JP4339479B2 - 自動車車体の被覆法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車車体のシェルボディ−の一部もしくは全部に、熱収縮性プラスチックフィルムを熱圧着してなる周辺部に金属が露出しているプラスチック被覆金属板を使用してシェルボディ−を形成せしめ、このシェルボデ−における金属露出部分を電着塗装する自動車車体の被覆法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
乗用車や軽自動車などの車体において、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装着されていない主として板金で構成されている部分はシェルボデ−と称されており、通常、このシェルボデ−は、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメインボデ−と、フ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋物とから構成されている。
【0003】
従来、これらのメインボデ−及び外蓋物を形成するために、無塗装の金属板をそれぞれの構成部品の大きさや形状に裁断、成型し、これらを組み立ててシェルボデ−とし、これをカチオン電着塗料浴に浸漬して、金属板の表面、裏面、端面部などに電着塗装して下塗塗膜を形成している。そして、これらの外側部分には中塗り塗料及び上塗り塗料などが塗装される。
【0004】
しかしながら、最近、自動車車体の塗装において、塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、CO2 削減が強く望まれ、しかも、電着塗料の端面部へのつきまわり性や、総合塗膜の耐チッピング性、防食性などのさらなる向上が要求されている。
【0005】
一方、自動車車体の塗装において、排出溶剤削減及び電着塗料の端面部塗装性改善を目的として、粉体塗装してからその未塗装部分に電着塗装するインバ−ス方式が提案されているが(例えば特公昭55−41317号公報)、この方式では、新規に粉体塗装設備が必要になること、粉体塗料塗膜と電着塗膜との境界部分の防食性が十分でない等の問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、自動車車体の塗装における上記の如き問題を解決すべく検討を重ねた結果、今回、金属板に熱圧着した熱収縮性プラスチックフィルムが収縮して周辺部に金属が露出してなるプラスチック被覆金属板をあらかじめ調製しておき、これを自動車車体のシェルボディ−の一部もしくは全部に使用してシェルボディ−を形成せしめ、このシェルボデ−における金属露出部分を電着塗装することにより、上記問題が一挙に解決できることを見出した。
【0007】
かくして、本発明によれば、
1.自動車車体の主たる外面部にプラスチック被覆金属板を使用してシェルボデ−を形成せしめ、ついでこのシェルボデ−における金属露出部分を電着塗装により被覆する自動車車体の被覆法であって、該プラスチック被覆金属板が、金属板に熱圧着した熱収縮性プラスチックフィルムが収縮して周辺部に金属が露出してなる被覆金属板であることを特徴とする自動車車体の被覆法(本方法1)、及び
2.自動車車体の主たる外面部に、プラスチック被覆金属板を裁断、成型及び接合してなる自動車部品を用い、この部品をあらかじめ組み立てた自動車車体のメインボデ−に取り付けてシェルボデ−を形成し、ついでこのシェルボデ−における金属露出部分を電着塗装により被覆する自動車車体の被覆法であって、該プラスチック被覆金属板が、金属板に熱圧着した熱収縮性プラスチックフィルムが収縮して周辺部に金属が露出してなる被覆金属板であることを特徴とする自動車車体の被覆法(本方法2)、
が提供される。
【0008】
以下に、本発明の自動車車体の被覆法についてさらに詳細に説明する。
【0009】
本発明の方法は、主として乗用車及び軽自動車に適用しうるが、トラック、バス、オ−トバイ、特装車などにも同様に適用することができる。
【0010】
プラスチックを被覆するための金属板としては、これまで自動車車体に使用されているものが同様に適用でき、素材としては、例えば、鉄、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅及びこれらの金属を含有する合金、さらにこれらの表面を亜鉛、亜鉛/ニッケル、鉄などでメッキした金属板などがあげられ、これらをコイル状又は切り板状としたものを適用することができる。金属板の厚さは0.3〜2.0mm、特に0.5〜1.0mmの範囲内が適している。そして、これらの金属板の表面は、プラスチックフィルムとの付着性や防食性などを向上させるために、研磨処理、脱脂処理、りん酸塩処理などを適宜行っておくことが好ましい。
