JPH11337484A - 土壌分析方法、分光分析装置及びその分光分析装置を搭載した農業用作業車 - Google Patents

土壌分析方法、分光分析装置及びその分光分析装置を搭載した農業用作業車

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JPH11337484A
JPH11337484A JP6159499A JP6159499A JPH11337484A JP H11337484 A JPH11337484 A JP H11337484A JP 6159499 A JP6159499 A JP 6159499A JP 6159499 A JP6159499 A JP 6159499A JP H11337484 A JPH11337484 A JP H11337484A
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light
soil
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spectroscopic
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JP6159499A
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Tadashi Adachi
正 足立
Nobuya Tsujikura
伸弥 辻倉
Hiroichi Ikeda
博一 池田
Masahiko Muto
雅彦 武藤
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Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専門知識及び専門技術を必要とすることなく
簡単に土壌に含まれる硝酸態窒素を分析することができ
る土壌分析方法及び分光分析装置を提供する。更に、圃
場の任意の箇所でその箇所の土壌に含まれる硝酸態窒素
を簡単に分析することができる農業用作業車を提供す
る。 【解決手段】 分光分析装置Mを、計測対象の土壌Sに
光を照射し土壌に含まれる硝酸態窒素と相関のある計測
用波長の計測用光を土壌からの反射光または透過光とし
て受光する分光手段Aと、その分光手段Aが受光した計
測用光に基づいて計測対象の土壌に含まれる硝酸態窒素
を分析する分析手段1とを設けて構成する。また、農業
用作業車をそのような分光分析装置Mを搭載した構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌中に含まれる
硝酸態窒素を分析する土壌分析方法、分光分析装置及び
その分光分析装置を搭載した農業用作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】作物は土壌中の硝酸態窒素を吸収して成
育するので、作物の適正な成育を図るために適正な施肥
管理を行う上で、土壌に含まれる硝酸態窒素の分析は重
要である。従来、土壌中に含まれる硝酸態窒素の分析
は、フェノール硫酸法、イオン電極法等の化学的な分析
法にて行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェノ
ール硫酸法やイオン電極法を用いて行う硝酸態窒素の分
析は、専門知識及び専門技術が必要であるため、一般の
農業従事者は分析を行うことができなかった。具体的に
は、フェノール硫酸法では土壌から溶液抽出して試験紙
で色の変化を肉眼またはクロマトグラフィ等で識別する
という複雑な作業と専門知識等が必要である。また、イ
オン電極法では土壌中に電極棒を挿入して電位差を測定
して行うが、電極棒の挿入回数が多くなると電極棒の先
端部の汚れ等により測定誤差が生じるため、校正作業が
必要となる。従って、硝酸態窒素の分析は、それを専門
的に行う専門機関に依頼せざるを得ないのが実情である
が、作物を栽培する前に専門機関に依頼して硝酸態窒素
の分析を行うのは、分析に要する期間、費用、手間等に
より現実には不可能である。そこで、作物の成育が悪い
ときや、収穫が少ないときに、硝酸態窒素の分析を専門
機関に依頼して、その分析結果に基づいて施肥管理を行
うことになるので、施肥管理が後手になっていた。
【0004】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、その第一の目的は、専門知識及び専門技術を
必要とすることなく簡単に土壌に含まれる硝酸態窒素を
分析することができる土壌分析方法を提供することにあ
り、第二の目的は、専門知識及び専門技術を必要とする
ことなく簡単に土壌に含まれる硝酸態窒素を分析するこ
とができる分光分析装置を提供することにあり、第三の
目的は、そのような分光分析装置を搭載して、圃場の任
意の箇所でその箇所の土壌に含まれる硝酸態窒素を簡単
に分析することができる農業用作業車を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るための本発明に係る土壌分析方法の第一の特徴構成
は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、計
測対象の土壌に光を照射し、土壌に含まれる硝酸態窒素
と相関のある計測用波長の計測用光を土壌からの反射光
または透過光として受光して、受光した計測用光に基づ
いて計測対象の土壌に含まれる硝酸態窒素を分析する点
にある。
【0006】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加え
て、圃場の土壌、または、圃場から採取した状態の儘の
土壌を計測対象の土壌とする点にある。
【0007】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項3に記載した如く、上記第一または第二の特徴
