JP4334997B2 - 常開ループ配電の地絡保護方式 - Google Patents

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Description

本発明は配電用変電所の地絡保護方式に関し、特に、常開ループ配電方式の地絡保護に関する。
高圧幹線のループ化は、配電用変電所の電力供給システムとして大規模ビルやインテリジェントビルを中心に採用されており、事故時の停電時間や停電範囲を極小化し、供給信頼性の向上を図っている。
高圧ループ幹線の系統構成には、ループ区分開閉器が常時閉路又は開路しているかで、常閉ループ配電方式と常開ループ配電方式の2方式がある。
常閉ループ配電方式は高圧系統間の負荷を融通し合い、電圧改善、利用率向上等の利点があるが、常時の循環電流による方向地絡継電器の誤動作、地絡検出感度の低下、また地絡事故時には両系統から地絡電流が地絡点に流れ込むため、両系統が遮断され健全な区間や配電所まで全停電となるなどの課題がある。
これに対し、常開ループ配電方式は、高圧ループ幹線の結合点を常時電気的に開路しておき、故障時にだけ健全回線側から故障回線の末端健全区間に自動的に逆送するようにし、常閉ループ配電方式の技術的な課題を解決することが出来る。
本発明は、この常開ループ配電方式における地絡保護に関する。
まず、従来の常開ループ配電方式における地絡保護方式を図3によって説明する。図3は常開ループ配電方式における地絡保護方式の従来例で、同図において10は受電側変電所で、A高圧幹線とB高圧幹線の2回線で複数の配電用変電所に電力を供給する。11は変圧器、12は受電側母線、ZPDは零相電圧検出器を示し、この受電側母線12にA高圧幹線およびB高圧幹線の給電所10Aおよび10Bが接続される。
これら給電所10Aおよび10Bは夫々送り出し遮断器13aおよび13b、零相変流器ZCTに接続された地絡方向継電器14a、および14bを夫々備えている。地絡方向継電器14a、14bは通常使用されているもので零相変流器ZCTおよび零相電圧検出器ZPDで零相電流と零相電圧を検出して方向性を判断して動作するものである。
20A,30A、および40Aは、A高圧幹線に接続された配電用変電所、20Bおよび30BはB高圧幹線に接続された配電用変電所を示し、各配電用変電所は夫々機器および同じ回路により構成されている。
配電用変電所20Aに例をとって説明すれば、配電用変電所20Aは、入力側(電源側)高圧幹線BUiと出力側(負荷側)高圧幹線BUoを有し、これら入力側と出力側の高圧幹線は夫々の高圧幹線に設けられた入力側開閉器21aおよび出力側開閉器22aを介して互いに接続され、その接続線から配電用変圧器23a及び配電線24aを介して負荷に給電される。
配電用変電所20Aの入力側開閉器21aはA高圧側幹線の接続ケーブル1aを介してA高圧幹線の給電所10Aに接続され、出力側開閉器22aは隣接の配電用変電所30Aの入力側開閉器31aと接続ケーブル2aによって接続され、配電用変電所30Aの出力側開閉器32aは、接続ケーブル3aにより配電用変電所40Aの入力側開閉器41aに、また、出力側開閉器42aは接続ケーブル4aによりループ点区分開閉器LLSに接続されている。
配電用変電所20B及び30Bも同様に配電用変電所20Bの入力側開閉器22bはB線側の接続ケーブル1bを介してB高圧幹線側給電所10Bに接続され、出力側開閉器21bは、接続ケーブル2bを介して配電用変電所30Bの入力側開閉器32bに接続され、配電用変電所30Bの出力側開閉器31bは、接続ケーブル3bによりループ点区分開閉器LLSに接続されている。
このようにA高圧幹線とB高圧幹線とはループ点区分開閉器LLSを介してループ状に接続されているが、このループ点区分開閉器LLSは常時開路され、一方の電圧が無くなった時一定時間後投入される。なお、図中C1乃至C5は零相電流を確実に検出するために、各配電用変電所に設けられた接地コンデンサを示している。
