JP4338402B2 - N4ウイルス一本鎖dna依存的rnaポリメラーゼ - Google Patents

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Description

(発明の背景)
本願は、米国仮特許出願番号第60/292,845号(2001年5月22日出願、この開示全体が、本明細書中に参考として詳細に援用される)に対する優先権を主張する。National Institute of Healthからの補助金番号第R01 A1 12575号により、政府が本発明における権利を有し得る。
(I.発明の分野)
本発明は、一般に、RNAポリメラーゼに関する。より詳細には、本発明は、一本鎖DNAテンプレートを用いて所望の配列のRNAを合成するためのバクテリオファージN4ウイルスRNAポリメラーゼを提供する。
(II.関連技術の説明)
宿主細胞におけるタンパク質をコードする遺伝子の発現は、RNAポリメラーゼ酵素によるDNAからのメッセンジャーRNA(mRNA)の転写を含む。続いて、mRNAが、プロセシングされる。このプロセシングは、ポリアデニル化酵素による3’UTR領域の認識およびmRNAの3’末端へのポリアデニル化ヌクレオチドのテール(tail)の付加を含む。転写後、このmRNAは、このmRNAの5’UTR領域と結合し、そしてmRNAに沿って3’方向に転移するリボソームと遭遇する。転移の間、アミノ酸が、順々に互いに付加されてタンパク質をコードする遺伝子のポリペプチド産物を形成する。原核生物の転写−翻訳のために、翻訳開始部位の6〜9ヌクレオチド前に位置する細菌mRNAのShine−Dalgarno配列が、リボソームローディングのために使用され得る。この配列は、16S rRNAの3’末端上の配列と相補的であり、そしてリボソームを刺激してmRNAに結合する。Shine−Dalgarno配列とRNA配列との間の塩基対形成は、解読のための開始AUGを整列させる役割を果たす。
mRNAへのDNAの転写は、DNAのプロモーター領域により調節される。このプロモーター領域は、RNAポリメラーゼがDNAと結合し、そしてRNAの対応する相補鎖を作製するためにテンプレートとしてDNA鎖の1つを使用して、mRNAの転写を開始することを示す塩基配列を含む。異なる種由来のRNAポリメラーゼは、代表的に、異なる配列からなるプロモーター領域を認識する。タンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞内で発現するために、タンパク質をコードする遺伝子の転写を駆動するプロモーターが、宿主のRNAポリメラーゼにより認識されなくてはならないか、またはタンパク質をコードする遺伝子の翻訳を駆動するプロモーターを認識するRNAポリメラーゼが、宿主細胞に提供されなくてはならない(米国特許第6,218,145号)。
ほとんどのDNA依存RNAポリメラーゼは、二本鎖DNAを読み取り、RNA合成を、二本鎖DNAテンプレートが利用可能な系に限定する。一本鎖DNAを用いるRNAの合成は、一般的ではない。固体支持体上に固定された一本鎖DNAテンプレートを用いるRNAの合成は、米国特許第5,700,667号に記載される。
従って、本発明は、一本鎖DNAを読み取るRNAポリメラーゼを提供する。また、プロモーター配列が翻訳開始部位の上流に存在し、従って、ポリメラーゼによって転写されない、RNAポリメラーゼも提供される。
(発明の要旨)
本発明は、新規N4ウイルス性RNAポリメラーゼ(vRNAP)およびミニ−vRNAポリメラーゼならびにその使用方法を提供する。新規のポリメラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号15に示されるアミノ配列を有するポリペプチドをコードする領域を含む単離された核酸により記載される。この核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7または配列番号14の核酸配列を含み得る。vRNAPポリメラーゼおよびミニ−vRNAポリメラーゼは、N4プロモーター(例えば、配列番号16、配列番号19、配列番号27、配列番号28、または配列番号29のP2プロモーター)に作動可能に連結した核酸を転写する。配列番号16または配列番号28のプロモーターが好ましい。
本発明の一局面は、N4ウイルスRNAポリメラーゼをコードするDNAセグメントを含む組換え宿主細胞を含む。DNAセグメントは、一本鎖または二本鎖のいずれかであり、そしてこのDNAセグメントにコードされたポリペプチドは、好ましくは、配列番号4または配列番号6である。組換え宿主細胞は、E.coli細胞であり得る。本発明の別の局面は、プロモーターの制御下でN4ウイルスRNAポリメラーゼポリペプチドをコードするDNAセグメントを含む組換えベクターを含む。
本発明のなお別の局面は、配列番号1の少なくとも14連続したヌクレオチドと同一であるか、それに相補的な配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。このポリヌクレオチドは、配列番号1のうち少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも600、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも3300またはそれより多い連続するヌクレオチドを含み得る。このポリヌクレオチドは、配列番号3の全ての連続するヌクレオチドまたは配列番号1の全てのヌクレオチドを含み得る。
同様に、このポリヌクレオチドは、配列番号1のうち少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも600、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも3300またはそれより多い連続するヌクレオチドに相補的な少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも600、少なくとも800、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも3300またはそれより多い連続するヌクレオチドを含むことが好ましい。
本発明の別の局面は、配列番号2のうち少なくとも20の連続するアミノ酸を含む精製されたN4ウイルスRNAポリメラーゼを含む。このポリメラーゼが、配列番号2のうち少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも600、少なくとも800、少なくとも1000またはそれより多い連続するアミノ酸を含み得る。
本発明のなお別の局面は、配列番号2のうち少なくとも6つの連続するアミノ酸を含むポリペプチドをコードする領域を含む単離された核酸を含み、ここでこのポリペプチドは、適切な反応条件下で、RNAポリメラーゼ活性を有する。このポリペプチドが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号15のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも600、少なくとも800、少なくとも1000またはそれより多い連続するアミノ酸を含むことが好ましい。コードされたポリペプチドは、少なくとも1つのヘキサヒスチジンタグまたは他のタグを有し得る。このポリペプチドは、配列番号2または配列番号4に見出されるペプチドの変異体(例えば、Y678位にアミノ酸置換を含む酵素)であり得る。
本発明の一実施形態は、RNAを作製する方法を含む。この方法は、以下:(a)N4ウイルスRNAポリメラーゼ(すなわちポリペプチド)を得る工程;(b)DNAを得る工程であって、ここでこのDNAは、好ましくは、N4ウイルスRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;(c)RNAポリメラーゼとこのDNAとを混合する工程;および(d)RNA合成を可能にするのに効果的な条件下で、このRNAポリメラーゼとこのDNAを培養する工程、を包含する。必要に応じて、この方法は、修飾リボヌクレオチドまたは修飾デオキシヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを合成する工程を包含し得る。このDNAは、好ましくは、一本鎖DNAであるか、または変性された二本鎖DNAである。工程(c)は、宿主細胞(例えば、E.coli宿主細胞)中でなされ得る。
RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号15に本質的に示される配列であるか、または配列番号4もしくは配列番号6のポリメラーゼの変異体形態である。この変異は、例えば、Y678の位置番号にあり得る。RNA転写は、誘導体化ヌクレオチドを含み得る。
本発明の一局面は、転写を指向するためのN4 vRNAPプロモーターを使用する工程を包含する。このプロモーターは、好ましくは、配列番号16、配列番号19、配列番号20、配列番号27、配列番号28、または配列番号29に示されるN4プロモーターである。配列番号16または配列番号28のP2プロモーターが好ましい。このプロモーター配列は、転写開始部位の上流にあり得る。このプロモーターは、3〜5塩基のループの中心位置および/またはその中心の隣にプリンを有する2〜7塩基対の長さのステムおよびそのループを有するヘアピンを形成する逆方向反復のセットを含み得る。
本明細書中で主張されるの転写方法の好ましい条件としては、工程(c)における6〜9の間のpHが挙げられ、7.5〜8.5の間のpHがより好ましい。Mg+2またはMn+2(好ましくはMg+2)は、混合され得る。この反応について好ましい温度は、25℃〜50℃であり、30℃〜45℃の範囲がより好ましく、そして32℃〜42℃の範囲が最も好ましい。この混合は、インビボまたはインビトロでなされ得る。
本発明の一局面はまた、転写の後のRNAの翻訳も含む。レセプター遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼのα−ペプチド)が用いられ得る。転写は、E.coliの一本鎖結合タンパク質(EcoSSB)、EcoSSBに相同なSSBタンパク質またはEcoSSBに相同な天然に存在するSSBタンパク質もしくはキメラSSBタンパク質と、このポリメラーゼおよびDNAとを混合する工程を包含することが好ましい。
本発明のRNAポリメラーゼと混合されるDNAは、一本鎖の直線状のDNAであるか、または一本鎖の環状DNA(例えば、バクテリオファージM13 DNA)であり得る。このDNAは、変成されたDNA(例えば、一本鎖変性DNA、二本鎖の直線状変性DNAまたは二本鎖の環状変性DNAであり得る。このDNAはまた、特定の条件下で二本鎖DNAであり得る。このRNAは、純粋なRNAであり得るか、または修飾ヌクレオチドを含み得る。混合されたRNA−DNAオリゴヌクレオチドはまた、本発明のY678F変異体ミニvRNAP(配列番号8)を用いて合成され得る。
本発明のなお別の局面は、EcoSSBがRNAポリメラーゼおよびDNAと混合されない転写方法であり;この方法の産物は、DNA/RNAハイブリッドである。
合成されたRNAは、検出可能な標識(例えば、蛍光タグ、ビオチン、ジゴキシゲニン、2’フルオロヌクレオシド三リン酸、または放射標識(例えば、35S−標識または32P−標識))を含み得る。合成されたRNAは、ブロッティング実験またはインサイチュハイブリダイゼーションのためのプローブとしての使用に適合され得る。ヌクレオシド三リン酸(NTP)または誘導体化NTPは、RNA中に組み込まれ得、そして必要に応じて検出可能な標識を有し得る。デオキシヌクレオシド三リン酸は、RNAに組み込まれ得る。
このRNAは、NMR構造決定のための使用に適合され得る。短いRNA(例えば、10塩基と1000塩基との間または10塩基と300塩基との間のRNA)が使用され得る。このRNAは、スプライセオソームアセンブリ、スプライシング反応、またはアンチセンス実験における使用に適合され得る。また、このRNAは、相補的ヌクレオチド配列のプロービングにおける使用またはRNaseプロテクションの研究におけるプローブとしての使用に適合され得る。
本発明のなお別の局面は、RNAの転写後に細胞にRNAを送達する工程を包含する。この送達は、マイクロインジェクションであり得る。本発明の別の局面は、転写後にRNAを増幅する工程を包含する。
本発明の別の実施形態は、RNAを作製する方法を含み、この方法は、以下:(a)N4ウイルスRNAポリメラーゼを得る工程;(b)一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを得る工程であって、ここでこのオリゴヌクレオチドは、N4ウイルスRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;(c)RNAポリメラーゼとこのオリゴヌクレオチドとを混合する工程;および(d)RNA合成を可能にするのに効果的な条件下で、このRNAポリメラーゼおよびこのオリゴヌクレオチドを培養する工程、を包含する。このポリメラーゼは、好ましくは、配列番号4、配列番号6または配列番号8に示されるアミノ配列を有する。この実施形態において、DNAが、20と200との間の塩基を有することが好ましい。
本発明のなお別の実施形態は、RNAを作製する方法を含み、この方法は、以下:(a)N4ウイルスRNAポリメラーゼを得る工程;(b)一本鎖DNAを得る工程であって、ここでこのDNAは、N4ウイルスRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;(c)リボヌクレオシド三リン酸(XTP)または誘導体化リボヌクレオシド三リン酸誘導体を得る工程;(d)RNAポリメラーゼ、このDNA、およびXTPを混合する工程;ならびに(e)RNA合成を可能にするのに効果的な条件下で、このRNAポリメラーゼおよびこのオリゴヌクレオチドを培養する工程であって、ここでこのRNAが、誘導体化RNAである工程、を包含する。このRNAポリメラーゼは、好ましくは、配列番号4もしくは配列番号6に示されるアミノ酸配列または配列番号4もしくは配列番号6のポリメラーゼの変異体(例えば、位置番号Y678に変異を有する変異体)または配列番号8のポリメラーゼを有する。
本発明の別の実施形態は、インビボまたはインビトロでのタンパク質合成のための方法を含み、この方法は、以下:(a)配列番号4、配列番号6に示されるアミノ酸配列またはそれらの変異体を有するRNAポリメラーゼを得る工程;(b)DNAを得る工程であって、ここでこのDNAは、N4ウイルスRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;(c)RNAポリメラーゼとこのDNAとを混合する工程;(d)RNA合成を可能にするのに効果的な条件下で、このRNAポリメラーゼおよびこのDNAを培養する工程;ならびに(e)タンパク質合成を可能にするのに効果的な条件下で、インビボまたはインビトロでこのRNAを培養する工程、を包含する。工程(e)は、1プラスミド系または2プラスミド系を使用する工程を包含し、ここで、レポーター遺伝子およびRNAポリメラーゼ遺伝子は、同じプラスミド上に位置する。
本発明のなお別の実施形態は、N4ミニvRNAPを作製する方法を含み、この方法は、以下:(a)vRNAPを発現させる工程であって、ここでvRNAPは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号15に示されるアミノ酸配列またはそれらの変異体を有する、工程;および(b)vRNAPを精製する工程、を包含する。vRNAPの発現は、細菌、酵母、CHO宿主細胞、Cos宿主細胞、HeLa宿主細胞、NIH3T3宿主細胞、Jurkat宿主細胞、293宿主細胞、Saos宿主細胞、またはPC12宿主細胞において生じ得る。pBADのようなプロモーターが、細菌細胞においてvRNAPを作製するために使用され得る。用いられる宿主細胞株に適する任意の他のプロモーターが、他の宿主細胞においてvRNAPを発現する場合に、使用され得る。このポリメラーゼは、ポリメラーゼの精製に使用され得る特異的な組換え配列を有し得る。このvRNAPは、ヘキサヒスチジン、FLAG、ヘマグルチニンもしくはc−mycタグのうち少なくとも1つを有し得るか、またはタグを有し得ない。
(例示的な実施形態の説明)
本発明は、一本鎖DNAを使用する安定なRNAポリメラーゼを提供することによって、当該分野における欠点を克服し、そして所望の配列のRNAを合成するための独特の系を提供する。RNAポリメラーゼおよびミニvRNAポリメラーゼは、DNAまたはRNAのRNaseプロテクション研究、インサイチュハイブリダイゼーション研究、ならびにサザンブロット分析およびノザンブロット分析におけるプローブとしての使用のため、所望のRNA:DNAハイブリッドの合成のため、RNAのNMR構造決定のため、スプライセオソームアセンブリ、スプライシング反応およびアンチセンス実験のインビトロ研究のため、インビトロ翻訳またはマイクロインジェクションのため、そして核酸増幅のためのRNA合成のために使用され得る。本発明は、誘導体化されたRNAの合成を可能にし、そして一本鎖pリゴヌクレオチドの形態でssDNAを使用して、DNAを変成させるか、またはDNAをM13テンプレートにクローン化し得る。
(I.RNAポリメラーゼ)
(a.DNA依存性RNAポリメラーゼの構造およびプロモーター認識)
ファージ、古細菌、真正細菌、真核生物およびウイルスのDNA依存性RNAポリメラーゼの検査は、2つの酵素ファミリーの存在を明らかにした。この真正細菌、真核生物、古細菌、葉緑体およびワクシニアウイルスのRNAポリメラーゼは、2つの大きなサブユニットから構成される複雑なマルチサブユニット酵素(5〜14サブユニット)であり、1つは、中程度の分子量(30〜50kDa)のいくつかのサブユニットであり、そしてそれ以外は、低分子量(<30kDa)のいくつかのサブユニットである(Archambaultら、1993;Recordら、1995)。真正細菌のRNAポリメラーゼは、α2ββ’コア構造を有する最も単純なものである。これらの酵素の異なるサブユニットをコードする遺伝子の配列比較は、以下を明らかにした:1)β’と他のRNAポリメラーゼの最大のサブユニットとの間の8個のセグメント(A〜H)における配列相同性;2)βと他のRNAポリメラーゼの次に大きいのサブユニットとの間の9個のセグメント(A〜I)におこえる配列相同性;3)αとRNAポリメラーゼI、IIおよびIIIにおけるサブユニットとの間の3個のセグメント(1.1、1.2および2)における配列相同性(Puhlerら、1989;Sweetserら、1987)。当然のように、酵母RNAP IIとE.coli RNAPコアの結晶構造は、顕著な類似性を明らかにした(Zhangら、1999;Cramerら、2001)。
対照的に、RNAポリメラーゼのファージT7様(T3、SP6)ファミリーのメンバーは、単一(約100kDa)のポリペプチドからなり、これは正確な転写のために要求される全ての機能を触媒する(Cheetham,ら、2000)。ヘテロダイマーのバクテリオファージN4 RNAP II、核コードミトコンドリアRNAポリメラーゼ、およびArabidopsis葉緑体RNAポリメラーゼは、ファージRNAポリメラーゼに配列類似性を示す(Cermakianら、1996;Hedtkeら、1997;Zehringら、1983)。これらの配列モチーフAおよびCは、触媒に要求される2つのアスパラギン酸を含み、そしてモチーフBは、DNAをテンプレートとして使用するポリメラーゼに中に保存される(Delarueら、1990)。T7 RNAPの結晶構造は、「パーム(palm)」、「フィンガー(finger)」および「サム(thumb)」サブドメインを有する「へこんだ右手(cupped right hand)」に類似する(Sousaら、1993)。2つの触媒性アスパルテームは、構造の「パーム」中に存在する。この構造は、E.coli DNAポリメラーゼIおよびHIV逆転写酵素のポリメラーゼドメインによって共有される(Sousa,1996)。遺伝的情報、生化学的情報および構造的情報は、T7 RNAポリメラーゼが、初期のRNA結合、プロモーター認識、dsDNA巻き戻し、およびRNA:DNAハイブリッド巻き戻しを供するさらなる構造を含むことを示す(Cheethamら、2000;Sousa,1996)。
クラスIおよびクラスII RNAポリメラーゼは、プロモーターと呼ばれる、B型二本鎖DNA上の特異的配列を認識する。ユーバクテリアプロモーター(σ54によって認識されるものを除く)は、以下の配列相同性の2つの領域によって特徴づけられる:−10および−35ヘキサマー(Grossら、1998)。プロモーター認識の特異性は、σサブユニットによってコア酵素に供され、これは、2つの異なるDNA結合ドメインを介して−10および−35配列とともに特異的相互作用する(Grossら、1998)。このモジュラープロモーター構造はまた、真核生物のRNAポリメラーゼI、IIおよびIIIについてのプロモーターで存在する。転写因子TFIIIAおよびTFIIICは、5S遺伝子プロモーターで2つの別個の配列(規定された間隔によって分けられたボックスAおよびC)に対するRNAP IIIを直接認識するが、一方で転写因子TFIIIBおよびTFIIICは、tRNAプロモーター可変距離(31〜74bp)によって分けられた、ブロックAおよびBに対するこの酵素を直接認識する(Pauleら、2000)。ヒトrRNAプロモーターでのRNAP I転写開始について重要な配列はまた、以下の2つの領域に制限される:−40〜+1に位置する「コア」領域、および−160〜−107に存在する「上流」領域(Pauleら、2000)。RNAP IIプロモーターでの開始錯体のアセンブリは、いくつかの一般的な転写因子(TFIIA、TFIIB、TFIID、TFIIE、TFIIF、およびTFIIH、)を必要とする。認識は、以下の3つのコアエレメントを含む:−30に位置し、TBPによって認識されるTATAボックス、−1付近に位置する開始エレメント、および+30付近の下流プロモーターエレメント(Roeder,1996)。
T7様RNAPaseおよびミトコンドリアのRNAPaseのためのプロモーターは、より単純である。T7型RNAPプロモーターは、転写(+1)の開始部位と比較して−17〜+6の位置から伸長した連続的な高度に保存された23bp領域に間隔を開ける(Rongら、1998)。酵母ミトコンドリアRNAPプロモーターは、なおより小さく、−8〜+1に伸びている(Shadelら、1993)。1つの例外は、N4 RNAP IIについてのプロモーターであり、これは、以下の保存配列の2つのブロックに制限される:+1でのa/tTTTAおよび+1の上流18〜26bpに存在するAAGACCTG(Abravayaら、1990)。
RNAポリメラーゼのマルチサブユニットクラスの活性は、弱いプロモーターでの活性因子によって増強される。転写活性因子は、一般に−35領域の二本鎖DNA上流の特異的部位(T4スライディングクランプ活性因子を除く)か、またはエンハンサーの場合において長距離で特異的部位に結合する(Sandersら、1997)。活性因子は、結合を増加することによる転写(閉鎖された錯体の形成)、またはRNAPのαもしくはσサブユニットでの相互作用を介する転写のアイソマー化工程(開放された錯体の形成)を調節する(Hochschildら、1998)。1つの例外は、バクテリオファージN4レイトプロモーターでのE.coli RNAPσ70の活性因子である、N4SSBであり、これは、DNA結合の非存在下でRNAPのβ’サブユニットとの直接的な相互作用を介した転写を活性化する(Millerら、1997)。
ssDNAに高い親和性だが、配列特異性はなしで結合するタンパク質は、いくつかの原核生物、真核生物、およびそのウイルスから精製および特徴づけされている(Chaseら、1986)。これらのタンパク質(SSB)は、複製、組換えおよび修復に必要とされ、ssDNAと化学量論的に、かつ(多くの場合)協働的に結合して、複製、修復および組換えの結果としてインビボで通常生じる一過性のDNAの一本鎖領域を覆う。DNAへの結合は、ssDNA上で見出されるヘアピン構造の除去を生じ、DNA代謝に関するタンパク質についての発展した高次構造を提供する。いくつかの系の証拠は、一本鎖DNA結合タンパク質が、細胞内プロセスにおいてより大胆な役割を果たすことを示唆する。遺伝的証拠および生化学的証拠は、これらのタンパク質が、転写活性化を含むタンパク質−タンパク質相互作用の多数に緩和ることを示す(Rothman−Denesら、1999)。
(b.バクテリオファージN4ビリオンRNAポリメラーゼ)
バクテリオファージN4ビリオンRNAポリメラーゼ(N4 vRNAP)は、N4ビリオン中に存在し、そして感染の初期でE.coli中に注入され、ここでこれはN4初期遺伝子の転写を生じる(Falcoら、1977;Falcoら、1979;Maloneら、1988)。N4 vRNAP遺伝子は、N4ゲノムのレイト領域にマッピングされる(Zivinら、1981)。ビリオンから精製されたN4 vRNAPは、約320,000kDの見かけの分子量を有する単一のポリペプチドから構成される(Falcoら、1980)。他のDNA依存性RNAPaseとは対照的に、N4 vRNAPは、一本鎖テンプレート上のプロモーターを認識する(Falcoら、1978)。これらのプロモーターは、保存配列、および5bpのステム構造、3塩基のループヘアピン構造によって特徴付けられる(図1)(Haynesら、1985;Glucksmannら、1992)。インビボでは、E.coliジャイレースおよび一本鎖結合タンパク質は、N4 vRNAPによる転写に要求される(Falcoら、1980;Markiewiczら、1992)。
N4 vRNAP遺伝子の配列決定は、3,500アミノ酸長のタンパク質をコードするORFを明らかにした(配列番号1〜2)。配列の検査は、マルチサブユニットにもRNAポリメラーゼのT7様ファミリーのいずれにも広範な相同性がないことを明らかにした。しかし、以下の3個のモチーフが存在する(図2A):DNA依存性ポリメラーゼにおいて見出されるT/DxxGRモチーフ、およびモチーフB(RX3X6−7YG)、Pol IおよびPol αDNAポリメラーゼおよびT7様RNAポリメラーゼに共通の3つのモチーフのうち1つ。
(c.N4 vRNAPを用いた転写)
RNA合成は、RNAポリメラーゼ、DNAテンプレート、活性化前駆体(リボヌクレオシド三リン酸ATP,GTP、UTPおよびCTP(XTP))、ならびに二価金属イオン(例えば、Mg2+またはMn2+)を必要とする。金属イオンMg2+が非常に好ましい。RNAの合成は、DNAのプロモーター部位で開始する。この部位は、RNAポリメラーゼが認識および結合する配列を含む。RNA合成は、終結部位に到達するまで進む。N4 vRNAP終結シグナルは、新しく合成されたRNAにおいて形成するヘアピンループを含み、これにウラシルの1文字が続く(ポリU)。N4ゲノム中に存在するvRNAPについての終結シグナルの配列としては、配列番号21〜26が挙げられる、これらのN4 vRNAP終結シグナルは、真正細菌の配列依存性ターミネーターの全ての特徴を保有する。