構成に加えて、前記計測用波長が、1978〜1998
nmの範囲、2068〜2088nmの範囲、2089
〜2106nmの範囲、2284〜2304nmの範囲
のうちの少なくとも一つの範囲に含まれる点にある。
【0008】上記第二の目的を達成するための本発明に
係る分光分析装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲
の欄の請求項4に記載した如く、計測対象の土壌に光を
照射し、土壌に含まれる硝酸態窒素と相関のある計測用
波長の計測用光を土壌からの反射光または透過光として
受光する分光手段と、その分光手段が受光した計測用光
に基づいて計測対象の土壌に含まれる硝酸態窒素を分析
する分析手段が設けられている点にある。
【0009】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項5に記載した如く、計測対象に含まれる被分析
物質と相関のある計測用波長の計測用光を太陽光から抽
出し、その計測用光を前記計測対象に照射し、前記計測
対象からの前記計測用光の反射光または透過光を受光す
る分光手段と、前記分光手段が受光した前記計測用光に
基づいて前記計測対象に含まれる前記被分析物質を分析
する分析手段が設けられている点にある。
【0010】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項6に記載した如く、上記第二の特徴構成に加え
て、前記分光手段は、太陽光を集光する太陽光集光部
と、前記太陽光集光部が集光した太陽光の内から前記計
測用光を抽出する計測用光抽出部と、前記計測用光を前
記計測対象の表面に集光照射する照射部と、前記計測用
光を前記計測用光抽出部から前記照射部まで導く光導波
部と、前記計測対象からの前記計測用光の反射光または
透過光を受光する受光部を備えてなる点にある。
【0011】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項7に記載した如く、上記第三の特徴構成に加え
て、前記分光手段は、人工光源を備え、前記計測用光抽
出部は前記太陽光集光部が集光した太陽光と前記人工光
源の光の何れか一方を選択し、その選択した光の内から
前記計測用光を抽出する点にある。
【0012】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項8に記載した如く、上記第三または第四の特徴
構成に加えて、前記光導波部に参照光を抽出するための
参照光受光部を備えている点にある。
【0013】同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項9に記載した如く、上記第三、第四または第五
の特徴構成に加えて、前記計測用光の反射光または透過
光を前記受光部の受光部分に集光させる計測用光集光部
を備えてなり、前記計測用光集光部は回転楕円体面から
なる開口凹曲面状の反射面を有し、前記照射部によって
前記計測用光が前記計測対象に向けて集光照射される個
所を前記回転楕円体面の一方の焦点に設定し、前記受光
部の受光部分を前記回転楕円体面の他方の焦点に設けて
なる点にある。
【0014】同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項10に記載した如く、上記第一乃至第六の特徴
構成の何れか一つに加えて、圃場の土壌、または、圃場
から採取した状態の儘の土壌を計測対象とする点にあ
る。
【0015】同第八の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項11に記載した如く、上記第一乃至第七の特徴
構成の何れか一つに加えて、前記計測用波長が、197
8〜1998nmの範囲、2068〜2088nmの範
囲、2089〜2106nmの範囲、2284〜230
4nmの範囲のうちの少なくとも一つの範囲に含まれる
点にある。
【0016】上記第三の目的を達成するための本発明に
係る農業用作業車の第一の特徴構成は、特許請求の範囲
の欄の請求項12に記載した如く、上記分光分析装置の
第一乃至第七の特徴構成の何れか一つを有する分光分析
装置が搭載されている点にある。
【0017】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項13に記載した如く、上記第一の特徴構成に加
えて、圃場から計測対象の土壌を採取して、前記分光手
段において計測対象の土壌を位置させる計測箇所に供給
する試料採取手段が設けられている点にある。
【0018】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項14に記載した如く、上記第二の特徴構成に加
えて、圃場を耕す耕耘手段が設けられ、前記試料採取手
段は、前記耕耘手段により耕された後の土壌を採取する
ように構成されている点にある。
【0019】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項15に記載した如く、上記第一の特徴構成に加
えて、前記分光手段が、光を圃場の地面に照射し、地面
からの反射光を計測用光として受光するように構成され
ている点にある。
【0020】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項16に記載した如く、上記第四の特徴構成に加
えて、圃場を耕す耕耘手段が設けられ、前記分光手段
は、前記耕耘手段により耕された後の圃場の地面に光を
照射するように構成されている点にある。
【0021】同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項17に記載した如く、上記第一乃至第五の特徴
構成の何れか一つに加えて、圃場に施肥する施肥手段が
設けられ、その施肥手段は、前記分析手段の分析情報に
基づいて、施肥量を調節するように構成されている点に
ある。
