A JP 2004221068A JP 4341496 B2 JP4341496 B2 JP 4341496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information recording
layer
spacer
thickness
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004221068A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006040456A (ja
Inventor
功 市村
剛 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004221068A priority Critical patent/JP4341496B2/ja
Publication of JP2006040456A publication Critical patent/JP2006040456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4341496B2 publication Critical patent/JP4341496B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

この発明は、複数の情報記録層を有する、光ディスクに代表される多層情報記録媒体に関する。
光ディスクの面記録密度(媒体当たりの記録容量)を高める目的で、青紫色半導体レーザと高開口数対物レンズを用いた光ディスク装置Blu-ray Disc(商標、以下、BDディスクと適宜表記する)が提案された。BD規格では、ビームスポット径を小とするために、光源波長を405nmとし、対物レンズの開口数NA(Numerical Aperture)を0.85と大きくしている。
スポット径を1.22×λ/NAと定義すると、CD規格では、光源波長:780nm、NA:0.45、スポット径:2.11μmであり、DVD(Digital Versatile Disc)規格では、光源波長:650nm、NA:0.6、スポット径:1.32μmである。BD規格では、スポット径を0.58μmまで絞ることができ、DVDと比して、約1/5とすることができる。さらに、対物レンズの開口数NAを高めた結果、ディスク面とレーザ光の光軸がなす角度の90°からの傾きに許される角度誤差(チルト・マージンと称される)が小さくなるので、情報層を覆うカバー層を0.1mmまで薄くしている。
片面2層ディスクの場合では、レーザ光の入射方向から見て100μmの深さにある情報層(BD−ROMディスクの場合の反射層および記録可能なBDディスクの場合の記録層の両方を意味する。)を基準層(第0記録層、L0層と呼ばれる)とし、75μmの深さに追加する記録層を第1記録層(L1層)と定義している。このように、より一層の大容量化を実現するためには、情報記録層を複数とする多層ディスクが有望と考えられている。
BDディスクにおける記録媒体多層化の提案としては、下記の非特許文献1に記載のものがある。
N. Shida, T. Higuchi, Y. Hosoda, H. Miyoshi, A. Nakano,and K. Tsuchiya, "The BD-Type Multi-Layer 100GB ROM Disk Using the PhotopolymerSheet," Technical Digest of International Symposium on Optical Memory, Nara, pp.10(2003)
この非特許文献1は、4層BDディスクの可能性を報告した内容であり、4層BDディスクを構成する中間層材料(スペーサー)を全て違う厚さにすることで、複数の情報記録層間で発生する多重反射の影響を軽減する手法について提案された。図10は、非特許文献1に記載の4層BDディスクの構成を示す。1.1mm厚みのディスク基板1上にL0層が形成され、その上に順にL1層、L2層、L3層が形成され、レーザ光の入射側に光透過層(カバー層とも称される)が形成される。L0層およびL1層間のスペーサーの厚みが15μmとされ、L1層およびL2層間のスペーサーの厚みが17μmとされ、L2層およびL3層間のスペーサーの厚みが13μmとされる。厚みは、2μm以上の差を持つことが必要とされている。
BDディスクにおいては、多層ディスクにおけるスペーサーを、フィルム、或いはシート材料によって形成する場合が多い。その理由は、紫外線硬化のレジン材料をスピンコートする手法と比較して、均一な中間層厚みを有する多層ディスク構造の実現が容易なためである。したがって、この手法を用いることで、6層、或いは8層以上の情報記録層を有するディスク媒体を実現することも可能となる。
