図1において、車両(自車両)Sには、ナビゲーション装置の本体となるナビゲーションユニットNBが搭載されている。このナビゲーションユニットNBに対する入力、出力関係が、ブロック図的に図2に示されている。この図1、図2において、ナビゲーションユニットNBに対しては、地図メモリ1からの地図情報、GPSアンテナ2からの自車両位置情報が入力される他、ナビゲーションユニットNBに対する各種操作のために例えばリモコン式の操作スイッチ3およびマイク4からの音声指令用信号が入力される。また、ナビゲーションユニットNBからは、運転者から目視しやすい位置に設けられたディスプレイ5に対して出力されて、このディスプレイ5に、GPSアンテナ2で受信された自車両の現在位置およびその付近の地図情報が表示され、また目的地設定に際してはこれに必要な各種の情報が表示される。さらに、ナビゲーションユニットNBは、スピーカ6を利用して、目的地までの経路誘導の際の音声ガイドを行なうようになっている。
ナビゲーションユニットNBは、キーレス用通信機7を介して、IG(イグニッション)スイッチを兼用した無線通信式の携帯キー8(図1では図示を略す)との間での送受信を行ない、また通信機9(例えば携帯電話)を介して外部の情報センタ10や他車両Xとの間で送受信を行う。さらに、ナビゲーションユニットNBには、地図情報以外のデータベース11(記憶装置)が接続されるが、このデータベース11は、前述したキーレス用通信機7やGPSアンテナ2と共に、キーレス制御用の制御ユニット12(図2では図示を略す)を介して接続されている。なお、図1中符号7aはキーレス用通信機7用のアンテナ、符号9aは通信機9用のアンテナである(アンテナは図2では図示を略す)。図2中、符号13は、通信機9との間で送受信を行う情報センタ用の通信機であり、14は情報センタ10に装備されている各種データベース(記憶装置)である。このデータベース14には、詳細な道路情報や施設情報、交通状態情報等が格納されている他、後述する携行品に取付けられているタグのID番号とこれに対応した携行品の種別等の詳細情報を記憶しており、ナビゲーションユニットNBからの要請に応じて、データベース14に格納されている各種情報をナビゲーションユニットNBに対して返信する。
ナビゲーションユニットNBには、さらに、車両Sのドアが開かれていることを検出するための検出スイッチ15、車両が停車していることを検出するためのパーキングスイッチ16、車両のドアがロックされていることを検出するスイッチ17(例えばドアロック用アクチュエータの作動状態検出スイッチ)からの信号が入力されるようになっている。
車両Sには、さらに、読取装置としてのタグリーダ20が搭載されて、この読取結果がナビゲーションユニットNBに入力されるようになっている。タグリーダ20は、図2に示す携行品Kに取付けられているタグTGに記憶されている物品情報、特に携行品の種別を無線式の遠隔操作によって読み込むための読取装置となる。タグTGは、ICタグあるいは電子タグとされて、極めて薄くかつ小型となっており、例えば携行品Kに埋設されたり、携行品Kの使用の邪魔にならない位置に取付けられている。このようなタグTGには、そのタグ固有のID番号の他、種別、生産者、生産時期等の各種情報が記憶されている。前述のように、車両Sに搭載された携行品Kに取付けられているタグTGがID番号のみを記憶していて、携行品Kの種別を記憶していないときは、情報センタ10に問い合わせて、そのデータベース14に記憶されているID番号に対応した各種情報の中から携行品Kの種別を適宜取り出せるようになっている。
他車両Xにも、同様のタグリーダ20が搭載されて、必要に応じて、例えば無線通信を利用して他車両Xに搭載されている携行品Kの種別をも知り得るようになっている。すなわち、携行品Kは、他車両Xに搭載されたものであってもよく、この場合は、他車両Xとの間での通信によって、他車両Xに搭載された携行品Kの種別を得るようにすればよい。他車両Xを自車両Sと関連づけるために、あらかじめグループ登録しておくことが好ましく、この場合、他車両Xに搭載されている通信機としての携帯電話番号を自車両S側において予め登録しておけばよい(必要に応じて、自車両Sの通信機9としての携帯電話番号を他車両Xにおいて登録しておく)。
図3には、車両Sに搭載されたデータベース11(の記憶内容)の一例を示すものである。実施形態では、このデータベース11は、目的地設定のためのみならず、自宅を出るときの車両Sへの必要物品の積み忘れ防止(例えばスキー場に行くときにスキー板が検出されない)、目的地に着いたときに目的地でもって必要と考えられる携行品の車両Sからの降ろし忘れの防止、目的地から自宅に帰るときに、一旦降ろした携行品を再度積み戻すことを忘れることの防止のためにも利用するようになっている。