【0022】以下に本発明の特徴構成の作用並びに効果
を説明する。上記の本発明に係る土壌分析方法の第一の
特徴構成によれば、計測対象の土壌に光を照射し、土壌
に含まれる硝酸態窒素と相関のある計測用波長の計測用
光を土壌からの反射光または透過光として受光して、受
光した計測用光に基づいて計測対象の土壌に含まれる硝
酸態窒素を分析する。つまり、計測対象の土壌に光を照
射すると、硝酸態窒素と相関のある計測用波長の計測用
光は、土壌における硝酸態窒素含有量に応じて吸収され
るので、計測用波長の計測用光の吸光度は、硝酸態窒素
含有量に応じたものとなっている。そこで、計測用光の
吸光度に基づいて硝酸態窒素含有量を分析するための検
量式を多重回帰分析等による統計的手法により予め求め
ておく。そして、マイクロコンピュータを利用して、土
壌からの反射光または透過光として受光される計測用波
長の計測用光の吸光度を得るとともに、その吸光度を用
いて前記検量式により硝酸態窒素含有量を分析すること
ができるようにする。従って、計測対象の土壌に光を照
射することができるように操作するといった程度の簡単
な作業で、土壌に含まれる硝酸態窒素を分析することが
できるので、専門知識及び専門技術を必要とすることな
く簡単に土壌に含まれる硝酸態窒素を分析することがで
きる土壌分析方法を提供することができるようになっ
た。
【0023】そして、そのような土壌分析方法を用い
て、作物の栽培前に、簡単に土壌中の硝酸態窒素の分析
を行うことができるので、その分析結果に基づいて、作
物の栽培前に、適正に施肥管理を行うことができる。
【0024】同第二の特徴構成によれば、圃場の土壌、
または、圃場から採取した状態の儘の土壌を計測対象の
土壌とするので、土壌を乾燥したり、土壌の粒径を揃え
るといった前処理無しに分析することができる。従っ
て、土壌に含まれる硝酸態窒素の分析を一層簡単に行う
ことができる土壌分析方法を提供することができるよう
になった。
【0025】同第三の特徴構成によれば、計測用波長
が、1978〜1998nmの範囲、2068〜208
8nmの範囲、2089〜2106nmの範囲、228
4〜2304nmの範囲のうちの少なくとも一つの範囲
に含まれる。つまり、種々の実験を行うことにより、前
記の各範囲に含まれる計測用波長の計測用光は、硝酸態
窒素含有量と相関が強いことを見出した。従って、19
78〜1998nm、2068〜2088nm、208
9〜2106nm、2284〜2304nmの各範囲に
含まれる計測用波長の計測用光のうちの少なくとも一つ
を用いることにより、硝酸態窒素含有量の分析を一層高
精度で行うことができる土壌分析方法を提供することが
できるようになった。
【0026】上記の本発明に係る分光分析装置の第一の
特徴構成によれば、分光手段により、計測対象の土壌に
光が照射され、土壌に含まれる硝酸態窒素と相関のある
計測用波長の計測用光が土壌からの反射光または透過光
として受光され、分析手段により、分光手段が受光した
計測用光に基づいて計測対象の土壌に含まれる硝酸態窒
素が分析される。従って、計測対象の土壌に光を照射す
るように操作するといった程度の簡単な作業で、土壌に
含まれる硝酸態窒素を分析することができるので、専門
知識及び専門技術を必要とすることなく簡単に土壌に含
まれる硝酸態窒素を分析することができる分光分析装置
を提供することができるようになった。
【0027】同第二または第三の特徴構成によれば、分
光手段により計測対象に太陽光から抽出された計測用光
が照射され、計測対象に含まれる被分析物質と相関のあ
る計測用波長の計測用光の前記計測対象からの反射光ま
たは透過光が受光され、分析手段により、分光手段が受
光した計測用光に基づいて計測対象に含まれる被分析物
質が分析される。ここで、光源として太陽光を利用する
ため、光源に通常要求される大電力を必要とせず省電力
化が図れ、装置全体の小型軽量化及び低コスト化も図れ
るのである。また、太陽光は、大気中の透過率が波長依
存性を有するものの広範囲な発光スペクトルを有するた
め、分光分析に必要な計測用波長、特に、土壌分析に必
要な所定波長の計測用光を抽出することができるのであ
る。
【0028】同第四の特徴構成によれば、太陽光強度が
微弱な場合等の太陽光から分光分析に必要な計測用光が
抽出できない場合であっても、ハロゲンランプ等の人工
光源からの光から計測用光を抽出することができるた
め、分光分析を行うことができるのである。
【0029】同第五の特徴構成によれば、参照光受光部
によって太陽光または人工光源からの計測用光の参照光
を同時に得られるので、簡単にバックグランド補正がで
きるのである。特に、太陽光を光源としている場合、各
計測用波長毎の計測用光の強度が検量線作成時の光源の
ものと異なる場合が想定されるが、かかる場合の補正が
可能となる。
【0030】同第六の特徴構成によれば、前記計測用光
の反射光または透過光を高効率で受光部の受光部分に集
光させることができるため、太陽光強度が低い場合でも
分光分析ができるのである。
【0031】同第七の特徴構成によれば、圃場の土壌、
または、圃場から採取した状態の儘の土壌を計測対象と
するので、土壌を乾燥したり、土壌の粒径を揃えるとい
った前処理無しに分析することができる。従って、土壌
に含まれる硝酸態窒素の分析を一層簡単に行うことがで
きる分光分析装置を提供することができるようになっ
た。
【0032】同第八の特徴構成によれば、計測用波長
が、1978〜1998nmの範囲、2068〜208
8nmの範囲、2089〜2106nmの範囲、228
4〜2304nmの範囲のうちの少なくとも一つの範囲
に含まれる。つまり、種々の実験を行うことにより、前
記の各範囲に含まれる計測用波長の計測用光は、計測対
象である土壌中の硝酸態窒素含有量と相関が強いことを
見出した。従って、1978〜1998nm、2068
〜2088nm、2089〜2106nm、2284〜
2304nmの各範囲に含まれる計測用波長の計測用光
