JP4335765B2 - スパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法、釉焼装置およびその釉焼方法で製造するスパークプラグの製造方法 - Google Patents

スパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法、釉焼装置およびその釉焼方法で製造するスパークプラグの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スパークプラグの絶縁碍子の表面に被覆した釉薬を加熱して釉焼するためのスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法、釉焼装置およびその釉焼方法で製造するスパークプラグの製造方法に関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。このスパークプラグでは、一般的には、中心電極が挿設された絶縁碍子を保持する主体金具の先端部に接地電極を溶接して、接地電極の他端部を中心電極の先端部と対向させて、火花放電間隙を形成している。絶縁碍子の後端部からは、中心電極と電気的に接続された端子金具が露出されており、また、絶縁碍子の胴部から先端部にかけての部分は、主体金具に取り囲まれ保持されている。
スパークプラグで火花放電が行われている間、端子金具と主体金具との間には高電圧がかけられている。ところが、内燃機関の稼働にともなってスパークプラグの温度が上昇すると、火花放電間隙での放電が行われずに、端子金具と主体金具との間で絶縁碍子の表面を回り込んで放電する、いわゆるフラッシュオーバーが発生する場合がある。このフラッシュオーバーを防止するため、絶縁碍子の後端部から胴部に至るまでの表面上に釉薬を塗布し、釉焼して定着させている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、こうした絶縁碍子の釉焼は、釉薬を塗布した絶縁碍子をベルトやチェーン等のコンベアで移動される支持部材上に載置し、電気炉内を通過させることで行っている。例えば従来の電気炉は、図5に示す構造を有している。図5は、釉焼される絶縁碍子250の移動方向を紙面表裏方向とした従来の電気炉200の断面図である。なお、図5において、紙面表裏方向,左右方向,上下方向をそれぞれ、電気炉200における前後方向,左右方向,上下方向とする。
図5に示すように、従来の電気炉200には、ベルトコンベア(図示外)で電気炉200の前後方向に移動される支持部材210の移動方向に沿って延びる空洞が形成された、例えば耐熱レンガなどからなる窯220が設けられている。そして、支持部材210の移動方向を軸方向とする丸棒状の一対のセラミックヒータ201が、窯220内を通過する支持部材210上に載置されるスパークプラグの絶縁碍子250を左右から加熱するように、窯220の内部に固定されている。
絶縁碍子250は支持部材210の上部に凹設された凹部に、先端部271側より挿入される。絶縁碍子250は筒状で、軸方向の中間にて最も外径の大きい胴部272を有し、支持部材210の凹部の縁に胴部272が当接するようになっている。セラミックヒータ201はこの支持部材210と絶縁碍子250の胴部272との当接部分の近傍に配置されている。
特開2003−7425号公報
しかしながら、従来の電気炉200では、セラミックヒータ201の軸を中心に放射状に広がって放射熱(図中矢印Aで示す。)が放射されるので、支持部材210から露出された絶縁碍子250の胴部272から後端部273までの部分、つまり絶縁碍子250の釉薬が塗布された表面に直接、放射熱が照射される。このとき、絶縁碍子250の胴部272は、セラミックヒータ201からの放射熱により直接加熱されるものの、支持部材210の凹部の縁に当接する部分より支持部材210側に熱が逃げる。一方、絶縁碍子250の後端部273も同様に、セラミックヒータ201からの放射熱により直接加熱され、後端部273に接触するものはなく熱の逃げ場がない。このため、後端部273に蓄熱しやすく、後端部273と胴部272との温度差が生じ、セラミックヒータ201の発熱量を小さくすると胴部272の釉焼不足が発生したり、セラミックヒータ201の発熱量を大きくすると後端部273で加熱されすぎて釉薬が発泡したりするという問題があり、製品の歩留まりが悪くなるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、釉焼の際に加熱される絶縁碍子の胴部と後端部との温度差を低減することができるスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法、釉焼装置およびその釉焼方法で製造するスパークプラグの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法は、筒状の絶縁碍子の後端部から胴部に至るまでの表面に釉薬を塗布して、前記絶縁碍子を釉焼するスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法であって、前記絶縁碍子の前記胴部の外周面であって釉薬が塗布されていない部分に、加熱のための発熱体からの放射熱を集中させる放射熱集中手段を備えている。