JP4336872B2 - 画像データ交換方法、画像データ交換プログラム、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、写真撮影プリント装置ならびにプリント紙ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介し、複数の通信端末間で画像データを交換する画像データ交換方法、画像データ交換プログラム、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、写真撮影プリント装置ならびにプリント紙ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばゲームセンタなどの娯楽施設において、利用者の写真撮影を行うとともに、その写真を背景画像などと合成した上でシールプリントとして出力する写真撮影プリント装置が設置されており、人気を博している。特に、写真を撮影した後、利用者が、表示画面上に表示した撮影画像に対してタッチペンなどのポインティングデバイスを用いて落書き(画像編集)を行い、画面で確認後、プリント出力する機種が普及している。
【0003】
写真撮影プリント装置においては、撮影の美しさとともに、撮影遊びや落書き遊びの要素も大きく、娯楽性が求められている。また、写真撮影プリント装置の利用者間では、撮影写真プリントを交換し、システム手帳や携帯電話等に貼り付けたり、収集したりする遊びが一般的になっている。
【0004】
このような写真撮影プリント装置の発展形として、撮影写真プリントの出力に代えて、または撮影写真プリントの出力と併せて、撮影画像データ(画像データ)を通信回線上で公開するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような写真撮影プリント装置を用いれば、利用者は、ネットワーク(通信回線)上に設けられた掲示板などを通じて、撮影画像データを交換したり、その交換相手を募集したりすることができる。例えば、利用者は、写真撮影後、自宅のパソコンからパスワード等を入力することにより、サーバ上で開設されたウェブサイトを閲覧し、そのウェブサイトに掲載された撮影画像データの内容を確認したり、交換相手の連絡先を知ったりすることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−292391号公報(公開日:平成13年10月19日)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の写真撮影プリント装置を用いて、ネットワーク上で撮影画像データを交換する場合、次のような問題点が生じていた。
【0007】
すなわち、利用者が、ネットワークを通じて撮影画像データを相手方に送信した場合であっても、相手方から引き替えとなる撮影画像データが送信される保証はなく、撮影画像データの提供が一方的なものとなるおそれがあった。
【0008】
また、相手方が撮影画像データを送信してきた場合であっても、その数や内容が、利用者の提供した撮影画像データと比較して著しく劣る場合には、撮影画像データの公平な交換とはならない。このような問題は、利用者に、撮影画像データを、ネットワークを通じて見知らぬ相手と交換することを躊躇させる原因となっていた。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ネットワークを介して、公平かつ確実な画像データ交換を実現する画像データ交換方法、画像データ交換プログラム、これを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、写真撮影プリント装置ならびにプリント紙ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像データ交換方法は、前記課題を解決するために、ネットワークを介し、複数の通信端末間で画像データを交換する画像データ交換方法であって、第一の通信端末の表示手段に、第二の通信端末から受信した第二の画像データを劣化状態で表示する劣化表示処理と、第一の通信端末が、自機の保有する第一の画像データと上記第二の画像データとの交換を申し出るための交換申出情報の入力を、第一の通信端末の利用者から受け付ける受付処理と、第一の通信端末が、上記交換申出情報を第二の通信端末に送信する申出処理と、第二の通信端末が、上記交換申出情報の内容に承諾する場合、上記第二の画像データを原状態で使用することを第一の通信端末に許可する使用許可情報を第一の通信端末に送信する許可処理と、第一の通信端末が、上記使用許可情報に基づいて、上記第二の画像データを原状態で使用する使用処理と、を備えることを特徴としている。
【0011】
上記の構成において、ネットワークとは、インターネット、LAN(Local Area Network)など公知の通信ネットワークや、公衆通信回線、専用線、ISDN(Integrated Services Digital Network)など公知の通信回線を含むものである。上記通信端末とは、上記ネットワークを介して通信処理を行うものであれば、写真撮影プリント装置、サーバ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)など、その形態を問わない。
【0012】
上記の構成において、画像データを劣化処理された状態で表示するとは、画像データに各種の品位低下処理を施した状態で表示することをいう。品位低下処理の例としては、モザイク処理、ぼかし処理、画素の間引き処理、縮小処理などが挙げられる。なお、モザイク処理などの品位低下処理は、必ずしも第二の画像データ全体に対して施される必要はなく、画像データの一部分、例えば肌色に相当する部分のみに施されてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、劣化表示処理において、第一の通信端末は、第二の通信端末から受信した第二の画像データを劣化処理された状態で表示する。具体的には、第二の通信端末が、原状態の画像データに劣化処理を施し、処理後の画像データを上記劣化状態の第二の画像データとして、第一の通信端末に送信する形態と、第二の通信端末が原状態の画像データを第一の通信端末に送信すると共に、第一の通信端末が上記原状態の画像データに劣化処理を施し、処理後の画像データを上記劣化状態の第二の画像データとして上記表示手段に表示する形態とが考えられる。後者の形態では、上記許可処理において、第二の通信端末は、使用許可の対象となる原状態の画像データを第一の通信端末に送信する。
