JP4328950B2 - 酸化触媒および該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法。 - Google Patents

酸化触媒および該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、接着剤、電子材料、建築分野等で使用されるエポキシ樹脂、耐熱性ポリマー等の原料及び医農薬の中間体として有用な、オキシラン化合物の工業的な製造方法に関するものである。
別途調製したヘテロポリ酸と相関移動触媒である4級アンモニウム塩を触媒とする、過酸化水素によるエポキシ化の方法については、既に数件報告されているが、該エポキシ化の方法は、生成物の他は水が生成するのみであり、非常にクリーンな酸化反応であるといえる(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照。)。
しかし、上記の方法では、反応溶媒としてクロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン等の通常の工業的な製造法では使用しない溶媒を用いる等、工業的製造法としては必ずしも満足のいくものではなかった。
又、上記文献では、塩化メチルトリオクチルアンモニウム塩等のアルキル系アンモニウム塩を使用して酸化触媒を調製しているが、該酸化触媒は有機溶媒への分配率が高く、有機相に溶けている生成物との分離が難しく、そのため、酸化触媒の分離、再利用という点では問題がある。
シリカゲル等に酸化触媒を担持させる方法等も報告されているが、反応に使用する溶媒およびpH条件等によっては酸化触媒が遊離してしまうため、必ずしも満足いくものではない(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
また、種々のアンモニウム塩を使用した触媒の分離、再利用が報告されているものの、反応溶媒としてリン酸エステル類等との混合有機溶媒を用いており、また原料オレフィンに対する反応の転化率も低く、工業的にはさらに好ましい酸化触媒が望まれている(特許文献3参照。)。
ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 53巻 p.1553―1557(1988年) ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 53巻 p.3587−3595(1988年) 特開2001−17863号公報 特開2001−17864号公報 国際公開第02/44110号パンフレット
本発明はクリーンで工業的に有利なオキシラン化合物の製造方法及び該製造方法に用いる、反応液からの分離、再利用に優れたオレフィンの酸化触媒を提供する事にある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行なった結果、含フッ素4級アンモニウム塩を用いて酸化触媒を調製し、該酸化触媒を用いることにより、過酸化水素によるオキシラン化反応において、通常工業的に使用する溶媒系においても同様に反応が進行すること、又、該酸化触媒は、有機溶媒および水への溶解度が低いために、担持等の方法を用いることなく、反応系からろ過により分離出来、再利用可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、タングステン化合物及び式(2)
Figure 0004328950
(式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5、R6、R7、R8及びR9の何れか2つが一緒になって、1又は2の縮合ベンゼン環を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒に関するものであり、又、タングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)
Figure 0004328950
(式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5、R6、R7、R8及びR9の何れか2つが一緒になって、1又は2の縮合ベンゼン環を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒に関するものであり、又、式(1)
Figure 0004328950
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フェニル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基(該C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基(該C1-6アルキルカルボニル基及びC1-6アルコキシカルボニル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)又はフェノキシカルボニル基(該フェノキシカルボニル基は、ハロゲン原子、フェニル基、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味するか、或いは、R、R、R及びRの何れか2つが一緒になって、-(CH2)m-(式中、mは、3,4又は5を意味する。)、-CO2(CH2)n-(式中、nは、1,2又は3を意味する。)、-CO(CH2)o-(式中、oは、2,3又は4を意味する。)、-(CH2)p-O-(CH2)q-(式中、p及びqは、それぞれ独立に0,1,2,3又は4であるが、pとqの総和は、2,3又は4を意味する。)、
Figure 0004328950
を意味する。)で表されるオレフィン類を、タングステン化合物及び式(2)
Figure 0004328950