リボヌクレオシド三リン酸は、例えば、ビオチンで誘導体化され得る。誘導体化XTPは、誘導体化RNAの調製のために使用され得る。誘導体化XTPを作製するための例示的な方法は、本明細書中で参考として援用される、Rashtchianら(1992)に詳細に開示される。
可変長の一本鎖DNAは、N4 vRNAPまたはミニ−vRNAPを用いたRNA合成のためのテンプレートとして使用され得る。中程度の長さのオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが、使用され得る。使用され得る1つの特定の一本鎖DNAは、M13 DNAである。M13ゲノムDNAは、二本鎖DNAとして感染E.coli内部に一時的に存在し、そして小さい、一本鎖の環状DNAとしてファージ粒子中にパッケージングされる。M13ファージ粒子は、感染細胞によって分泌され、そして一本鎖DNAは、転写テンプレートとしての使用のためにこれらの粒子から精製され得る。始めにM13ファージベクターは、ファージ生物学の作用知識を必要とし、そしてDNA配列のために一本鎖DNA分子を作製するためにまず使用された。「ファージミド」と呼ばれるM13由来のクローニングベクターは、M13複製を利用して、一本鎖分子を作製するが、従来のColE1−ベースの複製二本鎖プラスミドとして増殖され得る。
EcoSSBは、インビボでのN4 vRNAP転写に必須である(Falcoら、1978;Glucksmannら、1992、本明細書中で参考として援用される)。EcoSSBは、一本鎖DNAテンプレートおよびスーパーコイル状二本鎖DNAテンプレート上のN4 vRNAPの特異的な活性因子である。他のSSBとは異なり、EcoSSBは、N4 vRNAPプロモーターヘアピン構造をとかない(Glucksmann−Kuisら、1996)。EcoSSBは、N4 vRNAPについて高い特異性、およびテンプレート鎖ヘアピンを安定化するためのEcoSSB脳から生じるミニ−vRNAPを有し、一方で非テンプレート鎖ヘアピンは、不安定化される。他の一本鎖DNA結合タンパク質は、テンプレート鎖ヘアピンを不安定にする(Glucksmann−Kuisら、1996;Daiら、1998)。EcoSSBが、インビトロでのN4 vRNAP転写において使用されない場合、DNA:RNAハイブリッドが形成され、テンプレートの再利用を妨げる。
(II.遺伝子およびDNAセグメント)
本発明の重要な局面は、単離されたDNAセグメント、およびN4 vRNAP(より詳細には、ミニ−vRNAPもしくはミニ−vRNAPの変異体)をコードする組換えベクター、ならびに野生型、多型もしくは変異体vRNAPを発現するDNA技術の適用を介した組換え宿主細胞の作製および使用に関する。本発明の他の局面は、単離された核酸セグメントおよびvRNAPをコードする組換えベクターに関する。配列番号1、3、4、7、14および生物学的なその機能的等価物の配列が、近年の発明において使用される。一本鎖DNAオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが、DNAテンプレートとして使用され得る。
本発明は、RNAポリメラーゼ活性を有するタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを発現し得る、単離された核酸セグメントに関する。本明細書中で使用される場合、用語「核酸セグメント」は、特定の種の遊離の全体のゲノムDNAから単離された核酸分子をいう。故に、vRNAPをコードしている核酸セグメントは、野生型、多型または変異体vRNAPコード配列を含む核酸セグメントをいい、なお細菌またはN4ファージゲノムDNA全体から単離されるか、あるいは分離して精製される。確かに、用語「核酸セグメント」は、核酸セグメントおよびこのようなセグメントのより小さいフラグメント、または組換えベクターをいい、ベクターとしては、例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルスなどが挙げられる。
同様に、単離または精製されたvRNAP遺伝子を含む核酸セグメントは、以下を含む核酸セグメントをいう:vRNAPタンパク質、ポリペプチドコード配列もしくはペプチドコード配列、および特定の局面において、調節配列、他の天然に存在する遺伝子またはタンパク質コード配列から実質的に単離された配列。この観点において、用語「遺伝子」は、機能的タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドのコード単位を単にいうために使用される。当業者によって理解されるように、この機能的用語は、ゲノム配列、cDNA配列、ならびにタンパク質、ポリペプチド、ドメイン、ペプチド、vRNAPおよびvRNAPコード配列の変異体を発現するか、または発現するように適応され得る操作されたセグメントの両方を含む。
「他のコード配列から実質的に単離された」は、目的の遺伝子(この場合vRNAP、より詳細にはミニ−vRNAP遺伝子)が、核酸セグメントのコード領域の重要な部分を形成し、そしてこの核酸セグメントが、天然に存在するコードDNAの大部分(例えば、大きな染色体フラグメント、または他の機能的遺伝子もしくはcDNAコード領域)を含まないことを意味する。当然、これは、元々単離されたDNAセグメントをいい、そしてヒトの手によってセグメントに後から添加された遺伝子またはコード領域は含まない。
用語「基本的に配列番号2に記載される配列」は、例えば、配列番号2の一部に実際に対応し、そして配列番号2のアミノ酸に同一でないか、またはその生物学的に機能的な等価物である、比較的いくつかのアミノ酸を有する配列を意味する。これは、本明細書中の全てのペプチドおよびタンパク質配列(例えば、配列番号4、6、8および15の配列)に関して適用する。
用語「生物学的に機能的な等価物」は、当該分野において十分に理解されており、そして本明細書中でさらに詳細に規定される。従って、約30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または約99%、およびこの中の任意の範囲の誘導体(例えば、配列番号2のアミノ酸に同一または機能的に等価である約70%〜約80%、より好ましくは約81%〜約90%、なおより好ましくは約91%〜約99%の間)を有する配列は、「基本的に配列番号2に記載される」配列であり、但し、このタンパク質の生物学的活性は、維持される。特定の実施形態において、vRNAPタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチド、または生物学的に機能的な等価物の生物学的活性は、転写物を含む。vRNAPタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチド、または生物学的に機能的な等価物によって保有され得る好ましい転写活性は、テンプレートとして一本鎖N4 vRNAPプロモーター含有DNAを用いたRNA合成である。
他の特定の実施形態において、本発明は、単離された核酸セグメントおよび組換えベクターに関し、これらは、その配列中に基本的に配列番号1に記載される核酸配列を含む。用語「基本的に配列番号1に記載される」は、上記と同じ間隔で使用され、そして配列番号1の一部に実際対応し、そして配列番号1のコドンに同一でないか、または機能的に等価でないいくつかのコドンを有する配列を意味する。再度、RNAP活性を示すタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする核酸セグメントが、最も好ましい。
用語「機能的に等価なコドン」は、同じアミノ酸をコードするコドン(例えば、アルギニンおよびセリンについての6個のコドン)をいうため、そしてまたは生物学的に等価なアミノ酸をコードするコドンをいうために本明細書中で使用される。ヒト細胞におけるvRNAPの発現の最適化について、コドンは、左から右への好ましい使用で表1に示される。従って、アルギニンについての最も好ましいコドンは「GCC」であり、そして最も好ましくないものは「GCG」である(以下の表1を参照のこと)。種々の生物および小器官についてのコドン使用表は、本明細書中で参考として援用されるウェブサイトhttp://www.kazusa.or.jp/codon/で見出され得、当業者が、本明細書中で開示を用いた種々の生物における発現についてのコドン使用を最適化するのを可能にする。従って、コドン使用表が、当業者に公知の好ましいコドン使用表に基づいて、他の動物、および他の生物(例えば、原核生物(例えば、真正細菌)、古細菌、真核生物(例えば、原生生物、植物、真菌、動物)、ウイルスなど)、および核酸を含む小器官(例えば、ミトコンドリアまたは葉緑体)について最適化され得ることが企図される。
Figure 0004338402
アミノ酸配列および核酸配列が、さらなる残基(たとえば、さらなるN末端もしくはC末端アミノ酸、または5’もしくは3’配列)を含み得、そして、配列が、生物学的タンパク質活性、ポリペプチドもしくはペプチド活性の維持を含む、上記の基準に適合する限り、なお本明細書中に開示される配列の1つに基本的に記載されることがまた、理解される。末端配列の添加は、特に、例えば、コード領域の5’部分または3’部分のいずれかに隣接する種々の非コード配列を含み得るか、あるいは種々の内部配列(すなわち、遺伝子内に存在することが公知であるイントロン)を含み得る核酸配列に適用する。
イントロン領域または隣接領域を除き、遺伝子コードの縮重が可能であり、約30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または約99%を有する配列、および本明細書中の任意の範囲の誘導体(例えば、約50%〜約80%、より好ましくは約81%〜約90%、なおより好ましくは、約91%〜約99%のアミノ酸)は、「基本的に配列番号1に記載される」配列である。
(a.核酸ハイブリダイゼーション)
本明細書中に開示される核酸配列は、種々の使用を有する。vRNAP核酸配列由来の連続配列は、例えばvRNAPを合成するためのテンプレートとして使用され得る。
通常、本発明はまた、配列番号1、3、5、7および14に記載される配列に相補的、または基本的に相補的であるDNAセグメントを包含する。「相補的」である核酸配列は、標準的なワトソン−クリックの相補性の規則に従って塩基対形成され得る配列である。本明細書中で使用される場合、用語「相補配列」は、上記と比較して同じヌクレオチドによって評価され得るか、または本明細書中に記載されるようなストリンジェントな条件下で配列番号1の核酸セグメントにハイブリダイズし得るように規定され得る相補的な核酸配列を意味する。
本明細書中で使用される場合、「DNA/RNAハイブリッド」は、RNAの一本鎖が、DNAの一本鎖にハイブリダイズすることを意味すると理解される。
本明細書中に記載される場合、用語「適切な反応条件」は、温度、pH、緩衝液、ならびに反応速度および収率を最適化するために調整される他のパラメーターを意味する。
本明細書中で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリッド」、または「ハイブリダイズし得る」は、二本鎖もしくは三重鎖分子、または部分的な二本鎖の性質または三重鎖の性質を有する分子の形成を意味することが理解される。用語「ハイブリダイゼーション」、「ハイブルダイズ」または「ハイブリダイズし得る」は、用語「ストリンジェントな要件」または「高度のストリンジェンシー」、および用語「低度のストリンジェンシー」または「低度のストリンジェンシー条件」を包含する。
本明細書中で使用される場合、「ストリンジェントな条件」または「高度のストリンジェンシー」は、相補配列を含む1つ以上の核酸分子間または内のハイブリダイゼーションを可能にするが、ランダム配列のハイブリダイゼーションを防止する条件である。核酸および標的鎖間になんらかのミスマッチがある場合、ストリンジェントな条件は、ほとんど許容しない。このような条件は、当業者に周知であり、そして高い選択性を必要とする適用について好ましい。非制限的な適用としては、核酸(例えば、遺伝子もしくはその核酸セグメント)の単離すること、または少なくとも1つの特異的なmRNA転写物もしくはその核酸セグメントなどを検出することが挙げられる。
ストリンジェントな条件は、低塩および/または高温条件(例えば、約50℃〜約70℃の温度での約0.02M〜約0.15MのNaClによって提供されるような条件)を含み得る。所望されるストリンジェンシーの温度およびイオン強度が、特定の核酸の長さ、標的配列の長さおよび核酸塩基含量、核酸の荷電組成物、およびハイブリダイゼーション混合物中のホルムアミド、テトラメチルアンモニウムクロリドまたは他の溶媒の存在もしくは濃度によって、一部決定されることが理解される。
これらの範囲、組成物、およびハイブリダイゼーションのための条件は、非制限的な例のみの方法によって示され、そして特定のハイブリダイゼーション反応のための所望のストリンジェンシーは、しばしば1つ以上のポジティブコントロールまたはネガティブコントロールとの比較によって、実験的に決定されることが理解される。想像された適用に依存して、標的配列に対する核酸の選択性の程度の変化を達成するためにハイブリダイゼーションの可変条件を用いることが好ましい。非制限的な例において、ストリンジェントな条件下で核酸にハイブリダイズしない関連の標的核酸の同定または単離は、低温および/または高いイオン強度でのハイブリダイゼーションによって達成され得る。例えば、中程度にストリンジェントな条件は、約37℃〜約55℃の温度で約0.1〜0.25MのNaClによって提供され得る。これらの条件下で、ハイブリダイゼーションは、プローブの配列を介して生じ、そして標的配列は完全に相補的ではなく、1つ以上の部位でミスマッチがある。別の実施形態において、低度のストリンジェント条件は、約20℃〜約55℃の温度範囲で約0.15M〜約0.9Mの塩によって提供される。当然、特定の適用に併せるために低度または高度のストリンジェンシー条件をさらに調節することは、当業者の範囲内である。例えば、他の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、約20℃〜約37℃の温度で、50mM Tris−HCl(pH8.3)、75mM KCl、3mM MgCl、1.0mM ジチオトレイトールの条件下で達成され得る。利用される他のハイブリダイゼーション条件は、約40℃〜約72℃の温度範囲で、約10mMのTris−HCl(pH8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgClを含み得る。
従って、この開示のヌクレオチド配列は、組織からのDNAまたはRNAの増幅のためにプライマーを提供する、遺伝子またはRNAの相補的ストレッチを有する二本鎖分子を選択的に形成するその能力のために使用され得る。想定される適用に依存して、標的配列に対するプローブの選択性の程度の変化を達成するために、ハイブリダイゼーションの可変条件を用いることが好ましい。
本発明の核酸セグメントコード配列自体の長さに拘らず、この核酸セグメントは、その全体の長さがかなり変化し得るようにプロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、さらなる制限酵素部位、複数クローニング部位、他のコードセグメントなどの他のDNA配列と組み合わせられ得る。従って、好ましくは、意図される組換えDNAプロトコルにおける調製および使用の容易さによって限定される総長を有するほとんど任意の長さの核酸フラグメントが、使用され得ることが意図され得る。
例えば、配列番号1、3、5、7または14と同一であるかまたは相補的であるヌクレオチドの連続的な伸長を含む、核酸フラグメントが調製され得る。DNA転写テンプレートとしての使用のための核酸フラグメントもまた調製され得る。これらのフラグメントは、例えば、約8ヌクレオチド、約10ヌクレオチド〜約14ヌクレオチド、または約15ヌクレオチド〜約20ヌクレオチドのような短い長さまたは中間の長さであり得、そして約35,000塩基対長、約30,000塩基対長、約25,000塩基対長、約20,000塩基対長、約15,000塩基対長、約10,000塩基対長、または約5,000塩基対長までの染色体サイズの断片であり、ならびに約1,000塩基対長、約500塩基対長、約200塩基対長、約100塩基対長および約50塩基対長を有するDNAセグメント(上記に列挙されるこれらの長さの中間の長さ全て、すなわちそのなかで推論される任意の範囲およびそのような範囲の中で推論される任意の整数を含む)もまた、有用であると考えられる。
例えば、これらの脈絡において、「中間の長さ」とは、例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、130、140、150、160、170、180、190のような提示される範囲の間の任意の長さを意味し、200〜500;500〜1,000;1,000〜2,000;2,000〜3,000;3,000〜5,000;5,000〜10,000の範囲の中の全ての整数を含み、約12,001、約12,002、約13,001、約13,002、約15,000、約20,000などまでの配列を含むことは、容易に理解される。
種々の核酸セグメントは、特定の核酸配列に基づいて設計され得、そして任意の長さであり得る。配列に対する数値(例えば、第1残基は1、第2残基は2など)を割り当てることによって、全ての核酸セグメントを定義するアルゴリズムが作製され得る:
n〜n+y
ここでnは、1から配列の最後の数までの整数であり、そしてyは、核酸セグメントから1を引いた長さであり、ここで、n+yは、配列の最後の数を超えない。従って、10マーの場合、その核酸セグメントは、塩基1〜10、2〜11、3〜12...などに対応する。15マーの場合、その核酸セグメントは、塩基1〜15、2〜16、3〜17...などに対応する。20マーの場合、その核酸セグメントは、塩基1〜20、2〜21、3〜22...などに対応する。特定の実施形態において、核酸セグメントは、プローブまたはプライマーであり得る。本明細書中で使用される場合、「プローブ」とは、一般的に、検出方法または組成物において使用される核酸をいう。本明細書中で使用される場合、「プライマー」は、一般的には伸長法もしくは増幅法または組成物において使用される核酸のことをいう。
17〜100ヌクレオチド長の間のハイブリダイゼーションプローブの使用、または本発明のいくつかの局面においては、1〜2Kbまたはそれ以上の長さまでが安定かつ選択的な二重鎖分子の形成を可能にする。ハイブリッドの安定性および選択性を増加するために、20塩基長よりも長い伸長にわたる相補配列を有する分子が一般的に好ましく、それによって特定のハイブリッド分子の質および程度の改善が得られる。所望される場合、20〜30ヌクレオチドまたはより長い伸長にわたる相補配列を有する核酸分子を設計することが一般的に好ましい。このようなフラグメントは、例えば、化学手段によるフラグメントの直接的な合成または組換え産生のための組換えベクターへの選択された配列の導入によって容易に調製され得る。
一般的には、本明細書中で記載されるハイブリダイゼーションプローブは、溶液ハイブリダイゼーションにおいて、PCRTMの場合と同様に、対応する遺伝子の発現の検出のための試薬として、および固相を使用する実施形態においての両方で、有用である。固相を含む実施形態において、試験DNA(またはRNA)は吸着されるかそうでなければ選択されたマトリクスまたは表面に固定される。次いで、この固定された単鎖核酸は、所望の条件下で選択されたプローブと共にハイブリダイゼーションにかけられる。選択された条件は、必要とされる特定の基準(例えば、G+C含有量、標的核酸の型、核酸の供給源、ハイブリダイゼーションプローブのサイズなどに依存する)に基づく特定の環境に依存する。非特異的に結合されたプローブ分子を除去するためにハイブリダイズされた表面を洗浄した後、ハイブリダイゼーションは、標識によって検出されるかまたは定量化される。
(b.核酸増幅)
増幅のためのテンプレートとして使用される核酸は、標準的な方法論に従って、生物学的サンプル中に含まれる細胞から単離される(Sambrookら,1989)。この核酸は、ゲノムDNAまたは分画された細胞RNAもしくは全細胞RNAであり得る。RNAが使用される場合、RNAが相補DNAへ転換されることが所望され得る。1つの実施形態において、RNAは全細胞RNAであり、そして増幅のためのテンプレートとして直接的に使用される。
核酸に選択的にハイブリダイズするプライマー対は、選択的なハイブリダイゼーションを可能にする条件下で単離された核酸と接触される。本明細書中で定義される場合、用語「プライマー」は、テンプレート依存性プロセスにおける初期の核酸の合成をプライミングし得る任意の核酸を包含することを意味する。典型的には、プライマーは10〜20または30塩基対長のオリゴヌクレオチドであるが、より長い配列が使用され得る。プライマーは、二重鎖形態または単鎖形態で提供され得るが、単鎖形態が好ましい。
一旦ハイブリダイズされると、核酸:プライマー複合体は、テンプレート依存性核酸合成を促進する1つ以上の酵素と接触される。複数回の増幅はまた、「サイクル」と呼ばれ、十分な量の増幅産物が産生されるまで行なわれる。
次に、増幅産物が検出される。特定の用途において、検出は視覚的手段によって実行され得る。あるいは、検出は、化学発光、取りこまれた放射標識もしくは蛍光標識の放射活性シンチグラフィー、または電気もしくは熱のパルスシグナルを使用するシステム(Affymax technology)を介する産物の間接的な同定を含み得る。
多くのテンプレート依存性プロセスが、所定のテンプレートサンプル中に存在するマーカー配列を増幅するために利用可能である。最も良く知られた増幅法の1つは、ポリメラーゼ連鎖反応(RCRTMと呼ばれる)であり、この方法は、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第4,800,159号(これらの各々は、素の全体が本明細書中で援用される)に詳細に記載される。
簡単にいうと、RCRTMでは、マーカー配列の対向する相補鎖上の領域に対して相補的である2つのプライマー配列が調製される。過剰なデオキシヌクレオシド三リン酸が、DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)と共に反応混合物に添加される。マーカー配列がサンプル中に存在する場合、プライマーがこのマーカーに結合し、そしてポリメラーゼは、ヌクレオチド上への付加によって、このプライマーをマーカー配列に沿って伸長させる。反応混合物の温度の上昇および低下によって、その伸長されたプライマーは、マーカーから解離され、反応産物を形成し、過剰なプライマーは、マーカーおよび反応産物に結合し、そしてそのプロセスが繰り返される。
逆転写酵素RCRTM増幅手段は、増幅されたmRNAの量を定量するために実行され得る。RNAをcDNAに逆転写する方法は周知であり、Sambrookら、1989に記載される。逆転写のための代替の方法は、熱安定性であるRNA依存性DNAポリメラーゼを利用する。これらの方法は、WO90/07641(1990年12月21日出願)(本明細書中で参考として援用される)に記載される。ポリメラーゼ連鎖反応の方法論は、当該分野で周知である。
増幅のための別の方法は、リガーゼ連鎖反応(「LCR」)であり、EPA320308(その全体が本明細書中に参考として援用される)に開示される。LCRにおいて、2つの相補プローブ対が調製され、標的配列の存在下で、各対は、これらが隣接するように、標的の向かい合う相補鎖に結合する。リガーゼの存在下で、この2つのプローブ対は連結し、単一のユニットを形成する。RCRTMのような温度サイクルによって、結合された結合単位は、標的から解離され、次いで、過剰なプローブ対の結合のために「標的配列」として働く。米国特許第4,883,750号は、プローブ対が標的配列に結合するためのLCRと類似の方法を記載する。
Qβレプリカ−ゼは、PCT出願番号 PCT/US87/00880(本明細書中に参考として援用される)に記載され、本発明におけるなお別の増幅法としてまた、使用され得る。この方法において、標的配列の領域に相補的な領域を有するRNAの複製的配列は、RNAポリメラーゼの存在下でサンプルに加えられる。このポリメラーゼは、複製的配列をコピーし、次いで検出され得る。
制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼを使用して、制限部位の1つの鎖にヌクレオチド 5’−[α−チオ]−三リン酸を含む標的分子の増幅を達成する等温増幅法はまた、本発明における核酸の増幅において有用であり得る。
鎖置換増幅(Strand Displacement Amplification)(SDA)は、核酸の等温増幅を実行する別の方法であり、これは複数回の鎖置換および合成(すなわち、ニックトランスレーション)を含む。修復鎖反応(Repair Chain Reaction)(RCR)と呼ばれる類似の方法は、増幅のために標的された領域全体に渡るいくつかのプローブのアニーリング、続く修復反応を含み、ここで4つの塩基のうちの2つのみが存在する。他の2つの塩基は、検出を容易にするためにビオチン化された誘導体として添加され得る。類似のアプローチがSDAにおいて使用される。標的特異的配列もまた、循環プローブ反応(cyclic probe reaction)(CPR)を使用して検出され得る。CPRにおいて、非特異的DNAの3’側配列および5’側配列ならびに特異的RNAの中間配列を有するプローブが、サンプル中に存在するDNAに対してハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションの際に、反応物はRNase Hで処理され、そしてプローブの産物は、消化後に放出される特有の産物として同定される。
英国特許出願番号2202328、およびPCT出願番号 PCT/US89/01025(これらの各々は、その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されるなお別の増幅法は、本発明に従って使用され得る。前者の出願において、「改変された」プライマーは、PCR様合成、テンプレート合成および酵素依存性合成において使用される。このプライマーは、捕捉部分(例えば、ビオチン)および/または検出部分(例えば、酵素)による標識によって改変され得る。後者の出願において、過剰な標識されたプローブが、サンプルに加えられる。標的配列の存在下で、そのプローブは、結合しそして酵素的に切断される。切断後、その標的配列は完全に放出され過剰なプローブによって結合される。標識されたプローブの切断は、標的配列の存在を示す。