データベース11は、第1データベース11aを有する。この第1データベース11aは、タグリーダ20で検出された各種携行品KのID番号(例えば「0221551」というID番号)を記憶しており、このID番号に対応づけて、各種情報を記憶している。ID番号に対応づけて記憶されている各種情報としては、例えば次のような情報がある。すなわち、カッコ内にID番号「0221551」に対応した設定内容を示しつつ説明すると、携行品の「種別」の欄(設定はスキー服)、「ジャンル」の欄(設定はスキー場)、「目的地」の欄(設定なし)、「連携」の欄(設定は1)、「個数」の欄(設定は2)、「一時規制」の欄(設定なし)、「規制条件」の欄(設定は4:00−8:00)とされている。
上記「種別」の欄は、携行品Kの種類を端的かつ簡単に示すもので、一般的な商品名に近いものとなる。「ジャンル」の欄は施設ジャンルとなるもので、種別に応じて目的地に設定される可能性の高い施設ジャンルを示すものである。この種別に応じたジャンルの設定は、推測によって自動的に行ってもよく、あるいは乗員の操作に応じたマニュアル設定によって行うことができる。「目的地」の欄は、ジャンルよりもよりかなり下位概念(より目的地として絞り込まれた概念)となるもので、最終的に設定される施設そのもののレベルとなる。実施形態では、ID番号「2545458」(種別はテニスラケット)は、「目的地」として「○○公園」が設定されている。
「連携」の欄は、1セットとなる他の種別の携行品Kが存在するか否かを示すもので、連携関係にある携行品K同士は、「1」、「2」・・・・というように連携関係の種別を示す符号が付される。例えば、実施形態では、スキー関係の種別として、スキー服が2つ、スキー板が1つ、スキー靴が1つ、スキー用ストックが1つ存在するが、これらの複数の携行品Kが目的地設定の際の1つのセット体を構成するものとして、例えば「1」の連携番号が付されている。別のセット体があるときは、その連携関係を示す符号は他の連携関係と区別するために例えば「2」とされる。「連携」の数字が付されていない携行品Kは、連携関係がないものとされる。「連携」の有無および連携関係にする携行品の選択は、推測によって自動的におこなうこともできるが、乗員によるマニュアル設定によって行うこともできる。
「個数」の欄は、同一の種別となる携行品Kの数を示すものである。例えば、スキー服は2つあるので、「個数」は「2」と付されている。「個数」の欄に符号が付されていない場合は、同一の種別の携行品Kは1つのみとされる。個数の欄の設定は、自動設定にあるいはマニュアル設定のいずれでも行うことができる。「個数」の設定は、1人で出かけるときに必ず所定の複数個携行する場合に対応する他、例えば必ず夫婦で出かけるという習慣があるために夫婦用として2個必要な場合に対応するものである。換言すれば、携行品の種別が設定された所定の複数個だけ検出されないときは、目的地設定とは無関係である可能性が高いということになる。
「一時規制」の欄は、携行品Kの種別を目的地設定のために一時的に使用しない場合に乗員により記入される欄であり、実施形態では、ID番号「2545458」(種別はテニスラケット)は、「2004年4月2日」までは目的地設定にしないという条件が付されている(この時期はテニスを行う要求がないために目的地設定の必要がないということ)。「規制条件」の欄は、「一時規制」の欄と同一の趣旨の欄であるが、「一時規制」の欄よりもより限定された範囲での規制となる。例えば、ID番号「0221551」のスキー服は、「規制条件」の欄に「4:00−8:00」と記載されていて、この時間帯は目的地設定しないということになる(この時間帯にスキー場に向かうような習慣がないために規制条件を付与している)。
次に、データベース11のうち第2データベース11bの記憶内容について説明する。データベース11bにおいては、「種別」の欄、「ジャンル」の欄の他に、「日時/季節」の欄、「時間帯」の欄、「必須」の欄、「現地利用」の欄および「消費」の欄が設けられている。「日時/季節」の欄および「時間帯」の欄は、それぞれ、積極的に目的地設定されるときの条件を設定するものであり、地域等に応じて自動的に設定したり、乗員によってマニュアル設定することができる。具体的には、例えば、種別がスキー関係の場合は、「日時/季節」の欄が、スキーを行う季節と考えられる「11月−3月」に設定されて、11月〜3月の時期は、スキー関係の種別である場合に積極的に目的地設定に利用するという情報となる(換言すれば「11月−3月」以外は目的地設定に利用しないということ)。同様に、「時間帯」の欄では、例えば携行品の種別が「テニスラケット」の場合は、「5:00−20:00」の時間帯であれば積極的に目的地設定に利用するように設定される(換言すれば、「5:00−20:00」以外は目的地設定に利用しないということ)。