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法は、胴部において外径が最も大きい筒状の絶縁碍子の後端部から前記胴部に至るまでの表面に釉薬を塗布して、前記絶縁碍子を釉焼するスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法であって、前記絶縁碍子を釉焼する際に、前記絶縁碍子の前記胴部を支持する支持部材と前記絶縁碍子の胴部とが当接する部分の近傍に、加熱のための発熱体からの放射熱を集中させる放射熱集中手段を備えている。
また、請求項3に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法は、筒状の絶縁碍子の後端部から自身の外径が最も大きい胴部に至るまでの表面に釉薬を塗布して、前記絶縁碍子を釉焼するスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法であって、前記絶縁碍子の前記胴部に、加熱のための発熱体からの放射熱を集中させる放射熱集中手段を備えている。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記放射熱集中手段は、平板に切り込みが形成された形状を有する発熱体からなる発熱ユニットであって、前記発熱ユニットの前記絶縁碍子に対向する面を凹曲面状に形成することで、前記絶縁碍子の前記胴部付近に放射熱を集中させることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼装置は、スパークプラグの絶縁碍子の胴部を支持する支持部材と、前記支持部材ごと前記絶縁碍子が挿入される炉と、前記炉内に固定され、前記支持部材に支持される前記絶縁碍子の前記胴部付近に放射熱を集中させる発熱ユニットとを備え、請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法に従って、前記絶縁碍子の釉焼を行うことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグの製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法によって絶縁碍子の釉焼を行うことを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法では、絶縁碍子の胴部の外周面であって釉薬が塗布されていない部分に、放射熱集中手段によって発熱体からの放射熱を集中させることができる。つまり、絶縁碍子の加熱による温度上昇は胴部から行われ、後端部は主に伝導により加熱されることとなる。絶縁碍子の軸線方向の末端である後端部は熱の逃げ場がないため蓄熱しやすいが、熱の逃げ場のある胴部に集中して加熱を行うことで、後端部と胴部と間の温度差を小さくすることができる。このため、発熱体の加熱温度を下げることで胴部の釉焼不足が発生したり、加熱温度を上げることで後端部に塗布された釉薬が発泡したりすることを防止して、製品の歩留まりを良くすることができる。
また、請求項2に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法では、絶縁碍子の胴部を支持する支持部材と絶縁碍子の胴部とが当接する部分の近傍に、放射熱集中手段によって発熱体からの放射熱を集中させることができる。つまり、絶縁碍子の加熱による温度上昇は上記当接部分の近傍から行われ、後端部は主に伝導により加熱されることとなる。絶縁碍子の軸線方向の末端である後端部は熱の逃げ場がないため蓄熱しやすいが、上記当接部分の近傍に集中して加熱が行われても、胴部では支持部材へと熱を逃がすことができるため、後端部と胴部と間の温度差を小さくすることができる。また、胴部は絶縁碍子の外径において最も大径となっており、加熱による温度上昇が小径の部分よりも小さいため、上記当接部分に集中して加熱をしても胴部の温度は比較的温度上昇し難く、後端部と胴部と間の温度差をより効果的に小さくすることができる。このため、発熱体の加熱温度を下げることで胴部の釉焼不足が発生したり、加熱温度を上げることで後端部に塗布された釉薬が発泡したりすることを防止して、製品の歩留まりを良くすることができる。
請求項3に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法では、絶縁碍子の胴部に、放射熱集中手段によって発熱体からの放射熱を集中させることができる。つまり、絶縁碍子の加熱による温度上昇は胴部から行われ、後端部は主に伝導により加熱されることとなる。絶縁碍子の軸線方向の末端である後端部は熱の逃げ場がないため蓄熱しやすいが、熱の逃げ場のある胴部に集中して加熱を行うことで、後端部と胴部と間の温度差を小さくすることができる。また、胴部は絶縁碍子の外径において最も大径となっており、加熱による温度上昇が小径の部分よりも小さいため、その胴部に集中して加熱をしても比較的温度上昇し難く、後端部と胴部と間の温度差をより効果的に小さくすることができる。このため、発熱体の加熱温度を下げることで胴部の釉焼不足が発生したり、加熱温度を上げることで後端部に塗布された釉薬が発泡したりすることを防止して、製品の歩留まりを良くすることができる。