他の核酸増幅手順としては、転写ベースの増幅システム(transcription−based amplification system)(TAS)(核酸配列ベースの増幅(nucleic acid sequence based amplification)(NASBA)および3SR(Gingerasら、PCT出願番号WO88/10315(本明細書中で参考として援用される))を含む)が挙げられる。NASBAにおいて、核酸は、標準的なフェノール/クロロホルム抽出、臨床サンプルの熱変性、DNAおよびRNAの単離のための溶解緩衝液およびミニスピンカラムでの処理またはRNAの塩化グアニジニウム抽出によって増幅のために調製され得る。これらの増幅技術は、標的特異的配列を有するプライマーのアニーリングを含む。重合化後、DNA/RNAハイブリッドは、RNase Hで消化されるが、二本鎖DNA分子は、再び熱変性される。いずれの場合においても、単鎖DNAは、第二の標的特異的プライマーの付加、続く重合によって完全に二本鎖にされる。次いで、この二本鎖DNA分子は、T7またはSP6のようなRNAポリメラーゼによって複合的に転写される。等温循環反応において、RNAは、単鎖DNAに逆転写され、次いで二本鎖DNAに転換され、次いでT7またはSP6のようなRNAポリメラーゼによって再び転写される。得られた産物は、短縮されていても完全であっても標的特異的配列を示す。
Daveyら,EPA第329 822号(その全体が、本明細書中に参考として援用される)は、1本鎖RNA(「ssRNA」)、ssDNA、および2本鎖DNA(dsDNA)をサイクルによって合成することを含む核酸増幅プロセスを開示し、これらは、本発明に従って用いられ得る。ssRNAは、第一プライマーオリゴヌクレオチドについてのテンプレートであり、このオリゴヌクレオチドは、逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)によって伸長される。次いで、RNAは、リボヌクレアーゼH(RNase H(DNAまたはRNAのいずれかとの二重鎖中のRNAに特異的なRNase))の作用によって、得られるDNA:RNA二重鎖から除去される。得られるssDNAは、第二プライマーについてのテンプレートであり、これはまた、テンプレートへのその相同性に対して5’側のRNAポリメラーゼプロモーター(T7 RNAポリメラーゼによって例示される)の配列を含む。次いで、このプライマーは、DNAポリメラーゼ(E.coli DNAポリメラーゼIの大きな「Klenow」フラグメントによって例示される)によって伸長されて、プライマーの間に元のRNAの配列に同一な配列を有し、かつプロモーター配列を一方の末端にさらに有する、2本鎖DNA(「dsDNA」)分子が得られる。このプロモーター配列は、適切なRNAポリメラーゼによって用いられて、そのDNAの多くのRNAコピーを作製し得る。次いで、これらのコピーは、サイクルに再度入って、非常に速い増幅をもたらし得る。酵素を適切に選択すると、この増幅は、各サイクルで酵素を添加せずに、等温で行われ得る。このプロセスのサイクルする性質から、出発配列は、DNAまたはRNAのいずれかの形態であるように選択され得る。
Millerら,PCT出願WO 89/06700(その全体が、本明細書中に参考として援用される)は、標的1本鎖DNA(「ssDNA」)に対するプロモーター/プライマー配列のハイブリダイゼーション、続いてこの配列の多くのRNAコピーの転写に基づく核酸配列増幅スキームを開示する。このスキームは、サイクルではない。すなわち、新たなテンプレートは、得られるRNA転写産物から生成されない。他の増幅方法としては、「RACE」および「片側PCR」(Frohman,1990、本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。
得られる「ジ−オリゴヌクレオチド」の配列を有する核酸の存在下での、それによってジ−オリゴヌクレオチドが増幅される2つ(以上)のオリゴヌクレオチドの連結に基づく方法はまた、本発明の増幅工程において用いられ得る。
(c.核酸検出)
特定の実施形態では、本発明の核酸配列(例えば、配列番号1、3、5、7、14またはこれらの変異体の全てまたは一部)を、ハイブリダイゼーションアッセイ、RNaseプロテクション、およびノーザンハイブリダイゼーションについての適切な手段(例えば、標識)と組み合わせて用いることは有利である。広範な種々の適切なインジケーター手段は、当該分野で公知であり、これらとしては、蛍光リガンド、放射性リガンド、酵素リガンドまたは検出され得る他のリガンド(例えば、アビジン/ビオチン)が挙げられる。好ましい実施形態では、放射性試薬または他の環境的に望ましくない試薬の代わりに蛍光標識または酵素タグ(例えば、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼ)を用いることを所望し得る。酵素タグの場合、相補的核酸含有サンプルとの特異的ハイブリダイゼーションを同定する、ヒトの眼または分光光度計的に可視の検出手段を提供するために用いられ得る比色インジケーター基質が公知である。
核酸が増幅される実施形態では、特異的増幅が起きたか否かを決定する目的で、増幅産物をテンプレートおよび過剰のプライマーから分離することが所望され得る。1つの実施形態では、この増幅産物は、標準的方法(Sambrookら,1989)を用いて、アガロースゲル電気泳動、アガロース−アクリルアミドゲル電気泳動またはポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離される。
あるいは、クロマトグラフィー技術を用いて、分離がもたらされ得る。本発明において使用され得る多くの種類のクロマトグラフィーが存在する:吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーおよび分子ふるいクロマトグラフィー、およびこれらを用いるための多くの特殊技術(カラムクロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーを含む)。
増幅産物は、マーカー配列の増幅を確認するために可視化されなければならない。1つの代表的可視化方法は、臭化エチジウムでのゲルの染色およびUV光下での可視化を含む。あるいは、増幅産物が放射標識ヌクレオチドまたは蛍光測定標識ヌクレオチドで完全に標識される場合、増幅産物は、分離後、X線フィルムに曝露され得るか、または適切な刺激スペクトル下で可視化され得る。
1つの実施形態では、可視化は、間接的に達成される。増幅産物の分離後、標識核酸プローブを、増幅されたマーカー配列と接触させる。プローブは好ましくは、発色団へと結合体化されるが、放射性標識され得る。別の実施形態では、プローブは、結合パートナー(例えば、抗体またはビオチン)に結合体化され、そして結合対の他方のメンバーが、検出可能な部分を保有する。
1つの実施形態では、検出は、サザンブロッティングおよび標識プローブとのハイブリダイゼーションによる。サザンブロッティングに関与する技術は、当業者に周知であり、そして分子プロトコルについての多くの標準的書籍に見出され得る(Sambrookら,1989を参照のこと)。手短に述べると、増幅産物は、ゲル電気泳動によって分離される。次いで、ゲルを、膜(例えば、ニトロセルロース)と接触させ、核酸のトランスファーおよび非共有結合を可能にする。続いて、膜を、標的増幅産物とハイブリダイズし得る発色団結合体化プローブとともにインキュベートする。検出は、X線フィルムまたはイオン放射検出デバイスへのこの膜の曝露による。
上記の1つの例は、本明細書中に参考として援用される米国特許第5,279,721号に記載される。米国特許第5,279,721号は、核酸の自動化電気泳動およびトランスファーのための装置および方法を開示する。この装置は、ゲルの外部操作なしでの電気泳動およびブロッティングを可能にし、そして本発明による方法を実施するに理想的に適している。
ゲノムDNAサンプル、cDNAサンプルまたはRNAサンプルにおける変異を正確に検出するための遺伝的スクリーニングのための他の方法は、特定の状況に依存して用いられ得る。
歴史的に、変性勾配ゲル電気泳動(「DGGE」)、制限酵素多型分析、化学的および酵素的切断方法などを含む多数の異なる方法を用いて、点変異を検出している。現在使用されている、より一般的手順としては、PCRTMによって増幅された標的領域の直接配列決定(上記を参照のこと)および1本鎖コンホメーション多型分析(「SSCP」)が挙げられる。
点変異をスクリーニングする別の方法は、RNA/DNAヘテロ二重鎖およびRNA/RNAヘテロ二重鎖における塩基対の不一致のRNase切断に基づく。本明細書中で使用される場合、用語「不一致」は、2本鎖RNA/RNA分子、2本鎖RNA/DNA分子または2本鎖DNA/DNA分子における、1以上の不対合ヌクレオチドまたは誤対合ヌクレオチドの領域として定義される。従って、この定義は、挿入変異/欠失変異、ならびに1塩基点変異および複数塩基点変異に起因する不一致を包含する。
米国特許第4,946,773号は、1本鎖DNA試験サンプルまたは1本鎖RNA試験サンプルをRNAプローブに対してアニーリングすること、およびRNase Aでの核酸二重鎖のその後の処理を含む、RNase A不一致切断アッセイを記載する。RNase切断反応後、RNaseは、タンパク質分解消化および有機抽出によって不活化され、そして切断産物が加熱によって変性され、そして変性ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動によって分析される。不一致の検出のために、大きさによって電気泳動により分離された、RNase A処理の1本鎖産物は、同様に処理されたコントロール二重鎖に対して比較される。コントロール二重鎖中に見られない、より小さなフラグメント(切断産物)を含むサンプルは、ポジティブとしてスコア付けされる。
現在入手可能なRNase不一致切断アッセイ(米国特許第4,946,773号に従って実施されるアッセイを含む)は、放射性標識RNAプローブの使用を必要とする。MyersおよびManiatisは、米国特許第4,946,773号において、RNase Aを用いた塩基対不一致の検出を記載する。他の研究者は、不一致アッセイにおけるE.coli酵素RNase Iの使用を記載した。これは、RNase Aよりも広い切断特異性を有するので、RNase Iは、成分が非特異的切断の程度を低下させ、そして不一致の切断頻度を向上させることが見出され得る場合、塩基対不一致の検出において用いるに望ましい酵素である。不一致検出のためのRNase Iの使用は、Promega Biotechからの文書に記載される。Promegaは、酵素レベルが充分に高ければ、4つの既知の不一致のうちの3つを切断することがその文書に示されているRNase Iを含むキットを販売する。
RNaseプロテクションアッセイは、溶液中の特異的mRNA標的の末端を検出してマッピングするために最初に使用された。このアッセイは、目的のmRNAに相補的な高特異的な活性放射性標識RNAプローブをインビトロ転写によって容易に作製し得ることに依存する。もともと、インビトロ転写のためのテンプレートは、バクテリオファージプロモーターを含む組換えプラスミドであった。プローブは、総細胞RNAサンプルと混合されて、それらの相補的標的に対するハイブリダイゼーションが可能にされ、次いで、混合物はRNaseで処理されて、ハイブリダイズしていない過剰なプローブが分解される。また、もともと意図されたように、用いられるRNaseは、1本鎖RNAに特異的であり、その結果、ハイブリダイズした2本鎖プローブは、分解から保護される。インキュベーションおよびRNaseの除去後、保護されたプローブ(これは、存在した標的mRNAの量に量が比例する)は回収され、そしてポリアクリルアミドゲルで分析される。
RNaseプロテクションアッセイを、1塩基変異の検出に適応させた。この型のRNase A不一致切断アッセイでは、野生型配列からインビトロで転写された放射性標識RNAプローブは、試験サンプルに由来する相補的標的領域にハイブリダイズする。試験標的は一般に、DNA(ゲノムDNA、またはプラスミド中へのクローニングもしくはPCRTMによって増幅したDNAのいずれか)を含むが、RNA標的(内因性mRNA)が、時折用いられる。1(以上の)ヌクレオチド配列の差がハイブリダイズしたプローブと標的との間に生じる場合、その位置でWatson−Crick水素結合における得られる破壊(「不一致」)は、いくつかの場合、一本鎖特異的リボヌクレアーゼによって認識され得、そして切断され得る。今日まで、RNase Aは、1塩基不一致の切断のためにほぼ排他的に用いられているが、RNase Iは近年、不一致の切断にも有用であると示されている。MutSタンパク質および他のDNA修復酵素を1塩基不一致の検出のために用いることについて近年記載がある。
反応産物のヌクレアーゼS1分析を用いて、RNAを測定し得る。S1分析についての例示的な手順は、S1ハイブリダイゼーション緩衝液(80%ホルムアミド、0.4M NaCl、1mM EDTA、40mM Pipes(pH6.4))中での、目的のRNA(0.005〜0.1mg)および特異的RNAのうちの20〜80以上の連続したヌクレオチドに相補的な標識オリゴヌクレオチドを含む過剰のS1プローブとのハイブリダイゼーション反応を含む。94℃で4分間の変性、30℃での一晩のハイブリダイゼーションおよびエタノールを用いた沈澱後、S1プローブ/RNA混合物は、S1緩衝液(0.26M NaCl、0.05M酢酸ナトリウム(pH4.6)および4.5mM硫酸亜鉛)中に再懸濁される。サンプルは、2つの容量に分けられ、そして100単位のS1ヌクレアーゼ(Sigma Chemical Company)が1つのチューブに添加される。サンプルは、37℃で60分間にわたってインキュベートされ;次いで、EDTA(10mM最終濃度)および15gポリI−ポリC RNAが添加され、そしてサンプルがフェノール/クロロホルムで抽出され、そしてエタノール中で沈澱される。次いで、サンプルは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供される。
高い比活性を有する放射性標識RNAプローブを生成する1つの方法は、放射性標識NTPを転写の間に混合する工程を包含する。放射性標識するために適切な同位体としては、35S標識したUTP、GTP、CTPまたはATPおよび32P標識したUTP、GTP、CTPまたはATPが挙げられる。最適な結果のために、1〜3×10cpm/μgの比活性を有する、主に300塩基長〜500塩基長であるゲル精製放射性標識RNAプローブを、本発明のRNAポリメラーゼを用いて作製すべきである。このインビトロ転写産物を生成するために、高い比活性(例えば、3,000Ci/mmolの[α−32P]CTP)のNTPを用いることがしばしば賢明である。バックグラウンドハイブリダイゼーションを防止するために、例えば、RQ1 RNase−Free DNaseを用いて行われ得る消化、続いてフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール抽出およびエタノール沈澱によって、プラスミドテンプレートDNAを除去することが重要である。
放射性標識されたプローブを作製するための別の方法としては、高度な特異的活性を生じ得るリボプローブ系、放射性標識されたRNAプローブ、またはマイクログラム量のインビトロ転写物の使用が挙げられる。リボプローブは、RNaseプロテクション、ノザンハイブリダイゼーション、S1分析およびインサイチュハイブリダイゼーションアッセイを含む多くの適用において、放射性標識されたRNAプローブと共に有用である。インビトロ転写物の本質的な成分は、リボプローブ、RNAポリメラーゼ、ファージRNAポリメラーゼプロモーターを含むDNAテンプレート、およびリボヌクレオチド三リン酸である。
(d.vRNAP遺伝子のクローニング)
本発明は、vRNAP、またはより具体的にはミニvRNAP遺伝子をクローニングすることを企図する。今日、タンパク質生成のために当業者によってしばしば使用される技術は、タンパク質のいわゆる「組換え」形態を獲得すること、このタンパク質を組換え細胞において発現させること、そしてこのような細胞から、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを獲得することである。これらの技術は、DNAライブラリーからタンパク質をコードする核酸分子の「クローニング」、すなわち、DNAの他の部分とは異なる特定のDNA分子を獲得すること、に基づく。このことは、例えば、cDNA分子のクローニング、またはゲノム様DNA分子のクローニングによって達成され得る。
このようなクローニング手順の第1工程は、適切なDNAライブラリー(例えば、ファージ、細菌、酵母、真菌、マウス、ラット、サル、またはヒト)のスクリーニングである。このスクリーニングプロトコルは、原核生物由来のvRNAPのcDNAもしくは遺伝子配列にハイブリダイズするように設計された、ヌクレオチドセグメントまたはプローブを利用し得る。さらに、発現されたvRNAPタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに結合するように設計された抗体をプローブとして使用して、適切なウイルスDNA発現ライブラリー、真正細菌DNA発現ライブラリー、古細菌DNA発現ライブラリー、または真核細胞DNA発現ライブラリーをスクリーニングし得る。あるいは、活性アッセイを使用し得る。このようなスクリーニングプロトコルの操作は、当業者に周知であり、そして科学文献(例えば、Sambrookら(1989)(本明細書中で参考として援用される))に詳細に記載される。さらに、本発明は、遺伝子セグメントおよびcDNA分子のクローニングを包含するので、当業者に公知の適切な遺伝子クローニング方法もまた使用され得ることが、企図される。
配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号15に記載されるような、比較的小さいペプチド(例えば、約8アミノ酸長から、約9アミノ酸長、約10アミノ酸長、約11アミノ酸長、約12アミノ酸長、約13アミノ酸長、約14アミノ酸長、約15アミノ酸長、約16アミノ酸長、約17アミノ酸長、約18アミノ酸長、約19アミノ酸長、約20アミノ酸長、約21アミノ酸長、約22アミノ酸長、約23アミノ酸長、約24アミノ酸長、約25アミノ酸長、約26アミノ酸長、約27アミノ酸長、約28アミノ酸長、約29アミノ酸長、約30アミノ酸長、約31アミノ酸長、約32アミノ酸長、約33アミノ酸長、約34アミノ酸長、約35アミノ酸長、約35アミノ酸長、約40アミノ酸長、約45アミノ酸長、約50アミノ酸長までのペプチド、そしてより好ましくは、約15アミノ酸長から約30アミノ酸長までのペプチド)、ならびに配列番号2および配列番号15に記載される全長配列に対応するタンパク質までのより大きなポリペプチド、ならびにそれらタンパク質を含むより大きなポリペプチド、そしてそれ以内で引き出せる任意の範囲、およびその範囲内で引き出せる任意の整数のペプチドをコードするDNAセグメントもまた、本発明によって包含される。さらに、「標準的な」DNAおよびRNAのヌクレオチド塩基に加えて、修飾塩基もまた本発明の特定の適用における使用のために企図される。例示の修飾塩基の表を本明細書中の以下に提供するが、これらに限定されない。
Figure 0004338402
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(III.組換えベクター、プロモーター、宿主細胞および発現)
組換えベクターは、本発明の重要なさらなる局面を形成する。用語「発現ベクターまたは構築物」とは、遺伝子産物をコードする核酸を含む、任意の型の遺伝子構築物を意味し、ここで、配列をコードする一部または全部の核酸が転写され得る。この転写物は、タンパク質性の分子に翻訳され得るが、1本鎖DNAテンプレートを使用してRNAを転写するミニvRNAPの場合のように、転写物が翻訳される必要はない。従って、特定の実施形態において、発現は、1本鎖DNAの転写およびRNAのタンパク質産物への翻訳の両方を含む。他の実施形態において、発現は核酸の転写のみを含む。組換えベクターもまた、本発明のRNAの送達のために使用され得る。
特に有用なベクターは、DNAセグメントのコード部分が、全長タンパク質を翻訳するにせよ、より小さいポリペプチドもしくはペプチドを翻訳するにせよ、プロモーターの転写制御の下に配置されるベクターが企図される。「プロモーター」とは、遺伝子の特異的な発現を開始することが必要とされる、細胞の合成機構によって認識されるDNA配列か、またはその合成機構に導入されるDNA配列をいう。句「作動可能に位置する」「制御下で」または「転写制御下で」とは、プロモーターが、RNAポリメラーゼの開始および遺伝子発現を制御する核酸に関係して、正しい位置および方向にあることを意味する。
1つの具体的な有用なベクターは、pBADである。このpBAD発現ベクターによって、組換えタンパク質の細菌での発現のより大きな制御を可能とし、そして発現のオンまたはオフを切り換えるきっちりとした調節を可能とする。pBADベクターは、発現レベルの調節の用量依存的な誘導を可能とする。pBAD発現系は、細菌中における異種性タンパク質発現の最も通常の問題のうちの2つ:組換えタンパク質の宿主への毒性、および組換えタンパク質が高度な無制御のレベルで発現される場合の組換えタンパク質の不溶性、を克服するのに役立つ。両方の場合において、きっちりと調節される発現系は、組換えタンパク質の収量を最大化するために重要である。このpBAD発現系は、E.coliにおいてアラビノース代謝経路を制御する、araBADオペロンに基づき、そして目的のタンパク質を高収量で回収するために最適であるレベルに、異種性発現の正確な制御を可能とする(Guzmanら、1995)。
(a.プロモーター)
天然の状態の宿主細胞において通常見出される任意のプロモーターが、N4 vRNAポリメラーゼ、またはミニvRNAポリメラーゼの発現を駆動するために、本発明において使用される。また、天然の、通常の天然の宿主細胞RNAポリメラーゼ、または細胞内で発現された非天然のRNAポリメラーゼによって認識される、天然の状態の宿主細胞において見出される、正常でないプロモーターが、RNAポリメーラーゼの発現を駆動するために本明細書において使用され得る。他のプロモーターは、当業者にアクセス可能な核酸配列データベース(例えば、GenBank)から選択されるか、またはプロモーターはスクリーニング方法によって単離され得る。宿主細胞によって認識されるプロモーターは、N4 RNAポリメラーゼをコードする遺伝子(または遺伝子群)と作動可能に連結され得る。この作動可能な連結は、本明細書中に参照されるように、DNA操作についての任意の公知技術を使用して構築され得る。
プロモーターは、構成的かまたは誘導性かのどちらかとして記載される。構成的プロモーターは、それらの制御下の遺伝子の発現を能動的に駆動する。対照的に、誘導性プロモーターは、特定の環境刺激に応答して活性化される。構成的プロモーターおよび誘導性プロモーターの両方は、本発明において宿主細胞中の非宿主性遺伝子を発現するために使用され得る。
誘導性プロモーターとしては、trp、tac、lac、ara、recA、λPrおよびλPlが挙げられるが、これらに限定されない。宿主細胞がE.coliである実施形態において、N4 vRNAポリメラーゼまたはミニvRNAポリメラーゼの発現のために本発明において使用され得る、これらのプロモーターおよび他のプロモーターは、Makrides、Microbiological Reviews(1996)、60、512−538(本明細書中で参考として援用される)によって記載される。さらに、宿主細胞がE.coli以外の他の微生物(例えば、Saccharomyces、Bacillus、およびPseudomonas)である本発明の実施形態において、宿主細胞中で活性であることが当業者に公知である、任意の誘導性プロモーターを使用して、異種性RNAポリメラーゼの発現を駆動し得る(米国特許第6,218,145号)。
本明細書中に開示される組成物と併用して、例えば、組換えクローニングおよび/またはPCRTM技術(PCRTM技術は、米国特許第4,863,202号、および米国特許第4,682,195号(各々が本明細書中で参考として援用される)に開示される)を使用して、コードセグメントまたはエクソンの上流に位置される5’非翻訳領域を単離することによって獲得され得るプロモーターは、天然でN4 vRNAポリメラーゼまたはミニvRNAポリメラーゼと関係するプロモーターの形態であり得る。
他の実施形態において、組換えプロモーターまたは異種性プロモーターの制御下にコードDNAセグメントを配置することによって、特定の利点を獲得することが企図される。本明細書中で使用される場合、組換えプロモーターまたは異種性プロモーターは、天然の環境においてN4 vRNAポリメラーゼまたはミニvRNAポリメラーゼと正常には関係しないプロモーターをいうことが意図される。このようなプロモーターとしては、正常には他の遺伝子と関係するプロモーター、および/または任意の他の細菌、ウイルス、真核生物細胞、原生生物細胞、もしくは哺乳動物細胞から単離されたプロモーター、および/または天然には存在しない、人の手によって作製された(すなわち、異なるプロモーター由来の異なるエレメント、または発現を増加、減少もしくは変化させる変異を含む)プロモーター、が挙げられる。
天然では、発現のために選択される、細胞型、生物体またはさらに哺乳動物におけるDNAセグメントの発現を効果的に指向するプロモーターを使用することが、重要である。タンパク質発現のために、プロモーターおよび細胞型との組み合わせの使用は、一般的に、分子生物学の分野の当業者に公知である(例えば、Sambrookら(1989)を参照のこと(これは本明細書中で参考として援用される))。使用されるプロモーターは、構成的であっても誘導性であってもよく、そして導入されたDNAセグメントの高レベルの発現を指向する、適切な条件下で(例えば、組換えタンパク質、組変えポリペプチドまたは組換えペプチドの大規模生産において有利であるように)使用され得る。
プロモーター中の少なくとも1つのモジュールは、一般的に、RNA合成についての開始部位を位置決めするために機能する。この最も良く知られる例は、TATAボックスであるが、いくつかTATAボックスを欠くプロモーター(例えば、哺乳動物の末端デオキシヌクレオチド転移酵素の遺伝子のプロモーターおよびSV40後期遺伝子のプロモーター)において、開始部位自体を重ねる分散型のエレメントは、開始の位置を固定するのに役立つ。
さらなるプロモーターエレメントは、転写開始の頻度を調節する。多くのプロモーターは開始部位の下流にも機能性エレメントを含むことが示されているが、代表的に、これらのプロモーターエレメントは、開始部位の30〜110bp上流の領域に位置される。プロモーターエレメント間の間隔は、しばしば、柔軟であり、その結果、プロモーター機能は、エレメントが互いに対して入れ換えられたり移動される場合でも保存される。チミジンキナーゼプロモーターにおいて、プロモーターエレメント間の間隔は、活性が減少し始める前に、50塩基対まで増加し得る。プロモーターに依存して、個々のエレメントは、転写を活性化するために、協働してかまたは独立してかのどちらかで機能し得るようである。