【0011】
金属板を被覆するプラスチック素材として、乾熱、湿熱、熱水などの加熱により収縮(シュリンク)しうるプラスチック製フィルムを使用する。すなわち、製膜されたプラスチックフィルムを再加熱すると、元の長さに戻ろうとする現象を示すのが熱収縮であり、特に縦及び横の両方向に同時に収縮する二軸タイプが好ましい。
【0012】
プラスチックフィルムの熱収縮率の測定方法については、例えば、JIS C 2318「電気用ポリエステルフィルム」に示されており、それによると、幅約20mm、長さ約150mmの試験片の中央部に約100mmの距離をおいて標点をつけ、試料を150±3℃に保持された恒温箱中に垂直に吊るし、2時間経過後、室温に20分間放置し、加熱前後の寸法変化を最初の長さに対する百分率で表わすことが行われている。本発明における熱収縮性プラスチックフィルムの熱収縮率は、上記の測定方法に従えば、0.1〜20%、特に0.1〜10%の範囲内が適している。
【0013】
かかる熱収縮性を示すプラスチックフィルムとして、既知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデンなどのそれ自体既知の熱可塑性樹脂を使用することができ、これらは着色顔料、体質顔料などを含有しても差支えない。
【0014】
収縮性プラスチックフィルムは、延伸工程を経て作られるものと、延伸工程なしに押出成型時に直接熱収縮フィルムとして製膜する方法とがあげられ、前者の場合も延伸工程の前にまず原反(延伸前のフィルム)を製膜する工程が必要になることがある。これらはいずれも既知の方法で行なうことができる。
【0015】
原反製膜法として、溶融流延法と押出成型法がある。前者は、原料樹脂の有機溶剤溶液を回転する平坦な金属支持体上に流延し、薄いフィルムとする方法であり、ポリ塩化ビニルのような融点と分解温度が近接しているものに適しており、一方、後者は、原料樹脂を熱で溶融しながら押出し成型するもので、Tダイ法とインフレーション法がある。
【0016】
延伸法は、上記のようにして得られた原反を延伸工程で延伸を施してシュリンクフィルムを製造することであり、例えば、プラスチックフィルムを融点以下、二次転移点以上の温度で引き伸ばして面配向させる。この際、縦横二方向に引き伸ばすのが二軸タイプである。これらの延伸は従来の既知の方法によって容易に行なうことができる。延伸後のプラスチックフィルムの厚さは通常、1〜100μm、特に5〜50μmの範囲内が適している。
【0017】
まず、熱収縮可能なプラスチックフィルムをロール状又は切り板状も金属板に貼着する。貼着時に加熱することも可能であるが、フィルムが熱収縮しない温度範囲で行なうことが好ましい。プラスチックフィルムには、金属板への貼着前又は貼着後に、その片面又は両面をコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの処理をしておくことも可能である。
【0018】
金属板にプラスチックフィルムを貼着するにあたり、両者の接着性を向上させるために、接着剤を金属板及び/又はプラスチックフィルムにあらかじめ塗布しておくことが好ましい。かかる接着剤としては、例えば、硬化剤を含有する、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、レゾ−ル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂などから選ばれた1又は2種以上の樹脂を含む熱硬化性又は熱可塑性の接着剤などがあげられる。さらに、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメメルカプト−S−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン−モノソヂウムソルト、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン−トリソヂウムソルトなどのトリアジンチオ−ル系化合物も接着剤として使用することができる。
【0019】
つぎに、このようにして金属板に熱収縮性のプラスチックフィルムを貼着してなるプラスチック被覆金属板を用いて、シェルボデ−を形成せしめるために(本方法1)、又は自動車部品をを形成せしめるために(本方法2)、ロール状又は切り板状のプラスチック被覆金属板を適宜の形状、大きさに裁断し、さらには成型してから、プラスチックフィルムが収縮する温度(例えば100〜180℃)に加熱して、フィルムを収縮させることが必要である。その結果、フィルムが熱収縮して、裁断あるいは成型したプラスチック被覆金属板の周縁部がほぼ一定した幅で金属が露出する。その幅は、通常、10〜30mm、特に13〜20mmの範囲内が適している。この露出した金属部分を使用して、溶接、ボルト締め、接着剤塗布などにより接合して、シェルボデー又は自動車部品を形成せしめるのである。 プラスチックフィルムの被覆は、自動車車体の少なくとも外側に位置する金属板の面に行われるが、所望により両面に被覆することも可能である。