また、請求項4に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、放射熱集中手段が平板に切り込みが形成された形状の発熱体からなる発熱ユニットであるので、絶縁碍子に対向する側の面を凹曲面状に形成する加工が行いやすく、他に遮蔽板や反射板などを設けなくとも発熱体から放射される放射熱を絶縁碍子の胴部付近に容易に集中させることができる。
また、請求項5に係る発明のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼装置では、炉内に挿入される支持部材に支持された絶縁碍子の胴部付近に発熱ユニットからの放射熱を集中させて、絶縁碍子の釉焼を行うことができる。つまり、絶縁碍子の加熱による温度上昇は胴部付近から行われ、後端部は主に伝導により加熱されることとなる。絶縁碍子の軸線方向の末端である後端部は熱の逃げ場がないため蓄熱しやすいが、胴部付近に集中して加熱が行われても、胴部では支持部材へと熱を逃がすことができるため、後端部と胴部と間の温度差を小さくすることができる。このため、発熱体の加熱温度を下げることで胴部の釉焼不足が発生したり、加熱温度を上げることで後端部に塗布された釉薬が発泡したりすることを防止して、製品の歩留まりを良くすることができる。
また、請求項6に係る発明のスパークプラグの製造方法では、請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法によって絶縁碍子の釉焼を行う際に、絶縁碍子の胴部付近に発熱体からの放射熱を集中させて、絶縁碍子の釉焼を行うことができる。つまり、絶縁碍子の加熱による温度上昇は胴部付近から行われ、後端部は主に伝導により加熱されることとなる。絶縁碍子の軸線方向の末端である後端部は熱の逃げ場がないため蓄熱しやすいが、胴部付近に集中して加熱が行われても、胴部では支持部材へと熱を逃がすことができるため、後端部と胴部と間の温度差を小さくすることができる。このため、発熱体の加熱温度を下げることで胴部の釉焼不足が発生したり、加熱温度を上げることで後端部に塗布された釉薬が発泡したりすることを防止することができる。こうして作製された絶縁碍子をスパークプラグの組み立てに用いることで、製品の歩留まりを良くすることができる。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法、釉焼装置、およびその釉焼方法で製造するスパークプラグの製造方法の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態において釉焼が行われるスパークプラグの絶縁碍子の一例として、絶縁碍子1を備えたスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、スパークプラグ100の部分断面図である。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁碍子1と、絶縁碍子1の長手方向において最も外径の大きな胴部72から先端部71(図1における下端側)にかけて設けられ、この絶縁碍子1を保持する主体金具5と、絶縁碍子1内に軸線方向に延びるようにして保持された中心電極2と、主体金具5の先端部57に一端部(基部62)を溶接され、他端部(先端部61)が中心電極2の先端面22に対向する接地電極60と、絶縁碍子1の後端部73側に設けられた接続端子4とから構成されている。
まず、このスパークプラグ100の絶縁碍子1について説明する。絶縁碍子1は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その後端部73(図1における上端側)には、沿面距離を稼ぐためのコルゲーション11が形成されている。また、絶縁碍子1の先端部71には、内燃機関の燃焼室に曝される脚長部13が設けられている。脚長部13よりも後端側で、コルゲーション11よりも先端側に形成された胴部72は、最も外径が大きく、径方向の肉厚が最も厚い部分となっている。さらに、絶縁碍子1の軸中心には中心貫通孔12が形成され、この中心貫通孔12には中心電極2が保持されている。