核酸の発現を制御する為に使用される特定のプロモーターは、標的化される細胞において核酸を発現し得る限り、重要ではないと考えられている。従って、ヒトの細胞を標的化する場合、ヒト細胞において最も発現され得るプロモーターに隣接するか、またはそれの制御下に、核酸コード領域を配置することが、好ましい。一般的に述べると、このようなプロモーターは、ヒトプロモーターまたはウイルスプロモーターのどちらかを含み得る。
種々の他の実施形態において、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター、SV40前初期プロモーター、およびラウス肉腫ウイルスの長い末端反復配列を使用して、迅速な核酸の高レベル発現を獲得し得る。発現レベルが所定の目的に十分である場合、発現を達成することが当該分野において公知である他のウイルスプロモーター、哺乳動物細胞内プロモーターまたは細菌ファージプロモーターの使用もまた、企図される。以下の表3および表4は、本発明の文脈において、vRNAP遺伝子の発現を調節するために使用され得る、いくつかのエレメント/プロモーターを列挙する。この列挙は、発現の促進に関連する可能性のある全てのエレメントの出し尽くす(exhaustive)よう意図されるものではなく、単なるこれらの例示であるように意図される。
本発明の特定の実施形態において、DNA依存性RNAポリメラーゼによって特異的に認識されるプロモーター配列(例えば、ChamberlinおよびRyan(1982)、ならびにJorgensenら(1991)によって記載される配列、しかしこれらに限定されない)を使用し得る。これらのプロモーターを使用して、本発明のミニV RNAポリメラーゼの野生型形態または変異体形態を発現し得る。いくつかのRNAポリメラーゼプロモーター配列は、本質的に有用であり、これらとしては、SP6由来のプロモーター(例えば、ZhouおよびDoetsch、1993)、T7由来のプロモーター(例えば、MartinおよびColeman、1987)、およびT3由来のプロモーター(例えば、McGrawら、1985)が挙げられるが、これらに限定されない。Thermus thermophilus由来のRNAポリメラーゼプロモーター配列もまた使用され得る(例えば、Wendtら、1990;Faraldoら、1992;Hartmannら、1987;Hartmannら、1991を参照のこと)。プロモーター配列の長さは、選択されるプロモーターに依存して変化する。例えば、T7 RNAポリメラーゼプロモーターは、約25塩基長のみであり、そして機能性プロモーターとして作用する一方、他のプロモーター配列は、機能性プロモーターを提供するために、50塩基以上を必要とする
本発明の他の実施形態において、T7様のバクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼによって認識されるプロモーターが使用される。試験された全てのT7様バクテリオファージの遺伝子構造は、本質的にT7の遺伝子構造と同じであることが見出された。本発明に従うT7様バクテリオファージの例としては、Escherichia coliのファージT3、ファージphiI、ファージphiII、ファージW31、ファージH、ファージY、ファージA1、ファージ122、ファージcro、ファージC21、ファージC22、およびファージC23;Pseudomonas putidaのファージgh−1;Salmonella typhimuriumのファージSP6;Serratia marcescensのファージIV;CitrobacterのファージViIII;およびKlebsiellaのファージNo.11(Hausmann、1976;Korstenら、1975;Dunnら、1971;Towleら、1975;ButlerおよびChanberlin、1982)が挙げられるが、これらに限定されない。
T7 RNAポリメラーゼプロモーター、または別のT7様RNAポリメラーゼプロモーターを使用して、本発明のミニV RNAポリメラーゼの遺伝子の野生型形態、または変異体形態を発現する場合、T7 RNAポリメラーゼ、または使用されるプロモーターに対する対応するT7様RNAポリメラーゼを、発現する宿主細胞中でこの遺伝子を発現させ得、ここで、そのプロモーターに対するRNAポリメラーゼは、構成的に発現されるか、または好ましくは誘導性プロモーターからのいずれかで発現される。例示の目的で、T7 RNAポリメラーゼ発現系は、例えば、米国特許第5,693,489号、および同5,869,320号(これらの開示はその全体が本明細書中で参考として援用される)に開示された発現系のような発現系であるが、これに限定されない。
(b.エンハンサー)
エンハンサーは、元々、同じDNA分子上の離れて位置されるプロモーターからの転写を増加する遺伝子エレメントとして検出された。このエンハンサーの、大きな距離を越えて作用する能力は、原核細胞生物の転写調節の古典的研究において、ほとんど先例がない。その後の研究は、エンハンサー活性を有するDNA領域が、プロモーターに非常に似た構成であることを示した。すなわち、これらDNA領域は、多くの個々のエレメントから構成され、その各々は1つ以上の転写タンパク質に結合する。
エンハンサーとプロモーターとの間の基本的な差異は、作動性である。エンハンサー領域全体は、離れて転写を刺激し得なければならない。このことは、プロモーター領域にもその成分エレメントにも当てはまる必要がない。その反面、プロモーターは、特定の部位および特定の方向でRNA合成を開始することを指向する1つ以上のエレメントを有しなければならないが、一方、エンハンサーはこれらの特異性を欠いている。プロモーターおよびエンハンサーは、しばしば重複し、そして連続しており、しばしば非常に似たモジュールの構成を有するようである。
さらに、任意のプロモーター/エンハンサーの組み合わせ(Eukaryotic Promoter Data Base EPDB、http://www.epd.isb−sib.ch/)をまた使用して、発現を駆動し得る。真核生物細胞は、適切な細菌のポリメラーゼが、提供される場合、特定の細菌のプロモーターから細胞質内転写を、送達複合体の一部としてかまたはさらなる遺伝子発現構築物としてのいずれかで、支援し得る。
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本発明のvRNAP、ミニvRNAPまたはそれらの変異体を使用した転写後のタンパク質性分子の発現を変化させて、一旦適切なクローン(またはクローン群)を獲得すると、これらがcDNAベースであれゲノムベースであれ、発現系を調製し得る。原核細胞系または真核細胞系における発現のためにDNAセグメントを操作することは、組換え発現の当業者に一般的に公知の技術によって達成し得る。実質的にはあらゆる発現系が本発明のタンパク質性分子の発現において使用され得ると考えられる。
cDNA配列およびゲノム配列の両方は、真核生物での発現に適切である。なぜなら、宿主細胞が、一般的にゲノム転写物をプロセスし、タンパク質様分子への翻訳のための機能的mRNAを生じるからである。概していうと、cDNAバージョンの遺伝子を、組換え遺伝子として使用することは、より都合よくあり得る。cDNAバージョンの使用は、標的化された細胞をトランスフェクトするために、遺伝子の大きさが、一般的に、ゲノム遺伝子(代表的には、cDNA遺伝子より1桁以上に達する程度まで大きい)より、さらにより小さくそしてより容易に使用され得るという点で、利点を提供する。しかし、ゲノムバージョンの特定の遺伝子は、所望される場合、使用され得ることが企図される。
発現において、遺伝子は、代表的には、転写物の適切なポリアデニル化を実施するために、ポリアデニル化シグナルを含む。ポリアデニル化シグナルの性質は、本発明の首尾よい実施において重要であるとは考えられておらず、任意のこのような配列が使用され得る。好ましい実施形態は、都合がよく、種々の標的細胞において良好に機能することが公知である、SV40ポリアデニル化シグナルおよびウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルを含む。ターミネーターはまた、発現カセットの一要素として企図される。これらの要素は、メッセージレベルを強化し、カセットから他の配列への読み取りを最小にするために役に立ち得る。
(c.アンチセンスおよびリボザイム)
本発明のいくつかの実施形態において、vRNAポリメラーゼを使用し、アンチセンスRNAまたはリボザイムを合成し得る。
用語「アンチセンス核酸」は、DNAおよびRNAの塩基配列に相補的であるオリゴヌクレオチドをいうことを意図される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的細胞に形質導入される場合、それらの標的核酸に特異的に結合し、転写、RNAプロセシング、輸送、翻訳、および/または安定性に干渉する。オリゴヌクレオチドを用いて二重鎖(ds)DNAを標的化することは、三重らせん形成を導き;RNA標的化することは、二重らせん形成を導く。アンチセンス核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7または配列番号14に相補的であり得、ミニ−vRNAPコード配列に相補的であり得、またはミニ−vRNAP非コード配列に相補的であり得る。アンチセンスRNA構築物、またはそのようなアンチセンスRNAをコードするDNAは、使用され得、インビトロまたはインビボ(例えば、ヒト被験体を含む宿主動物内)のいずれかで、宿主細胞内の遺伝子転写もしくは翻訳または両方を阻害する。
アンチセンス構築物は、プロモーターおよび他の調節領域、遺伝子のエキソン、遺伝子のイントロンまたは遺伝子のエキソン−イントロン境界(スプライス部位)でさえに結合するように設計され得る。最も有効なアンチセンス構築物は、イントロン/エキソンスプライス部位に相補的な領域を含み得ることが企図される。従って、イントロン/エキソンスプライス部位の50〜200塩基内の相補的領域を有するアンチセンス構築物は、使用され得る。いくつかのエキソン配列は、その標的選択性に重大な影響を生じない構築物に含まれ得ることが観察された。含まれるエキソン性物質の量は、使用される特定のエキソン配列およびイントロン配列に依存して変化する。非常に多くのエキソンDNAが含まれるかどうかを、単にインビトロで構築物を試験することによって容易に試験し、正常な細胞機能が、影響されるかどうか、または相補的配列を有する関連遺伝子の発現が影響されるかどうかを決定し得る。
上記に記載されるように、「相補的」または「アンチセンス」は、全長にわたって実質的に相補的であり、ほんのわずかな塩基ミスマッチしか有さないポリヌクレオチド配列を意味する。例えば、15塩基長の配列は、それらが13位または14位に相補的なヌクレオチドを有する場合、相補的であるといわれ得る。当然、完全に相補的である配列は、それらの全長にわたって完全に相補的であり全く塩基ミスマッチを有さない配列である。低い程度の相同性を有する他の配列はまた、企図される。例えば、限定された高い相同性の領域を有するが、非相同的領域(例えば、リボザイム)もまた含むアンチセンス構築物は、設計され得る。これらの分子は、50%未満の相同性を有するけれども、適切な条件下で、標的分子に結合する。
ゲノムDNAの一部をcDNA配列または合成配列と結合し、特異的な構築物を生成することは、有利であり得る。例えば、イントロンが、最終的な構築物において所望される場合、ゲノムクローンが使用される必要がある。cDNAまたは合成ポリヌクレオチドが、構築物の残りの部分のためのより都合の良い制限部位を提供し得、それ故、残りの配列のために使用される。
遺伝子配列の全てまたは一部は、アンチセンス構築物の背景において使用され得、統計的に、任意の17塩基長の配列は、ヒトゲノム中にただ1回しか生じず、それ故、単独の標的配列を特定するためには十分であるはずである。より短いオリゴマーは、インビボ接近性を生じされ、それを増加することがより容易であるけれども、多くの他の因子は、ハイブリダイゼーションの特異性の決定に関与する。相補的標的に対する、オリゴヌクレオチドの結合親和性および配列特異性の両方は、長さの増加と共に増加する。8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の塩基対のオリゴヌクレオチドが使用されることが企図される。所定のアンチセンス核酸が、対応する宿主細胞遺伝子の標的化において有効であるかどうかを、単にインビボで構築物を試験することによって、容易に決定し、内因性遺伝子の機能が影響されるかどうかまたは相補的配列を有する関連する遺伝子の発現が影響されるかどうかを決定し得る。
特定の実施形態において、他の要素(例えば、C−5プロピンピリミジンを含む要素)を含むアンチセンス構築物を使用することを所望し得る。ウリジンおよびシチジンのC−5プロピンアナログを含むオリゴヌクレオチドは、高い親和性でRNAを結合し、遺伝子発現の強力なアンチセンスインヒビターであることが示された(Wagnerら、1993)。
標的化されたアンチセンス送達の代替として、標的化されたリボザイムを使用し得る。用語「リボザイム」は、癌遺伝子DNAおよびRNA中の特定の塩基配列を標的化および切断し得る、RNAベースの酵素をいう。リボザイムは、リボザイム配列を組込んでいるRNAオリゴヌクレオチドの形態で細胞へと直接標的化され得るか、または所望のリボザイムRNAをコードする発現構築物として細胞に導入され得るかのいずれかである。リボザイムは、アンチセンス核酸について記載された方法とほぼ同じ方法に使用および適用され得る。リボザイムに対する配列は、DNAテンプレートに含まれ、T7 RNAポリメラーゼ転写を介して生成されるRNAにおける5’末端配列を除去し得る。
リボザイムは、部位特異的様式で核酸を切断するRNA−タンパク質複合体である。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を保有する、特有の触媒ドメインを有する(KimおよびCech,1987;Gerlackら、1987;ForsterおよびSymons,1987)。例えば、膨大な数のリボザイムは、高度な特異性を有するリン酸エステル転位反応を加速し、しばしばオリゴヌクレオチド中のいくつかのリン酸ジエステル結合のただ1つを切断する(Cechら、1981;MichelおよびWesthof,1990;Reinhold−HurekおよびShub,1992)。この特異性は、化学反応の前に、基質が特定の塩基対相互作用を介してリボザイムの内部誘導配列(「IGS」)へと結合する必要性に起因する。
リボザイム触媒は、最初は、核酸を含む配列特異的切断/連結反応の一部として観察された(Joyce,1989;Cechら、1981)。例えば、米国特許第5,354,855号は、特定のリボザイムは、公知のリボヌクレアーゼの配列特異性よりも高く、DNA制限酵素の配列特異性に近い配列特異性を有するエンドヌクレアーゼとして作用し得る。従って、配列特異的リボザイム媒介性の遺伝子発現の阻害は、治療適用に特に適し得る(Scanlonら、1991;Sarverら、1990;Sioudら、1992)。最近、リボザイムは、それらが適用されたいくつかの細胞株において、遺伝的変化を誘発し、改変された遺伝子は、癌遺伝子H−ras、c−fosおよびHIVの遺伝子を含むことが報告された。この仕事のほとんどは、特定のリボザイムによって切断される特定の変異コドンに基づく、標的mRNAの改変を含む。本明細書中に含まれる情報および当業者の知見からすると、所定の遺伝子に特異的に標的化するさらなるリボザイムの調製および使用が、今は簡単である。
いくつかの異なるリボザイムモチーフが、RNA切断活性と共に記載される(Symons,1992に概説される)。リボザイムの例としては、タバコ輪斑ウイルス(Prodyら、1986)、アボカドサンブロッチウイロイド(Palukaitisら、1979;Symons,1981)、およびルサーントランジエントストリークウイルス(Lucerne transient streak virus)(ForsterおよびSymons,1987)を含む自己スプライシングイントロングループI由来の配列が挙げられる。これらおよび関連するウイルス由来の配列は、予測された折りたたみ二次構造に基づくハンマーヘッド型リボザイムといわれる。
他の適切なリボザイムとしては、RNA切断活性を有するRNaseP(Yuanら、1992;YuanおよびAltman,1994)、ヘアピンリボザイム構造(Berzal−Herranzら、1992;Chowriraら、1993)およびδ肝炎ウイルスベースのリボザイム(PerrottaおよびBeen,1992)由来の配列が挙げられる。RNA切断活性に指向されたリボザイムの一般的な設計および最適化は、詳細に考察されている(HaseloffおよびGerlach,1988;Symons,1992;Chowriraら、1994;ならびにThompsonら、1995)。
リボザイムの設計における他の変数は、所定の標的RNA上の切断部位の選択である。リボザイムは、相補的塩基対相互作用による特定部位に対するアニーリングによって、所定の配列に標的化される。2つの相同ストレッチが、この標的化に必要である。これらの相同配列のストレッチは、上記に規定した触媒リボザイム構造に隣接する。相同配列の各ストレッチは、7ヌクレオチド長〜15ヌクレオチド長まで変化し得る。この相同配列を規定するための唯一の必要条件は、標的RNAにおいて、これら相同配列が、切断部位である特定の配列によって分断されていることである。ハンマーヘッド型リボザイムについて、切断部位は、標的RNA上のジヌクレオチド(ウラシル(U)、続いてのアデニン、シトシンまたはウラシル(A、CまたはU)のいずれか)である(Perrimanら、1992;Thompsonら、1995)。このジヌクレオチドが任意の所定のRNAに存在する頻度は、統計的に16のうち3である。従って、1000塩基の所定の標的メッセンジャーRNAについて、187のジヌクレオチド切断部位が、統計的に存在し得る。
標的RNAの効率的な切断についてリボザイムを設計および試験することは、当業者に周知のプロセスである。リボザイムを設計および試験するための特定の方法の例は、Chowriraら、(1994)ならびにLieberおよびStrauss(1995)によって記載され、各々は、参考として援用される。リボザイムにおける使用のための、作用性でありかつ好ましい配列の同定は、単に、所定の配列を調製かつ試験することの問題であり、当業者に公知である慣用的に実施される「スクリーニング」方法である。
特定の開始シグナルはまた、コード配列の効率的な翻訳のために必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接する配列を含む。外因性翻訳制御シグナル(ATG開始コドンを含む)は、提供される必要があり得る。当業者は、このことを容易に決定し得、必要なシグナルを容易に提供し得る。開始コドンは、全挿入物の翻訳を保証するように所望のコード配列のリーディングフレームと「インフレーム」でなければならないことは周知である。外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然または合成のいずれかであり得る。発現の効率は、適切な転写強化エレメントの含有によって強化され得る。
(d.宿主細胞)
宿主細胞は、原核生物または真核生物(酵母細胞を含む)、昆虫細胞、および哺乳動物細胞から由来し得、所望の結果が、ベクターの複製かまたはベクターがコードする核酸配列の一部もしくは全ての発現であるかどうかに依存する。多くの細胞株および培養物が、宿主細胞としての使用のために入手可能であり、これらは、American Type Culture Collection(ATCC)を通して得られ得る。このATCCは、生育培養物および遺伝的材料のための保管所として役に立つ組織である(www.atcc.org)。適切な宿主は、ベクター骨格および所望される結果に基づいて当業者によって決定され得る。例えば、プラスミドまたはコスミドは、多くのベクターコピーの複製のために原核生物の宿主細胞に導入され得る。ベクター複製および/または発現のための宿主細胞として使用される細菌細胞としては、DH5α、BL21、JM109、およびKC8、ならびに多くの市販の細菌宿主(例えば、SURE(登録商標)Competent CellsおよびSOLOPACK Gold Cells(STRATAGENE(登録商標),La Jolla,CA))。あるいは、細菌細胞(例えば、E.coli LE392)は、宿主細胞として使用され得る。適切な酵母細胞としては、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pombe、およびPichia pastorisが挙げられる。
ベクターの複製および/または発現のための真核生物の宿主細胞の例としては、HeLa、NIH3T3、Jurrat、293、Cos、CHO、Saos、BHK、C127およびPC12が挙げられる。種々の細胞型および生物体由来の多くの宿主細胞は、入手可能であり、当業者に公知である。同様に、ウイルスベクターは、真核宿主細胞または原核宿主細胞のいずれか、特にベクターの複製または発現を可能にする宿主細胞と共に使用され得る。
いくつかのベクターは、原核細胞および真核細胞の両方における、複製および/または発現を可能にする制御配列を使用し得る。当業者は、上記に記載される宿主細胞の全てをインキュベートし、これらを維持し、そしてベクターの複製を可能にする条件をさらに理解する。大スケールのベクターの産生ならびにベクターによってコードされる核酸および/またはこれらの同起源のポリペプチド、タンパク質、もしくはペプチドの産生を可能にする技術および条件はまた、理解され、そして公知である。
vRNAP(すなわち、より具体的にはミニ−vRNAP)が、他の選択されたタンパク質様分子(例えば、EcoSSBおよび目的の他のタンパク質)と共発現され得、ここで、これらタンパク質様分子は、同一の細胞内で共発現され得るか、またはvRNAP遺伝子は、別の選択されたタンパク質様分子を既に有する細胞に提供され得ることが提唱される。共発現は、各DNAのいずれかを保持する、2つの異なる組換えベクターで細胞を同時トランスフェクションすることによって達成され得る。あるいは、単一の組換えベクターが、タンパク質様分子の両方のコード領域を含有するように構築され、次いで、これらタンパク質様分子は、この単一のベクターでトランスフェクトされた細胞中で発現され得る。いずれの事象においても、本明細書中の用語「同時発現」は、同じ組換え細胞において、vRNAP遺伝子および他の選択されたタンパク質様分子の両方の発現をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子操作された」細胞および「組換え」細胞または「遺伝子操作された」宿主細胞および「組換え」宿主細胞は、外因性DNAセグメントまたは外因性遺伝子(例えば、cDNAまたはvRNAP、ミニ−vRNAPもしくはその変異体をコードする遺伝子)が導入された細胞をいう。従って、遺伝子操作された細胞は、組換え導入された外因性DNAセグメントまたは外因性遺伝子を含まない、天然に存在する細胞から区別し得る。従って、遺伝子操作された細胞は、導入されたcDNAまたはゲノム遺伝子、および特定の導入された遺伝子と天然には関係しないプロモーターに隣接して位置する遺伝子を有する細胞を含む。
本発明に従って、組換えvRNAPを発現するためには、それが変異型であろうと野生型であろうと、1つ以上のプロモーターの制御下で、野生型をコードする核酸または変異型vRNAPタンパク質様分子をコードする核酸を含む発現ベクターを調製する。コード配列をプロモーターの「制御下」にするために、一般的に選択されたプロモーターの「下流の」(すなわち、3’の)約1ヌクレオチドと約50ヌクレオチドとの間に、転写リーディングフレームの転写開始部位の5’末端を配置する。「上流の」プロモーターは、DNAの転写を指向し、コードされる組換えタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの発現を促進する。これが、この背景での「組換え発現」の意味である。
多くの標準的な技術が、種々の宿主発現系においてタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを発現するための、適切な核酸および転写/翻訳制御配列を包含する発現ベクターを構築するために利用可能である。発現に利用可能な細胞型としては、組換えバクテリオファージDNA発現ベクター、組換えプラスミドDNA発現ベクターまたは組換えコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、E.coliおよびB.subtilis)が挙げられるがこれらに限定されない。
原核生物宿主の特定の例は、E.coli RR1株、E.coli LE392株、E.coli B株、E.coli X 1776株(ATCC登録番号31537)およびE.coli W3110株(F−、λ−、原栄養菌株、ATCC登録番号273325);Bacillus属(例えば、Bacillus subtilis);ならびに他の腸内細菌科(例えば、Salmonella tylphimurium、Serratia marcescens、および種々のPseudomonas種)である。
一般的に、宿主細胞と適合可能な種に由来するレプリコンおよび制御配列を含むプラスミドベクターは、これらの宿主と共に使用される。このベクターは、通常、複製起点を保有し、そして形質転換された細胞において表現型選択を提供し得る配列を示す。例えば、E.coliは、しばしば、pBR322(E.coli種に由来するプラスミド)の誘導体を使用して形質転換される。pBR322は、アンピシリン耐性の遺伝子およびテトラサイクリン耐性の遺伝子を含み、それ故、形質転換された細胞を同定するための容易な方法を提供する。pBRプラスミド、または他の微生物のプラスミドもしくはファージはまた、微生物によってそれ自身のタンパク質の発現のために使用され得るプロモーターを、含み得るかまたは含むように改変され得る。
さらに、宿主微生物体と両立可能であるレプリコンおよび制御配列を含むファージベクターは、形質転換ベクターとしてこれらの宿主と共に使用され得る。例えば、ファージλ GEMTM−11は、宿主細胞(例えば、E.coli LE392)を形質転換するために使用され得る、組換えファージベクターの作製に使用され得る。
さらに有用なベクターとしては、pINベクター(Inouyeら、1985);およびpGEXベクター(後の精製および分離または切断のためのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)可溶性タンパク質の生成においての使用のための)が挙げられる。