「必須」の欄は、目的地に行くときに携行することが必須であるか否かを識別するものであり、「○」が携行必須を「×」が必ずしも携行する必要のないことを意味する。「必須」の欄が「○」である場合は、携行品に応じた目的地設定が行われる可能性の高い場合となり、また、必要携行品の積み忘れを警報する必要性の高い場合となる。「現地利用」の欄は、現地で必要なものを調達(例えばレンタル)できるか否かを示すもので、現地調達が可能と考えられる場合を「○」で示し、現地調達が困難である場合が「×」で示される。すなわち、携行品が現地調達可能な携行品の場合は、この携行品を目的地設定に利用する可能性の低い場合となり、また、積み忘れを警報する必要性の低いものとなる。「消費」は、目的地に行くまでにあるいは目的地で消費してしまう可能性の有無を識別するもので、「消費」する場合を「○」で、消費しない場合を「×」で示す。「消費」が「○」のとき、例えばキャンプ場に行くときに携行される炊飯用のガスボンベや食料品等は目的地でもって消費される可能性が高く、また弁当類は目的地に行くまでの間に消費されてしまうことから、目的地から帰宅するときに行う忘れ物検出(積み戻しの忘れ検出)の対象になる可能性が低いものとなる。
データベース11の第3データベース11cは、「ID番号」と「種別」の他に、「連続検出」の欄が設定されている。「連続検出」の欄は、タグリーダ20による携行品Kの連続した検出回数を記入しておくもので、車両Sを物置代わりに使用されている携行品Kを知るための欄である。すなわち、ある携行品Kが、何回も車両の発進等を行っているにもかかわらず、長いこと車両Sに搭載されているということは、車両Sが、ある携行品Kについては物置代わりに利用されているという可能性が高いときである。この場合は、このような携行品を目的地設定に利用したり、忘れ物検出の対象とする必要性の低いものとなる。
データベース11は、さらに、第4データベース11d、第5データベース11e、第6データベース11fを有している。第4データベース11dは、乗員によって登録された自宅の位置情報を記憶しているものである。第5データベース11eは、ナビゲーションユニットNBの動作プログラムを記憶している。第6データベース11fは、制御ユニット12の動作プログラム(携帯キー8に関連した制御を行うためにプログラム)を記憶している。なお、制御ユニット12による制御は、携帯キー8との間で無線により送受信を行って、例えば携帯キー8を携帯した乗員が車両Sから離れて所定距離(例えば3m)だけ離間したことを確認した場合に、自動的に車両Sのドアをロックし、逆に、乗員が車両Sに所定距離以内に接近してきたときに、車両Sのドアを自動的にロック解除する制御を行う。その他、携帯キー8に装備された小型スピーカ等を利用して車外にいる乗員に対する各種警報、例えばライト類の消し忘れの警報をしたり、盗難防止装置をオン作動させることを忘れたことの警報をしたり、必要な携行品を車両Sから降ろし忘れたことの警報等の適宜の警報制御をも行う。
次に、図4〜図9のフローチャートを参照しつつ、ナビゲーションユニットNBの制御例について説明するが、フローチャートは、携行品Kの種別に応じた目的地設定の制御と、携行品Kに関する忘れ防止に関する制御とを行うものとなっている。なお、以下の説明でQはステップを示す。
図4はメインのフローチャートとなるもので、この図4のQ1において、後述するように、携行品Kに取付けられているタグTGに関する各種の登録が行われる。Q2では、通常のナビゲーション機能が実行される。その後、Q3において、乗員によって目的地を設定するための操作が行われた否かが判別される。このQ3の判別でNOのときは、Q4において、目的地からの帰宅時であるか否かが判別される。このQ4での判別は、例えば、現在目的地あるいは目的地付近であること、車両Sの発進操作が行われたこと、例えばエンジンが起動されたこと、ドアが閉じていること、パーキングブレーキが解除されたこと、変速機が走行位置にシフトされたことの条件を全て満たしたときに、目的地からの帰宅時であると判定することができる。このQ4の判別は、後述する忘れ物検出を行うタイミングであるか否かの判別となり、より具体的には、目的地から自宅に帰るときに、持参してきた携行品Kを目車両Sに積み戻すことを忘れていないか否かの忘れ物検出となる。上記Q4における目的地から帰宅する状態の判別は、上述した他、例えば、次のような第1あるいは第3のいずれかの手法で判定することができる。すなわち、目的地あるいはその付近であることを前提として、第1に、エンジンが起動されていること、ドアが閉じられていること、パーキングブレーキがオフされていることという全ての条件を満たした場合、第2に、エンジンが起動されていること、ドアが閉じられていること、変速機が走行位置にあることという全ての条件を満たした場合、第3に、エンジンが起動されていること、ドアが閉じられていること、車速があること(車速が0ではないこと)という全ての条件を満たした場合に、目的地からの帰宅時であると判定することができる。
