JP4339458B2 - 容量性素子駆動装置 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電部材、液晶部材等の容量性素子を駆動する容量性素子駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の容量性素子駆動装置としては、圧電部材などの容量性素子に電極を接続して配置した複数のインク室を並べて設けたインクジェットヘッドを駆動するヘッド駆動装置がある。このインクジェットヘッドとしては、図19に示すように、各インク室11 、12 、…を各圧電部材21 、22 、…によって仕切って構成されたシェアモードのインクジェットヘッド3があり、このようなインクジェットヘッド3を駆動する従来のヘッド駆動装置4を図20に示す。
【0003】
このヘッド駆動装置4は、シリアル/パラレル変換器5、このシリアル/パラレル変換器5からの出力は、アンドゲート6及びイクスクルーシブオアゲート7を介して駆動回路8に接続し、この駆動回路8からの出力は、各出力端子9を介して各インク室11 、12 、…の隔壁に設けた圧電部材21 、22 、…の電極に接続している。
【0004】
各駆動回路8は、図21に示すように、入力端子11、出力端子9、正の駆動電源(V)12、抵抗体R1 〜R5、ハイポーラトランジスタTr1〜Tr4を備える。この駆動回路8では、入力端子11に入力される信号が1になると、ハイポーラトランジスタTr1がオンして出力端子9に駆動電圧(V)が印加され、入力される信号が0になると、ハイポーラトランジスタTr2がオンして出力端子9が接地電圧0になる。
【0005】
このような駆動回路8を使用してインクジェットヘッド3を制御する場合には、例えば駆動したいインク室13 側の隔壁に設けた圧電部材に図22(b)に示すような駆動波形を与え、その周辺インク室12 、14 側の隔壁に設けた圧電部材に逆相の同図(a)、(c)に示すような駆動波形を与えて、インク室13 側の隔壁に設けられた圧電部材の端子間電圧を+Vから−Vに急激に変化させることにより、インク室13 のインク吐出口からインクが吐出される。
【0006】
また、上記駆動回路の別の例として、図23に示すように入力端子11aを有する噴射用電圧発生回路13と入力端子11bを有する放電回路14とを備えたものもある。この駆動回路15では、入力端子11aにのみ入力信号1が入力されると、電源12から出力端子9に駆動電圧(VDD)が印加され、入力端子11bにのみ入力信号1が入力されると、出力端子9が接地電圧0となる。
【0007】
ここで、図22は、回路の特性による立ち上がり立ち下がり時間の鈍化を省略した論理的なタイミング図であって図20の論理回路図に対応するが、実際の図21又は図23の駆動回路8、15には、遅れが存在するため、図22のようにインク室13 を駆動する圧電部材に与えられる電圧が下がり始めてから周辺インク室12 、14 を駆動する圧電部材に与えられる電圧が上がり終わるまでの時間tが存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、バイポーラトランジスタを使用した回路などでは、消費電力低減等のため、このバイポーラトランジスタの代りにMOS(Metal Oxide Semiconductor )型トランジスタを使用することが行われており、図21又は図23に示すような駆動回路8、15においても、バイポーラトランジスタTrの代りにMOS型トランジスタを使用することが考えられる。
【0009】
しかしながら、もしバイポーラトランジスタの代りにP−MOS(PMOS型)トランジスタ、N−MOS(NMOS型)トランジスタを使用して駆動回路を構成すれば、P−MOSトランジスタの基板電位を駆動電圧(VD)とし、N−MOSトランジスタの基板電位を接地電圧(VS)とした場合、以下に示すような問題点が考えられる。
【0010】
すなわち、上述した従来の駆動回路と同様に、駆動したいインク室の圧電部材に駆動電圧を与え、その周辺インク室に逆相の電圧を与えることにより、所望のインク室のインク吐出口からインクを吐出させようとする場合、圧電部材端子間の電圧を+VDから−VDに急激に変化させる必要があるので、駆動しようとするインク室を駆動する圧電部材に与えられる電圧が下がり始めてから周辺インク室を駆動する圧電部材に与えられる電圧が上がり終わるまでの時間tは、なるべく短くする必要がある。
【0011】
ところが、この時間tをあまりに短くすると、回路素子の特性による立ち上がり立ち下がりの遅れ、周辺インク室における出力端子の電圧による誘導等によって、駆動電圧(VD)より高い電圧または接地電圧(VS)より低い電圧になるおそれがあり、いずれかのMOS型トランジスタの寄生ダイオード(MOSトランジスタにおいてゲートとソースとの間、及びゲートとドレインとの間でダイオードのような作用をする場所が生じることがあるがこれを寄生ダイオードという)に電流が流れてしまう。
【0012】
このように、上述した従来の技術における時間tのとりかたによっては、MOS型トランジスタのサブストレートに電流が流れてしまい、駆動回路の信頼性を損うという問題が考えられる。特にインクジェットヘッドを駆動する場合のように、MOS型トランジスタのオン・オフが繰返し行われると、MOS型トランジスタのサブストレートに繰返し電流が流れるので、駆動回路の信頼性が損われる。
【0013】
以上のように、従来は、駆動しようとするインク室を駆動する圧電部材に与えられる電圧を立ち上げた後、周辺インク室を駆動する圧電部材に与えられる電圧が立上がり始めるまでの時間を調整する考え方はなかった。
【0014】
従って、上述したような駆動装置において、単にバイポーラトランジスタの代りにMOS型トランジスタを使用しただけでは、信頼性の高い装置を提供することはできない。
【0015】
そこで、本発明は、低消費電力で信頼性が高く、より安価な容量性素子駆動装置を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、容量性負荷となる複数の容量性素子を設け、各容量性素子の端子間に所定の極性の電位差を与え、その後逆極性の電位差を与える駆動回路によって前記容量性素子の一方の端子に与えた電位差の絶対値と他方の端子に与えた電位差の絶対値とを加算した電位差に相当する電位変化を起こさせることにより、前記容量性素子を駆動する容量性素子駆動装置において、前記容量性素子の一方の端子電位の変化開始から他方の端子電位の変化開始までの前記一方の端子の電位変化による容量性素子の充電又は放電動作が完了する時間より短い時間T設定し、前記時間Tは、前記駆動回路により前記容量性素子の他方の端子電位V2を変化させたときの誘導により変化する前記一方の端子D3の電位V3が、前記駆動回路の許容範囲を越える電位となる時間より長いことを特徴とする容量性素子駆動装置である。