(式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5、R6、R7、R8及びR9の何れか2つが一緒になって、1又は2の縮合ベンゼン環を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒又はタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒の存在下、過酸化水素で処理することを特徴とする式(3)
Figure 0004328950
(式中、R、R、R及びRは上記と同じ。)で表されるオキシラン化合物の製造方法に関するものであり、又、式(1)
Figure 0004328950
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フェニル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基(該C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基(該C1-6アルキルカルボニル基及びC1-6アルコキシカルボニル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)又はフェノキシカルボニル基(該フェノキシカルボニル基は、ハロゲン原子、フェニル基、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味するか、或いは、R、R、R及びRの何れか2つが一緒になって、-(CH2)m-(式中、mは、3,4又は5を意味する。)、-CO2(CH2)n-(式中、nは、1,2又は3を意味する。)、-CO(CH2)o-(式中、oは、2,3又は4を意味する。)、-(CH2)p-O-(CH2)q-(式中、p及びqは、それぞれ独立に0,1,2,3又は4であるが、pとqの総和は、2,3又は4を意味する。)、
Figure 0004328950
を意味する。)で表されるオレフィン類を、タングステン酸類、リン酸、式(2)
Figure 0004328950
(式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5、R6、R7、R8及びR9の何れか2つが一緒になって、1又は2の縮合ベンゼン環を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩及び過酸化水素で処理することを特徴とする式(3)
Figure 0004328950
(式中、R、R、R及びRは上記と同じ。)で表されるオキシラン化合物の製造方法に関するものである。
以下、更に詳細に本発明を説明する。
尚、本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを「s」はセカンダリーを「t」はターシャリーを「c」はシクロを意味する。
まず、R、R、R、R、R、R、R、R、R9、R10及びXにおける各置換基の語句について説明する。
1−6アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、1-メチル-n-ブチル、2-メチル-n-ブチル、3-メチル-n-ブチル、1,1-ジメチル-n-プロピル、1,2-ジメチル-n-プロピル、2,2-ジメチル-n-プロピル、1-エチル-n-プロピル、n-ヘキシル、1-メチル-n-ペンチル、2-メチル-n-ペンチル、3-メチル-n-ペンチル、4-メチル-n-ペンチル、1,1-ジメチル-n-ブチル、1,2-ジメチル-n-ブチル、1,3-ジメチル-n-ブチル、2,2-ジメチル-n-ブチル、2,3-ジメチル-n-ブチル、3,3-ジメチル-n-ブチル、1-エチル-n-ブチル、2-エチル-n-ブチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル、1-エチル-1-メチル-n-プロピル及び1-エチル-2-メチル-n-プロピル等が挙げられる。
1−10アルキル基としては、上記に加え、1−メチル−1−エチル−n−ペンチル、1−ヘプチル、2−ヘプチル、1−エチル−1,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−2,2−ジメチル−n−プロピル、1−オクチル、3−オクチル、4−メチル−3−n−ヘプチル、6−メチル−2−n−ヘプチル、2−プロピル−1−n−ヘプチル、2,4,4−トリメチル−1−n−ペンチル、1−ノニル、2−ノニル、2,6−ジメチル−4−n−ヘプチル、3−エチル−2,2−ジメチル−3−n−ペンチル、3,5,5−トリメチル−1−n−へキシル、1−デシル、2−デシル、4−デシル、3,7−ジメチル−1−n−オクチル及び3,7−ジメチル−3−n−オクチル等が挙げられる。
1−15アルキル基としては、上記に加え、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル及びn-ペンタデシル等が挙げられる。
3−10シクロアルキル基としては、c-プロピル、c-ブチル、1-メチル-c-プロピル、2-メチル-c-プロピル、c-ペンチル、1-メチル-c-ブチル、2-メチル-c-ブチル、3-メチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-プロピル、2,3-ジメチル-c-プロピル、1-エチル-c-プロピル、2-エチル-c-プロピル、c-ヘキシル、1-メチル-c-ペンチル、2-メチル-c-ペンチル、3-メチル-c-ペンチル、1-エチル-c-ブチル、2-エチル-c-ブチル、3-エチル-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-ブチル、1,3-ジメチル-c-ブチル、2,2-ジメチル-c-ブチル、2,3-ジメチル-c-ブチル、2,4-ジメチル-c-ブチル、3,3-ジメチル-c-ブチル、1-n-プロピル-c-プロピル、2-n-プロピル-c-プロピル、1-i-プロピル-c-プロピル、2-i-プロピル-c-プロピル、1,2,2-トリメチル-c-プロピル、1,2,3-トリメチル-c-プロピル、2,2,3-トリメチル-c-プロピル、1-エチル-2-メチル-c-プロピル、2-エチル-1-メチル-c-プロピル、2-エチル-2-メチル-c-プロピル、2-エチル-3-メチル-c-プロピル、c-ヘプチル、c-オクチル、c-ノニル及びc-デシル等が挙げられる。