非特許文献1の手法を用いて多重反射の影響を排除しようとすると、例えば8層ディスクにおいては、厚さの異なる7種類のスペーサーを用意しなくてはならず、ディスク媒体の大量生産にとって大きな障害となる。
したがって、この発明の目的は、一定の反射率条件を満たす光ディスク媒体を作製することで、多重反射による信号劣化が効果的に軽減されると共に、スペーサーの種類が必要最小限にとどめることが可能な多層光情報記録媒体を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明は、凹凸形状や位相変化を伴う情報ピット、或いは反射率や位相変化を伴う記録マークの形成によって信号情報が記録された、4層以上の情報記録層を有する多層光情報記録媒体において、
情報記録層と隣接する情報記録層との間に、略一定の厚さを有する透明な材料で構成されたスペーサーを配置し、
2m番目に位置するスペーサーの厚さt2mと、隣接する他のスペーサーの厚さt2m+1、t2(m+1)との間に、下記の式(1)および式(2)の関係が共に成り立つように設定され、
且つ第n層である情報記録層(Ln)の手前に位置する、n+2 、およびn+3層に
形成された反射膜における強度反射率(それぞれRn+2、Rn+3)が式(3)の関係を満たしたうえで、
2(m+1) =t 2m 或いは 2m+3 =t 2m+1 の何れかが成り立つように、スペーサーの厚
さを設定することを特徴とする多層光情報記録媒体である。
2m+1>t2m (1)
2m+1>t2(m+1) (2)
(ここで、mは0以上の整数であり、t 0 は信号読み取り、或いは信号記録を行う側から
、最も遠くに位置する第0層の情報記録層(L0)と、光軸方向でその手前に位置する第1層の情報記録層(L1)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示し、t1は第1層の情
報記録層(L1)と第2層の情報記録層(L2)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示している。)
n+2×Rn+3<0.01 (3)
(ここで、nは0以上の整数である。)
この発明は、凹凸形状や位相変化を伴う情報ピット、或いは反射率や位相変化を伴う記録マークの形成によって信号情報が記録された、4層以上の情報記録層を有する多層光情報記録媒体において、
情報記録層と隣接する情報記録層との間に、略一定の厚さを有する透明な材料で構成されたスペーサーを配置し、
2m番目に位置するスペーサーの厚さt2mと、隣接する他のスペーサーの厚さt2m+1、t2(m+1)との間に、下記の式(4)および式(5)の関係が共に成り立つように設定され、
且つ第n層である情報記録層(Ln)の手前に位置する、n+2 、およびn+3層に
形成された反射膜における強度反射率(それぞれRn+2、Rn+3)が式(3)の関係を満たしたうえで、
2(m+1) =t 2m 、或いは 2m+3 =t 2m+1 の何れかが成り立つように、スペーサーの厚
さを設定することを特徴とする多層光情報記録媒体である。
2m>t2m+1 (4)
2(m+1)>t2m+1 (5)
(ここで、mは0以上の整数であり、t 0は信号読み取り、或いは信号記録を行う側から
、最も遠くに位置する第0層の情報記録層(L0)と、光軸方向でその手前に位置する第1層の情報記録層(L1)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示し、t1は第1層の情
報記録層(L1)と第2層の情報記録層(L2)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示している。)
n+2×Rn+3<0.01 (3)
(ここで、nは0以上の整数である。)
この発明によれば、厚さの異なる複数のスペーサーを互い違いに積層することで、多重反射を軽減することができる。また、隣接する情報記録層の反射率の積が比較的小さい光ディスク媒体を作成することで、多重反射による信号劣化を効果的に軽減できると共に、スペーサーの種類を必要最小限にとどめることが可能となり、多層光ディスク媒体の量産を容易にすることができる。
以下、この発明を適用したいくつかの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この発明は以下の例に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。すなわち、この発明は、その適用範囲を光ディスク媒体に限定するものではなく、多層記録が実現可能なあらゆる記録方式に対して有効な手法となり得る。この発明の実施形態としては、読み取り専用の多層BDディスクにこの発明を適用した例について説明する。
図1は、BDディスク用の光ピックアップに含まれる対物レンズの構成の一例を示す。光ピックアップは、参照符号11で示すBDディスクのカバー層11aの側から信号が凹凸として記録された信号層を読み取るように配置されている。BDディスク11は、通常、およそ1.1mmのポリカーボネート製基板の上に、信号層と薄型の光透過層が形成された構造を有する。
