JP4331869B2 - 心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、心拍動下冠動脈バイパス手術において使用される医療用機器であって、詳しくは局所的心筋保護のために自己動脈血を心拍拡張期に関連して微量注入して潅流する心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置(心拍動下冠動脈バイパス手術用心拍拡張期微量注入式の自己血潅流装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
冠動脈は、心臓の筋肉へ血液を供給する動脈であり、その血液供給量の減少による心臓疾患は、虚血性冠動脈疾患と呼ばれる。
【0003】
冠動脈血流の障害は、冠動脈内に、例えば血液中のコレステロール等が沈着(アテローム性動脈硬化)し、器質的狭窄を形成することによって生ずる。血流が障害されると血流の流れに乱流が生じ、さらに閉塞し易くなる。冠動脈の血流障害は、さらに進むと内皮細胞損傷を引き起こし、血小板などを引き付けて血液凝固を発生させ、そして最終的には動脈を完全に閉塞してしまう。
【0004】
また、アテローム性動脈硬化は、冠動脈のいかなる場所にも発生し得るが、一般的には血流の剪断力の大きなところ、つまり冠動脈分枝の分岐部で発生し易い。
【0005】
冠動脈疾患の症状の主なものとして、心臓発作(心筋梗塞)と狭心症が挙げられる。
【0006】
心臓発作は、冠動脈が閉塞して心臓の筋肉に送られる血液量が減少または完全に停止し、心筋の一部領域が壊死することにより発症する。医学的には心筋梗塞と呼ばれる。これは、突然発症する重度の症状であり、発汗、ショックを伴い、ときには意識不明に陥ることもある。心臓発作によって完全に心臓が停止してしまった場合は、心停止と呼ばれ死に至る。
【0007】
壊死の重度は、影響を受けた筋肉の量により異なり、心臓発作が起こった場合に、損傷を受けた筋肉は血液中にある種の酵素を放出するので、この酵素の活動を測定すれば心筋の損傷の程度を判定する際の指標が得られる。
【0008】
心臓発作の症状は、必ずしも肉体的または精神的またはその両方の労作によって生じるものではなく、また狭心症と異なり、一般に休息によって軽減されるわけではない。
【0009】
一方、狭心症は、冠動脈が閉塞し心筋への血液の供給が不足し、酸素及びグルコースの供給量が減少することに起因して発症する。このような場合、心臓は酸素が十分に供給されているときとは異なる化学的過程によってエネルギーを生成しようとする。しかし、これにより少ない血流では適切に排除できない老廃物が生成し、この老廃物により痛みが発現する。この狭心症の症状は、典型的には胸骨下部の締厄感を伴う胸痛で、通常肉体的労作に関連するため、通常は休息により軽減される。
【0010】
心筋梗塞および狭心症のどちらも症状が高度に進行した場合には、狭窄または閉塞した冠動脈に対して冠動脈血行再建術が必要になる。冠動脈血行再建術としては、(a)経皮的血管形成術(PTCA)による内科的治療術、および(b)冠動脈バイパス術(CABG)による外科的な治療術とがある。
【0011】
(a)経皮的血管形成術(PTCA)は、バルーンカテーテルを利用して冠動脈狭窄部の断面積を押し広げる方法である。この方法は、動脈の狭窄部が1箇所である患者に適しており、かつ手術に耐えられない(つまり進行した肺疾患やその他の疾患を持つ)患者に好ましい方法である。
【0012】
(b)冠動脈バイパス術(CABG)は、狭窄または閉塞した血管をバイパスする外科的技術であり、主として経皮的血管形成術が不可能な患者、または複数の閉塞部をもつ患者の、重度に狭窄または閉塞した冠動脈に適用する。その方法を図11により説明する。
【0013】
一般的には、図11(b)に示すように下肢部分から剥離した静脈血管(SVG)を用いたバイパス管25aを中枢側(大動脈側)と目標冠動脈24の狭窄または閉塞部位26より下流部の吻合部位27に吻合し、これにより抹消側(冠動脈側)にバイパスさせるための迂回管路を形成する所謂、(バイパス移植法bypass grafting)と、図11(a)に示すように内胸動脈(ITA)を用いたバイパス管25などの適当な動脈血管を導引して冠動脈の抹消側に吻合し、別ルートの動脈から動脈血を補給する所謂(有茎動脈移植法insitu arterial grafting) が知られている。
【0014】