のうちの少なくとも一つを用いることにより、土壌中の
硝酸態窒素含有量の分析を一層高精度で行うことができ
る分光分析装置を提供することができるようになった。
【0033】上記の本発明に係る農業用作業車の第一の
特徴構成によれば、農業用作業車には、上記分光分析装
置の第一乃至第七の特徴構成の何れか一つを備えた分光
分析装置が搭載されているので、圃場において農業用作
業車を走行させながら、圃場の任意の箇所で、その箇所
の土壌に含まれる硝酸態窒素の分析を分光分析装置を用
いて簡単に行うことができる。従って、圃場の任意の箇
所でその箇所の土壌に含まれる硝酸態窒素を簡単に分析
することができる農業用作業車を提供することができる
ようになった。
【0034】同第二の特徴構成によれば、試料採取手段
により、圃場から計測対象の土壌が採取されるととも
に、採取された土壌が、分光手段において計測対象の土
壌を位置させる計測箇所に供給される。従って、計測対
象の土壌を採取して分光手段の計測箇所にセットする作
業が不必要となるので、土壌に含まれる硝酸態窒素の分
析を一層簡単に行うことができる。
【0035】同第三の特徴構成によれば、圃場において
農業用作業車を走行させると、耕耘手段により圃場が耕
され、試料採取手段により、耕耘手段により耕された後
の土壌が採取されて、採取された土壌が分光手段の計測
箇所に供給される。 従って、栽培中の作物の養分吸収
の対象となる地面より下の土壌を計測対象にして、硝酸
態窒素の分析を行うことができるので、その分析結果に
基づいて施肥管理を一層適正に行うことができるように
なった。
【0036】同第四の特徴構成によれば、分光手段によ
り、光が圃場の地面に照射されるとともに、地面からの
反射光が計測用光として受光される。従って、計測対象
の土壌を採取して、分光手段の計測箇所にセットする作
業が不必要となるので、土壌に含まれる硝酸態窒素の分
析を一層簡単に行うことができる。更に、圃場から計測
対象の土壌を採取して分光手段の計測箇所に供給する試
料採取手段が不要となるので、コストダウンを図ること
ができる。
【0037】同第五の特徴構成によれば、圃場において
農業用作業車を走行させると、耕耘手段により圃場が耕
され、分光手段により、耕耘手段により耕された後の圃
場の地面に光が照射されるとともに、地面からの反射光
が計測用光として受光される。従って、栽培中の作物の
養分吸収の対象となる地面より下の土壌を計測対象にし
て、硝酸態窒素の分析を行うことができるので、その分
析結果に基づいて施肥管理を一層適正に行うことができ
るようになった。
【0038】同第六の特徴構成によれば、圃場において
農業用作業車を走行させると、施肥手段により、分光分
析装置の分析情報に応じた施肥量にて施肥される。従っ
て、圃場において農業用作業車を走行させると、圃場の
土壌の硝酸態窒素含有量に応じた施肥を自動的に行うこ
とができる。しかも、圃場の場所によって土壌の硝酸態
窒素含有量が異なっていても、硝酸態窒素含有量の分布
に応じた施肥を自動的に行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】〔分光分析装置の第1実施形態〕
以下、図1に基づいて、分光分析装置の第1の実施の形
態を説明する。図1に示すように、分光分析装置Mは、
計測箇所Iに位置する計測対象の土壌Sに光を照射し、
土壌に含まれる硝酸態窒素と相関のある計測用波長の計
測用光を土壌Sからの反射光として受光する分光手段と
しての分光部Aと、その分光部Aが受光した計測用光に
基づいて計測対象の土壌Sに含まれる硝酸態窒素を分析
する分析手段としての分析部1と、その分析部1の分析
結果を出力する出力部2を備えて構成してある。
【0040】分光部Aは、タングステン−ハロゲンラン
プから成り赤外線光を放射する光源3と、その光源3か
らの光を平行光線束にして通過させるレンズ4と、その
レンズ4を通過した光を分光反射する回折格子5と、そ
の回折格子5に対する光の入射角度を変化させるように
回折格子5を軸芯P1周りに回動させる電動モータ6
と、土壌からの反射光を受光し、受光した光の光量に応
じた電気信号に変換して出力する受光素子7を備えて構
成してある。つまり、電動モータ6を作動させて回折格
子5に対する入射光の入射角度を調節することにより、
所定の計測用波長の光を計測対象の土壌Sに照射し、受
光素子7にて、土壌Sから反射してくる計測用波長の計
測用光を受光して電気信号に変換して出力するようにな
っている。
【0041】分析部1は、マイクロコンピュータを利用
して構成してあり、複数の所定の計測用波長の光を土壌
Sに照射するように電動モータ6を制御する。また、分
析部1は、受光素子7からの出力信号を処理して、複数
の計測用波長毎に吸光度を求めるとともに、その計測用
波長毎の吸光度に基づいて、下記の数1にて示す検量式
にて、土壌の硝酸態窒素含有量を算出する。
【数1】Y=K0 +K1 ×A(λ1 )+K2 ×A(λ
2 )+K3 ×A(λ3 )…… 但し、 Y;硝酸態窒素含有量 K0 ,K1 ,K2 ,K3 ……;十分に多い母集団におい
て計測された硝酸態窒素含有量の実測値と計測用波長の
吸光度に基づいて最小二乗法にて設定した係数λ1 ,λ
2 ,λ3 ……;計測用波長 A(λ1 ),A(λ2 ),A(λ3 )……;計測用波長
における吸光度
【0042】尚、分析部1は、上記の検量式にて算出し
た硝酸態窒素含有量が、予め硝酸態窒素含有量に応じて
複数段階に設定してある硝酸態窒素含有量ランクのどの
ランクに入るか判定して、判定した硝酸態窒素含有量ラ
ンクを出力部2に出力させるように構成してある。つま
り、圃場への施肥管理を行うに当たっては、硝酸態窒素
含有量の絶対値までは必要でなく、硝酸態窒素含有量の
多少を相対的に示すランクが分かれば十分であるので、
出力部2には硝酸態窒素含有量ランクにて表示するよう
にしてある。
【0043】〔分光分析装置の第2実施形態〕以下、図
2に基づいて、分光分析装置の第2の実施の形態を説明