【0017】
請求項2の本発明は、容量性素子として圧電部材を使用し、圧電部材の電歪効果によってインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動装置であって、時間Tはインクジェットヘッドの固有振動周期の1/4以下の時間としたことを特徴とする請求項1記載の容量性素子駆動装置である。
【0018】
請求項3の本発明は、容量性素子として液晶部材を使用する駆動装置であって、時間Tは液晶部材の応答時間の1/2以下の時間としたことを特徴とする請求項1記載の容量性素子駆動装置である。
【0019】
請求項4の本発明は、時間Tの間に、容量性素子に充電された電荷のうちの一部分を駆動回路の電源を経由しない経路で放電することを特徴とする請求項1記載の容量性素子駆動装置である。
【0021】
請求項の本発明は、駆動回路は、駆動回路の出力端子と駆動電圧との間及びその出力端子と接地電位との間に、基板にドレイン、ソース、ゲートを備えてなるスイッチ素子を設け、このスイッチ素子を制御することによって容量性素子の端子電位を制御させるようにし、駆動回路により容量性素子のいずれかの端子電位を変化させたときの誘導により発生する駆動回路の出力端子の電位が駆動回路の許容範囲を越えない程度に、駆動電圧側及び接地電位側のスイッチ素子のうちの少なくとも一方の基板電位をドレイン電位及びソース電位とは別の電位にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の容量性素子駆動装置である。
【0022】
請求項6の本発明は、前記駆動回路により前記容量性素子の他方の端子電位を変化させたときの誘導により変化する前記一方の端子の電位が、接地電位より低くならないよう前記時間Tを設定して前記スイッチ素子を制御し、前記駆動電圧側のスイッチ素子の基板電位をドレイン電位及びソース電位とは別の電位にしたことを特徴とする請求項5記載の容量性素子駆動装置である。
【0023】
請求項の本発明は、駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子は、P型MOSトランジスタで構成し、その基板電位を駆動電圧よりも高い電位にしたことを特徴とする請求項記載の容量性素子駆動装置である。
【0024】
請求項の本発明は、駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子は、N型MOSトランジスタで構成し、その基板電位を接地電位にしたことを特徴とする請求項記載の容量性素子駆動装置である。
【0025】
請求項の本発明は、駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子の電流利得を、接地電位側のスイッチ素子の電流利得より大きくなるようにしたことを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載の容量性素子駆動装置である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる容量性素子駆動装置を圧電部材を使用したシェアーモードのインクジェットヘッドの駆動装置に適用した場合の第1の実施の形態を図1ないし図7を参照して説明する。
図1は、本実施の形態にかかる装置の構成を示す部分回路図で、図2は、シェアーモードのインクジェットヘッドの構成を示した部分断面図である。図1及び図2において、311 、312 、313 、314 、315 、316 、…は複数のインク室を仕切っている壁を構成する圧電部材で、この各圧電部材311 、312 、313 、314 、315 …の面に例えば無電解ニッケルメッキにより電極を形成している。すなわち、圧電部材311 の一方の面に電極321 を形成し、同一インク室332 の内壁面である圧電部材311 の他方の面と圧電部材312 の一方の面に電極322 を形成し、同一インク室333 の内壁面である圧電部材312 の他方の面と圧電部材313 の一方の面に電極323 を形成し、同一インク室334 の内壁面である圧電部材313 の他方の面と圧電部材314 の一方の面に電極324 を形成し、同一インク室335 の内壁面である圧電部材314 の他方の面と圧電部材315 の一方の面に電極325 を形成し、同一インク室336 の内壁面である圧電部材315 の他方の面と圧電部材316 の一方の面に電極326 を形成している。図示はしないが他の圧電部材に対しても同様にして電極を形成している。
【0027】
複数のインク室を2つおきにまとめて3つのグループに分割している。すなわち、電極322 、325 、…を形成したインク室332 、335 、…をB群グループとし、電極323 、326 、…を形成したインク室333 、336 、…をC群グループとし、電極324 …を形成したインク室334 、337 …をA群グループとしている。また、各インク室331 、332 、333 、334 、335 …にはそれぞれインクのインク吐出口341 、342 、343 、344 、345 …が設けられている。
【0028】
そして、各電極311 、312 、313 、314 、315 …は、内部抵抗を介して端子D1 、D2 、D3 、D4 、D5 、D6 …(以下、D1 〜Dnとする)に接続している。この端子D1 〜Dnと駆動電圧(VDD)との間にはスイッチング素子であるP−MOSトランジスタP1 〜Pn を接続し、各端子D1〜Dnと接地電圧(VSS)の間にはN−MOSトランジスタN1 〜Nn を接続して構成される。
【0029】
上記P−MOSトランジスタP1 〜Pn は、基板にドレイン、ソース、ゲートが設けて構成され、その基板電位を駆動電圧(VDD)よりも高い電圧であるVBBとしている。上記N−MOSトランジスタN1 〜Nn は、基板にドレイン、ソース、ゲートが設けて構成され、その基板電位を接地電圧(VSS)としている。
【0030】
このような駆動回路における動作を図1ないし図5を参照しながら説明する。
初期状態では、図1に示すように各端子D1 〜Dn のP−MOSトランジスタP1 〜Pn がオンしており、各端子D1 〜Dn は、同電位(VDD)に保たれた状態になっている。
【0031】
そして、例えばC群グループであるインク室333 、336 、…のインク吐出口343 、346 、…からインクの吐出を行いたい場合、まず図5(a)に示すようにインクの吐出を行いたいインク室333 、336 、…の端子D3 、D6 、…に接続されているP−MOSトランジスタP3 、P6 、…をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてN−MOSトランジスタN3 、N6、…をオンする(図3(a)に示す逆充電動作)。このとき、圧電部材の隔壁は、図4(a)に示すように、インク室333 、336 、…を広げる方向に歪む。
