JP4332617B2 - ロボットマニピュレータによる物体操作方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボットマニピュレータによる物体操作方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−319414号公報には、円柱状の被収納物の円周上の一部に全周に亙って設けられ上記被収納物の円周方向の向きを識別するための識別マークと、この識別マークを読み取るマーク識別機と、このマーク識別機からの情報に応じて上記被収納物を円周方向へ回動させる回動手段と、上記被収納物を搬送して収納箱内に所定の向きに向けて収納するためのロボット本体とを備えている収納用ロボット装置が記載されている。
【0003】
特開2000−179665号公報には、固体を特定するID情報とその個体の個性を示す属性情報から成るID・属性情報と、前記属性情報に対応し、外部から与えられる命令とその命令に対して具体的にとる行動の関係を表す動作テーブルと、外部から与えられるID情報及び命令を認識する認識手段と、この認識手段により認識された情報を自身の前記ID情報及び命令と照合判断する判断手段と、この判断手段により前記ID情報が合致したとき前記外部から与えられた命令を自身の前記動作テーブル内で検索する検索手段と、この検索手段により検索された結果に基づき対応する動作を実行する実行手段とを有してなる知的ロボットが記載されている。
【0004】
そして、特開2002−127057号公報には、ロボットの動作軌跡上の位置を教示点として位置姿勢情報と、前記教示点ごとにロボットの経路情報とを制御部に設定し、位置姿勢情報および経路情報に基づいて動作するロボットの動作状態を表示装置に表示可能としたロボットの教示装置であって、前記ロボットの経路情報を設定する設定手段と、前記設定手段を前記表示装置上に表示する表示部と、表示された設定手段のうち所望の経路情報を選択する選択手段と、ロボットの現在の位置が教示点上にあるか否かを判別する判別手段とを備え、前記判別手段でロボットが教示点上にあると判別すると、前記制御部が前記表示部に表示された前記設定手段の表示を変えるロボットの教示装置が記載されている。
【0005】
また、特開平7−88791号公報には、ロボットハンドによって把持されて移載されるワークを撮像する撮像手段と、前記撮像手段にて撮像されたワークの2次元的な配置を認識する画像認識手段と、前記画像認識手段にて認識されたワークの配置に基づいて最適なワーク高さ測定点を算出して距離計測プランを作成する距離計測プラン部と、前記距離計測プラン部の作成した距離計測プランに基づいて、1つのワーク毎に少なくとも1点のワーク高さ測定点の高さを計測する距離計測手段と、前記画像認識手段の認識結果と前記距離計測手段の計測結果を用いて、ワークの3次元的な配置を認識するワーク配置認識手段を、前記ワーク配置認識手段の認識結果に基づいて、ワーク移載のためのロボットの動作プランを算出するロボット動作プラン部とを備えたロボット装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロボットによる物体の操作は物体の識別と把持から始まる。一般的に視覚センサシステムが用いられるのが今までの主流をなす。しかし、視覚センサシステムは照明の影響、識別時間の増加、隠れている部分の識別不可など色々な問題点が取り上げられる。また、把持力の基準となる物体の質量と材質などの物性値は判断できない。更に、物体操作のための把持部位の位置は別の上位レベルのアルゴリズムで計算せざるをえない。
【0007】
一方、RFID(Radio Frequency Identification)システムなどのタグの持つ情報をリーダ・ライタからの電子誘導により非接触で読み書きするシステムが開発されている。このシステムにより、物体に物体の様々な情報の入っているタグを貼り付けたり、その情報を利用して物体を識別や管理することが可能になる。この技術はまだロボットによる物体操作の用途には応用された例がない。
【0008】
本発明は、視覚センサシステムを使用することなく、RFIDシステムなどのタグの持つ情報を非接触で読み出すようになし、この場合に、タグの情報から物体の操作点の定量的情報を検知することによって容易に物体操作を行うことができるようにしたロボットマニピュレータによる物体操作方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ロボットによる物体操作を容易にするために、物体に操作を行う部位の位置座標と操作方法を書き込んだタグを貼り付け、リーダからその情報を読み出し、物体操作に用いるロボットの運用および制御方式を構成する。