本方法1では、熱収縮性のプラスチックフィルムで被覆された金属板を裁断し、さらに成型し、ついで加熱してプラスチックフィルムを熱収縮させて、その周縁部に金属を露出せしめたのち、それらを組合わせ、接合してシェルボデ−を形成せしめる。その接合において、熱収縮により露出した周縁部に金属部分を利用して、接着剤、ボルト、折り曲げなどにより行なうことができるので、接合時において、その部分のプラスチックの剥離や、除去作業が省略することができる。
本方法1では、 具体的には、裁断、成型したプラスチックフィルム貼着金属板を組合わせ、接合して、メインボデ−及び外蓋物(自動車用部品)を製造し、これらを組み合わせてシェルボデ−を形成せしめる。
【0020】
シェルボディ−は、自動車車体において、エンジンや足まわりなどの艤装品が装着されていない主として板金で構成されているものであり、そのうちのメインボデ−は、主としてアンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されており、それ以外の外蓋物は、主としてフ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などから成っており、これらを自動車用部品と称している。
【0021】
ここで、アンダボデ−は、乗員室(キャビン)および荷物室などの床部を指し、フロントアンダボデ−、フロントフロア、リアフロアなどを総称するものである。サイドメンバ−は、フロントボデ−、ル−フパネル、アンダボデ−などと結合し客室側面を形成し、車両の曲げや捩じれを防ぐものである。カウルは左右前後のピラ−をつなぐパネルである。アッパバックは車体後部の左右のクウォ−タパネル(リアフェンダ)をつなぎ、車体外面を形成するパネルである。
【0022】
本方法1では、プラスチックフィルムを貼着した金属板を、シェルボデ−を構成する上記した各々のパ−ツのそれぞれを形成するために、目的とする形状、大きさに裁断し、プレス加工機などにより加圧成型し、ついで加熱してプラスチックフィルムを熱収縮させて、その周縁部に金属部を露出させてから、その金属部分を利用して、接着剤、溶接やボルト締めなどにより接合して、メインボデ−のアンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなど、さらに外蓋物(自動車用部品)のフ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジなどの各パ−ツを製造する。これらの裁断、成型及び接合はそれ自体既知の方法により行うことができる。次に、このようにして、プラスチック被覆金属板を使用して形成したこれらの各パ−ツを組合わせ、接合してメインボデ−を形成せしめ、ついでこのものにフ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジなどの外蓋物(自動車用部品)を取り付ける。
【0023】
このようにしてプラスチックフィルム被覆金属板を使用して形成されたシェルボデ−の少なくともその外側はプラスチック層で被覆されており、裁断された金属板の端面部は金属部分が露出しており、さらに、その裏面側はプラスチックフィルムで被覆されていることが好ましいが、金属部分が露出していることもある。
【0024】
本発明における本方法2では、自動車車体の主たる外面部に、上記のようにして製造されるプラスチックフィルム被覆金属板を使用して、それらを目的とする形状、大きさに裁断し、プレス加工機などにより加圧成型し、ついで加熱してプラスチックフィルムを熱収縮させて、その周縁部に金属部を露出させてから、その金属部分を利用して、接着剤、溶接やボルト締めなどにより接合して、フ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジなどの外蓋物(自動車用部品)を製造し、これらの自動車部品を、あらかじめ組み立てた自動車車体のメインボデ−に取り付けてシェルボデ−を形成する。このうち、プラスチックフィルム被覆金属板を用いて外蓋物(自動車用部品)の製造は、本方法1と同様にして行なうことができる。
【0025】