細菌細胞(例えば、E.coli)における組換えタンパク質産生に関する以下の詳細は、一般的には組換えタンパク質の例示的な情報によって提供され、特定の組換え発現系への適合は、当業者に公知である。
発現ベクターを含む細菌細胞(例えば、E.coli)多くの適切な培地(例えば、LB)のいずれかにおいて増殖される。組換えタンパク質様分子の発現は、使用される制御されたプロモーターに依存して、培地にIPTGもしくは適切な誘導物質を添加することによってか、またはインキュベーションをより高い温度に変えることによって誘導され得る。さらなる期間(一般的には、2時間と24時間との間)細菌を培養した後、細胞は、遠心分離で回収され、残りの培地を除去するために洗浄される。
次いで、細菌細胞は、例えば、細胞ホモジナイザー中での破壊によってか、超音波処理によってか、または細胞プレスによって溶解され、可溶性細胞構成成分から密集した封入体および細胞膜を分離するために遠心分離される。この遠心分離は、密集した封入体が、緩衝液への糖(例えば、スクロース)の混合および選択的な速度での遠心分離によって、選択的に濃縮される条件下で、実施され得る。
組換えタンパク質様分子が、封入体中に発現される場合、多くの例においてそうであるように、これら封入体は、いくらかの汚染された宿主細胞を除去するために、いくつかの溶液のいずれかで洗浄され得、次いで、高濃度の尿素(例えば、8M)またはカオトロピック薬剤(例えば、還元剤(例えば、β−メルカプトエタノールまたはDTT(ジチオトレイトール))の存在下での塩酸グアニジン)を含有する溶液中で可溶化される。
いくつかの状況下で、タンパク質様分子が、ネイティブなタンパク質様分子のコンフォメーションにより厳密に類似するコンフォメーションへと巻き戻るプロセスを受けるために適した条件下で、数時間タンパク質様分子をインキュベートすることは、より有利であり得る。このような条件としては、一般的に、低タンパク質様分子濃度(500mg/ml未満)、低レベルの還元剤、2M未満の尿素濃度およびしばしば、酸化グルタチオンと還元グルタチオンとの混合物(タンパク質様分子内で、ジスルフィド結合の混合を容易にする)のような試薬の存在が挙げられる。
リフォールディングプロセスは、例えば、SDS−PAGEによってか、またはネイティブな分子に対して特異的な抗体(ネイティブな分子またはより少量の組換えタンパク質様分子を予防接種された動物から得られ得る)を用いてモニターされ得る。リフォールディングの後、タンパク質様分子は、さらに精製され、いくつかの支持体(イオン交換樹脂、ゲル濾過樹脂を含む)のいずれかでの、または種々の親和性カラムでのクロマトグラフィーによってリフォールディング混合物から分離され得る。
Saccharomycesにおける発現について、例えば、プラスミドYRp7は、一般に使用される。このプラスミドは、既に、トリプトファンを増加する能力を欠損する変異型酵母株(ATCC登録番号44076またはPEP4−1)に対する選択マーカーを提供するtrp1遺伝子を含む。それ故に、酵母宿主ゲノムの性質としてのtrp1損傷の存在は、トリプトファン非存在下での増殖によって、形質転換を検出するための効果的な環境を提供する。
酵母ベクターにおける適切なプロモーター配列としては、3−ホスホグリセレートキナーゼまたは他の解糖酵素(例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸タンパク質、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼ)に対するプロモーターが挙げられる。適切な発現プラスミドの構築において、これらの遺伝子に関連する終止配列はまた、mRNAのポリアデニル化および終止を提供して発現されるように所望される配列の3’で、発現ベクターに連結される。
微生物に加えて、多細胞生物に由来する細胞の培養物はまた、宿主として使用され得る。原則として、任意のこのような細胞培養物が、脊椎動物培養物または非脊椎動物培養物いずれの由来の細胞培養物であっても、働き得る。哺乳動物細胞に加えて、これら細胞としては、組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染された昆虫細胞系;および組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV);タバコモザイクウイルス(TMV))で感染された植物細胞系または1つ以上のRNAPコード配列を包含する組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系が挙げられる。
異なる宿主細胞は、転写後プロセシングおよびタンパク質様分子の改変のための、特徴および特異的な機構を有する。適切な細胞株または宿主系は、発現された外来のタンパク質様分子の、正しい改変およびプロセシングを保証するように選択され得る。
多くのウイルスベースの発現系が使用され、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、および最も頻繁には、シミアンウイルス40(SV40)に由来する。SV40ウイルスの初期プロモーターおよび後期プロモーターは、特に有用である。なぜなら、両方は、SV40ウイルスの複製起点をまた含むフラグメントとしてウイルスから容易に得られるからである。より小さいSV40フラグメントまたはより大きいSV40フラグメントはまた、ウイルスの複製起点に位置する、HindIII部位からBglI部位の方に伸長する約250bpの配列が含まれる場合、使用され得る。
アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合において、このコード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体(例えば、後期プロモーターおよび3つのリーダー配列)に連結され得る。次いで、このキメラの遺伝子は、インビトロ組換えまたはインビボ組換えによって、アデノウイルスのゲノムに挿入され得る。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、E1領域、E3領域、またはE4領域)への挿入は、生育可能であり、感染された宿主内でRNAを発現可能である組換えウイルスを生じる。
特定の開始シグナルはまた、本発明のvRNAPを使用するより効率的な翻訳のために使用され得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接する配列を含む。外因性制御シグナル(ATG開始コドンを含む)は、さらに、提供されることが必要であり得る。当業者は、これを容易に決定可能であり、必要なシグナルを容易に提供し得る。開始コドンが、全挿入物の翻訳を保証するために、所望のコード配列のリーディングフレームとインフレーム(すなわちインフェイズ(in−phase)でなければならないことは、周知である。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、種々の起点(天然の起点または合成の起点の両方)であり得る。発現効率は、適切な転写強化エレメントおよび転写ターミネーターの包含によって強化され得る。
真核生物の発現において、本来クローン化されたセグメント内に含まれていない場合、代表的には、適切なポリアデニル化部位(例えば、5’−AATAAA−3’)を転写単位に組み込むこともまた所望される。代表的には、ポリA付加部位は、転写終結の前に位置するタンパク質性分子の終結部位の「下流」の約30ヌクレオチド〜約2000ヌクレオチドに位置する。
組換えvRNAPタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの長期間で高収率の産生、安定な発現が、好ましい。例えば、vRNAPタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードする構築物を安定に発現する細胞株は、操作され得る。ウイルスの複製起点を含む発現ベクターを使用するよりもむしろ、宿主細胞は、適切な発現制御エレメント(例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)および選択マーカーによって制御されるベクターで形質転換され得る。外来DNAの導入に続いて、操作された細胞は、濃縮培地中で1〜2日間増殖させられ得、次いでこの細胞は、選択培地に切り換えられる。組換えプラスミド中の選択マーカーは、選択に対する耐性を付与し、そして細胞にこれらの染色体中へのプラスミドの安定な組み込みを可能にし、次にクローン化され得、細胞株中に拡大され得る病巣を形成するために増殖させる。
多くの選択システムが、使用され得、tk細胞、hgprt細胞またはaprt細胞において、それぞれ、単純疱疹ウイルスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(hgprt)遺伝子およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(aprt)遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。また、代謝拮抗物質耐性は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dhfr)(これは、メトトレキサートに対する耐性を付与する);gpt(これは、マイコフェノール酸に対する耐性を付与する);ネオマイシン(neo)(これは、アミノグリコシドG−418に対する耐性を付与する);およびハイグロマイシン(hygro)(これは、ハイグロマイシンに対する耐性を付与する)についての選択の基礎として使用され得る。
攪拌されたタンク中の細菌細胞の大規模懸濁培養は、組換えタンパク質性分子の産生について一般的な方法である。2つの懸濁培養リアクター設計(攪拌リアクターおよびエアリフトリアクター)は、広範に使用されている。攪拌設計は、インターフェロンの産生のために8000リットル容量で首尾良く使用されている。細胞は、1:1〜3:1の高さ−直径比を有するステンレス鋼タンク中で増殖される。この培養物は、通常、ブレードディスク型または船用プロペラパターン型の1つ以上の攪拌器を用いて混合される。ブレードよりも小さい剪断力を提供する攪拌器システムが、記載されている。攪拌は、磁気結合ドライブによって、直接的または間接的のいずれかによって駆動され得る。間接的駆動は、スターラーシャフトに対するシールを介した微生物汚染の危険性を減少させる。
微生物発酵についてのエアリフトリアクターは、培養物を混合および酸素化するガス流に依存する。このガス流は、リアクターのライザー区画に入り、そして循環を駆動する。ガス気泡のない高密度の液体を生じる培養物表面でのガス分離は、リアクターの下降管区画において下向きに移動する。この設計の主な利点は、単純性および機械的混合についての必要性の欠如である。代表的には、この高さ−直径比は、10:1である。エアリフトリアクターは、比較的容易にスケールアップし、ガスの良好な物質移動を有し、そして比較的低い剪断力を生じる。
本発明のvRNAPタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが、「過剰発現」され得る、すなわち、細胞におけるその自然な発現に対して増加したレベルで発現されることが企図される。このような過剰発現は、種々の方法によって評価され得、放射標識および/またはタンパク質性分子精製が挙げられる。しかし、単純かつ直接的な方法が好ましく、例えば、SDS/PAGEおよびタンパク質性組成物の染色またはウエスタンブロッティングに続く定量的分析(例えば、得られたゲルまたはブロットの濃度測定走査)に関する方法が好ましい。天然細胞におけるレベルと比較して、組換えタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドのレベルの特定の増加は、宿主細胞によって産生される他のタンパク質に対して特定のタンパク質性分子が比較的豊富であり、そして例えば、ゲル上で可視であるので、過剰発現を示している。
(IV.遺伝子導入(transfer)の方法)
細胞における導入遺伝子の作用を媒介するために、細胞中に本発明の発現構築物(例えば、治療構築物)を導入することが必要である。このような導入は、遺伝子導入のウイルス方法または非ウイルス方法を使用し得る。この節は、アンチセンス配列の導入を含む、遺伝子または核酸の導入の方法および組成物の議論を提供する。
vRNAP遺伝子は、細胞への遺伝子導入を媒介するウイルスベクターに組み込まれる。EcoSSBおよび本明細書中に記載されるような他の治療薬剤をコードするさらなる発現構築物もまた、例えば、本発明のアデノウイルスベクターを用いる形質転換によって、感染性ウイルス粒子を使用するウイルス形質導入を介して導入され得る。あるいは、特定の結合リガンドを発現するように操作されたレトロウイルス、ウシパピローマウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レンチウイルスベクター、ワクシニアウイルス、ポリオーマウイルス、または感染性ウイルスが、使用され得る。同様に、非ウイルス方法(これらとしては、注入、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈澱、リポソーム媒介性トランスフェクション、および微粒子銃によるようなDNAの直接送達が挙げられるが、これらに限定されない)が、使用され得る。従って、1つの例において、細胞のウイルス感染は、細胞に治療的に重要な遺伝子を送達するために使用される。代表的には、ウイルスは、単に、ウイルスの取り込みを可能にする生理学的条件下で適切な宿主細胞に曝される。
マイクロインジェクションは、細胞への送達のために使用され得る。マイクロインジェクションは、微小電極を通じた細胞への物質(例えば、RNA)の挿入を含む。代表的な適用としては、分子生物学研究における薬物、組織化学的マーカー(例えば、セイヨウワサビペルオキシラーゼまたはルシファーイエロー)の注入およびRNAまたはDNAの注入を含む。非常に微細な電極チップを通った物質を排除するため、静水圧(圧力注入)または電流(イオン泳動)のいずれかが、使用される。
(V.タンパク質性組成物)
特定の実施形態において、本発明は、少なくとも1つのタンパク質性分子を含む、新規の組成物または方法に関する。タンパク質性分子は、本質的に、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8または配列番号15に記載されるような配列を有し得る。このタンパク質性分子は、vRNAPもしくは、より好ましくは、ミニ−vRNAP、または送達薬剤であり得る。タンパク質性分子はまた、変異ミニ−vRNAPでもあり得る。
本明細書中で使用される場合、「タンパク質性分子」、「タンパク質性組成物」、「タンパク質性化合物」、「タンパク質性鎖」または「タンパク質性物質」は、一般的には、遺伝子から翻訳された、約200アミノ酸よりも大きいタンパク質もしくは完全長の内因性配列;約100アミノ酸よりも大きいポリペプチド;および/または約3〜約100アミノ酸のペプチドをいうが、これらに限定されない。上記の全ての「タンパク質性」という用語は、本明細書中で交換可能に使用され得る。
特定の実施形態において、少なくとも1つのタンパク質性分子のサイズとしては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約21個、約22個、約23個、約24個、約25個、約26個、約27個、約28個、約29個、約30個、約31個、約32個、約33個、約34個、約35個、約36個、約37個、約38個、約39個、約40個、約41個、約42個、約43個、約44個、約45個、約46個、約47個、約48個、約49個、約50個、約51個、約52個、約53個、約54個、約55個、約56個、約57個、約58個、約59個、約60個、約61個、約62個、約63個、約64個、約65個、約66個、約67個、約68個、約69個、約70個、約71個、約72個、約73個、約74個、約75個、約76個、約77個、約78個、約79個、約80個、約81個、約82個、約83個、約84個、約85個、約86個、約87個、約88個、約89個、約90個、約91個、約92個、約93個、約94個、約95個、約96個、約97個、約98個、約99個、約100個、約110個、約120個、約130個、約140個、約150個、約160個、約170個、約180個、約190個、約200個、約210個、約220個、約230個、約240個、約250個、約275個、約300個、約325個、約350個、約375個、約400個、約425個、約450個、約475個、約500個、約525個、約550個、約575個、約600個、約625個、約650個、約675個、約700個、約725個、約750個、約775個、約800個、約825個、約850個、約875個、約900個、約925個、約950個、約975個、約1000個、約1100個、約1200個、約1300個、約1400個、約1500個、約1750個、約2000個、約2250個、約2500個またはそれよりも多いアミノ分子残基、およびこれらのうちで導き得る任意の範囲のアミノ分子残基。
本明細書中で使用される場合、「アミノ分子」とは、当業者に公知であるような任意のアミノ酸、アミノ酸誘導体またはアミノ酸模倣物をいう。特定の実施形態において、タンパク質性分子の残基は、アミノ分子残基配列を中断する任意の非アミノ分子を伴わず、連続的である。他の実施形態において、配列は、1つ以上の非アミノ分子部分を含み得る。特定の実施形態において、タンパク質性分子の残基の配列は、1つ以上の非アミノ分子部分によって中断され得る。
従って、用語「タンパク質性組成物」は、天然に合成されるタンパク質中の20個の一般的アミノ酸のうちの少なくとも1つ、または以下の表5に示されるアミノ酸を含むがこれらに限定されない、少なくとも1つの改変アミノ酸もしくは普通でないアミノ酸を含むアミノ分子配列を包含する。
Figure 0004338402
特定の実施形態において、タンパク質性組成物は、少なくとも1つのタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド(例えば、vRNAPまたはミニ−vRNAP)を含む。さらなる実施形態において、タンパク質性組成物は、生体適合性のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを含む。本明細書中で使用される場合、用語「生体適合性」とは、本明細書中に記載される方法および量に従って、所定の生物に適用されるか、または投与された場合、有意な有害な効果を生成しない物質をいう。このような有害な効果または望ましくない効果は、顕著な毒性または有害な免疫学的反応のような効果である。好ましい実施形態において、組成物を含有する生体適合性のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、一般的には、各々本質的に、毒素、病原体および有害な免疫原を含まない、哺乳動物のタンパク質もしくはペプチドまたは合成タンパク質もしくは合成ペプチドである。
タンパク質性組成物は、当業者に公知の任意の技術によって作製され得、これらの技術としては、標準的な分子生物学的技術を通したタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドの発現、天然供給源からのタンパク質性化合物の単離、またはタンパク質性物質の化学合成が挙げられる。種々の遺伝子についてのヌクレオチド配列ならびにタンパク質配列、ポリペプチド配列およびペプチド配列は、これまでに開示されており、そして当業者に公知のコンピュータ化データベースで見出され得る。1つのこのようなデータベースは、National Center for Biotechnology Information’s GenbankおよびGenPeptデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)である。これらの既知の遺伝子についてのコード領域は、本明細書中に開示される技術または当業者に公知であるような技術を用いて、増幅および/または発現され得る。あるいは、タンパク質、ポリペプチドおよびペプチドの種々の市販の調製物は、当業者に公知である。
特定の実施形態において、タンパク質性化合物は、精製され得る。一般的には、「精製」とは、種々の他のタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを除去するために分別に供されている、特定または所望のタンパク質、ポリペプチド、もしくはペプチド組成物をいい、そしてこれらの組成物は、例えば、特定または所望のタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドについての分野の当業者に公知であるような、タンパク質アッセイによって、評価され得るような、その活性を実質的に保持する。
特定の実施形態において、タンパク質性組成物は、少なくとも1つの抗体を含み得る。ミニ−vRNAP抗体は、ミニ−vRNAPを特異的に認識する抗体の全てまたは一部を含み得る。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、広範な任意の免疫学的結合因子(例えば、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgE)をいうことを意図される。一般的には、IgGおよび/またはIgMが、好ましい。なぜなら、IgGおよび/またはIgMは、生理学的状況において最も一般的な抗体であるからであり、そしてこれらは、実験環境において最も容易に作製されるからである。
用語「抗体」は、抗原結合領域を有する任意の抗体様分子をいうために使用され、そして抗体としては、抗体フラグメント(例えば、Fab’、Fab、F(ab’)、シングルドメイン抗体(DAB)、Fv、scFv(単鎖Fv)などが挙げられる。種々の抗体ベースの構築物およびフラグメントを調製および使用するための技術は、当該分野において周知である。抗体を調製および特徴付けるための手段もまた、当該分野で周知である(例えば、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988(本明細書中において参考として援用される)を参照のこと)。
成分を含む実質的に任意のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは本明細書中に開示される組成物および方法において使用され得ることが、企図される。しかし、タンパク質性物質は生体適合性であることが、好ましい。特定の実施形態において、より粘稠性の組成物の形成は、高い粘性が、組成物を、組織により正確または容易に塗布し、そして手順全体にわたって組織との接触を維持し得るという点で、有利であることが想定される。このような場合において、ペプチド組成物、またはより好ましくは、ポリペプチドもしくはタンパク質組成物の使用が、企図される。粘性の範囲としては、限定されることなく、約40ポイズ〜約100ポイズを含む。特定の局面において、約80ポイズ〜約100ポイズの粘性が、好ましい。
本発明における使用のために適切なタンパク質およびペプチドは、自己のタンパク質またはペプチドであり得るが、本発明は、明らかに、このような自己タンパク質の使用に限定されない。本明細書中に使用される場合、用語「自己のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド」とは、生物体から誘導されるかまたは生物体から得られる、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをいう。使用され得る生物体としては、ウシ、爬虫類、両生類、魚類、げっ歯類、鳥類、イヌ科、ネコ科、真菌、植物、または原核生物が挙げられるが、これらに限定されず、選択された動物またはヒトの被験体が、好ましい。次いで、「自己のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド」は、選択された動物またはヒトの被験体への適用について意図される組成物の成分として使用され得る。特定の局面において、自己のタンパク質またはペプチドは、例えば、選択されたドナーの血漿全体から調製される。この血漿は、チューブに入れられ、そして少なくとも約12時間、約−80℃で冷凍庫に配置され、次いで約12,000×gで15分間遠心分離されて、沈澱物が得られる。この沈澱物(例えば、フィブリノーゲン)は、約1年までの間貯蔵され得る(Oz,1990)。
(VI.タンパク質の精製)
vRNAPまたはミニ−vRNAPを含む組成物を調製するために、これらの成分または改変体を精製することが望ましい。ミニ−vRNAP(配列番号4)の精製は、アフィニティーカラムを使用する2工程でなされ得る。配列番号6のミニ−vRNAPは、Hisタグを含むように改変されたので、精製は、金属アフィニティーカラム(例えば、ニッケル、コバルトまたは亜鉛を使用するカラム)を使用する場合、1工程でなされ得る。配列番号15の全長vRNAPもまた、精製のためにHisタグ化される。
本発明の1つの実施形態に従って、vRNAPを含むペプチドの精製は、最終的に、選択薬剤を用いてこのドメインに作動可能に連結するために利用され得る。タンパク質精製技術は、当業者に周知である。これらの技術は、ある水準で、ポリペプチド画分および非ポリペプチド画分に対する細胞性環境の粗製分別に関する。ポリペプチドを他のタンパク質から分離した目的のポリペプチドは、クロマトグラフィー技術および電気泳動技術を用いて、さらに精製されて、不完全もしくは完全な精製(または均質性までの精製)が達成され得る。純粋なペプチドの調製に特に適した分析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー;ポリアクリルアミドゲル電気泳動;等電点電気泳動である。ペプチドを精製する特に効率的な方法は、アフィニティークロマトグラフィーである。
タグ(例えば、ヘキサヒスチジン(6−His、HHHHHH)、FLAG(DYKDDDDK)、ヘマグルチニン(HA、YPYDVPDYA)およびc−myc(EQKLISEEDL))は、タンパク質またはペプチドの精製および検出について使用され得る。他のタグもまた、作製されており、これらのほとんどは、非常に小さく、ほんの少数のアミノ酸のみを含み、従って成熟したタンパク質またはペプチドのコンフォメーションに対してほとんど効果を有さないようである。これらの小さなタグは、抗体によって認識されるべき任意の特別なコンフォメーションを必要としない。これらのタグを使用するタンパク質精製のためのシステムとしては、NTA樹脂(6−His)またはIBI(FLAG)によって市販されるFLAG融合システムが挙げられ、ここで、融合タンパク質は、抗体カラム上でアフィニティー精製される。