【0032】
そして、図5(a)に示すように、所定時間この状態を保持し、次にN−MOSトランジスタN3 、N6、…をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてP−MOSトランジスタP3 、P6 、…をオンし、端子D3 、D6 、…と両隣の端子D2 ,D4 、D5 ,D7 、…との電位差を小さくする(図3(b)に示す放電動作)。このとき、圧電部材の隔壁にかかる電位差が小さくなるので、図4(b)に示すように圧電部材の隔壁は図2に示す初期状態に戻ろうとする。
【0033】
また、P−MOSトランジスタP3 、P6 、…をオンしたとき、図5(c)に示すように両隣の端子D2 ,D4 、D5 ,D7 、…の出力電圧は誘導されて駆動電圧(VDD)より高いVov1になる。
【0034】
このP−MOSトランジスタP3 、P6 、…をオンしている時間T(この時間Tは0でない。以下同様)の経過後、図5(a)に示すように両隣の端子D2 ,D4 、D5 ,D7 …に接続されているP−MOSトランジスタP2 ,P4 、P5 ,P7 …をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてN−MOSトランジスタN2 ,N4 、N5 ,N7 …をオンする(図3(c)の充電動作)。このとき、圧電部材の隔壁は図4(c)に示すようにインク室333 、336 、…を縮める方向に歪む。
【0035】
このような逆充電、放電、充電の動作を高速に行うことにより、圧電部材の隔壁には図5(d)に示すように2VDDに相当する電圧の急激な変位が生じ、この変位によってインク室333 、336 、…からのインクの吐出が開始する。
【0036】
ところで、両隣のN−MOSトランジスタN2 ,N4 、N5 ,N7 …をオンしたときに、端子D3 、D6 、…の出力電圧は図5(b)に示すようにマイナス方向に誘導される。この誘導による端子D3 、D6 、…の出力電圧の変動は、放電時間Tが短いほどマイナス方向の振れが大きくなる。
【0037】
従って、図6(a)に示すように放電時間Tが短すぎて、図6(b)に示すように十分な放電ができない場合は、端子D3 、D6 、…の出力電圧のマイナス方向の振れが大きくなり、端子D3 、D6 、…の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くなってしまう。すると、N−MOSトランジスタのドレインの電位が基板電位より低くなるため、N−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れてしまう。これが繰返し行われると、駆動回路自体の信頼性が低下してしまう。
【0038】
一方、放電時間Tを長くすれば、端子D3 、D6 、…の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くなってしまうことを防止できるが、放電時間Tをあまり長くすると、圧電部材端子間の電圧を急激に変化させることができなくなるので、インクの吐出動作に影響を及す。
【0039】
従って、上記放電時間Tは、少なくとも端子D3 、D6 、…の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くならない程度に短く設定するとともに、インクの吐出速度などを考慮してあまり長くならない程度に設定する。
【0040】
次に、インクの吐出が開始した後、図5(a)に示すように所定時間この状態を保持し、両隣の端子D2 ,D4 、D5 ,D7 、…に接続されているN−MOSトランジスタN2 ,N4 、N5 ,N7 …をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてP−MOSトランジスタP2 ,P4 、P5 ,P7 …をオンする(図3(d)に示す逆放電動作)。この動作で、圧電部材の隔壁は、図4(d)に示す初期状態に戻り、インク室333 、336 、…のインクがオリフィス面に形成されたインク吐出口343 、346 、…から切り離され飛翔していく。
【0041】
ところで、P−MOSトランジスタP2 ,P4 、P5 ,P7 …をオンしたときは、図5(b)に示すように端子D3 、D6 、…は誘導されて駆動電圧(VDD)より高く(Vov2)なる。
【0042】
従って、もし、P−MOSトランジスタの基板電位を駆動電圧(VDD)にとっていれば、P−MOSトランジスタのドレインの電位が基板電位より高くなるため、P−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れてしまう。よって、これが繰返し行われると、駆動回路自体の信頼性が低下してしまう。
【0043】
そこで、本願発明においては、P−MOSトランジスタの基板電位(VBB)を図5(c)に示すVov1や図5(b)に示すVov2より高くしている。これにより、各端子Dの出力電圧が誘導を受けて駆動電圧(VDD)より高くなった場合でも、P−MOSトランジスタの寄生ダイオードには電流が流れることなく、駆動回路の信頼性を高くすることができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、3分割駆動なので、C群グループのインク室333 、336 、…を駆動して印字した後、A群グループのインク室334 、337 …を駆動して印字し、最後にB群グループのインク室332 、335 、…を印字して、1ラインの印字が終了する。
【0045】
このように、放電時間Tの長さを少なくとも端子D3 、D6 、…の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くならない程度に設定することにより、N−MOSトランジスタのドレインの電位が基板電位より低くなることを防止できる。これにより、N−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れることを防止でき、駆動回路の信頼性を高くすることができる。
また、P−MOSトランジスタの基板電位(VBB)を図5(c)に示すVov1や図5(b)に示すVov2より高くすることにより、P−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れることを防止できるので、これによっても駆動回路の信頼性を高くすることができる。
従って、MOS型トランジスタを使用して駆動回路を構成した場合に、低消費電力で信頼性が高く、より安価な容量性素子駆動装置を提供することができる。また、圧電部材を充放電することにより、図5(d)に示すように、1つの駆動電圧(VDD)で一方の端子に与えた電位差と他方の端子に与えた電位差の絶対値を加算した電位差、ここでは最大2倍の駆動電圧の電位差が圧電部材の端子間で得られる。そして、圧電部材の端子間の電位差も、同電位、駆動電圧、負の駆動電圧と3段階のレベルが得られる。