する。図2に示すように、第2実施形態においては、分
光部Aは、タングステン−ハロゲンランプから成り赤外
線光を放射する光源3と、その光源3からの光を平行光
線束にするレンズ4と、通過させる光の波長が夫々異な
る複数の干渉フィルタ8を周方向に並べて配置した円板
9と、その円板9を中心軸芯P2周りに回動させる電動
モータ10と、土壌からの反射光を受光し、受光した光
の光量に応じた電気信号に変換して出力する受光素子7
を備えて構成してある。各干渉フィルタ8における通過
可能な光の波長は、土壌に含まれる硝酸態窒素と相関の
ある計測用波長に設定してある。つまり、分析部1に
て、所定の干渉フィルタ8をレンズ4からの光の光路を
横断する位置に配置するように電動モータ10を作動さ
せることにより、所定の計測用波長の光を土壌Sに照射
し、受光素子7にて、土壌Sから反射してくる計測用波
長の計測用光を受光して電気信号に変換して出力するよ
うになっている。
【0044】分析部1は、上述のように電動モータ10
を制御するように構成してある点以外は、第1実施形態
と同様に構成してある。また、出力部2は、第1実施形
態と同様に構成してある。
【0045】〔分光分析装置の第3実施形態〕以下、図
3に基づいて、分光分析装置の第3の実施の形態を説明
する。図3に示すように、第3実施形態においては、分
光部Aは、発光波長が夫々異なるとともに発光した光が
計測対象の土壌Sに照射されるように配置された複数の
半導体レーザ素子11と、それら複数の半導体レーザ素
子11を各別に駆動するレーザ駆動回路12と、土壌S
からの反射光を受光し、受光した光の光量に応じた電気
信号に変換して出力する受光素子7を備えて構成してあ
る。各半導体レーザ素子11の発光波長は、土壌に含ま
れる硝酸態窒素と相関のある計測用波長に設定してあ
る。つまり、分析部1にて、所定の半導体レーザ素子1
1を発光させるようにレーザ駆動回路12の作動を制御
することにより、所定の計測用波長の光を土壌Sに照射
し、受光素子7にて、土壌Sから反射してくる計測用波
長の計測用光を受光して電気信号に変換して出力するよ
うになっている。
【0046】分析部1は、上述のようにレーザ駆動回路
12を制御するように構成してある点以外は、第1実施
形態と同様に構成してある。また、出力部2は、第1実
施形態と同様に構成してある。
【0047】〔分光分析装置の第4実施形態〕以下、図
4に基づいて、分光分析装置の第4の実施の形態を説明
する。図4に示すように、分光分析装置Mは、計測対象
である土壌Sに含まれる被分析物質である硝酸態窒素と
相関のある計測用波長の計測用光を太陽光50から抽出
し、その計測用光を土壌Sの表面の計測箇所Iに照射
し、土壌Sからの計測用光の反射光または透過光を受光
する分光手段51と、その分光手段51が受光した計測
用光に基づいて土壌Sに含まれる硝酸態窒素を分析する
分析手段52と、その分析手段52の分析結果を出力す
る出力部53を備えて構成してある。
【0048】分光手段51は、太陽光50を集光する太
陽光集光部54と、その太陽光集光部54が集光した太
陽光50の内から計測用光を抽出する計測用光抽出部5
5と、計測用光を土壌Sの表面の計測箇所Iに集光照射
する照射部56と、計測用光を計測用光抽出部55から
照射部56まで導く光導波部57と、土壌Sからの計測
用光の反射光または透過光を受光する受光部58と、そ
の反射光または透過光を受光部58の受光部分Rに集光
させる計測用光集光部59とを備えて構成されている。
【0049】更に具体的には、太陽光集光部54は直径
150mm、焦点距離80mmのフレネルレンズで構成
されている。計測用光抽出部55は上記第2実施形態と
類似の構成で、計測用波長を選択的に通過させる通過波
長が夫々異なる複数のバンドパスフィルタ55aを周方
向に並べて配置した円板55bと、その円板55bを中
心軸芯P3周りに回動させる電動モータ55cとで構成
されている。光導波部57は断面形状が1辺10mmの
多角形で内面が鏡面加工された長さ60mmの中空角柱
体のカライドスコープで構成されている。前記照射部5
6は直径20〜25mmの集光レンズで構成されてい
る。前記受光部58は上記第1実施形態と同じ受光素子
7を受光部分Rに使用している。
【0050】計測用光集光部59は、回転楕円体をその
回転軸を含む平面で2分割した半回転楕円体形状の中空
部59aと、その中空部59aに面した開口凹曲面状の
鏡面反射面59bと、その鏡面反射面59bの開口面に
設けられた保護ガラス59cと、照射部56からの計測
用光が通過可能な鏡面反射面59bの一部に設けられた
窓59dとを備えた構成となっている。また、照射部5
6の焦点と回転楕円体の一方の焦点とを一致させて計測
箇所Iとし、受光素子7を回転楕円体の他方の焦点に設
けて受光部分Rと一致させことで、計測箇所Iからの計
測用光の反射光が効率良く、受光部分Rに集光される。
【0051】また、光導波部57であるカライドスコー
プの内部に計測用光の参照光を抽出するための受光素子
を挿入して参照光受光部60を形成している。この参照
光受光部60で受光された参照光と受光部58で受光さ
れた計測用光は分析手段52に入力され、上記第1実施
形態と同様の検量式に基づく分光分析処理がなされる。
尚、分析手段52は上記第2実施形態の分析部1と、出
力部53は上記第1実施形態の出力部2と同様の構成で
ある。
【0052】〔試験結果〕次に、上記の第1乃至第3の
各実施形態による分光分析装置Mを用いて、土壌の硝酸
態窒素含有量を計測した試験結果について説明する。こ
の試験においては、以下に示すλ1 ,λ2 ,λ3 ,λ4
の4個の計測用波長を用い、上記の数1に示す検量式に
おいて、各係数K0 ,K1 ,K2 ,K3 ,K 4 は、以下
のように設定した。 λ1 =1988nm λ2 =2078nm λ3 =2096nm λ4 =2294nm K0 =63.905 K1 =3887.699 K2 =−44021.077 K3 =44222.418 K4 =−3842.844