本方法2では、外蓋物を構成する自動車用部品の殆どもしくはすべてを上記したプラスチックフィルム被覆金属板を使用して製造される。例えば、フ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの各部材について、それぞれを形成するためにプラスチックフィルム被覆金属板を目的とする形状、大きさに裁断し、プレス加工機などにより加圧成型し、ついで加熱してプラスチックフィルムを熱収縮させて、その周縁部に金属部を露出させてから、その金属部分を利用して、それらを接着剤、溶接やボルト締めなどにより結合してフ−ドやフロントバランスなどの各部材を製造する。これらの裁断、成型及び接合はそれ自体既知の方法により行うことができる。このようにして成型される外側蓋物の少なくともその外側は、プラスチックフィルムで被覆されており、裁断された鋼板の端面部は金属が露出している。また、その裏側は未被覆のままで金属が露出しても、またはプラスチックフィルムで被覆されていてもよい。
【0026】
本方法2において、これらの自動車用部品を取り付けるアンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメインボデ−は、通常、プラスチック被覆金属板を使用することなく、無塗装の金属板を用いて既知の方法で裁断、成型および加工し、それらを結合することにより製造される。かかる無塗装の金属板を用いて製造したメインボディ−に、プラスチックフィルム被覆金属板を用いて製造した外側蓋物(自動車用部品)を取り付けてシェルボディ−とする。
【0027】
本発明の上記の本方法1及び本方法2によって製造されたこれらのシェルボディ−において、本方法1ではプラスチックフィルム被覆金属板の裁断された端面部は当然ながら、さらにその裏面側も金属面が露出していることがあり、また本方法2ではプラスチックフィルム被覆金属板の裁断された端面部やメインボデ−の表側や、さらにそれらの裏面側も金属面が露出していることがあるので、これらの金属露出部分を電着塗装により被覆される。
【0028】
電着塗料としてはアニオン型及びカチオン型のいずれでもよいが、一般的にには、防食性がすぐれているカチオン型を使用することが好ましい。
【0029】
カチオン電着塗料としては既知のものを使用することができ、例えば、水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂(a)、及びブロックポリイソシアネ−ト化合物(b)を含有する水性塗料があげられる。
【0030】
基体樹脂(a)として、例えば以下のものが挙げられる。
【0031】
1)エポキシ樹脂とカチオン化剤との反応生成物;2)ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国特許第2450940号明細書参照)を酸でプロトン化したもの;3)ポリイソシアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ又はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの;4)水酸基及びアミノ基含有アクリル系またはビニル系モノマ−の共重合体を酸でプロトン化したもの(特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報参照);4)ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの付加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3403088号明細書参照)。
【0032】
これらの基体樹脂(a)の具体例及び製造方法は、例えば特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報、特公昭49−23087号公報、米国特許第2450940号明細書、米国特許第3403088号明細書、米国特許第3891529号明細書、米国特許第3963663号明細書などに記載されているので、ここではこれらの文献の引用を以って詳細な説明に代える。このうち、上記1)に包含される、ポリフェノ−ル化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂にカチオン化剤を反応せしめた基体樹脂が、防食性のすぐれた塗膜を形成するので特に好ましい。
【0033】
このエポキシ樹脂としては、エポキシ基を1分子中に2個以上有し、しかも数平均分子量が200以上、好ましくは800〜2000、エポキシ当量が190〜2000、好ましくは400〜1000の範囲内にあるものが特に適している。そのようなエポキシ樹脂には、ポリフェノ−ル化合物のポリグリシジルエ−テルが包含される。ポリフェノ−ル化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラックなどがあげられる。