【0046】
なお、本実施の形態では、充電の後に放電時間Tを入れてから、逆充電しているが、もし、充電の後に放電時間Tを入れずに逆充電する場合の駆動波形は図7(b)に示すようになり、この場合の駆動回路の消費エネルギーは、(1/2)×C×(2VDDの2乗)=2×C×(VDDの2乗)となる(但し、この式ではインクジェットヘッドの抵抗分を無視している)。
【0047】
ところが、放電時間Tを十分にとって、完全に放電させてから逆充電した場合の駆動波形は図7(a)に示すようになり、この場合の駆動回路の消費エネルギーは(1/2)×C×(VDDの2乗)×2=C×(VDDの2乗)となる。つまり、後者の吐出時の駆動回路の消費エネルギーは前者の場合の半分で済む。
【0048】
このように、圧電部材の一方の端子の電位を変化させてから他方の端子の電位を変化させるまでの時間Tの間に圧電部材の各端子を駆動電圧(VDD)にして駆動回路の電源を経由しない経路で放電させてから、逆充電するというように、段差をつけて圧電部材を充電してインクを吐出することにより、吐出時の駆動回路の消費エネルギーPは、C×(VDDの2乗)≦P<2×C×(VDDの2乗)となり、充電の後に放電時間Tを入れずに逆充電する場合に比べて小さくなる。つまり、放電時間Tを長くとると、完全に充放電が終わるまでは、その分だけ駆動回路の消費エネルギーを低減することができる。
【0049】
また、本実施の形態における駆動回路では、P−MOSトランジスタがオンしているときに、両隣のN−MOSトランジスタがオンするので、両隣のN−MOSトランジスタがオンするときに誘導される端子Dの電圧は、P−MOSトランジスタ側の回路の内部抵抗分と両隣のN−MOSトランジスタの回路の内部抵抗分の合成抵抗との分圧比で決まってくる。
【0050】
従って、この分圧比をP−MOSトランジスタ回路の電流利得(gm)をN−MOSトランジスタ回路の電流利得(gm)より大きくなるように構成すれば、両方のMOSトランジスタ回路の電流利得(gm)が同じとき又はN−MOSトランジスタ回路の電流利得(gm)がP−MOSトランジスタ回路の電流利得(gm)より大きい場合に比べて放電時間Tを短くしても、端子Dの出力はマイナスに振れることはなくなる。これにより、放電時間Tをより短く設定できるため、その分速く吐出時の駆動電圧が立ち上がるので、インク吐出のときに必要な駆動電圧の立ち上がり特性を満足するのに、より小さなスイッチング素子で実現できる。
【0051】
また、一方の端子が十分に充電あるいは放電してから、もう一方の端子をスイッチする場合、負荷を駆動するのに必要な電圧立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いときは、要求時間を満足するためにサイズの大きなMOS型トランジスタが必要になってしまいチップサイズが大きくなってしまうため、コストも上がるが、上述したように電圧立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いときには、放電時間Tを駆動回路の出力が負にならない程度に短くすれば、 その分立ち上がり立ち下がり時間は短くなるので、MOS型トランジスタを小さくしても要求時間を満足でき、駆動装置にかかる製造コストを低下することができる。
【0052】
次に、本発明にかかる容量性素子駆動装置を圧電部材を使用したシェアーモードのインクジェットヘッドの駆動装置に適用した場合の第2の実施の形態を図8及び図9を参照して説明する。
【0053】
図8は、本実施の形態にかかる装置の構成を示す部分回路図で、図1に示すものと異なるのは、駆動電圧(VDD)側のスイッチング素子もN−MOSトランジスタで構成し、すべてのN−MOSトランジスタの基板電位を接地電圧(VSS)と同じにした点である。
【0054】
本実施の形態にかかる装置では、駆動電圧(VDD)側のN−MOSトランジスタNU1 〜NU2 のソース側が容量負荷に接続されるので、このN−MOSトランジスタNU1 〜NU2 がオンして容量負荷を充電すると、N−MOSトランジスタNU1 〜NU2 のソースの電位が上がり、最終的には駆動電圧(VDD)まで上昇する。
【0055】
ところが、もし、このN−MOSトランジスタNU1 〜NU2 のゲート電圧を図9(a)の点線で示すように駆動電圧(VDD)と同じに設定すれば、ソース電圧が上がってくると、バックゲート効果(基板バイアス効果)により、十分な電流利得(gm)が得られなくなり、図9(b)の点線で示すように駆動電圧(VDD)まで十分に充電できなくなってしまう。
【0056】
このため、本実施の形態では、図9(a)の実線で示すようにゲート電圧を駆動電圧(VDD)より十分高くしている。これにより、駆動電圧側のN−MOSトランジスタNU1 〜NU2 がオンしても、図9(b)の実線で示すように駆動電圧(VDD)まで充電できる。
なお、上記第1の実施の形態であれば、P−MOSトランジスタの基板電位をVDDより高いVBBとしているので、このVBBをゲート電圧としてもよい。
【0057】
このような構成の本実施の形態であれば、図1に示すP−MOSトランジスタP1 〜Pn を駆動電圧側のN−MOSトランジスタN1 〜Nn に入れ替えた形で、図5(a)に示すものと同様に制御させて、各MOSトランジスタをスイッチさせてインクを吐出させることにより、第1の実施の形態と同様に各N−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れることを防止でき、さらに駆動電圧側のN−MOSトランジスタNU1 〜NU2 がオンしても、駆動電圧(VDD)まで充電できる。これにより、図1に示すP−MOSトランジスタを駆動電圧側のN−MOSトランジスタに入れ替えた場合でも、低消費電力で信頼性が高く、より安価な容量性素子駆動装置を提供することができる。
【0058】
次に、本発明にかかる容量性素子駆動装置を圧電部材を使用した独立型のインクジェットヘッドの駆動装置に適用した場合の第3の実施の形態を図10ないし図12を参照して説明する。
【0059】
図10は、本実施の形態の構成を示す部分回路図で、図11は独立型であるカイザー型インクジェットヘッドの構成を示した部分断面図である。このカイザー型のインクジェットヘッドは、図11に示すように各インク室41の上板を弾性板42で構成して、その上面に、両面に電極43を形成した圧電部材44を設け、圧電部材44を介して弾性板42を上側に凸となるように撓ませることによりインク室41を広げると、インク供給口45からインク46が吸入され、勢いをつけて下側に凸となるように撓ませてインク室41を縮めると、インク吐出口46からインクが吐出するようになっている。
【0060】