参照符号12が第1の対物レンズを示し、参照符号14が第2の対物レンズを示す。第1および第2の対物レンズ12および14は、同一の光軸上に位置するように、レンズホルダ13によって支持され、これら2枚のレンズは開口数0.85の2 群対物レンズとして機能する。第1および第2の対物レンズ12および14は、光軸方向および信号トラックと直交する方向に可動な構造を持つ2軸電磁アクチュエータ15上に搭載されている。半導体レーザ光源からのビームは、これら2枚のレンズを通過することによって光ディスク媒体11上に集光される。なお、対物レンズには、単一レンズを使用することも可能である。
図2は、光ディスク再生用光学ピックアップの一例を示す。半導体レーザ16からの出射光は、コリメータレンズ17で平行光とされ、書き換え型および追記型媒体に対するトラック制御誤差信号を演算するために用いられるサイドスポット生成用の回折格子19、偏光ビームスプリッタ20、液晶素子23および1/4波長板24を通過した後、2群対物レンズ(12、14)によって記録媒体上に集光される。1/4波長板24を直線偏光が通過すると円偏光となり、ディスクで反射された円偏光が1/4波長板24を通過すると直線偏光(但し、入射光に対して90°偏光面が回転した光)となる。
半導体レーザ16からの出射光の一部が偏光ビームスプリッタ20によって反射した後、集光レンズ21により発光出力検出用受光素子22へと導かれて、レーザ出力の強度を一定値に制御する目的で用いられる。なお、受光素子22への入射光量は、1/2波長板18を回転させることによって調整が可能である。実際のレーザ出力の強度は、受光素子22の出力に基づいて図示しないAPC(Automatic Power Control)回路が所定のものに
制御する。
図3は、球面収差補正素子としての液晶素子23を示す。液晶素子23は、例えば文献(M. Iwasaki, M. Ogasawara,and S.Ohtaki,"A New Liquid Crystal Panel for Spherical Aberration Compensation,"Technical Digest of Optical Data Storage Topical Meeting, Santa Fe, pp. 103 (2001))において報告されている、同心状の電極パターン(
23a,23b,23c)を有し、各電極への印加電圧に応じて、カバー層の厚さ誤差により生じる球面収差の補正量とほぼ等価な波面を発生することが可能な素子である。
なお、液晶補正素子23に代えて、エキスパンダーレンズやコリメータ移動によって、球面収差の補正をおこなう手法も用いることができる。
一方、BDディスクからの反射光は、ビームスプリッタ20で反射した後、検出光路へと導かれる。集光レンズ25、並びにマルチレンズ26を通った収束光は、サーボ誤差信号兼、RF信号検出用受光素子27へ入射され、光電変換が施される。
受光素子27は、一例として図4に示す8分割の光検出素子からなり、AからHまでの各素子の出力を使用して、焦点誤差信号、並びにトラック誤差信号を求める演算がなされる。光検出素子A〜Dが4分割検出器を構成し、光検出素子EおよびF並びにGおよびHの対がそれぞれ2分割検出器を構成する。トラック誤差が無い場合には、光検出素子EおよびFの分割位置並びにGおよびHの分割位置とビームスポットの中心が一致する。トラック誤差に応じてビームスポットが分割位置より片側の光検出素子側にビームスポットの強度分布が偏る。
本例においては、焦点誤差信号(FE)の検出方法として非点収差法を用いている。この手法においては、図5に示すように、マルチレンズによって、受光素子上で合焦時に円形、それ以外では楕円状の強度分布を示すため、式(7)の演算結果は、合焦時にゼロレベルとなり、デフォーカス時に距離の遠近に応じて+または−の極性の出力(通称、S字誤差信号)FEを発生する。
FE =(A+C)−(B+D) (7)
一方、トラック誤差信号として、予め情報ピット列が形成された再生専用ROMディスクに対しては、主として位相差法(DPD(Differential Phase Detection))が用いられる。この手法は、受光素子AとCの和信号およびBとDの和信号それぞれの位相差を検出する手法であり、式(8)によって表されるトラッキング誤差信号TEDPDを出力する
。なお、以下の演算式において、A〜Hの記号は、受光素子の参照符号のみならず、受光素子の出力信号の値をも意味している。
TEDPD =φ(A+C)−φ(B+D) (8)