本発明の特定の局面は、精製に関し、そして特定の実施形態において、コードされたタンパク質またはペプチド(例えば、vRNAP)の実質的な精製に関する。本明細書中で使用される場合、用語「精製されたタンパク質またはペプチド」は、他の成分から単離可能な組成物をいうことを意図し、ここで、タンパク質またはペプチドは、その天然に入手可能な状態に対して任意の程度に精製される。従って、精製されたタンパク質またはペプチドはまた、これらが天然に存在し得る環境とは無関係な、タンパク質またはペプチドをいう。
一般的には、「精製された」は、種々の他の成分を除去するために分別に供されたタンパク質またはペプチドの組成物(例えば、vRNAP)をいい、そしてこれらの組成物は、その発現された生物学的活性を実質的に保持する。用語「実質的に精製された」が使用される場合、この命名は、タンパク質またはペプチドが、組成物の主要な成分を形成し、例えば、組成物において、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%またはそれより多いタンパク質を構成する組成物をいう。
タンパク質またはペプチドの精製の程度を定量化するための種々の方法は、本開示を考慮して、当業者に公知である。これらの方法は、例えば、活性な画分の比活性を決定する工程、またはSDS/PAGE分析によって画分内のポリペプチドの量を評価する工程を含む。画分の純度を評価するための好ましい方法は、画分の比活性を計算すること、この活性を初期抽出物の比活性と比較すること、次いで純度の程度を計算することであり、本明細書中において「−倍精製」の数によって評価される。活性の量を表すために使用される実際の単位は、言うまでもなく、精製後に選択される特定のアッセイ技術および発現されたタンパク質またはペプチドが、検出可能な活性を示すか否かに依存する。
タンパク質精製における使用のために適切な種々の技術は、当業者に周知である。これらの技術としては、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体などを用いる沈降または熱変性後の遠心分離;クロマトグラフィー工程(例えば、イオン交換、ゲル濾過、逆相、ヒドロキシアパタイトおよびアフィニティークロマトグラフィー);等電集束法;ゲル電気泳動;ならびにこれらの技術および他の技術の組合せが挙げられる。一般的に、当該分野において公知であるように、種々の精製工程を実施する順序は、変更され得るか、または特定の工程が、省略され得、そして実質的に精製されたタンパク質もしくはペプチドの調製について適切な方法をさらにもたらし得ることが考えられる。
タンパク質またはペプチドが、常に、これらの最も精製された状態で提供されることの一般的な必要条件はない。実際、実質的にあまり精製されていない産物が、特定の実施形態における有用性を有することが企図される。部分的な精製は、組み合わせるか、または同様な一般的な精製スキームの異なる形態を利用することによって、より少ない精製工程を使用することによって達成され得る。例えば、HPLC装置を用いて実施されるカチオン交換カラムクロマトグラフィーは、一般的には、低圧クロマトグラフィーシステムを使用する同様な技術よりも「−倍」高い精製をもたらすことが理解される。より低い程度の相対精製を示す方法は、タンパク質産物の総回収においてか、または発現されたタンパク質の活性の維持において利点を有し得る。
ポリペプチドの移動(migration)が、時折顕著に、SDS/PAGEの異なる条件で変動し得ることが知られている(Capaldiら、1977)。従って、異なる電気泳動条件下で、精製または部分的に精製された発現産物の見かけの分子量は、変動し得ることが理解される。
イオン交換クロマトグラフィーは、好ましい分離方法である。カラム樹脂(例えば、金属アフィニティークロマトグラフィー樹脂TALON)を使用することもまた、好ましい。TALON樹脂は、ポリヒスチジンタグ化タンパク質に対して増強された分離力を有する。これは、より少ない労力でより高い純度をもたらす。TALONは、コバルト(ポリヒスチジンタグ化タンパク質に対して著しく高い親和性を有し、かつ他のタンパク質に対して低い親和性を有する陽性の金属)を使用する。しばしば、宿主タンパク質の認識し得る結合が発生せず、そして分離洗浄工程が必要とされない。コバルトの結合特性は、タンパク質完全性を保護する穏和なpH条件下でタンパク質の溶出を可能にする。
タンパク質のさらなる濃縮は、アニオン交換カラム(例えば、MonoQカラム、高分解能、アニオン交換カラム)でなされ得る。このカラムは、5MPa未満の圧力で作用し、高い容量を有し、そして非常に高いクロマトグラフィー分解能を与える。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、驚くべきピーク分解能を有する非常に迅速な分離によって特徴付けられる。これは、適切な流速を維持するために、非常に微細な粒子および高圧の使用によって達成される。分離は、数分のうちか、またはせいぜい1時間で達成され得る。さらに、非常に小容量のサンプルのみが、必要とされる。なぜなら、粒子が、とても小さくかつ最密であるので、空隙容量が、総容量の非常に小さい割合であるからである。また、サンプルの濃度は、それほど高くなくてもよい。なぜなら、バンドが、とても狭いので、サンプルの希釈が非常にわずかであるからである。
ゲルクロマトグラフィー、または分子ふるいクロマトグラフィーは、分子のサイズに依存する分配クロマトグラフィーの特別な型である。ゲルクロマトグラフィーを支持する理論は、細孔を含む不活性物質の微小粒子で調製されるカラムは、分子のサイズに依存して、より大きな分子を分子が細孔の中または周りを通過するようなより小さい分子から分離することである。粒子を形成する物質が、分子を吸着しない限り、流速を決定する唯一の因子は、サイズである。従って、分子は、その形状が比較的一定である限り、サイズが減少するにつれてカラムから溶出される。ゲルクロマトグラフィーは、異なるサイズの分子を分離するために卓越している。なぜなら、分離は、全ての他の因子(例えば、pH、イオン強度、温度など)に独立しているからである。実質的に吸着せず、ゾーンの広がりもほとんどないと、溶出容量は、分子量に対する単純な事柄に関連する。
ペプチドを精製する特に効率的な方法であるアフィニティークロマトグラフィーは、単離されるべき物質と、その物質に対して特異的に結合し得る分子との間の特異的な親和性に依存するクロマトグラフィー手順である。これは、レセプター−リガンド型相互作用である。カラム物質は、結合相手の1つを不溶性マトリクスに共有結合することによって合成される。従って、カラム物質は、溶液から物質を特異的に吸着し得る。溶出は、結合が生じない条件に対して条件を変化させる(例えば、pH、イオン強度、および温度を変化させる)ことによって生じる。本明細書中で上記されるようなタグは、アフィニティークロマトグラフィーにおいて使用され得る。
マトリクスは、それ自体が任意の有意な程度まで分子を吸着しない物質であるべきであり、そして広範囲の化学的、物理的および熱的安定性を有する。リガンドは、その結合特性に影響しないような方法で結合されるべきである。リガンドはまた、比較的密な結合を提供すべきであり、そしてこれは、サンプルまたはリガンドを破壊することなく物質を溶出し得るべきである。アフィニティークロマトグラフィーの最も一般的な形態の1つは、免疫アフィニティークロマトグラフィーである。本発明に従う使用のために適切な抗体の産生は、以下に記載される。
アフィニティーカラムは、vRNAPタンパク質またはミニ−vRNAPタンパク質が、マトリクスへの結合を認識するN4プロモーターを有し得る。このカラムは、付加的なタグ(例えば、ヒスチジンタグ)を有さないポリメラーゼの精製のための使用について適切である。
(VII.分離方法、定量方法、および同定方法)
RNAの合成後、お互いから、そしてそのテンプレートおよび過剰のプライマーから、いくつかの異なる長さの増幅産物を分離することが好ましくあり得る。
(a.ゲル電気泳動)
1つの実施形態において、増幅産物は、標準的な方法を使用して、アガロース、アガロース−アクリルアミド、またはポリアクリルアミドのゲル電気泳動によって、分離される(Sambrookら、1989)。
(b.クロマトグラフィー技術)
あるいは、分離を生じるために、クロマトグラフィー技術が使用され得る。本発明において使用され得る、多くの種類のクロマトグラフィー(吸着、分配、イオン交換および分子ふるい)、ならびにこれらを使用するための多くの特殊化された技術(カラムクロマトグラフィー、濾紙クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーが挙げられる)が存在する(Freifelder,1982)。なお別の代替において、標識されたcDNA産物(例えば、ビオチン標識または抗原標識されたもの)が、それぞれアビジンまたは抗体を保有するビーズで捕捉され得る。
(c.微小流体技術)
微小流体技術としては、ACLARA Biosciences Inc.によって設計されたマイクロキャピラリー、またはCaliper Technologies Inc.によって製造されるLabChipTM「液体集積回路」のようなプラットフォームにおける分離が挙げられる。これらの微小流体プラットフォームは、他の分離技術によって必要とされるマイクロリットルの容量とは対照的に、ナノリットルの容量のサンプルのみを必要とする。遺伝子分析に関与するプロセスのいくつかを小型化することは、微小流体デバイスを使用して達成されてきた。例えば、NorthrupおよびWhiteに対する公開されたPCT出願番号WO94/05414(本明細書中に参考として援用される)は、標本から核酸を収集および増幅するための、一体化された微小PCRTM装置を報告する。Wildingらに対する米国特許第5,304,487号およびKrickaらに対する同第5,296,375号は、細胞含有サンプルの収集および分析のためのデバイスを議論し、そして本明細書中に参考として援用される。米国特許第5,856,174号は、核酸分析に関与する種々のプロセスおよび分析の操作を組み合わせる装置を記載し、そして本明細書中に参考として援用される。
(d.キャピラリー電気泳動)
いくつかの実施形態において、増幅された遺伝子を分析するための、さらなる手段、または代替の手段を提供することが、望ましくあり得る。これらの実施形態において、マイクロキャピラリーアレイが、分析のために使用されることが企図される。
マイクロキャピラリーアレイ電気泳動は、一般に、細いキャピラリーまたはチャネル(これは、特定の分離媒体で満たされていても満たされていなくてもよい)の使用を包含する。キャピラリーを通してのサンプルの電気泳動は、サンプルについての、サイズに基づく分離プロフィールを提供する。核酸のサイズによる分離における、マイクロキャピラリー電気泳動の使用は、例えば、WoolleyおよびMathies,1994に報告されている。マイクロキャピラリーアレイ電気泳動は、一般に、サイズに基づく配列決定、PCRTM産物分析、および制限フラグメントのサイズ決定の迅速な方法を提供する。これらのキャピラリーの、容量に対する表面の高い比は、キャピラリーにわたる実質的な熱変動なしで、このキャピラリーにわたってより強い電場を印加することを可能にし、その結果、より迅速な分離を可能にする。さらに、共焦点画像方法と組み合わせられる場合、これらの方法は、アットモルの範囲での感度を提供し、これは、放射配列決定方法の感度に匹敵する。微小流体デバイス(マイクロキャピラリー電気泳動デバイスが挙げられる)の微小作製は、例えば、Jacobsenら、1994;Effenhauserら、1994;Harrisonら、1993;Effenhauserら、1993;Manzら、1992;および米国特許第5,094,824号に詳細に議論されている。代表的に、これらの方法は、シリカ、シリコンまたは他の結晶性の基板またはチップにおける、ミクロン規模のフォトリソグラフエッチングを包含し、そして本発明における使用に容易に適合され得る。いくつかの実施形態において、キャピラリーアレイは、本明細粗中に記載される射出成形技術を使用して、デバイスの本体の製造について記載されたモノと同じポリマー材料から製造され得る。
Tsudaら、1990は、円筒形のキャピラリーガラス管の代替である、矩形のキャピラリーを記載する。これらのシステムのいくつかの利点は、高さ対幅の大きな比(従って、表面対容量の高い比)に起因する、それらの効率的な熱損失、およびカラム上での光学検出モードに対するそれらの高い検出感受性である。これらの平坦な分離チャネルは、1つの力が分離チャネルを横切って付与され、そしてマルチチャネルアレイ検出器の使用によってサンプルゾーンが検出される、二次減分離を実施する能力を有する。
多くのキャピラリー電気泳動法において、キャピラリー(例えば、平坦な基板にエッチングされたか、機械加工されたか、または成形された、溶融シリカキャピラリーまたはチャネル)は、適切な分離/シービングマトリックスを充填される。代表的に、種々のシービングマトリックスが、当該分野において公知であり、マイクロキャピラリーアレイにおいて使用され得る。このようなマトリックスの例としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、アガロースなどが挙げられる。一般に、特定のゲルマトリックス、泳動緩衝液および泳動条件は、特定の適用の分離特徴(例えば、核酸フラグメントのサイズ、必要とされる分解能、およびネイティブまたは未変性の核酸分子の存在)を最大にするように選択される。例えば、泳動緩衝液は、変性剤、カオトロピック剤(例えば、尿素など)を含有して、サンプル中の核酸を変性し得る。
(e.質量分析)
質量分析は、分子を減圧下でイオン化させ、そしてこれらを揮発によって「飛行」させることによって、個々の分子を「秤量する」手段である。電場と磁場との組合せの影響下で、これらのイオンは、それらの個々の質量(m)および電荷(z)に依存して、軌道に従う。低分子量の分子については、質量分析は、親分子イオンの質量の決定による、有機分子の分析および特徴付けのための、慣用的な物理有機化学的レパートリーの一部である。さらに、この親分子イオンと他の粒子(例えば、アルゴン原子)との衝突を手配することによって、分子イオンは、いわゆる衝突解離(CID)によってフラグメント化し、二次イオンを形成する。フラグメント化のパターン/経路は、詳細な構造情報の誘導を、非常にしばしば可能にする。当該分野において公知の質量分析法の他の適用は、Methods in Enzymology,第193巻:「Mass Spectrometiry」(J.A.McCloscey編)、1990、Academic Press,New Yorkに要約されたものが見出され得る。
高い検出感度、質量測定の精度、MS/MS配置と組み合わせたCIDによる詳細な構造情報および速度、ならびにコンピュータへのオンラインデータ伝送を提供する際の、質量分析の明らかな分析的利点に起因して、核酸の構造分析のために質量分析を使用することに、かなりの興味がもたれている。この分野を要約する概説としては、K.H.Schram(1990);およびP.F.Crain(1990)が挙げられる。質量分析を核酸に適用するための最大の難関は、これらの非常に極性の生体高分子の揮発の困難性である。従って、「配列決定」は、特にイオン化および揮発のために、高速原子衝撃(FAB質量分析)またはプラズマ脱離(PD質量分析)を利用する、MS/MS配置におけるCIDを介して、親分子イオンの質量を決定し、そしてこれによって、既に公知の配列を確認するか、あるいは二次イオン(フラグメントイオン)の発生を通して既知の配列を確認することによる、低分子量の合成オリゴヌクレオチドに限定されている。例として、オリゴデオキシヌクレオチドの化学合成のための、保護された二量体ブロックの分析に、FABを適用することが、記載されている(Kosterら、1987)。
2つのイオン化/脱離技術は、電子スプレー/イオンスプレー(ES)およびマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)である。ES質量分析は、Fennら、1984;WO90/14148によって導入され、そしてこの出願は、総説論文に要約されている(R.D.Smitihら、1990;B.Ardrey,1992)。質量分析計として、四重極が、最も頻繁に使用される。フェムトモルの量のサンプルにおける分子量の決定は、複数のイオンピーク(これらが全て、質量計算のために使用され得る)の存在に起因して、非常に正確である。
MALDI質量分析は、対照的に、飛行時間型(TOF)配置が質量分析計として使用される場合に、特に魅力的であり得る。MALDI−TOF質量分析は、Hillenkampら(1990)によって導入された。従って、大抵の場合において、複数の分子イオンピークは、この技術を用いて生じず、原理的に、質量スペクトルは、ES質量分析と比較して、より単純に見える。410,000ダルトンの分子量までのDNAが脱離され得、そして揮発され得る(Williamsら、1989)。より最近は、この技術における赤外レーザー(IR)(UVレーザーと全く違ったものとして)の使用が、より大きな核酸(例えば、合成DNA、プラスミドDNAの制限酵素フラグメント、および2180ヌクレオチドのサイズまでのRNA転写体)の質量分析を提供することが示された(Berkenkampら、1998)。Berkenkampら、1998はまた、MALDI−TOR IRを使用して、制限されたサンプル精製によって、DNAおよびRNAサンプルがどのように分析され得るかを記載する。
日本国特許59−131909において、電気泳動、脂質クロマトグラフィーまたは高速ゲル濾過のいずれかによって分離された核酸フラグメントを検出する装置が記載されている。質量分析の検出は、DNA中に通常存在しない原子(例えば、S、Br、IまたはAg、Au、Pt、Os、Hg)を核酸に組み込むことによって、達成される。
(f.エネルギー移動)
蛍光標識でハイブリダイゼーションオリゴヌクレオチドプローブを標識することは、当該分野において周知の技術であり、そしてプローブハイブリダイゼーションの検出を容易にするための、高感度な非放射性の方法である。より最近開発された検出方法は、プローブハイブリダイゼーションの検出のために、蛍光強度の直接の検出よりむしろ、蛍光エネルギー移動(FET)のプロセスを使用する。FETは、ドナー発蛍光団とアクセプター色素(これは、発蛍光団であってもそうでなくてもよい)との間で、一方(アクセプター)の吸収スペクトルが他方(ドナー)の発光スペクトルと重なり、そしてこれら2つの色素が近く近接している場合に、起こる。これらの特性を有する色素は、ドナー/アクセプター色素対またはエネルギー移動色素対と称される。ドナー発蛍光団の励起状態エネルギーは、共鳴双極子により誘導される双極子相互作用によって、隣接するアクセプターに移動される。これによって、ドナー蛍光の消光が起こる。いくつかの場合において、アクセプターもまた発蛍光団である場合、その蛍光の強度は、増強され得る。エネルギー移動の効率は、ドナーとアクセプターとの間の距離に非常に依存し、そしてこれらの関係を予測する式が開発された(Forster,1948)。エネルギー効率が50%である、ドナー色素とアクセプター色素との間の距離は、Forster距離(R)と称される。蛍光の消光の他の機構もまた公知であり、例えば、電荷移動および衝突消光が挙げられる。
近く近接する2つの色素の相互作用に依存して消光を生じる、エネルギー移動および他の機構は、ヌクレオチド配列を決定または同定するための、魅力的な手段である。なぜなら、このようなアッセイは、均質な形式で実施され得るからである。均質なアッセイ形式は、従来のプローブハイブリダイゼーションアッセイ(これは、単一の発蛍光団標識の蛍光の検出に依存する)より単純である。なぜなら、不均質のアッセイは、一般に、ハイブリダイズした標識を遊離標識から分離するさらなる工程を必要とするからである。FETハイブリダイゼーションアッセイのためのいくつかの形式が、Nonisotopic DNA Probe Techniques(1992)において概説されている。
核酸増幅の検出のために、エネルギー移動または他の蛍光消光の機構を使用する、均質な方法もまた、記載されている。Higuchiら(1992)は、エチジウムブロマイドが二本鎖DNAに結合する場合の、エチジウムブロマイドの増加した蛍光をモニタリングすることによって、リアルタイムでDNA増幅を研修するための方法を開示する。この方法の感受性は、制限される。なぜなら、エチジウムブロマイドの結合は、標的特異的ではなく、そしてバックグラウンドの増幅産物もまた検出されるからである。Leeら(1993)は、二重に標識した検出プローブが、PCRTMの間に、標識増幅に特異的な様式で切断される、リアルタイム検出方法を開示する。この検出プローブは、増幅プライマーの下流にハイブリダイズされ、その結果、Taqポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が、検出プローブを消化して、エネルギー移動対を形成する2つの蛍光色素を分離する。蛍光強度は、プローブが切断されるにつれて、増加する。WO96/21144は、酵素により媒介される核酸の切断が、増加した蛍光を生じる、連続蛍光測定アッセイを開示する。蛍光エネルギーの移動は、この方法において使用されることが示唆されるが、単一の蛍光標識(これは、標識へのハイブリダイゼーションによって消光される)を使用する方法の文脈においてのみである。
増幅プライマーのハイブリダイゼーション部位の下流の標的配列にハイブリダイズする、シグナルプライマーまたは検出プローブが、核酸増幅の検出における使用に関して記載されている(米国特許第5,547,861号)。このシグナルプライマーは、増幅プライマーの伸長と類似の様式で、ポリメラーゼによって伸長される。増幅プライマーの伸長は、標的増幅に依存する様式で、シグナルプライマーの伸長産物に置き換わり、二本鎖の二次増幅産物を生じ、これが、標的の増幅の指標として検出され得る。シグナルプライマーから生じた二次増幅産物は、種々の標識およびレポーター基、シグナルプライマーにおける制限部位(これは、切断されて特徴的なサイズのフラグメントを生じる)、捕捉基、および構造的特性(例えば、三重ヘリックスおよび二本鎖DNA結合タンパク質についての認識部位)によって検出され得る。
当該分野において公知の多くのドナー/アクセプター色素対が、本発明において使用され得る。これらとしては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)/テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、FITC/Texas Red(Molecular Probes)、FITC/N−ヒドロキシスクシンイミジル1−ピレンブチレート(PYB)、FITC/エオシンイソチオシアネート(EITC)、N−ヒドロキシスクシンイミジル1−ピレンスルホネート(PYS)/FITC、FITC/ローダミンX、FITC/テトラメチルローダミン(TAMRA)などが挙げられる。特定のドナー/アクセプター発蛍光団対の選択は、重要ではない、エネルギー移動消光機構のためには、ドナー発蛍光団の発光波長が、アクセプターの吸収波長と重なることのみが、必要である(すなわち、これら2つの色素の間に、効率的なエネルギー移動、電荷移動または蛍光消光を可能にするために十分な空間的重なりがなければならない)。p−(ジメチルアミノフェニラゾ)安息香酸(DABCYL)は、隣接する発蛍光団(例えば、フルオレセインまたは5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン(EDANS))から効果的に蛍光を消光する、非蛍光性アクセプター色素である。本発明の検出核酸において蛍光の消光を生じる任意の色素対は、消光が起こる機構にかかわらず、本発明の方法における使用のために適切である。末端標識方法および内部標識方法は、両方とも、当該分野において公知であり、そしてドナー色素およびアクセプター色素を、検出核酸におけるそれらのそれぞれの部位において連結するために、慣用的に使用され得る。
(g.インビトロ研究)
本発明の合成RNAは、スプライセオソームアッセイ、スプライシング反応、またはアンチセンス実験のインビトロ研究のために使用され得る。
スプライセオソームとは、小さな核のリボ核タンパク質粒子(snRNP)からなる、大きな複数サブユニットの複合体である。全部で5つのsnRNAが存在する:U1、U2、U4、U5、およびU6であり、これらは、小さく、そしてウリジンに富む。各snRNAは、1個または2個のこれらのRNAを有する。スプライシング反応を触媒することに加えて、スプライセオソームは、中間体生成物を保持し、エキソンを正確に連結するためのスプライス部位を位置決めし、そしてエキソンが切断後およびライゲーション前に拡散することを防止する。スプライセオソーム触媒作用は、分枝鎖部位Aの2’−OHが5’スプライス部位を攻撃して、イントロンの最初のヌクレオチドと2’−5’ホスホジエステル結合を形成する、競合切断/ライゲーション反応を含む。5’エキソンの末端において得られる3’−OHは、3’スプライス部位を攻撃して、イントロンの投げ縄形態を解き、そして2つのエキソンを通常の3’−5’ホスホジエステル結合で一緒に結合させる。少なくとも50個の異なるタンパク質が、スプライセオソームの構築および機能に関与する。I群およびII群のイントロンにおいて、スプライシングは、タンパク質因子によって(速度および精度が)改善される(Coetzeら、1994;Mohrら、1994)。
(VIII.キット)
本明細書中に記載される任意の組成物が、キット中に含まれ得る。非限定的な例において、vRNAP、またはより好ましくは、ミニvRNAP、誘導体化ミニvRNAP、変異体vRNAPおよび/もしくはさらなる薬剤が、キットに含まれ得る。従って、このキットは、適切な容器手段中に、本発明のミニvRNAP、誘導体化ミニvRNAP、変異体vRNAPおよび/またはさらなる薬剤を含む。本発明者らは、キットに含まれ得る他の成分を予測する。これらとしては、免疫検出薬剤(例えば、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼに結合した、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体)、免疫沈降試薬(例えば、プロテインAまたはプロテインGに結合したビーズ)、免疫細胞増殖試薬(例えば、TALONまたはmonoQカラム)発現ベクターを操作するためのクローニング試薬、ならびにタンパク質発現のための、原核生物細胞および真核生物細胞を含む、タンパク質発現試薬が挙げられるが、これらに限定されない。