上記Q4の判別でNOのときは、Q5において、目的地での停車時であるか否かが判別される。このQ5の判別は、例えば、現在地が目的地あるいは目的地付近であること、車速が0であること、エンジンが停止していること、パーキングブレーキが作動されていること、ドアがロックされていることという全ての条件を満たしたときに、目的地での停車時であると判断することができる。このQ5での判別は、後述する忘れ物検出を行うタイミングであるか否かの判別となり、より具体的には、目的地に到着して、乗員が車両Sから離れるときに、目的地で使用する必要な携行品Kを車両Sから降ろすことを忘れていないか否かの降ろし忘れの検出となる。このQ5の判別でNOのときは、Q1へ戻る。
前記Q3の判別でYESのとき、つまり乗員によって目的地設定するための操作が行われたときは、Q6に移行する。このQ6では、タグリーダ20によって、車内にある携行品Kに設けられているタグTGに記憶されている情報が読み込まれる。次いでQ7において、タグTGから得られた携行品Kの種別等を利用して、後述するように目的地の絞り込みが行われる。この後、Q8において、目的地が設定される(特定の施設を目的地とする選択が乗員により行われる)。この後、Q9において、後述するように、忘れ物検出に関する制御が行われるが、この忘れ物検出は、自宅を出発するときに、車両Sに搭載すべき必要な携行品Kを積み忘れていないか否かの検出となる。次いで、Q10において、Q9での検出結果に基づいて、忘れ物があるか否かが判別される。このQ10の判別でNOのときは、Q11に移行して、設定された目的地までの経路誘導が実行された後、Q4に移行される。また、Q10の判別でYESのときは、Q12において、後述するように忘れ物があることの報知(警報)が乗員に対して行われる。上記Q9での忘れ物検出を行う条件としては、自宅からの発進時であることを前提とすれば、自宅あるいはその付近に位置していることを前提として、例えば次の第1〜第3のいずれかの条件を満たしたときに積み忘れの検出を行うタイミングとなる。すなわち、第1に、エンジンが起動されていること、ドアが閉じられていること、パーキングブレーキがオフされていることという全ての条件を満たした場合、第2に、エンジンが起動されていること、ドアが閉じられていること、変速機が走行位置にあることという全ての条件を満たした場合、第3に、エンジンが起動されていること、ドアが閉じられていること、車速があること(車速が0ではないこと)という全ての条件を満たした場合に、自宅からの発進時であると判定することができる。
前記Q4の判別でYESのときは、Q13において、後述するように忘れ物の検出が行われ、この検出結果に基づいてQ14において忘れ物があるか否かが判別される。そして、Q14の判別でNOのときはQ5に移行するが、Q14の判別でYESのときは、Q12に移行して、後述のように忘れ物の報知が行われる。前記Q5の判別でYESのときは、Q15において、後述するように忘れ物の検出が行われ、この検出結果に基づいてQ16において忘れ物があるか否かが判別される。そして、Q16の判別でNOのときはQ1に戻るが、Q16の判別でYESのときは、Q12に移行して、後述のように忘れ物の報知が行われる。
次に、図4のQ1の詳細について、図10、図11を参照しつつ説明する。まず、タグリーダ20によって読み込まれたタグTGのID番号に関して、ディスプレイ5の左半分に、既に登録済みの携行品KのID番号と種別とが表示される。また、ディスプレイ5の右半分に、今回検出された携行品KのID番号と種別とが表示される。今回検出されたID番号のチェック欄にチェックを入れて、「登録」のボタン(アイコン)Aを選択することにより、今回検出された携行品Kに関する情報が登録される(ディスプレイ5の左半分に表示される登録済みの表示欄に移動される)。
ディスプレイ5の左半分に表示されているID番号のチェック欄にチェックを入れて、「削除」のボタンBを選択することにより、登録済みの携行品Kに関する記憶情報が削除される。ディスプレイ5の左半分に表示されているID番号のチェック欄にチェックを入れて、「詳細」のボタンCを選択することにより、画面が図11のように変化されて、チェックされた携行品Kに関する詳細の情報が表示される。この図11は、図3のデータベース11a、11bに関する情報設定となり、必要事項を推測により自動設定できる項目もあれば、乗員がマニュアル操作によって設定する場合もある。図11の画面で詳細な設定を行った後、「設定」のボタンFをオンすることにより、設定が完了される。図11において、「目的地」として具体的なスキー場を設定すれば、スキー服の種別を検出したときにこの設定された具体的なスキー場が目的地設定の際に画面に提示されることになる。