また、予め渦巻き状に溝構造が形成された書き換え型、或いは追記型の光ディスクに対するトラック誤差信号には、差動プッシュプル検出法(DPP(Differential Push Pull))が用いられる。具体的には、式(9)で示すように、主ビームから検出される主プッシュプル信号から、2つの副ビームによって検出される副プッシュプル信号の和に係数(k)を乗じて減算することにより、トラック誤差信号TEDPPが演算される。
TEDPP =(A+D)−(B+C)−k・〔(E−F)+(G−H)〕 (9)
また、RF信号とSUM信号は、A〜Dまでの素子出力の和として以下の式(10)で与えられ、信号出力の全帯域成分がRF信号として利用され、また、低域成分はSUM信号として利用される。
RF=A+B+C+D (10)
なお、焦点誤差信号としてスポットサイズ法やナイフエッジ検出法を用いるようにしても良い。また、トラック誤差信号として単スポットのプッシュプル検出法を用いても良い。この発明で、各サーボ誤差信号の検出方法に関しては、上述した例以外の手法を用いることが可能である。
次に、図2に示す光学ピックアップを用いて、6層の例えば反射膜からなる情報記録層L0〜L5を有する多層光ディスクの信号再生をおこなった場合のディスク反射光について説明する。図6は、対物レンズから最も遠いL0層に読み取り光が実線で示すように集光される際に、ひとつ手前のL1層で反射した光が他の信号層で多重反射する様子を破線で示している。各情報記録層間には、スペーサーが配されている。スペーサーは、略一定の厚さを有する透明な材料で構成されたものである。
L1層以外の層でも反射した光が生じる。しかしながら、多層光ディスクの場合では、読み取り側から距離が遠い層ほど反射率が高いものとされているので、L0層における反射光の強度が他の層の反射光よりも大きくなり、読み取り光に対する影響が大きい。
ここで、多層光ディスクの製造方法の一例について説明する。多層光ディスクにおいて、支持基板面に位置する1層目(L0層)信号面の凹凸形状や位相変化を伴う情報ピットおよびグルーブは、光ディスクメディアで一般的な射出成形法(またはインジェクションモールディング)やプレスモールディング、紫外線硬化樹脂を使うフォトポリマー法(以下、適宜2P転写法と略す)、半硬化型の紫外線硬化型アシスト粘着フィルムを用いたエンボス転写法等を用いて形成される。
1層目信号面のピットおよびグルーブ上に反射膜または記録膜を被覆する。この膜は、例えば銀合金をスパッタリングで被着した反射膜である。反射率は、反射膜の厚みを変えることで設定している。書き込み可能な光ディスク媒体の場合では、反射率や位相変化を伴う記録マークの形成によって信号情報が記録可能な記録膜が被着される。記録膜は、光磁気膜、相変化膜、色素膜、ホログラム膜などであり、その形成方法も一般的手法である真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコーティング、ダイコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティングなど所望の形状と光学的に十分な表面の平滑性を付与しうる方法であればいずれでも良い。
上述反射膜または記録膜が形成された1層目信号面の上に、さらにピットおよびグルーブを有する2層目の信号面を形成していく。多層光ディスクの場合では、スペーサーの厚みの精度が高いことが要求されるので、スペーサーは、透明なシートまたは透明なフィルムから形成される。2層目以降の信号面のピットおよびグルーブは、半硬化型の紫外線硬化型アシスト粘着フィルムを用いたエンボス転写法、マスク露光およびエッチングによるフォトリソグラフィー法等で形成し、更にこの上に銀(Ag)合金反射膜、光磁気膜、相変化膜、色素膜、ホログラム膜などの反射膜または記録膜を一般的手法である真空蒸着法、スパッタリング法、スピンコーティング、ダイコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティングなどの従来の手法にて被覆する。このようにして、信号面を積層し多層光ディスクを形成する。
この場合、最上部に形成する光透過層は、BDで採用されている透明フィルムを粘着剤を介してラミネート接着したもの、透明フィルムを紫外線硬化接着剤を介して接着したもの、紫外線硬化樹脂を厚めにコーティングすることで光透過層としたものなどがある。さらに、多層光ディスクを再生する場合には、L0層から再生が開始される。
図6に示される6層ディスク構造例においては、各層の間に配されたスペーサーの厚みt0〜t4が互いに等しいものに設定されているので、L1層で反射した光線がL2、L3を始めとする他の層で多重反射し、本来の再生光であるL0層からの反射光に重なってしまい、干渉等を生じ、再生光の劣化を生じさせる。また、最初にL1以外の他の信号層で反射した光線も同様に重なるため、L0層の再生信号は多重反射による大きな信号劣化を被ることとなる。なお、図6においては、対物レンズによって集光された読み取りビームが、図示せぬ光透過層を介してディスク上方から入射するものとして描かれている(図1および図2と図6とは上下関係が異なる)。
