JP4333165B2 - 土壌状態判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌状態判定方法に係り、特に、撮像手段によって撮像された画像を用いた土壌状態判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
土植栽工事、土木工事、汚染土壌浄化工事等で行われる土壌改良では、改良前の土壌状態に対して必要に応じた土壌改良剤等を注入し、混合機を用いて攪拌混合して、目的の土壌に改良する作業が行われる。土壌改良を行う際の目的の土壌状態は、その需要現場によって異なる。たとえば、微生物の能力を利用して汚染土壌を浄化する工事では、微生物の能力が最大限に発揮できるように土壌中の酸素量を確保する必要がある。そのため、土壌空隙(気相)が均一で多くなるような土壌が要求される。
【0003】
このような土壌改良工事を行う際には、現場作業に先立って、事前の混合条件の検討が行われる。具体的には、改良前土壌の含水量、土粒子の粒径などの条件を踏まえて、土壌改良剤の混合量、混合機での運転条件等を決定して現場で適用する。しかしながら、実際には改良前土壌はその量も多く、まったく同じ土壌状態ではない。そのため、事前前検討の条件では目的の土壌状態にならない場合もあり、現場での調整はその都度必要である。その調整は、できるかぎり早急に実施しなければ工事の無駄が発生する。
【0004】
そこで、現場での調整を行う際の土壌状態を把握する技術を用いたものとして、特開平8−84983号公報に開示された環境保全加速システムがある。この環境保全加速システムでは、土壌等の処理物質に有効微生物(EM)を施し、処理物質の有効化を図るものである。そのため、処理物質となる土壌に拡大画像・断層図センサ等のセンサ群を設け、直接拡大画像および断層画像データ等を記録演算表示部に出力する。記録演算表示部では、これらの直接拡大画像等から土壌の状態を検出するというものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−84983号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に開示された環境保全加速システムでは、単に直接拡大画像等から土壌の状態を検出するものであり、土壌を有効化、換言すれば状態の改善度合いまでをも検出するものではなかった。そのため、土壌の改良が進んでいるか否かの判断を直接行うことができないものであった。
【0007】
他方、実際の現場では、土壌改良の進行度合いを現場作業者が目視によって判定し、または目視に加えて簡単な土壌状態の物性測定検査を併用して判定するのが現状である。ところが、このような判定方法では、現場作業者の目視判断の場合、作業工程的には混合機からある程度土壌が排出された後にしか目視判定はできないため、時間的に遅れるという問題がある。また、目視による判定でしかないため、現場作業者の勘に依存する部分が大きく、作業者ごとでその判断が変動する可能性があり、安定した土壌状態を提供できないという問題があった。ここで、物性測定検査を併用した場合には、判定精度は向上するものの、物性測定検査のためにさらに長時間を要することになった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、迅速かつ高精度で土壌の状態や土壌改良の進行度合いを判断することができる土壌状態判定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係る土壌状態判定方法は、土壌改良剤を混入した土壌における土壌改良の進行度合いを判定する土壌改良状態判定方法であって、コンベアによって搬送されて判定対象となる土壌改良剤を混入した土壌へ光源より照射し、前記土壌の画像を撮像手段によって撮像する撮像工程と、土壌改良の基準となる土壌を撮影した画像からなる基準画像の輝度値の分布をあらかじめ記憶しておく基準土壌準備記憶工程と、判定対象となる土壌改良剤を混入した土壌の画像における輝度値の分布と、基準画像における輝度値の分布とを比較し、土壌改良剤を混入した土壌の画像における輝度値の分布と、基準画像における輝度値の分布との類似度から土壌改良の進行度合いを判定する状態判定工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る土壌状態判定方法においては、判定対象となる土壌の画像を撮像し、あらかじめ記憶された基準画像との比較によって土壌の状態を判定している。このため、基準画像という指標との比較において土壌状態を判定できるので、作業員の勘に頼るなどの必要はなく、精度の高い判定を行うことができる。また、判定対象となる土壌の画像を撮像し、その画像から土壌状態を判定しているので、迅速な処理を行うことができる。