【0014】
その後、上記申出処理において、利用者は第一の通信端末に指示することにより、劣化処理された状態で表示された第二の画像データと、利用者側の第一の画像データとの交換を第二の通信端末に申し出る。これに応じて、第二の通信端末が画像データの交換を承諾すれば、上記使用処理において、第一の通信端末は、上記第二の画像データを原画像状態で使用する。なお、上記承諾処理における交換承諾情報とは、第二の通信端末の利用者からの指示によって送信されるものでもよいし、第二の通信端末自体があらかじめ定められた手順に基づいて自動的に送信するものであってもよい。
【0015】
これにより、第一の通信端末と第二の通信端末との間で、交換の意思表示が確認された場合にのみ、第一の通信端末は、本来の原画像状態として、第二の通信端末が保有する画像データを使用することができる。この結果、画像データの提供が一方的なものとなることを回避しながら、公平かつ確実な画像データの交換を実現することができる。
【0016】
また、上記受付処理では、第一の通信端末は、交換対象となる、上記第一の画像データの画像データ数と上記第二の画像データの画像データ数とが一致する場合にのみ、上記交換申出情報のみを受け付けることが好ましい。これにより、第一の端末と第二の端末との画像データの交換をより公平なものとすることができる。
【0017】
また、上記使用処理の形態は、第二の画像データを原画像状態で使用するものであれば、特に限定されるものではないが、上記使用処理において、第一の通信端末は、上記使用許可情報に基づいて、上記原状態の第二の画像データを外部装置に送信することも好ましい。これにより、使用許可された第二の画像データを第一の通信端末で利用するだけではなく、その他の外部装置で利用することも可能になる。
【0018】
さらに、上記使用処理では、第一の通信端末は、上記原状態の第二の画像データを上記外部装置における表示手段の表示特性に応じた形態に変換し、変換後の画像データを上記外部装置に送信することが好ましい。これにより、外部装置において、適切な形態で表示される画像データを提供することが可能になる。
【0019】
なお、画像データ交換プログラムを実行させることにより、コンピュータを上記第一の通信端末として機能させることができる。さらに、上記画像データ交換プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておけば、上記画像データ交換プログラムをコンピュータに読み取り実行させることにより、コンピュータを上記第一の通信端末として機能させることが可能になる。
【0020】
本発明の写真撮影プリント装置は、前記課題を解決するために、被写体を撮影する撮影部と、上記撮影部が撮影した撮影画像をプリント出力する出力部と、ネットワークを介し、外部装置とのデータ送受信を行う送受信部とを備える写真撮影プリント装置であって、上記いずれかに記載の画像データ交換方法における第一の通信端末として機能することを特徴としている。
【0021】
これにより、写真撮影プリント装置を第一の通信端末とした画像データ交換方法の実現が可能になるとともに、例えば撮影部が撮影した撮影画像をあらわす画像データを外部装置の画像データと交換することができる。
【0022】
また、本発明のプリント紙ユニットは、前記課題を解決するために、上記の写真撮影プリント装置に用いられるプリント紙ユニットであって、画像が印刷されるプリント紙と、上記プリント紙に関する識別情報を記録する識別媒体とを備え、上記写真撮影プリント装置に備えられた識別情報読取手段によって、上記識別媒体に記録されている識別情報が読み取られ、その内容が確認された上で上記プリント紙に画像が出力されることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、識別情報読取手段で読み取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙が、当該写真撮影プリント装置において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタを動作可能とすることが可能となる。すなわち、写真撮影プリント装置において指定されているプリント紙以外は使用できないように設定することが可能となる。
【0024】
また、識別情報に用紙枚数情報を含ませることによって、プリント紙を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンすることにより、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。
【0025】
さらに、識別情報に用紙種類情報を含ませることによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について、図1乃至図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0027】
[1.システム構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る通信ネットワークシステムの概要構成を示している。本通信ネットワークシステムは、複数の写真撮影プリント装置1…(通信端末)が、通信ネットワーク2(ネットワーク)を介して、サーバ3、パーソナルコンピュータ4と接続された構成である(上記の「…」は、その直前の符号で示される構成が複数存在することを意味している)。
【0028】
写真撮影プリント装置1の詳細については後述するが、通信ネットワーク2としては、インターネット、LAN(Local Area Network)など公知の通信ネットワークや、公衆通信回線、専用線、ISDN(Integrated Services Digital Network)など公知の通信回線を利用することができる。
【0029】