静脈管バイパス移植法は使用する静脈血管(SVG)25aに静脈弁が内在しているため長期のグラフト開存率が良いとはいえないので最近では有茎動脈移植法へと手術方式が変遷してきている。また、そのほかに静脈管バイパス移植法の場合と同様に動脈血管を切り取って中枢側を大動脈へ、抹消側を冠動脈側にバイパスさせる所謂(遊離動脈管バイパス移植法free arterial grafting) も一部に行われているが、この場合、グラフト材として使用するのが動脈血管であっても、切り離した後に血管壁細胞が死滅してしまうために静脈管バイパス移植法よりは良好ではあるが、有茎動脈移植法には遠く及ばない。
【0015】
このような最新技術の有茎動脈移植法であっても、直径が1mm〜2.5mmφと小径の冠動脈の縫合処置は緻密であるうえに、吻合部の血管には動脈血が圧送されてくるため血流を停止しておく必要がある。このため人工心肺装置を用いて心停止させた状態で実行せざるをえない。このような、人工心肺装置使用による心停止下バイパス手術は一般に次の手順で行われる。
【0016】
まず患者の予備措置を行う。一般的な麻酔のあと、胸骨に沿って切開し、胸骨を切断して胸部を開く、心膜(心臓を取り囲む袋)を開いて、心臓を露出させる。同時に、バイパス用に胸部から内胸動脈を剥離するか、または、下肢より静脈の一部を取り出す。患者にヘパリンを投与し、上行大動脈および右心房にカニューレを挿入して、患者に心肺バイパスを取り付ける。患者の血液は心肺バイパスへ送られ、ここでは血液は濾過され、酸素供給装置および人工心肺によって酸素が送り込まれる。大動脈をクランプして血液が心臓に達するのを防ぎ、かつ心臓を停止させるための溶液を注射する。心臓が停止している間、循環は人工心肺装置によって維持する。外科医は、大動脈と狭窄または閉塞した冠動脈の遠位部との間に静脈または動脈を吻合し、閉塞部をバイパスする。動脈の閉塞部が2箇所以上の場合は、同様の処置を行って別のバイパスを形成する。手術および吻合(接続)が終了すると、心肺装置を分離して胸部を閉じる。患者は回復室へ運ばれ気管内チューブの抜管までには数日を必要とする。
【0017】
このような心停止下冠動脈バイパス手術では、時間的制限がなく、しかも静止させた心壁上で確実な吻合作業ができるが、下記のようにいくつかの重大な危険性及び問題点も指摘されている。すなわち、心停止下で手術を行うため特に必要となる大動脈のクランプ、および人工心肺は、患者に悪影響(血管の物理的外傷、出血傾向、酸素供給量減少等)を及ぼす場合がある。例えば、脳梗塞、出血合併症、胸骨の傷の感染症、肺炎、腎臓の機能不全等を引き起こす危険性の増大、および人工心肺から人体の免疫および補体系を破壊することによる全身の炎症反応等の問題が生じ、また装置中で失われた血液および血液成分を補うために輸血が必要となり、これがまたエイズおよびその他の感染症をさらに増大させる要因となる。
【0018】
さらに、この人工心肺装置自体が高価かつ複雑なため、この装置の使用はより大規模な医療機関に限定されてしまうとともに、より費用が高く、増大する医療費に対する関心が高まると同時に医源性合併症を排除可能な技術の開発が必要とされている。
【0019】
このような背景から1994年頃より欧米で心臓を拍動させた状態で冠動脈のバイパス手術を行う心拍動下冠動脈バイパス術が提唱され始め、近年、日本でも試みられる様になってきている。これによれば、人工心肺装置接続のための手術創がないこと、また人工肺のために使われるヘパリンなどの薬剤などによる患者への侵襲が少なく、術後の回復が早い。例えば、従来では手術後3〜7日間を集中治療室で厳重な監視管理した後、一般病棟にて約1ケ月の治療を行い、その社会復帰までには更に約2ケ月もの養生を通常必要とするが、この方法では、手術後2〜3日で退院し1週間目には社会復帰ができる場合も報告されている。また人工心肺装置使用による血液希釈や空気塞栓形成などのリスクを低減できる。また、術中の出血が減少するので輸血量も抑制できる。いうまでもなく患者の痛みやリハビリの苦痛も軽減される。また、高価な人工心肺材料も不要となる。
【0020】
この心拍動下冠動脈バイパス手術は、例えば次のように行われる。患者に麻酔をかけ、胸骨正中切開をするか、あるいは左乳頭第4肋間を10cm切開して目標冠動脈を露出する。その後、バイパス血管を用意し、目標冠動脈の吻合部位の上流側を糸で系締しておく。固定器具を用いて、拍動で動いている心臓の術野部分だけを固定する。その後、冠動脈の吻合部を切開し、極めて細いナイロン縫合糸を用いて内胸動脈または伏在静脈との吻合を行う。手術および吻合(接続)が終了すると、目標冠動脈上流側の系締を開放し、プロタミンを投与して切開部を閉じる。患者は手術台の上で気管内チューブを抜管され、回復室へ運ばれ数日後には退院可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
このように、心拍動下冠動脈バイパス手術は革新的なアプローチとして注目されているが、この心拍動下冠動脈バイパス術においてもいくつかの危険性および問題点が指摘されている。