このようなインクジェットヘッドの駆動回路は、1つのインク室41を駆動する1つの圧電部材44に対して、4つのスイッチング素子が接続して構成される。具体的には、図10に示すように圧電部材44の一方の電極に内部抵抗を介して接続した端子D1 と駆動電圧(VDD)との間にP−MOSトランジスタP1 を接続するとともに、この端子D1 と接地電圧(VSS)との間にN−MOSトランジスタN1 を接続し、圧電部材44の他方の電極に内部抵抗を介して接続した端子D2 と駆動電圧(VDD)との間にP−MOSトランジスタP2 を接続するとともに、この端子D2 と接地電圧(VSS)との間にN−MOSトランジスタN2 を接続して構成される。また、上記P−MOSトランジスタP1 、P2 の基板電位をVBBとし、N−MOSトランジスタN1 、N2 の基板電位を接地電圧(VSS)とする。
【0061】
このような駆動回路における動作を図12を参照しながら説明する。
初期状態では、各端子D1 〜Dn のP−MOSトランジスタP1 〜Pn がオンしており、各端子D1 〜Dn は同電位(VDD)に保たれた状態になっている。
【0062】
そして、あるインク室41からインクの吐出を行いたい場合、まず図12(a)に示すようにインクの吐出を行いたいインク室41の端子D1 に接続されているP−MOSトランジスタP1 をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてN−MOSトランジスタN1 をオンする(図11(b)に示す逆充電動作)。このとき、圧電部材44はインク室41を広げる方向に歪む。
【0063】
そして、図12(a)に示すように、所定時間この状態を保持し、次にN−MOSトランジスタN1 をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてP−MOSトランジスタP1 をオンし、端子D1 とD2 との電位差を小さくする(図11(c)に示す放電動作)。このとき、圧電部材44にかかる電位差が小さくなるので、圧電部材44は図11(a)に示す初期状態に戻ろうとする。
【0064】
また、P−MOSトランジスタP1 をオンしたとき、図12(c)に示すように反対側の端子D2 の出力電圧は誘導されて駆動電圧(VDD)より高いVov1になる。
【0065】
このP−MOSトランジスタP1 をオンしている時間Tの経過後、図12(a)に示すように反対側の端子D2 に接続されているP−MOSトランジスタP2 をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてN−MOSトランジスタN2 をオンする(図11(c)に示す充電動作)。このとき、圧電部材44は図11(c)に示すようにインク室を縮める方向に歪む。
【0066】
このような逆充電、放電、充電の動作を高速に行うことにより、圧電部材44には図12(d)に示すように2VDDに相当する電圧の急激な変位が生じ、この変位によってインク室41からのインクの吐出が開始する。
【0067】
ところで、反対側の電極に接続されているN−MOSトランジスタN2 をオンしたときに、端子D1 の出力電圧は図12(b)に示すようにマイナス方向に誘導される。この誘導による端子D1 の出力電圧の変動は、放電時間Tが短いほどマイナス方向の振れが大きくなる。従って、放電時間Tが短すぎて十分な放電ができない場合は、第1の実施の形態と同様の問題が生じる。
【0068】
すなわち、端子D1 の出力電圧のマイナス方向の振れが大きくなり、端子D1 の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くなってしまう。すると、N−MOSトランジスタのドレインの電位が基板電位より低くなるため、N−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れてしまう。これが繰返し行われると、駆動回路自体の信頼性が低下してしまう。
【0069】
一方、放電時間Tを長くすれば、端子D1 の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くなってしまうことを防止できるが、放電時間Tをあまり長くすると、圧電部材端子間の電圧を急激に変化させることができなくなるので、インクの吐出動作に影響を及す。
【0070】
従って、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、上記放電時間Tは、少なくとも端子D1 の出力電圧が接地電圧(VSS)よりも低くならない程度に短く設定するとともに、インクの吐出速度などを考慮してあまり長くならない程度に設定する。
【0071】
次に、インクの吐出が開始した後、図12(a)に示すように所定時間この状態を保持し、反対側の端子D2 に接続されているN−MOSトランジスタN2 をオフした後に、貫通電流を防止する時間をおいてP−MOSトランジスタP2 をオンする(図11(d)に示す逆放電動作)。この動作で、圧電部材44は、初期状態に戻り、インクがオリフィス面に形成されたインク吐出口から切り離され飛翔していく。
【0072】
ところで、P−MOSトランジスタP2 をオンしたとき、図12(b)に示すように端子D1 は誘導されて駆動電圧(VDD)より高いVov2になる。従って、もし、P−MOSトランジスタの基板電位を駆動電圧(VDD)にとっていれば、P−MOSトランジスタのドレインの電位が基板電位より高くなるため、P−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れてしまう。よって、これが繰返し行われると、駆動回路自体の信頼性が低下してしまう。
【0073】
そこで、本願発明においては、第1の実施の形態と同様に、P−MOSトランジスタの基板電位(VBB)を図12(c)に示すVov1 や図12(b)に示すVov2 より高くしている。これにより、各端子D1 の出力電圧が誘導を受けて駆動電圧(VDD)より高くなった場合にも、P−MOSトランジスタの寄生ダイオードには電流が流れることなく、駆動回路の信頼性を高くすることができる。
【0074】
このように、本実施の形態の構成であれば、カイザー型のインクジェットヘッドを駆動する駆動回路においても、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0075】
ここで、本実施の形態における放電時間Tの適性値を決定する場合の具体例をインク室圧力の波形を示した図12を参照して説明する。
図11に示すようなインク室41を駆動する場合、先ずインク室41が広がるように圧電部材44に電圧を印加する(逆充電)。このときインク室41の圧力は一気にマイナスになる。ここで駆動波形をその状態にし続けるとインク室41の圧力は、インク室41の長さ、インク室41の剛性、インクの音速などで決まる固有振動周期(2AL(s))で振動する(図12(e)に示す点線の波形)。
