JP4332721B2 - 偏光変換素子及び偏光変換素子を含む光学装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種光学機器に用いられる偏光変換素子及びこの偏光変換素子を含む光学装置に関するものである。
各種の光学装置において、入射光の光路を2以上の光路に分岐させるための光学素子としてビームスプリッタが用いられる。ビームスプリッタには、光の回折に基づいて光路を分岐させるようにしたものもあるが、入射光を透過と反射との2つの光路に分ける機能を有するものがある。このように透過と反射とに分岐させる機能を有する光学素子はハーフミラーとして一般的に知られている。ここで、ハーフミラーは必ずしも入射光を透過光と反射光とに等分に分岐させるものだけでなく、任意の比率となるように分岐させるものも含まれる。
ハーフミラーは、光学ガラス等の透明部材に光学膜を積層することにより構成されるが、この光学膜としては、入射光の光量を所定の比率分だけ反射させ、残りを透過させる、半透過膜を用いたものと、入射光における相直交する偏光面を有する2つの偏光成分のうち、一方を反射させ、他方を透過させる機能を有する偏光膜を用いたものとがある。従って、光路を透過と反射とに分岐させる光学素子としてのハーフミラーを広義のハーフミラーとしたときに、半透過膜を用いたものを狭義のハーフミラー、偏光膜を用いたものを偏光ビームスプリッタと呼ぶことができる。なお、透過と反射とに分岐させるに当って、狭義のハーフミラーでは半透過膜における光の透過率を制御することによって、各成分に任意の比率を持たせることができる。一方、偏光ビームスプリッタにおいては、相互に直交する2つの偏光成分のうち、一方を100%透過させ、他方を100%反射させる特性を持たせたものがあり、また一方の偏光成分の透過率を100%以下とし、また他方の偏光成分の反射率を100%以下とする構成とすることもできる。従って、前者は完全な偏光ビームスプリッタ、後者を不完全な偏光ビームスプリッタとして区別することができる。
光路を分岐させるためのハーフミラーへの入射光における偏光成分としては、直線偏光、円偏光、楕円偏光等がある。また、直線偏光の光であっても、ある偏光面に対して、必ずしもそれと直交する方向の偏光面を有するものだけではなく、偏光面が任意の角度となった直線偏光の光も含まれる。さらに、楕円偏光において、円偏光に近い偏光から擬似的に直線偏光と見做すことができる扁平な楕円偏光もあり、また長軸は任意の方向に向いたものがある。
以上のことから、透過光と反射光とを制御された光量比となるように制御する光学素子としては、通常は狭義のハーフミラーが用いられる。一方、偏光ビームスプリッタは入射光の偏光成分が、所謂P偏光成分とS偏光成分と呼ばれるように、相直交する偏光成分を含んだ光のうち、P偏光成分の光またはS偏光成分の光のうち、一方を反射させ、他方の成分を透過させる場合に用途を限定して用いられるのが一般的である。
狭義のハーフミラーは、光学ガラス等の透明部材の表面に半透過膜として金属膜を蒸着等の手段で積層させるが、この半透過膜の膜厚等によって反射率および透過率を制御するものであり、この金属膜の素材としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、クロム(Cr)等を使用することができる。これらのうち、銀及びアルミニウムは波長依存性が小さいことから、広い波長帯域の光を分岐させるためには、これらのうち、銀またはアルミニウムを用いなければならない。ただし、同じ透過率の半透過膜を形成するに当っては、アルミニウムは銀と比較して、より薄膜化が必要になるので、膜厚制御という面からは、銀を半透過膜として用いるのが望ましい。ただし、銀であってもなお波長依存性があり、またこの波長依存性に加えて、入射光の偏光成分に対する依存性もあることから、入射光の光量を広い波長範囲にわたって厳格に所望の比率となるように分岐させることは難しい。とりわけ、近年においては、光ピックアップ装置や光コンピュータ等のように、高精度が要求される光学装置においては、半透過膜として銀を用いた狭義のハーフミラーでは正確な分光特性が得られないことがある。
銀を半透過膜としたハーフミラーにおいて、波長依存性及び偏光成分に起因する透過―反射の比率のばらつきを補正するようにしたものが、特許文献1に提案されている。この公知文献によれば、ハーフミラー(狭義のもの)に積層される半透過膜として、銀からなる金属膜と、低屈折率材料または中屈折率材料からなる誘電体層と高屈折材料からなる誘電体層とを組み合わせることによって、波長依存性の問題や偏光成分による透過―反射の比率のばらつきを抑制している。
特開2001−13308号公報
銀には耐候性に問題があり、温度や湿度の影響で、また腐食の進行等もあって、長期間使用している間にその特性が変化してしまう。また、特に広い波長帯域の光を入射させる場合においては、透過―反射の比率にかなりのばらつきが発生するのを防止することができない場合もある等の点から、信頼性が十分とはいえない。しかも、前述した公知文献では、透過―反射特性を安定化させるために、2種類の誘電体膜と金属膜との少なくとも相異なる材質の3種類の成膜を行わなければならないことから、しかも耐候性を向上させるために、金属膜に対する保護膜も必要があること等から、その製造が困難であり、光学素子として高価なものとなってしまう。
広義のハーフミラーにおける他のタイプのものとしての偏光ビームスプリッタは光学膜として金属膜を用いないので、その特性の安定化が図られ、偏光膜における膜の総数や各々の膜厚等により広い波長帯域において正確に設定された透過―反射特性を発揮させることができる。ただし、入射光の偏光成分を制御しなければ、所望の光量比となるように光を分岐するための手段として用いることはできない。
ところで、前述した偏光ビームスプリッタの特性として、相直交する2方向の直線偏光の光を入射させなければ制御された光量比となるように分光できないというものではない。厳格な意味での直線偏光でなくても、相互に直交する方向のエネルギー成分が等しい光を偏光膜に入射させれば、その偏光膜の特性により透過―反射の比率を正確に制御することは可能である。つまり、偏光ビームスプリッタへの入射光は相互に直交する方向のエネルギー成分が等しい光であれば、相互に直交する直線偏光と実質的に同じ分光特性を発揮することになり、偏光ビームスプリッタへの入射光を、その偏光膜の特性に応じた光量比となるように分光させることができる。従って、偏光ビームスプリッタの前段で、相互に直交する方向のエネルギー成分が等しい光に変換できれば、耐候性の点で優れ、特性的に安定した光の分岐手段である偏光ビームスプリッタの用途が広がることになる。
本発明は以上の点に基づいてなされたもので、所望の波長範囲にわたって、任意の偏波面を有する直線偏光の光及び擬似的に直線偏光と見做すことができる光を入射させたときに、実質的に相互に直交する偏光成分であって、かつその光量比が1:1となるように変換される光学素子を提供することを目的としている。
本発明による偏光変換素子は、それぞれ所定のリタデーション値を有する位相板を4枚用い、この4枚の位相板の方位を規定して、入射された直線偏光及び擬似的に直線偏光と見做し得る光を、所定の波長範囲にわたってその偏光方向が直交する2方向成分であって、しかも光量比が1:1の光量比となるように変換して出力されることを主要な特徴とするものである。
本発明によれば、所望の波長範囲にわたって、任意の偏光面を有する直線偏光及び直線偏光と見做し得る光からなる入射光により、実質的に直交する2方向の偏光成分であって、その光量比がほぼ1:1となった出力光を得ることができる。
本発明の偏光変換素子1は、図1に示されるように、光が入射する側から第1の位相板11、第2の位相板12、第3の位相板13および第4の位相板14が支持基板15に接着により支持されて構成される。このとき、第1の位相板11および第4の位相板14のリタデーション値は等しいものであり、また第2の位相板12および第3の位相板13のリタデーション値は等しいものとする。ここで、リタデーション値が等しいとは、全く同一であることが最も望ましいが、多少の相違があっても実用上で差し支えない。そして、第1の位相板11と第2の位相板12とのリタデーション値の比はほぼ1:1から1:3の範囲にある。さらに、第1の位相板に対して、第2の位相板の方位は45°の角度をなし、第3の位相板の方位は90°の角度をなし、第4の位相板の方位は45°の角度をなしている。
これら第1〜第4の位相板11〜14は順次前述した方位を持たせるようにして積層されるが、これらの位相板11〜14は樹脂フィルムで形成して、光学ガラスなどからなる支持基板15に接着することにより、第1の位相板11、第2の位相板12、第3の位相板13、第4の位相板14、支持基板15からなる積層体として構成することができる。なお、4枚の位相板11〜14を自立可能な構成とすれば、支持基板15は必ずしも必須の構成ではない。
ここで、前述した各位相板としては、例えばポリカーボネート、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、(脂環族)ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリレートなどの高分子薄膜を一軸延伸などにより複屈折性を付与し、位相差機能を実現させた有機薄膜を用いることができる。
また、前述した各位相板は支持基板15に接着されることにより支持されるが、接着材料としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリイミド系、ユリア系、メラミン系、フラン樹脂系、イソシアネート系、シリコン系、セルロース系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ゴム系やそれらの混合系のものを使用でき、接着剤はUV硬化型や熱硬化型であれば作業性が良く好ましいがこれらに限られない。
ここで、前述した方位とは、第1の位相板11の光学軸を基準として、順次積層される第2〜第4の位相板を第1の位相板11の中心に対して水平面上を回転させた角度をいう。また、前述したリタデーション値は複屈折率と位相板の厚みとの積によって決まるので、複屈折率と位相板の厚みとを組み合わせることにより、所望のリタデーションの値を持つ位相板を得ることができる。
以上のように構成される偏光変換素子1に入射される入射光L1は、直線偏光である限り、それらの偏光面は任意のものである。また、厳格な意味での直線偏光だけでなく、楕円偏光等であっても、擬似的に直線偏光と変らないもの乃至直線偏光と見做し得る光であっても良い。一方、前述した偏光変換素子1への入射光がこの偏光変換素子1を透過して出力されるが、その出射光L2はエネルギー的な観点からは直線偏光であり、かつ所謂P偏光成分とS偏光成分というように、一方の光は所定の偏光方向となり得るものであり、他方の光はそれと直交する偏光方向に変換される。しかも、これら相互に直交する偏光成分の光は、それぞれの偏光成分の光量比が1:1となる。そして、この偏光変換素子1において、このように2つの直交する偏光成分が等分となるように出力されるのは、ある基準波長を含む所定の波長範囲に及ぶことになる。そして、このように制御される基準となる波長及び波長範囲は、各位相板のリタデーション値に基づいて決定される。
以上の機能を有する偏光変換素子1は、例えば図2に示した光学システムに組み込むことができる。即ち、同図において、光源2から出射される光は白色光L1であり、この光源2からの光は偏光変換素子1を透過して、偏光ビームスプリッタ4に入射されるようになっている。
ここで、偏光ビームスプリッタ4は偏光面4aを有し、この偏光面4aは、相互に直交する直線偏光成分のうち、一方の偏光成分、即ち直交する2つの偏光成分をそれぞれP偏光、S偏光としたときに、例えば入射光のP偏光成分を100%透過させ、S偏光成分を100%反射させる完全偏光ビームスプリッタを構成している。従って、入射光がP偏光成分とS偏光成分との光であり、かつこれらP偏光とS偏光とがそれぞれ50%、つまり1:1であれば、偏光ビームスプリッタ4では入射光の光量を1:1に分岐させることができる。
光源2からの出射光は直接偏光ビームスプリッタ4に入射されるのではなく、その前段に偏光変換素子1が配置されており、この偏光変換素子1は、偏光面が任意の角度を有する直線偏光の光、または直線偏光と見做し得る光を、エネルギー的に見て50%のP偏光成分と50%のS偏光成分となるように変換するものである。従って、光源2から任意の偏光方向を持つ白色光L1が偏光変換素子1に入射されると、位相板11、位相板12、位相板13及び位相板14の作用によって相互に直交するP偏光成分の光とS偏光成分の光であって、その光量比が1:1となるように変換されて出射光L2として射出される。その結果、偏光ビームスプリッタ4の反射光と透過光とはそれぞれ1:1の光量を持つものであり、かつ反射光と透過光とはそれぞれ偏光方向が揃っている。
そして、偏光変換素子1を構成する第1の位相板11のリタデーション値が75nm、第2の位相板12のリタデーション値が115nm、第3の位相板13のリタデーション値が115nm、第4の位相板14のリタデーション値が75nmの位相板を用い、第1の位相板11に対して第2の位相板12は45°の角度をなし、第3の位相板13は90°の角度をなし、第4の位相板14は45°の角度をなしたものを用いる。これによって、図3に示したように、430nm〜680nmの波長範囲である可視光のほぼ全域にわたって反射光と透過光とが1:1となる。従って、入射光を1:1に分光する光学システムにおいて、実質的にハーフミラーとしての機能を発揮する。しかも、偏光変換素子1は4枚の位相板から構成されるものであるから、耐候性に優れたものとなり、長期間にわたって極めて安定した分光特性を発揮し、その長寿命化が図られる。
次に、本発明の実施例2として、偏光変換素子1とハーフミラー20(このハーフミラー20は不完全な偏光ビームスプリッタである)とを組み合わせて、光源光量の一部を透過させる構成としたものが図4に示されている。この光学構成は、例えば光ヘッド装置において、信号光の一部をサンプリングして、光源光量の変動をモニタリングように構成したものであり、APC(Auto Power Control)において、光源光量の変動をモニタリングするものとして好適に用いることができる。
このように、APCを構成するには、ハーフミラー20の偏光膜が、光源2から射出されるレーザ光のうち、例えば90%の光を反射させて、反射光を情報記録面21に照射し、また10%を透過させて、この透過光がAPCのセンサとして機能する受光素子22に受光させるように設定する。ここで、CDとDVDとに兼用の光ヘッド装置として構成した場合、CDによる情報の書き込み及び読み出しのための光の波長は785nmであり、またDVDによる情報の書き込み及び読み出しとして用いられる光の波長は635nm〜650nmである。従って、これらの波長領域の光をハーフミラー20で設定した比率となるように分光しなければならない。しかも、温度による波長変動を勘案すれば、それらより広い波長範囲で安定した分光比を得るようにする。
ここで、図4に示したレーザ光源2の出力パワーを正確に制御するには、受光素子22に受光される光量は常に正確に所定の比率、つまり10%とし、分光光量比が変動しないようにしなければならない。ハーフミラー20における偏光膜は、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層させたものから構成され、材質、膜厚、積層数に応じて透過―反射の比率を任意に設定できる。
今、図5に示したように、ハーフミラー20で10%を透過させる半透過膜を用いたとして、入射光が直線偏光であって、P偏光100%の光であれば、ハーフミラー20の透過率が曲線C1となり、またS偏光100%の光であれば曲線C2になる。従って、レーザ光源2から出射される光の偏光成分が制御されていないと、受光素子22に取り込まれる光量が一定でなくなる。これに対して、P偏光成分とS偏光成分とを平均化させると、つまりP偏光及びS偏光の光がそれぞれ50%とすれば曲線C3のようになり、CDにおける情報の読み出し時における光の波長である785nmにおいても、またDVDによる情報の書き込み及び読み出しとして用いられる波長635nm〜650nmの光でも、共に10%の光量をサンプリングできる。
以上のことから、図4から明らかなように、ハーフミラー20に入射される光の偏光成分を相互に直交する偏光成分が1:1となるように変換するために、レーザ光源2からハーフミラー20に至る光路に偏光変換素子1を介在させる。このように、ハーフミラー20の光源側に前述した偏光変換素子1を配置することによって、波長依存性及び入射光の偏光成分に起因する透過―反射の比率のばらつきを有効に補正でき、常に入射光量の10%の光をAPC用としてサンプリングでき、レーザ光源2の出力パワーを正確に制御できる。
ここで、図5の曲線C3で示したような特性を持たせるための偏光変換素子1の具体的な構成は、第1の位相板11のリタデーション値が105nm、第2の位相板12のリタデーション値が160nm、第3の位相板13のリタデーション値が160nm、第4の位相板14のリタデーション値が105nmの位相板を用い、第1の位相板11に対して第2の位相板12は45°の角度をなし、第3の位相板13は90°の角度をなし、第4の位相板14は45°の角度をなしたものである。
前述した実施例1では、銀等の金属を半透過膜として用いたハーフミラーと同様に、光源からの入射光が透過と反射とが1:1となるように分光する光学システムとして、また実施例2では光源からの入射光を広い波長範囲で所望の光量比となるように分光制御するものとしたが、相互に直交する偏光成分を1:1の比率で含む光を直接物体に反射(または透過)させることによって、その反射光(または透過光)の光量のばらつきが生じないようにするためにも偏光変換素子1を用いることができる。例えば、図6に示したように、偏光変換素子1を色むら抑制手段として投射型液晶プロジェクタに適用することもできる。
図示しない光源から射出した白色光は、図示しないダイクロイックミラーにおいて赤色光、緑色光および青色光に分解され、これら3色の光は、赤色光の変調を行う液晶ライトバルブ31R、緑色光の変調を行う液晶ライトバルブ31Gおよび青色光の変調を行う液晶ライトバルブ31Bにおいて変調されて、クロスダイクロイックプリズム32において合成されて、合成された光は入射光L1として本発明の偏光変換素子1に入射される。入射光L1は、偏光変換素子1においてP偏光成分とS偏光成分との光量比が1:1となるように変換され、出射光L2として射出される。投射レンズ33は、偏光変換素子1から射出された出射光L2をスクリーン34に拡大して投射する。
ところで、スクリーン34においては、加工の問題などからその全面に一様で均一な偏光特性を持っていないことがある。つまり、P偏光成分の光を大きく反射し、S偏光成分の光はほとんど反射しない偏光特性を持つ部分や、S偏光成分の光を大きく反射し、P偏光成分の光をほとんど反射しない偏光特性を持つ部分がある。このように、場所によって偏光特性が異なるスクリーン34に、P偏光成分とS偏光成分との比が異なる光が入射すると、色むらが発生する。例えば、スクリーン34において、P偏光成分の光をほとんど反射しない偏光特性を持つ部分にP偏光成分の光量が少ない光が照射されると、そこではほとんど光が反射しないことになり、色むらが発生する。
本実施例においては、偏光変換素子1においてP偏光成分とS偏光成分との光量比が1:1となるように変換されるので、スクリーン34に入射される光はP偏光成分とS偏光成分との光量比は1:1となる。従って、スクリーン34上のP偏光成分の光をほとんど反射しない部分でも、S偏光成分の反射光量が十分取れことになるので、色むらの発生を最低限に抑制することができる。
そして、本実施例において、スクリーン34の前段に配置される偏光変換素子1としては、第1の位相板11のリタデーション値が75nm、第2の位相板12のリタデーション値が115nm、第3の位相板13のリタデーション値が115nm、第4の位相板14のリタデーション値が75nmの位相板を用い、第1の位相板11に対して第2の位相板12は45°の角度をなし、第3の位相板13は90°の角度をなし、第4の位相板14は45°の角度をなしたものを用いた。
ここで、偏光変換素子1を用いず、従来から知られているλ/2とλ/4との2枚構成の偏光変換素子を用いた場合を示す図7においては、可視波長域である430nm〜680nmの範囲内においてスクリーン34上のP偏光成分とS偏光成分との相対エネルギーの比は一定していない。しかしながら、本発明の偏光変換素子1を設けることによって、図8に示したように可視波長域の波長範囲内でP偏光成分光とS偏光成分光との相対エネルギーの比は50%でほぼ一定している。従って、スクリーン34において偏光方向により反射率が一定ではない部位が存在しても、色むらの発生を抑制することができる。
さらに、例えば光コンピューティングの分野では、基準波長域が1450nmのレーザ光が用いられる。従って、偏光変換素子1は、ほぼ1300nm〜1600nmの範囲にわたってP偏光成分とS偏光成分との光量比は1:1となるように制御する必要がある。この場合には、第1の位相板11のリタデーション値を180nm、第2の位相板12のリタデーション値を360nm、第3の位相板13のリタデーション値を360nm、第4の位相板14のリタデーション値を180nmとすれば良い。
本発明の偏光変換素子1の構成図である。 白色光L1が反射光L3と透過光L4とに分かれる概略構成図である 実施例1において出射光L2のP偏光成分とS偏光成分との割合のグラフである 光学ディスクのピックアップの概略構成図である 受光素子に入射する光の偏光成分として、P偏光成分が100%である場合と、S偏光成分が100%である場合と、P偏光成分とS偏光成分とがそれぞれ50%である場合でのハーフミラーの透過率を示したグラフである。 投射型液晶プロジェクタの部分構成図である 実施例3において説明した従来技術の偏光変換素子を用いた場合の波長とスクリーン34上の相対エネルギーとの関係を示したグラフである 実施例3において本発明の偏光変換素子を用いた場合の波長とスクリーン上の相対エネルギーとの関係を示したグラフである
符号の説明
1 偏光変換素子
4 偏光ビームスプリッタ
11 第1の位相板
12 第2の位相板
13 第3の位相板
14 第4の位相板
15 支持基板
20 ハーフミラー
32 クロスダイクロイックプリズム

Claims (7)

  1. 光の入射側から第1の位相板、第2の位相板、第3の位相板および第4の位相板の順番に積層された4枚の位相板を有し、
    前記第1の位相板のリタデーション値と前記第4の位相板とのリタデーション値および前記第2の位相板のリタデーション値と前記第3の位相板のリタデーションとの値はほぼ同じであり、
    前記第1の位相板のリタデーション値と前記第2の位相板のリタデーション値との比は1:1乃至1:3の範囲内にあり、
    前記第1の位相板の光学軸に対して、前記第2の位相板は45°の角度をなし、前記第3の位相板は90°の角度をなし、前記第4の位相板は45°の角度をなすことを特徴とする偏光変換素子。
  2. 入射光の波長域が400nm〜700nmの範囲の偏光方向を変換するために、前記第1の位相板のリタデーション値が75nmであり、前記第2の位相板のリタデーション値が115nmであり、前記第3の位相板のリタデーション値が115nmであり、前記第4の位相板のリタデーション値が75nmであることを特徴とする請求項1記載の偏光変換素子。
  3. 入射光の波長域が600nm〜900nmの範囲の偏光方向を変換するために、前記第1の位相板のリタデーション値が105nmであり、前記第2の位相板のリタデーション値が160nmであり、前記第3の位相板のリタデーション値が160nmであり、前記第4の位相板のリタデーション値が105nmであることを特徴とする請求項1記載の偏光変換素子。
  4. 入射光の波長域が1300nm〜1600nmの範囲の偏光方向を変換するために、前記第1の位相板のリタデーション値が180nmであり、前記第2の位相板のリタデーション値が360nmであり、前記第3の位相板のリタデーション値が360nmであり、前記第4の位相板のリタデーション値が180nmであることを特徴とする請求項1記載の偏光変換素子。
  5. 前記請求項1に記載の偏光変換素子は、入射光の光量比を所定の割合となるように分岐させるハーフミラーの前段に置かれることを特徴とする偏光変換素子を含む光学装置。
  6. 前記ハーフミラーは入射光の成分をP偏光成分とS偏光成分とに分ける偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項5記載の偏光変換素子を含む光学装置。
  7. 前記請求項1に記載の偏光変換素子は、偏光成分により反射率が変化する反射面への入射光の光路に配置する構成としたことを特徴とする偏光変換素子を含む光学装置。
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