また、サーバ3およびパーソナルコンピュータ4は、公知のコンピュータ構成であって、その形態を限定されるものではないが、それぞれ、各種データを処理する処理部と、各種データを記憶するメモリと、通信ネットワーク2からデータを受信する受信部と、通信ネットワーク2にデータを送信する送信部とを備えている。
【0030】
[1−1.写真撮影プリント装置の外観構成]
次に、図3乃至図4を参照しながら、写真撮影プリント装置1の外観構成について説明する。図3は、写真撮影プリント装置1の正面側(撮影部屋)構成を示す斜視図である。図4は、写真撮影プリント装置1の背面側(落書き部屋)構成を示す斜視図である。
【0031】
図3乃至図4に示すように、写真撮影プリント装置1は、装置本体11の対向する二面のそれぞれの前方空間が撮影部屋あるいは落書き部屋になるように構成されている。撮影部屋および落書き部屋の外周には、遮光性を有するビニールシートなどから構成される周囲幕(図3、図4の二点鎖線)が設けられている。この周囲幕によって、撮影時に外部からの光が撮影領域に入ってくることを防止することができるので、良好な撮影を行うことが可能となる。また、この周囲幕によって、撮影処理中および落書き処理中に照明や音声による演出が効果的になるとともに、外部からの覗き見等を防いでプライバシーを保護することが可能である。
【0032】
図3に示すように、写真撮影プリント装置1の装置本体11には、カメラ12、タッチパネル13、操作ボタン14、コイン投入口15、コイン返却口16、前面照明装置17a、仰角照明装置17c、フロントスピーカ18aが備えられている。また、装置本体11の正面方向には、天井照明装置17b(図4参照)、リアスピーカ18bが設けられている。
【0033】
また、図4に示すように、装置本体11には、タッチパネル21、タッチペン22、フロントスピーカ18c、プリント排出口19が備えられている。さらに、装置本体11の背面方向には、天井照明装置17d、リアスピーカ18dが設けられている。
【0034】
続いて、写真撮影プリント装置1の上記外観構成について詳細に説明する。
【0035】
カメラ12(撮影部)は、利用者の写真を撮影する。カメラ12は、内部に例えばレンズ群、絞り、CCD(charge coupled device)撮像素子などを備えたデジタルカメラを搭載している。また、カメラ12は、全身撮影やアップ撮影等の複数の撮影方法に対応できるように、レンズ群、絞り、フィルタ等を切り替え可能に構成されてもよい。また、カメラ12は、垂直に設けられたレールによって昇降自在に取り付けられており、利用者の指示等に応じて最適な高さに設置できる。
【0036】
タッチパネル13およびタッチパネル21は、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。タッチパネル13には、撮影処理における各種メッセージや画像、つまり、デモ画面、オープニング画面、課金処理指示画面、撮影処理における各種操作内容、撮影時の撮影画面などが表示される。
【0037】
操作ボタン14は、タッチパネル13を用いずに行う操作入力のために設けられている。なお、タッチパネル13から入力可能な操作であっても、同時に操作ボタン14から入力可能にしてもよい。タッチパネル21には、落書き処理における各種メッセージや画像、つまり、落書きなどの画像編集処理時における編集対象の画像および各種編集ツールなどが表示される。このように、写真撮影プリント装置1が動作する上で、利用者に対して提示すべき各種メッセージや画像などの表示は、タッチパネル13あるいはタッチパネル21によって行われる。
【0038】
そして、タッチパネル21の近傍(図4ではタッチパネル21の下方)には、タッチペン22が備えられている。利用者は、このタッチペン22をタッチパネル21に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることが可能となる。
【0039】
ここで、図4に示すように、写真撮影プリント装置1には、タッチパネル21およびタッチペン22が2組並設されている。これにより、2つのタッチパネル21・21にそれぞれに表示された撮影画像に、2人の利用者が同時に落書き処理などを入力することができる。なお、タッチパネル21・21には、異なる撮影画像をそれぞれ表示させることができ、利用者は、別々の撮影画像に対して落書き処理などを入力することもできる。また、落書き処理において、一方のタッチパネル21から入力された落書き処理を他方のタッチパネル21に反映することもできる。
【0040】
コイン投入口15は、利用者がプレイ料金として所定金額のコインを投入するための投入口である。また、コイン返却口16は、釣り銭が生じた場合や、コインが投入された後でリセットされた場合に、コインを利用者に対して返却するための返却口である。また、装置本体11の内部には、利用者から徴収したコインを蓄積するコイン容器(図示せず)が設けられている。
【0041】
プリント排出口19は、利用者が撮影作業および編集作業、および後述の画像データ交換作業等を終了した後、プリント出力された写真プリントが排出される箇所である。このプリント排出口19は、写真撮影プリント装置1の装置本体11の側面に配置されており、編集作業を終了した利用者は、このプリント排出口19の近傍に移動して写真プリントを取り出すことになる。
【0042】
前面照明装置17aおよび天井照明装置17bは、撮影時にフラッシュとして機能するとともに、通常時の照明として機能する。前面照明装置17aおよび天井照明装置17bの内部には、例えばフラッシュ時に発光するストロボ照明部、および通常時の照明として発光する蛍光灯などが備えられている。
【0043】
仰角照明装置17cは、利用者の顔の下から投光するためのスポットタイプの照明装置である。写真撮影プリント装置1には、仰角照明装置17cのような、種々の照明装置を適宜配設することが可能である。なお、天井照明装置17dは、落書き中の照明として機能する。
【0044】
スピーカ18(フロントスピーカ18a、リアスピーカ18b、フロントスピーカ18c、リアスピーカ18dを含む、写真撮影プリント装置1の拡声装置を総称して「スピーカ18」と称する)は、利用者に対して各種操作上のガイダンス音声や効果音などを出力する。
【0045】
[1−2.写真撮影プリント装置の機能構成]
次に、図5を参照しながら、写真撮影プリント装置1の機能構成について説明する。図5は、写真撮影プリント装置1の機能構成をあらわすブロック図である。