【0010】
本発明は、複雑な環境にある様々な物体の操作をロボットを用いて実現する技術である。物体に物体の形状情報を記憶させることと、その情報を非接触で読み出すことが可能なメモリと通信回路からなるタグを埋め込み、ロボットマニピュレータに取り付けたリーダによって、その情報を読み出すことで、その物体に必要な操作を加えることを可能にする。
【0011】
タグの表面に例えば容易に検出可能でかつタグが埋め込まれる物体の姿勢に応じて見え方が変わる微小なマークを添付し、そのマークを原点として、操作される物体の操作部位(特に把持部位)の位置座標と操作方法情報をタグに書き込む。このような情報の書き込みを可能にする具体的なタグは、いくつか市販されており、例えば各社の製品を利用することで構成できる。このタグと通信してタグの情報を読み出せる検出器をマニピュレータに設置し、これによって、タグの情報から物体との操作点の定量的情報を検知して、マニピュレータにより物体操作を行う。
尚、本発明は、視覚センサとの共用を排除するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の基本的構成を示す図である。図において、ロボット本体1は、ロボットマニピュレータ2を備え、ロボットマニピュレータ2はハンド3および検出器(ディテクター)4を備える。また、ロボット本体1は、後述するように、コンピュータを主体とした制御装置を含み、該制御装置からの指令によってロボットマニピュレータ2はX、Y、Z軸の任意方向に、そして回転方向に動作することができる。図1に示す例にあっては、ロボット本体1は建物、床、その他に固定する方式としている。
物体(オブジェクト)5はその表面上にロボットマニピュレータ2によって把持されるP1、P2を備え、他の面にはRIFDタグなどのタグ6が貼付されている。
【0013】
タグ6の座標系をここでは物体の局所基準座標系{0}とする。物体5の把持位置座標と、局所基準座標系{0}の基準点とは既知であり、識別用のタグ6には位置座標との関係が予め書き込んである。
タグ6は、物体5の表面に貼付されてもよいし、物体5の製作時に同時に埋め込まれてもよい。
【0014】
図1に示す例にあっては、任意の物体5のある面にタグ6を貼り付けている。タグ6は、メモリを有する。タグ6のメモリには物体5の局所基準座標系{0}に対する物体5の把持部位P1、P2の既知の位置座標についての情報を書き込む。例えば、物体5に必ず存在する把持部位の位置、あるいは物体5の動作を起こす作用点の位置などを記録しておく。作用されるものとしてはスイッチなども含まれる。ここではこれらを総称して操作部位と称する。
【0015】
ロボットマニピュレータ2は、制御装置からの作業命令に従って物体5を探す。そのとき、ロボットマニピュレータ2に搭載された検出器4と物体5につけたタグ6との間の無線通信による情報交換で探す物体5を識別する。
そのあと、命じられた作業として、例えば把持を行う場合、検出器4から読み出されたタグ6の情報から物体5の把持位置座標を把握する。尚、検出器4の一部をロボット本体1内に設けるようにすることは可能である。
【0016】
続いて、ロボットマニピュレータ2に取り付けたセンサ(検出器4の一部)、例えばレーザセンサなどを利用して、タグ6に設けてある識別マークを検出し、物体5の局所基準座標系{0}に対するロボットマニピュレータ2のロボットハンド座標系{H}(以下、ハンド座標系ということがある。)の相対位置と姿勢の情報を取得する。すなわち、ハンド座標系{H}と物体5の局所基準座標系{0}の座標変換行列を制御装置を使用して計算し、把持部位P1、P2に対するハンド3の相対位置を求める。
【0017】
これによって、タグ6から検出器4によって読み出された局所基準座標系{0}に関する位置情報を、ロボットハンド座標系{H}に変換し、把持位置座標を求めてロボットマニピュレータ2の位置制御でハンド3を把持位置まで動かして、作業を行う。尚、{B}はロボットマニピュレータのベース座標系を示す。
【0018】
タグ6の表面に容易に検出可能で、かつタグ6が貼付される、あるいは埋め込まれる物体5の姿勢に応じて見え方が変わる微小な識別マークを添付し、その識別マークを原点として、操作される物体5の操作部位(特に把持部位P1、P2)の位置座標と操作方法情報をタグ6に書き込んでおく。これによって、タグ6からの情報に基づいて物体5との操作部位との定量的情報を検知して、ロボットマニピュレータ2の操作によって物体操作を行う。
【0019】
