JP4341248B2 - クロスオーバ冷却式の翼形部後縁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にガスタービンエンジンに関し、より具体的には、ガスタービンエンジンのタービンブレードの冷却に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンエンジンにおいて、空気は、圧縮機中で加圧され燃焼器中で燃料と混合され点火されて、高温の燃焼ガスを発生する。エネルギーが、燃焼器の下流に配置されたタービンにおいて燃焼ガスから取り出される。典型的なターボファン航空機エンジン用途においては、高圧タービンが圧縮機に動力を供給し、また低圧タービンがファンに動力を供給する。
【0003】
各タービン段は、羽根の列を有する固定タービンノズルを含み、この羽根の列が協働するタービンのロータブレードの列に燃焼ガスを向ける。羽根及びブレードは、一般的には中空であり、作動中に羽根及びブレードを冷却するために、圧縮機から抽出された空気が供給される。
【0004】
タービン羽根及びブレードの冷却技術には、その中に見受けられる無数の冷却構成がぎっしりと詰まっており、それら冷却構成は、羽根及びブレードを形成する翼形部の様々な部分を冷却するように特別に構成されている。各翼形部は、前縁及び後縁の間で軸方向に延びかつ内側根元から外側先端まで翼長にわたって半径方向に延びる、ほぼ凹面形の正圧側面と対向するほぼ凸面形の負圧側面とを有する。
【0005】
翼形部上の三次元の複雑な燃焼ガス流分布を考えると、翼形部の異なる部分は、作動中に異なる熱負荷を受ける。熱は、次に翼形部内に熱応力を発生させるが、この熱応力は翼形部の寿命を延ばすために適当に制限されなければならない。
【0006】
翼形部は、一般的に高温作動状態で強度を持続するコバルト又はニッケル基超合金材料から製造される。翼形部の有効寿命は、翼形部のその特定の位置に関係なく翼形部内に生じる最大応力により制限される。
【0007】
従って、従来技術では、熱伝達を増大させる様々な形態のタービュレータリブ又はピンをその中に有する様々な形態の内部冷却流路を含み、異なる効率で翼形部の様々な部分を冷却するようにしている。
【0008】
例えば、特許文献1では、タービンブレードの後縁領域内における冷却を高めるための翼形部の多重インピンジメント冷却構成を開示している。しかしながら、そのタービン翼形部は、比較的大型のターボファンエンジン用に特に構成されているので、それに対応してタービン翼形部自体は比較的大きい。この特許中に開示されている後縁冷却構成は、その特許中に開示された正圧側面の後縁タービュレータに対して向けられるインピンジメント空気おけるレイノルズ数が約30、000より大きくなるような大型の翼形部寸法に特に有用である。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−291406号公報
【0010】
本出願人は、別のより小型のガスタービンエンジンを開発中であり、このガスタービンエンジンは、対応してより小型のタービンブレードを有し、この小型のタービンブレードは、特許文献1に開示された構成では冷却が十分でない。タービン翼形部の冷却の特徴形状は、熱伝達特性の固有の性質からして、大型のタービンブレードから小型のタービンブレードへと容易に大きさを縮小し得ない。
【0011】
例えば、特許文献1の構成をより小型のタービン翼形部に縮小する試みは、大型の翼形部で生じる30、000より実質的に小さい、後縁空洞内のインピンジメント冷却空気におけるレイノルズ数を生じることになる。従って、特許文献1のより大型の翼形部の構成を用いて小型の翼形部を適当に冷却するためには、熱伝達が不充分で利用できない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、比較的小型のタービンブレード翼形部の後縁領域の改良されたインピンジメント冷却構成を提供することが望まれる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