【0034】
これらのエポキシ樹脂は、さらにポリオ−ル、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネ−ト化合物などで変性されていてもよく、さらに、ε−カプロラクトン、アクリルモノマ−などをグラフト重合されていてもよい。
【0035】
上記1)におけるカチオン化剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の殆どもしくはすべてに反応させて、樹脂中に第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基などのカチオン性基を導入することにより、水酸基とカチオン性基を有する基体樹脂(a)が得られる。
【0036】
かかるカチオン化剤としては、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアミンなどのアミン化合物があげられる。ここで、第1級アミン化合物としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノ−ルアミン、n−プロパノ−ルアミン、イソプロパノ−ルアミン等が、第2級アミン化合物としては、例えばジエチルアミン、ジエタノ−ルアミン、ジn−プロパノ−ルアミン、ジイソプロパノ−ルアミン、N−メチルエタノ−ルアミン、N−エチルエタノ−ルアミン等を、そして第3級アミン化合物としては、例えばトリエチルアミン、トリエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジエチルエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン等をあげることができ、そしてポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等をあげることができる。
【0037】
さらに、アンモニア、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチルヒドラジン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン等の塩基性化合物をカチオン化剤として用いてエポキシ基と反応せしめ、それにより形成される塩基性基を酸でプロトン化してカチオン性基としてもよい。用い得る酸としては、ギ酸、酢酸、グリコ−ル酸、乳酸などの水溶性有機カルボン酸が好ましい。
【0038】
基体樹脂(a)中の水酸基は、例えば、上記カチオン化剤中のアルカノ−ルアミンとの反応、エポキシ樹脂中に導入されることがあるカプロラクトンとの開環反応やポリオ−ルとの反応などにより導入される第1級水酸基;エポキシ樹脂中の2級水酸基などがあげられる。これらのうち、アルカノ−ルアミンとの反応により導入される第1級水酸基は、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(架橋剤)との架橋反応性がすぐれているので好ましい。基体樹脂(a)中の水酸基の量は、水酸基当量で20〜5000、特に100〜1000mgKOH/gの範囲内にあることが好ましく、特に、第1級水酸基当量が200〜1000mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。また、カチオン性基の量は、基体樹脂(a)を水中に安定に分散するのに必要な最低限以上であることが好ましく、KOH(mg/g固形分)(アミン価)換算で一般に3〜200、特に10〜80の範囲内にあることが好ましい。基体樹脂(a)は遊離のエポキシ基は有していないことが望ましい。
【0039】
架橋剤としてのブロックポリイソシアネ−ト化合物(b)は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基の実質的にすべてを揮発性のブロック剤で封鎖されているものであり、所定温度以上に加熱するとこのブロック剤が解離してイソシアネ−ト基が再生して、基体樹脂(a)との架橋反応に関与する。
【0040】
ポリイソシアネ−ト化合物は1分子中に遊離のイソシアネ−ト基2個以上有する化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト等の脂肪族ジイソシアネ−ト;イソホロンジイソシアネ−ト、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロペンタンジイソシアネ−ト等の脂環族ジイソシアネ−ト;キシリレンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−ト、トルイジンジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシアネ−ト;これらのポリイソシアネ−ト化合物のウレタン化付加物、ビユ−レットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等があげられる。