A高圧幹線及びB高圧幹線に接続されている各配電用変電所は、互いに相手側から給電される場合があるので、夫々A高圧幹線側からの給電と、B高圧幹線側からの給電に対応した地絡方向継電器を備えている。配電用変電所20Aに例をとって説明すると、26a、27aはA高圧幹線側からの給電の地絡に対し負荷側に流れる地絡電流を検出して動作する地絡方向継電器、66b、67bはB高圧幹線側からの給電時の地絡に対し負荷側事故点に対し流れる地絡電流を検出して動作する地絡方向継電器で、各地絡方向継電器は、夫々の零相変流器ZCTに接続され、且つ零相電圧検出器ZPDに接続されている。
尚、地絡方向継電器66b、67bは、A高圧幹線側からの給電の地絡に対して電源側事故点から流れる充電電流を検出して動作することもある。同様に、地絡方向継電器26a、27aはB高圧幹線側からの給電の地絡に対し電源側事故点から流れる充電電流を検出して動作する場合もある。
そして、変電所内に地絡事故が起きたとき、事故点に流れる地絡電流を検出して動作する地絡方向継電器26aと、事故点から流れる充電電流を検出して動作する地絡方向継電器66bの両方が同時に動作したとき(アンド条件成立時)に、入力側と出力側の開閉器21aと22aが同時に遮断される。
また、地絡方向継電器67b、27a、57b、37a、47b、47a、56a、36b、66a、26bは配電用変電所をつなぐ接続ケーブルの地絡事故に対応した地絡方向継電器なので、以下説明を省略する。
以上は配電用変電所20Aについて説明したが、他の配電用変電所30A、40A及び20B、30Bも同様に構成されており、配電用変電所20と同じ部分には、配電用変電所の番号の1の桁の数字を同じくし、説明を省略する。
通常はループ点区分開閉器LLSは開路されているので、A高圧幹線側の配電用変電所20A、30A及び40Aの地絡保護は、夫々の地絡保護継電器26a、36a、46a、及び46b、56b、66bによって行われている。
今、配電用変電所30AのF1点で地絡事故が発生すると、地絡電流(零相電流)Igがながれる。このとき地絡方向継電器26aと36aの零相変流器が夫々(Ig−Ic1−Ic2−Ic3)、(Ig−Ic2−Ic3)の零相電流を検出して動作する。
また、電源側事故点から流れる充電電流を検出し、地絡方向継電器56b(Ic3),27b(Ic4)は夫々( )内の零相電流を検出して感度整定値以上であれば動作する。
地絡方向継電器46bと37bはループ点区分開閉器LLSは開路していて接続ケーブルがもつ対地静電容量だけとなり動作しない場合が考えられる。その他の地絡方向継電器は電流位相が動作位相と逆なので動作しない。
この場合、配電用変電所30Aだけが、地絡方向継電器36aと56bが動作しアンド条件が成立しているので、入出力側の遮断器31aと32aが同時に遮断される。
この遮断器31aと32aが遮断されると、ループ点区分開閉器LLSの一方の電圧が無くなるので、一定時間後に当該ループ点区分開閉器LLSは投入され配電用変電所40AにはB高圧幹線側から電力が供給される。
この地絡保護方式は、地絡事故を発生した配電用変電所が自変電所内でそれを検出して切り離すので、停電箇所を最小限とする事が出来る。しかし、一つの配電用変電所で多数の零相変流器を含む地絡方向継電器が必要となる。
また、これらの地絡方向継電器を確実に動作させるために接地コンデンサC1乃至C5を設置する必要がある。即ち、図3のループ点区分開閉器LLSが開路していて対地静電容量がないので動作しない地絡方向継電器46bと同様に、地絡方向継電器56bの零相電流は、対地静電容量に流れるIc3だけなので、Ic3が感度整定値以上でないと継電器が動作しないことになり正常な判断が出来なくなる。これを避けるために、接地コンデンサを設けて強制的に対地静電容量を増やし、感度整定値以上の零相電流を流し、地絡方向継電器の動作を確実なものとする必要がある。特に、常開ループ配電方式においては、ループ点区分開閉器をどの箇所に設置するかは特定されていないし、一度地絡事故が起きた後は、開閉器を開放し給電方向を変えるため、各開離点毎に感度整定値以上の零相電流を流すことのできる静電容量の接地コンデンサを必ず必要となる。