【0011】
また、コンベアが上段コンベアと下段コンベアとを備え、土壌は、上段コンベアから下段コンベアに落下して搬送されており、撮像工程では、上段コンベアから下段コンベアに落下する土壌を撮像する態様とすることができる。
さらに、撮像工程では、エリアセンサまたはラインセンサによって土壌を撮像する態様とすることができる。
あるいは、撮像工程では、コンベアの側方に配置された照射装置によって土壌を照射し、コンベアの搬送方向から見て後方の位置、または照射装置による照射方向から見てコンベアを挟んだ反対側の位置に配置された撮像装置によって、土壌を撮像する態様とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0022】
図1は、第1の実施形態に係る土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る土壌状態判定方法に用いる土壌状態判定装置M1は、画像処理装置1を備えている。画像処理装置1には、画像入力部11、画像処理部12、および状態判定部13が設けられており、そのうちの画像入力部11には、撮像装置2が接続されている。撮像装置2は、コンベア3によって搬送される土壌を撮像しており、コンベア3における撮像位置Sは、照明装置4によって照射されている。
【0023】
撮像装置2としては、画像の2次元的な広がりを特徴として用いる、いわゆるエリアセンサが用いられている。エリアセンサを撮像装置2として用いているので、画像の2次元的特徴を好適に捉えることができる。撮像装置2によって撮像された画像は、画像処理装置1における画像入力部11に出力される。画像入力部11では、出力された画像に所定の入力処理を施す。画像入力部11で入力処理された画像は、画像処理部12に出力される。画像処理部12では、所定のエッジ処理などの画像処理を施して、状態判定部13に出力する。状態判定部13では、画像処理された画像に基づいて、土壌の状態を判定する。これら画像処理部12および状態判定部13における処理の詳細については後述する。状態判定部13における判定結果は、図示しないモニタなどの所定の出力装置に出力される。撮像装置2により、コンベア3の上に搭載されて搬送される土壌を撮像することにより、判定対象となる土壌に対して非接触の状態で簡便に土壌判定を行うことができる。
【0024】
次に、本実施形態に係る画像処理装置1における処理について説明する。本実施形態に係る画像処理装置1においては、いくつかの判定手法によって、土壌の状態を判定することができる。以下、それらの判定方法について順次説明する。
【0025】
<第1判定手法>
第1判定手法では、画像処理部12において、基準となる土壌の画像の輝度分布をあらかじめ記憶しておく。基準となる土壌は、たとえば土粒子が細かく、水分が多すぎず、気泡が土壌中に適度に分散している土壌とすることができる。このような基準となる土壌をあらかじめ撮像し、撮像された画像から基準となる土壌の輝度分布を求め、その輝度分布をあらかじめ記憶しておく。
【0026】
このような基準となる土壌の画像の輝度分布をあらかじめ記憶しておき、土壌状態の判定を行う際には、画像処理部12において、撮像装置2から出力された判定対象となる土壌の画像の輝度分布を求める。これら基準となる土壌の画像の輝度分布と、撮像された判定対象となる画像の輝度分布をそれぞれ状態判定部13に出力する。状態判定部13では、画像処理部12から出力された基準となる土壌の画像の輝度分布と、判定対象となる画像の輝度分布とを比較し、両者の一致度を判定する。両者の一致度の判定では、下記(1)を用いることができる。
【0027】
【数1】
この(1)式によって求められた一致度lに基づいて、判定対象となる土壌の状態判定を行うことができる。ここで、図2(a)〜(d)に、それぞれ画像の輝度分布の一例を示す。図2(a)(c)は、判定対象となる土壌を撮像した画像の輝度分布であり、(b)、(d)は、あらかじめ記憶された基準となる土壌の画像の輝度分布である。図2(a)と図2(b)との間の類似度と、図2(c)と図2(d)の類似度とを比較すると、図2(c)と図2(d)の方が、両者の類似度が高い。このように、基準となる画像と判定対象となる土壌の画像との輝度分布とを比較することにより、土壌の状態の良否を判定することができる。そして、一致度が高いほど、良質な土壌であり、土壌改良を行っている場合には、その改良が進行していると判定することができる。また、輝度情報を利用することにより、土壌の種類や色に左右されない判定を行うことができる。
【0028】