【0022】
心拍動下で手術を行うため、拍動により絶え間なく揺れ動く心壁上にて小径の血管を切開し、しかもその出血によって視認に難する状況での吻合作業を余儀なくされる。更に、出血防止のために施される冠動脈吻合部より上流側の遮断により、下流部で血流欠乏による心筋虚血を起こし心停止に陥る恐れがあるので、極めて迅速且つ確実な縫合作業が必要であり、一般に広く普及しにくい。また、術前にプレコンディショニング(一時的遮断による状態チェック)等の数十分にわたる余計な予防措置を施す必要がある。
【0023】
そしてこれらの危険性に対して、心肺装置担当者および輸血担当者を従来の手術同様に待機させなければならないことから予防措置を余計に必要とするため、費用の増大が考えられる。
【0024】
そこで、このような心筋虚血に伴う不備を改善するには、吻合部位に近い下流側の冠動脈内に動脈血を潅流することが望ましい。その方法のひとつとして大腿動脈に一端を挿入されたチューブの他端を所定の冠動脈部位に挿入し、自己の血圧によって潅流する方法が研究されているが、冠動脈へ挿入するためにチューブが細く、流れ抵抗が高いために流量が不十分にならざるをえない。またその他の方法として、米国特許5066282に記載の心拍に同期しないポンプによる潅流装置も考えられたが、心拍に同期しない連続的注入法においては、その上流が遮断される閉鎖的な冠動脈内を、高圧で強制的に潅流させようとするので、非生理的でかえって危険な状態を引き起こす要因となる。
【0025】
そこで本発明者は、上記問題点を解消するために、心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置において、所定の動脈血管から血液を抜き出され送り出された血液を冠動脈の所定の部位に戻し潅流させるに当たり、心臓の拡張期間に関連して、前記送り出された血液を微少の所定容量だけ拍出させるという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、高度な技巧を要した心拍動下冠動脈バイパス手術を簡易化し、より安全に行わせるとともに、潅流と同時に血管局所を閉塞し、出血を手術に殆ど影響を与えない程度にまで抑制するという目的を達成する本発明に到達した。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、
所定の動脈血管から血液を抜き出す脱血手段と、
抜き出された血液を送り出すポンプと、
前記ポンプから送り出された血液を冠動脈の所定の部位に戻す潅流手段と、
心臓の拡張期内において前記送り出された血液を0.05〜0.5ml/1回の所定容量だけ拍出させるポンプ制御装置を備えた
ものである。
【0027】
本発明(請求項2に記載の第2発明)の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、
前記第1発明において、
前記心臓の拡張期間内毎に、前記ポンプ制御装置によって前記送り出された所定容量の血液を所定速度で拍出させる
ものである。
【0028】
本発明(請求項3に記載の第3発明)の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、
前記第2発明において、
前記拍出される血液の微少の所定容量が、前記冠動脈の血流障害部位に応じて定まる目標潅流量を考慮して決定される
ものである。
【0029】
本発明(請求項4に記載の第4発明)の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、
前記第3発明において、
前記拍出させる血液の所定速度が、前記拍出される血液の容量および前記潅流手段の弾性度に基づいて定められる
ものである。
【0030】
本発明(請求項5に記載の第5発明)の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、
前記第1発明において、
前記潅流手段が、前記冠動脈に挿入できる細い挿入カテーテル部を有し、前記挿入カテーテル部の一部に冠動脈内壁に密封的に係合する外径に拡大された拡大部が形成されるとともに、手術野における識別のための識別色が付与され、さらに縫合針による損傷を防ぐための補強部材が配設されている
ものである。
【0031】
本発明(請求項6に記載の第6発明)の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、
前記第5発明において、
前記潅流手段が、前記挿入カテーテル部より長く太い柔軟な送血チューブを有し、該送血チューブが、ショア硬度83Aの材料で構成され、前記挿入カテーテル部内の血流を生理的脈流に類似させるための弾性度を有する