次に、図4のQ7における目的地絞り込みの詳細について、図5のフローチャート、および図5の変形例となる図6のフローチャートを参照しつつ説明し、その後、この目的地絞り込みに関連したディスプレイ5の表示内容について図12を参照しつつ説明する。まず、図5のフローチャートにおいて、Q21でタグTGから携行品Kに関する種別等の情報を読み込まれる。あらかじめ登録された他車両Xが存在するときは、無線通信を利用して、他車両に搭載された携行品の種別もQ21において読み込まれる(このことは、タグTDの読み込みを行う他のステップにおいても同様である)。この後、Q22において、携行品Kの種別に応じた施設ジャンルが特定される。次いで、Q23において、検出された携行品K(の種別)は、以前にも車両Sに持ち込まれた物であるか否かが判別される。このQ23の判別でNOのときは、Q24において、携行品Kの種別に応じて、乗員の目的を推測する。例えば、検出された携行品Kの種別がスキー服であれば、施設ジャンルとして「スキー場」が推測され、検出された携行品Kの種別が「テニスラケット」であれば、「運動公園」等が施設ジャンルとして推測される。この後、推測した施設ジャンルを優先表示した絞り込みの状態で、ディスプレイ5に表示される(表示内容等について後述する図12の説明を参照)。前記Q23の判別でYESのときは、Q26において、前回設定された目的地(特定施設)が、今回の目的地として最終設定される。このQ23、Q26の処理は、学習によって、携行品Kの種別に応じた目的地設定を加味して、今回の目的地設定に活かすもので、目的地設定を極めてすみやかかつ簡単に行う上で好ましいものとなる。
図6は、図5の変形例となるもので、より詳細な目的地の絞り込みを行う制御例となっている。まず、Q31においてタグTGの読み込みが行われた後、Q32において、前回も積み込まれていた携行品K(と同じ種別)であるか否かが判別される。このQ32の判別でYESのときは、Q38において、新たに他のジャンルの携行品Kが検出されたか否かが判別される。このQ38の判別でNOのときは、Q39において、前回も検出された携行品Kの種別の検出が、所定期間(例えば1週間)連続しているかおよび/又は所定回数(例えば10回)以上であるか否かが判別される。このQ39の判別でYESのときは、携行品Kは車両Sを物置として利用している物品であって、目的地設定には無関係な物である可能性が高いものとなる。したがって、この場合は、Q40において、所定期間以上および/または所定回数以上の検出が行われた携行品Kの種別を、目的地設定のためには積極的に利用しない設定が行われる(例えばスキー服が検出されても、スキー場を目的地設定のための絞り込みの範囲から除外する)。Q40の後は、Q36に移行して、Q40での目的地設定の除外を加味した状態での目的地検索が行われた後、Q37において、最終的な目的地としての特定の施設が設定(選択)される。
前記Q32の判別でNOのとき、あるいはQ38の判別でYESのときは、それぞれQ33に移行する。このQ33では、車両Sの現在の存在位置が、検出された携行品Kの種別に対応した物品を販売している商店の近くであるか否かが判別される(例えば、スキー板を検出したときに、車両Sの現在地がスキー販売店の近くにあるか否かの判別)。このQ33の判別でYESのときは、検出された携行品Kは販売店で購入された直後であって、目的地設定のためには無関係である可能性が高いときであるとして、Q40に移行される。
Q33の判別でNOのとき、あるいはQ39の判別でNOのときは、Q34において、検出された携行品Kは、所定個数揃っているかあるいはセットとして揃っているか否かが判別される。例えば、検出された携行品Kがスキー板のとき、スキー場に行くときはスキー板とセットとなるべきスキー靴やストックをも検出しているか否かが判別される。また、「個数」が例えば2個として設定されているときは、この2個に設定されている携行品の種別が2個存在するか否かが判別される。このQ34の判別でNOのときは、セットとされていない状態あるいは設定個数揃っていない状態であって、目的地設定には無関係である可能性が高いときであるとして、Q40に移行される。なお、携行品Kが、セットとして使用されないあるいはセットとして使用される可能性の極めて低い場合、さらには「個数」が複数個に設定されていない場合は、Q34の判別でYESとされる。