<第2判定手法>
第2判定手法では、画像処理部12において、撮像装置2から出力された判定対象となる土壌の画像における輝度値の分布を求め、状態判定部13に出力する。状態判定部13では、出力された画像における輝度値の分布に基づき、画像における任意の領域である複数の一定領域内において、所定値以上の輝度値が存在する確率を下記(2)式を用いて算出する。
【0029】
【数2】
(2)式より算出されるxが小さいほどランダム性が高く、土壌が塊になっておらずに細かくなっていることがわかる。したがって、上記(2)式により算出されるxが小さいほど良質な土壌であり、土壌改良を行っている場合にはその改良が進んでいると判定することができる。このようなランダム性に基づいて土壌状態を判定することにより、輝度などの特徴のムラなどを用いた安定した判定を行うことができる。
【0030】
この判定手法では、画素の特徴として輝度に着目し、輝度値の分布に基づいてランダム性を判定しているが、画像における他の特徴、たとえば色度や明度の分布に基づいて判定を行うこともできる。また、ランダム性を判定するための領域は任意の位置、大きさとすることができる。
【0031】
<第3判定手法>
第3判定手法では、画像処理部12において、撮像装置2から出力された判定対象となる土壌の画像における輝度値の分布を求めて、状態判定部13に出力する。状態判定部13では、出力された画像における輝度値の分布に基づき、画像における任意の領域である複数の一定領域内において、輝度値の重心を求めて、その偏りを検出する。画像における輝度値の重心は、一定領域内における輝度値のランダム性を擬似的に表現している。輝度値の重心は下記(3)式〜(5)式に基づいて求めることができる。
【0032】
【数3】
なお、式中、x、yは、それぞれ画像におけるx座標、y座標、f(x,y)は、座標(x、y)における輝度値を示している。
【0033】
この結果、(5)式によって算出されたlの値が小さいほど、重心の偏りが小さいことを示している。重心の偏りが小さいということは、土壌が塊をなしておらず、細かくなっていることを示している。したがって、上記(5)式より算出されるlが小さいほど良質な土壌であり、土壌改良を行っている場合には、その改良が進んでいると判定することができる。このような輝度値などの特徴値の重心を求めて土壌状態を判定することにより、土壌のランダム性を擬似的に求めることができる。このように、土壌の重心からそのランダム性を擬似的に求めることにより、判定の高速化を図ることができる。
【0034】
この判定手法では、画素の特徴として、輝度に着目し、輝度値の分布に基づいて重心を判定しているが、画像における他の特徴、たとえば色度や明度に基づいて重心を判定する態様とすることもできる。また、重心を判定するための領域は任意の位置、大きさとすることができる。
【0035】
<第4判定手法>
第4判定手法では、画像処理部12において、撮像装置2から出力された判定対象となる土壌の画像に1次微分を施して特徴値としての輝度値の傾きを検出するためのエッジ抽出を行う。その抽出したエッジを状態判定部13に出力する。状態判定部13では、抽出したエッジのうち、一定の長さ以上のエッジについて、その方向性を測定する。x方向への方向性およびy方向への方向性は、それぞれ下記(6)式、(7)式で求めることができ、全体の方向性は下記(8)式で求めることができる。
【0036】
【数4】
判定対象となる土壌において、土壌塊が大きく、水分が多い部分がある場合には、輝度の分布がまだらになってそのエッジ群に方向性が見られる。したがって、上記(8)式で求めたエッジ方向のランダム状態をエッジ方向の分散として求める。エッジ方向の分散が小さいと、土壌塊が少なく、まだらな状態にはなっていないと判定することができる。このことから、(8)式によりエッジの方向性を求め、このエッジの方向性の分散が小さいほど、良質な土壌であり、土壌改良を行っている場合には、その改良が進んでいると判定することができる。
【0037】
<第5判定手法>
第5判定手法では、画像処理部12において、撮像装置2から出力された判定対象となる土壌の画像(9)式に基づいてフーリエ変換し、判定対象となる土壌の空間周波数を算出する周波数解析を行う。
【0038】
【数5】
画像処理部12は、(9)式による周波数解析を行って算出した空間周波数を状態判定部13に出力する。状態判定部13では、画像処理部12から出力された空間周波数に基づいて、土壌における周波数特性による判定を行う。この手法では、周波数成分を見ているので、輝度変化の方向成分には依存していない。土壌において、土壌塊が多く土壌状態が良くないものは、輝度値に細かい変化がないために、周波数成分として低周波の要素が大きくなる。ここで、図3に2つの画像における空間周波数と強度の関係と表すグラフを示す。図3に示す第1の画像のグラフでは、低周波数の成分が多く現れているに対して、第2の画像のグラフでは、高周波数の成分が現れている。この例では、第2の画像における土壌の方が良質な土壌であり、土壌改良を行っている場合には、改良が進行していると判断することができる。