【0046】
図5に示すように、写真撮影プリント装置1は、前述のカメラ12、タッチパネル13,21、タッチペン22、操作ボタン14、照明装置17、スピーカ18に加え、その内部に、制御装置50、記憶装置31、課金処理部32、IDタグリーダ/ライタ33、プリンタ34(出力部)を備えている。また、写真撮影プリント装置1は、プリント紙ユニット40を搭載している。
【0047】
制御装置50は、写真撮影プリント装置1内における各種構成の動作を統括的に制御する。制御装置50は、例えばPCベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置50がインターネットなどの通信ネットワーク(図2の通信ネットワーク2を含む)に接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0048】
記憶装置31は、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。この記憶装置31に記憶される内容としては、OS(operating system)プログラム、前記制御プログラム、後述の画像データ交換プログラム、その他各種プログラム、カメラ12における動作設定値、撮影した画像および編集した画像の画像データなどが挙げられる。なお、カメラ12における動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時などに設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0049】
課金処理部32は、利用者から徴収する課金に関する処理を行う。課金処理部32による課金状況に応じて、制御装置50が利用者に対する動作を制御する。
【0050】
IDタグリーダ/ライタ(識別情報読み取り手段)33およびプリンタ(プリント手段)34は、プリンタユニットを構成しており、このプリンタユニットに対して、写真プリントの出力媒体となるプリント紙42およびIDタグ(識別媒体)41がプリント紙ユニット40としてセットで装着されるようになっている。
【0051】
プリンタ34は、出力すべきプリント用画像の画像データが制御装置50から送られてくると、その画像データに基づいてプリント紙42にプリント出力(印刷)を行う。プリンタ34としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、プリント紙42およびIDタグ41に加えて、昇華型用インクフィルムがセットになって納入され、写真撮影プリント装置1に装着される。
【0052】
IDタグリーダ/ライタ33は、IDタグ41に記録されている各種識別情報を読み出して制御装置50に出力する。IDタグ41は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成される。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、および、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0053】
通信部35(送受信部)は、通信ネットワーク2(図2参照)を含む外部ネットワークを介して、各種のデータ送受信を行う通信インタフェースである。通信部35は、上記外部ネットワークと接続するために、LANインタフェースやモデム装置などを備えるほか、利用者の携帯電話と電話網通信や電子メールの送受信を行うための携帯電話網インタフェースや専用モデム装置を併せて備えている。
【0054】
制御装置50は、IDタグリーダ/ライタ33で読み取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙42およびインクフィルムが、当該写真撮影プリント装置1において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ34を動作可能とする。すなわち、写真撮影プリント装置1において指定されているプリント紙42およびインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0055】
また、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報に基づいて、プリント紙42を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ41を無効にすることが可能となる。
【0056】
また、IDタグ41に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0057】
IDタグ41としては、無線によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ33としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0058】
なお、上記の例では、IDタグ41を利用して利用可能なプリント紙42であるか否かを確認するようになっているが、これに限定するものではなく、例えば、プリント紙42およびインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。
【0059】
なお、上記のプリント紙42としては、一般的な紙状シートを採用してもよいし、各種の粘着シートや剥離シートなどを採用してもよい。
【0060】
[3.システムの動作]
次に、図1、図6乃至図10を参照しながら、本通信ネットワークシステムの写真撮影プリント装置1における画像データ交換動作について説明する。
【0061】
図1は、本通信ネットワークを構成する写真撮影プリント装置1(図2参照)の画像データ交換動作(画像データ交換方法)を段階的に示すフローチャートである。
【0062】
写真撮影プリント装置1の画像データ交換動作は、利用者側の交換用画像データ(以下、単数であるか複数であるかを問わず「画像データA」と総称する)が準備できていれば、いつ行われてもよい。例えば、利用者が、カメラ12(図5参照)を用いた撮影処理やタッチパネル21を用いた落書き処理を完了してから、上記画像データ交換動作が行われてもよいし、あらかじめ利用者側の画像データAが記憶装置31(図5参照)に記録されている場合であれば、上記の撮影処理や落書き処理の前に行われてもよい。