以上の点に鑑み、本願の出願人は、一つの配電用変電所に一つの地絡保護手段を設ければ足りるようにすると共に、接地コンデンサの必要のない配電用変電所の保護装置を開発して既に特許出願している(特許文献1)
特願2000−21339号)。
特願2000−21339号。
この先願の発明は、この種の配電用変電所においては、入力側高圧幹線から流入する負荷電流及び零相電流は通常そのまま出力側高圧幹線から流出すること、しかも、自己の配電用変電所内での地絡事故の場合は、流入側と流出側ではアンバランスとなること、及び、この現象は、常開ループ配電方式のように出力側高圧幹線から入力側高圧幹線に電流の流れ方向が変った場合でも変らないこと、負荷電流に比べ零相電流は小さい(30A程度)ことに着目してなされたものである。
図4は図3に示す常開ループ配電方式の複数の配電用変電所の中のA高圧幹線に接続されている二つを取出しして1A、2Aとしたものである。尚、配電用変電所(以下、変電所と略称する)1Aと2Aは同じ構成となっているが、変電所1Aに分岐電路3bによって新たな負荷設備5を布設した場合を示している。
図4において、変電所の入力側高圧幹線1と出力側高圧幹線2を、夫々の高圧幹線に設けた入力側開閉器1a及び出力側開閉器2aを介して接続し、該接続線3aから分岐線により負荷3に電力を供給するようにすると共に、入力側高圧幹線1と出力側幹線2と電流の流れ方向が互いに逆向きとなるように零相変流器ZCT1の鉄心窓を貫通し、該零相変流器ZCT1により保護範囲外の地絡事故では零相電流が打ち消し合い、保護範囲内の地絡事故による零相電流はこれを検出して、該零相電流があらかじめ設定した設定値以上となったとき動作する地絡検出手段4を設け、この地絡検出手段4の動作により入力側と出力側の開閉器1a及び2aを遮断するようにしたことを特徴としている。
先願の発明は、各変電所には一つの地絡検出手段4を備えるだけで地絡保護が出来、また、接地コンデンサを不必要とし、また、電力供給の信頼性向上や、変電所の設置面積の縮小が可能となる等の優れた効果を発揮する。
近年、これの実用化の段階で、次のような新たな要望、課題が発生した。即ち、超高層ビルや大規模ビルでは変電所を分散設置するが、設置当初は負荷設備の配置に応じて適所に設置するため、先願の発明にかかる常開ループ配電方式を採用できる。しかし、ビルのライフサイクルを考えた場合、後になって当初の負荷設備の配置や容量の変更に伴い、別の変電所を増設することが多々ある。この場合、新たな変電所を既設変電所から離れた場所に配置する場合、新規変電所の位置関係などからループ高圧幹線の本線に接続しないで、ループ内の既設の変電所から高圧幹線を分岐した方が容易に対応でき、また本線に比較して通電容量の小さい電線で、且つ片道配線で済むため工事費用も少なくなり、最寄の変更しやすい既設の変電所から、高圧幹線を分岐する方が得策であること、ならびにこの変電所から分岐した場合、新たな課題として他の変電所での地絡事故のときに、健全な変電所で不要動作(誤動作)を引き起こすことがあることが判明した。
その原因を究明した結果、変電所から分岐すると変電所内及び分岐電路の等価対地静電容量が増加し、この対地静電容量に流れ込む充電電流に起因するものであることが判明した。これを図4によって説明する。
図4は、変電所1Aの接続線3aから分岐電路3bにより負荷設備5を分岐した場合を示し、C11は変電所1AのZCT1より電源側の等価対地静電容量で、対地静電容量C11に流れる充電電流をIoC11とする。以下、同様に、C21は、変電所1A内の等価対地静電容量、充電電流をIoC21、