かかる問題点を回避する手段として、厚さの異なるスペーサーを用いる手法が有効となる。図7は、2m番目に位置するスペーサーの厚さt2mと、隣接する他のスペーサーの厚さt2m+1、t2(m+1)との間に、下記の式(1)および(2)に記載された関係が共に成り立つスペーサーの厚さ関係を満たす6層ディスクの例が示す。
2m+1>t2m (1)
2m+1>t2(m+1) (2)
ここで、mは0以上の整数であり、例えば、t0は信号読み取り、或いは信号記録を行
う側(集光レンズに代表される光学手段)から、最も遠くに位置する第0層の情報記録層(L0)と、光軸方向でその手前に位置する第1層の情報記録層(L1)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示し、t1は第1層の情報記録層(L1)と第2層の情報記録層(
L2)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示している。信号読み取り、或いは信号記録を行う側に最も近い層の上には、光透過層が形成されている。
例えば(m=0)とした場合に、(t1>t0)(t1>t2)となり、(m=1)とした場合に、(t3>t2)(t3>t4)となる。すなわち、t1の厚みを有するスペーサーの
上下のスペーサーの厚みt0およびt2が厚みt1より薄いものとされ、薄いスペーサー、
厚いスペーサーが交互に位置する関係とされる。一例として、図7の例では、スペーサーの厚みが(t1>t3>t0>t2>t4)とされている。この場合、図6におけるディスク
例とは異なり、L0層以外の層の中では最も反射率が高いL1層で反射した光線の多重反射は、L0層からの反射光とが光路が一致せず、多重反射による信号劣化を軽減することが可能となる。
このように、多重反射の影響を軽減できる。しかしながら、スペーサーの厚さ誤差を考慮して一定値(例えば2μn)以上の厚み違いを有するスペーサーの材料を用意する必要が生じ、n層多層ディスクにおいては、n−1種類にものぼるスペーサーを積層しなくてはならない。そのため、多層ディスクにおけるスペーサーの厚み合計が大きくなると共に、大量生産する場合のコスト増につながるおそれが高い。
ちなみに、開口数を0.85とするBD光学系においては、隣接する情報記録層からの層間クロストークを考慮し、全ての中間層において、少なくとも10μm程度のスペーサー厚みを確保する必要がある。この点は、冒頭に記載した非特許文献1にも記載されている。また、ディスクの多層化に伴い、単層ディスク構造において100μm程度に設定さ
れていた光透過層の厚さを、50μm以下にまで薄くする必要も生じる。
また、多層光ディスクにおいては、各層の反射率を適切に設定して各層の見かけ上の反射率を所定の値以上とすることが必要とされる。一例として、8層ディスク(L0〜L7)を設計する際に想定される各層の反射率の一例を図8に示す。図8において、横軸が層番号を示し、縦軸が反射率を示す。図8では、ディスクの反射率として3.0%、4.0%および4.8%をそれぞれ得るのに必要とされる各層の反射率が示されている。層番号が増加するほど、すなわち、読み取り側からみて奥側になるほど反射率が高いものとされている。
いずれの設計例においても、通常は各層からの反射率が一定値となるように、主として反射膜の材料や厚さが調整され、ディスクの見かけの反射率が3%、4%、4.8%となるように設計される。本設計例では、各層において、透過と反射の他、一定量の吸収、或いは散乱があるものとして計算をおこなった。その結果、8層ディスクにおいては、最大で4.8%程度の反射率まで得られることとなるが、この場合、最も奥の情報記録層であるL0での反射率を65%に設定する必要が生じる。
図6および図7に示したように、多層ディスクにおける多重反射は、信号再生を行っている情報記録層よりも手前に位置する部分で生じている。また、それらの情報記録層における3回、或いは5回以上の繰り返し反射による光線に起因するため、反射率が低い場合には、影響が極めて小さくなることが想像される。しかしながら、反射率を低く設定した場合においても、スペーサーを全て同一の厚みに設定してしまうと、全ての多重反射が重なってしまい、影響を排除するのが困難となる。しかも、反射率を全体として低くすると、検出器の受光素子においてS/Nが低下する問題が生じる。
そこで、この発明においては、基本的に隣接するスペーサーの厚さのみを異なる値に設定することで、かかる問題点を解決する。例えば、2m番目に位置するスペーサーの厚さ(t2m)と、隣接する他のスペーサーの厚さ(t2m+1)との間に、上述した式(1)および(2)の関係が共に成り立つようにスペーサー厚みを設定する。