図2は、図1に示す物体操作装置100の機能をブロックで示す。図において、制御装置21は制御用パソコン(PC)からなり、処理装置(手段)22、記憶装置(手段)23、表示装置(手段)24を有し、操作キー25、および表示部(表示画面)26に接続される。
【0020】
処理装置(手段)22は、図に示すように、次の機能を有する。
(1) 物体識別および把持位置情報取得
(2) 物体の原点および座標軸の探索
(3) (1)の把持位置座標をハンド座標系に変換
(4) ハンドの位置制御によって把持操作を行う
検出器4による検出によって、信号を入力し、物体識別および把持位置などの操作部位情報を取得する。タグ6に設けた識別マークを使用して物体5の原点探索および物体5の座標軸の探索を行う。操作部位の位置座標、例えば把持位置座標をハンド座標系{H}の位置座標に変換する。物体5の操作部位を認識し、ハンド3の位置制御によって物体の操作、例えば把持動作を行う。
【0021】
各種情報の授受に際しては、制御用PCが本来有する表示機能、すなわち表示装置(手段)24によって表示部26に画面表示をすることができる。
前述のように、物体5に設けたタグ6との通信は検出器(手段)4によって行うが、その通信制御信号の発信、並びに受信信号の取り入れは制御装置21によって行われる。よって、検出器を通信装置を読み替えてもよい。
【0022】
図3は、図1に示す物体操作装置100の変形例であるが、実質的には同一であり、同一構成に同一番号を付して説明を省略する。(以下、同じ)
図3に示す例にあっては、ロボット本体1Aは移動ロボット1Aとして構成してある。従って移動ロボット1Aは移動、歩行することができ、各種の形状とすることができる。
検出器4はレーザセンサ4Aおよびリーダ4Bとからなる。レーザセンサ4Aおよびリーダ4Bは制御装置21と接続してあり、レーザの発信および受信、タグ6内蔵の情報の入力および出力制御は、上述のように、制御装置21によってなされる。
【0023】
図4も同様の例を示す。ロボット本体1Bは、回転可能なプラットフォーム状に形成してある。ロボットマニピュレータ2およびハンド3を有することも先の実施例と同じである。ロボットマニピュレータ2上には、超音波センサ4C(Ultrasonic sensor)およびアンテナ4Dが設けてある。超音波センサ4Cおよびアンテナ4Dは上述の検出器4を構成する。
本例の場合、物体5の具体例としてカップ5Aを表示した。カップ5Aは、通常把手11を有しており、この把手11が把持部位、すなわち操作部位となり、本例の場合、その中央が把持位置12(Potential manipulation point)となる。
カップ5Aの側面にはタグ6が貼付、もしくは埋め込まれる。
物体の座標系を検出することによって、ハンド座標系{H}に変換し、操作部位座標軸を認識することは前述の通りである。
【0024】
図5は、カップ5Aの置かれた状況を示す。図において、上述のように、カップ5Aの表面にはタグ6が設けられる。タグ6には電子部品、例えばICからなるメモリチップ13が埋め込まれており、この例の場合、周囲に1つの切り欠きからなる識別マーク14が形成してある。
図6に示すように、タグ6に形成する識別マークは2つ以上の切り欠き14A、もしくは中央部に突起15を形成する円マーク14Bであってもよい。
【0025】
図5(a)と図5(b)のカップ5Aの姿勢の違いは、タグ6はカップ5Aに固定されているので、タグ6の向きが分れば簡単に判別できる。このように形状に特徴を持つタグを貼り付けるかあるいはタグ6の表面に識別マーク14(14A、14B)を貼付し、そのマークを検出することによって、カップ5Aの姿勢を判断する。
タグ6のメモリ上で直接、例えば把持部位の座標などを書き込むことも可能であるが、タグ6には物体の識別のできるシリアル番号だけを書き込んで、そのシリアル番号の物体の有する様々なデータをネットワークにつながっているPCのハードディスクなどの記憶装置に保存しておきながら参照することも可能である。
【0026】
図7は、中央部に突起15を有する円マーク14Bをスキャンによって検出した状況を示す。スキャン位置(mm)と、その時の基準点からの距離(mm)によって円マーク14Bの位置を把握することができる。
タグ6には、把持位置あるいはテレビなどのスイッチ位置などの操作位置、物体の質量、材質、操作中の物体のZ軸(一定方向)等の位置情報、並びに操作方法情報が書き込まれる。質量は、その物体の容積、重さなどの情報を与え、材質は把持するときの摩擦係数情報を与える。Z軸方向は、回転不可などの情報を与える。
【0027】
以下は、実験に使われたタグ6のメモリ上に書き込まれているシリアル番号の例を示す。
【表1】
【0028】