【0041】
ブロック剤としては、フェノ−ル系、アルコ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾ−ル系、尿素系、カルバミン酸系、イミン系、オキシム系、亜硫酸系、ラクタム系などの既知のブロック剤が使用できる。
【0042】
基体樹脂(a)とブロックポリイソシアネ−ト化合物(b)との構成比率は、両成分の合計固形分重量に基づいて、前者は40〜90%、特に50〜80%、後者は60〜10%、特に50〜20%の範囲内にあることが好ましい。
【0043】
カチオン電着塗料は、基体樹脂(a)中のカチオン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で中和してから、ブロックポリイソシアネ−ト化合物(b)と共に水に混合することにより調製することができ、塗装時のpHは一般に3〜9、特に5〜7、固形分濃度は5〜30重量%の範囲内が適している。
【0044】
カチオン電着塗料には、必要に応じて、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、ストロンチウム、鉛、ジルコニウム、モリブデン、錫、アンチモン、ランタン、タングステン、ビスマス等から選ばれた金属の水酸化物、酸化物、有機酸塩、無機酸塩のような防錆性を有する硬化触媒;体質顔料;着色顔料;防錆顔料;沈降防止剤などを適宜配合することができる。
【0045】
本発明では、上記のようにして製造されるシェルボデ−をカチオン電着塗料浴に浸漬し、このものをカソ−ドとし、浴温20〜35℃、電圧100〜400V、通電時間1〜10分で電着塗装することにより、シェルボデ−における金属露出部分、例えば、メインボディ全面、裁断された鋼板の端面部、さらにはプラスチックフィルムが被覆されていない裏面部に電着塗膜が析出される。電着塗膜の膜厚は硬化塗膜で10〜40μm程度が好ましい。塗装後、電着塗料浴からシェルボデ−を引上げ、適宜水洗したのち、100〜200℃に加熱して、電着塗膜を硬化させることにより、本発明による自動車車体が得られる。
【0046】
以上に述べた本発明の方法によれば、以下に述べるような効果が得られる。
【0047】
(1) プラスチックフィルム被覆膜との境界部分に電着塗料が容易に肉厚に析出するので、この部分の耐食性が著しく改良された。
【0048】
(2)あらかじめプラスチックフィルム被覆した金属板を使用して自動車車体のフ−ドパネル、フェンダパネル、ドアパネル、ラゲ−ジドアパネルなどの外蓋物や、さらに、またアンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメインボデ−を製造することができるので、次工程における電着塗料の使用量を軽減することが可能である。
【0049】
(3)外蓋物の少なくとも外面が体積固有抵抗値の高いプラスチックフィルムで被覆されているので、電着塗装する被電着部分(金属露出部分)の面積が少なくなり、その結果、つきまわり性が向上し、特に端面部分の防食性が改良される。
【0050】
(4)プラスチックフィルムが有している特性、例えば、耐チッピング性、防食性などを付与させることが可能になる。
【0051】
(5)熱収縮性プラスチックフィルムを使用しているので、それで被覆された金属板を使用して形成したシェルボデー用部品を接合するにあたり、その周縁部が金属が露出しているので、接合作業が簡素化された。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。部及び%はいずれも重量基準であり、塗膜の膜厚は硬化塗膜についてのものである。
【0053】
1.試 料
1)プラスチックフィルム被覆金属板の製造
(a):2軸方向に熱収縮する膜厚16μmのポリエステルフィルム(熱収縮率1%)の両面をコロナ放電処理し、ついで一方の面に熱硬化性ポリステル樹脂系接着剤を膜厚7μmに塗布し、80℃で30秒加熱して乾燥し、巻き取る。一方、厚さ0.8mmの冷延鋼板の両面に、メッキ付着量が45g/m2 となるように合金化溶融亜鉛メッキを施し、ついで脱脂処理及びりん酸亜鉛化成処理(日本パ−カライジング社製、「PB#3080処理」、商品名)を行なった金属板の片面に、上記のポリエステルフィルムを接着剤を介した貼着して被覆した。
【0054】
