JP4330781B2 - 監視制御システム及び自動送電方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は監視制御システム及び自動送電方法に関し、詳しくは、電力系統における母線事故後または送電線事故時の再発事故後に、電力系統状態や遮断器の動作責務を考慮して送電を迅速かつ自動で実行し得る監視制御システム及び自動送電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電力系統における変電所の構内には、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)が設置されているが、このGIS設備を除く屋外箇所に設置された母線や、変電所外の鉄塔により張り巡らされた送電線において、落雷などによる地絡事故(以下、母線事故または送電線事故と称す)が発生すると、保護リレーを作動させて遮断器により母線または送電線を開路するようにしている。
【0003】
変電所内でGIS設備を除く屋外箇所に設置された母線については、前記遮断器により母線を開路した後、給電制御所または電力センターに駐在する運用者が送電の是非を判断した上で遠隔操作による手動で遮断器を動作させることにより母線を再閉路するようにしている。
【0004】
また、変電所外に設置された送電線については、前記遮断器により送電線を開路した後、所定の期間(例えば60秒)(以下、無電圧時間と称す)が経過した時点で、保護リレーを作動させて前記遮断器により送電線を自動的に再閉路するようにしている。
【0005】
ここで、前述した遮断器には、所期の開路および閉路性能を確保する必要上、母線事故または送電線事故の発生による母線または送電線の開路後、その母線または送電線を再閉路するまでの経過時間として例えば60秒の無電圧時間を規定している。さらに、送電線事故の場合、送電線の再閉路後、次の開路または閉路動作に移行するまでの経過時間として所定の期間(例えば120秒)(以下、準備時間と称す)を規定した動作責務がある。なお、この動作責務で規定された期間は、遮断器の種別に応じて種々設定されている。
【0006】
送電線事故の場合、遮断器により送電線を自動的に再閉路した後、再度の落雷(例えば多重雷など)により前記遮断器により送電線を開路するようなことがあり、以下、このような事故再発生を再発事故と称す。この再発事故があると、遮断器により送電線をもう一度閉路する必要がある。
【0007】
そこで、送電線事故が発生して無電圧時間(例えば60秒)が経過し、保護リレーを作動させて遮断器により送電線を再閉路した時点から、その遮断器の動作責務により規定された準備時間(例えば120秒)が経過した後に再発事故が生じた場合には、前記保護リレーを作動させて遮断器により送電線を閉路し直すようにしている。
【0008】
一方、遮断器により送電線を再閉路した時点から、遮断器の動作責務により規定された準備時間(例えば120秒)が経過せずに再発事故が生じた場合には、遮断器の動作責務を満足していない状態であるため、保護リレーにより遮断器を自動的に動作させることができないので、給電制御所または電力センターに駐在する運用者が送電の是非を判断した上で遠隔操作による手動で遮断器を動作させることにより送電線を閉路し直すようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように落雷などによる地絡事故には、母線事故と送電線事故とがあり、母線事故の場合、変電所構内での事故であるために感電による人身事故を未然に防止する観点から、母線事故の発生により遮断器により母線を開路した後、無電圧時間(例えば60秒)が経過した時点で保護リレーを作動させて遮断器により母線を自動的に再閉路するようにはしていなかった。
【0010】
以上のような理由から、従来では、母線事故の発生時、遮断器により母線を開路した後、無電圧時間(例えば60秒)が経過した時点で、給電制御所または電力センターに駐在する運用者が送電の是非を判断した上で遠隔操作による手動で遮断器を動作させることにより母線を再閉路するようにしていた。
【0011】
また、送電線事故の場合も、遮断器により送電線を再閉路した時点から、遮断器の動作責務により規定された準備時間が経過せずに再発事故が生じた場合には、遮断器の動作責務を満足していない状態であるため、保護リレーにより遮断器を自動的に動作させることができないことから、給電制御所または電力センターに駐在する運用者が送電の是非を判断した上で遠隔操作による手動で遮断器を動作させることにより送電線を再閉路するようにしていた。
【0012】
この母線事故後および送電線事故時の再発事故後のいずれの場合も、事故復旧のため、給電制御所または電力センターに駐在する運用者が送電の是非を判断した上で遠隔操作による手動で遮断器を動作させることにより送電線を再閉路するようにしていた。
【0013】
このように送電の是非の判断および送電の遠隔操作を運用者が行っていたために、送電の操作終了、すなわち、電力供給支障の復旧に時間を要し、運用者の業務軽減化を図ることが困難であった。特に、多重雷などにより母線事故または送電線事故が多発した場合には、前記問題点が顕著であった。