加えて、前述の通り、反射率が小さい場合には多重反射の影響は軽微と考えられるため、層間信号クロストークの観点から、信号強度で概ね1%未満であれば、問題ないレベルと想定される。図8の場合では、手前側のL4,L5,L6,L7の何れの反射率を0.1以下である。すぐ手前の信号層での反射は、互い違いの厚み設定によって回避されるため、例えば、第n層目の再生信号に対する多重反射では、主として、n+2層およびn+3層に形成された反射膜における強度反射率(それぞれRn+2、Rn+3と表記する)を、最も影響の大きい3 回の多重反射として考慮すればよい。
すなわち、情報記録層(Ln)が下記の式(3)の関係を満たしていれば、少なくともtn+2=tn、またはtn+3=tn+1の何れかが概ね成り立つように、スペーサーの厚さを設定することが可能となる。
n+2×Rn+3<0.01 (3)
式(1)および(2)と異なり、スペーサーの厚さ関係を反転させることで、2m番目に位置するスペーサーの厚さt2mと、隣接する他のスペーサーの厚さt2m+1、t2(m+1)との間に、下記の関係が共に成り立つように設定しても良い。但し、この方法は、層数が偶数の場合、一番奥の層の上のスペーサーが厚くなり、最も手前側のスペーサーも厚くなることなる。一方、式(1)および(2)に記載の方法は、一番奥の層の上のスペーサーが薄くなり、最も手前側のスペーサーも薄くなる。したがって、スペーサーの合計の厚みを薄くする点では、式(1)および(2)の関係を設定する方法の方が有利と言える。
2m>t2m+1 (4)
2(m+1)>t2m+1 (5)
n+2×Rn+3<0.01 (6)
この発明を適用した8層ディスク(反射率設計が図8における4.8%の場合に相当)におけるスペーサー設定を図9に示す。この例においては、n=2以上の場合に余裕を持って式(3)を満たすため、(t1>t0>t3=t5>t2=t4=t6)の関係とされてい
る。つまり、t6=t4=t2且つt5=t3と設定することが可能となり、多重反射を軽減
するために必要なスペーサーの種類を7種類から4種類まで減らすことが可能となる。スペーサーの種類を減らすことによって大量生産が容易となり、よりローコストに多層光ディスクを製造することが可能となる。また、奥側のスペーサーの厚みt1およびt0を手前側のスペーサーの厚みに比して大きくすることは、上述した反射率の点のみならず、t1
およびt0間の厚みの差を大きくして多重反射の影響を軽減する点でも有利である。
なお、更に設計反射率を4.0%および3.0%にそれぞれ下げた8層ディスクの場合には、t6=t4=t2=t0且つt5=t3=t1と設定することが可能で、スペーサーの種
類を2種類にまで減らすことも可能である。
以上、この発明の各実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、この発明は、8層を上回る層数の多層ディスク媒体にも適用が可能である。この発明は、再生専用ディスクを始め、書き換え型、追記型光ディスクにも同様に適用することができる。また、この発明は、光ディスク媒体のみならず、3 次元的に信号情報を記録する他の多層媒体や体積型記録媒体にも応用が可能である。
この発明を適用できるBDディスクを再生するために使用される高開口数対物レンズを示す略線図である。 BDディスクを再生するために使用される光ピックアップの光学系の一例の構成を示す略線図である。 光ピックアップに使用される液晶素子の電極分割の構成を示す略線図である。 光ピックアップに使用される受光素子の構成を示す略線図である。 4分割受光素子による非点収差焦点誤差信号の生成を説明するための略線図である。 6層光ディスクにおける多重反射の例を示す略線図である。 多重反射が軽減された6層光ディスクの層構成を示す略線図である。 8層光ディスクにおける反射率の設計例を示すグラフである。 この発明が適用された8層光ディスクの層構成を示す略線図である。 先に提案されている4層光ディスクの層構成を示す略線図である。
符号の説明
L0〜L7・・・情報記録層
0〜t6・・・層間に配置されたスペーサーの厚み
11・・・BDディスク
11a・・光透過層
12、14・・・2群対物レンズ
16・・・半導体レーザ
20・・・ビームスプリッタ
27・・・受光素子

Claims (8)

  1. 凹凸形状や位相変化を伴う情報ピット、或いは反射率や位相変化を伴う記録マークの形成によって信号情報が記録された、4層以上の情報記録層を有する多層光情報記録媒体において、
    情報記録層と隣接する情報記録層との間に、略一定の厚さを有する透明な材料で構成されたスペーサーを配置し、
    2m番目に位置するスペーサーの厚さt2mと、隣接する他のスペーサーの厚さt2m+1、t2(m+1)との間に、下記の式(1)および式(2)の関係が共に成り立つように設定され、
    且つ第n層である情報記録層(Ln)の手前に位置する、n+2 、およびn+3層に
    形成された反射膜における強度反射率(それぞれRn+2、Rn+3)が式(3)の関係を満たしたうえで、
    2(m+1) =t 2m 或いは 2m+3 =t 2m+1 の何れかが成り立つように、スペーサーの厚