ものである。
【0032】
【発明の作用および効果】
上記構成より成る第1発明の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、前記脱血手段によって所定の動脈血管から血液を抜き出し、ポンプによって抜き出された血液を送り出し、前記ポンプから送り出された血液を前記潅流手段によって冠動脈の所定の部位に戻し、前記ポンプ制御装置によって心臓の拡張期内において前記送り出された血液を0.05〜0.5ml/1回の所定容量だけ拍出させるので、高度な技巧を要した心拍動下冠動脈バイパス手術を簡易化するという効果を奏する。
【0033】
上記構成より成る第2発明の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、前記第1発明において、前記心臓の拡張期間内毎に、前記ポンプ制御装置によって前記送り出された所定容量の血液を所定速度で拍出させるので、心拍動下冠動脈バイパス手術をより安全に行わせるという効果を奏する。
【0034】
上記構成より成る第3発明の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、前記第2発明において、前記拍出される血液の微少の所定容量が、前記冠動脈の血流障害部位に応じて定まる目標潅流量を考慮して決定されるので、前記血液の潅流を調整し、より安全に行わせるという効果を奏する。
【0035】
上記構成より成る第4発明の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、前記第3発明において、前記拍出させる血液の所定速度が、前記拍出される血液の容量および前記潅流手段の弾性度に基づいて定められるので、前記血液の潅流を最適にし、より安全に行わせるという効果を奏する。
【0036】
上記構成より成る第5発明の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、前記第1発明において、前記潅流手段が、前記冠動脈に挿入できる細い挿入カテーテル部を有し、前記挿入カテーテル部の一部に冠動脈内壁に密封的に係合する外径に拡大された拡大部が形成されるとともに、手術野における識別のための識別色が付与され、さらに縫合針による損傷を防ぐための補強部材が配設されているので、潅流と同時に血管局所の閉塞を可能にするとともに、縫合時に伴う縫合針の貫通を防止して、前記冠動脈への前記挿入カテーテル部の挿入を容易かつ安全で確実にするという効果を奏する。
【0037】
上記構成より成る第6発明の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、前記第5発明において、前記潅流手段が、前記挿入カテーテル部より長く太い柔軟な送血チューブを有し、該送血チューブが、ショア硬度83Aの材料で構成され、前記挿入カテーテル部内の血流を生理的脈流に類似させるための弾性度を有するので、自己の血液の潅流を生理的脈流に類似させることが出来るという効果を奏する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0039】
(実施形態)
本実施形態の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、図1に示されるように所定の動脈血管から血液を抜き出す脱血手段101と、抜き出された血液を送り出すポンプ102と、前記ポンプ102から送り出された血液を冠動脈の所定の部位に戻す潅流手段103と、心臓の拡張期間内ごとに、前記送り出された血液を微少の所定容量であって所定速度で拍出させるポンプ制御装置104を備えたものである。
【0040】
本実施形態の自己血潅流装置は、前記ポンプ制御装置が、前記所定容量を目標潅流量と心拍数に基づいて定められるとともに、前記所定速度を前記所定容量および前記潅流手段の弾性度に基づいて定められるものである。
【0041】
また本実施形態の自己血潅流装置は、前記潅流手段が、内径1mmφまでの冠動脈に挿入できる細い挿入カテーテル部を有し、前記挿入カテーテルの一部に冠動脈内径に密封的に係合し得る外径に拡大された拡大部が形成されているとともに、手術野における識別のための挿入用マークが配設されている複数の挿入用目盛マークを有するとともに、縫合に伴う縫合針貫通等を防ぐための補強部材が配設されている潅流手段によって構成されるものである。
【0042】
さらに本実施形態は、前記潅流手段が、前記挿入カテーテルより長く太い柔軟な送血チューブを有し、前記送血チューブは前記挿入カテーテル内の血流を生理的脈流に類似させるための弾性度を有する自己血潅流装置によって構成されるものである。
【0043】