C31は、変電所1Aからの分岐電路の等価対地静電容量、充電電流をIoC31、C41は、変電所1Aと変電所2Aを接続するループ本線Lの等価対地静電容量、充電電流をIoC41、C51は、変電所2A内の等価対地静電容量、充電電流をIoC51、C71は、変電所2AのZCT2より負荷側の等価対地静電容量、充電電流をIoC71、とする。
今、変電所2AのF2点で地絡事故が発生した場合、電圧供給側の接地変圧器の中性点抵抗や、配電線路の絶縁抵抗の抵抗分に流れる地絡電流は、対地静電容量に流れる地絡電流に比べて小さいので無視すれば、変電所2Aの地絡点F2に流れる地絡電流Ig21は、
Ig21=IoC11+IoC21+IoC31+IoC41+IoC51+IoC71………(1)
変電所2Aの電源側幹線1に流れる地絡電流IoGは、
IoG=Ig21−(IoC51+IoC71)………(2)
変電所2Aの負荷側幹線2に流れる地絡電流IoHは、
IoH=−(IoC71)………(3)
入力側高圧幹線1と出力側高圧幹線2を流れる方向が互いに逆向きとなり打ち消し合うように一括して零相変流器ZCT2を貫通しているので、変電所2AのZCT2が検出する零相電流Iozct2は、
Iozct2=IoG−IoH=(Ig21−IoC51−IoC71)−(−IoC71)………(4)
Iozct2=(Ig21−IoC51)………(5)
この式に(1)式を代入して、
Iozct2=IoC11+IoC21+IoC31+IoC41+IoC71………(6)
となる。
又、変電所1AのZCT1が検出する零相電流Iozct1は電源側と負荷側に流れる零相電流をIoE及びIoFとすると、
IoE=Ig21−(IoC21+IoC31+IoC41+IoC51+IoC71)………(7)
IoF=Ig21−(IoC41+IoC51+IoC71)………(8)
Iozct1=IoE−IoF=(Ig21−(IoC21+IoC31+IoC41+IoC51+IoC71))−(Ig21−(IoC41+IoC51+IoC71))………(9)
Iozct1=Ig21−(IoC21+IoC31+IoC41+IoC51+IoC71)−Ig21+(IoC41+IoC51+IoC71)………(10)
Iozct1=−(IoC21+IoC31)………(11)
となり、Iozct1は負の符号となり、Iozct2とは逆位相の関係となる。
変電所2AのZCT2が検出する零相電流Iozct2は、ほぼ地絡電流Ig21と等しく設定値を超えた場合、これを保護範囲内の地絡事故と判断して地絡保護手段が働き入力側と出力側の開閉器1aと2aを遮断する。
一方、変電所1AのZCT1が検出する零相電流Iozct1は、IoC21とIoC31を加えた値である。
先願の発明においては、変電所1Aから分岐する電路は考慮していないので、IoC31は零、そして、変電所内だけの高圧配線なので、IoC21小さく、検出した零相電流Iozct1の絶対値は設定値を超えないので動作しない。
しかし、分岐するなどして、C21やC31などの対地静電容量が大きくなると、検出した零相電流Iozct1の絶対値はIoC21とIoC31を加えた値となるため設定値を超え、変電所2Aの地絡事故であるにもかかわらず動作(不要動作)をすることになる。
尚、図4のIoC11からIoC71とIg21の矢印は、地絡電流の流れる方向を示しているが、IoE〜IoHの矢印は地絡電流の流れる方向を理解し易いように概念的に示してある。
このように、変電所内の設備を増加したり、負荷設備を分岐した場合、変電所内や分岐電路の対地静電容量が大きくなり不要動作(誤動作)をすることがある。健全な変電所が不要動作をすると変電所内の遮断器が遮断され,復電するまでの間負荷に電力を供給できなくなる。従って、常開ループ配電方式における健全幹線側からの逆送電による速やかな給電のメリットがなくなり、電力供給の信頼性が失われる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。