タービン翼形部は、それらの間に配置されかつ長手方向に延びるブリッジにより分離された第1及び第2流路を有する正圧及び負圧側壁を含む。ブリッジは、入口孔の列を含み、また、出口孔の列が、第2流路から翼形部の後縁に向かって延びる。タービュレータリブの列が、正圧側壁に沿って第2流路内に配置され、これらリブは、長手方向に細長くかつほぼ同一直線上にある。リブは、入口孔に面し、該入口孔から導かれる空気によりクロスオーバインピンジメント冷却される。
【0014】
本発明を、好ましくかつ例示的な実施形態に従って、そのさらなる目的及び利点と共に、添付の図面に関連してなされる以下の詳細な記述により具体的に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に示すのは、飛行中の航空機に動力を供給するように構成された、ターボファン航空機エンジンのようなガスタービンエンジンの例示的な第1段タービンロータブレード10である。ブレードは、中空の翼形部12とタービンロータ(図示せず)の周囲の対応するダブテールスロット内にブレードを取り付けるように従来通りに構成された一体のダブテール14とを含む。
【0016】
翼形部は、作動中に該翼形部上に導かれて順次ロータを回転させる高温の燃焼ガスからエネルギーを取り出し、圧縮機に動力を供給するように従来通りに構成される。翼形部は、中空であり、ダブテールを通して圧縮機空気18の1部を受けて、作動中にブレードを冷却し、作動における長い有効寿命を達成する。
【0017】
図1に示す翼形部12は、ほぼ凹面形の第1側壁すなわち正圧側壁20と円周方向に対向するほぼ凸面形の第2側壁すなわち負圧側壁22とを含む。この2つの側壁は、タービン内部のブレードの半径方向翼長軸線に沿って半径方向すなわち長手方向に延びる、軸方向すなわち翼弦方向に対向する前縁及び後縁24、26において互いに接合される。翼形部は、プラットホームとの接合点に半径方向内側の根元28を有し、プラットホームは、一般的にダブテールと一体鋳造されて該ダブテールに一体に接合されている。翼形部はまた、半径方向外側の先端30を含む。
【0018】
図2に更に示すように、2つの側壁は、互いに間隔を置いて配置されて、翼形部の後縁領域に配置された長手方向の隔壁すなわち後方ブリッジ36により分離された長手方向すなわち半径方向に延びる第1及び第2流路32、34を形成する。図1及び図2に示す例示的な実施形態において、追加の長手方向の流路が、第1及び第2流路32、34の前方において2つの側壁20、22の間に配置され、相応して図1に示すダブテール内に対応する入口を有する前方及び後方蛇行流れ回路38、40を形成する。
【0019】
図1に示す前方蛇行回路38は、翼形部の中央部近くから始まり、前縁の直ぐ後ろの専用の前縁流路42を含む翼形部前縁に向かって曲がりくねって進む3つの通路すなわち流路脚部を有する。
【0020】
前方蛇行回路の流路を形成するそれぞれの半径方向のブリッジは、冷却空気を前方蛇行流路の最終通路から前縁冷却流路42へ吐出するためのインピンジメント孔の列を含む最前部のブリッジを除いて無孔である。
【0021】
後方蛇行回路40も、その脚部すなわち流路がまた無孔の半径方向のブリッジにより形成された3通路の回路であり、後方蛇行流路の第1通路は同様に翼形部の中央付近でダブテールを通してその入口空気を受ける。
【0022】
前方及び後方蛇行回路並びに前縁冷却流路は、該回路及び流路を通して導かれる冷却空気の熱伝達効率を高めるために所望に応じて該回路及び流路内に設けられるタービュレータリブのような任意の従来の構成及び特徴形状を有することができる。翼形部の正圧及び負圧側壁は、一般的に様々な列のフィルム冷却孔44を含み、作動中に該フィルム冷却孔を通して冷却空気のそれぞれの部分が吐出されて翼形部の外面の周りに冷却空気フィルムを形成し従来通りの方法で高温の燃焼ガスに対する追加の保護を与える。
【0023】
図1及び図2に示す好ましい実施形態において、後方蛇行回路40は、翼形部の後縁領域を冷却するための第1流路32を形成するその最終流路で終わり、第1流路32からの空気は次にこの後縁冷却回路の第2流路34へ導かれ又は吐出される。
【0024】
より具体的には、後縁冷却回路は、図3及び図4に更に具体的に示されており、第1及び第2流路32、34間を流体連通させるための、後方ブリッジ36を貫通する入口孔46の配列又は列を含む。