上述した本実施形態の自己血潅流装置は、1回当たり0.05〜0.5mlの微少の注入量にて吐出するポンプを用いて、心臓の拡張期に潅流するとともに、更には、従来困難であった1mmφ程度の前記冠動脈にも簡単に挿入できる細いチューブでも潅流しうる手段を実現するものである。
【0044】
本実施形態の自己血潅流装置は、これにより、従来における高度な技巧を要した心拍動下冠動脈バイパス手術を簡易化し、より安全に行わせるという効果を奏する。
【0045】
また、本実施形態の自己血潅流装置は、吻合のための冠動脈の切開孔からの出血を抑制することにあり、潅流と同時に血管局所を閉塞し、出血を手術に殆ど影響を与えない程度にまで抑制する出血固定部を提供するという効果を奏する。
【0046】
【発明の実施例】
以下本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
【0047】
(実施例)
本実施例の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、図2に示されるように脱血用カテーテル8と軟質の脱血チューブ11から成り所定の動脈血管から血液を抜き出す脱血手段101と、心拍同期する反復駆動型のシリンジポンプ1から成り抜き出された血液を送り出すポンプ102と、送血チューブ16および潅流カテーテル19から成り人体の血管から動脈血を抜き出し、動脈血を送り出す潅流手段103と、体表面または心表面から直接もしくは心拍監視装置を経由して取り込んだ心電図信号に基づき、その拡張期内において前記送り出された血液を微少の所定容量であって所定速度で拍出させるように前記シリンジポンプ1を制御するポンプ制御装置104とを備えたものである。
【0048】
本実施例の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、心拍同期する反復駆動型のシリンジポンプ1および流路切換弁2により、脱血用カテーテル8と軟質の脱血チューブ11からなる前記脱血手段101を介し、人体の血管から動脈血を抜き出し、体表面または心表面から直接もしくは心拍監視装置を経由して取り込んだ心電図信号に基づき、その拡張期に動脈血を送り出し、送血チューブ16さらに潅流カテーテル19からなる前記潅流手段103を介してバイパス吻合部より遠位部の冠動脈内へ自己動脈血を潅流する。
【0049】
また返血チューブ18は、一端を三方活栓17を介して前記潅流手段に接続され他端を脱血用カテーテル8に接続されている。潅流時には三方活栓17により送血チューブ16は潅流カテーテル19に連通され、返血チューブ18は遮断される。また返血時には三方活栓17により送血チューブ16は潅流カテーテル19と遮断され、返血チューブ18に連通される。
【0050】
本実施例のシリンジポンプ1は、心拍動下で、健康な冠動脈に流れる血液と同じように、心拍と同期した脈流で所定の流量を送り出すものである。従って、例えば心電図等の外部の心拍監視装置から送られる心拍情報に基づき、周期および流量と拍出速度を自動制御し得る手段としてポンプ制御装置104を有する。
【0051】
また極端な除脈や心停止下では、あらかじめ設定された分間流量に基づき計算される周期と一回拍出量の脈流を送る手段を有する。
【0052】
このような目的を達成できるのであれば数々のポンプを使用しうるが、本発明者の検討によれば、反復駆動型小型シリンジと流路切り換え弁とを備えたものが、心臓の動きに近い脈流を容易に達成でき、また微量の流量制御も容易に行えるので好ましい。すなわち、後述するように血液潅流部に細くて長いチューブを用いた場合にも必要な最大50ml/分を120回/分の注入回数で近生理的脈流で潅流を行わせるために、高レスポンスの微量注入が必要となるが、小型シリンジによる方式はそれらを容易に得ることができるので、この点においても極めて好ましいものである。
【0053】
図2における反復駆動型のシリンジポンプ1およびポンプ制御装置104の例の詳細を図4に示す。患者より取り込まれた心電図および血圧波形等の心拍情報を心拍連動部3にて連続的に表示し、その情報により注入のタイミングを制御する。このように心拍情報を表示する機能を有していると、血液の送り出しと心拍のタイミングを目視によっても確認できるので好ましいが、このような表示部を必ずしも備えていなくてもよい。
【0054】
注入操作部4では、冠動脈の病変部の部位毎によって異なる注入量を設定できるようになっている。その注入量の設定値により注入部5に組み込まれたピストンの前後の移動量および移動速度が決められ、また心拍情報により反復のタイミングが決められる。
【0055】