【0076】
そこで、駆動波形は、逆充電を開始後、固有振動周期の1/2周期であるAL(s)経過後、放電から充電動作を高速に行い、一気にインク室41の圧力を高めてインクを吐出させる。
【0077】
このように、インク室41の固有振動を利用してインクを吐出するため、放電時間TをT>AL/2となるように長くすると、放電動作によるインク室41の圧力上昇後、インク室41の圧力が下がり始めてしまってその後に充電動作を行いインク室の圧力を上げることになるので、良好なインク吐出特性が得られなくなってしまう。従って、放電時間Tは、固有振動周期(2AL(s))の1/4以下の時間に設定すればよい。
【0078】
これにより、圧力が減衰される前に次の充電動作に移行させることができるので、図12(e)に示す実線波形のようにインク室圧力が一気に上がり、良好なインク吐出特性が得られる。
【0079】
次に、本発明にかかる容量性素子駆動装置を圧電部材を使用したシェアーモードのインクジェットヘッドの駆動装置に適用した場合の第4の実施の形態を図13ないし図16を参照して説明する。なお、本実施の形態における回路構成は、図1に示すものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0080】
本実施の形態におけるインクジェットヘッドは、図13(b)に示すように、駆動しようとするインク室の端子に対して両隣のインク室の端子の電位が高い場合にはインク室が広がる方向に歪み、低い場合にはインク室が縮まる方向に歪むような分極方向になるように圧電部材を設ける。従って、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様、図13(a)に示すように−VDDから+VDDに変化したときにインクが吐出される。
【0081】
また、本実施の形態における駆動回路は、駆動しようとするインク室の端子とその両隣のインク室の端子間の電位差(駆動波形)は、図14(a)〜(c)に示すようになる。すなわち、先ず同図(a)に示すような駆動波形によりC群グループのインク室333、336、…のインクの吐出が行われた後、同図(b)に示すような駆動波形によりA群グループのインク室334、337、…のインクの吐出が行われ、最後に同図(c)に示すような駆動波形によりB群グループのインク室335、338、…のインクの吐出が行われて、1ラインの印字が終了する。
そして、各分割駆動間は、前の駆動波形が終了するのと同時に次の分割の駆動波形が開始する。このように、各分割駆動間に余分な時間を入れずに、連続させることにより、高速な印字を可能にする。
【0082】
さらに、詳述すると、図14(a)〜(c)の各端子間の駆動波形を、単電源で実現するために、各端子へ入力する駆動波形は同図(d)〜(h)に示すようになる。ここでは、インク室333 〜336 でインクの吐出を繰返し行う場合について説明する。
【0083】
先ず、初期状態では、すべての端子D1 〜Dn を駆動電圧(VDD)となるようにし、端子D3 、D6 を接地電位(VSS)となるようにして、インク室333 、336 を広げる。
【0084】
そして、所定時間この状態を保持し、その後、第1の実施の形態と同様のタイミングで端子D3 、D6 の電位をVDDに上げつつ、両隣の端子D2 とD4 、D5 とD7 の電位をVSSに下げる。こうすることによりインク室333 、336 は広がった状態から一気に縮むのでインクの吐出が開始する。
この状態を所定時間持続した後、端子D2 、D5 をVDDの電位にしてインク室333 、336 からのインクの吐出を終了する。
【0085】
次に、端子D4 の電位は引き続きVSS電位を保持しておく、そして端子D5 をVDDへ立ち上げるときに、端子D4 の駆動波形が開始する。このとき、端子D3 の電位は引き続きVDD電位にしておく。
【0086】
そして、所定時間この状態を保持し、その後、第1の実施の形態と同様のタイミングで端子D4 の電位をVDDに上げつつ、両隣の端子D3 とD5 の電位をVSSに下げる。こうすることによりインク室334 は広がった状態から一気に縮むのでインクの吐出が開始する。
この状態を所定時間持続した後、端子D3 、D6 をVDDの電位にしてインク室334 からのインクの吐出を終了する。
【0087】
次に、端子D5 の電位は引き続きVSS電位を保持しておく、そして端子D6 をVDDへ立ち上げるときに、端子D5 の駆動波形が開始する。このとき、端子D4 は引き続きVDD電位にしておく。
【0088】
そして、所定時間この状態を保持し、その後、第1の実施の形態と同様のタイミングで端子D5 の電位をVDDに上げつつ、両隣の端子D4 、D6 の電位をVSSに下げる。こうすることによりインク室335 は広がった状態から一気に縮むのでインクの吐出が開始する。
この状態を所定時間持続した後、端子D4 をVDDの電位にしてインク室D5 の吐出を終了する。
【0089】
このように、駆動しようとするインク室の端子に対して両隣のインク室の端子の電位が高い場合にはインク室が広がる方向に歪み、低い場合にはインク室が縮まる方向に歪むような分極方向になるように圧電部材を設けることにより、駆動しようとするインク室の端子に隣接する端子がVSSのときに、駆動しようとするインク室の端子がVDDからVSSへ立ち下がることはないので、各端子の出力が接地電位(VSS)より低くなることはない。従って、駆動しようとするインク室の端子の電圧が、両隣の端子の電圧の変化により誘導を受けたとしても、その端子電圧が接地電位(VSS)より低くなることはない。これにより、接地側のN−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れることを防止できる。
【0090】
ところが、もし、圧電部材の分極方向が駆動しようとするインク室の端子に対して両隣のインク室の端子の電位が低い場合にはインク室が広がる方向に歪み、高い場合にはインク室が縮まる方向に歪むような分極方向になるように圧電部材を設けた場合(図15参照)は、上記のようにインクジェットヘッドのインク室を一旦広げて、その後インク室を縮めることによってインクを吐出させると、駆動しようとするインク室の端子とその両隣のインク室の端子間の電位差(駆動波形)は、図16(a)〜(c)に示すようになり、各端子へ入力する駆動波形は同図(d)〜(h)に示すようになる。
【0091】
このような分極方向の圧電部材を設けた場合は、図16の点線で囲んだ部分に示すように、隣接の端子電圧がVSSのときに駆動しようとするインク室の端子電圧がVDDからVSSへ立ち下がることになるので、隣接の端子電圧がVSSよりも低い方へ誘導されてしまい、接地側のN−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れてしまうことになる。
【0092】