中心電極2は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等からなる電極母材21を少なくとも表層部に有している。そして、中心部に、放熱促進のための銅、あるいは銅合金などで構成された芯材23が埋設されている。この中心電極2の先端面22は絶縁碍子1の先端面から突出している。また、中心電極2は、中心貫通孔12の内部に設けられたシール体14および抵抗体3を経由して、上方の接続端子4に電気的に接続されている。そして接続端子4には、プラグキャップ(図示外)を介して高圧ケーブル(図示外)が接続され、高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具5について説明する。図1に示すように、主体金具5は、絶縁碍子1を保持し、図示外の内燃機関にスパークプラグ100を固定するためのものである。主体金具5は絶縁碍子1を取り囲むように保持している。主体金具5は低炭素鋼材で形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部である工具係合部51と、図示外の内燃機関上部に設けられたエンジンヘッドに螺合するねじ部52とを備えている。さらに、主体金具5は、工具係合部51の後端側にかしめ部53を有し、かしめ部53をかしめることにより、板パッキン8を介して段部56に絶縁碍子1が支持されて、主体金具5と絶縁碍子1とが一体にされる。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍子1との間に環状のリング部材6,7が介在され、リング部材6,7の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、主体金具5の中央部には鍔部54が形成され、ねじ部52の後端部側(図1における上部)近傍、すなわち鍔部54の座面55にはガスケット10が嵌挿されている。このようにして絶縁碍子1を保持する主体金具5は、絶縁碍子1の略中央から先端部71にかけて、胴部72ごと絶縁碍子1を取り囲んでいる。
次に、接地電極60について説明する。接地電極60は、耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601などのNi合金が用いられている。この接地電極60は、自身の長手方向と直交する横断面が略長方形であり、屈曲された角棒状の外形を呈している。そして、角棒状の一端部(基部62)が、主体金具5の軸線方向の先端側の一端部(先端部57)の端面に溶接などにより接合されている。一方、この接地電極60の基部62とは反対側の他端部(先端部61)は、中心電極2の先端面22に対向するよう屈曲され、中心電極2と接地電極60との互いの対向面の隙間に火花放電ギャップが形成されている。
このように構成されるスパークプラグ100を製造する工程において、絶縁碍子1には表面に釉薬が塗布され、釉焼が行われる。この釉焼を行うための釉焼装置として、本実施の形態の電気炉300について説明する。図2は、絶縁碍子1の外観を示す図である。図3は、釉焼される絶縁碍子1の移動方向を紙面表裏方向とした電気炉300の断面図である。図4は、図3の一点鎖線B−B’における矢視方向からみた断面図である。なお、図3において、紙面表裏方向,左右方向,上下方向をそれぞれ、電気炉300における前後方向,左右方向,上下方向とする。
以下に説明する本実施の形態の電気炉300は、図1に示すスパークプラグ100の製造工程において、釉薬を塗布した絶縁碍子1を800℃以上の高温で加熱して釉焼するための釉焼装置である。図2に示すように、筒状の絶縁性セラミックからなる絶縁碍子1は、釉焼を行う前に、その後端部73から胴部72に至るまでの表面上に釉薬(図2中、網点で示す部分)が塗布され、少なくとも胴部72においては、外周の側面部分には釉薬が塗布されていない。図1に示すように、釉薬が塗布される部分は、少なくともスパークプラグ100として組み立てられた後に主体金具5の後端(かしめ部53)から露出される部分である。
図3に示すように、電気炉300は、従来の技術で説明した電気炉200(図4参照)と同様の耐熱レンガやセラミックファイバーボード等からなる窯310を有する。窯310には、窯310の下方に設置されるベルトコンベア(図示外)の移動方向に沿って延びる溝状の釉焼部315が、下方開放状に形成されている。この釉焼部315は、その溝内を、支持部材330に支持された状態で絶縁碍子1が通過できるように、上下方向に細長く形成されている。なお、電気炉300が、本発明における「炉」に相当する。
支持部材330は筒状のセラミックから形成され、軸方向が上下方向となるようにベルトコンベア(図示外)に固定されている。そして、図2に示す絶縁碍子1の先端部71側を上端331から挿入可能となっており、絶縁碍子1の胴部72の先端側の面を上端331の縁部分に当接させて、絶縁碍子1を支持している。すなわち、支持部材330に支持された絶縁碍子1は、胴部72の側面を含み、胴部72から後端側が露出されている。なお、胴部72の一部が支持部材330の被さっていてもよい。
次に、図4に示すようにヒータユニット320は、電気炉300の前後方向に延びる、鉄、クロム、アルミなどの合金でできた発熱体からなる細長い板体で、その短手方向両端から互い違いに切り込みが形成された形状を有する。この板体が、図3に示すように断面弓状に湾曲されて、窯310の釉焼部315の左右側面に設けられた一対の凹部311内に、それぞれ係合されている。凹部311内でヒータユニット320は、釉焼部315の側面を張り出し状に設けたストッパ316によって、その弓状の形状が維持されるように押さえられている。このヒータユニット320が必ずしも窯に直接取り付けられている必要はなく、あらかじめ弓状に湾曲させたヒータがはめ込まれたヒータユニットでもよい。