【0014】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、電力系統における母線事故後または送電線事故時の再発事故後に、迅速かつ確実な電力供給を実現すると共に、運用者の業務軽減化を図り得る監視制御システム及び自動送電方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る監視制御システムは、電力系統における母線事故後に母線を自動的に閉路するために一過性の事故原因として予め設定され、かつ、GIS設備を除く情報と屋外変電所である情報と一相地絡である情報とで構成された受信情報、および、送電線事故時の再発事故後に送電線を自動的に閉路するために遮断器の動作責務により予め設定され、かつ、再発事故発生情報の受信から遡って無電圧時間および準備時間の合計時間内に遮断器により送電線を開路した情報とその送電線を開路した時点から無電圧時間、準備時間および再度の無電圧時間の合計時間が経過している情報とで構成された受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成し、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を送出するサーバを具備したことを特徴とする(請求項1)。また、本発明に係る自動送電方法は、電力系統における母線事故後に母線を自動的に閉路するために一過性の事故原因として予め設定され、かつ、GIS設備を除く情報と屋外変電所である情報と一相地絡である情報とで構成された受信情報、および、送電線事故時の再発事故後に送電線を自動的に閉路するために遮断器の動作責務により予め設定され、かつ、再発事故発生情報の受信から遡って無電圧時間および準備時間の合計時間内に遮断器により送電線を開路した情報とその送電線を開路した時点から無電圧時間、準備時間および再度の無電圧時間の合計時間が経過している情報とで構成された受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成し、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路して自動送電することを特徴とする(請求項3)。
【0016】
本発明に係る監視制御システムおよび自動送電方法では、母線事故後または送電線事故時の再発事故後において、給電制御所または電力センターに設置された前記サーバにより自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成し、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を送出することにより、運用者の遠隔操作を介することなく、電力供給支障の復旧を迅速に実行することができる。ここで、前記送電操作票とは、電力供給支障の復旧に際して送電操作を実行するためのプログラムを意味する。
【0017】
なお、前記サーバは、前記受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成する事故復旧支援サーバと、その事故復旧支援サーバの出力に基づいて母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を出力する監視制御サーバとで構成することが望ましい(請求項2)。
【0019】
この請求項1及び3に記載したようにGIS設備を除く情報と、屋外変電所である情報と、一相地絡である情報は、過去の統計から小動物や飛来物などによる一過性の事故原因であることが多いため、これらの情報を母線事故における送電の是非の判断条件とする。これらの条件を外れる場合には一過性の事故原因ではないとして自動送電の対象外とされる。
【0021】
この請求項1及び3に記載したように送電線事故における受信情報について、再発事故発生情報の受信から遡って第一の期間(例えば180秒)内に遮断器により送電線を開路した情報があれば、前記再発事故が遮断器の動作責務、つまり、無電圧時間(例えば60秒)に準備時間(例えば120秒)を加えた時間(例えば180秒)を経過せずに発生し、かつ、その再発事故による送電線の開路が二回目であると判断することができる。
【0022】
また、その送電線を開路した時点から第二の期間(例えば240秒)が経過していること、つまり、遮断器の動作責務として規定された期間〔無電圧時間(例えば60秒)+準備時間(例えば120秒)+再度の無電圧時間(例えば60秒)〕が経過していることにより遮断器を動作責務を満足した状態で動作させることができるので、これらの受信情報を送電線事故における送電の是非の判断条件とする。これらの条件に該当しない場合には自動送電の対象外とされる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、図1は監視制御システムが構築された給電制御所、電力センターおよび変電所の概略構成を示す。また、図2は母線事故が発生した場合における遮断器の開閉制御を示し、図3は監視制御システムによる母線事故時の処理フローを示す。さらに、図4は送電線事故が発生した場合における遮断器の開閉制御を示し、図5は監視制御システムによる送電線事故時の処理フローを示す。