【0025】
出口孔48の列が、後縁に沿って互いに一体に接合された2つの側壁20、22の間の第2流路34から延びており、この出口孔は、後縁に向かって後方に延びて該後縁で終わる。
【0026】
第1タービュレータリブ50aの列が、正圧側壁20の内面に沿って第2流路内に配置され、かつ負圧側壁の対向する内面から間隔を置かれている。第1リブ50aは、図4に示すように長手方向に細長く、すなわち翼形部の半径方向すなわち翼長軸線に沿ってそれらの幅よりも長さが長く、かつそのほぼ真直ぐな半径方向の列をなしてほぼ一直線上にある。個々の第1リブ50aは、半径方向の翼長に沿って整合され、入口孔46のそれぞれの孔に面して、作動中にリブに対して及び該リブの周りに導かれる冷却空気18により該リブの位置において翼形部にクロスオーバインピンジメント冷却を与える。
【0027】
図4に更に示すように、第1リブ50aの各々は、後方ブリッジ36とほぼ平行に半径方向に配向され、かつ入口孔46のそれぞれの孔と半径方向の高さ位置が整合され、該入口孔から導かれる空気により対応してインピンジメント冷却される。
【0028】
第1リブ50aの各々は、第2流路34内で、好ましくは該リブには如何なる大きな傾斜もない状態で長手方向に延び、該リブのそれぞれの平坦な側面を入口孔のそれぞれの孔にほぼ垂直に配向して冷却空気の熱伝達能力を最大限にする。個々の第1リブ50aは、第2流路内で傾斜することなくかつ後方ブリッジ36にほぼ平行に半径方向に延びているのが好ましいが、その熱伝達性能を著しく低下させることがないような、該ブリッジに対する約±7度までの僅かな傾斜を有してもよい。
【0029】
本発明によると、具体的には上に開示した特開2000−291406号公報におけるタービュレータの45〜60度のような大きな傾斜を含む任意の大きな角度で、タービュレータリブをそれらの半径方向の配向から傾斜させることは望ましくない。特開2000−291406号公報の構成は、本発明が特に有用である小型のタービンブレード用に大きさを縮小することができないので、本発明によるタービュレータリブの半径方向の配向は、それとは異なる機能を果たし、構成部品試験により確認されるように熱伝達能力を著しく増大させる。
【0030】
図5は、第1リブ50aの第2流路34内での好ましい配向及び位置を示す拡大半径方向断面図である。この構成では、入口孔46は、約6度の傾斜角Aで後方ブリッジ36の半径方向の平面を貫いて第1リブ50aの列に向かって傾斜している。それぞれの第1リブ50aは、入口孔46のそれぞれの孔に面しかつ該孔と整合して、該リブに対して衝突するように該孔からの冷却空気18を受ける上流側面を備える。個々の入口孔46は、約7度の吐出拡開角度を有する大きさにされ、個々のタービュレータリブの突出する部分の周りで該リブ全体に冷却空気を浴びせる。
【0031】
同様に、図3及び図5に示す出口孔48もまた、正圧側壁20を貫通して後縁26に向かって傾斜しており、後縁から上流側の正圧側壁の外面に沿ってかつほぼ該後縁で終わる出口開口部すなわちスロットを形成する。
【0032】
図1から図5までに示す好ましい実施形態において、第1列の第1タービュレータリブ50aは、これもまた正圧側壁20の内面に沿って第2流路34内に配置されかつ負圧側壁22から同様に間隔を置いた第2列の第2タービュレータ50bと協働する。
【0033】
第1リブ50aと同様に、第2リブ50bは、長手方向に細長くかつ翼形部の翼長に沿って半径方向に整合してほぼ同一直線上にあり、第1列のタービュレータリブから翼弦方向に間隔を置いて配置される。
【0034】
図4に示すように、第2リブ50bの各々は、第1タービュレータリブ50aの列とほぼ平行に第2流路34内で長手方向に延びるのが好ましい。
【0035】
図4に示す2つの列のタービュレータリブ50a、bは、真直ぐな半径方向の列をなすように同様に構成され、各列のリブは半径方向に互いに間隔を置いて配置される。第1リブ50aは、このように第2流路内で長手方向に互いに間隔を置いて配置され、第2タービュレータリブ50bは流路内で同様に長手方向に互いに間隔を置いて配置される。また、第2リブ50bは、第1リブ50aのそれぞれのリブから長手方向にオフセットされ、入口孔46から出口孔48まで2つの列のタービュレータリブ間にかつ該タービュレータリブの周りに蛇行流路を形成するのが好ましい。