このキットは、適切にアリコートされたvRNAP、ミニvRNAP、誘導体化ミニvRNAP、変異体vRNAPおよび/またはさらなる薬剤の、本発明の組成物(検出アッセイのための標準曲線を調整するために使用され得るように、標識されていても標識されていなくても)を含み得る。このキットの成分は、水性媒体中または凍結乾燥形態のいずれかで、パッケージされ得る。このキットの容器手段は、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、瓶、注射器または他の容器手段を備え、この中に、成分が入れられ得、そして好ましくは、適切にアリコートされ得る。キット中に1つより多い成分が存在する場合、このキットはまた、一般に、第二、第三、または他のさらなる容器を備え得、この中に、さらなる成分が別個に入れられ得る。しかし、種々の組合せの成分が、バイアル中に含まれ得る。本発明のキットはまた、市販のために、代表的に、vRNAP、脂質、さらなる薬剤、および他の任意の試薬容器を、閉じた制限内に収容するための手段を備える。このような容器は、射出成形またはブロー成形されたプラスチック容器を含み得、この中に、所望のバイアルが保持される。
しかし、このキットの成分は、乾燥粉末として提供され得る。試薬および/または成分が乾燥粉末として提供される場合、この粉末は、適切な溶媒の添加によって再構築され得る。溶媒もまた、別の容易手段中に提供され得ることが、予測される。
本発明のキットはまた、市販のために、代表的に、閉じた制限内にバイアルを収容するための手段(例えば、射出成形および/またはブロー成形されたプラスチック容器)を備え、この中に、所望のバイアルが保持される。
本明細書中において、明細書において使用される場合、「a」または「an」は、1つ以上を意味し得る。本明細書中において、特許請求の範囲おいて使用される場合、用語「含む(comprising)」と組み合わせて使用される場合、用語「a」または「an」は、1つまたは1つより多くを意味し得る。本明細書中において使用される場合、「別の」とは、少なくとも第二のものまたはそれより多くを意味し得る。
(IX.実施例)
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例に記載される技術は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者らによって発見された技術に相当し、従って、その実施のために好ましい様式を構築するとみなされ得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示を考慮して、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態において多くの変化がなされ得、そして依然として、同様または類似の結果を得ることを理解するべきである。
(実施例1)
(N4ビリオンRNAポリメラーゼの転写活性ドメインの同定)
RNAポリメラーゼ活性を保有する哺乳動物のドメインを決定するために、制御されたタンパク質分解を実施し、続いて触媒(転写)自己標識を実施した(Hartmannら、1988)。RNAポリメラーゼを開始ヌクレオチドのベンズアルデヒド誘導体とインキュベーションすると、ベンズアルデヒド基は、ヌクレオチド結合部位の12Å内に位置するリジンのε−アミノ基と、シッフ塩基を形成する。架橋工程を、DNAテンプレートの存在下で実施した。なぜなら、これは、開始ヌクレオチドの結合を刺激するからである。不安定なシッフ塩基を、ホウ素化水素ナトリウムを使用するマイルドな条件下での還元によって、安定な第二級アミンに転換し、これは、未反応ベンズアルデヒド誘導体の共存還元を伴った。次のテンプレート特異的α−32P標識NTPの添加は、転写活性なポリペプチドのホスホジエステル結合の形成および触媒性自己標識をもたらす。vRNAPの制御されたトリプシンタンパク質分解を実施し、続いて触媒性自己標識およびSDS−PAGEでの分析を実施した(図3A)。最初に、3つのタンパク質分解フラグメントが生成し、これらのうちの小さい方の2つは、触媒的に活性である。トリプリンとのさらなるインキュベーションの際に、単一の安定な転写活性生成物(約1,100アミノ酸長)が残る。最初の3つのタンパク質分解フラグメントのN末端配列(図3B)は、安定な活性ポリペプチド(ミニvRNAP)が、vRNAPの中央の1/3(上に記載された3つのモチーフを含む領域)に対応することを示した(図2A、配列番号3〜4)。
(実施例2)
(N4ミニvRNAPのクローニングおよび精製)
全長vRNAPおよびミニvRNAP(配列番号6および15)のORFを、pBADの制御下で、N末端ヘキサヒスチジンタグを用いてクローニングした(図4)。ミニvRNAPドメインを、pBAD B発現プラスミド(これを、Invitrogenから購入した)にクローニングした。pBAD Bにおける5つの制限酵素部位が、変化した;SnaI部位は、HpaI部位に転換され、そしてPflMI部位およびEcoRV部位は、破壊され、全てが、部位特異的変異誘発によった。BstBI部位およびHindIII部位は、酵素消化によって破壊され、続いて、クレノウ処理およびライゲーションを行った。図5(左側)は、同じ容量のE.coli BL21誘導細胞からTALONカラムで精製された、全長vRNAPタンパク質およびミニvRNAPタンパク質の相対量を示す。クローニングされたミニvRNAPは、クローニングされた全長vRNAPより100倍高いレベルで発現される。MonoQカラムでのさらなる濃縮は、全長vRNAPとは対照的に、ミニvRNAPは、インキュベーション後に安定であることを明らかにする(図5、右側)。20mg/mlの濃度のミニvRNAPの少なくとも10mgが、1Lの誘導細胞から、2つのみの精製工程(TALONおよびMonoQミニカラム)において得られた。ヒスチジンでタグ化されていないミニvRNAPのバージョンもまたクローニングした(配列番号4)。この場合、この酵素を、2工程(プロモーターDNAアフィニティーカラムおよびMonoQ)で、誘導細胞の組成抽出物から精製した。
ミニvRNAPは、N4プロモーター含有DNAオリゴヌクレオチドに対して、高い結合親和性(Kd=1nM)を有する。この特性を、ヒスチジンでタグ化されていないミニvRNAP(配列番号4)の、DNAアフィニティーカラムでの精製のために使用した。5’ビオチン化N4プロモーター含有DNAオリゴヌクレオチドを、1ml HiTrapストレプトアビジンカラム(Pharmacia/Amershamカタログ番号17−5112−01)のマトリックスに、製造業者の指示に従って吸着させることによって、カラムを調製した。ミニvRNAPを発現する細菌細胞の、細片のない超音波処理を、カラムに通した。ミニvRNAPをDNAアフィニティーカラムに結合させるために、抽出およびに結合/洗浄緩衝液のpHは5〜9の間であるべきであり、そしてNaCl濃度は、50mMと2Mとの間であるべきである。抽出物中のヌクレアーゼは、2mMのEDTAによって阻害される。カラムの洗浄後、ミニvRNAPを、温水(25℃)で溶出した;溶出温度を、4℃から25℃に上昇させて、ミニvRNAPの回収を増加させた。完全な溶出のためには、調製物の質を有意に変化させることなく、温度を43℃に上昇させ得る。これらの条件下での溶出は、金属イオンの除去、ならびに引き続くプロモーターヘアピンの金属化およびミニvRNAPの脱離に起因して起こる。P2プロモーターの改変体を含む異なるDNAオリゴヌクレオチド(配列番号16〜19)を、DNAアフィニティーカラムにおいて使用し、そしてミニvRNAPアフィニティー精製において試験した。最良の収率は、配列番号16のDNAオリゴヌクレオチドを使用して達成された。しかし、配列番号19〜20のDNAオリゴヌクレオチドは、タンパク質の完全な溶出のために、配列番号16のオリゴヌクレオチドのDNAより低い温度を必要とし、これは、それぞれのプロモーターヘアピンのより低い熱安定性に一致する。
90%の純度の、1mgまでのミニvRNAPを、ミニvRNAPを発現する100mlのE.coli培養物の組成抽出物から、1mlのDNAアフィニティーカラムを使用する単一の精製工程で得た。DNAアフィニティーカラムの結合能力は、複数の使用によって、検出可能には低下しなかった。
(実施例3)
(一本鎖テンプレートの転写に対するEcoSSBの効果)
本発明者らは、EcoSSBが、インビボでのN4 vRNAP転写に必要であることを以前に示した(Glucksmannら、1992)。EcoSSBは、vRNAP転写に対する効果が試験された他のSSBとは異なり、プロモーターヘアピン構造をなくさない点で、独特である(Glucksmann−Kuisら、1996)。最近、本発明者らは、一本鎖テンプレートのvRNAP転写に対するEcoSSBの効果を再調査した。図6は、3つの異なるssDNAテンプレート濃度での、EcoSSBの非存在下および存在下での転写を示す。EcoSSB活性化の程度は、テンプレート濃度依存性であり、最高の活性化は、低DNAテンプレート濃度においてである。これらの結果は、EcoSSBが、ssDNAテンプレートに対するテンプレート制限を克服することを示唆する。
この仮説をさらに調査するために、EcoSSBの非存在下で20分間インキュベーションした後に転写反応物にテンプレートまたはEcoSSBを添加することの効果を、試験した。その転写反応混合物(5〜50μl)は、20mM Tris−HCl(25℃にてpH7.9)、10mM MgCl、50mM NaCl、1mMジチオスレイトール、0.01〜1μMミニ−vRNAP、1〜100nM ssDNAテンプレート(30〜100nt長。Integrated DNA Technologiesによって合成された)、各1mMの3種の非標識NTP、0.1mM α−32P NTP(1〜2Ci/mmol、NEN)、および1〜10μM E.coli SSBを含んだ。インキュベーションは、示される温度37℃にて1〜80分間であった。EcoSSBの存在下で、RNA合成が、インキュベーション期間全体にわたり線形に増加した(図7C)。EcoSSBの非存在下で、10分間のインキュベーションを超えて、転写の増加は観察されなかった(図7A)。EcoSSBの非存在下で実施した反応に20分の時点でテンプレートを添加すると、RNA合成の劇的な増加をもたらした(図7B)。20分の時点でEcoSSBを添加すると、遅い速度での転写物回収が引き起こされた(図7D)。これらの結果は、EcoSSBが、テンプレートを、転写不活性なRNA:DNAハイブリッドから転写活性な一本鎖DNAへと変換することを示唆する。
この仮説を試験するために、そのDNAテンプレートの物理的状態およびRNA産物の物理的状態を、EcoSSBの存在下および非存在下でのネイティブゲル電気泳動によって分析した。EcoSSBの非存在下で有効な転写を有するために、転写を、中程度のDNA濃度(5nM)で実施した。この濃度では、EcoSSBの2倍の効果しか観察されない。
この実験の結果を、図8に示す。32P標識テンプレート(右パネル)または32P標識NTP(左パネル)のいずれかを使用して、EcoSSBの非存在下または存在下でのテンプレート(右パネル)またはRNA産物(左パネル)の状態を分析した。転写後、その混合物を、3つのサンプル(添加物を含まないコントロールサンプル;RNA:DNAハイブリッド中のRNAを特異的に分解するためのRNaseHを添加したサンプル;および一本鎖核酸を分解するためにヌクレアーゼS1を添加した第3のサンプル)へとさらに分割した。EcoSSBの非存在下で、DNAテンプレートおよびRNA産物の両方が、RNA:DNAハイブリッドの状態である。なぜなら、RNA産物はRNaseH感受性であり、一方、DNAを含むバンドは、RNaseH処理後に変化した移動度を示すからである。EcoSSBの存在下で、RNA産物のかなりの部分が、RNaseH耐性であり、従って、遊離しているが、中間体RNA:DNA:SSB複合体に対応するRNase感受性バンドが存在する。これらの条件下で、そのDNAは、SSB:DNA複合体の状態である。これらの結果は、EcoSSBが、テンプレート再利用を介して転写を刺激することを示す。
一本鎖テンプレート上のvRNAP転写活性化に必須なEcoSSB領域を規定するために、本発明者らは、ヒトミトコンドリアSSB(HmtSSB)の効果を試験した。このHmtSSBは、EcoSSBに対する広範な配列相同性および構造相同性を示す。EcoSSBのN末端は、DNA結合決定基およびテトラマー化決定基を含み、一方、そのC末端は、他の複製タンパク質との相互作用に関与する。Hmt SSBは、vRNAP転写に対して何の効果も有さないが、プロモーターヘアピンをなくさない。興味深いことに、変異体EcoSSBおよびEcoSSB−Hmt SSBキメラを使用する予備結果は、EcoSSBのC末端領域が、vRNAP転写活性化に必須であることを示唆する。
(実施例4)
(ミニ−vRNAP転写特性の特徴付け)
全長RNAポリメラーゼおよびミニ−vRNAPの初期特性を、同様のモル濃度で比較した(図9A)。この比較には、触媒自己標識アッセイおよび2つの反応条件を使用した。第1の条件は、+1Cを含むテンプレート、GTPのベンズアルデヒド誘導体およびα32 P−ATPを使用し、または第2の条件は、+1Tを含むテンプレート、ATPのベンズアルデヒド誘導体およびα32 P−GTPを使用した。図9Bおよび9Cにおける結果の比較は、ミニ−vRNAPが、全長vRNAPと類似する初期特性を示すことを示す。さらに、両方の酵素は、同じ程度までdATP取り込みを区別する。ミニ−vRNAPは、その転写物の最初の4ヌクレオチドが50%以上のGヌクレオチドまたはCヌクレオチドから構成される場合には、失敗産物を合成しない。
両方の酵素の伸長特性および終結特性を、図10に比較する。類似する短い(ラン−オフ)(run−off)転写物および終結転写物を合成する。さらに、EcoSSBは、両方の酵素による転写を同じレベルまで活性化する。この結果は、vRNAPとEcoSSBとの間に何らかの特異的接触部位が存在する場合、それらの部位は、ミニ−vRNAPドメイン中に存在することを示す。
N4ゲノム中に存在するvRNAPのターミネーターシグナルの配列は、配列番号21〜26を含む。配列番号21および22のシグナルを、一本鎖テンプレートに関してインビトロで試験している。
ミニ−vRNAP転写速度を、同じDNAテンプレートを使用して同じ条件下でT7 RNAポリメラーゼの速度と比較した。使用したテンプレートは、本来のT7プロモーターと、クローニングを介して導入されたN4 vRNAP P2プロモーターとを含む、線状化pET11であった。そのDNAテンプレートを、N4ミニ−vRNAPを使用して転写を実施する前に、変性させた。T7 RNAP(Promega,カタログ番号P2075)の濃度およびミニ−vRNAPの濃度を、SDS−PAGEを使用して比較した。転写反応物は、50nMのポリメラーゼ、100nMのDNAテンプレート、T7 RNAP備え付けの5×転写緩衝液、および1mMのATP、1mMのGTP、1mMのCTP、ならびに0.1mMの[32P]−UTP(1Ci/mmol)を含んだ。各反応混合物を2つに分割し、E.coli SSBを半分に添加した。これらの混合物を37℃でインキュベートし、そしてアリコートを異なる時点で採取した。転写産物を、6%配列決定ゲル上で電気泳動し、そして放射性標識RNAの量を、ホスホイメージング(phosphoimaging)により定量した。この結果は、以下のことを示す:(a)T7 RNAPの転写は、E.coli SSBの存在によって影響されない。(b)N4 ミニ−vRNAPは、異なるインキュベーション時点で、EcoSSBの存在下で、T7 RNAPの1.5〜5倍多いRNAを合成した。
ミニ−vRNAP転写のための最適温度は、37℃である。ミニ−vRNAPは、30℃で70%の活性を示し、45℃で65%の活性を示し、そして50℃では20%の活性しか示さない。
平均エラー頻度を評価した。この評価は、転写領域中の対応するテンプレートヌクレオチドを欠くテンプレートssDNAを使用して、RNA産物中への4種の[32P]−αNTP各々の誤取り込み頻度を測定することによった。以下の値が得られた:「Cなし」(配列番号10)ssDNAテンプレートおよび「Aなし」(配列番号11)ssDNAテンプレートをそれぞれ使用するGおよびUの誤取り込みについて、1/5×10;「Gなし」(配列番号12)テンプレートを使用するCの誤取り込みについて、1/4×10;ならびに「Tなし」(配列番号13)テンプレートを使用するAの誤取り込みについて、1/2×10。比較として、T7 RNAPについての平均エラー頻度は、1/2×10である(Huangら、2000)。Huangら(2000)により記載される誤対合形成の検出方法を使用すると、ミニ−vRNAPによる誤取り込みは検出されなかった。
ミニ−vRNAPが誘導体化ヌクレオチドを取り込む能力を測定した。0.1〜1mMジゴキシゲニン−11−UTP(カタログ番号1209256、Roche)、ビオチン−16−UTP(カタログ番号1388908、Roche)または非誘導体化UTPの存在下でのミニ−vRNAPによる転写は、転写テンプレートとして「コントロール」ssDNA(配列番号9)を使用して、同等の量のRNA産物を生じた。誘導体化UTPの存在下で合成されたRNA産物は、非誘導体化UTPの存在下で合成されたRNA産物より高い分子量を有し、そしてその差異は、使用するUTPの質量の差異に対応する。いくつかの誘導体(すなわち、2’−フルオロ−リボヌクレオシド三リン酸、ジデオキシヌクレオシド三リン酸)を試験する。蛍光アナログであるフルオレセイン−12−UTP(Rocheカタログ番号1427857)を、一連のUを含む51ヌクレオチド転写物をコードするテンプレートと、ATP、CTP、GTPおよびフルオレセイン−12−UTPのみを含むヌクレオチド混合物とを使用して、試験した。転写は、同じ反応条件下でUTP、ビオチン−6−UTPまたはジゴキシゲニン−11−UTPを用いて達成される転写のたった3%であった。しかし、より高収率での蛍光アナログの取り込みが、非誘導体化UTPの存在下で、または他の配列組成を有するテンプレート上で、生じると予期される。
(実施例5)
(ミニ−vRNAPプロモーター結合の配列決定基)
N4ゲノム中に存在する3つのN4初期プロモーターは、5bpプロモーターステムの塩基から4ヌクレオチド分隔てられた一対のCを含む。好ましいプロモーターP2において、これらの4塩基はAであり、Cの後にTが続く。好ましくは、ミニ−vRNAPは、転写開始部位のすぐ上流に位置する17ヌクレオチドプロモーター配列を使用する。N4 vRNAポリメラーゼのプロモーターは、Haynesら(1985)およびDaiら(1998)(本明細書中に参考として援用される)に記載される。vRNAPプロモーター認識配列およびvRNAPプロモーター活性は、特定の配列と、テンプレート鎖上のヘアピン構造とを必要とする。配列番号27〜29のvRNAPプロモーターは、5〜7bpステムと3bプリン含有ループ(表6において太字で示される)とから構成されるヘアピン構造をとる(逆方向反復に、表6において下線を付す)。−11位は、そのループの中心に対応し、+1は、転写開始部位を示す。
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本発明の他の可能なvRNAPプロモーターは、2〜7bp長ステムと、中心および/または中心位置の隣にプリンを有する3〜5bループとを含む、ヘアピンを形成する任意の逆方向反復の組を含む。
プロモーター結合の配列決定基を研究するために、20塩基長プロモーターオリゴヌクレオチド(野生型vRNAPプロモーターP2配列を含み、1つの5−ヨード−dUですべての位置で置換されている)を使用した。そのステム中にいつ置換がなされても、対応する対合塩基はAに変化した。これらのオリゴヌクレオチドを32P末端標識した。そして、それを使用して、フィルター結合アッセイによって、プロモーターDNAについての酵素の親和性を測定し、そして320nmでのUV照射の際にミニ−vRNAPに架橋する能力を測定した。野生型プロモーターP2配列を含む20塩基オリゴヌクレオチドは、1nM Kdで結合する。ほとんどのオリゴヌクレオチドは、−11位(ループの中心)および−8位で置換されたオリゴヌクレオチド以外は、野生型の親和性に近いことを示した。このことは、これらの位置が、プロモーター認識に必須であることを示す(図11)。驚くべきことに、UV架橋は、低結合親和性にも関わらず、−11位で最も有効であった。このことは、この位置でミニ−vRNAPに特異的接触することを示す。架橋はまた、+1位、+2位、および+3位で観察された。このことは、テンプレートのこの領域との非特異的接触を示す。なぜなら、これらの位置で5−ヨード−dU置換されたオリゴヌクレオチドは、野生型結合親和性を示したからである。
ミニvRNAPが、P2プロモーターDNAに結合する能力に対する、ヘアピンのステムの長さにおける変化の効果を、分析した。上に示されるように、5bpのステムを有する野生型プロモーターP2は、1nMのKdを有する(図12、上部)。このステムを、図12(左)に示されるように3’塩基の除去によって短縮した。ステムは、結合親和性を変化することなく、2塩基対分短縮され得る。2つまたは1つのループ近接塩基対が残っている場合、鋳型の結合親和性は、依然としてかなり存在する(2〜10nM)。この結果は、驚くべきことではあるが、オリゴヌクレオチド3’d(CGAGGCG)5’が異常に安定なミニヘアピンを形成する(Yoshizawaら、1997)ことが示されていたので、予期されなくはない。さらに1つのヌクレオチドが除去されて、ループを形成し得ない場合、結合は観察されない。これらの結果は、ループの形成が、vRNAPプロモーター認識に必須であることを示す。
3’塩基の付加によってステムを伸長する効果は、図12(右)に示される。ステムは、結合親和性を変化することなく、2塩基対分伸長され得る。一方、−2位での塩基の対形成は、2桁の大きさで結合親和性を減少し、さらに1桁の大きさの減少が、−1位および+1位での塩基対形成により生じる。これらの結果は、−2位、−1位および+1位で鋳型が一本鎖であることが、効率的な鋳型結合に必要とされることを示す。
N4ゲノムに存在する全3つのN4初期プロモーターは、5bpプロモーターステムの塩基から4ヌクレオチドによって隔てられたCの対を含む。プロモーターP2において、これらの4塩基はAであり、そしてCの後ろにTが続く。転写開始部位の決定基を同定するために、一連の鋳型を、プロモーターP2に存在するAの広がりの付加または欠失によってヘアピンの11位から異なる距離に配置された1つのCと共に構築した(図13)。これらのプロモーターのミニvRNAPの親和性を、フィルター結合によって測定し、そして転写開始を、ミニvRNAPの触媒自己標識化によって測定した。全鋳型が、同様の結合親和性を示した。しかし、ヘアピンの中央から12塩基下流に配置されたCを有する鋳型のみが、転写開始を支持し得た。この結果は、ミニvRNAPが、転写開始部位(+1)としてこの位置を使用することを示す。
(実施例6)
(ミニvRNAP活性に必須な配列モチーフの同定)
図2Aに示されるように、vRNAPは、配列RxKx6−7YG(Pol IポリメラーゼおよびPolαDNAポリメラーゼならびにT7様RNAポリメラーゼにおいてモチーフBと称される)を含む。vRNAP活性に対するこのモチーフの関連性を決定するために、2つの変異体(K670AおよびY678F(配列番号8)(ミニvRNAP中の位置番号))を、ミニvRNAPの部位特異的変異誘発によって構築した。T7様RNAポリメラーゼにおいて、リジンは、ヌクレオチド結合に関与し、チロシンは、デオキシヌクレオシドトリホスフェートの区別に関与するので、これらの2つの位置を選択した(Maksimovaら、1991;Bonnerら、1992;Osumi−Davisら、1992)。Hisタグ化Y678FミニvRNAP遺伝子(配列番号7)は、2つの位置でミニvRNAPドメイン配列(配列番号3)と異なる:ヌクレオチド2033(A)を、Tに交換し、そしてヌクレオチド2034(T)を、Cに交換した。
これらのRNAポリメラーゼ変異体を、pBAD制御下でクローン化し、精製し、そして野生型のポリメラーゼに対する結合能力について試験した。両方の変異体ポリメラーゼは、野生型親和性でプロモーターDNAに結合し、そして野生型親和性で−11位および+3位で5−ヨード−dU置換されたP2 DNA鋳型に架橋した(図14)。このことは、これらの変異が、プロモーター結合に影響しないことを示す。
変異体酵素を、短縮(ラン−オフ)(run−off)転写を支持する能力について試験した。野生型酵素およびY678F酵素(配列番号8)は、鋳型過剰条件および鋳型制限条件の両方で類似の活性を示したが、K670A酵素は、両方の条件下で減少した活性を示した(図15)。制限鋳型条件下で、全3つの酵素を、Eco SSBで活性化した(右パネル)。しかし、Y678F酵素は、リボヌクレオシドトリホスフェートとデオキシリボヌクレオシドトリホスフェートとの間での区別の減少を示した。
3つの酵素の開始特性を、触媒自己標識化を用いて比較した(図16)。K670A酵素は、GTP誘導体で有意に減少した活性を示す。野生型ポリメラーゼと対照的に、Y678F酵素は、1回のホスホジエステル結合形成において、rATPと同様の効率でdATPを取り込む。
従って、K670AおよびY678F変異体酵素の挙動は、モチーフBが触媒に関与し、リジンはおそらくNTP結合に必要であり、そしてチロシンは、dNTPの区別を担うことを示す。これらの結果は、広範な配列類似性の欠損にもかかわらず、vRNAPが、クラスII T7様RNAポリメラーゼであることを示唆する。最近の実験の結果は、触媒に関与する2つのカルボン酸塩(アスパラギン酸)の位置を明らかにした。
(実施例7)
(ミニvRNAPおよびN4 vRNAPプロモーターを使用するRNAおよびタンパク質のインビボでの発現のためのインビボシステムの開発)
プラスミド鋳型を、2つの方向のいずれかで存在するvRNAPプロモーターP2制御下でクローン化されたレポーター遺伝子(β−ガラクトシダーゼのα−ペプチド)を用いて構築した(図17B)。レポーター構築物を、プラスミドpACYC177(これは、New England Biolabsから入手した)へカセットをクローニングすることによって生産した。このカセットは、pT7Acから始まる約30bp長のフラグメント(United States Biochemicalから購入)、N4プロモーターおよびlacZのαフラグメントをコードする配列(lacZ’)を含む。N4プロモーターおよびlacZ’を、それぞれ、オリゴヌクレオチドアニーリングおよびPCRTM増幅によって生産した。このカセットを、制限酵素ApaLIの切断部位とおよびBamHIの切断部位との間に位置したpACY177配列に置換した。これらのレポータープラスミドおよびプラスミドを発現する組換え全長vRNAPまたはミニvRNAPを、E.coli DH5α(ΔM15)(この株は、β−ガラクトシダーゼ ω−ペプチドをコードする)に導入した。この株におけるレポーター遺伝子(α−ペプチド)の発現は、活性β−ガラクトシダーゼの合成、そして結果としてのX−galプレートでの青色コロニーの生産を生じる。全長vRNAPおよびミニRNAPによるα−エプチドの転写を、誘導X−gal培地上でアッセイし、そして図17Aに示した。全長ポリメラーゼの導入は、β−ガラクトシダーゼ活性を有さない小さなコロニーを生じる。これは、全長のvRNAPが、これらの細胞において分解されたので、驚くべきことではない(図17C)。対照的に、ミニvRNAPの導入は、検出可能なレベルのタンパク質(図17C)および適切な方向にプロモーターP2を含むプラスミドのみに由来するβガラクトシダーゼ活性を導いた(図17A)。これらの結果は、このシステムがミニ−N4 vRNAPプロモーター制御下で、RNAおよびタンパク質のインビボ発現に適切であることを示す。