図8は、リーダ4Bから送信されたシリアル番号を表示部26に表示した例を示す。データは、1スタートバイト(Start byte)(3Ah)、10データバイト、2チェックサムバイト(Checksum byte)および1ストップバイト(Stop byte)(0Dh)の14バイト構成とされる。
検出されたシリアル番号はデータベースに格納された各種情報によって制御信号として認識される。
【0029】
前述のように、物体に貼り付いたタグのメモリ上に直接情報を書き込むことも可能であるが、現在市販されている多数の低価タグはそのメモリの量が充分ではない場合があると思われる。将来的にもっと豊かな情報を物体に書き込んで、そのデータを応用するためには経費のかかるタグのメモリを増やすより、ネットワークにつながっている別のデータサーバなどの記憶装置に保存しておくことも可能である。タグのメモリ上には物体の識別のできる最小限の情報、例えばID番号だけの情報を書き込む。そのID番号によって参照できるデータサーバにはあらゆる情報を入れておく。サーバにアクセスすることによって、詳細な情報を物体のタグから直接読み出さなくても何処からでも必要な情報を利用することが可能になる。例えばPCの場合、製造メーカ、製造日、OS、インストールされているプログラムの内容などが参照できる。現在の有・無線ネットワーク通信技術によって充分実現可能な技術である。
【0030】
図9は、RFIDシステムの動作原理について示し、RFIDシステムの動作原理については、「情報処理」Vol.40、No.8、pp846〜850、ISSN0447−8053、社団法人情報処理学会、August 1999に詳しく説明されている。図9は、当該雑誌に紹介されている典型的なRFIDシステムの構成図であり、当該図およびその説明は本発明の実施例に適用され得る。
【0031】
実験に用いたRFIDタグの1例を示せば次のような仕様となる。
機能 : データ記録および通信
使用周波数 :125kHz ±6
エンコーディング:マンチェスター
読み出しスピード:1,954bps
メモリ容量 :64bit、リードオンリー
シリアルナンバー:40bit
寸法 :30×6(mm)
操作温度 :−40から85℃
実験に用いたレーザセンサ4Aは、200mmから40mmの距離を測定計測可能である。勿論、この範囲を超えて計測するように構成することは可能である。
【0032】
次に、座標変換行列について説明する。
ロボットによる物体の操作では、ある座標系に基づくベクトルの記述がわかっていて、それを別の座標系に基づく記述に直す必要が生じる。それを座標変換と呼び、ある座標系から別の座標系への写像をそれぞれの座標軸の姿勢と位置を関連付ける部分から構成できる4×4の行列形式の1つの演算式によって計算できる。
【0033】
図10は、物体上の局所基準座標系{0}とハンド座標系{H}とから物体5の把持部位P1あるいはP2の位置座標を求める計算方法を示す。図10に示すように局所基準座標系{0}はX0、Y0、Z0軸で構成される。同じように、ハンド座標系はXh、Yh、Zh軸で構成される。例えば、把持部位P2の位置座標は局所基準座標系{0}からはP1O={x10y10、z10}となる。同じ座標をハンド座標系{H}に基づいて、記述すると、P1h={x1h、y1h、z1h}となる。ハンド座標系{H}から局所基準座標系{0}の原点の位置を
で表す。また、局所基準座標系{0}はハンド座標系{H}に対して回転していて
によって記述される。すると、局所基準座標系{0}に基づくP10の位置座標をハンド座標系{H}に基づくP1hに変換する一般的な変換写像は、次式(1)によって求められる。
【数1】
【0034】
の各成分は、次式(2)のように、それぞれの座標軸の単位ベクトルx0、y0、z0とxh、yh、zhの内積として求められる。
【数2】
【0035】
物体上の任意の把持部位の位置P1あるいはP2は同じ物体に固定されている局所基準座標系{0}に対して記述される。ロボットマニピュレータは一般的にハンド座標系に目標位置を与えることによって物体を把持したりする作業を行う。タグに書き込まれたP1あるいはP2の位置座標は局所基準座標{0}からの座標であり、その座標をハンド座標系{H}に基づく座標に変換して、ロボットマニピュレータに目標位置として与えることで、作業が可能になる。
尚、タグ6は唯一である必要はなく、複数個設けてもよい。この場合、複数個のタグ6の予め定めた配置状況によってタグ6上に識別マークを形成しなくても、計測すべき原点および配置状況を検出することによって計測することができる。
【0036】
図11は、タグ6に書き込んだ操作方法による操作条件により、カップ5Aを直立した状態でA点からB点まで搬送する状況を示す。