本発明において上記の課題を解決するための手段は、誤動作の原因が、増設した負荷設備による対地静電容量の増加によるものであることを究明したので、この対地静容量を介して流れ込む逆位相の零相電流を検出したときは、地絡保護手段を不動作とすることで誤動作を防止するようにしたものである。その具体的手段の第一の実施の形態は、受電変電所からA高圧幹線とB高圧幹線の2回路で複数の配電用変電所に電力を供給するようになし、各配電用変電所は、入力側高圧幹線と出力側高圧幹線を、夫々の高圧幹線に設けた入力側開閉器および出力側開閉器を介して接続し、この接続線から分岐線により負荷に電力を供給するように形成し、これら各配電用変電所をループ状に接続し、A高圧幹線とB高圧幹線の末端側をループ点区分開閉器を介して接続するとともに、該ループ点区分開閉器は、常時開路し、他の高圧幹線側の事故時に事故点が切り離されたとき閉路して給電するようにした常開ループ配電の地絡保護方式において、前記各配電用変電所は、入力側高圧幹線と出力側高圧幹線とを電流の流れ方向が互いに逆向きとなるように零相変流器の鉄心窓を貫通し、該零相変流器により零相電流を検出するとともに、高圧幹線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段を設け、これら検出した零相電流および零相電圧の信号を、地絡検出保護手段に入力して零相電圧信号は位相比較に利用するとともに、該地絡検出保護手段は、保護範囲内の地絡電流を検出し、該地絡電流の電流値があらかじめ設定した設定値を超えたとき動作して前記入力側開閉器、出力側開閉器を遮断し、且つ、位相比較により負荷設備の分岐電路、配電用変電所内の対地静電容量を介して流れ込む逆位相の零相電流を検出したときは不動作とすることで誤動作を防止するようにしたことを特徴とする。
又、第二の実施の形態は、第一の実施の形態の零相変流器による零相電流の検出を、入力側高圧幹線と出力側高圧幹線の夫々に零相変流器を設け、この両変流器の2次側の出力が逆になるように並列接続して該出力をアナログ合成して得るようにしたことを特徴とするものである。
以上のように、常開ループ配電方式の変電所では、図3に示すようにA高圧幹線からB高圧幹線(又はその反対)に高圧幹線の切換が行われる場合があるので、各変電所にはA及びBの高圧幹線側からの給電に対応した地絡方向継電器や、この地絡方向継電器を確実に動作させるための接地コンデンサを必要としていたが、本発明では1台の地絡検出保護手段で両高圧幹線側からの給電に対する地絡保護ができ、又、接地コンデンサを必要としない。
更に、この変電所から高圧幹線を分岐して負荷設備を増設し、分岐電路や変電所内の対地静電容量が増加した場合でも不要動作(誤動作)をおこすことがない。従って、負荷設備の配置や負荷容量の変更に伴って別に変電所を設けたり、既設の変電所から離れた場所に設置する場合でも、対地静電容量の増加を気にすることなく、既設の変電所内の高圧幹線から分岐して容易に対応できる。この変電所内からの分岐は、ループ高圧幹線の本線に接続する場合に比較して通電容量の小さい電線で、且つ片道配線で済むので工事費も極めて少なくて済む等の優れた効果を奏する。
以下本発明の実施の形態を図面によって説明する。図1は本発明の第一の実施の形態の説明図で、図4と同様に図3に示す複数の配電用変電所の中の二つの配電用変電所(以下、変電所と略称する)を示している。尚、図4と共通する部分が多いので、図4と同一又は相当部分には、これと同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図1に於いて、50は地絡検出保護手段、51は高圧幹線の零相電圧を検出する為の零相電圧検出手段を示す。尚、変電所1Aと2Aは同じ構成なので変電所1Aについて説明すると、零相変流器ZCT3は、入力側高圧幹線1と出力側高圧幹線2とを1次導体として電流の流れ方向が逆向きとなるように一括して鉄心窓を貫通し、2次巻線の誘起電圧を地絡検出保護手段50に入力する。
正常時においては、零相変流器ZCT3は入力側高圧幹線1と出力側高圧幹線2に流れる零相電流は同じであるから、互いに打ち消しあって出力信号は出ない。しかし、自変電所内(保護範囲内)で地絡事故が発生すると地絡電流とほぼ同じ値の電流が検出され、地絡検出保護手段50に入力される。