従って、本実施の形態では、駆動しようとするインク室の端子に対して両隣のインク室の端子の電位が高い場合にはインク室が広がる方向に歪み、低い場合にはインク室が縮まる方向に歪むような分極方向になるように圧電部材を設けることにより、駆動しようとするインク室の端子に隣接する端子が接地電位(VSS)のときに、駆動しようとするインク室の端子がVDDからVSSへ立ち下がることを防止することができるので、接地側のN−MOSトランジスタの寄生ダイオードに電流が流れることを防止でき、駆動回路の信頼性を高くすることができる。
【0093】
なお、上述した各実施の形態においては、容量性素子として圧電部材を用いたインクジェットヘッドを使用し、このヘッドを駆動する場合について述べたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、容量性素子として圧電部材と同様に容量性素子である液晶部材を使用した装置やELプリントヘッド等を使用し、これらを駆動する場合にも適用してもよい。
【0094】
ここで、本発明を液晶ディスプレイなどに使用される液晶部材を駆動する駆動装置に適用した第5の実施の形態を図17及び図18を参照しながら説明する。
図17は、本実施の形態に係る装置の構成を示す部分回路図で、51は容量性負荷としての液晶部材である。この液晶部材51の一方の電極をOUTCとし、他方の電極をOUTSとすると、OUTCと駆動電圧(V0)との間にP−MOSトランジスタPP1 を接続するとともに、このOUTCと接地電圧(VSS)との間にN−MOSトランジスタNN1 を接続し、OUTSと駆動電圧(V0)との間にP−MOSトランジスタPP2 を接続するとともに、OUTSと接地電圧(VSS)との間にN−MOSトランジスタNN2 を接続して構成される。
【0095】
上記P−MOSトランジスタPP1 、PP2 の基板電位をVCCとし、N−MOSトランジスタNN1 、NN2 の基板電位を接地電圧(VSS)とする。さらに、P−MOSトランジスタPP1 及びN−MOSトランジスタNN1 の各ベースには、コモン制御回路52からのベース電圧が印加される。また、P−MOSトランジスタPP2 及びN−MOSトランジスタNN2 の各ベースにはセグメント制御回路53からのベース電圧が印加される。
【0096】
この駆動回路は、スタティック駆動方式で駆動される。スタティック駆動方式は、表示するセグメント電極とコモン電極との間に表示したい期間中だけ電圧を印加することにより液晶部材を制御する方式である。
【0097】
このような液晶部材をセルごとに複数配設してなる液晶ディスプレイを直流で駆動すると、各液晶セルの内部で電気化学反応を誘発するため、液晶ディスプレイの寿命を著しく縮めるという問題がある。
このため、セグメント電極とコモン電極にはそれぞれベース電圧として図18(a),(b)に示すように波高値がV0で、位相が互いにπ/2だけずれた方形波電圧を加える。この場合、液晶は極性を持たないので、液晶部材51には図18(c)に示すように波高値2V0(−V0〜V0)の電圧が印加されることになる。これにより、液晶部材51に加わる平均電圧は0になるから、液晶の劣化を防止できる。
【0098】
なお、この場合のコモン出力端子(OUTC),セグメント出力端子(OUTS)の電圧波形をそれぞれ図18(d),(e)に示す。また、液晶部材51の端子間駆動波形を図18(f)に示す。
【0099】
ここで、本実施の形態における放電時間Tの適性値を決定する場合の具体例を図18(f)を参照して説明する。
図18(f)に示すように駆動波形の立ち上がり時間、立ち下がり時間が液晶の応答時間よりも遅いと液晶表示特性が悪化するので、応答時間以下であることが望ましい。
【0100】
そこで、このような液晶部材の駆動装置における放電時間Tとしては、応答時間の1/2以下の時間に設定すればよい。具体的には、−V0側から+V0側に変化する時間が応答時間以下となるようにすればよい。
このように、放電時間Tを適性値に設定することによって、液晶部材を駆動する場合においても、その駆動回路の信頼性を高めつつ、しかも良好な液晶表示特性を得ることができる。
【0101】
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、P−MOSトランジスタの基板電位(VCC)を図18(e)に示すVupよりも高くしているので、各端子の出力電圧が誘導を受けて駆動電圧(V0)より高くなった場合にも、P−MOSトランジスタの寄生ダイオードには電流が流れることなく、駆動回路の信頼性を高くすることができる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、容量性素子の一方の端子の電位を変化させた後、他方の端子の電位を変化させるまでの時間Tを設定可能とすることにより、この時間Tが容量性素子の動作に影響しない範囲で、容量性素子のいずれかの端子電位を変化させたときの誘導により発生する駆動回路の出力端子の電位が駆動回路の許容範囲を越えないようにすることができるので、駆動回路の信頼性を高くすることができる。
また、上記時間Tの間に、容量性素子に充電された電荷のうちの一部分を駆動回路の電源を経由しない経路で放電することにより消費電力を低減することができる。
また、駆動回路に、基板にドレイン、ソース、ゲートを備えてなるスイッチ素子を設けて容量性素子の端子電位を制御する場合に、駆動回路により容量性素子のいずれかの端子電位を変化させたときの誘導により発生する駆動回路の出力端子の電位が駆動回路の許容範囲を越えない程度に、スイッチ素子の基板電位をドレイン電位及びソース電位とは別の電位にしたことにより、駆動回路の信頼性をより高くすることができる。
【0103】
また、駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子の電流利得を、接地電位側のスイッチ素子の電流利得より大きくなるようにしたことにより、容量性素子のいずれかの端子電位を変化させたときの誘導により発生する駆動回路の出力端子の電位変化を小さくできるので、上記時間Tをより短くすることができる。このため、容量性素子の端子間の電圧を急激に変化させることができるので、例えばインクジェットヘッドにおいて圧電部材を容量性素子として使用して、この圧電部材によってインク室の隔壁を駆動する場合に、隔壁の動作により大きな勢いをつけることができることから、インクをより勢いよく吐出させることができる。
【0104】
これらにより、駆動回路のスイッチ素子としてMOSトランジスタを使用した場合であっても、低消費電力で信頼性が高く、より安価な容量性素子駆動装置を提供できる。
【0105】
また、容量性素子として圧電部材を使用し、圧電部材の電歪効果によってインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動装置に適用した場合に、上記時間Tをインクジェットヘッドの固有振動周期の1/4以下の時間にすることによって、良好なインク吐出特性を得つつ、しかも上述したような低消費電力で信頼性が高い容量性素子駆動装置を提供できる。