【0039】
また、空間周波数を用いる態様としては、フーリエ変換による演算を行うことなく、単に画像圧縮技術を用いる態様とすることもできる。画像圧縮技術で用いられるJPEG(Joint Photographic Experts Group)等では、画像が離散コサイン変換(discrete cosine transform、以下「DCT」という)され、その特徴量によりフレグランス符号に代表化される。このため、土壌を撮像した画像において、土壌塊が少なく、良質の土壌を撮像している場合、画像成分には細かい情報が多く、DCTによって高周波成分の特徴強度が大きくなるので、良質な土壌を撮像するほど、画像圧縮をした際の圧縮率が低くなる。したがって、判定対象となる土壌を撮像した画像を圧縮した際の画像の圧縮率が低く、換言すれば、圧縮後の画像サイズが大きくなるほど、判定対象の土壌は良質であると判断することができる。
【0040】
このように、本実施形態に係る土壌状態判定方法においては、いずれも判定対象となる土壌を撮像し、その画像に基づいて土壌の状態を判定することができる。したがって、作業員の目視等による判断を必要としないので、迅速かつ高精度で土壌の状態や土壌改良の進行度合いを判断することができる。
【0041】
ここで、上記各手法による判定結果のうち、第2、第3、第5判断手法による判定結果の例を表1に示す。表1において、第2判定手法は、上記(2)式で求めたランダム性を示し、第3判定手法は、上記(5)式で求めた重心偏りであり、第5判定手法は圧縮した画像のサイズをそれぞれ示す。また、サンプル4は、他のサンプル1〜サンプル3よりも良質な土壌である。
【0042】
【表1】
表1からわかるように、サンプル1〜サンプル4を比較すると、サンプル4は、他のサンプル1〜サンプル3と比べて、そのランダム性が低く、圧縮画像が大きくなっている。また、重心偏りは、サンプル2よりは大きいものの、他のサンプルよりは小さくなっている。このように、良質な土壌を撮像することにより、そのランダム性および重心傾きは小さく、圧縮画像は大きくなるので、これらの結果に基づいて良好に土壌の良否を判定することができる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係る土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。図4に示すように、本実施形態にかかる土壌状態判定方法に用いる土壌状態判定装置M2は、上記第1の実施形態と同様、画像入力部11、画像処理部12、および状態判定部13が設けられた画像処理装置1を有している。画像入寮部は、コンベア5によって搬送される土壌を撮像する撮像装置2に接続されており、撮像装置2は、撮像した土壌の画像を画像処理装置1に出力している。
【0044】
また、土壌を搬送するコンベア5は、上段コンベア5Aと下段コンベア5Bとを備えている。また、上段コンベア5Aと下段コンベア5Bとの間には、土壌を滑らせる傾斜面を備える傾斜台6が介在されて設けられており、傾斜台6は、上段コンベア5Aの終端部と下段コンベア5Bの始端部とを接続している。上段コンベア5Aで搬送された土壌は、上段コンベア5Aの終端部に達すると、傾斜台6に供給される。傾斜台6に達した土壌は、傾斜台6の上を流れ落ち、下段コンベア5Bの始端部に到達し、下段コンベア5Bの始端部から下段コンベア5Bに搭載される。撮像装置2は、傾斜台6の上を流れ落ちる土壌を撮像している。また、傾斜台6の正面情報には、照明装置4が配設されており、傾斜台6の上における土壌の撮像位置Sを照射している。
【0045】
以上の構成を有する本実施形態に係る土壌状態判定装置M2における処理について説明する。本実施形態における判定手法を第6判定手法として説明する。
【0046】
<第6判定手法>
第6判定手法では、画像処理部12において、撮像装置2から出力された判定対象となる土壌の画像における移動速度分布としてのオプティカルフローを求め、状態判定部13に出力する。状態判定部13では出力されたオプティカルフローに基づいて、土壌状態を判定する。傾斜台6の上を滑る土壌が塊をほとんど持たない良質な土壌であると、傾斜台6の上を滑る速度が速くなる。画像処理部12においては、傾斜台6の上を土壌が滑り落ちることにより、経時に変化する画像を撮像して、各不意レーム間の画像からオプティカルフローを求めている。このオプティカルフローに基づいて、土壌の流れ落ちる速度を検出し、状態判定部13では、滑り落ちる速度が速い場合には、良質な土壌であり、土壌改良が行われている場合には、改良が進んでいると判定することができる。