ヒータユニット320は、板面と垂直な方向に出射される放射熱の向きが、釉焼部315内を通過する絶縁碍子1の胴部72の側面、すなわち釉薬が塗布されていない部分や、絶縁碍子1を支持する支持部材330の上端331に向けて集中するように、その湾曲具合が調整されている。具体的には、支持部材330の移動方向に対する断面において、支持部材330の上端331に対向するヒータユニット320の内面321が、その内面321上の任意の位置から、絶縁碍子1の胴部72の側面や支持部材330の上端331へと向かう方向に対し、略直交する面となるように構成されている。つまり、絶縁碍子1の胴部72の側面や支持部材330の上端331は、ヒータユニット320の内面321上の任意の位置における垂直線上に位置するため放射熱が集中し、最も加熱されやすくなる。なお、ヒータユニット320が、本発明における「放射熱集中手段」に相当し、また請求項4または5における「発熱ユニット」に相当する。
このような構成の電気炉300で釉焼が行われる際に、窯310の釉焼部315内を支持部材330に支えられて通過する絶縁碍子1は、略1200℃に発熱するヒータユニット320から放射される熱や、支持部材330との当接部分を介して伝導される熱により、胴部72を中心に加熱される。つまり、絶縁碍子1においては、胴部72の側面に対するヒータユニット320からの直接の放射による熱と、同様に放射により加熱された支持部材330の上端331から伝導される熱とにより、胴部72を中心に加熱が行われることとなる。絶縁碍子1の胴部72に伝導した熱は、その胴部72から後端部73に向かって伝導される。後端部73に達した熱は、後端部73に接触するものがなく、空気中への放射以外に熱の逃げ場がないため後端部73にて蓄熱される。
なお、胴部72を中心に加熱することは、必ずしも、胴部72の温度が最も高くなることを意味せず、絶縁碍子1への加熱が胴部72から行われることを意味する。
また、絶縁碍子1の後端部73には、ヒータユニット320から直接の放射熱も照射されるが、照射角度が浅いため、支持部材330の上端331と比べ加熱量がかなり小さくなる。このため、後端部73の温度上昇は、伝導によるものが主となるが、伝導および放射により直接温度が上昇する胴部72と比べ、後端部73に与えられる熱量は小さい。しかし胴部72は、その肉厚が厚いため他の部位より体積が大きく、後端部73と比べると熱による温度上昇が小さい。また、支持部材330は下方に向かって延びており、上端331が加熱されたことによる熱は、上記のように絶縁碍子1に伝導されるとともに、支持部材330の下方へも伝導される。このため、実際に胴部72へ伝導される熱量は小さく、胴部72の温度上昇は、伝導された熱が蓄熱する後端部73の温度上昇よりも低く抑えられる。
このように、釉焼される絶縁碍子1において、支持部材330側と後端部73側との双方に熱の逃げ場を有する胴部72と、熱の逃げ場が空気中への放射しかなく蓄熱しやすい後端部73とでは、胴部72に放射熱を集中させ、胴部72を中心に加熱が行われるようにしたことで、胴部72と後端部73との温度差を小さくすることができる。実際に測定してみると、3分間の加熱後に、後端部73は胴部72よりも約100℃高い温度となるだけの温度差に抑えられることがわかった。
こうした構成で絶縁碍子1の胴部72と後端部73との温度差を小さく抑えることができる電気炉300を用いることで、ヒータユニット320の加熱温度を調整して釉焼時の絶縁碍子1の温度調整を行う場合に、胴部72の温度を高くしたため後端部73が加熱されすぎて気泡が生じたり、その後端部73の温度を下げることで胴部72の釉焼温度が低くなり釉焼不足となったりすることを防止することができた。
以上説明したように本実施の形態の電気炉300では、釉焼の際に、絶縁碍子1において胴部72の側面、すなわち釉薬が塗布されていない部分が集中して放射熱の照射を受けるようにしている。胴部72は絶縁碍子1で最も外径が大きく最も肉厚が厚い部分であり、ヒータユニット320からの放射熱が直接照射されても大きな温度変化が生じない。また、後端部73側と、接触する支持部材330の上端331から支持部材330の下方側へと熱を逃がすことができ、絶縁碍子1においては胴部72が中心に加熱されても、温度上昇を抑えることができる。一方、その胴部72からの伝導により熱が伝えられる後端部73では、空気中への放射以外に熱を逃がすことができず蓄熱されるため、温度上昇が大きい。そこで後端部73への直接の放射熱の照射を行わず、胴部72からの伝導による温度上昇が行われるようにしたため、胴部72に対する後端部73の温度上昇を低くして、釉焼の際の胴部72と後端部73との温度差を低く抑えることができた。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変更が可能である。例えば、ヒータユニット320の代わりに従来の技術で説明したセラミックヒータ201を用い、支持部材330に対向する側とは反対側に断面弓状に湾曲させた反射板を設け、本実施の形態と同様に、絶縁碍子1の胴部72に向けて、放射熱とその反射熱とが集中して照射されるようにしてもよい。また、ヒータユニット320の形状は、細長い板体に、その短手方向両端から互い違いに切り込みが形成された形状としたが、この形状に限定するものではない。例えば板体上に発熱体が貼設されたものでもよいし、板状でなく任意の形状であってもよい。