【0036】
図5に示すように、2つの列の第1及び第2リブ50a、bは、各列と入口孔及び出口孔間の第2流路の前方端及び後方端との間のほぼ等しい翼弦方向間隔で、第2流路内に配置されるのが好ましい。このように、第1及び第2列のタービュレータリブは、翼弦方向距離のおおよそ3分の1と3分の2のところで流路34内に配置され、冷却空気は、最初に第1リブ50aに衝突し、その後それらのリブの上を及び該リブ間の長手方向の間隔を通って該リブの周りを流れ、その後第2リブ50bの上を及び該リブの周りを流れた後に、出口孔48を通して吐出されるようになる。
【0037】
タービュレータリブ50a、bの両列は、このように後方ブリッジ36とほぼ平行に配置され、該後方ブリッジを貫通して入口孔46は冷却空気を吐出する。次いで、空気は、タービュレータリブの突出する先端の上を及び該リブ間の長手方向の間隔を通り該リブの側面の横方向の周りを通る、蛇行する動きと衝突する動きとの組合せにより流路34を横切る。同一直線上にあるタービュレータリブは、このようにして第2流路34の比較的小さくかつ制限された容積内で冷却空気の実質的に改良された循環をもたらし、冷却領域の熱伝達効率を最大にし、冷却空気おけるレイノルズ数が相応して低い小型タービンブレードにとって特に有用である。
【0038】
図1及び図5に示す入口孔46は、長手方向に楕円形であり、対向する側壁間での円周方向の幅よりも半径方向の長さが長いのが好ましい。例えば、各入口孔は、約45ミル(1.14mm)の長手方向の高さ及び約26ミル(0.66mm)の円周方向の幅を有する。
【0039】
これに対応して、個々のタービュレータリブ50a、bは、約70ミル(1.78mm)の長手方向の高さを有し、各側辺が約20ミル(0.51mm)のほぼ正方形の断面輪郭を備えることができる。また、各列におけるリブ間の長手方向の間隙はまた、約20ミル(0.51mm)とすることができる。
【0040】
図4に示す好ましい実施形態において、入口孔46は、後方ブリッジ36に沿ったそれらの長手方向の高さに対する長手方向における中心線から中心線までの間隔であるピッチを有し、この高さに対するピッチの比率(ピッチ対高さ比率)は約1.5から約3の範囲にある。また、好ましい実施形態においては、このピッチ対高さ比率は約2であり、これは、本発明の構成部品試験によると特開2000−291406号公報の多重インピンジメント冷却構成に見られる熱伝達係数の約2倍の熱伝達係数となった。
【0041】
このことは、第1及び第2流路32、34を備える小型のブレードにとって特に重要であり、入口孔46は、特開2000−291406号公報の大型のブレードの多重インピンジメント構成におけるインピンジメント冷却空気における約30、000より大きいレイノルズ数と比較して、入口孔を通して吐出される冷却空気におけるレイノルズ数が約20、000より小さくなるような大きさにされる。
【0042】
レイノルズ数を実質的により低くして熱伝達係数を2倍にすると、制限された冷却空気による冷却効率は著しく増大し、それに対応して本発明の比較的小型のタービン翼形部の後縁領域の冷却が高められる。しかしながら、実用可能でありかつ特開2000−291406号公報の多重インピンジメント構成を用いることと比較して試験によりその有効性が示される場合には、本発明は、より大型のブレードに適用することが可能である。
【0043】
図5に示す好ましい実施形態は、2つの列のタービュレータリブ50a、bを含むが、図6の別の実施形態に示すように、単一列のタービュレータリブ50aを、第2流路34内に配置することができる。第2流路34の大きさは、比較的小型のタービン翼形部の場合には縮小するので、単一列のタービュレータリブを用いて、翼形部の後縁領域を効果的に冷却することができ、その場合、その単一列は、他の点では、第1の実施形態において開示しまた様々な図1から図5までに図示した第1列のタービュレータリブ50aと構成及び配向が同一になっている。
【0044】