    さを設定することを特徴とする多層光情報記録媒体。
    2m+1>t2m (1)
    2m+1>t2(m+1) (2)
    (ここで、mは0以上の整数であり、t 0 は信号読み取り、或いは信号記録を行う側から
    、最も遠くに位置する第0層の情報記録層(L0)と、光軸方向でその手前に位置する第1層の情報記録層(L1)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示し、t1は第1層の情
    報記録層(L1)と第2層の情報記録層(L2)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示している。)
    n+2×Rn+3<0.01 (3)
    (ここで、nは0以上の整数である。)
  2. 請求項1において、
    略一定の厚さを有する上記スペーサーは、透明なシート、或いはフィルム材料によって形成されていることを特徴とする多層光情報記録媒体。
  3. 請求項1において、
    光ディスク媒体であることを特徴とする多層光情報記録媒体。
  4. 請求項3において、
    信号読み取り、或いは信号記録を行う側から、最も近くに位置する情報記録層に対して光透過層がさらに積層された多層光情報記録媒体。
  5. 凹凸形状や位相変化を伴う情報ピット、或いは反射率や位相変化を伴う記録マークの形成によって信号情報が記録された、4層以上の情報記録層を有する多層光情報記録媒体において、
    情報記録層と隣接する情報記録層との間に、略一定の厚さを有する透明な材料で構成されたスペーサーを配置し、
    2m番目に位置するスペーサーの厚さt2mと、隣接する他のスペーサーの厚さt2m+1、t2(m+1)との間に、下記の式(4)および式(5)の関係が共に成り立つように設定され、
    且つ第n層である情報記録層(Ln)の手前に位置する、n+2 、およびn+3層に
    形成された反射膜における強度反射率(それぞれRn+2、Rn+3)が式(3)の関係を満たしたうえで、
    2(m+1) =t 2m 、或いは 2m+3 =t 2m+1 の何れかが成り立つように、スペーサーの厚
    さを設定することを特徴とする多層光情報記録媒体。
    2m>t2m+1 (4)
    2(m+1)>t2m+1 (5)
    (ここで、mは0以上の整数であり、t 0は信号読み取り、或いは信号記録を行う側から
    、最も遠くに位置する第0層の情報記録層(L0)と、光軸方向でその手前に位置する第1層の情報記録層(L1)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示し、t1は第1層の情
    報記録層(L1)と第2層の情報記録層(L2)との間に挟まれたスペーサーの厚さを示している。)
    n+2×Rn+3<0.01 (3)
    (ここで、nは0以上の整数である。)
  6. 請求項5において、
    略一定の厚さを有する上記スペーサーは、透明なシート、或いはフィルム材料によって形成されていることを特徴とする多層光情報記録媒体。
  7. 請求項5において、
    光ディスク媒体であることを特徴とする多層光情報記録媒体。
  8. 請求項7において、
    信号読み取り、或いは信号記録を行う側から、最も近くに位置する情報記録層に対して光透過層がさらに積層された多層光情報記録媒体。
JP2004221068A 2004-07-29 2004-07-29 多層光情報記録媒体 Expired - Fee Related JP4341496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004221068A JP4341496B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 多層光情報記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004221068A JP4341496B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 多層光情報記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006040456A JP2006040456A (ja) 2006-02-09
JP4341496B2 true JP4341496B2 (ja) 2009-10-07

Family