【0053】図5及び図6は、化学分析による実測値と
本発明の分光分析装置による計測値との相関を示し、図
5は、水分含有率が2〜4%程度にまで乾燥した土壌を
計測対象とした場合、図6は、圃場から採取した状態の
儘の土壌(水分含有率が例えば15〜20%程度)を計
測対象とした場合の相関を示す。乾燥土壌を計測対象と
した場合、及び、圃場から採取した状態の儘の土壌を計
測対象とした場合のいずれにおいても、化学分析による
実測値と本発明装置による計測値とは相関があり、本発
明装置によれば、乾燥土壌ばかりでなく、圃場から採取
した状態の儘の土壌を計測対象としても、硝酸態窒素含
有量を高精度で計測することができる。
【0054】上記第4実施形態による分光分析装置Mを
用いた場合は、光源が太陽光であるが、図7に示すよう
に、太陽光の大気中の透過スペクトルが上記の計測用波
長λ 1 ,λ2 ,λ3 ,λ4を包含しているため、第1乃
至第3の各実施形態による分光分析装置Mと同様に硝酸
態窒素含有量を高精度で計測することができる。
【0055】〔農業用作業車の第1実施形態〕以下、図
8及び図9に基づいて、農業用作業車の一例としてのト
ラクタに分光分析装置Mを搭載した場合の第1の実施の
形態を説明する。図8に示すように、トラクタは、機体
21に、操向前輪22、駆動後輪23及び運転席24を
備えるとともに、圃場を耕す耕耘手段としての耕耘ロー
タリー25を昇降用のリンク機構26により昇降自在な
状態で機体21に連結してある。また、機体21には、
昇降装置27によって昇降自在な状態で基台28を設
け、その基台28上に、分光分析装置M及び圃場に施肥
する施肥手段としての施肥装置Nを載置支持してある。
更に、図9に示すように、分光分析装置M、昇降装置2
7及び施肥装置N夫々の作動を制御する制御装置29
と、その制御装置29に対して硝酸態窒素含有量の計測
指令を与える指令部30を設けてある。
【0056】図8に示すように、分光分析装置Mには、
上記の各実施形態に示す構成に加えて、耕耘ロータリー
25により耕された後の圃場の地面に計測用波長の光を
照射する照射用光ファイバ13と、地面からの反射光を
計測用波長の計測用光として受光する受光用光ファイバ
14を設けてある。照射用光ファイバ13は、第1実施
形態の分光分析装置Mであれば、回折格子5により分光
反射された計測用波長の光を導いて圃場の地面に照射す
るように、第2実施形態の分光分析装置Mであれば、干
渉フィルタ8を通過した計測用波長の光を導いて圃場の
地面に照射するように、第3実施形態の分光分析装置M
であれば、半導体レーザ素子11から発光された計測用
波長の光を導いて圃場の地面に照射するように設けてあ
る。また、受光用光ファイバ14は、各実施形態の分光
分析装置Mにおいて、地面からの反射した計測用波長の
計測用光を導いて受光素子7に受光させるように設けて
ある。
【0057】施肥装置Nは、肥料を貯留するホッパ31
と、そのホッパ31の底部に配置されてホッパ31内の
肥料を排出する螺旋スクリュ32と、その螺旋スクリュ
32を回転駆動する施肥用電動モータ33と、螺旋スク
リュ32にて排出される肥料を流下案内する筒体34を
備えて構成してある。施肥用電動モータ33を制御して
螺旋スクリュ32の回転速度を調節することにより、施
肥量を調節するように構成してある。
【0058】図9に示すように、制御装置29は、耕耘
ロータリー25を上昇させるときに基台28が邪魔にな
らないように、耕耘ロータリー25の昇降に応じて基台
28を昇降させるように昇降装置27を制御する。
【0059】また、制御装置29は、指令部30からの
計測指令に基づいて、分光分析装置Mに計測指令を与え
るとともに、分光分析装置Mの分析部1から出力される
硝酸態窒素含有量に基づいて、硝酸態窒素含有量に応じ
た施肥量になるように施肥用電動モータ33を制御す
る。従って、トラクタを走行させて圃場を耕耘しなが
ら、圃場の適当な箇所で指令部30により計測指令を与
えると、分光分析装置Mにより硝酸態窒素含有量が計測
され、その計測結果に基づいて、施肥装置Nにより硝酸
態窒素含有量に応じた施肥量にて施肥されることになる
ので、硝酸態窒素含有量の分布に応じた施肥を自動的に
行うことができる。
【0060】〔農業用作業車の第2実施形態〕以下、図
10乃至図12に基づいて、農業用作業車の一例として
のトラクタに分光分析装置Mを搭載した場合の第2の実
施の形態を説明する。図10に示すように、本実施形態
のトラクタにおいては、第1実施形態におけるトラクタ
の場合と同様に設けた基台28上に、分光分析装置M及
び施肥装置Nに加えて、耕耘ロータリー25により耕さ
れた後の土壌を採取して、分光分析装置Mの分光部Aに
おいて計測対象の土壌を位置させる計測箇所Iに供給す
る試料採取手段としての試料採取装置Cを設けてある。
図12に示すように、制御装置29は、分光分析装置
M、昇降装置27及び施肥装置Nに加えて、試料採取装
置Cの作動を制御する。
【0061】図11にも示すように、試料採取装置C
は、耕耘ロータリー25により耕された後の土壌中に下
端の取入口が挿入されて計測対象の土壌Sを採取して揚
上搬送する螺旋スクリュ41と、その螺旋スクリュを回
転駆動する採取用電動モータ42と、螺旋スクリュ41
の上端の排出部から排出される土壌Sを受けて分光部A
の計測箇所Iを通過して横搬送するベルトコンベア43
と、そのベルトコンベア43を回転駆動する供給用電動
モータ44とを備えて構成してある。尚、図11は、第
2実施形態による分光分析装置Mに適用した場合を示
し、ベルトコンベア43は、計測箇所Iを通過する状態
で、分光分析装置Mのケーシング15を貫通するように
設けてある。ベルトコンベア43にて搬送される土壌S
は、ベルトコンベア43の終端から圃場に落下する。
【0062】制御装置29は、耕耘ロータリー25の上
昇に伴って、耕耘ロータリー25の上昇に邪魔にならな