また、従来の技術で説明した電気炉200の窯220のセラミックヒータ201の上方に遮蔽板を設け、窯220内を通過する絶縁碍子1に直接セラミックヒータ201からの放射熱が照射されないように遮ってもよい。また、支持部材330は円筒状のセラミック部材としたが、耐熱性の部材であれば、素材や形状を任意に設定してもよい。
また、本実施の形態では、ヒータユニット320からの放射熱は、支持部材330に支持された絶縁碍子1の胴部72の釉薬の塗布されていない部分および支持部材330の上端331に集中させたが、図6に示す電気炉400のようにヒータユニット420の湾曲具合を調整して、内面421を、内面421の上の任意の位置から絶縁碍子1の胴部72へと向かう方向に対し略直交する面となるように構成することで、放射熱を胴部72そのものに集中させてもよい。また、支持部材330と胴部72との当接部分付近に集中させてもよい。すなわち、釉焼の際に、絶縁碍子1においては、胴部72を中心として加熱されるようにすればよい。
本発明は、釉薬を塗布して釉焼を行うセラミック部材の釉焼方法、釉焼装置等に適用することができる。
スパークプラグ100の部分断面図である。 絶縁碍子1の外観を示す図である。 釉焼される絶縁碍子1の移動方向を紙面表裏方向とした電気炉300の断面図である。 図3の一点鎖線B−B’における矢視方向からみた断面図である。 釉焼される絶縁碍子250の移動方向を紙面表裏方向とした従来の電気炉200の断面図である。 電気炉300の変形例を示す図である。
符号の説明
1 絶縁碍子
72 胴部
73 後端部
100 スパークプラグ
300 電気炉
320 ヒータユニット
330 支持部材

Claims (6)

  1. 筒状の絶縁碍子の後端部から胴部に至るまでの表面に釉薬を塗布して、前記絶縁碍子を釉焼するスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法であって、
    前記絶縁碍子の前記胴部の外周面であって釉薬が塗布されていない部分に、加熱のための発熱体からの放射熱を集中させる放射熱集中手段を備えたことを特徴とするスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法。
  2. 胴部において外径が最も大きい筒状の絶縁碍子の後端部から前記胴部に至るまでの表面に釉薬を塗布して、前記絶縁碍子を釉焼するスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法であって、
    前記絶縁碍子を釉焼する際に、前記絶縁碍子の前記胴部を支持する支持部材と前記絶縁碍子の胴部とが当接する部分の近傍に、加熱のための発熱体からの放射熱を集中させる放射熱集中手段を備えたことを特徴とするスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法。
  3. 筒状の絶縁碍子の後端部から自身の外径が最も大きい胴部に至るまでの表面に釉薬を塗布して、前記絶縁碍子を釉焼するスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法であって、
    前記絶縁碍子の前記胴部に、加熱のための発熱体からの放射熱を集中させる放射熱集中手段を備えたことを特徴とするスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法。
  4. 前記放射熱集中手段は、平板に切り込みが形成された形状を有する発熱体からなる発熱ユニットであって、
    前記発熱ユニットの前記絶縁碍子に対向する面を凹曲面状に形成することで、前記絶縁碍子の前記胴部付近に放射熱を集中させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法。
  5. スパークプラグの絶縁碍子の胴部を支持する支持部材と、
    前記支持部材ごと前記絶縁碍子が挿入される炉と、
    前記炉内に固定され、前記支持部材に支持される前記絶縁碍子の前記胴部付近に放射熱を集中させる発熱ユニットと
    を備え、
    請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法に従って、前記絶縁碍子の釉焼を行うことを特徴とするスパークプラグの絶縁碍子の釉焼装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの絶縁碍子の釉焼方法によって絶縁碍子の釉焼を行うことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
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