【0063】
写真撮影プリント装置1の画像データ交換動作は、制御装置50(図5参照)が、記憶装置31(図5参照)に記録された画像データ交換プログラムを実行することによって実現される。以下、図1を参照しながら、上記画像データ交換動作の各フローについて説明する。
【0064】
まず、写真撮影プリント装置1は、内蔵する通信部35(図5参照)に付与された電話番号情報を含むメッセージ画面(図6(a)参照)をタッチパネル13(図3参照)に表示し、利用者の携帯電話(以下、単に「利用者携帯電話」と称する)から写真撮影プリント装置1に電話を発信するよう促す。これに応じて、利用者が写真撮影プリント1に電話を発信すると、写真撮影プリント装置1は、通信部35及び制御装置50の働きにより、発信元である利用者携帯電話の電話番号を取得する(ステップS1。以下、単に「S1」と記載する。他のステップについても同様である)。
【0065】
なお、写真撮影プリント装置1は、本ステップで取得した電話番号の確認メッセージ(図6(b)参照)をタッチパネル13に表示して、上記電話番号が正しいものであるか否かを利用者に確認することも好ましい。この場合、上記確認メッセージで表示された電話番号が利用者携帯電話の電話番号と一致していれば、利用者は「OK」の表示を押圧することにより、次ステップへの進行を指示する一方、上記確認メッセージで表示された電話番号が利用者携帯電話の電話番号と異なっていれば、利用者は「やりなおし」の表示を押圧することにより、S1の処理を繰り返して再度電話番号を取得するように指示する。
【0066】
次に、写真撮影プリント装置1は、利用者携帯電話の機種情報の入力を促すメッセージ画面(図7(a)(b)参照)をタッチパネル13に表示し、上記機種情報の入力を受け付ける(S2)。一般に、携帯電話は電話会社毎に機種が異なるので、写真撮影プリント装置1は、携帯電話会社を利用者に選択入力させ(図7(a)参照)、選択された携帯電話会社に属する機種情報のうち、詳細な機種名を利用者に選択入力させることが好ましい(図7(b)参照)。
【0067】
次に、写真撮影プリント装置1は、利用者携帯電話のメールアドレスの入力を促すメッセージ画面(図8参照)をタッチパネル13に表示し、上記メールアドレスの入力を受け付ける(S3)。上記メールアドレスの一部がS2で取得した利用者携帯電話の機種情報に基づいて推定される場合には、写真撮影プリント装置1は、推定部分の自動入力や一括入力などを可能とすることによって、利用者の入力を補助することも好ましい。
【0068】
その後、写真撮影プリント装置1は、画像データの交換を行うか否かを利用者に尋ねるメッセージ画面(図9(a)参照)をタッチパネル13に表示する。これに応じて利用者が画像データの交換を指示すれば(利用者が画像データの交換を希望しなければ処理を終了する)、写真撮影プリント装置1は、通信ネットワーク2を介し、他の写真撮影プリント装置(以下、「写真撮影プリント装置1’」と称する)から交換用の画像データ(以下、単数であるか複数であるかを問わず「画像データB」と総称する)を受信する(S4)。
【0069】
なお、画像データの交換相手となる写真撮影プリント装置1’は、写真撮影プリント装置1がその利用者の指示に応じてあらかじめ選択しておく。受信する画像データBの数に特に制限はないが、写真撮影プリント装置1がその利用者の指示に応じて指定することが好ましい。画像データB(画像データA)の形式としては、GIF形式やJPEG形式など任意のものを採用することができる。
【0070】
また、受信する画像データBには、画像データBの所有者の携帯電話番号または上記携帯電話番号に基づいて特定された所有者名等を含むファイル名が付与されていることが好ましい。例えば、画像データBの所有者の携帯電話番号が「09099999999」であれば、画像データBに「09099999999_001」「09099999999_002」等のファイル名を与える。
【0071】
これにより、画像データ交換時において、画像データBの所有者確認が容易になるので、他人になりすました相手による悪戯を防止することができる。また、写真撮影プリント装置1は、画像データBのファイル名を対象とする各種検索機能を実現することも好ましい。
【0072】
次に、写真撮影プリント装置1は、図9(b)に示すように、S4で受信した単数または複数の画像データBをタッチパネル13に劣化状態で画像表示する(S5:劣化表示処理)。図9(b)において、表示されているURL情報は、画像データBを提供した写真撮影プリント装置1’のものであり、利用者の操作指示に基づいて、上記メッセージ画面中のURL情報が変更された場合には、更に他の写真撮影プリント装置(例えば写真撮影プリント装置1’’)との間でS4からの処理を繰り返す。
【0073】
本ステップにおいて、画像データBを劣化状態で表示するとは、画像データBの原画像データに各種の品位低下処理を施した状態の画像データ(以下、「画像データB’」と称する)として表示することをいう。品位低下処理の例としては、モザイク処理、ぼかし処理、画素の間引き処理、縮小処理などが挙げられる。なお、モザイク処理などの品位低下処理は、必ずしも画像データBの全体に対して施される必要はなく、画像データBの一部分、例えば肌色に相当する部分のみに施されてもよい。
【0074】
なお、本ステップにおいて、写真撮影プリント装置1が、S4で受信した画像データBを劣化状態で表示する態様としては、画像データBに対する品位低下処理をあらかじめ相手側(写真撮影プリント装置1’)で施す態様と、利用者側(写真撮影プリント装置1)で施す態様が考えられる。
【0075】
画像データBに対する品位低下処理を相手側(写真撮影プリント装置1’)で施した場合、写真撮影プリント装置1は、品位低下処理済の画像データB’をS4で受信し、受信した画像データB’をそのままタッチパネル13に表示する。一方、画像データBに対する品位低下処理を利用者側(写真撮影プリント装置1)で行う場合、写真撮影プリント装置1は、S4で受信した画像データBに、前述の品位低下処理を施し、処理後の画像データB’をタッチパネル13に表示する。
【0076】