【0024】
この実施形態の監視制御システムは、図1に示すように例えば、77kV母線以上の電力系統を管理する給電制御所1と、一つの給電制御所1に対して例えば2〜4箇所設置され、77kV変圧器以下を管理する電力センター2と、一つの電力センター2に対して10〜70箇所設置され、構内母線および送電線の送受端となる変電所3との間で、母線事故または送電線事故の発生から自動送電が実行されるまでの一連の操作処理が行われる。
【0025】
前記給電制御所1は、電力系統における母線事故後または送電線事故時の再発事故後に、予め設定された所定の受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成する事故復旧支援サーバ4と、その事故復旧支援サーバ4の出力により、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を生成する監視制御サーバ5と、その監視制御サーバ5の出力により自動送電指令を電力センター2へ送出する連携サーバ6とを具備する。なお、図中、7は操作装置、8は操作票作成端末装置である。
【0026】
また、電力センター2は、給電制御所1から送信されてきた自動送電指令を受信する連携サーバ9と、その連携サーバ9から出力された自動送電指令を事故発生現場の変電所3へ送出する監視制御サーバ10と、その監視制御サーバ10から出力される自動送電指令を変電所3へ送信する遠方監視制御装置(テレコン)の親局11(以下、テレコン親局と称す)とを具備する。図中、12は操作装置、13は操作票作成端末装置である。
【0027】
さらに、変電所3は、電力センター2のテレコン親局11から送信されてきた自動送電指令を受信する遠方監視制御装置(テレコン)の子局14(以下、テレコン子局と称す)を具備し、このテレコン子局14から送信される自動送電指令により所定の遮断器を動作させて母線または送電線を前記遮断器により開路または閉路するようにしている。
【0028】
この監視制御システムによる自動送電を、母線事故の場合と、送電線事故の場合に分けて以下に詳述する。
【0029】
図2は母線事故が発生した場合における遮断器の開閉制御を示し、同図では、変電所Aの構内の母線21に対して設置された二線路X,Yについて、変圧器T側と線路X,Y側の遮断器CBを開閉制御する場合を例示する。また、図3は監視制御システムによる母線事故時の処理フローを示す。
【0030】
変電所3の構内に設置された母線21に落雷mなどによる地絡事故、つまり、母線事故が発生した場合(図2の▲1▼および図3のSTEP1参照)、保護リレーを作動させて変圧器T側および線路X,Y側の遮断器CBにより母線21を自動的に開路する〔図2の「事故発生」におけるCB(黒四角印)offで示す〕。
【0031】
この事故発生情報が変電所3から電力センター2を介して給電制御所1へ送信されてくると、その給電制御所1における事故復旧支援サーバ4では、GIS設備を除く情報、屋外変電所である情報および一相地絡である情報の三条件を満たすか否かにより自動送電の是非を判断する(図2の▲2▼および図3のSTEP2,3,4参照)。なお、前述したGIS設備を除く情報および屋外変電所である情報は給電制御所1であらかじめ保有しているデータベースから得られ、また、一相地絡である情報は、電力系統状態情報として事故発生情報と共に、変電所3から電力センター2を介して給電制御所1へ送信されてくる。
【0032】
GIS設備を除く情報、屋外変電所である情報および一相地絡である情報の三条件は、過去の統計から小動物や飛来物などによる一過性の事故原因であることが多いため、これらの条件を母線事故における送電の是非の判断条件とする。これらの条件を外れる場合には一過性の事故原因ではないとして自動送電の対象外とされ、自動送電操作票が作成されることはない(図3のSTEP7参照)。
【0033】
この母線事故の状況が、前述したGIS設備を除く情報、屋外変電所である情報および一相地絡である情報の三条件を満たせば、自動送電の対象になると判断され、その判断結果に基づいて事故復旧支援サーバ4で自動送信操作票が作成され(図2の▲3▼および図3のSTEP5参照)、その事故復旧支援サーバ4の出力に基づいて自動送電指令が監視制御サーバ5により生成される。
【0034】
この監視制御サーバ5から出力される自動送電指令を連携サーバ6,9を介して電力センター2に送信し、その電力センター2の監視制御サーバ10から出力される自動送電指令をテレコン親局11から変電所3のテレコン子局14へ送信し、さらに、その自動送電指令に基づいてテレコン子局14から遮断器CBへ閉成信号を送信し、その閉成信号に基づいて変圧器T側および線路X,Y側の遮断器CBにより母線21を自動的に再閉路し〔図2の「送電成功」におけるCB(白四角印)inで示す〕、これにより自動送電が開始される(図2の▲4▼および図3のSTEP6参照)。