【0047】
このように、本実施形態に係る土壌状態判定方法においても、判定対象となる土壌を撮像し、その画像に基づいて土壌の状態を判定することができる。したがって、迅速かつ高精度で土壌の状態や土壌改良の進行度合いを判定することができる。さらに、判定対象となる土壌を斜面の上で滑らせることにより、土壌の粘性を取得することができるので、その分判定精度の向上に寄与する。
【0048】
また、本発明に係る土壌状態判定方法を行う土壌状態判定装置の他の例について説明する。図5は、他の土壌状態判定装置で土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態に係る土壌状態判定方法に用いる土壌状態判定装置M3は、上記第1の実施形態と同様、画像入力部11、画像処理部12、および状態判定部13が設けられた画像処理装置1を有している。画像入力部11は、コンベア7によって搬送される土壌を撮像する撮像装置2に接続されており、撮像装置2は、撮像した土壌の画像を画像処理装置1に出力している。
【0049】
また、土壌を搬送するコンベア7は、上段コンベア7Aと下段コンベア7Bとを備えている。上段コンベア7Aで搬送された土壌は、上段コンベア7Aの終端部まで搬送された後に落下する。上段コンベア7Aの終端部の下方位置には、下段コンベア7Bの始端部が配置されており、上段コンベア7Aの終端部から落下した土壌は、下段コンベア7Bの始端部から下段コンベア7B上に搭載される。撮像装置2は、上段コンベア7Aの終端部から下段コンベア7Bの始端部に落下する土壌を撮像している。また、上段コンベア7Aの終端部から下段コンベア7Bの始端部に落下する土壌を挟んだ撮像装置2の裏側には、照明装置4が配設されており、落下する土壌における撮像位置を照射している。このように、土壌を落下させることによって、水分量による土壌の状態をより判定しやすい状況を作ることができる。
【0050】
この例に係る土壌状態判定装置M3においては、上記の第1判定手法から第6判定手法のうち、第6判定手法を除いた第1判定手法〜第5判定手法の各判定手法による土壌状態判定方法を行うことができる。
【0051】
また、上記第1の実施形態において、撮像位置Sを照射する照明装置4および撮像装置2の設置位置の関係を適宜変更することができる。図6は、照明装置および撮像装置の設置位置を説明する説明図である。図6(a)に示すように、照明装置4は、コンベア5における搬送方向から見て側方に設置されており、側方から撮像位置Sを照射している。また、撮像装置2はコンベア5の搬送方向から見て後方位置に設置されており、照明装置4による照射方向から見て側方位置に配置されている。あるいは、図6(b)に示すように、コンベア5の側方に照明装置4を設置して、側方から撮像位置を照射するとともに、照明装置4が設けられている位置から見て、コンベア5を挟んだ反対側の位置に撮像装置2を設置することもできる。
【0052】
図6(a)に示すように、照明装置4をコンベア5の搬送方向(土壌の搬送方法)の側方に設置して、側方から照明を当てることにより、土壌に影を作りやすくすることができる。このため土壌に塊がある場合には、その塊を判別しやすくなる。また、撮像装置2を照明の入射角に対する反射角に対応する位置に設置することにより、水分が多く反射の大きい土壌の判別が容易となる。この例による土壌状態判定装置は、上記第1〜第6判定手法のうちの、第6判定手法を除く第1〜第5判定手法に利用することができる。
【0053】
また、図6(b)に示すように、照明装置4をコンベア5の搬送方向の側方に設置して側方から照明を当てるとともに、その反対側に撮像装置2を設置すると、土壌の光反射を撮像装置2で捉えることができる。このような土壌の光反射を捉えた画像から土壌判定を行うことにより、土壌の艶(水分量)を好適に判定することができる。この例による土壌状態判定装置は、上記第1〜第6判定手法のうちの、第6判定手法を除く第1〜第5判定手法に利用することができる。
【0054】