ID=35905270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004221068A Expired - Fee Related JP4341496B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 多層光情報記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4341496B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008243305A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Tdk Corp 情報記録方法、情報記録装置
US8475902B2 (en) 2008-07-30 2013-07-02 Pioneer Corporation Optical recording medium
JP4745461B2 (ja) * 2008-11-12 2011-08-10 パナソニック株式会社 光記録媒体の製造方法
AU2009325765A1 (en) 2008-12-10 2010-06-17 Panasonic Corporation Information recording medium, reproducing device and reproducing method
WO2010067556A1 (ja) 2008-12-11 2010-06-17 パナソニック株式会社 情報記録媒体、再生装置および再生方法
JP5343913B2 (ja) * 2010-04-15 2013-11-13 ソニー株式会社 多層光記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006040456A (ja) 2006-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3628622B2 (ja) 光学的データ記憶システム
JP4050656B2 (ja) ホログラム記録媒体およびホログラム記録再生方法
US7842366B2 (en) Multi-layer optical information recording medium
JPH05151591A (ja) 光学的データ記憶装置及び該装置からのデータ発生方法
HU224498B1 (hu) Optikai adattároló rendszer, továbbá optikai adattároló lemez
WO2006093054A1 (ja) ホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置
US8339908B2 (en) Optical recording-reading method and optical recording medium
JP2011086327A (ja) 光記録媒体、光記録媒体の製造方法
JP2007080303A (ja) 情報記録媒体および光ディスク装置
JP4341496B2 (ja) 多層光情報記録媒体
US8213279B2 (en) Optical recording medium and optical recording-reading method
US8649250B2 (en) Series of optical recording media
JP4633840B2 (ja) 多層情報記録媒体
US8817587B2 (en) Optical information recording medium having super-resolution film
JP2005530290A (ja) 二重積層光データ記憶媒体及びかような媒体の使用
Ruan et al. Multilayer optical storage for big data center: by pre-layered scheme
WO2011086838A1 (ja) 光記録媒体、記録装置、記録方法
JP4334414B2 (ja) 光再生方法、光ピックアップ装置、光再生装置、及び光記録媒体
JP3703451B2 (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2005018852A (ja) 光情報記録媒体、光情報記録媒体の製造方法、光情報記録再生光学系、及び光情報記録再生装置
KR20030037688A (ko) 광학적으로 판독가능한 데이터를 기록하는 매체, 그매체를 제조하는 방법, 및 그 데이터를 재생하는 광학시스템
JP2013178858A (ja) 光記録再生方法
JP2009295268A (ja) 光記録媒体の再生方法、光記録媒体の再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090616

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090629

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees