JP2005322302A - 光路補正装置とこれを用いた光ピックアップ - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光の波長に関係なくモニター光検出器に一定の透過光が得られる光路補正装置とこれを用いた光ピックアップを提供することを目的とする。
【解決手段】光路補正装置14は、第一の波長板5と複屈折板2と第二の波長板15とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。第一の波長板5は、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2のみ偏光方向を90°回転させ、レーザ光L1とL2を互いに直交した偏光方向を有するよう構成する。複屈折板2は、その光学軸は一方のレーザ光L2の偏光方向と一致するよう構成され、レーザ光L1とレーザ光L2は同じ光路を伝搬するよう作用する。第二の波長板15は、複屈折板2を透過した一方のレーザ光L2のみ偏光方向を90°回転させ、レーザ光L1とL2を同一な偏光方向を有する直線偏光とするよう作用する。
【選択図】 図1
【解決手段】光路補正装置14は、第一の波長板5と複屈折板2と第二の波長板15とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。第一の波長板5は、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2のみ偏光方向を90°回転させ、レーザ光L1とL2を互いに直交した偏光方向を有するよう構成する。複屈折板2は、その光学軸は一方のレーザ光L2の偏光方向と一致するよう構成され、レーザ光L1とレーザ光L2は同じ光路を伝搬するよう作用する。第二の波長板15は、複屈折板2を透過した一方のレーザ光L2のみ偏光方向を90°回転させ、レーザ光L1とL2を同一な偏光方向を有する直線偏光とするよう作用する。
【選択図】 図1
Description
本発明は光路補正装置とこれを用いた光ピックアップに関し、特に2波長レーザが出射する偏光方向が互いに平行な二つの異なる波長の直線偏光の光路を補正した後、同一光路上を伝搬する前記出射光を、偏光方向が同一な直線偏光とした光路補正装置とこれを用いた光ピックアップに関するものである。
光ディスク装置や光磁気ディスク装置に用いられる光ピックアップは、CDやDVDといった種類の異なる光ディスクに対応するため、波長の異なる複数のレーザ光を使用する構造となっている。
そこで従来、二つのレーザ光を同一光路で伝搬させるため、二つのレーザダイオード(以降、LDと称す)を光路が互いに直交するよう配置すると共に、その交点にダイクロイックプリズムを所定の光路方向で配置して、一方のLDが出射するレーザ光はダイクロイックプリズムに入射して分離面を透過させ、直交配置された他方のLDが出射するレーザ光は前記ダイクロイックプリズムに入射させて分離面で90°反射させることにより、前記二つのレーザ光を同じ光路で伝搬させて、二つのレーザ光に対応した光ピックアップを構成していた。
ところが、このような従来の2波長合成方法では、二つのLDを用いること、及びこれらの光路を互いに直交するよう配置しなければならないため、光ピックアップの小型化が困難であった。
そこで従来、二つのレーザ光を同一光路で伝搬させるため、二つのレーザダイオード(以降、LDと称す)を光路が互いに直交するよう配置すると共に、その交点にダイクロイックプリズムを所定の光路方向で配置して、一方のLDが出射するレーザ光はダイクロイックプリズムに入射して分離面を透過させ、直交配置された他方のLDが出射するレーザ光は前記ダイクロイックプリズムに入射させて分離面で90°反射させることにより、前記二つのレーザ光を同じ光路で伝搬させて、二つのレーザ光に対応した光ピックアップを構成していた。
ところが、このような従来の2波長合成方法では、二つのLDを用いること、及びこれらの光路を互いに直交するよう配置しなければならないため、光ピックアップの小型化が困難であった。
一方、近年モノリシック型集積型の2波長レーザが提案され実用化されつつある。この2波長レーザは、一つの半導体基板上に二つの異なる波長(例えば、650nm、780nm)のレーザ光源を形成したものであり、二つのレーザ光源は所定の距離(数十〜百数十μm)だけ離れて配置され、二つの異なる波長の平行光を出射している。そこで、このような2波長レーザを光ピックアップに用いるためには、二つのレーザ光を同一光路に伝搬させるために光路補正機能が必要となる。
このような光路補正機能の手段として、特開2001−283457号公報に開示された手法がある。
図13は、従来の特開2001−283457号公報に開示された光路補正装置の原理を説明するための図である。図13において、光路補正装置1は、複屈折板2により構成しており、該複屈折板2は、2波長レーザ3から出射する波長650nmのレーザ光L1、波長780nmのレーザ光L2を入射し、且つ、レーザ光L1の偏光方向とレーザ光L2の偏光方向とは互いに直交しているものとする。複屈折性を有する結晶である複屈折板2は、光学軸A0が主表面と45°の角度をなすよう板状に切り出したものである。
このように構成することで、レーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となるので複屈折板2を直進して透過する。これに対し、レーザ光L1は光学軸A0に対して異常光線となるので複屈折板2にて屈折して透過することになる。この時、複屈折板2の板厚tを適切に設定することにより、二つのレーザ光を同一光路上に出射することが可能となる。
図13は、従来の特開2001−283457号公報に開示された光路補正装置の原理を説明するための図である。図13において、光路補正装置1は、複屈折板2により構成しており、該複屈折板2は、2波長レーザ3から出射する波長650nmのレーザ光L1、波長780nmのレーザ光L2を入射し、且つ、レーザ光L1の偏光方向とレーザ光L2の偏光方向とは互いに直交しているものとする。複屈折性を有する結晶である複屈折板2は、光学軸A0が主表面と45°の角度をなすよう板状に切り出したものである。
このように構成することで、レーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となるので複屈折板2を直進して透過する。これに対し、レーザ光L1は光学軸A0に対して異常光線となるので複屈折板2にて屈折して透過することになる。この時、複屈折板2の板厚tを適切に設定することにより、二つのレーザ光を同一光路上に出射することが可能となる。
一方、図13に示した従来の光路補正手法は、二つのレーザ光の偏光方向が互いに直交していることが必要であるが、モノリシック集積型の2波長レーザは、一つの半導体基板に二つの異なる波長のレーザ光源を形成するので、出射する二つのレーザ光線の直線偏光の偏光方向が同じとなるのが一般的である。2波長レーザは、製造プロセス上の制約から偏光方向を互いに直交させることは容易ではなく量産に不向きで高価になるため、モノリシック集積型の2波長レーザを上記の光路補正手法に適用することは現実的ではなかった。
そこで、この点を解決する光路補正手法として、本願発明者らは特願2003−155617号において以下の手法を提起した。
図14は、従来の特願2003−155617号により提起された光路補正装置の原理を説明するための図である。光路補正装置4は、波長板5と複屈折板2とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。
2波長レーザ6から出射される波長650nmのレーザ光L1、及び波長780nmのレーザ光L2は互いに平行な偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔dにて平行に伝搬する。
波長板5は、複屈折性を有する結晶もしくは高分子フィルムであり、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2の偏光方向を90°回転させ、他方のレーザ光L1の偏光方向は回転しないままに透過させることにより、レーザ光L1とL2は互いに直交した直線偏光となるよう構成されている。
図14は、従来の特願2003−155617号により提起された光路補正装置の原理を説明するための図である。光路補正装置4は、波長板5と複屈折板2とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。
2波長レーザ6から出射される波長650nmのレーザ光L1、及び波長780nmのレーザ光L2は互いに平行な偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔dにて平行に伝搬する。
波長板5は、複屈折性を有する結晶もしくは高分子フィルムであり、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2の偏光方向を90°回転させ、他方のレーザ光L1の偏光方向は回転しないままに透過させることにより、レーザ光L1とL2は互いに直交した直線偏光となるよう構成されている。
複屈折板2は、図13に示した複屈折板と同一のもので、複屈折性を有する結晶もしくは液晶からなり、その光学軸は一方のレーザ光L2の偏光方向と同一平面を有するよう構成されている。
この時、波長板5から入射するレーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となるのでそのまま直進して複屈折板2を透過し、レーザ光L2と偏光方向が直交するレーザ光L1は、複屈折板2の光学軸A0に対して異常光線となるので屈折して透過することになる。この屈折したレーザ光L1が複屈折板2を出射する際にレーザ光L2と同じ光路を伝搬するよう複屈折板2の板厚tを設定してある。
このように波長板5と複屈折板2が協働して、所定の光路間隔dで平行に伝搬し、且つ同じ偏光方向を有する二つのレーザ光を、同一の光路上に伝搬するよう光路補正をすることが可能となる。
特開2001−283457号公報
特願2003−155617号
この時、波長板5から入射するレーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となるのでそのまま直進して複屈折板2を透過し、レーザ光L2と偏光方向が直交するレーザ光L1は、複屈折板2の光学軸A0に対して異常光線となるので屈折して透過することになる。この屈折したレーザ光L1が複屈折板2を出射する際にレーザ光L2と同じ光路を伝搬するよう複屈折板2の板厚tを設定してある。
このように波長板5と複屈折板2が協働して、所定の光路間隔dで平行に伝搬し、且つ同じ偏光方向を有する二つのレーザ光を、同一の光路上に伝搬するよう光路補正をすることが可能となる。
しかしながら、従来の光路補正装置は、光ピックアップに用いる際に次のような問題を抱えていた。
図15は、2波長レーザを用いた従来の光路補正装置を光ピックアップに適応した場合の模式図である。光ピックアップ7は、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する2波長レーザ6と、一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる波長板5と、二つの直線偏光を同一の光路上に伝搬するよう光路補正をする複屈折板2と、該複屈折板2を透過する直線偏光のレーザ光を所定の比率で分離するハーフミラー8と、該ハーフミラー8が分離面で90°反射する前記レーザ光を光ディスク9に形成したピット10に集光させる対物レンズ11と、前記ピット10上で反射された前記レーザ光を前記対物レンズ11と前記ハーフミラー8を経由して検出する光検出器12と、前記ハーフミラー8の分離面を透過する2波長レーザ6の出射レベルをモニターするモニター光検出器13とにより構成する。
図15は、2波長レーザを用いた従来の光路補正装置を光ピックアップに適応した場合の模式図である。光ピックアップ7は、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する2波長レーザ6と、一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる波長板5と、二つの直線偏光を同一の光路上に伝搬するよう光路補正をする複屈折板2と、該複屈折板2を透過する直線偏光のレーザ光を所定の比率で分離するハーフミラー8と、該ハーフミラー8が分離面で90°反射する前記レーザ光を光ディスク9に形成したピット10に集光させる対物レンズ11と、前記ピット10上で反射された前記レーザ光を前記対物レンズ11と前記ハーフミラー8を経由して検出する光検出器12と、前記ハーフミラー8の分離面を透過する2波長レーザ6の出射レベルをモニターするモニター光検出器13とにより構成する。
図15の動作を説明すると、2波長レーザ6から出射される、例えば波長650nmのレーザ光L1、或いは波長780nmのレーザ光L2は互いに平行な偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔dにて平行に伝搬し、波長板5へ入射する。波長板5は、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2の直線偏光を90°回転させ、他方のレーザ光L1の直線偏光は回転しないままに透過することにより、レーザ光L1とL2は互いに直交した直線偏光を有するよう構成されている。次に波長板5を透過するレーザ光を複屈折板2に入射する。複屈折板2は、複屈折性を有しその主断面(光学軸と入射光軸とを含む面に平行な面)が一方の前記波長板5を通過したレーザ光L2の直線偏光と直交するよう構成されている。そこで、レーザ光L2は光学軸に対して直交するので常光線となりそのまま直進して複屈折板2を透過し、前記波長板5を通過したレーザ光L1の直線偏光はレーザ光L2の直線偏光と直交しているので複屈折板2の主断面に対して平行となるため異常光線となり屈折して透過する。従って、複屈折板2を透過したレーザ光L1とレーザ光L2は同じ光路を伝搬する。この時、複屈折板2を透過した二つのレーザ光の直線偏光は互いに直交しており、レーザ光L1の直線偏光をLa、レーザ光L2の直線偏光をLbとし、両者を総称してレーザ光L11とする。
次に、複屈折板2を透過したレーザ光L11はハーフミラー8に入射され、レーザ光L11のうちの約90%は分離面で90°反射するレーザ光L12として、前記レーザ光L11の約10%は分離面を透過するレーザ光L13として夫々分離される。レーザ光L12は、対物レンズ11により集光されて光ディスク9に形成されたピット10に照射され、ピット10上で反射したレーザ光L14は、反射光となって前記対物レンズ11を介してハーフミラー8に入射され、該レーザ光L14はそのまま透過して光検出器12に入射して光ディスクに書き込まれた情報を読み出す。
一方、ハーフミラー8を透過した前記レーザ光L13は、モニター光検出器13に入射して2波長レーザ6が出射するレーザ光の出射レベルをモニターする。光ピックアップにおいては、レーザ素子が出射するレーザ光の出射レベルを一定に保つことが必要であり、そこで、レーザ光の一部をモニター用の光検出器で受光してAPC(Auto Power Contorol)回路でレーザ素子の駆動回路を制御することにより、レーザ光の出射レベルを一定に保っている。図15に示した光ピックアップにおいては、レーザ光の出射レベルをモニターする手段として精度の高いフロントモニター方式を採用している。
ところで、前述したようなフロントモニター方式でレーザ光を受光する際は、レーザ光が前述したように直線偏光La、Lbのレーザ光からなっているため、ハーフミラー8で、例えば10%のレーザ光を分離面で透過させてモニター光検出器13へ入射させる場合、図16に示すように偏光方向の異なるLa、Lbのレーザ光に対して波長依存性を有しているので、波長λ1とλ2での透過率に差が生じ、レーザ光量を制御する際に要求されるモニター精度を満たすことが出来なかった。
図16は直線偏光La、Lbのレーザ光において、波長を可変した際の透過率の変化を示す図である。同図に示すように、ハーフミラー8の入射面に形成する光学薄膜において、LaとLbのレーザ光に対して波長λ1及びλ2における透過率を共に10%となるように透過特性を実現することは非常に困難である。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであって、レーザ光の波長に関係なくモニター光検出器に一定の透過光が得られる光路補正装置とこれを用いた光ピックアップを提供することを目的とする。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであって、レーザ光の波長に関係なくモニター光検出器に一定の透過光が得られる光路補正装置とこれを用いた光ピックアップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係わる光路補正装置とこれを用いた光ピックアップは、以下の構成をとる。
請求項1に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する第一の波長板と、該第一の波長板を透過した二つの直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第二の波長板とを備えた光路補正装置であって、前記第一の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・mの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するものであり(m、nは整数)、前記複屈折板は、その光学軸に対して前記第一の波長板を透過した二つの直線偏光の何れか一方が常光線、他方が異常光線となるよう配置し、前記二つの直線偏光の光路間隔をd、複屈折板の常光線に対する屈折率をn0、複屈折板の異常光線に対する屈折率をne、複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度をθ、複屈折板の板厚をtとした時、
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|を満足しているものであり、前記第二の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・pの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生する(p、qは整数)ものであるよう構成する。
請求項1に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する第一の波長板と、該第一の波長板を透過した二つの直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第二の波長板とを備えた光路補正装置であって、前記第一の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・mの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するものであり(m、nは整数)、前記複屈折板は、その光学軸に対して前記第一の波長板を透過した二つの直線偏光の何れか一方が常光線、他方が異常光線となるよう配置し、前記二つの直線偏光の光路間隔をd、複屈折板の常光線に対する屈折率をn0、複屈折板の異常光線に対する屈折率をne、複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度をθ、複屈折板の板厚をtとした時、
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|を満足しているものであり、前記第二の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・pの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生する(p、qは整数)ものであるよう構成する。
請求項2に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する第一の波長板と、該第一の波長板を透過した二つの直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第二の波長板と、該第二の波長板を透過した二つの直線偏光を入射するグレーティングとを備えた光路補正装置であって、前記第一の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・mの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するものであり(m、nは整数)、前記複屈折板は、その光学軸が前記第一の波長板を透過した二つの直線偏光の何れか一方が常光線、他方が異常光線となるよう配置し、前記二つの直線偏光の光路間隔をd、複屈折板の常光線に対する屈折率をn0、複屈折板の異常光線に対する屈折率をne、複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度をθ、複屈折板の板厚をtとした時、
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|
を満足しているものであり、前記第二の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・pの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生するものであり(p、qは整数)、前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折するよう構成する。
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|
を満足しているものであり、前記第二の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・pの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生するものであり(p、qは整数)、前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折するよう構成する。
請求項3に記載の光路補正装置は、前記複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度θが45°であるよう構成する。
請求項4に記載の光路補正装置は、前記第一の波長板と前記複屈折板と前記第二の波長板とを貼り合わせて一体化した構造を有するよう構成する。
請求項5に記載の光路補正装置は、前記第一の波長板と前記複屈折板と前記第二の波長板と前記グレーティングとを貼り合わせて一体化した構造を有するよう構成する。
請求項6に記載の光路補正装置は、前記第一の波長板及び第二の波長板が、複屈折性を有する結晶であるよう構成する。
請求項7に記載の光路補正装置は、前記複屈折板が、リチウムナイオベート若しくはルチルであるよう構成する。
請求項8に記載の光ピックアップは、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、該光源から二つの直線偏光を入射する請求項1乃至7の何れかに記載の光路補正装置と、 該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備えるよう構成する。
請求項9に記載の光ピックアップは、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、該光源から二つの直線偏光を入射する請求項1乃至7の何れかに記載の光路補正装置と、 該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備え、前記光源と前記光路補正装置とを一体化した構造とするよう構成する。
請求項10に記載の光ピックアップは、前記第三の波長板が、何れの直線偏光に対してもπ/2・(2t−1)の位相差を発生するものであるよう構成する(tは整数)。
請求項11に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板を備えた光路補正装置であって、前記複屈折板は、その光学軸に二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するよう構成する。
請求項12に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第四の波長板とを備えた光路補正装置であって、前記複屈折板は、その光学軸が二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであり、前記第四の波長板は、何れの直線偏光に対してもπ・(2r−1)の位相差を発生するものであるよう構成する(rは整数)。
請求項13に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射するグレーティングとを備えた光路補正装置であって、前記複屈折板は、その光学軸が二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであり、前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折するよう構成する。
請求項14に記載の光路補正装置は、偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第四の波長板と、該波長板を透過した二つの直線偏光を入射するグレーティングとを備えた光路補正装置であって、前記複屈折板は、その光学軸が二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであり、前記第四の波長板は、何れの直線偏光に対してもπ・(2r−1)の位相差を発生するものであり(rは整数)、前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折するよう構成する。
請求項15に記載の光路補正装置は、前記複屈折板と前記第四の波長板とを貼り合わせて一体化した構造を有するよう構成する。
請求項16に記載の光路補正装置は、前記複屈折板と前記グレーティングとを貼り合わせて一体化した構造を有するよう構成する。
請求項17に記載の光路補正装置は、前記複屈折板と前記第四の波長板と前記グレーティングとを貼り合わせて一体化した構造を有するよう構成する。
請求項18に記載の光路補正装置は、前記第四の波長板が、複屈折性を有する結晶であるよう構成する。
請求項19に記載の光路補正装置は、前記複屈折板が、リチウムナイオベート若しくはルチルであるよう構成する。
請求項20に記載の光ピックアップは、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、該光源から二つの直線偏光を入射する請求項11乃至19の何れかに記載の光路補正装置と、該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備えるよう構成する。
請求項21に記載の光ピックアップは、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、該光源から二つの直線偏光を入射する請求項11乃至19の何れかに記載の光路補正装置と、該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備え、前記光源と前記光路補正装置とを一体化した構造とするよう構成する。
請求項1、3、6、7に記載の発明は、光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光に変換したので、光路補正装置を光ピックアップに用いた際に、ハーフミラーのミラー面の光学薄膜の波長依存性を回避することが出来、光ピックアップの性能を向上させる上で大きな効果を発揮する。
請求項2に記載の発明は、光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光に変換すると共に、出射光を回折光としたので、光ピックアップの性能の向上化、及び小型化に大きな効果を発揮する。
請求項4、5、15、16、17記載の発明は、光路補正装置を構成する要素を張り合わせて積層一体化したことにより、光路補正装置を小型化すると共にコストを低減する事が出来、光ピックアップを構成する上で大きな効果を発揮する。
請求項8、10に記載の発明は、光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光に変換し、更には3ビーム化したため、光路補正装置を光ピックアップに用いた際に、ハーフミラーによる波長依存性を回避することが出来、光ピックアップの性能を向上させる上で大きな効果を発揮する。
請求項9、21に記載の発明は、2波長レーザと光路補正装置を一体化したことのより、光ピックアップを構成する上で小型化が図られ、光ピックアップを使用する上で大きな効果を発揮する。
請求項11、18、19に記載の発明は、光路補正装置の入射側及び出射側の波長板を不要として光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光としたので、光路補正装置を光ピックアップに用いた際に、ハーフミラーのミラー面の光学薄膜の波長依存性を回避することが出来ると共に、光ピックアップの小型化及び性能を向上させる上で大きな効果を発揮する。
請求項12に記載の発明は、光路補正装置の入射側の波長板を不要として光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光としたので、光路補正装置を光ピックアップに用いた際に、ハーフミラーのミラー面の光学薄膜の波長依存性を回避することが出来ると共に、光ピックアップの小型化及び性能を向上させる上で大きな効果を発揮する。
請求項13に記載の発明は、光路補正装置の入射側及び出射側の波長板を不要とした上で光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光とすると共に、出射光を回折光としたので、光ピックアップの性能の向上化、及び小型化に大きな効果を発揮する。
請求項14に記載の発明は、光路補正装置の入射側の波長板を不要とした上で光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光とすると共に、出射光を回折光としたので、光ピックアップの性能の向上化、及び小型化に大きな効果を発揮する。
請求項20に記載の発明は、光路補正装置の入射側及び出射側共に、或るいは入射側の波長板のみを不要とした上で光路補正装置が出射する2波長の出射光を偏光方向が同一な直線偏光とし、更には3ビーム化したため、光路補正装置を光ピックアップに用いた際に、ハーフミラーによる波長依存性を回避することが出来、光ピックアップの小型化及び性能を向上させる上で大きな効果を発揮する。
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明は、2波長レーザから出射した波長の異なる二つの直線偏光のレーザ光を、本発明に係わる光路補正装置において同一光路上に伝搬させると共に、該光路補正装置が出射する二つの直線偏光を、偏光方向が同一な直線偏光に変換したものである。光路補正装置が出射する二つの直線偏光を偏光方向が同一な直線偏光としたことにより、ハーフミラーに形成した光学薄膜における波長依存性を回避できるので、レーザ光の波長に関係なくモニター光検出器に一定の透過光が得られることとなる。そのため、光路補正装置には、2波長レーザが出射するレーザ光L1とL2とを互いに直交した偏光方向を有する直線偏光とする第一の波長板と、複屈折板を透過する直線偏光を偏光方向が互いに同一な直線偏光とする第二の波長板とを有している。そこで、第一の波長板は、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能し、又、第二の波長板も、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成される。
本発明は、2波長レーザから出射した波長の異なる二つの直線偏光のレーザ光を、本発明に係わる光路補正装置において同一光路上に伝搬させると共に、該光路補正装置が出射する二つの直線偏光を、偏光方向が同一な直線偏光に変換したものである。光路補正装置が出射する二つの直線偏光を偏光方向が同一な直線偏光としたことにより、ハーフミラーに形成した光学薄膜における波長依存性を回避できるので、レーザ光の波長に関係なくモニター光検出器に一定の透過光が得られることとなる。そのため、光路補正装置には、2波長レーザが出射するレーザ光L1とL2とを互いに直交した偏光方向を有する直線偏光とする第一の波長板と、複屈折板を透過する直線偏光を偏光方向が互いに同一な直線偏光とする第二の波長板とを有している。そこで、第一の波長板は、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能し、又、第二の波長板も、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成される。
図1は、本発明に係わる光路補正装置の第一の実施例を示す構成図であり、図1(a)は動作を説明するための図を示し、図1(b)は光路補正装置を一体化した図を示す。光路補正装置14は、第一の波長板5と複屈折板2と第二の波長板15とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。
2波長レーザ6から出射される波長650nmのレーザ光L1、或いは波長780nmのレーザ光L2は互いに同じ偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔dにて平行に伝搬する。
2波長レーザ6から出射される波長650nmのレーザ光L1、或いは波長780nmのレーザ光L2は互いに同じ偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔dにて平行に伝搬する。
第一の波長板5は、複屈折性を有する結晶もしくは高分子フィルムであり、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2の偏光方向を90°回転させ、他方のレーザ光L1の偏光方向は回転しないままに透過させることにより、レーザ光L1とL2が互いに直交した直線偏光を有するよう構成する。
そこで第一の波長板5は、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成され、即ち、第一の波長板5を2波長レーザ6が出射するレーザ光L1に対しては2π・mの位相差を発生するように、レーザ光L2に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するような板厚に設定する(m、nは整数)。
そこで第一の波長板5は、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成され、即ち、第一の波長板5を2波長レーザ6が出射するレーザ光L1に対しては2π・mの位相差を発生するように、レーザ光L2に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するような板厚に設定する(m、nは整数)。
次に、複屈折板2は、複屈折性を有するリチウムナイオベート若しくはルチル等の結晶もしくは液晶からなり、その主断面は一方のレーザ光L1の直線偏光に対して平行であり、他方のレーザ光L2の直線偏光に対して直交するよう構成されている。
前記第一の波長板5より入射したレーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となりそのまま直進して複屈折板2を透過し、レーザ光L2と偏光方向が直交するレーザ光L1の直線偏光は光学軸A0に対して異常光線となり屈折して透過することになる。この屈折したレーザ光L1が複屈折板2を透過する際にレーザ光L2と同じ光路を伝搬するよう複屈折板2の板厚tを設定している。
そこで、前記板厚tと二つの直線偏光の光路間隔dとの間には次式(1)の関係が成立する。
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|・・・(1)
尚、n0:常光線に対する屈折率であり、ne:異常光線に対する屈折率であり、θ:複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度であり、通常45°に設定されるのが望ましい。
前記第一の波長板5より入射したレーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となりそのまま直進して複屈折板2を透過し、レーザ光L2と偏光方向が直交するレーザ光L1の直線偏光は光学軸A0に対して異常光線となり屈折して透過することになる。この屈折したレーザ光L1が複屈折板2を透過する際にレーザ光L2と同じ光路を伝搬するよう複屈折板2の板厚tを設定している。
そこで、前記板厚tと二つの直線偏光の光路間隔dとの間には次式(1)の関係が成立する。
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|・・・(1)
尚、n0:常光線に対する屈折率であり、ne:異常光線に対する屈折率であり、θ:複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度であり、通常45°に設定されるのが望ましい。
次に、第二の波長板15は、複屈折性を有する結晶もしくは高分子フィルムであり、複屈折板2を透過する互いに偏光方向が直交した直線偏光であるレーザ光L1とL2に対して一方のレーザ光L2の偏光方向を90°回転させ、他方のレーザ光L1の偏光方向は回転しないままに透過させることにより、レーザ光L1とL2とを偏光方向が同一な直線偏光とするよう構成する。
そこで第二の波長板15は、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成され、即ち、第二の波長板15を複屈折板2を透過するレーザ光L1に対しては2π・pの位相差を発生するように、レーザ光L2に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生するような板厚に設定する(p、qは整数)。
そこで第二の波長板15は、波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成され、即ち、第二の波長板15を複屈折板2を透過するレーザ光L1に対しては2π・pの位相差を発生するように、レーザ光L2に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生するような板厚に設定する(p、qは整数)。
次に、前記第一の波長板5と第二の波長板15の構造としては、図2(a)に示す如く2枚の水晶製波長板を貼り合わせたもの、或いは図2(b)に示す如く1枚の平行平板状の水晶板のみで構成したもの等が使用される。更に、図2(c)に示す如くやや構造は複雑になるものの1枚の水晶板の一部を削って異なる厚みを有する構造としたものでも良いし、図2(d)に示す如く一方の波長の直線偏光に対してπの位相差を呈する位相差板をガラス基板の一部に貼り付けたもので実現しても良い。
以上説明したように本実施例における光路補正装置は、二つの波長のレーザ光を同一光路上に伝搬させると共に、出射する二つのレーザ光を偏光方向が同一な直線偏光としたものであり、光ピックアップに本光路補正装置を使用した際に、ハーフミラーに形成した光学薄膜における波長依存性を回避できる。
又、図1(a)に示した光路補正装置の動作を説明する図においては、第一の波長板と複屈折板と第二の波長板とを所定の間隔を開けて配置しているが、図1(b)に示すように、光路補正装置16は、複屈折板2に第一の波長板5と第二の波長板15を貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、後述する光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。
又、図1(a)に示した光路補正装置の動作を説明する図においては、第一の波長板と複屈折板と第二の波長板とを所定の間隔を開けて配置しているが、図1(b)に示すように、光路補正装置16は、複屈折板2に第一の波長板5と第二の波長板15を貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、後述する光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。
次に、本発明に係わる光路補正装置を光ピックアップに用いた実施例を説明する。
図3は、本発明に係わる光路補正装置16を光ピックアップに適応した場合の模式図の例を示すものである。光ピックアップ17は、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する2波長レーザ6と、該2波長レーザ6が出射する一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる第一の波長板5と該第一の波長板5から入射する二つの直線偏光を同一の光路上に伝搬するよう光路補正をする複屈折板2と該複屈折板2を透過する一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる第二の波長板15とからなる光路補正装置16と、該光路補正装置16が出射するレーザ光を所定の比率で分離するハーフミラー8と、該ハーフミラー8の分離面で90°反射するレーザ光を入射し円偏光に変換すると共に後述する対物レンズ11が出射する光ディスク9からの反射光である円偏光されたレーザ光を直線偏光に変換する第三の波長板18と、該第三の波長板を透過する円偏光されたレーザ光を光ディスク9に形成されたピット10に集光させると共に、該ピット10上で反射されたレーザ光を入射する対物レンズ11と、前記第三の波長板18を透過する直線偏光されたレーザ光を前記ハーフミラー8を経由して検出する光検出器12と、前記ハーフミラー8の分離面を透過する2波長レーザ6の出射レベルをモニターするモニター光検出器13とにより構成する。
図3は、本発明に係わる光路補正装置16を光ピックアップに適応した場合の模式図の例を示すものである。光ピックアップ17は、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する2波長レーザ6と、該2波長レーザ6が出射する一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる第一の波長板5と該第一の波長板5から入射する二つの直線偏光を同一の光路上に伝搬するよう光路補正をする複屈折板2と該複屈折板2を透過する一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる第二の波長板15とからなる光路補正装置16と、該光路補正装置16が出射するレーザ光を所定の比率で分離するハーフミラー8と、該ハーフミラー8の分離面で90°反射するレーザ光を入射し円偏光に変換すると共に後述する対物レンズ11が出射する光ディスク9からの反射光である円偏光されたレーザ光を直線偏光に変換する第三の波長板18と、該第三の波長板を透過する円偏光されたレーザ光を光ディスク9に形成されたピット10に集光させると共に、該ピット10上で反射されたレーザ光を入射する対物レンズ11と、前記第三の波長板18を透過する直線偏光されたレーザ光を前記ハーフミラー8を経由して検出する光検出器12と、前記ハーフミラー8の分離面を透過する2波長レーザ6の出射レベルをモニターするモニター光検出器13とにより構成する。
図3の動作を説明すると、2波長レーザ6から出射される、例えば波長650nmのレーザ光L1、或いは波長780nmのレーザ光L2は互いに同じ偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔dにて平行に伝搬し、光路補正装置16へ入射する。光路補正装置16に備えた第一の波長板5は、2波長レーザ6から出射された一方のレーザ光L2の偏光方向を90°回転させ、他方のレーザ光L1の偏光方向は回転しないままに透過することにより、レーザ光L1とL2を互いに直交した直線偏光を有するよう構成する。
次に、第一の波長板5を透過するレーザ光を複屈折板2に入射する。複屈折板2は、複屈折性を有しその主断面は一方のレーザ光L2の偏光方向に対して直交するよう構成されている。そこで、レーザ光L2は光学軸A0に対して常光線となりそのまま直進して複屈折板2を透過し、レーザ光L2と偏光方向が直交するレーザ光L1は光学軸A0に対して異常光線となり屈折して透過する。従って、複屈折板2を透過するレーザ光L1とレーザ光L2は同じ光路を伝搬する。次に複屈折板2を透過した二つの直線偏光は第二の波長板15に入射し、一方のレーザ光L2の偏光方向を90°回転させ、他方のレーザ光L1の偏光方向は回転しないままに透過することにより、レーザ光L1とL2を偏光方向が同一な直線偏光であるレーザ光L15とする。
次に、光路補正装置16を透過したレーザ光L15はハーフミラー8に入射され、レーザ光L15のうちの約90%は分離面で90°反射されるレーザ光L16として、前記レーザ光L15の約10%は分離面を透過するレーザ光L17として夫々分離される。この時、ハーフミラー8に入射されるレーザ光は2波長の偏光方向が同一な直線偏光であるので、ハーフミラー8に形成した光学薄膜からなる分離面は、偏光方向が同一な直線偏光に対して波長依存性を持たないので、二つの波長のレーザ光の透過率は変化しない。
次に、ハーフミラー8により反射したレーザ光L16は、第三の波長板18に入射する。第三の波長板18は、1/4波長板として機能し、直線偏光の常光成分と異常光成分との位相差が90°となるよう作用させ、第三の波長板15の透過光は、互いに位相が90°ずれた常光成分と異常光成分とが合成されて2波長共に円偏光のレーザ光L18となる。
ここで、本実施例における光ピックアップにおいて第三の波長板を使用する理由を説明する。
図4は、光ディスクに形成されたピットへレーザ光を照射する様子を説明する図であり、図4(a)は第三の波長板を使用しない場合を示し、図(b)は第三の波長板を使用した場合を示す。
図4(a)において、直線偏光された入射光Liを光ディスク9に形成したピット10に照射すると、入射光Liはピット10で反射して直線偏光の反射光Lrとなる。この時、直線偏光された入射光Liと反射光Lrとは、同一光路上で光学上の干渉をし合い光学特性に劣化が生じる。一方、図4(b)の如く第三の波長板18を使用すると、第三の波長板18に入射する直線偏光された入射光Liは、1/4波長板の機能を有する第三の波長板18により円偏光されて光ディスク9に形成されたピット10に照射される。
図4は、光ディスクに形成されたピットへレーザ光を照射する様子を説明する図であり、図4(a)は第三の波長板を使用しない場合を示し、図(b)は第三の波長板を使用した場合を示す。
図4(a)において、直線偏光された入射光Liを光ディスク9に形成したピット10に照射すると、入射光Liはピット10で反射して直線偏光の反射光Lrとなる。この時、直線偏光された入射光Liと反射光Lrとは、同一光路上で光学上の干渉をし合い光学特性に劣化が生じる。一方、図4(b)の如く第三の波長板18を使用すると、第三の波長板18に入射する直線偏光された入射光Liは、1/4波長板の機能を有する第三の波長板18により円偏光されて光ディスク9に形成されたピット10に照射される。
そこで、円偏光された入射光Liは、ピット10面において鏡面対称の関係に基づいて逆回転の円偏光となって反射される。反射された円偏光の反射光Lrは、第三の波長板18に入射され、直線偏光された前記入射光Liの偏光方向と直交する方向の直線偏光に変換されて第三の波長板18を透過する。従って、直線偏光された入射光Liと直線偏光された反射光Lrは偏光方向が直交しているため互いに干渉することが無くなり、光学特性の劣化をきたすことを防止できる。
尚、図4において、入射光Liと反射光Lrの光路を分離して記載しているが、これは説明を容易にするためで、実際は入射光Liと反射光Lrは同一の光路を伝搬する。
尚、図4において、入射光Liと反射光Lrの光路を分離して記載しているが、これは説明を容易にするためで、実際は入射光Liと反射光Lrは同一の光路を伝搬する。
次に、第三の波長板18を透過した円偏光に変換されたレーザ光L18は、レンズ11により集光されて光ディスク9に形成されたピット10に照射され、ピット10上で反射したレーザ光L19は、反射光となって前記対物レンズ11を介して第三の波長板18に入射され、前記直線偏光された入射光であるL16と偏光方向が直交した反射光L20となって透過する。次に、レーザ光L20はハーフミラー8に入射され、該ハーフミラー8をそのまま透過して光検出器12に入射し、光ディスクに書き込まれた情報を読み出す。
一方、ハーフミラー8を透過した所定量の前記レーザ光L17は、モニター光検出器13に入射して2波長レーザ6が出射するレーザ光の出射レベルをモニターする。光ピックアップにおいては、レーザ素子が出射するレーザ光の出射レベルを一定に保つことが必要であり、そこで、レーザ光の一部をモニター用の光検出器において受光してAPC回路でレーザ素子の駆動回路を制御し、レーザ光の出射レベルを一定に保っている。図3に示した光ピックアップにおいては、レーザ光の出射レベルをモニターする手段として精度の高いフロントモニター方式を採用している。
以上説明したように本実施例における光ピックアップは、ハーフミラーに形成した光学薄膜に生じる波長依存性を回避できるため、2波長レーザの出射レベルをモニターする際に、精度の高いモニター光検出を行うことが出来る。
以上説明したように本実施例における光ピックアップは、ハーフミラーに形成した光学薄膜に生じる波長依存性を回避できるため、2波長レーザの出射レベルをモニターする際に、精度の高いモニター光検出を行うことが出来る。
次に、本発明に係わる光路補正装置において、第二の実施例について説明する。
一般に、光ディスクを再生するためレーザ光を光ディスクに照射する際に、光ディスクに形成したピットに照射するデータ読み書き用の光と、ピットの両脇の溝に照射するトラッキング用の光とが必要である場合、レーザ光を3ビーム化することが要求され、第二の実施例は、光路補正装置の出射光を3ビーム化したものである。そこで、第一の実施例において説明した光路補正装置の出射側に、レーザ光を回折させるグレーティングを付加し、直線偏光されたレーザ光を3ビーム化して出射させた。
一般に、光ディスクを再生するためレーザ光を光ディスクに照射する際に、光ディスクに形成したピットに照射するデータ読み書き用の光と、ピットの両脇の溝に照射するトラッキング用の光とが必要である場合、レーザ光を3ビーム化することが要求され、第二の実施例は、光路補正装置の出射光を3ビーム化したものである。そこで、第一の実施例において説明した光路補正装置の出射側に、レーザ光を回折させるグレーティングを付加し、直線偏光されたレーザ光を3ビーム化して出射させた。
図5は、本発明に係わる光路補正装置の第二の実施例を示す構成図であり、図5(a)は動作を説明するための図を示し、図5(b)は光路補正装置を一体化した図を示す。光路補正装置19は、第一の波長板5と複屈折板2と第二の波長板15とグレーティング20とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。
又、図5(b)に示すように、光路補正装置21は、複屈折板2に第一の波長板5と第二の波長板15とグレーティング20とを貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、後述する光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を奏する。
本第二の実施例は、図1に示した第一の実施例における光路補正装置と比べて、直線偏光されたレーザ光を出射する第二の波長板15の出射側にグレーティング20を付加したことのみ異なるので、グレーティング20の作用について説明し、他の要素の動作は第一の実施例と同一であるので説明を省略する。
又、図5(b)に示すように、光路補正装置21は、複屈折板2に第一の波長板5と第二の波長板15とグレーティング20とを貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、後述する光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を奏する。
本第二の実施例は、図1に示した第一の実施例における光路補正装置と比べて、直線偏光されたレーザ光を出射する第二の波長板15の出射側にグレーティング20を付加したことのみ異なるので、グレーティング20の作用について説明し、他の要素の動作は第一の実施例と同一であるので説明を省略する。
図6は、グレーティングを付加してレーザ光を3ビーム化した例を示し、図6(a)は夫々異なる二つの波長λ1及びλ2のレーザ光共に3ビーム化した例を示し、図6(b)は一方の波長のレーザ光λ1はそのまま透過し、他方の波長のレーザ光λ2のみを3ビーム化した例を示す。尚、図6においては、波長λ1と波長λ2のレーザ光の光路を分離して記載しているが、これは説明を容易にするためで、実際は各波長のレーザ光は同一の光路を伝搬する。そこで、グレーティング20は、基板の片面に所定の屈折率を有する格子を所定の深さとピッチで一面に形成したもので、前記深さとピッチを適宜に設定することにより、所望の波長のレーザ光に対して、入射したレーザ光をメインビームとなる0次光と、サイドビームとなる二つの±1次光とに回折するものである。
そこで、図5に示した本実施例における光路補正装置は、第二の波長板15が出射する直線偏光のレーザ光を入射して3ビームのレーザ光に回折する。
そこで、図5に示した本実施例における光路補正装置は、第二の波長板15が出射する直線偏光のレーザ光を入射して3ビームのレーザ光に回折する。
図7は、本発明に係わる光路補正装置21を光ピックアップに適応した場合の模式図の例を示すものである。光ピックアップ22は、偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する2波長レーザ6と、該2波長レーザ6が出射する一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる第一の波長板5と該第一の波長板5から入射する二つの直線偏光を同一の光路上に伝搬するよう光路補正をする複屈折板2と該複屈折板2を透過する一方の直線偏光の偏光方向を90°回転させる第二の波長板15と直線偏光されたレーザ光を3ビームに回折するグレーティング20とからなる光路補正装置21と、該光路補正装置21が出射するレーザ光を所定の比率で分離するハーフミラー8と、該ハーフミラー8の分離面で90°反射するレーザ光を入射し円偏光に変換すると共に後述する対物レンズ11が出射する光ディスク9からの反射光である円偏光されたレーザ光を直線偏光に変換する第三の波長板18と、該第三の波長板を透過する円偏光されたレーザ光を光ディスク9に形成されたピット10に集光させると共に、該ピット10上で反射されたレーザ光を入射する対物レンズ11と、前記第三の波長板18を透過する直線偏光されたレーザ光を前記ハーフミラー8を経由して検出する光検出器12と、前記ハーフミラー8の分離面を透過する2波長レーザ6の出射レベルをモニターするモニター光検出器13とにより構成する。
本第二の実施例による光路補正装置21を用いた光ピックアップ22は、図3に示した第一の実施例による光路補正装置16を用いた光ピックアップ17と比べて光路補正装置16の出射側にグレーティング20が付加されていることのみ異なるので、これに関連した部分についてのみ説明し、他の部分の動作については光ピックアップ17と同一であるので説明を省略する。
光路補正装置21を透過し、回折作用により3ビーム化されたレーザ光L21はハーフミラー8に入射され、レーザ光L21のうちの約90%は分離面で90°反射されるレーザ光L22として、前記レーザ光L21の約10%は分離面を透過するレーザ光L23として夫々分離される。この時、ハーフミラー8に入射されるレーザ光は2波長の偏光方向が同一な直線偏光であるので、ハーフミラー8に形成した光学薄膜からなる分離面は、偏光方向が同一な直線偏光に対して波長依存性を持たないので、二つの波長のレーザ光の透過率は変化しない。
光路補正装置21を透過し、回折作用により3ビーム化されたレーザ光L21はハーフミラー8に入射され、レーザ光L21のうちの約90%は分離面で90°反射されるレーザ光L22として、前記レーザ光L21の約10%は分離面を透過するレーザ光L23として夫々分離される。この時、ハーフミラー8に入射されるレーザ光は2波長の偏光方向が同一な直線偏光であるので、ハーフミラー8に形成した光学薄膜からなる分離面は、偏光方向が同一な直線偏光に対して波長依存性を持たないので、二つの波長のレーザ光の透過率は変化しない。
次に、ハーフミラー8により反射する3ビーム化されたレーザ光L22は、第三の波長板18に入射する。第三の波長板18は、1/4波長板として機能し、2波長共に円偏光のレーザ光L24となる。第三の波長板18を透過した円偏光に変換されたレーザ光L24は、レンズ11により集光されて光ディスク9に形成されたピット10に照射され、ピット10上で反射したレーザ光L25は、反射光となって前記対物レンズ11を介して第三の波長板18に入射され、前記直線偏光された入射光であるL22と偏光方向が直交した反射光L26となって透過する。次に、レーザ光L26はハーフミラー8に入射され、該ハーフミラー8をそのまま透過して光検出器12に入射し、光ディスクに書き込まれた情報を読み出す。
一方、ハーフミラー8を透過した前記レーザ光L23は、モニター光検出器13に入射して2波長レーザ6が出射するレーザ光の出射レベルをモニターする。
一方、ハーフミラー8を透過した前記レーザ光L23は、モニター光検出器13に入射して2波長レーザ6が出射するレーザ光の出射レベルをモニターする。
以上説明したように本実施例における光ピックアップは、ハーフミラーのミラー面に形成した光学薄膜における波長依存性を回避できるため、2波長レーザの出射レベルをモニターする際に、精度の高いモニター光検出を行うことが出来ると共に、光ディスクに照射するレーザ光を3ビーム化することが出来る。
次に、本発明に係わる光路補正装置において、第三の実施例について説明する。
本第三の実施例は、2波長レーザから出射される互いに平行な直線偏光を波長板を介さないで直接複屈折板に入射するもので、入射の際に二つの直線偏光されたレーザ光の偏光方向を複屈折板の主断面に共に平行とすることにより、光学軸A0に対して異常光線となることから二つの直線偏光されたレーザ光を共に屈折させ、複屈折板の出射面で同一光路となるよう複屈折板の厚みを設定したものである。従って、第三の実施例においては、2波長レーザが出射するレーザ光を直接複屈折板に入射することが出来、複屈折板より2波長共に同一な偏光方向の直線偏光を出射光として得られることから、第一及び第二の実施例において使用していた第一の波長板5及び第二の波長板15が不用となり、光路補正装置の部品点数を減らすことが可能となる。
本第三の実施例は、2波長レーザから出射される互いに平行な直線偏光を波長板を介さないで直接複屈折板に入射するもので、入射の際に二つの直線偏光されたレーザ光の偏光方向を複屈折板の主断面に共に平行とすることにより、光学軸A0に対して異常光線となることから二つの直線偏光されたレーザ光を共に屈折させ、複屈折板の出射面で同一光路となるよう複屈折板の厚みを設定したものである。従って、第三の実施例においては、2波長レーザが出射するレーザ光を直接複屈折板に入射することが出来、複屈折板より2波長共に同一な偏光方向の直線偏光を出射光として得られることから、第一及び第二の実施例において使用していた第一の波長板5及び第二の波長板15が不用となり、光路補正装置の部品点数を減らすことが可能となる。
図8は、本発明に係わる光路補正装置の第三の実施例を示す構成図である。光路補正装置23は、複屈折板24により構成し、2波長レーザ6の前方に配置する。
2波長レーザ6から出射される波長650nmのレーザ光L1、或いは波長780nmのレーザ光L2は互いに同じ偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔S3にて平行に伝搬する。
複屈折板24は、複屈折性を有するリチウムナイオベート若しくはルチル等の結晶もしくは液晶からなり、その主断面はレーザ光L1、及びL2の直線偏光に対して共に平行であり、2波長レーザ6より入射したレーザ光L1、及びL2の直線偏光は光学軸A0に対して異常光線となり屈折して透過することになる。この屈折したレーザ光L1、及びL2が複屈折板24の出射面において同じ光路を伝搬するよう複屈折板24の板厚tを設定する。
2波長レーザ6から出射される波長650nmのレーザ光L1、或いは波長780nmのレーザ光L2は互いに同じ偏光方向を有する直線偏光であり、光路間隔S3にて平行に伝搬する。
複屈折板24は、複屈折性を有するリチウムナイオベート若しくはルチル等の結晶もしくは液晶からなり、その主断面はレーザ光L1、及びL2の直線偏光に対して共に平行であり、2波長レーザ6より入射したレーザ光L1、及びL2の直線偏光は光学軸A0に対して異常光線となり屈折して透過することになる。この屈折したレーザ光L1、及びL2が複屈折板24の出射面において同じ光路を伝搬するよう複屈折板24の板厚tを設定する。
前記板厚tと二つの直線偏光の光路間隔Sとの間には次式の関係が成立する。
S3=S1−S2 ・・・・・(2)
S=(b2−a2/2c2)・sin(2θ)・t ・・・(3)
ここで、S:光路間距離であり、θ:複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度であり(通常45°に設定されるのが望ましい)、t:板厚であり、a=1/neであり、b=1/n0であり、n0:波長λの常光線に対する屈折率であり、ne:波長λの異常光線に対する屈折率であり、
c=a2・sin2θ+b2・cos2θ ・・・(4)
である。
そこで、S3とtとの関係は、式(3)より以下のとおりとなる。
S1=(b1 2−a1 2/2c1 2)・sin(2θ)・t ・・・(5)
S2=(b2 2−a2 2/2c2 2)・sin(2θ)・t ・・・(6)
S3=S1−S2
={b1 2−b2 2−(a1 2/2c1 2−a2 2/2c2 2)}・sin(2θ)・t
・・・(7)
従って、2波長レーザ6の光路間距離S3と複屈折板24の板厚tは、要求される光ピックアップの仕様に基づき式(7)から適宜設定する。
S3=S1−S2 ・・・・・(2)
S=(b2−a2/2c2)・sin(2θ)・t ・・・(3)
ここで、S:光路間距離であり、θ:複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度であり(通常45°に設定されるのが望ましい)、t:板厚であり、a=1/neであり、b=1/n0であり、n0:波長λの常光線に対する屈折率であり、ne:波長λの異常光線に対する屈折率であり、
c=a2・sin2θ+b2・cos2θ ・・・(4)
である。
そこで、S3とtとの関係は、式(3)より以下のとおりとなる。
S1=(b1 2−a1 2/2c1 2)・sin(2θ)・t ・・・(5)
S2=(b2 2−a2 2/2c2 2)・sin(2θ)・t ・・・(6)
S3=S1−S2
={b1 2−b2 2−(a1 2/2c1 2−a2 2/2c2 2)}・sin(2θ)・t
・・・(7)
従って、2波長レーザ6の光路間距離S3と複屈折板24の板厚tは、要求される光ピックアップの仕様に基づき式(7)から適宜設定する。
そこで、本第三の実施例における光路補正装置においても、二つの波長のレーザ光を同一光路上に伝搬させると共に、光路補正装置を透過する直線偏光は互いに同一な偏光方向を有し、光ピックアップに本光路補正装置を使用した際に、ハーフミラーに形成した光学薄膜における直線偏光の波長依存性を回避できる。
又、本光路補正装置は、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。
又、本光路補正装置は、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。
次に、本第三の実施例における光路補正装置の変形例を説明する。本変形例は、第三の実施例として説明した光路補正装置23を光ピックアップに用いた際に、光路補正装置23が出射する直線偏光の偏光方向が、光ピックアップを構成するハーフミラーの波長依存特性に影響を与えてしまう場合、光路補正装置23が出射する直線偏光の偏光方向を2波長共に90°回転させて、直線偏光の偏光方向を元の直線偏光に対して直交させるものであり、光ピックアップの仕様に基づき適宜使用される。
図9は、本発明に係わる第三の実施例である光路補正装置23の変形例を示す構成図であり、図9(a)は動作を説明するための図を示し、図9(b)は光路補正装置を一体化した図を示す。光路補正装置25は、複屈折板24と第四の波長板26とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。本変形例に使用している第四の波長板26は、入射する直線偏光の偏光方向を2波長共に90°回転させるもので、第三の実施例において説明した光路補正装置23が出射する直線偏光に対して直交した直線偏光を出射する。
そこで第四の波長板26は、波長λ1のレーザ光L1及び波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成され、2波長共にπ・(2r−1)の位相差を発生するような板厚に設定する(rは整数)。
又、図9(b)に示すように、光路補正装置25は、複屈折板24に第四の波長板26を貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、後述する光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。
そこで第四の波長板26は、波長λ1のレーザ光L1及び波長λ2のレーザ光L2に対して1/2波長板として機能するよう構成され、2波長共にπ・(2r−1)の位相差を発生するような板厚に設定する(rは整数)。
又、図9(b)に示すように、光路補正装置25は、複屈折板24に第四の波長板26を貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、後述する光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。
図10は、本発明に係わる光路補正装置23を光ピックアップに適応した場合の模式図の例を示すものである。図10に示した光ピックアップ28は、図3に示した光ピックアップ17と比べて、光路補正装置の構成が異なるのみで、他の部分の構成及び動作は同一であるので説明を省略する。
図11は、本発明に係わる光路補正装置の第四の実施例を示す構成図であり、図11(a)は動作を説明するための図を示し、図11(b)は光路補正装置を一体化した図を示す。光路補正装置29は、複屈折板24とグレーティング20とを備えており、2波長レーザ6の前方に配置する。
本第四の実施例は、図8に示した第三の実施例における光路補正装置23と比べて、直線偏光を出射する複屈折板24の出射側にグレーティング20を付加したことのみ異なり、複屈折板24が出射する直線偏光のレーザ光を入射して3ビームのレーザ光に回折する。又、図11(b)に示すように、光路補正装置30は、複屈折板24とグレーティング20を貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。
本第四の実施例は、図8に示した第三の実施例における光路補正装置23と比べて、直線偏光を出射する複屈折板24の出射側にグレーティング20を付加したことのみ異なり、複屈折板24が出射する直線偏光のレーザ光を入射して3ビームのレーザ光に回折する。又、図11(b)に示すように、光路補正装置30は、複屈折板24とグレーティング20を貼り合わせて積層一体化して小型化することも出来る。
さらに、2波長レーザの出射面全面に光路補正装置を固定してモジュール化することも可能であり、光ピックアップをアセンブルする際のハンドリング向上や小型化に大きな効果を発揮する。そこで、図11に示した光路補正装置29は、図8に示した光路補正装置23と比べて、図6に示したグレーティング20を付加し、他の部分の構成及び動作は同一であるので説明を省略する。
図12は、本発明に係わる光路補正装置30を光ピックアップに適応した場合の模式図の例を示すものである。図12に示した光ピックアップ31は、図3に示した光ピックアップ17と比べて、光路補正装置の構成が異なるのみで、他の部分の構成及び動作は同一であるので説明を省略する。
以上、本発明について実施例を基に説明したが、本発明において使用している波長板、複屈折板の材料としては、例えば水晶、リチウムナイオベート(ニオブ酸リチウム)、サファイア、方解石、雲母、ルチル等の複屈折性を有する結晶、若しくは複屈折性を有する高分子フィルムや高分子ポリマー等が使用可能である。
1・・光路補正装置、 2・・複屈折板、
3・・2波長レーザ、 4・・光路補正装置、
5・・波長板(第一の波長板)、 6・・2波長レーザ、
7・・光ピックアップ、 8・・ハーフミラー、
9・・光ディスク、 10・・ピット、
11・・対物レンズ、 12・・光検出器、
13・・モニター光検出器、 14・・光路補正装置、
15・・波長板(第二の波長板)、 16・・光路補正装置、
17・・光ピックアップ、 18・・第三の波長板、
19・・光路補正装置、 20・・グレーティング、
21・・光路補正装置、 22・・光ピックアップ、
23・・光路補正装置、 24・・複屈折板、
25・・光路補正装置、 26・・第四の波長板、
27・・光路補正装置、 28・・光ピックアップ、
29・・光路補正装置、 30・・光路補正装置、
31・・光ピックアップ
3・・2波長レーザ、 4・・光路補正装置、
5・・波長板(第一の波長板)、 6・・2波長レーザ、
7・・光ピックアップ、 8・・ハーフミラー、
9・・光ディスク、 10・・ピット、
11・・対物レンズ、 12・・光検出器、
13・・モニター光検出器、 14・・光路補正装置、
15・・波長板(第二の波長板)、 16・・光路補正装置、
17・・光ピックアップ、 18・・第三の波長板、
19・・光路補正装置、 20・・グレーティング、
21・・光路補正装置、 22・・光ピックアップ、
23・・光路補正装置、 24・・複屈折板、
25・・光路補正装置、 26・・第四の波長板、
27・・光路補正装置、 28・・光ピックアップ、
29・・光路補正装置、 30・・光路補正装置、
31・・光ピックアップ
Claims (21)
- 偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する第一の波長板と、該第一の波長板を透過した二つの直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第二の波長板とを備えた光路補正装置であって、
前記第一の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・mの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するものであり(m、nは整数)、
前記複屈折板は、その光学軸に対して前記第一の波長板を透過した二つの直線偏光の何れか一方が常光線、他方が異常光線となるよう配置し、前記二つの直線偏光の光路間隔をd、複屈折板の常光線に対する屈折率をn0、複屈折板の異常光線に対する屈折率をne、複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度をθ、複屈折板の板厚をtとした時、
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|
を満足しているものであり、
前記第二の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・pの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生する(p、qは整数)ものであることを特徴とする光路補正装置。 - 偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する第一の波長板と、該第一の波長板を透過した二つの直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第二の波長板と、該第二の波長板を透過した二つの直線偏光を入射するグレーティングとを備えた光路補正装置であって、
前記第一の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・mの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2n−1)の位相差を発生するものであり(m、nは整数)、
前記複屈折板は、その光学軸が前記第一の波長板を透過した二つの直線偏光の何れか一方が常光線、他方が異常光線となるよう配置し、前記二つの直線偏光の光路間隔をd、複屈折板の常光線に対する屈折率をn0、複屈折板の異常光線に対する屈折率をne、複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度をθ、複屈折板の板厚をtとした時、
t=d・|(n02・tanθ+ne2)/((n02−ne2)・tanθ)|
を満足しているものであり、
前記第二の波長板は、直線偏光の一方に対しては2π・pの位相差を、他方の直線偏光に対してはπ・(2q−1)の位相差を発生するものであり(p、qは整数)、
前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折することを特徴とする光路補正装置。 - 前記複屈折板の主面法線と光学軸とのなす角度θが45°であることを特徴とする請求項1又は2記載の光路補正装置。
- 前記第一の波長板と前記複屈折板と前記第二の波長板とを貼り合わせて一体化した構造を有することを特徴とする請求項1又は3記載の光路補正装置。
- 前記第一の波長板と前記複屈折板と前記第二の波長板と前記グレーティングとを貼り合わせて一体化した構造を有することを特徴とする請求項2又は3記載の光路補正装置。
- 前記第一の波長板及び第二の波長板は、複屈折性を有する結晶であることを特徴とする請求項1乃至5記載の光路補正装置。
- 前記複屈折板は、リチウムナイオベート若しくはルチルであることを特徴とする請求項1乃至6記載の光路補正装置。
- 偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、
該光源から二つの直線偏光を入射する請求項1乃至7の何れかに記載の光路補正装置と、
該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、
該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備えたことを特徴とする光ピックアップ。 - 偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、
該光源から二つの直線偏光を入射する請求項1乃至7の何れかに記載の光路補正装置と、
該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、
該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備え、
前記光源と前記光路補正装置とを一体化した構造とすることを特徴とする光ピックアップ。 - 前記第三の波長板は、何れの直線偏光に対してもπ/2・(2t−1)の位相差を発生する(tは整数)ものであることを特徴とする請求項8又は9記載の光ピックアップ。
- 偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板を備えた光路補正装置であって、
前記複屈折板は、その光学軸に二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであることを特徴とする光路補正装置。 - 偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第四の波長板とを備えた光路補正装置であって、
前記複屈折板は、その光学軸が二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであり、
前記第四の波長板は、何れの直線偏光に対してもπ・(2r−1)の位相差を発生するものである(rは整数)ことを特徴とする光路補正装置。 - 偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射するグレーティングとを備えた光路補正装置であって、
前記複屈折板は、その光学軸が二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであり、
前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折することを特徴とする光路補正装置。 - 偏光方向が互いに平行であり光路が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を入射する複屈折板と、該複屈折板を透過した二つの直線偏光を入射する第四の波長板と、該波長板を透過した二つの直線偏光を入射するグレーティングとを備えた光路補正装置であって、
前記複屈折板は、その光学軸が二つの直線偏光共に異常光線となるよう配置するものであり、
前記第四の波長板は、何れの直線偏光に対してもπ・(2r−1)の位相差を発生するものであり(rは整数)、
前記グレーティングは、入射した異なる波長の直線偏光の一方、若しくは両方ともに、0次光と±1次光の3ビームに回折することを特徴とする光路補正装置。 - 前記複屈折板と前記第四の波長板とを貼り合わせて一体化した構造を有することを特徴とする請求項12記載の光路補正装置。
- 前記複屈折板と前記グレーティングとを貼り合わせて一体化した構造を有することを特徴とする請求項13記載の光路補正装置。
- 前記複屈折板と前記第四の波長板と前記グレーティングとを貼り合わせて一体化した構造を有することを特徴とする請求項14記載の光路補正装置。
- 前記第四の波長板は、複屈折性を有する結晶であることを特徴とする請求項12、14、15、17記載の光路補正装置。
- 前記複屈折板は、リチウムナイオベート若しくはルチルであることを特徴とする請求項11乃至17記載の光路補正装置。
- 偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、
該光源から二つの直線偏光を入射する請求項11乃至19の何れかに記載の光路補正装置と、
該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、
該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備えたことを特徴とする光ピックアップ。 - 偏光方向が互いに平行である二つの異なる波長の直線偏光を出射する光源と、
該光源から二つの直線偏光を入射する請求項11乃至19の何れかに記載の光路補正装置と、
該光路補正装置を出射した光線を透過する第三の波長板と、
該第三の波長板を透過した光線を光記憶媒体に集光する対物レンズとを備え、
前記光源と前記光路補正装置とを一体化した構造とすることを特徴とする光ピックアップ。
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2004
- 2004-05-07 JP JP2004138700A patent/JP2005322302A/ja active Pending
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