以上のように、本実施例によれば、次のロボットマニピュレータによる物体操作方法が構成される。
【0037】
物体5の操作を行う操作部位の位置座標を書き込んだ識別用のタグ6を物体5上に設け、コンピュータによって操作されるロボットマニピュレータ2に取り付けた検出部(検出器4の一部、もしくは全部)によって識別用のタグ6に書き込まれた局所基準座標系{0}の基準位置座標を読み出して物体の操作部位座標に対するロボットハンド座標系の{H}の相対位置を算出し、該相対位置によってロボットマニピュレータ2のハンド3を物体の操作部位まで移動させ、物体操作を行うロボットマニピュレータによる物体操作方法。
【0038】
物体5の操作を行う操作部位の位置座標とその物体5の操作方法と書き込んだ識別用のタグ6を物体5上に設け、コンピュータによって操作されるロボットマニピュレータ2に取り付けた検出部によって識別用のタグ6に書き込まれた局所基準座標系{0}の基準位置座標を読み出して物体5の操作部位座標に対するロボットハンド座標系{H}の相対位置を算出し、該相対位置、および取得した操作方法によってロボットマニピュレータ2の操作制御を行い、ロボットマニピュレータ2のハンド3を物体5の操作部位まで移動させ、物体操作を行うロボットマニピュレータによる物体操作方法。
【0039】
物体5の操作を行う操作部位の位置座標とその物体5の操作方法と書き込み、識別マーク14を備えた識別用のタグ6を物体5上に設け、コンピュータによって操作されるロボットマニピュレータ2に取り付けた検出部によって識別用のタグ6に書き込まれた局所基準座標系{0}の基準位置座標を読み出し、識別マーク14を検出して物体5の操作部位座標に対するロボットハンド座標系{H}の相対位置および姿勢を求め、該相対位置と姿勢と、および取得した操作方法によってロボットマニピュレータ2の操作制御を行い、ロボットマニピュレータ2のハンド3を物体5の操作部位まで移動させ、物体操作を行うロボットマニピュレータによる物体操作方法。
【0040】
また、次のロボットマニピュレータによる物体操作装置が構成される。
物体5の操作を行う操作部位の位置座標を書き込んで物体5に設けられた識別用のタグ6と、識別用のタグ6に書き込まれた局所基準座標系{0}の基準位置座標を読み出す検出部を取り付けたロボットマニピュレータ2と、位置座標を読み出して物体5の操作部位座標に対するロボットハンド座標系{H}の相対位置を算出し、該相対位置によってロボットマニピュレータ2のハンド3を物体5の操作部位まで移動させ、物体操作を行わせる制御装置とを備えたロボットマニピュレータによる物体操作装置。
【0041】
物体5の操作を行う操作部位の位置座標とその物体5の操作方法を書き込んで物体5に設けられた識別用のタグ6と、識別用のタグ6に書き込まれた局所基準座標系{0}の基準位置座標と操作方法とを読み出す検出部を取り付けたロボットマニピュレータ2と、読み出した位置座標に基づいて物体の操作部位座標に対するロボットハンド座標系{H}の相対位置を算出し、該相対位置、および取得した操作方法によってロボットマニピュレータ2のハンド3を物体5の操作部位まで移動させ、物体操作を行わせる制御装置とを備えたロボットマニピュレータによる物体操作装置。
【0042】
物体5の操作を行う操作部位の位置座標とその物体5の操作方法を書き込み、識別マーク14を備えて物体5に設けられた識別用のタグ6と、識別用のタグ6に書き込まれた局所基準座標系{0}の基準位置座標と操作方法とを読み出し、識別マーク14を検出する検出部を取り付けたロボットマニピュレータ2と、位置座標を読み出して物体5の操作部位座標に対するロボットハンド座標系{H}の相対位置を算出し、かつ物体5の姿勢を求め、該相対位置と姿勢と、および取得した操作方法によってロボットマニピュレータ2のハンド3を物体5の操作部位まで移動させ、物体操作を行わせる制御装置とを備えたロボットマニピュレータによる物体操作装置。
【0043】
また、本発明によれば、ロボットマニピュレータ2のハンド3によって操作を行う操作部位を有し、該操作部位の位置座標を書き込み、局所基準座標系{0}の基準位置座標を記憶した電子部品を備えた識別用のタグ6をとりつけた移動物体、例えばカップ、箱、テレビ等を提供することができる。移動物体としては、日用品、家電品、工業用品等が考えられる。
【0044】
【発明の効果】
従来の視覚センサシステムと比べると環境の影響を受けにくくなる。特に、物体の識別や操作部位に位置などの検知にかかる時間が極めて短くなり、複雑な環境において使用の制限のあった今までの視覚センサに代わって様々な環境でのロボットの適用を可能にする。また、物体に情報を持つタグを貼り付けることは、実世界のいたるところに配置された計算機能を持つデバイスと通信することによって、人間の生活を支援するユビキータス・コンピューティングの要素にもなる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、本発明の基本的構成を示す図。