さらに、図7に示す態様とすることもできる。図7に示す態様では、撮像装置2として、いわゆるラインセンサが用いられている。ラインセンサは、画像の1次元的特徴を用いて高速かつ連続的に判定処理を行うことができるカメラであり、ラインセンサを用いることで、高速かつ連続的な処理が可能となる。このラインセンサからなる撮像装置2をコンベア5の側方に設置し、コンベア5を挟んだ撮像装置2の反対側に照明装置4を設置している。この態様において、撮像装置2は、コンベア5上における1ライン分の画像を撮像している。ここでいう1ラインとは、コンベア5の搬送方向の幅が、画像処理を行う際の数ピクセル、たとえば1ピクセル分の幅となっている状態をいう。この1つのラインの情報によって、土壌状態を判定することができる。このような1つのラインの情報で判定を行うことにより、情報量が少ないことから、高速処理が可能となる。また、コンベア5の流れにより土壌が連続して搬送されてくるので、連続的な処理を行うことができる。この土壌状態判定装置は、上記第1〜第6判定手法のうち、第1〜第3判定手法に用いることができる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では第1〜第6の判定手法を単独で用いているが、これらの手法を複数利用して土壌の状態判定を行うこともできる。このように、複数の手法を利用することにより、さらに高精度な状態判定を行うことができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、迅速かつ高精度で土壌改良の進行度合いを判断することができる土壌状態判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。
【図2】(a)(c)は、判定対象となる土壌を撮像した画像の輝度分布を示すグラフであり、(b)、(d)は、あらかじめ記憶された基準となる土壌の画像の輝度分布を示すグラフである。
【図3】2つの画像における空間周波数と強度の関係と表すグラフである。
【図4】第2の実施形態に係る土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。
【図5】他の土壌状態判定装置で土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。
【図6】(a)、(b)とも、照明装置および撮像装置の設置位置を説明する説明図である。
【図7】他の土壌状態判定装置で土壌状態判定方法を行う状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…画像処理装置、2…撮像装置、3,5,7…コンベア、4…照明装置、5A,7A…上段コンベア、5B,7B…下段コンベア、6…傾斜台、7…コンベア、11…画像入力部、12…画像処理部、13…状態判定部、M1〜M3…土壌状態判定装置、S…撮像位置。
Claims (6)
- 土壌改良剤を混入した土壌における土壌改良の進行度合いを判定する土壌改良状態判定方法であって、
コンベアによって搬送されて判定対象となる前記土壌改良剤を混入した土壌へ光源より照射し、前記土壌の画像を撮像手段によって撮像する撮像工程と、
土壌改良の基準となる土壌を撮影した画像からなる基準画像の輝度値の分布をあらかじめ記憶しておく基準土壌準備記憶工程と、
前記判定対象となる前記土壌改良剤を混入した前記土壌の画像における輝度値の分布と、前記基準画像における輝度値の分布とを比較し、前記土壌改良剤を混入した前記土壌の画像における輝度値の分布と、前記基準画像における輝度値の分布との類似度から土壌改良の進行度合いを判定する状態判定工程と、
を備えることを特徴とする土壌状態判定方法。 - 前記コンベアが上段コンベアと下段コンベアとを備え、
前記土壌は、上段コンベアから下段コンベアに落下して搬送されており、
前記撮像工程では、上段コンベアから下段コンベアに落下する土壌を撮像する請求項1に記載の土壌状態判定方法。 - 前記撮像工程では、エリアセンサによって前記土壌を撮像する請求項1または請求項2に記載の土壌状態判定方法。
- 前記撮像工程では、ラインセンサによって前記土壌を撮像する請求項1または請求項2に記載の土壌判定方法。
- 前記撮像工程では、前記コンベアの側方に配置された照射装置によって前記土壌を照射し、
前記コンベアの搬送方向から見て後方の位置に配置された前記撮像装置によって、前記土壌を撮像する請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の土壌状態判定方法。 - 前記撮像工程では、前記コンベアの側方に配置された照射装置によって前記土壌を照射し、
前記照射装置による照射方向から見て前記コンベアを挟んだ反対側の位置に配置された前記撮像装置によって、前記土壌を撮像する請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の土壌状態判定方法。
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