Q34の判別でYESのときは、Q35において、検出された携行品Kが、現在の日時や季節さらには時間等を考慮したときに、目的地設定に利用して適当であるか否かが判別される。このQ35の判別でNOのときは、Q40に移行される。Q35の判別でYESのとき、あるいはQ40の後は、検出された携行品Kの種別に対応した施設ジャンルが優先的に絞り込まれるようにして目的地検索が行われる。この後、Q37において、絞り込まれた検索結果に基づいて、最終的な目的地の設定が行われる。
図12は、目的地絞り込みのときにディスプレイ5に表示される画面の一例を示すものであり、以下この図12について説明する。まず、乗員が目的地設定を行うための操作を行うと、ディスプレイ5に、図12のような画面が表示される。ディスプレイ5の左半分の上欄には、携行品Kの種別に応じて絞り込まれた施設ジャンルと特定の施設そのものが表示される(図12では、「スキー場」が絞り込まれた施設ジャンルとして表示されると共に、「○○スキー場」が絞り込まれた特定の施設として表示される−例えば図5のQ26の処理を経た場合等)。なお、ディスプレイ5の左半分の上欄に表示される施設ジャンルは、検出された携行品Kの種別に応じて優先順位の高いものが表示され(例えば図5のQ25の処理、図6のQ36の処理)、表示されない優先度の低い施設ジャンルは、例えばスクロール操作を行うことにより順次表示させることができる。
図12において、表示された「「○○スキー場」のチェック欄にチェックを入れて、「設定」のボタンDをオン操作することにより、「○○スキー場」がそのまま最終的な目的地(特定の施設)として設定されることになり、目的地設定までに要する手間が極めて簡単化される。提示された「○○スキー場」が、希望する目的スキー場と相違するが、目的地がスキー場である場合は、表示されているスキー場のチェック欄にチェックを入れた後、「設定」のボタンDをオン操作することにより、スキー場の絞り込みのための次画面が表示される。この後は、表示される画面にしたがって、順次希望するスキー場を検索して、最終的に、希望する特定のスキー場が表示された段階で、そのチェック欄にチェックを入れて「設定」ボタンDをオン操作すれば、所望のスキー場が目的地設定されることになる。
表示されたスキー場およびテニス場のいずれも所望の目的地とは関係ないときは、画面の左下欄に表示されたジャンル(施設ジャンルよりも大概念)としての「食べる」、「遊ぶ」、「学ぶ」のチェック欄にチェックして、あるいはスクロールして得られたさらに別のジャンルのチェック欄にチェックを入れて、「設定」ボタンDをオン操作することにより、次段階での目的地絞り込みのための画面が表示される。後は、画面にしたがって、通常通り目的地設定を行えばよい。
図12の右半分の欄には、検出された携行品Kを、目的地設定のために利用するための登録が行われているか否かの表示が行われている。すなわち、上欄に、目的地設定のために積極的に利用すべきと登録されている携行品Kが一覧として表示されており、またその下欄には、検出された携行品Kのうち目的地設定としては利用しない未登録の携行品Kの一覧が表示される。このように、携行品Kを検出しても、目的地設定のために使用するか使用しないかを区別して登録しておくことにより、携行品Kを利用した目的地設定を精度よくかつ簡単に行う上で(すみやかな目的地の最終設定)、また目的地設定に利用しない携行品Kに基づく誤った目的地の提示を行ってしまう事態が防止される(ノイズ低減)。この図12の右半分の画面を利用して、ある携行品Kについて、登録済みと未登録との間での入れ替えを、例えば「設定」ボタンEを利用して行う乗員の希望に沿ったものとすることができる(検出された携行品Kの種別を未登録にしておけば、この未登録の携行品Kの種別に応じた施設ジャンルの検索が規制される)。
図5の説明、図6の説明さらには図12の説明からも明らかなように、携行品Kに関連した施設ジャンルを表示(提示)することにより、「食べる」、「遊ぶ」等の概念の広い施設ジャンルから目的地を絞り込む場合に比して、最終的に特定の施設を目的地として設定するまでの手間が簡単化されることになる。勿論、データベース11の説明で明らかなように、携行品Kを目的地設定について利用しない情報や、目的地設定に積極的に利用する等の情報がデータベース11に登録させておくことにより、携行品Kを利用した目的地設定を、より精度よく(目的地絞り込みにノイズの少ない状態で)かつ簡単に行うことができる。