地絡検出保護手段50は、例えば、零相変流器ZCT3で検出された検出信号を増幅器50aで増幅し、これをレベル検出手段50bでレベルを検出し、設定レベル(設定値)を超えたときアンド回路50cに出力するようにすると共に、検出信号の位相を判別するために、増幅器50aの出力信号を位相比較手段50dに入力し、該位相比較手段50dは、零相電圧検出手段51で検出し、増幅器51aで増幅した零相電圧信号を入力し、両信号の位相を比較する。そして、逆位相を検出したとき反転回路50eに出力信号を入力する。反転回路50eは入力信号が無い時はアンド回路50cに信号を出し、入力信号が入ったとき停止する。従って、アンド回路50cはレベル検出手段50bの設定値以上の信号が入力されたとき、開閉器1a、2aを遮断する動作信号を出すが、しかし、設定値以上の信号が入力されても、位相比較手段50dが逆位相を検出したときは、反転回路50eの出力が0となってアンド回路50cの出力信号は停止される。
今、変電所2Aの高圧幹線の接続線3aのF3点で地絡事故が発生した場合、地絡電流及び充電電流は次のように流れる。図に示すようにC12は変電所1AのZCT3より電源側の等価対地静電容量、この対地静電容量C12を流れる充電電流をIoC12とし、同様に、C22は変電所1A内の等価対地静電容量、充電電流をIoC22、C32は変電所1Aから分岐する電路の等価対地静電容量、充電電流をIoC32、C42は変電所1Aと2Aを接続するループ本線の等価対地静電容量、充電電流をIoC42、C52は変電所2A内の等価対地静電容量、充電電流をIoC52、C62は変電所2Aから分岐する電路の等価対地静電容量、充電電流をIoC62、C72は変電所2AのZCT4より負荷側の等価対地静電容量、充電電流をIoC72、とする。
変電所2A地絡点F3に流れる地絡電流をIg32とすると、
Ig32=IoC12+IoC22+IoC32+IoC42+IoC52+IoC62+IoC72………(12)
となる。
変電所2Aの電源側幹線に流れる地絡電流IoLは、
IoL=Ig32−(IoC52+IoC62+IoC72)………(13)
変電所2Aの負荷側幹線に流れる地絡電流IoMは、
IoM=−(IoC72)………(14)
変電所2AのZCT4が検出する零相電流Iozct4は、
Iozct4=IoL−IoM=(Ig32−IoC52−IoC62−IoC72)−(−IoC72)………(15)
Iozct4=(Ig32−IoC52−IoC62)………(16)
(16)式に(12)式のIg32を代入して、
Iozct4=IoC12+IoC22+IoC32+IoC42+IoC72………(17)
となる。従って、このIozct4の値がレベル検出手段50bの設定値を超えたとき、地絡検出保護手段50は動作信号を出力する。
又、変電所1AのZCT3が検出する零相電流Iozct3は電源側幹線と負荷側幹線に流れる地絡電流IoJ及びIoKは、
IoJ=Ig32−(IoC22+IoC32+IoC42+IoC52+IoC62+IoC72)………(18)
IoK=Ig32−(IoC42+IoC52+IoC62+IoC72)………(19)
Iozct3=IoJ−IoK=(Ig32−(IoC22+IoC32+IoC42+IoC52+IoC62+IoC72))−(Ig32−(IoC42+IoC52+IoC62+IoC72))………(20)
Iozct3=−(IoC22+IoC32)………(21)
となる。
この零相変流器ZCT3の検出する零相電流Iozct3は負の値となり、地絡電流Ig32とは、逆位相の関係となる。従って、変電所1Aの地絡検出保護手段50の位相比較手段50dはこれを検出しアンド回路50cからの動作信号を停止するようにする。