図7は、2つの列のタービュレータ50a、dを含む、本発明の更に別の実施形態を示す。この実施形態においては、図5に示す構成とは反対の構成で、第2列の第2タービュレータリブ50dが、負圧側壁22の内面に沿って第2流路34内に配置されかつ正圧側壁20の内面から間隔を置いている。
【0045】
しかしながら、第2リブ50dは、他の点では、図5に示した第2タービュレータ50bと構成、配向及び大きさを実質的に同一にすることができ、従って同じ様に長手方向に細長くかつほぼ同一直線上にある。
【0046】
本発明の図7の実施形態において、第2リブ50dは、第1列のリブ50aから翼弦方向に間隔を置いて配置されるが、第2流路34が、翼形部の2つの側面間で後縁26に向かって収束している場合には既存のものに代わり得る性能をもたらす。流路34は入口孔46と出口孔48との間で狭くなるので、タービュレータリブを取り入れるために利用できる空間がより少なくなり、対向する側壁の2つの列のタービュレータリブ上に冷却空気18を循環させることによって性能上の優位性をもたらすことができる。
【0047】
図7の実施形態における第2タービュレータリブ50dは、図4に示すものと同様にその中の第1リブ50aと長手方向に平行であり、第2リブ50dは、第1リブ50aのそれぞれのリブから長手方向にオフセットされている。図4及び図7に示す両方の実施形態において、第2タービュレータリブ50b、dは、上流側の列の第1タービュレータリブ50a間の対応する長手方向間隙又は空間と長手方向に中心を合わされることが好ましい。このようにして、第1タービュレータリブ間の間隙を通して導かれる冷却空気は、ほぼ均等に反らされて、対応する下流側のタービュレータリブの周りを流れて該リブ間の長手方向の間隙を通っていく。
【0048】
図8は、本発明の更に別の実施形態を示し、この実施形態では、第2リブ50bと出口孔48との間で翼弦方向に間隔を置いて配置された第3列の第3タービュレータリブ50cが含まれる。タービュレータ50a、b、cの3つの列は、全て正圧側壁20の内面に沿って第2流路34内に互いに翼弦方向に間隔を置いて配置される。第3タービュレータリブ50cの追加の列を含むこの3つの列の各々は、互いにほぼ同一直線上にあって3つの真直ぐなタービュレータリブの列を形成する、該列内の長手方向に細長いリブを有しており、各列は該列内のリブ間に長手方向の間隙を有しており、各列内の対応する間隙は対応する上流側のタービュレータリブと中心を合わされるのが好ましい。
【0049】
上に開示した半径方向に同一直線上にあるタービュレータリブは、第2流路内で比較的狭い空間を占め、後方ブリッジとほぼ平行に配置されて、対応するタービュレータリブとほぼ直角なすなわち垂直な入口孔46から吐出される冷却空気をインピンジメント流として受ける。タービュレータリブのインピンジメント冷却は、インピンジメント空気がタービュレータリブ間の長手方向の間隙を通して横方向に反らされるので、追加の対流冷却と共に行なわれる。
【0050】
同一直線上にあるタービュレータリブの1つ又はそれ以上の下流側の列はまた、第1すなわち上流側の列と協働して用いられ、冷却空気が流路を通って下流方向に流れるとき、該冷却空気に追加のタービュランス効果を与えることができ、該冷却空気はまた下流側の列内のタービュレータリブの長手方向間隙を通って横方向に反らされる。
【0051】
このコンパクトで効果的な特徴形状の組合せは、冷却空気の熱伝達係数を増大させそれによってその冷却効力を高め、このことは、インピンジメント冷却空気における比較的低いレイノルズ数を有する比較的小型のタービンブレードにとって特に重要である。この構成はまた、タービュレータリブが設置される翼形部の後縁領域において長手方向及び翼弦方向の両方向のより一様な冷却をもたらす。
【0052】
冷却空気の熱伝達冷却能力の増大を利用して、タービン翼形部の後縁領域内の局部温度を低下させる利点を得るか、又は従来の温度限界内でタービン翼形部を作動させるための冷却空気流量の対応する減少をもたらすことができる。
【0053】
本明細書では、本発明の好ましい例示的な実施形態であると考えられるものを説明してきたが、本発明の他の変更形態が、本明細書中の教示から当業者には明らかになるはずであり、従って、本発明の技術思想及び技術的範囲に属する全てのそのような変更形態が、添付の特許請求の範囲によって保護されることが望まれる。