次に、図4のQ9における忘れ物検出の詳細について、図7のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、この図7での忘れ物検出は、自宅を出るときに、必要なものを忘れた積み忘れの検出となる。まず、Q41において、タグTGの検出つまり携行品Kの種別が検出された後、Q42において、検出された種別がどの施設ジャンルに属するものであるかが特定される。次いで、Q43において、Q42で特定されたジャンルに属する携行品Kが、他の携行品Kと共に必要な1セットを構成しているか否かが判別される。例えば、スキー板が検出されたとき、これと1セットを構成するスキー靴やストックも検出されたか否かが判別される。このQ43の判別でNOのときは、1セットを構成するいずれかの携行品を積み忘れしているときであるとして、Q44(図4においてQ10の判別でYESのときのQ12の処理に対応)において、積み忘れの警報が行われる。この警報は、例えば、スピーカ6から積み忘れを音声警報したり、これに同時にあるいは代えて、ディスプレイ5に積み忘れと考えられる携行品Kの種別を表示することにより行うことができる。なお、携行品Kの種別によっては、セット体として利用されない場合もあるが、この場合は、Q43の判別はYESとなる。
Q44において忘れ物が検出されたときの警報をディスプレイ5への表示を利用して行う一例が、図13に示される。すなわち、図4のQ10からQ12へ移行したときに、Q12でのディスプレイ5を利用した警報の一例が図13に示される。なお、図13は、他の状況での忘れ物警報をも合わせて表示してあるが、Q44での警報は、「W」の表示と、「W1」の表示との2種類の表示を同時に行うことにより行われる。すなわち、表示「W」には、検出された携行品K(実際に車両Sに積み込まれた携行品K)の種別として、「スキーウエア」と「スキー板」と「ストック」であることが表示される一方、「W1」の表示において、スキー場に行くときに1セットとなる場合の必需品である「スキー靴」が検出されてないことを表示して、「スキー靴」を積み忘れていることが警報される。
図8は、図4のQ13での忘れ物検出の一例を示すものである。この図8は、目的地から自宅に帰るときに、自宅から持参した携行品Kを目的地に忘れたままで車両Sに搭載されていないことの検出となる。すなわち、Q51において、目的地でのエンジンの始動が検出されると、Q52において、タグTGの読み込みが行われた後、Q53において、今回検出された携行品Kが、自宅を出るときに検出された携行品Kの全てを含んでいるか否かの照合が行われる。この後、Q54において、Q53での照合結果に基づいて、自宅から持参した携行品Kがきちんと揃っているか否かが判別される。このQ54の判別でNOのときは、目的地に忘れ物をしているときであるとして、Q55において忘れ物の警報が行われる(Q55の忘れ物警報は、図4におけるQ14の判別でYESとなったときのQ12の処理に対応している)。
Q55において忘れ物が検出されたときの警報をディスプレイ5への表示を利用して行う一例が、図13に示される。すなわち、Q55での警報は、「W」の表示と、「W2」の表示との2種類の表示を同時に行うことにより行われる。すなわち、表示「W」には、検出された携行品K(実際に車両Sに積み込まれた携行品K)の種別として、「スキーウエア」と「スキー板」と「ストック」であることが表示される一方、「W2」の表示において、自宅を出るときに積んでいた例えば「スキー板」が検出されてないことを表示して、「スキー板」を積み忘れていることが警報される。
図9は、図4のQ15での忘れ物検出の一例を示すものである。この図9は、目的地に着いて、携行品Kを車両Sから降ろしたときに、当然降ろすべきものとおもわれる携行品Kを降ろしていないことを検出する降ろし忘れを検出するものとなっている。すなわち、Q61において、目的地あるいは目的地付近での停車つまりエンジンの停止が検出されると、Q62において、ドアがロックされたか否かが判別される。このQ62の判別でYESとなると、Q63において、タグTGの読み込みが行われる。この後、Q64において、降ろすべき携行品Kが車内に残っているか否かが判別される。このQ64の判別でYESのときは、積み降ろしの忘れがあるときであるとして、乗員に警報が行われる。この警報は、乗員が車外にいるときなので、例えば、クラクションを鳴らしたり、携帯キー8に装備されたスピーカをならしたりすることにより行われる。また、この警報と同時に、車両Sに戻った乗員に降ろし忘れた物を特定させるために、図13のような表示が行われる。すなわち、図13において、「W」の表示と「W3」の表示とが行われて、スキー場において車両Sから降ろされていない携行品、例えば「スキー服」が表示される。なお、Q65の忘れ物警報は、図4におけるQ16の判別でYESとなったときのQ12の処理に対応している)。