本明細書中に開示され、そして特許請求される全ての方法は、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、作製および実行され得る。本発明の組成物および方法は好ましい実施形態に関して記述され、変化が、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される方法および方法の工程または工程の流れに適用され得ることが当業者に明らかである。より詳細には、化学的関連試薬および生理的関連試薬の両方である、特定の試薬が、同一または類似の結果を達成しつつ、本明細書中に記載される試薬と置換され得ることが明らかである。当業者に明らかである全てのこのような類似の置換および改変は、添付される特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神、範囲および概念内であるとみなされる。
(参考文献)
以下の参考文献は、それらが本明細書中に示される手順または詳細を補充する例示的手順または他の詳細を提供する程度まで、特に本明細書中で参考として援用される。
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以下の図面は、本明細書の一部を形成し、そして本発明の特定の局面をさらに実証するために含まれる。本発明は、本明細書中に示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせた1つ以上のこれらの図面を参照することによりより良く理解され得る。
図1は、一本鎖テンプレート上のバクテリオファージN4 vRNAPプロモーターを示す。これらのプロモーターは、保存された配列、および5bpのステム、3塩基のループヘアピン構造により特徴付けられる。 図2は、N4 vRNAPおよびミニvRNAPの作製を示す。図2Aは、以下の3つのモチーフ:DNA依存性ポリメラーゼ、見出されるT/DxxGRモチーフ(Pループ)、いくつかのヌクレオチド結合タンパク質中に存在するATP/GTP結合モチーフ、およびモチーフB(RxKx6〜7YG)、を有するN4 vRNAPタンパク質の概略図を示し、3つのモチーフのうちの1つは、Pol I DNAポリメラーゼおよびPol α DNAポリメラーゼならびにT7様RNAポリメラーゼに共通する。図2Bは、ミニ−vRNAPを示す。 図3は、タンパク質溶解切断によるN4 vRNAPの最小の転写活性ドメインの同定を示す。トリプシンを用いたvRNAP消化の産物のSDS−PAGE分析(図3A)。3つの初期タンパク質溶解フラグメントのN末端配列決定は、安定な活性ポリペプチド(ミニ−vRNAP)がvRNAPの中央1/3に対応し、この領域が図2Aに記載される3つのモチーフを含むことを示した(図3B)。 図4は、全長ポリメラーゼのORF、ミニvRNAPおよびその変異体が、N末端ヘキサヒスチジンタグを用いて、pBAD制御下でクローニングされていたことを示す。 図5は、クローン化したvRNAPおよびミニvRNAPの精製を示す。左手側は、等容量の誘導化細胞由来の、TALONカラムにより精製されたフルサイズのvRNAPタンパク質およびミニvRNAPタンパク質の相対量を示す。monoQカラムによるさらなる濃縮は、フルサイズvRNAPと比較して、ミニvRNAPが誘導後に安定である(右)ことを明らかにする。 図6は、3つの異なるssDNA濃度での、EcoSSBによるN4 vRNAP転写の活性化を示す。EcoSSB活性化の程度は、テンプレート濃度依存性であり、低いDNAテンプレート濃度で最も高い活性を有した。 図7は、ssDNAテンプレート再生に対するEcoSSBの効果を示す。EcoSSBの非存在下において、転写の増加は、10分以上のインキュベーションで観察されなかった(図7A)。EcoSSBの非存在下で実施された20分での反応物へのテンプレートの添加は、RNA合成の劇的な増加をもたらした(図7B)。RNA合成は、インキュベーションの期間にわたり、直線的に増加した(図7C)。20分でのEcoSSBの添加は、低速度の転写回復を導いた(図7D)。 図8は、vRNAP転写におけるテンプレートDNAおよび産生RNAの状態に対するEcoSSBの効果を示す。ネイティブのゲル電気泳動が、EcoSSBの非存在下および存在下で実施された。転写は、中間(5μM)のDNA濃度で実施され、EcoSSBのわずか2倍の効果が観察される。32P標識されたテンプレート(右パネル)または標識されたNTP(左パネル)のいずれかが、EcoSBBの非存在下または存在下でのテンプレート(右パネル)またはRNA産物(左パネル)の状態を分析するために用いられた。 図9は、vRNAPおよびミニvRNAPによる転写開始を示す。全長vRNAポリメラーゼおよびミニvRNAポリメラーゼの開始特性が、触媒自動標識アッセイ(catalytic autolabeling assay)および2つの反応条件を用いて(+1C、GTPのベンズアルデヒド誘導体、およびα32P−ATPを含むテンプレートを用いてか、または+1T、ATPのベンズアルデヒド誘導体、およびα32P−GTPを含むテンプレートを用いて)類似のモル濃度で比較された(図9A)。図9Bおよび図9Cにおける結果の比較は、ミニvRNAPが、フルサイズvRNAPに類似する開始特性を示すことを実証した。 図10は、vRNAPおよびミニvRNAPの転写に対するEcoSSBの効果を示す。vRNAPとミニvRNAPとの延長特性および終結特性が比較される。 図11は、ミニvRNAPプロモーター接触の決定を示す。野生型プロモーターP2配列を含む20塩基オリゴヌクレオチドが、1nM Kdで結合する(図11A)。特定の位置で5−ヨード−dUで置換されたほとんどのオリゴヌクレオチドは、−11位(ループの中心)および−8位で置換されたオリゴヌクレオチドを除いて野生型の親和性に近いことを示し、このことは、これらの位置が、プロモーター認識のために必須であることを示す(図11B)。UV架橋は、ミニvRNAPが最初に−11位で接触することを示す。 図12は、ステム長プロモーター変異体の結合親和性を示す。5bpのステムを有する野生型プロモーターP2は、1nMのKdを有する(上)。このステムは、3’塩基の除去により短縮される(左)。このステムは、2組の塩基対により結合親和性を変化することなく短くされ得る。3’塩基の付加によりステムを長くする効果を示す(右)。このステムは、2組の塩基対により、結合親和性を変化することなく長くされ得る。 図13は、触媒自動標識による翻訳開始部位の同定を示す。一連のテンプレートが、プロモーターP2に存在するAs域の付加または欠失によってヘアピンの中心(−11位)から異なる位置に配置された単一のCで構築された(図13A)。これらのプロモーターに対するミニvRNAPの親和性が、フィルター結合によって測定され、そして転写開始が、ミニvRNAPの触媒自動標識により測定された。全てのテンプレートが、類似の結合親和性を示した。しかし、ヘアピンの中心から12塩基下流にCが位置するテンプレートのみが転写開始を支持し得た(図13B)。 図14は、プロモーターオリゴヌクレオチドへの変異体ミニvRNAPaseのUV架橋を示す。2つの変異体(K670AおよびY678F)が、それらが野生型プロモーターに結合する能力について試験された。野生型の親和性を有する、プロモーターDNAに結合された変異体RNAポリメラーゼおよび5−ヨード−dU置換されたP2 DNAテンプレートに−11位および+3位で架橋された変異体RNAポリメラーゼの両方ならびに野生型酵素は、これらのポリメラーゼ変異がプロモーター結合に影響しないことを示す。 図15は、変異体ミニvRNAPaseによるランオフ(run−off)転写を示す。野生型酵素およびY678F(配列番号8)は、テンプレート過剰条件およびテンプレート制限条件の両方の条件下で類似の活性を示したが、K670A酵素は、両方の条件下で減少した活性を示した。制限テンプレート条件下で、3つ全ての酵素が、EcoSSBにより活性化された(右パネル)。しかし、Y678F酵素は、リボヌクレオシド三リン酸とデオキシリボヌクレオシド三リン酸の取り込みの間で減少した分離を示した。 図16は、転写開始における変異体ミニvRNAPaseを示す。3つの酵素の開始特性が、触媒的自己標識を用いて比較された。K670A酵素は、GTP誘導体を用いた有意に減少した活性を示す。Y678F酵素は、野生型ポリメラーゼと比較して、1回のホスホジエステル結合形成においてrATPと同じ程度に効率的にdATPを取り込む。 図17は、N4 vRNAPおよびミニvRNAPのインビボでの活性の検出を示す。フルサイズおよびミニvRNAPによるβ−ガラクトシダーゼα−ペプチドの転写が、誘導Xgal培地上でアッセイされた(図17A)。プラスミド(pACYC)テンプレートが、2つの方向のいずれにクローニングされたvRNAPプロモーターP2の制御下で、レポーター遺伝子(βガラクトシダーゼのαペプチド)を用いて構築された(図17B)全長vRNAPが分解されたが、一方で、ミニvRNAPの誘導は、検出可能なレベルのタンパク質の産生および蓄積を導いた(図17C)。

Claims (97)

  1. 単離された核酸であって、配列番号4、配列番号6、または、配列番号8に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする領域からなる、核酸。
  2. 前記核酸が、配列番号3、配列番号5、または、配列番号7の核酸配列からなる、請求項1に記載の核酸。
  3. 前記核酸が、プロモーターに作動可能に連結されている、請求項1に記載の核酸。
  4. 前記プロモーターが、配列番号16、配列番号19、配列番号27、配列番号28または配列番号29に示されるN4 vRNAPプロモーターである、請求項3に記載の核酸。
  5. 前記プロモーターが、配列番号16または配列番号28に示されるP2配列である、請求項3に記載の核酸。
  6. 組換え宿主細胞であって、配列番号4または配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するN4ビリオンRNAポリメラーゼをコードするDNAセグメントを含む、組換え宿主細胞。
  7. 前記DNAセグメントが、1本鎖DNAセグメントである、請求項6に記載の組換え宿主細胞。
  8. 前記DNAセグメントが、2本鎖DNAセグメントである、請求項6に記載の組換え宿主細胞。
  9. 前記DNAセグメントが、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、請求項6に記載の組換え宿主細胞。
  10. 前記DNAセグメントが、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、請求項6に記載の組換え宿主細胞。
  11. 前記細胞が、E.coli細胞である、請求項6に記載の組換え宿主細胞。
  12. 組換えベクターであって、プロモーターの制御下に、配列番号4または配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するN4ビリオンRNAポリメラーゼポリペプチドをコードするDNAセグメントを含む、組換えベクター。
  13. 単離されたポリヌクレオチドであって、配列番号3と同一または相補的な配列からなる、ポリヌクレオチド。
  14. 前記ポリペプチドが、少なくとも1つのヒスチジンタグを有する、請求項1に記載の核酸。
  15. 前記ポリペプチドが、配列番号4のY679位に変異を有するか、または、配列番号6のY715に変異を有する、請求項1に記載の核酸。
  16. RNAを作製する方法であって、以下:
    (a)N4ビリオンRNAポリメラーゼを得る工程;
    (b)DNAを得る工程;
    (c)該RNAポリメラーゼと該DNAとを混合する工程;ならびに
    (d)該RNAポリメラーゼおよび該DNAを、RNA合成を可能にするに有効な条件下で培養する工程
    を包含する、方法であって、
    ここで、該RNAポリメラーゼは、配列番号4または配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼ、および、配列番号4または配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼの変異体からなる群から選択され、ここで、該変異体は、配列番号4の位置番号Y679に変異を有するか、または、配列番号6の位置番号Y715に変異を有する、方法。
  17. 修飾リボヌクレオチドまたは修飾デオキシリボヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを合成する工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記DNAが、1本鎖DNAである、請求項16に記載の方法。
  19. 前記DNAが、2本鎖DNAである、請求項16に記載の方法。
  20. 前記混合する工程が、宿主細胞内で起こる、請求項16に記載の方法。
  21. 前記宿主細胞が、E.coli宿主細胞である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記RNAポリメラーゼが、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する、請求項16に記載の方法。
  23. 前記RNAポリメラーゼが、配列番号4または配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼ変異体である、請求項16に記載の方法であって、
    ここで、該変異体は、配列番号4の位置番号Y679に変異を有するか、または、配列番号6の位置番号Y715に変異を有する、方法。
  24. 前記変異体が、ヒスチジンタグ化されている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記RNAが、誘導体化ヌクレオチドを含む、請求項16に記載の方法。
  26. プロモーターを用いる工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  27. 前記プロモーターが、配列番号16、配列番号19、配列番号27、配列番号28または配列番号29に示されるN4 vRNAPプロモーターである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記プロモーターが、配列番号16または配列番号28に示されるP2配列である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記プロモーターが、2〜7塩基対長のステムおよび3〜5塩基のループを有するヘアピンであって、該ループの中央の位置および/または中央の位置の隣にプリンを有するヘアピンを形成する逆方向反復のセットを含む、請求項26に記載の方法。
  30. 前記プロモーター配列が、転写開始部位の上流にある、請求項26に記載の方法。
  31. 工程(c)が、6と9との間のpHで実施される、請求項16に記載の方法。
  32. 工程(c)が、7.5と8.5との間のpHで実施される、請求項31に記載の方法。
  33. Mg+2またはMn+2を混合する工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  34. Mg+2を混合する工程を包含する、請求項33に記載の方法。
  35. 25℃〜50℃の温度で実施されるとさらに規定される、請求項16に記載の方法。
  36. 30℃〜45℃の温度で実施されるとさらに規定される、請求項35に記載の方法。
  37. 32℃〜42℃の温度で実施されるとさらに規定される、請求項36に記載の方法。
  38. 翻訳の工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  39. レポーター遺伝子を用いる工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  40. 前記レポーター遺伝子が、β−ガラクトシダーゼのα−ペプチドである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記混合する工程が、インビボで起こる、請求項16に記載の方法。
  42. 前記混合する工程が、インビトロで起こる、請求項16に記載の方法。
  43. E.coli1本鎖結合タンパク質(EcoSSB)、EcoSSBに相同なSSBタンパク質またはEcoSSBに相同な別の天然に存在するかもしくはキメラのSSBタンパク質と、前記DNAおよび前記ポリメラーゼとを混合する工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  44. 前記RNAを翻訳する工程をさらに包含する、請求項43に記載の方法。
  45. 前記DNAが、1本鎖直鎖状DNAである、請求項16に記載の方法。
  46. 前記DNAが、1本鎖環状DNAである、請求項16に記載の方法。
  47. 前記環状DNAが、バクテリオファージM13 DNAである、請求項46に記載の方法。
  48. 前記DNAが、変性したDNAである、請求項16に記載の方法。
  49. 前記変性したDNAが、1本鎖DNAである、請求項48に記載の方法。
  50. 前記RNAが、精製されたRNAである、請求項16に記載の方法。
  51. 前記RNAが、修飾ヌクレオチドを含む、請求項16に記載の方法。
  52. 混合されたRNA−DNAオリゴヌクレオチドが作製される、請求項16に記載の方法。
  53. EcoSSBが、前記RNAポリメラーゼおよび前記DNAと混合されず、そして該RNAが、DNA/RNAハイブリッドの形態である、請求項16に記載の方法。
  54. 前記RNAが、検出可能な標識を含む、請求項16に記載の方法。
  55. 前記検出可能な標識が、蛍光タグである、請求項54に記載の方法。
  56. 前記検出可能な標識が、ビオチンである、請求項54に記載の方法。
  57. 前記検出可能な標識が、ジゴキシゲニンである、請求項54に記載の方法。
  58. 前記検出可能な標識が、2’−フルオロヌクレオシド三リン酸である、請求項54に記載の方法。
  59. 前記検出可能な標識が、放射性標識である、請求項54に記載の方法。
  60. 前記放射性標識が、35S標識または32P標識である、請求項59に記載の方法。
  61. 前記RNAが、ブロッティング実験またはインサイチュハイブリダイゼーションのためのプローブとしての使用に適合している、請求項54に記載の方法。
  62. ヌクレオシド三リン酸(NTP)が、前記RNA中に取り込まれる、請求項16に記載の方法。
  63. 前記NTPが、検出可能な標識を含む、請求項62に記載の方法。
  64. 前記NTPが、誘導体化NTPである、請求項63に記載の方法。
  65. デオキシヌクレオシド三リン酸が、前記RNAに取り込まれる、請求項16に記載の方法。
  66. 前記RNAが、NMR構造決定に適合している、請求項16に記載の方法。
  67. 前記RNAが、10と1000との間の塩基を有する、請求項66に記載の方法。
  68. 前記RNAが、10と300との間の塩基を有する、請求項67に記載の方法。
  69. 前記RNAが、スプライセオソームアセンブリに適合している、請求項16に記載の方法。
  70. 前記RNAが、スプライシング反応に適合している、請求項16に記載の方法。
  71. 前記RNAが、アンチセンス実験における使用に適合している、請求項16に記載の方法。
  72. 前記RNAが、相補性ヌクレオチド配列をプローブする際の使用に適合している、請求項16に記載の方法。
  73. 前記RNAが、RNaseプロテクションの研究におけるプローブとしての使用に適合している、請求項16に記載の方法。
  74. 前記RNAを細胞に送達する工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  75. 前記送達する工程が、マイクロインジェクションによる、請求項74に記載の方法。
  76. 前記RNAを増幅する工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
  77. RNAを作製する方法であって、以下:
    (a)N4ビリオンRNAポリメラーゼを得る工程;
    (b)1本鎖DNAオリゴヌクレオチドを得る工程であって、ここで、該オリゴヌクレオチドは、N4ビリオンRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;
    (c)該RNAポリメラーゼと該オリゴヌクレオチドとを混合する工程;ならびに
    (d)該RNAポリメラーゼおよび該オリゴヌクレオチドを、RNA合成を可能にするに有効な条件下で培養する工程
    を包含する、方法であって、
    ここで、該RNAポリメラーゼは、配列番号4、配列番号6、または、配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する、方法。
  78. 前記DNAが、20と200との間の塩基を有する、請求項77に記載の方法。
  79. RNAを作製する方法であって、以下:
    (a)N4ビリオンRNAポリメラーゼを得る工程;
    (b)1本鎖DNAを得る工程であって、ここで、該DNAは、N4ビリオンRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;
    (c)リボヌクレオシド三リン酸(XTP)または誘導体化リボヌクレオシド三リン酸を得る工程;
    (d)該RNAポリメラーゼと、該DNAと、該XTPとを混合する工程;ならびに
    (e)該RNAポリメラーゼおよび該オリゴヌクレオチドを、RNA合成を可能にするに有効な条件下で培養する工程であって、ここで、該RNAは、誘導体化RNAである、工程
    を包含する、方法であって、
    ここで、該RNAポリメラーゼは、配列番号4または配列番号8に示されるアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼ、および、配列番号4または配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼの変異体からなる群から選択され、ここで、該変異体は、配列番号4の位置番号Y679位に変異を有するか、または、配列番号6の位置番号Y715に変異を有する、方法。
  80. 前記RNAポリメラーゼが、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する、請求項79に記載の方法。
  81. 前記RNAポリメラーゼが、配列番号4または配列番号6に示されたとおりのアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼの変異体であり、ここで、該変異体は、配列番号4の位置番号Y679に変異を有するか、または、配列番号6の位置番号Y715に変異を有する、請求項79に記載の方法。
  82. 前記RNAポリメラーゼが、配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する、請求項79に記載の方法。
  83. インビボでのタンパク質合成のための方法であって、以下:
    (a)配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するRNAポリメラーゼまたはその変異体を得る工程であって、ここで該変異体は、配列番号4の位置番号Y679での変異を有する、工程;
    (b)DNAを得る工程であって、ここで、該DNAは、N4ビリオンRNAポリメラーゼプロモーター配列を含む、工程;
    (c)該RNAポリメラーゼと該DNAとを混合する工程;
    (d)該RNAポリメラーゼおよび該DNAを、RNA合成を可能にするに有効な条件下で培養する工程;ならびに
    (e)該RNAを、タンパク質合成を可能にするに有効な条件下でインビボで培養する工程
    を包含する、方法。
  84. 工程(e)が、2つのプラスミド系を用いることを包含する、請求項83に記載の方法。
  85. 工程(e)が、1つのプラスミド系を用いることを包含する、請求項83に記載の方法。
  86. レポーター遺伝子および前記RNAポリメラーゼが、同じプラスミドに存在する、請求項85に記載の方法。
  87. ミニ−vRNAPを作製する方法であって、以下:
    (a)vRNAPを発現する工程であって、ここ、該vRNAPは、配列番号4、配列番号6、配列番号8に示されるアミノ酸配列またはそれらの変異体を有する、工程であって、ここで、該変異体は、配列番号4の位置番号Y679に変異を有するか、または、配列番号6の位置番号Y715に変異を有する、工程;および
    (b)該vRNAPを精製する工程
    を包含する、方法。
  88. 前記発現する工程が、細菌宿主細胞、酵母宿主細胞、CHO宿主細胞、Cos宿主細胞、HeLa宿主細胞、NIH3T3宿主細胞、Jurkat宿主細胞、293宿主細胞、Saos宿主細胞、またはPC12宿主細胞において生じる、請求項87に記載の方法。
  89. 用いられる宿主細胞株における発現に適切なプロモーターを用いる工程をさらに包含する、請求項87に記載の方法。
  90. 前記プロモーターは、pBADである、請求項89に記載の方法。
  91. 前記プロモーターが、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼによって認識されるプロモーターである、請求項89に記載の方法。
  92. 前記プロモーターが、T7様バクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼによって認識されるプロモーターである、請求項89に記載の方法。
  93. 前記vRNAPが、精製において使用するための特定の組換え配列を有する、請求項87に記載の方法。
  94. 前記vRNAPが、少なくとも1つのヒスチジンタグ、FLAGタグ、ヘマグルチニンタグ、またはc−mycタグを有する、請求項92に記載の方法。
  95. 前記vRNAPが、少なくとも1つのヒスチジンタグを有する、請求項92に記載の方法。
  96. 前記精製する工程が、1工程で行われる、請求項93に記載の方法。
  97. 前記vRNAPが、タグを有さない、請求項87に記載の方法。
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