【0035】
ここで、前述した遮断器CBには、所期の開路および閉路性能を確保する必要上、母線事故の発生による開路後、母線21を再閉路するまでの経過時間として例えば60秒の無電圧時間t1を規定した動作責務があることから、この遮断器CBにより母線21を自動的に閉路する時点は、母線事故の発生による母線の開路後、例えば60秒の無電圧時間t1を経過した時点で、前述した給電制御所1からの自動送電指令に基づいて遮断器CBにより母線21を自動的に再閉路する。
【0036】
次に、図4は送電線事故が発生した場合における遮断器の開閉制御を示し、同図では、変電所Aと変電所Bの母線21間を繋ぐ送電線22について、変電所A側と変電所B側の遮断器CBを開閉制御する場合を例示する。また、図5は監視制御システムによる送電線事故時の処理フローを示す。
【0037】
変電所Aと変電所Bの母線21間を繋ぐ送電線22に落雷mなどによる地絡事故、つまり、送電線事故が発生した場合(図4の▲1▼および図5のSTEP1参照)、保護リレーを作動させて変電所A側および変電所B側の遮断器CBにより送電線22を自動的に開路する〔図4の「事故発生」におけるCB(黒四角印)offで示す〕。
【0038】
前述したように遮断器CBには、送電線事故の発生による開路後、送電線22を再閉路するまでの経過時間として例えば60秒の無電圧時間t1を規定した動作責務があることから、この遮断器CBにより送電線22を自動的に閉路する時点は、送電線事故の発生による送電線22の開路後、例えば60秒の無電圧時間t1を経過した時点で、前記保護リレーを作動させて変電所A側および変電所B側の遮断器CBにより送電線22を自動的に再閉路する(図中の▲2▼)。
【0039】
ここで、遮断器CBの動作責務では、送電線事故の発生による開路後、送電線を再閉路するまでの経過時間として例えば60秒の無電圧時間t1を規定し、その再閉路の後、次の開路または閉路動作に移行するまでの経過時間として例えば120秒の準備時間を規定している。
【0040】
送電線事故の場合、遮断器CBにより送電線22を自動的に再閉路した後、再度の落雷m’(例えば多重雷など)により前記遮断器CBにより送電線22を開路する再発事故〔図4の「再発事故発生」におけるCB(黒四角印)offで示す〕があると、遮断器CBにより送電線22を閉路する必要がある。
【0041】
そこで、送電線事故が発生して無電圧時間t1が経過し、保護リレーを作動させて遮断器CBにより送電線22を再閉路した時点から、その遮断器CBの動作責務により規定された準備時間(例えば120秒)が経過した後に再発事故が生じた場合には、前記保護リレーを作動させて遮断器CBにより送電線22を閉路することができる。
【0042】
しかしながら、遮断器CBにより送電線22を再閉路した時点から、遮断器CBの動作責務により規定された準備時間(例えば120秒)が経過せずに再発事故が生じた場合(図4の▲3▼)には、遮断器CBの動作責務を満足していない状態であるため、保護リレーにより遮断器CBを自動的に動作させることができない。
【0043】
そこで、この再発事故発生の情報が変電所3から電力センター2を介して給電制御所1へ送信されてくると、その給電制御所1における事故復旧支援サーバ4では、所定の受信情報に基づいて自動送電の是非を判断する(図4の▲4▼)。
【0044】
この所定の受信情報、つまり、前記送電線事故時の再発事故後に送電線22を自動的に閉路するための所定の受信情報は、再発事故発生情報の受信から遡って第一の期間t2(例えば180秒)内に遮断器CBにより送電線22を開路した情報(図5のSTEP2参照)と、その送電線22を開路した時点から第二の期間t3(例えば240秒)が経過している情報(図5のSTEP3参照)とする。
【0045】
この送電線事故における受信情報について、再発事故発生情報の受信から遡って第一の期間t2(例えば180秒)内に遮断器CBにより送電線22を開路した情報があれば、前記再発事故が遮断器CBの動作責務、つまり、無電圧時間t1(例えば60秒)と準備時間(例えば120秒)とを加えた第一の期間t2を経過せずに発生し、かつ、その再発事故による送電線22の開路が二回目であると判断することができる。
【0046】
また、その送電線22を開路した時点から第二の期間t3(例えば240秒)が経過していること、つまり、遮断器CBの動作責務として規定された期間〔無電圧時間t1(例えば60秒)+準備時間(例えば120秒)+再度の無電圧時間t1(例えば60秒)〕が経過していることにより遮断器CBを動作責務を満足した状態で動作させることができるので、これらの受信情報を送電線事故における送電の是非の判断条件とする。これらの受信情報に該当しない場合には自動送電の対象外とされ、自動送電操作票が作成されることはない(図5のSTEP6参照)。
【0047】