同時に、写真撮影プリント装置1は、画像データB’(B)のいずれについて、利用者側の画像データ(画像データA)との交換を希望するのか、利用者の選択を促すメッセージ画面(図9(b)参照)をタッチパネル13に表示する(S6:受付処理)。図9(c)は、図9(b)で表示された画像データB’のうち一つが選択されたときのタッチパネル13における画面表示例を示す図である。
【0077】
次に、写真撮影プリント装置1は、あらかじめ準備しておいた、利用者側の画像データ(画像データA)をタッチパネル13に表示する(S7)。前述したように、利用者側の画像データ(画像データA)は、あらかじめ記憶装置31(図5参照)に記録されていてもよいし、写真撮影プリント装置1による画像データ交換動作の直前に、撮影処理や落書き処理を完了したばかりのものであってもよい。
【0078】
次に、写真撮影プリント装置1は、自機の保有する画像データAと画像データB’(B)との交換を申し出るための交換申出情報の入力を、利用者から受け付ける。すなわち、利用者は、S7で表示された画像データAのうち、S6にて選択した相手方の画像データB’(B)と交換を希望する画像データAを選択する(S8:受付処理)。利用者は、S4〜S8のステップを通じて、お互いの画像データ(画像データA,画像データB’(B))を確認しながら、リアルタイム感覚で画像データを交換することができる。
【0079】
なお、利用者側の画像データAについても、相手側の画像データB’(B)と同様、S1で得た利用者携帯電話の電話番号または該電話番号に基づいて付与された所有者名等を含むファイル名が付与されることが好ましい。写真撮影プリント装置1は、上記ファイル名に基づいて、利用者と相手先との画像データ交換履歴を把握できる場合、既に交換済の画像データについて、「前にも、交換したよ!」のメッセージ表示や交換済画像の表示を特定色(例えば青色)で囲む表示などを行い、利用者にその旨を知らせることも好ましい。これにより、同一相手と重複する画像データ交換を行うことを回避することができる。
【0080】
また、写真撮影プリント装置1は、S6で選択された相手側の画像データB’(B)の数と、本ステップで選択される利用者側の画像データAの数とが一致するように、利用者に促すことも好ましい。これにより、利用者は、相手側の画像データB’(B)の数と、利用者側の画像データAの数とが一致する、公平な交換条件に基づいて、後述の交換申出を行うことが可能になる。
【0081】
さらに、写真撮影プリント装置1は、利用者側の画像データAのうち、そのデータサイズが所定値より小さいものについては、画像が含まれていないデータ、または画像が不鮮明なデータと判断し、本ステップにおける選択対象から除いておくことも好ましい。これにより、撮影ミスなどに起因して画像が含まれていないミスデータが交換されるなど、不公平なデータ交換が行われることを回避することができる。
【0082】
次に、写真撮影プリント装置1は、利用者の指示に基づいて、写真撮影プリント装置1’に対し、画像データの交換申出情報を送信する(S9:申出処理)。
【0083】
画像データの交換申出情報の内容は、画像データA及び画像データB’(B)のいずれを交換するかの条件と、利用者の交換意思情報(明示的なものの他、何らかの情報の送信が交換意思をあらわすなどの暗示的なものを含む)とをあらわすものであれば、その内容は特に限定されるものではない。上記交換申出情報は、例えば、S6における画像データB’(B)の選択情報、S8における画像データAの選択情報、S8にて選択された画像データAのデータ自体を含む。
【0084】
その後、写真撮影プリント装置1は、所定時間、S9で送信した交換申出情報に応じて交換を承諾する旨の交換承諾情報が写真撮影プリント装置1’から送信されるのを待機する(S10:承諾処理)。上記交換承諾情報の内容は、前記交換申出情報に応じる相手方の交換承諾の意思(明示的なものの他、何らかの情報の送信が承諾意思をあらわすなどの暗示的なものを含む)をあらわすものであれば、その内容は特に限定されるものではない。また、S4にて、写真撮影プリント装置1’が画像データBを送信せず、画像データB’のみを写真撮影プリント装置1に送信していた場合には、交換対象となる画像データBを上記承諾情報に併せて送信する。写真撮影プリント装置1は、本ステップにおいて、所定時間内に交換承諾情報を取得した場合には、画像データの交換が成立したものとしてS11のステップに進む一方、所定時間内に交換承諾情報を取得しなかった場合には、画像データの交換が成立しなかったものとして、その旨を利用者に知らせ、処理を終了する。
【0085】
画像データの交換が成立した場合、写真撮影プリント装置1は、原画像状態の画像データBをタッチパネル13に表示する(S11)。これにより、利用者は、S5のステップで確認した劣化状態の画像データB’ではなく、原画像状態の画像データBをはじめて確認することができる。
【0086】
最後のステップでは、写真撮影プリント装置1は、画像データBをプリンタ34(図5参照)でプリント出力する(S12:使用処理)。
【0087】
本ステップでは、写真撮影プリント装置1は、プリンタ34によるプリント出力に代えて、またはプリンタ34によるプリント出力と併せて画像データBを利用者携帯電話(S2で得られたメールアドレス)に電子メールで添付送信してもよい。この場合、写真撮影プリント装置1は、S3で得られた利用者携帯電話(外部装置)の機種情報に基づき、そのディスプレイ(表示手段)の解像度に応じた画素数に変換した状態で、画像データBを上記利用者携帯電話に送信することも好ましい。また、このような変換を行う場合には、写真撮影プリント装置1は、変換後の画像データを専用モニタ等に表示し、利用者に変換状態を確認させてから利用者携帯電話に送信することも好ましい。さらに、写真撮影プリント装置1は、送信する画像データの配布回数や配布先を制限するフラグ情報などを電子メールに添付しておくことも好ましい。
【0088】
以上、写真撮影プリント装置1における画像データ交換動作について説明したが、動作手順は必ずしも上記の例に限られるものではなく、例えば、S4乃至S6における相手側画像データ(画像データB・B’)の受信〜表示〜選択は、S7乃至S8における利用者側画像データ(画像データA)の表示・選択(送信)後に行われてもよい。
【0089】