図14、図15は、目的地絞り込みを行う制御例を示す図5の変形例であり、以下、この図14、図15の変形例について説明する。まず、図14のQ71において、グループ登録されている他車両Xがあるか否かが判別される。このQ71の判別でYESのときは、Q72において、グループ登録されている他車両Xに搭載されている携行品Kの種別が無線通信によって取得される。これにより、自車両Sと他車両Xとの両方に搭載されている携行品Kの種別が全て把握されることになる。Q71の判別でNOのとき、あるいはQ72の後は、それぞれQ73に移行して、携行品Kの新たな種別が検出されたか否かが判別される。このQ73の判別でYESのときは、Q74において、車両Sの現在地が自宅あるいは自宅付近であるか否かが判別される。このQ74の判別でNOのときは、新たに検出された携行品Kの種別は、その販売店で購入されたときである等のときであって、目的地設定とは関連性の極めて低いものであると考えられる。このときは、Q75において、新たに検出された携行品Kの種別に基づく施設検索の優先度を低いものとする処理が行われる。
上記Q73の判別でNOのとき、Q74の判別でYESのとき、あるいはQ75の後は、それぞれQ76に移行して、携行品Kの種別が、所定時間あるいは所定回数連続して検出されたか否かが判別される(積みっぱなしの判定)。このQ77の判別でYESのときは、Q77において、目的地設定の操作があるか否かが判別される。このQ77の判別でYESのときは、Q78において、所定時間あるいは所定回数連続して検出された携行品Kの種別に基づく施設検索を規制する処理が行われる。
Q76の判別でNOのとき、Q77の判別でNOのとき、あるいはQ78の後は、それぞれ図15のQ81に移行して、携行品Kの種別と現在の日時/季節/時間帯とがアンマッチングであるか否かが判別される。このQ81の判別でYESのときは、Q84において、アンマッチングである携行品Kの種別に基づく施設の検索を規制する処理が行われる。
Q81の判別でNOのとき、あるいはQ82の後は、それぞれQ83に移行して、携行品Kの種別が登録された所定個数揃っていない状態であるか、あるいは他の携行品Kの種別と共にセットとして揃っていない状態であるか否かが判別される。このQ83の判別でYESのとき、つまり所定個数揃っていない、あるいはセットとして揃っていないときは、Q84に移行して、所定個数揃っていない携行品Kの種別に基づく施設の検索を規制する処理、あるいはセットとして揃っていない携行品Kの種別に基づく施設の検索を規制する処理が行われる。
Q83の判別でNOのとき、あるいはQ84の後は、それぞれQ85に移行して、乗員のマニュアル操作によって、携行品Kの種別に基づく施設検索を一時的に解除する操作が行われているか否かが判別される。このQ85の判別でYESのとき、つまりある携行品Kの種別に基づく施設検索を行わないように乗員によってマニュアル選択されているときは、Q86において、このマニュアル操作によって選択されている携行品Kの種別に基づく施設検索を規制する処理が行われる。
Q85の判別でNOのとき、あるいはQ86の後は、それぞれQ87に移行して、目的地の検索が行われる。この目的地検索の際、Q78、Q82、Q84、Q86での検索規制の処理が行われている携行品Kの種別に基づく目的地検索は規制された状態で行われることになる。また、Q75で検索優先度が低下された携行品Kの種別に基づく検索は、他の携行品Kの種別に基づく検索よりも優先度が低い状態で検索が行われることになる。Q87の後は、Q89において、検索された結果をディスプレイ5に提示しつつ、乗員の操作によって最終的な目的地選択が行われることになる。
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、特許請求の範囲に記載された範囲で適宜の変更が可能である。本発明は、例えば次のような場合をも含むものである。新たに検出(持ち込まれた)された携行品Kは、そのときの乗員の行動と大きな関連性を有するものと考えられるので、この新たに検出された携行品Kの種別に応じた施設ジャンルを優先的に検索させるようにすることが望ましい(以前に検出された携行品Kの種別に基づく検索を規制することもできる)。また、新たに検出された携行品Kの種別に応じた施設ジャンルをディスプレイ5に表示すると共に、この表示された施設ジャンルを目的地設定の検索に利用するか否かを問い合わせる提示(表示)をディスプレイ5に行うようにすることもできる。携行品Kの種別に基づく施設検索を行うか否かをマニュアル操作によって切換えるようにしてもよい。すなわち、切換用のマニュアルスイッチを例えばオンしたときにのみ携行品Kの種別に基づく検索の絞り込みが行われ、切換用のマニュアルスイッチがオフされたときは携行品Kの種別に基づく検索の絞り込みを禁止するように設定することもできる。携行品Kの種別に基づく検索の絞り込みに際して、種別に応じて優先順位を付けて、目的地設定と関連の深い携行品Kの種別ほど優先的に画面提示されるようにするのが好ましい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものであり、また、本発明は例えば目的地(施設)検索方法というような方法発明としても把握可能である。