【0106】
また、容量性素子として液晶を使用する駆動装置に適用した場合に、上記時間Tを液晶部材の応答時間の1/2以下の時間にすることによって、良好な液晶表示特性を得つつ、しかも上述したような低消費電力で信頼性が高い容量性素子駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるインクジェットヘッド駆動装置の構成を示す部分回路図。
【図2】同実施の形態にかかるインクジェットヘッドの構成を説明する部分断面図。
【図3】同実施の形態にかかるシェアモードのインクジェットヘッドを3分割駆動する場合の各状態における電流の流れを示す図。
【図4】同実施の形態にかかるインクジェットヘッドを3分割駆動する場合の各動作状態を示す図。
【図5】図1に示す駆動回路の動作タイミングを示すタイミング図。
【図6】図1に示す駆動回路において時間Tが短い場合の動作タイミングを示すタイミング図。
【図7】インク室からのインク吐出時に駆動回路が消費するエネルギーを説明する図。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかるシェアモードのインクジェットヘッド駆動装置の構成を示す部分回路図。
【図9】図8に示す駆動回路のN−MOSトランジスタNU3 のゲート電圧の波形、ソース電圧の波形を示す図。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるカイザー型のインクジェットヘッド駆動装置の構成を示す部分回路図。
【図11】同実施の形態にかかるカイザー型のインクジェットヘッドを駆動する場合の各動作状態を示す図。
【図12】図10に示す駆動回路の動作タイミングを示すタイミング図。
【図13】本発明の第4の実施の形態における圧電部材の端子間電圧の変化及び各電圧レベルにおけるインクジェットヘッドの動作状態を説明する図。
【図14】図13に示すインクジェットヘッドを駆動する駆動回路における端子間電圧及び端子電圧の変化を示す図。
【図15】図13におけるインクジェットヘッドとは逆方向の分極をもつように圧電部材を設けた場合における圧電部材の端子間電圧の変化及び各電圧レベルにおけるインクジェットヘッドの動作状態を説明する図。
【図16】図15に示すインクジェットヘッドを駆動する駆動回路における端子間電圧及び端子電圧の変化を示す図。
【図17】本発明の第5の実施の形態にかかる液晶部材の駆動装置の構成を示す部分回路図。
【図18】図17に示す駆動回路の動作タイミングを示すタイミング図。
【図19】従来のインクジェットヘッドの構成を説明する部分断面図。
【図20】従来のインクジェットヘッド駆動装置の構成を示す回路図。
【図21】図20に示す駆動回路部分の構成を示す回路図。
【図22】図20に示す駆動回路の動作タイミングを示すタイミング図。
【図23】図20に示す駆動回路部分の他の例についての構成を示す回路図。
【図24】図22によって駆動回路を動作させた場合に現れる実際の端子電圧波形を示すタイミング図。
【符号の説明】
311 〜31n …圧電部材
D1 〜Dn …端子
P1 〜Pn …P−MOSトランジスタ
N1 〜Nn …N−MOSトランジスタ
NU1 〜NUn …N−MOSトランジスタ
44…圧電部材
51…液晶部材

Claims (9)

  1. 容量性負荷となる複数の容量性素子を設け、各容量性素子の端子間に所定の極性の電位差を与え、その後逆極性の電位差を与える駆動回路によって、前記容量性素子の一方の端子に与えた電位差の絶対値と他方の端子に与えた電位差の絶対値とを加算した電位差に相当する電位変化を起こさせることにより、前記容量性素子を駆動する容量性素子駆動装置において、
    前記容量性素子の一方の端子電位の変化開始から他方の端子電位の変化開始までの、前記一方の端子の電位変化による容量性素子の充電又は放電動作が完了する時間より短い時間T設定し、
    前記時間Tは、前記駆動回路により前記容量性素子の他方の端子電位を変化させたときの誘導により変化する前記一方の端子の電位が、前記駆動回路の許容範囲を越える電位となる時間より長いことを特徴とする容量性素子駆動装置。
  2. 前記容量性素子として圧電部材を使用し、前記圧電部材の電歪効果によってインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動装置であって、前記時間Tは前記インクジェットヘッドの固有振動周期の1/4以下の時間としたことを特徴とする請求項1記載の容量性素子駆動装置。
  3. 前記容量性素子として液晶部材を使用する駆動装置であって、前記時間Tは前記液晶部材の応答時間の1/2以下の時間としたことを特徴とする請求項1記載の容量性素子駆動装置。
  4. 前記時間Tの間に、前記容量性素子に充電された電荷のうちの一部分を前記駆動回路の電源を経由しない経路で放電することを特徴とする請求項1記載の容量性素子駆動装置。
  5. 前記駆動回路は、前記駆動回路の出力端子と駆動電圧との間及びその出力端子と接地電位との間に、ドレイン、ソース、ゲートを備えてなるスイッチ素子を設け、このスイッチ素子を制御することによって前記容量性素子の端子電位を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の容量性素子駆動装置。
  6. 前記駆動回路により前記容量性素子の他方の端子電位を変化させたときの誘導により変化する前記一方の端子の電位が、接地電位より低くならないよう前記時間Tを設定して前記スイッチ素子を制御し、前記駆動電圧側のスイッチ素子の基板電位をドレイン電位及びソース電位とは別の電位にしたことを特徴とする請求項5記載の容量性素子駆動装置。
  7. 前記駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子は、P型MOSトランジスタで構成し、その基板電位を駆動電圧よりも高い電位にしたことを特徴とする請求項6記載の容量性素子駆動装置。
  8. 前記駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子は、N型MOSトランジスタで構成し、その基板電位を接地電位にしたことを特徴とする請求項6記載の容量性素子駆動装置。
  9. 前記駆動回路の駆動電圧側のスイッチ素子の電流利得を、接地電位側のスイッチ素子の電流利得より大きくなるようにしたことを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の容量性素子駆動装置。
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