【図2】本発明の実施例の概略を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例の一部変形を示す構成図。
【図4】本発明の実施例の一部変形を示す構成図。
【図5】タグ6を有するカップ5Aが置かれた状況を示す図。
【図6】識別マークを有するタグ6の構成を示す図。
【図7】識別マークの検出例を示す実験図。
【図8】シリアル番号の表示を示す画面図。
【図9】RFIDシステムの動作原理(公知)を示す図。
【図10】局所基準座標系{0}とハンド座標系{H}との関係を示す図
【図11】操作方法により搬送の一形態を示す図。
【符号の説明】
1…ロボット本体、2…ロボットマニピュレータ、3…ハンド、4…検出器、4A…レーザセンサ、4B…リーダ、4C…超音波センサ、4D…アンテナ、5…物体、5A…カップ、6…タグ、13…メモリチップ、14…識別マーク、100…物体操作装置。
Claims (7)
- タグの座標系であって、タグが貼付された物体の局所基準座標系の原点を現わす識別マークを備えたタグに、当該局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢が書き込まれて物体上に設けられ、コンピュータによって操作されるロボットマニピュレータによって操作されるロボットハンドはロボットハンド座標系を有して、該ロボットマニピュレータに取り付けた検出部によって、前記識別マークおよびタグが検出され、相対位置および姿勢情報取得手段によって、検出された識別マークおよびタグから局所基準座標系の原点および原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢についての情報が読み出され、読み出された該原点のロボットハンド座標系の原点に対する相対位置を演算し、演算された相対位置の情報並びに局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢についての情報に基づいて、ロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報が演算され、演算されたロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報によってロボットマニピュレータの操作制御が行われ、ロボットマニピュレータのロボットハンドが前記操作部位まで移動させて物体操作が行われることを特徴とするロボットマニピュレータによる物体操作方法。
- タグの座標系であって、タグが貼付された物体の局所基準座標系の原点を現わす識別マークを備えたタグに、当該局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢と物体の操作方法が書き込まれて物体上に設けられ、コンピュータによって操作されるロボットマニピュレータによって操作されるロボットハンドはロボットハンド座標系を有して、該ロボットマニピュレータに取り付けた検出部によって、前記識別マークおよびタグが検出され、相対位置および姿勢情報取得手段によって、検出された識別マークおよびタグから局所基準座標系の原点および原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢、並びに物体の操作方法についての情報が読み出され、読み出された該原点のロボットハンド座標系の原点に対する相対位置を演算し、演算された相対位置の情報並びに局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢、並びに物体の操作方法についての情報に基づいて、ロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢、並びに物体の操作方法の情報が演算され、演算されたロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢、並びに物体の操作方法の情報によってロボットマニピュレータの操作制御が行われ、ロボットマニピュレータのロボットハンドが前記操作部位まで移動されて物体操作が行われることを特徴とするロボットマニピュレータによる物体操作方法。
- 請求項1において、前記識別マークは、複数のタグの配置位置によって形成されることを特徴とするロボットマニピュレータによる物体操作方法。