次に図4に示される前記心拍連動部3に表示されるディスプレイ画面の詳細を図5に示す。患者から図示しない信号ケーブルを介して導かれた心電図波形105および血圧波形等106を連続的に表示する。トリガーマーク30は、心電図のR波105aを検出した時点を示し、また潅流カテーテル内の流れが開始する拍出タイミング100Tと流れが終了する拍出終了タイミング101Tが表示される。
【0056】
また、心拍毎に検出されるトリガーマーク30から送血方向へピストンを起動させるまでの遅延時間が図示しないダイヤルスイッチにより設定されており、これにより心拍毎にシリンジが送血方向に移動開始する。また、送血チューブに弾性をもたせているで、シリンジの移動開始から潅流カテーテルへの吐出開始までに遅れ時間が生じる。そこでこの遅れ時間を、ピストン起動までの遅延時間に加味して、拍出タイミング100Tを表示する。同様に、またはシリンジが停止してから潅流カテーテル内の流れが停止するまでの遅れ時間を加味して、拍出終了タイミング101Tは表示される。
【0057】
なお、シリンジの送血方向への移動時間は、1回拍出量とピストン速度から自動的に決定される。血圧波形106は一般的に得られるものであるが、心収縮開始点106bと心拡張開始点106aが現れるので、心拡張期間を容易に目視できる。遅延時間の調節は、このように血圧波形から容易に判断され、心臓拡張期間内に拍出タイミング100Tおよび拍出終了タイミング101Tが入るように行われる。このように心拍情報とタイミングの表示により、同期の適正さを目視によっても確認でき、タイミングの微調整も簡便に行うことができるので好ましい。
【0058】
なお、拍出終了タイミング101Tでは、送血チューブの圧力は減少してきており心収縮期に重なっても問題は少ないので、簡素化のため表示しない場合もある。なお、極端な心拍低下および心停止時の場合は、拍出タイミング100Tは、例えば分間80回のごとく固定的な回数を手動で設定することにより決定される。なお、シリンジの逆方向への移動は、送る方向への移動終了後、ただちに、あるいは一定の時間後に開始する。
【0059】
更に、図4に示される注入部5は、図6に詳細が示されるように、シリンジ12を装着するシリンジホルダー6とピストン13を保持するピストンホルダー7を有しており、内部のモータによりピストンホルダーと共にピストンを前後に動かすことができる。ピストンを後退させるとシリンジ内に血液が吸い込まれ、前進させると血液が送り出される。
【0060】
ピストンの移動によりシリンジに吸引および送り出される血液量は0.05〜0.5ml/1回程度で、またその移動量は往復同一であり、吸引量と吐出量は均等である。また、通常1分間50〜120回で変動する心拍動に同期させ、拡張期間内に送り出し、余った時間に吸引を行うようにピストンはストロークする。
【0061】
本実施例に用いられるシリンジは、内径16mmφ・断面積2cm2 ・容量5ml程度の小型のものが適しており、特に、高頻度の反復動作による微量の高圧注入を行わせる為には図7に示されるように、ダンピングの少ない硬質ピストンヘッド15が必要となる。またシリンジ筒の先端部には次に説明する弁に接続するロックコネクタ12aを備えていることが好ましい。
【0062】
このとき用いられるシリンジのピストン部としては、同じく図7に示されるようにパッキン15aと15bのダブルパッキン付きのものが好ましい。そして、ピストンの前後の移動距離を、パッキン15aと15bの間の距離と同じかそれより小さい距離にすると、血液と接触するシリンジ壁は、ピストンが前進した状態でも外部大気に直接接触せず、パッキン15aと15bの間の空間(クリーンスペース14)にとどまる。従って、往復運動に対して起こり得る空気感染を効果的に防止しながら血液の吸引と送り出しを行うことができる。またピストンの後端部にはピストンホルダーに接続するロックコネクタ13a等を備えていることが好ましい。
【0063】
図8に、流路切り換え弁2の例を示す。流路切り換え弁2は3つのポートを有し、第一のポートはシリンジ接続用ロックコネクタ2aによりシリンジに、第二のポートは脱血チューブ11に、第三のポートは送血チューブ16に接続される。第二のポート側には脱血チューブ11からの流れのみを通過させる一方向弁が組みこまれ、第三のポート側には送血チューブ16方向への流れのみを通過させる一方向弁が組みこまれている。
【0064】
これによりピストンが後退するときの陰圧により脱血チューブ11側の弁が開き(このとき送血チューブ16側の弁は閉じる)、血液がシリンジ中に吸引される。続いてピストンが前進するときの陽圧により、送血チューブ16側の弁が開き(この時脱血チューブ11側の弁は閉じる)、送血チューブ16に血液が送り出される。このような一方向弁は、陽圧と陰圧によって作動するので外部からの駆動力を必要としない。
【0065】