また、前記動作説明では、写真撮影プリント装置1と写真撮影プリント装置1’とがリアルタイム通信を行うことによって、画像データの交換を行う様子を説明したが、本発明の形態はこれに限られるものではない。
【0090】
例えば、あらかじめ、写真撮影プリント装置1’が交換用画像データ(画像データB・B’)をサーバ3やパーソナルコンピュータ4(図2参照)に登録しておき、前記画像データ交換動作における写真撮影プリント装置1’の役割をサーバ3やパーソナルコンピュータ4に担わせることによって、写真撮影プリント装置1と写真撮影プリント装置1’とが、サーバ3やパーソナルコンピュータ4を介して間接的に画像データを交換することも可能である。
【0091】
図10は、複数の利用者(ユーザA〜ユーザC)の画像データがサーバ3に登録されている場合のデータ登録内容を示す模式図である。同図のように、サーバ3に画像データを登録する場合には、サーバ3が備える比較的大容量のメモリを有利に活用できるうえ、登録済の画像データをインターネットなどを通じて公開することも容易になる。
【0092】
なお、前述のように、写真撮影プリント装置1の画像データ交換動作は、前記画像データ交換プログラムに基づいて実現されるものであるが、前記画像データ交換プログラムは、記憶装置31(図5参照)の他、例えば、外部記憶装置として設けられたドライブ装置で読み取られるプログラムメディアによって供給されてもよい。
【0093】
前記プログラムメディアとは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0094】
【発明の効果】
本発明の画像データ交換方法は、以上のように、ネットワークを介し、複数の通信端末間で画像データを交換する画像データ交換方法であって、第一の通信端末の表示手段に、第二の通信端末から受信した第二の画像データを劣化状態で表示する劣化表示処理と、第一の通信端末が、自機の保有する第一の画像データと上記第二の画像データとの交換を申し出るための交換申出情報の入力を、第一の通信端末の利用者から受け付ける受付処理と、第一の通信端末が、上記交換申出情報を第二の通信端末に送信する申出処理と、第二の通信端末が、上記交換申出情報の内容に承諾する場合、上記第二の画像データを原状態で使用することを第一の通信端末に許可する使用許可情報を第一の通信端末に送信する許可処理と、第一の通信端末が、上記使用許可情報に基づいて、上記第二の画像データを原状態で使用する使用処理と、を備える構成である。
【0095】
それゆえ、第一の通信端末と第二の通信端末との間で、交換の意思表示が確認された場合にのみ、第一の通信端末は、本来の原画像状態として、第二の通信端末が保有する画像データを使用することができる。この結果、画像データの提供が一方的なものとなることを回避しながら、公平かつ確実な画像データの交換を実現することができるという効果を奏する。
【0096】
また、上記受付処理では、第一の通信端末は、交換対象となる、上記第一の画像データの画像データ数と上記第二の画像データの画像データ数とが一致する場合にのみ、上記交換申出情報のみを受け付けることが好ましい。これにより、第一の端末と第二の端末との画像データの交換をより公平なものとすることができるという効果を奏する。
【0097】
また、上記使用処理の形態は、第二の画像データを原画像状態で使用するものであれば、特に限定されるものではないが、上記使用処理において、第一の通信端末は、上記使用許可情報に基づいて、上記原状態の第二の画像データを外部装置に送信することも好ましい。これにより、使用許可された第二の画像データを第一の通信端末で利用するだけではなく、その他の外部装置で利用することも可能になるという効果を奏する。
【0098】
さらに、上記使用処理では、第一の通信端末は、上記原状態の第二の画像データを上記外部装置における表示手段の表示特性に応じた形態に変換し、変換後の画像データを上記外部装置に送信することが好ましい。これにより、外部装置において、適切な形態で表示される画像データを提供することが可能になるという効果を奏する。
【0099】
なお、画像データ交換プログラムを実行させることにより、コンピュータを上記第一の通信端末として機能させることができるという効果を奏する。さらに、上記画像データ交換プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておけば、上記画像データ交換プログラムをコンピュータに読み取り実行させることにより、コンピュータを上記第一の通信端末として機能させることが可能になるという効果を併せて奏する。
【0100】
本発明の写真撮影プリント装置は、以上のように、被写体を撮影する撮影部と、上記撮影部が撮影した撮影画像をプリント出力する出力部と、ネットワークを介し、外部装置とのデータ送受信を行う送受信部とを備える写真撮影プリント装置であって、上記いずれかに記載の画像データ交換方法における第一の通信端末として機能する構成である。
【0101】
これにより、写真撮影プリント装置を第一の通信端末とした画像データ交換方法の実現が可能になるとともに、例えば撮影部が撮影した撮影画像をあらわす画像データを外部装置の画像データと交換することができるという効果を奏する。
【0102】
また、本発明のプリント紙ユニットは、以上のように、上記の写真撮影プリント装置に用いられるプリント紙ユニットであって、画像が印刷されるプリント紙と、上記プリント紙に関する識別情報を記録する識別媒体とを備え、上記写真撮影プリント装置に備えられた識別情報読取手段によって、上記識別媒体に記録されている識別情報が読み取られ、その内容が確認された上で上記プリント紙に画像が出力される構成である。
【0103】
これにより、識別情報読取手段で読み取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙が、当該写真撮影プリント装置において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタを動作可能とすることが可能となる。すなわち、写真撮影プリント装置において指定されているプリント紙以外は使用できないように設定することが可能となるという効果を奏する。
【0104】