(b):上記(a)における金属板を、厚さ0.8mmの脱脂処理及びりん酸亜鉛化成処理(日本パ−カライジング社製、「PB#3080処理」、商品名)を行なった冷延鋼板に代えた以外は、上記(a)と同様にしてプラスチック被覆金属板を製造した。
【0055】
(c):2軸方向に熱収縮する膜厚16μmのポリエステルフィルム(熱収縮率1%)の両面をコロナ放電処理し、巻き取る。厚さ0.8mmの冷延鋼板の両面に、メッキ付着量が45g/m2 となるように合金化溶融亜鉛メッキを施し、ついで脱脂処理を行ない、5%ブチルセロソルブ希釈トリアジンチオ−ル(三協化成社製、商品名、「ジスネットF」)を塗布してなる金属板の片面に、上記のポリエステルフィルムを熱圧着させて被覆した。
【0056】
2.実施例及び比較例
実施例 1
プラスチックフィルム被覆金属板(a)を裁断及び成型し、次いで150℃に加熱してフィルムを熱収縮させた後、これらを結合してアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックからなるメインボデ−の模型(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製造しておく。さらに、プラスチック被覆金属板(a)を裁断及び成型し、次いで150℃に加熱してフィルムを熱収縮させた後、これらを結合してフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ−ジドアなどの外蓋物(自動車部品)の模型(大きさは現物の約25分の1)を製造した。このメインボデ−にこの外蓋物を取り付けてシェルボデ−を形成し、これをカチオン電着塗料(「エレクロン#9600グレ−」関西ペイント社製、商品名、エポキシ樹脂系)浴に浸漬し、電着浴温28℃、電圧250V、全没通電時間2分間の条件で、シェルボディの金属露出部分に電着塗装し水洗後、170℃で30分間加熱して電着塗膜を硬化せしめた。電着塗膜の平面部の膜厚20μm。
【0057】
実施例 2
両面が裸の合金化溶融亜鉛メッキ金属板を裁断、成型、結合して、アンダボデ−、サイドメンバ−、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックからなるメインボデ−の模型(大きさは現物の約25分の1)をあらかじめ製造しておく。一方、プラスチックフィルム被覆金属板(a)を裁断及び成型し、次いで ℃に加熱してフィルムを熱収縮させた後、結合して、フ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ−ジドアなどの外蓋物(自動車部品)の模型(大きさは現物の約25分の1)を製造した。メインボデ−にこの外蓋物を取り付けてシェルボデ−を形成し、これを上記のカチオン電着塗料浴に浸漬し、電着浴温28℃、電圧250V、全没通電時間2分間の条件で、シェルボディの金属露出部分に電着塗装し水洗後、170℃で30分間加熱して電着塗膜を硬化せしめた。電着塗膜の平面部の膜厚20μm。
【0058】
実施例 3
上記実施例2におけるプラスチックフィルム被覆金属板(a)をプラスチックフィルム被覆金属板(b)に代えた以外は実施例2と同様の操作を行なった。
【0059】
実施例 4
上記実施例2におけるプラスチック被覆金属板(a)をプラスチックフィルム被覆金属板(c)に代えた以外は実施例2と同様に行なった。
【0060】
比較例 1
実施例2におけるプラスチックフィルム被覆金属板(a)を、メッキ付着量が45g/m2 となるように合金化溶融亜鉛メッキを施し、ついで脱脂処理及びりん酸亜鉛化成処理(「PB#3080処理」)を行なった無塗装の金属板に代えた以外は実施例2と同様に電着塗装し、塗膜を加熱硬化した。
【0061】
比較例 2
上記実施例2におけるプラスチックフィルム被覆金属板(a)を、厚さ0.8mmの脱脂処理及びりん酸亜鉛化成処理(「PB#3080処理」)を行なった冷延鋼板に代えた以外は実施例2と同様に電着塗装し、塗膜を加熱硬化した。
【0062】
比較例 3
脱脂処理及びりん酸亜鉛処理(PB#3020)した大きさ7cm×15cm×0.8mmの冷延鋼板の片面半分に、下記の熱硬化性粉体塗料を静電粉体塗装機で膜厚40μになるように塗装し、95℃で10分間プレ−ヒ−トした試験片を「エレクロン#9600グレ−」浴に浸漬し、電着浴温28℃、電圧250V、全没通電時間2分間の条件で、試験片の金属露出部分に電着塗装し水洗後、170℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた。電着塗膜の膜厚20μm。
【0063】