本実施例において用いられる潅流手段は、冠動脈に挿入する潅流カテーテル19と血液を輸送するための送血チューブ16とで構成される。潅流カテーテル19は、柔軟で弾性的な0.8mmφの細さで長さ30cmのシャフトが用いられる。これによれば内径1mmφ程度までの冠動脈に挿入でき、潅流が行える。送血チューブ16はショア硬度83A程度の材料で、外径4mm内径3mmφ程度の長さ150cm程度のチューブである。
【0066】
これにより0.05〜0.5ml程度の少量の血液が70PSI程度の高圧で0.2秒程度の瞬時に打ち込まれても、潅流部から血管内への吐出は、図9の(a)および(b)の相関にて示すように近生理的脈流にとどめられるとともに、前述したシリンジの移動開始から潅流カテーテルへの吐出開始までの遅れ時間が200ミリ秒程度に抑えられる。
【0067】
生理的脈流を得るためには、例えば60心拍で所定容量0.1mlを注入する場合の速度は0.5ml/sec以上、120心拍で所定容量0.4mlを注入する場合の速度は3.9ml/sec以上が適切であった。
【0068】
図9に、本実施例における潅流波形と生理的血流波形を示す。(a)は、SVGによる左冠動脈左前下行枝(LAD)と大動脈(AO)の間のバイパス血管の血流を、超音波ドップラー血流計にて測定したもので、生理的血流波形の例を示している。心拡張期間の流量波形a2に比べ、心収縮期間の流量波形a1は低く、心筋の収縮により冠動脈の血流量が制限されていることがわかる。(b)は、右冠動脈(RCA)へ吻合されたSVGバイパス管に本システムを接続した時にSVGバイパス管にながれる血流を同様に測定した人工的血流波形の例を示す。心拡張期間の流量波形b2に比べ、心収縮期間の流量波形b1は低く、(a)の生理的血流波形に類似していることを示している。すなわち、一般的にバイパス血流としては生理的とされる拡張期優位の波形となっている。
【0069】
図10に、本実施例において血液潅流部として用いるのに好ましい潅流カテーテル19を冠動脈に挿入した例を示す。この潅流カテーテル19は、カテーテルのシャフト21の径0.8mmより太い挿入固定部20を先端に有しており、冠動脈に挿入したときに血管壁に接触する。このように挿入固定部が挿入する部位の血管径より少し大きめのものを選ぶことで、挿入時におけるカテーテルの安定を保つと共に血液逆流を防止することができる。
【0070】
また、1cm毎に着色された挿入マーカー21aは、挿入深度の確認を容易にさせるものである。また白色のシャフト21bは、血液で赤色になった術野において、カテーテルシャフト21の抜けを目視しやすくさせるものである。更に、手持ち操作部22は、手術用のゴム手袋にての操作においても滑りにくいように表面に細かい凹凸が付与されヤスリ状の加工が施されていることが好ましく、その端部には接続用のロックコネクター23を有し、これにより送血チューブと接続される。
【0071】
このように、挿入固定部20の外径は、使用する適用する部位の血管の太さに合わせて適宜選ぶことができるが、一般的な例としては1.25、1.5、1.75、2.0、2.5mmφの直径のものが使用される。また、挿入固定部20の軸方向の形状は例えば楕円状等のように径が緩やかに変化しているものが好ましい。カテーテルのシャフト21の太さを血管の太さに合わせて設定すれば最大300ml/分程度の潅流が可能であるが、外径0.8mm(最大50ml/分)のもので、実用的にはほとんど問題無い。
また、潅流カテーテル19の先端側5cm程度は、縫合時に誤って縫合針を貫通させることがないように、図示してはいないが、その内腔に細い螺旋状の補強部材としての補強金具がはめ込まれている。この補強金具は螺旋状でなく網目形状でもよく、またカテーテル外側またはカテーテル壁内に配設することもできる。
【0072】
このような潅流カテーテルを用いると、冠動脈切開部より遠位部1mmφ以上の血管において、局所的な閉塞および潅流を同時に行うことが可能になり、これにより、冠動脈、遠位部での心筋虚血を防止するための潅流は維持したままで、血液の逆流を防ぎ、無血野を確保した局所手術を行うことができる。
【0073】
脱血用カテーテル8の一例を図3に示す。この脱血用カテーテル8は、外径2.3mmの同軸二層のカテーテルシャフト8aを有し、先端部は開孔しておりカテーテルシャフト8aの中心の内空を介して接続用ロックコネクタ10aに連通している。使用時にはコネクタ10aは返血チューブ18に接続される。また端部付近に開けられた複数のサイドホール8bは外空を介して接続用ロックコネクタ9aに連通している。使用時には接続用ロックコネクタ9aは脱血チューブ11に接続される。
【0074】