い位置にまで基台28を上昇させるとともに、耕耘ロー
タリー25の下降に伴って、螺旋スクリュ41の下端の
取入口が地面のやや上方に位置する状態の待機位置にま
で基台28を下降させるように、昇降装置27を制御す
る。更に、制御装置29は、指令部30からの計測指令
に基づいて、螺旋スクリュ41の下端の取入口が地面中
に挿入される状態の採取位置にまで基台28を下降させ
るように、昇降装置27を制御するとともに、採取用電
動モータ42及び供給用電動モータ44を作動させる。
並びに、分光分析装置Mに計測指令を与え、分光分析装
置Mの分析部1から出力される硝酸態窒素含有量に基づ
いて、硝酸態窒素含有量に応じた施肥量になるように施
肥用電動モータ33を制御する。
【0063】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明す
る。 (イ) 分光部Aの具体構成は、分光分析装置の上記第
1乃至第4実施形態において例示した構成以外にも、種
々の構成が可能である。例えば、上記の各実施形態にお
いては、計測用波長の計測用光を土壌からの反射光とし
て受光するように構成したが、これに代えて、計測用波
長の計測用光を土壌からの透過光として受光するように
構成してもよい。
【0064】また、上記の各実施形態においては、計測
用波長の光を計測対象の土壌に照射して、土壌からの反
射光を直接に計測用波長の計測用光として受光するよう
に構成したが、これに代えて、光源3からの光を直接に
計測対象の土壌に対して照射して、土壌からの反射光や
透過光を回折格子や干渉フィルタ等により分光して、分
光した光を計測用波長の計測用光として受光するように
構成してもよい。
【0065】更に、第4実施形態における光導波部57
はカライドスコープの代わりに、第1または第2実施形
態のように、太陽光集光部54からの光を平行光線束に
するコリメートレンズで構成しても構わない。
【0066】(ロ) 分析部1は、計測用波長の吸光度
に基づいて硝酸態窒素含有量を算出するように構成する
場合について例示したが、これに代えて、吸光度の二次
微分値に基づいて硝酸態窒素含有量を求めるように構成
してもよい。この場合は、硝酸態窒素含有量の計測精度
を更に向上することができる。
【0067】(ハ) 硝酸態窒素含有量を計測するため
に用いる計測用波長の個数、各計測用波長の具体値、及
び、検量式における係数は、分光分析装置の上記第1乃
至第4実施形態において例示したものに限定されるもの
ではない。但し、計測精度を向上させながら、計測用波
長の個数を極力少なくして構成の簡略化を図るうえで
は、上記の各実施形態のように、λ1 ,λ2 ,λ3 ,λ
4 の4個の計測用波長を用いるのが好ましい。尚、計測
用波長λ1 は、1978〜1998nmの範囲が好まし
いが、1988nmが最も好ましい。計測用波長λ2
は、2068〜2088nmの範囲が好ましいが、20
78nmが最も好ましい。計測用波長λ3 は、2089
〜2106nmの範囲が好ましいが、2096nmが最
も好ましい。計測用波長λ4 は、2284〜2304n
mの範囲が好ましいが、2294nmが最も好ましい。
【0068】(ニ) 上記分光分析装置の第4実施形態
に対して、分光手段51に人工光源を追加し、計測用光
抽出部55が太陽光集光部54が集光した太陽光50と
その人工光源の光の何れか一方を選択し、その選択した
光の内から計測用光を抽出するように構成するのも好ま
しい実施の形態である。この場合、人工光源としては、
例えば、上記第1実施形態のタングステン−ハロゲンラ
ンプや上記第3実施形態の半導体レーザ素子が使用でき
る。従って、太陽光強度が微弱な場合等、太陽光から分
光分析に必要な計測用光が抽出できない場合であって
も、人工光源からの光から計測用光を抽出することがで
きるため、上記第1乃至第3の実施形態の分光分析装置
と同様に分光分析を行うことができる。尚、上記第1乃
至第4実施形態または本別実施形態の分光分析装置は、
土壌分析以外の用途の分光分析にも広く応用しても構わ
ない。
【0069】(ホ) 農業用作業車の上記第1及び第2
実施形態においては、トラクタに施肥装置Nを搭載する
場合について例示したが、施肥装置Nを省略してもよ
い。 (ヘ) 農業用作業車の上記第2実施形態においては、
トラクタに試料採取装置Cを搭載する場合について例示
したが、試料採取装置Cを省略してもよい。この場合
は、圃場の適当な位置でトラクタを停止させて、作業車
が圃場から計測対象の土壌を採取して、分光分析装置M
の計測箇所Iに位置させることになる。
【0070】(ト) 本発明による分光分析装置Mを搭
載する農業用作業車の具体例としては、トラクタに限定
されるものではなく、コンバイン等種々の農業用作業車
から適当なものを選択することができる。 (チ) 農業用作業車の上記第1及び第2実施形態にお
いては、耕耘後の土壌を計測対象の土壌とする場合につ
いて例示したが、耕耘前の土壌を計測対象の土壌として
もよい。
【0071】(リ) 農業用作業車に、圃場における走
行位置を検出する位置検出手段を設け、その位置検出手
段の検出情報と分光分析装置Mの計測情報に基づいて、
圃場における硝酸態窒素含有量の分布図を作成して出力
するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかる分光分析装置のブロック
【図2】第2実施形態にかかる分光分析装置のブロック
【図3】第3実施形態にかかる分光分析装置のブロック
【図4】第4実施形態にかかる分光分析装置のブロック
【図5】化学分析による実測値と本発明装置による計測
値との相関を示す図
【図6】化学分析による実測値と本発明装置による計測
値との相関を示す図
【図7】太陽光の大気中の透過率の波長依存性を示すス
ペクトル図
【図8】第1実施形態にかかる農業用作業車の概略側面
【図9】第1実施形態にかかる農業用作業車の制御構成
を示すブロック図
【図10】第2実施形態にかかる農業用作業車の概略側
面図