【0054】
なお、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的な実施形態による冷却構成を有する例示的なガスタービンエンジンのタービンロータブレードの一部切欠き斜視図。
【図2】 図1に示すタービンブレード翼形部の線2−2に沿った半径方向断面図。
【図3】 図2に示す翼形部の後縁領域の拡大半径方向断面図。
【図4】 図2に示す翼形部の線4−4に沿った、後縁領域の1部の長手方向断面図。
【図5】 図4に示す後縁領域の線5−5に沿った1部の拡大半径方向断面図。
【図6】 別の実施形態による後縁領域の図3と同様の半径方向断面図。
【図7】 別の実施形態による後縁領域の図3と同様の半径方向断面図。
【図8】 別の実施形態による後縁領域の図3と同様の半径方向断面図。
【符号の説明】
10 タービンロータブレード
12 翼形部
14 ダブテール
20 正圧側壁
22 負圧側壁
24 前縁
26 後縁
28 翼形部根元
30 翼形部先端
32 第1流路
34 第2流路
36 ブリッジ
38 前方蛇行回路
40 後方蛇行回路
42 前縁流路
44 フィルム冷却孔
46 入口孔
48 出口孔
50a 第1タービュレータリブ
50b 第2タービュレータリブ

Claims (7)

  1. 長手方向に延びる前縁及び後縁(24、26)において互いに接合されかつ互いに間隔を置いて配置されて、ブリッジ(36)によって分離された第1及び第2流路(32、34)を形成する、対向する正圧及び負圧側壁(20、22)と、
    前記ブリッジを貫通する入口孔(46)の列と、
    前記側壁間の前記第2流路から前記後縁に向かって延びる出口孔(48)の列と、
    前記正圧側壁(20)に沿って前記第2流路(34)内に配置され、かつ前記負圧側壁から間隔を置いた第1のリブ(50a)の列と、
    を含むタービン翼形部(12)であって、
    該第1のリブ(50a)は、長手方向に細長くかつ同一直線上にあり、かつ前記入口孔のそれぞれの孔に面しており、前記第1のリブ(50a)の各々は、前記入口孔(46)のそれぞれの孔と垂直に前記第2流路(34)内で長手方向に延びており、該第1のリブ(50a)に対して導かれる空気により該第1のリブ(50a)において前記翼形部をクロスオーバインピンジメント冷却し、
    前記翼形部は、前記負圧側壁(22)に沿って前記第2流路(34)内に配置され、かつ前記正圧側壁(20)から間隔を置いた第2リブ(50d)の列を更に含み、
    該第2リブは、長手方向に細長くかつ同一直線上にあり、かつ前記第1リブ(50a)を形成する前記他の列のリブから翼弦方向に間隔を置いて配置され、前記第2流路(34)は、前記後縁に向かって収束していることを特徴とするタービン翼形部(12)。
  2. 前記第1のリブ(50a)の各々は、前記入口孔(46)のそれぞれの孔と整合され、該孔から導かれる前記空気によりインピンジメント冷却されることを特徴とする、請求項1に記載の翼形部。
  3. 前記入口孔(46)は、前記ブリッジ(36)を貫通して前記第1のリブ(50a)に向かって傾斜しており、また前記出口孔(48)は、前記正圧側壁(20)を貫通して前記後縁に向かって同様に傾斜していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の翼形部。
  4. 前記入口孔(46)は、長手方向に楕円形であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の翼形部。
  5. 前記入口孔(46)は、前記ブリッジに沿って長手方向に1.5から3の範囲のピッチ対高さ比率を有することを特徴とする、請求項4に記載の翼形部。
  6. 前記比率は2であることを特徴とする、請求項5に記載の翼形部。
  7. 前記第2リブ(50d)は、前記第1リブ(50a)と長手方向に平行であり、かつ前記第1リブ(50a)のそれぞれのリブから長手方向にオフセットされていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の翼形部。
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