本実施例の心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置は、図11に一例が示されるような冠動脈バイパス手術に用いることにより、バイパス管の吻合部より遠位の冠動脈に対して、止血状態を保ちながら心拍と同期して動脈血を送ることができるという効果を奏する。
【0075】
図11(a)、(b)において、24は目標冠動脈であり、25はITAバイパス管であり、25aはSVGバイパス管であり、26は狭窄または閉塞部位であり、27は吻合部位である。
【0076】
また本実施例の自己血潅流装置は、止血状態を保ちながら心拍と同期して動脈血を送ることができるため、血液の一時的遮断から発生するショックを予防することで、縫合時に伴う時間的な制約から術者を開放することができるという効果を奏する。
【0077】
さらに本実施例の自己血潅流装置は、また同時に、術中、術後における余計な予防措置が不要となり、人工心肺および交差クランプに関連して従来問題となっていたあらゆる合併症を回避することができるので、心拍動下冠動脈バイパス手術に伴う利点を享受しながら、より安全に手術を行うことができるという効果を奏する。
【0078】
上述の実施形態および実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の自己血潅流装置の概要を示すプロック図である。
【図2】本発明の実施例の自己血潅流装置および使用例を示す図である。
【図3】本実施例に用いられる脱血用カテーテルを示す斜視図である。
【図4】本実施例の自己血潅流装置の概略を示す斜視図である。
【図5】本実施例の自己血潅流装置の心拍連動部におけるディスプレイ画面の例を示す線図である。
【図6】本実施例における反復駆動型のシリンジポンプの注入部を示す部品図である。
【図7】前記反復駆動型のシリンジポンプに用いられるシリンジを示す部品図である。
【図8】流路切り換え弁および血液輸送部との組み合わせを示す説明図である。
【図9】本実施例の潅流法による注入波形と生理的波形との比較を示す線図である。
【図10】使用中の潅流カテーテルの使用状態を示す説明図である。
【図11】冠動脈バイパス手術の2つの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
101 脱血手段
102 ポンプ
103 潅流手段
104 ポンプ制御装置
1 シリンジポンプ
8 脱血用カテーテル
11 脱血チューブ
16 送血チューブ
19 潅流カテーテル
Claims (6)
- 所定の動脈血管から血液を抜き出す脱血手段と、
抜き出された血液を送り出すポンプと、
前記ポンプから送り出された血液を冠動脈の所定の部位に戻す潅流手段と、
心臓の拡張期内において前記送り出された血液を0.05〜0.5ml/1回の所定容量だけ拍出させるポンプ制御装置を備えた
ことを特徴とする心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置。 - 請求項1において、
前記心臓の拡張期間内毎に、前記ポンプ制御装置によって前記送り出された所定容量の血液を所定速度で拍出させる
ことを特徴とする心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置。 - 請求項2において、
前記拍出される血液の微少の所定容量が、前記冠動脈の血流障害部位に応じて定まる目標潅流量を考慮して決定される
ことを特徴とする心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置。 - 請求項3において、
前記拍出させる血液の所定速度が、前記拍出される血液の容量および前記潅流手段の弾性度に基づいて定められる
ことを特徴とする心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置。 - 請求項1において、
前記潅流手段が、前記冠動脈に挿入できる細い挿入カテーテル部を有し、前記挿入カテーテル部の一部に冠動脈内壁に密封的に係合する外径に拡大された拡大部が形成されるとともに、手術野における識別のための識別色が付与され、さらに縫合針による損傷を防ぐための補強部材が配設されている
ことを特徴とする心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置。 - 請求項5において、
前記潅流手段が、前記挿入カテーテル部より長く太い柔軟な送血チューブを有し、該送血チューブが、ショア硬度83Aの材料で構成され、前記挿入カテーテル部内の血流を生理的脈流に類似させるための弾性度を有する
ことを特徴とする心拍動下冠動脈バイパス手術用自己血潅流装置。
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