熱硬化性粉体塗料:「エピコ−ト1004」(油化シェルエポキシ社製、商品名、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂)940部、アジピン酸ヒドラジド60部、チタン白顔料200部、バリタ200部の混合物をドライブレンドした後、ブスコニ−ダで溶融混練り分散を行ない、ついで冷却、粗粉砕、微粉砕、150メッシュ濾過をしてなる熱硬化性粉体塗料。
【0064】
3.性能試験結果
実施例及び比較例で得た電着塗装後の自動車のシェルボデ−(模型)について各種の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
表1
Figure 0004339479
試験方法は下記のとおりである。
【0066】
耐チッピング性:実施例及び比較例におけるシェルボデ−模型の外蓋物に使用した大きさ7cm×15cmの平板状プラスチック被覆金属板(ただし、比較例では電着塗装した金属板を使用)に中塗り塗料(「ル−ガベ−クKPX−60」関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系)を膜厚25μmに塗装し、140℃で30分加熱して硬化した後、さらに白色上塗り塗料(「アミラックホワイト」関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系)を膜厚35μmに塗装し、140℃で30分加熱して硬化させてなる塗板について試験を行った。ただし、比較例3では中塗り塗料の塗装を省略した。
【0067】
試験機として「Q−G−Rグラベロメ−タ」(Qパネル社製、商品名)を使用し、7号砕石約50gを、−20℃において、エア−圧約4Kg/cm2で90度(角度)で塗面に吹き付けた、その後、塗面に粘着セロハンテ−プを貼着し、それを急激に剥離した後の、プラスチック被覆部分及び粉体塗料塗装部分における被衝撃部からの塗膜のハガレ状態を目視観察した。○は衝撃により上塗り塗膜及び中塗り塗膜にハガレが少し認められるが、金属面の露出は全くない、△は衝撃により上塗り塗膜及び中塗り塗膜にハガレが多く認められ、しかも金属面の露出も少しある、×は衝撃により上塗り塗膜及び中塗り塗膜にハガレが多く認められ、しかも金属面の露出も多くあることを示す。

【0068】
一般部防食性:実施例及び比較例で得た模型を、耐塩水噴霧試験機(35℃)に960時間入れた後、シェルボディの外蓋の外面部、すなわちポリエステルフィルム貼着部分(実施例)及び電着塗装部分(比較例)における防食性を目視で観察した。○はサビやフクレの発生が全く認められない、△はサビやフクレの発生が少し認められる、×はサビやフクレの発生が多く認められることを示す。

【0069】
エッジ防食性:実施例及び比較例で得た模型を、耐塩水噴霧試験機に240時間入れた後、シェルボデ−の切断部の端面部(鋭角部分)における防食性を観察した。○は端面部にサビ発生全く認められない、△は端面部にサビ発生少し認められる、×は端面部にサビ発生多く認められる を示す。
【0070】
境界部防食性:実施例3及び比較例3で得た試験用塗板を用いて行なった。なお、実施例3の試験用塗板として、大きさが7cm×15cmで、かつポリエステルフィルムを金属板の片面半分に被覆したプラスチック被覆金属板(b)を実施例2と同様にして電着塗装し加熱硬化してなる鋼板を使用した。これらの試験用塗板における電着塗膜とプラスチック被覆部又は粉体塗料塗膜部と境界部分に素地に達するようにカッタで直線状に切り込み、それを55℃の5%食塩水に240時間浸漬した後、引上げ、水洗、乾燥してから、切込み線上に粘着セロハンテ−プを貼着し、20℃でそれを急激に剥離した後の塗面を観察した結果である。○は切込み線からの電着塗膜の剥離幅は3mm以下、△は切込み線からの電着塗膜の剥離幅は3〜5mm、×は切込み線からの電着塗膜の剥離幅は5mm以上であることを示す。

Claims (2)

  1. 自動車車体の主たる外面部にプラスチック被覆金属板を使用してシェルボデ−を形成せしめ、ついでこのシェルボデ−における金属露出部分を電着塗装により被覆する自動車車体の被覆法であって、該プラスチック被覆金属板が、金属板に熱圧着した熱収縮性プラスチックフィルムが収縮して周辺部に金属が露出してなる被覆金属板であることを特徴とする自動車車体の被覆法。
  2. 自動車車体の主たる外面部に、プラスチック被覆金属板を裁断、成型及び接合してなる自動車部品を用い、この部品をあらかじめ組み立てた自動車車体のメインボデ−に取り付けてシェルボデ−を形成し、ついでこのシェルボデ−における金属露出部分を電着塗装により被覆する自動車車体の被覆法であって、該プラスチック被覆金属板が、金属板に熱圧着した熱収縮性プラスチックフィルムが収縮して周辺部に金属が露出してなる被覆金属板であることを特徴とする自動車車体の被覆法。
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