- タグの座標系であって、タグが貼付された物体の局所基準座標系の原点を現わす識別マークを備えたタグであって、当該局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢が書き込まれて物体上に設けられたタグと、コンピュータによって操作され、前記タグおよび識別マークを検出する検出部が取り付けられ、ロボットハンドを備え、該ロボットハンドはロボットハンド座標系を有するロボットマニピュレータと、前記検出部によって検出された識別マークおよびタグから前記局所基準座標系の原点および原点に対する物体の操作部位についての位置座標を読み出しおよび姿勢を判別し、読み出された該原点のロボットハンド座標系の原点に対する相対位置を演算し、演算された相対位置の情報並びに局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢についての情報に基づいて、ロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報が演算され、演算されたロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報を取得する相対位置および姿勢情報取得手段と、該相対位置および姿勢の情報によってロボットマニピュレータの操作制御を行う操作制御手段と、ロボットマニピュレータのロボットハンドを前記操作部位まで移動させて物体操作を行う物体制御手段を備えることを特徴とするロボットマニピュレータによる物体操作装置。
- タグの座標系であって、タグが貼付された物体の局所基準座標系の原点を現わす識別マークを備えたタグであって、当該局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢と、物体の操作方法が書き込まれて物体上に設けられたタグと、コンピュータによって操作され、検出部が取り付けられ、ロボットハンドを備え、該ロボットハンドはロボットハンド座標系を有するロボットマニピュレータと、前記検出部によって検出された識別マークおよびタグから前記局所基準座標系の原点および原点に対する物体の操作部位についての位置座標および姿勢、並びに物体の操作方法についての情報を読み出し、読み出された該原点のロボットハンド座標系の原点に対する相対位置を演算し、演算された相対位置の情報並びに局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢についての情報に基づいて、ロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報、並びに物体の操作方法が演算され、演算されたロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報、並びに物体の操作方法を取得する手段と、該相対位置および姿勢、並びに物体の操作方法の情報によってロボットマニピュレータの操作制御を行う操作制御手段と、ロボットマニピュレータのロボットハンドを前記操作部位まで移動させて物体操作を行う物体制御手段を備えることを特徴とするロボットマニピュレータによる物体操作装置。
- 請求項4において、前記識別マークは、前記タグに設けた微小な切り込み、もしくは表示された記号であることを特徴とするロボットマニピュレータによる物体操作装置。
- タグの座標系であって、タグが貼付された物体の局所基準座標系の原点を現わす識別マークを備えたタグであって、当該局所基準座標系の原点に対する物体の操作位置についての位置座標および姿勢が書き込まれた当該タグが貼付され、ロボットハンド座標系のロボットハンドおよび検出器を備えた、コンピュータによって操作されるマニピュレータとの間で通信手段を介して情報の授受がなされる移動物体であって、該移動物体は、前記タグおよび識別マークを検出する前記検出部と、該検出部によって検出された識別マークおよびタグから前記局所基準座標系の原点および原点に対する物体の操作部位についての位置座標を読み出しおよび姿勢を判別し、読み出された該原点のロボットハンド座標系の原点に対する相対位置を演算し、演算された相対位置の情報並びに局所基準座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢についての情報に基づいて、ロボットハンド座標系の原点に対する物体の操作部位の位置座標および姿勢の情報を取得する相対位置および姿勢情報取得手段を備えた前記マニピュレータによって、前記相対位置および姿勢の情報に基づいて操作制御されることを特徴とする移動物体。
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