また、識別情報に用紙枚数情報を含ませることによって、プリント紙を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンすることにより、残りの用紙枚数を把握することが可能となるという効果を奏する。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となるという効果を併せて奏する。
【0105】
さらに、識別情報に用紙種類情報を含ませることによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真撮影プリント装置における画像データ交換動作(画像データ交換方法)を段階別に示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態に係る通信ネットワークシステムの構成を示す概念図である。
【図3】写真撮影プリント装置の正面側構成を示す斜視図である。
【図4】写真撮影プリント装置の背面側構成を示す斜視図である。
【図5】写真撮影プリント装置の機能構成をあらわすブロック図である。
【図6】(a)および(b)は、写真撮影プリント装置のタッチパネルに表示されるメッセージ画面表示例(携帯電話の電話番号取得時)を示す図である。
【図7】(a)および(b)は、写真撮影プリント装置のタッチパネルに表示されるメッセージ画面表示例(携帯電話の機種情報取得時)を示す図である。
【図8】写真撮影プリント装置のタッチパネルに表示されるメッセージ画面表示例(携帯電話のメールアドレス取得時)を示す図である。
【図9】(a)〜(c)は、上記写真撮影プリント装置の画像データ交換動作時における画面表示例を示す模式図である。
【図10】複数の利用者(ユーザA〜ユーザC)の画像データがサーバに登録されている場合のデータ登録内容を示す模式図である。
【符号の説明】
1 写真撮影プリント装置(通信端末)
2 通信ネットワーク(ネットワーク)
12 カメラ(撮影部)
31 記憶装置(記録媒体)
33 IDタグリーダ/ライタ(識別情報読み取り手段)
34 プリンタ(出力部)
35 通信部(送受信部)
40 プリント紙ユニット
41 IDタグ(識別媒体)
42 プリント紙
50 制御装置(コンピュータ)
Claims (10)
- ネットワークを介し、複数の通信端末間で画像データを交換する画像データ交換方法であって、
第一の通信端末の表示手段に、第二の通信端末から受信した第二の画像データを劣化状態で表示する劣化表示処理と、
第一の通信端末が、自機の保有する第一の画像データと上記第二の画像データとの交換を申し出るための情報であって、当該第一の通信端末が交換を申し出る第一の画像データを含む交換申出情報の入力を、第一の通信端末の利用者から受け付ける受付処理と、
第一の通信端末が、上記交換申出情報を第二の通信端末に送信する申出処理と、
第二の通信端末が、上記交換申出情報の内容に承諾する場合、上記第二の画像データを原状態で使用することを第一の通信端末に許可する使用許可情報を第一の通信端末に送信する許可処理と、
第一の通信端末が、上記申出処理の後、所定時間内に上記使用許可情報を上記第二の通信端末から受信した場合に、該受信した使用許可情報に基づいて、上記第二の画像データを原状態で使用する使用処理と、
を備えることを特徴とする画像データ交換方法。 - 上記劣化表示処理では、第二の通信端末は、原状態の画像データに劣化処理を施し、処理後の画像データを上記劣化状態の第二の画像データとして、第一の通信端末に送信すると共に、
上記許可処理では、第二の通信端末は、使用許可の対象となる原状態の画像データを第一の通信端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像データ交換方法。 - 上記劣化表示処理では、第二の通信端末は、原状態の画像データを第一の通信端末に送信すると共に、第一の通信端末は、上記原状態の画像データに劣化処理を施し、処理後の画像データを上記劣化状態の第二の画像データとして上記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像データ交換方法。
- 上記受付処理では、第一の通信端末は、交換対象となる、上記第一の画像データの画像データ数と上記第二の画像データの画像データ数とが一致する場合にのみ、上記交換申出情報のみを受け付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像データ交換方法。
- 上記使用処理では、第一の通信端末は、上記使用許可情報に基づいて、上記原状態の第二の画像データを外部装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に画像データ交換方法。
- 上記使用処理では、第一の通信端末は、上記原状態の第二の画像データを上記外部装置における表示手段の表示特性に応じた形態に変換し、変換後の画像データを上記外部装置に送信することを特徴とする請求項5に記載の画像データ交換方法。
- コンピュータを、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像データ交換方法における第一の通信端末として機能させることを特徴とする画像データ交換プログラム。 - 請求項7に記載の画像データ交換プログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 被写体を撮影する撮影部と、
上記撮影部が撮影した撮影画像をプリント出力する出力部と、
ネットワークを介し、外部装置とのデータ送受信を行う送受信部とを備える写真撮影プリント装置であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像データ交換方法における第一の通信端末として機能することを特徴とする写真撮影プリント装置。 - 請求項9に記載の写真撮影プリント装置に搭載されるプリント紙ユニットであって、
プリント用画像が印刷されるプリント紙と、当該プリント紙に関する識別情報を記録する識別媒体とを備えるとともに、
上記写真撮影プリント装置が具備する識別情報読み取り手段によって、上記識別媒体から識別情報が読み取られ、その内容が確認された上で上記プリント紙に上記プリント用画像がプリントされるものであることを特徴とするプリント紙ユニット。
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