この送電線事故の状況が、前述した所定の受信情報を満たせば、自動送電の対象になると判断され、その判断結果に基づいて事故復旧支援サーバ4で自動送信操作票が作成され(図4の▲5▼および図5のSTEP4参照)、その事故復旧支援サーバ4の出力に基づいて自動送電指令が監視制御サーバ5により生成される。
【0048】
この監視制御サーバ5から出力される自動送電指令を連携サーバ6,9を介して電力センター2に送信し、その電力センター2の監視制御サーバ10から出力される自動送電指令をテレコン親局11から変電所3のテレコン子局14へ送信し、さらに、その自動送電指令に基づいてテレコン子局14から遮断器CBへ閉成信号を送信し、その閉成信号に基づいて変電所A側および変電所B側の遮断器CBにより送電線22を自動的に閉路し〔図4の「送電成功」におけるCB(白四角印)inで示す〕、これにより自動送電が開始される(図4の▲5▼および図5のSTEP5参照)。
【0049】
なお、前記実施形態で説明した監視制御システムは、工場、一般家庭などの電力需要家以外に、電鉄負荷などを含む一般的な負荷に電力を供給する電力系統に適用可能であるのは勿論である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、電力系統における母線事故または送電線事故の発生時、給電制御所または電力センターに設置された前記サーバにより、自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成し、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を送出することにより、運用者の遠隔操作を介することなく、電力供給支障の復旧を迅速に実行することができ、母線事故後または送電線事故時の再発事故後に、迅速かつ確実な電力供給を実現すると共に、運用者の業務軽減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で、監視制御システムが構築された給電制御所、電力センターおよび変電所を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態で、母線事故が発生した場合における遮断器の開閉制御を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態で、監視制御システムによる母線事故時の処理フロー図である。
【図4】本発明の実施形態で、送電線事故が発生した場合における遮断器の開閉制御を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態で、監視制御システムによる送電線事故時の処理フロー図である。
【符号の説明】
4 事故復旧支援サーバ
5 監視制御サーバ
21 母線
22 送電線
CB 遮断器
Claims (3)
- 電力系統における母線事故後に母線を自動的に閉路するために一過性の事故原因として予め設定され、かつ、GIS設備を除く情報と屋外変電所である情報と一相地絡である情報とで構成された受信情報、および、送電線事故時の再発事故後に送電線を自動的に閉路するために遮断器の動作責務により予め設定され、かつ、再発事故発生情報の受信から遡って無電圧時間および準備時間の合計時間内に遮断器により送電線を開路した情報とその送電線を開路した時点から無電圧時間、準備時間および再度の無電圧時間の合計時間が経過している情報とで構成された受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成し、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を送出するサーバを具備したことを特徴とする監視制御システム。
- 前記サーバは、前記受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成する事故復旧支援サーバと、その事故復旧支援サーバの出力に基づいて母線または送電線を遮断器により自動的に閉路する自動送電指令を出力する監視制御サーバとで構成したことを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
- 電力系統における母線事故後に母線を自動的に閉路するために一過性の事故原因として予め設定され、かつ、GIS設備を除く情報と屋外変電所である情報と一相地絡である情報とで構成された受信情報、および、送電線事故時の再発事故後に送電線を自動的に閉路するために遮断器の動作責務により予め設定され、かつ、再発事故発生情報の受信から遡って無電圧時間および準備時間の合計時間内に遮断器により送電線を開路した情報とその送電線を開路した時点から無電圧時間、準備時間および再度の無電圧時間の合計時間が経過している情報とで構成された受信情報に基づいて自動送電の可否を判断し、その判断結果に基づいて送電操作票を自動作成し、その送電操作票に基づいて前記母線または送電線を遮断器により自動的に閉路して自動送電することを特徴とする自動送電方法。
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