【図11】第2実施形態にかかる農業用作業車に搭載し
た分光分析装置の縦断面図
【図12】第2実施形態にかかる農業用作業車の制御構
成を示すブロック図
【符号の説明】
A 分光手段 C 試料採取手段 M 分光分析装置 N 施肥手段 S 土壌 1 分析手段 2 出力部 3 光源 4 レンズ 5 回折格子 6 電動モータ 7 受光素子 8 干渉フィルタ 9 円板 10 電動モータ 25 耕耘手段 50 太陽光 51 分光手段 52 分析手段 53 出力部 54 太陽光集光部 55 計測用光抽出部 56 照射部 57 光導波部 58 受光部 59 計測用光集光部 60 参照光受光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 雅彦 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測対象の土壌に光を照射し、土壌に含
    まれる硝酸態窒素と相関のある計測用波長の計測用光を
    土壌からの反射光または透過光として受光して、受光し
    た計測用光に基づいて計測対象の土壌に含まれる硝酸態
    窒素を分析する土壌分析方法。
  2. 【請求項2】 圃場の土壌、または、圃場から採取した
    状態の儘の土壌を計測対象の土壌とする請求項1記載の
    土壌分析方法。
  3. 【請求項3】 前記計測用波長が、1978〜1998
    nmの範囲、2068〜2088nmの範囲、2089
    〜2106nmの範囲、2284〜2304nmの範囲
    のうちの少なくとも一つの範囲に含まれる請求項1また
    は2記載の土壌分析方法。
  4. 【請求項4】 計測対象の土壌に光を照射し、土壌に含
    まれる硝酸態窒素と相関のある計測用波長の計測用光を
    土壌からの反射光または透過光として受光する分光手段
    と、 その分光手段が受光した計測用光に基づいて計測対象の
    土壌に含まれる硝酸態窒素を分析する分析手段が設けら
    れている分光分析装置。
  5. 【請求項5】 計測対象に含まれる被分析物質と相関の
    ある計測用波長の計測用光を太陽光から抽出し、その計
    測用光を前記計測対象に照射し、前記計測対象からの前
    記計測用光の反射光または透過光を受光する分光手段
    と、 前記分光手段が受光した前記計測用光に基づいて前記計
    測対象に含まれる前記被分析物質を分析する分析手段が
    設けられている分光分析装置。
  6. 【請求項6】 前記分光手段は、太陽光を集光する太陽
    光集光部と、前記太陽光集光部が集光した太陽光の内か
    ら前記計測用光を抽出する計測用光抽出部と、前記計測
    用光を前記計測対象の表面に集光照射する照射部と、前
    記計測用光を前記計測用光抽出部から前記照射部まで導
    く光導波部と、前記計測対象からの前記計測用光の反射
    光または透過光を受光する受光部を備えてなる請求項5
    記載の分光分析装置。
  7. 【請求項7】 前記分光手段は、人工光源を備え、前記
    計測用光抽出部は前記太陽光集光部が集光した太陽光と
    前記人工光源の光の何れか一方を選択し、その選択した
    光の内から前記計測用光を抽出することを特徴とする請
    求項6記載の分光分析装置。
  8. 【請求項8】 前記光導波部に参照光を抽出するための
    参照光受光部を備えている請求項6または7記載の分光
    分析装置。
  9. 【請求項9】 前記計測用光の反射光または透過光を前
    記受光部の受光部分に集光させる計測用光集光部を備え
    てなり、 前記計測用光集光部は回転楕円体面からなる開口凹曲面
    状の反射面を有し、前記照射部によって前記計測用光が
    前記計測対象に向けて集光照射される個所を前記回転楕
    円体面の一方の焦点に設定し、前記受光部の受光部分を
    前記回転楕円体面の他方の焦点に設けてなる請求項6、
    7または8記載の分光分析装置。
  10. 【請求項10】 圃場の土壌、または、圃場から採取し
    た状態の儘の土壌を計測対象とする請求項4〜9の何れ
    か1項に記載の分光分析装置。
  11. 【請求項11】 前記計測用波長が、1978〜199
    8nmの範囲、2068〜2088nmの範囲、208
    9〜2106nmの範囲、2284〜2304nmの範
    囲のうちの少なくとも一つの範囲に含まれる請求項4〜
    10の何れか1項に記載の分光分析装置。
  12. 【請求項12】 請求項4〜11の何れか1項に記載の
    分光分析装置が搭載されている農業用作業車。
  13. 【請求項13】 圃場から計測対象の土壌を採取して、
    前記分光手段において計測対象の土壌を位置させる計測
    箇所に供給する試料採取手段が設けられている請求項1
    2記載の農業用作業車。
  14. 【請求項14】 圃場を耕す耕耘手段が設けられ、 前記試料採取手段は、前記耕耘手段により耕された後の
    土壌を採取するように構成されている請求項13記載の
    農業用作業車。
  15. 【請求項15】 前記分光手段が、光を圃場の地面に照
    射し、地面からの反射光を計測用光として受光するよう
    に構成されている請求項12記載の農業用作業車。
  16. 【請求項16】 圃場を耕す耕耘手段が設けられ、 前記分光手段は、前記耕耘手段により耕された後の圃場
    の地面に光を照射するように構成されている請求項15
    記載の農業用作業車。
  17. 【請求項17】 圃場に施肥する施肥手段が設けられ、 その施肥手段は、前記分析手段の分析情報に基づいて、
    施肥量を調節するように構成されている請求項12〜1
    6の何れか1項に記載の農業用作業車。
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