図2は第二の実施の形態の説明図で、第一の実施の形態に於いては、入力側と出力側の高圧幹線1と2の導体を一つ零相変流器鉄心窓を通すので、零相変流器が大型となる。そこで小型の零相変流器を使用できるようにしたのが第二の実施の形態である。
なお、図2に於いて、図1と同一又は相当部分にはこれと同じ符号を付して説明を省略する。
第二の実施の形態では、入力側高圧幹線1と出力側高圧幹線2の夫々に個別の零相変流器ZCT5とZCT6を設け、この両変流器の出力が互いに逆になるように並列接続してアナログ合成し、地絡検出保護手段50に入力する。
尚、両零相変流器は、特性(出力が等しく、位相ずれを起こさないもの)が同じものを使用することが望ましい。
地絡検出保護手段50は、この合成された信号を図1と同様に、レベル検出手段50bと位相比較手段50dに入力する。地絡検出保護手段50の作用は図1の場合と同じである。
尚、変電所1Aについて説明したが、変電所2Aも同じ構成をなす。
以上は、入力側高圧幹線の方から出力側高圧幹線に電力を供給する場合について説明したが、反対に出力側高圧幹線の方から入力側高圧幹線側に供給方向が変っても、何ら影響されることはない。従って、常開ループ配電方式には最適の地絡保護方式を提供できる。
尚、既設の変電所に負荷設備を増設する場合は、その増設する変電所にのみ本発明の地絡検出保護手段を適用してもよい。
本発明の第一の実施の形態の説明図。 本発明の第二の実施の形態の説明図。 従来の常開ループ配電の地絡保護方式の説明図。 常開ループ配電方式の配電用変電所の説明図。
符号の説明
1…入力側高圧幹線
2…出力側高圧幹線
1a…入力側開閉器
2a…出力側開閉器
3…負荷
3a…接続線
3b…分岐電路
5…負荷設備
50…地絡検出保護手段
50a…増幅器
50b…レベル検出手段
50c…アンド回路
50d…位相比較手段
51…零相電圧検出手段
51a…増幅器

Claims (2)

  1. 受電変電所からA高圧幹線とB高圧幹線の2回路で複数の配電用変電所に電力を供給するようになし、各配電用変電所は、入力側高圧幹線と出力側高圧幹線を、夫々の高圧幹線に設けた入力側開閉器および出力側開閉器を介して接続し、この接続線から分岐線により負荷に電力を供給するように形成し、これら各配電用変電所をループ状に接続し、A高圧幹線とB高圧幹線の末端側をループ点区分開閉器を介して接続するとともに、該ループ点区分開閉器は、常時開路し、他の高圧幹線側の事故時に事故点が切り離されたとき閉路して健全回線側から故障回線側の末端健全区間に電力を供給するようになし、前記各配電用変電所は、入力側高圧幹線と出力側高圧幹線とを電流の流れ方向が互いに逆向となるように零相変流器の鉄心窓を貫通し、該零相変流器により零相電流を検出し、保護範囲外の地絡事故では零相電流を打ち消し合い、保護範囲内の地絡事故による零相電流はこれを検出して、該零相電流が予め設定した設定値以上となったとき動作する地絡検出手段を設け、この地絡検出手段の動作により前記入力側開閉器、出力側開閉器を遮断するようにした常開ループ配電の地絡保護方式において、新たな負荷設備を増設する場合、前記ループ内の既設の配電用変電所内の高圧幹線から分岐電路により新たな負荷設備を増設し、この増設した配電用変電所の地絡検出保護手段は、保護範囲内の地絡事故による零相電流を検出し、該零相電流の電流値があらかじめ設定した設定値を超えたとき動作して前記入力側開閉器、出力側開閉器を遮断し、且つ、零相電流が設定値を超えても増設した配電用変電所内の対地静電容量を介して流れ込む逆位相の零相電流を検出したときは不動作とすることで誤動作を防止するようにしたことを特徴とする常開ループ配電の地絡保護方式。
  2. 請求項1の零相変流器による零相電流の検出は、入力側高圧幹線と出力側高圧幹線の夫々に零相変流器を設け、この両変流器の2次側の出力が逆になるように並列接続して該出力をアナログ合成して得るようにしたことを特徴とする常開ループ配電の地絡保護方式。
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