1−6アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、1-メチル-n-ブトキシ、2-メチル-n-ブトキシ、3-メチル-n-ブトキシ、1,1-ジメチル-n-プロポキシ、1,2-ジメチル-n-プロポキシ、2,2-ジメチル-n-プロポキシ、1-エチル-n-プロポキシ、n-ヘキシルオキシ、1-メチル-n-ペンチルオキシ、2-メチル-n-ペンチルオキシ、3-メチル-n-ペンチルオキシ、4-メチル-n-ペンチルオキシ、1,1-ジメチル-n-ブトキシ、1,2-ジメチル-n-ブトキシ、1,3-ジメチル-n-ブトキシ、2,2-ジメチル-n-ブトキシ、2,3-ジメチル-n-ブトキシ、3,3-ジメチル-n-ブトキシ、1-エチル-n-ブトキシ、2-エチル-n-ブトキシ、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-n-プロポキシ、1-エチル-1-メチル-n-プロポキシ及び1-エチル-2-メチル-n-プロポキシ等が挙げられる。
1−10アルコキシ基としては、上記に加え、1−メチル−1−エチル−n−ペンチルオキシ、1−ヘプチルオキシ、2−ヘプチルオキシ、1−エチル−1,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−オクチルオキシ、3−オクチルオキシ、4−メチル−3−n−ヘプチルオキシ、6−メチル−2−n−ヘプチルオキシ、2−プロピル−1−n−ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチル−1−n−ペンチルオキシ、1−ノニルオキシ、2−ノニルオキシ、2,6−ジメチル−4−n−ヘプチルオキシ、3−エチル−2,2−ジメチル−3−n−ペンチルオキシ、3,5,5−トリメチル−1−n−へキシルオキシ、1−デシルオキシ、2−デシルオキシ、4−デシルオキシ、3,7−ジメチル−1−n−オクチルオキシ及び3,7−ジメチル−3−n−オクチルオキシ等が挙げられる。
1−6アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、i-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、i-ブチルカルボニル、s-ブチルカルボニル、t-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、1-メチル-n-ブチルカルボニル、2-メチル-n-ブチルカルボニル、3-メチル-n-ブチルカルボニル、1,1-ジメチル-n-プロピルカルボニル、1,2-ジメチル-n-プロピルカルボニル、2,2-ジメチル-n-プロピルカルボニル、1-エチル-n-プロピルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、1-メチル-n-ペンチルカルボニル、2-メチル-n-ペンチルカルボニル、3-メチル-n-ペンチルカルボニル、4-メチル-n-ペンチルカルボニル、1,1-ジメチル-n-ブチルカルボニル、1,2-ジメチル-n-ブチルカルボニル、1,3-ジメチル-n-ブチルカルボニル、2,2-ジメチル-n-ブチルカルボニル、2,3-ジメチル-n-ブチルカルボニル、3,3-ジメチル-n-ブチルカルボニル、1-エチル-n-ブチルカルボニル、2-エチル-n-ブチルカルボニル、1,1,2-トリメチル-n-プロピルカルボニル、1,2,2-トリメチル-n-プロピルカルボニル、1-エチル-1-メチル-n-プロピルカルボニル及び1-エチル-2-メチル-n-プロピルカルボニル等が挙げられる。
1−6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、i-ブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル、1-メチル-n-ブトキシカルボニル、2-メチル-n-ブトキシカルボニル、3-メチル-n-ブトキシカルボニル、1,1-ジメチル-n-プロポキシカルボニル、1,2-ジメチル-n-プロポキシカルボニル、2,2-ジメチル-n-プロポキシカルボニル、1-エチル-n-プロポキシカルボニル、n-ヘキシルオキシカルボニル、1-メチル-n-ペンチルオキシカルボニル、2-メチル-n-ペンチルオキシカルボニル、3-メチル-n-ペンチルオキシカルボニル、4-メチル-n-ペンチルオキシカルボニル、1,1-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、1,2-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、1,3-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、2,2-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、2,3-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、3,3-ジメチル-n-ブトキシカルボニル、1-エチル-n-ブトキシカルボニル、2-エチル-n-ブトキシカルボニル、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシカルボニル、1,2,2-トリメチル-n-プロポキシカルボニル、1-エチル-1-メチル-n-プロポキシカルボニル及び1-エチル-2-メチル-n-プロポキシカルボニル等が挙げられる。
6−10アリール基としては、フェニル基、1−インデニル基、2−インデニル基、3−インデニル基、4−インデニル基、5−インデニル基、6−インデニル基、7−インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−テトラヒドロナフチル基、2−テトラヒドロナフチル基、5−テトラヒドロナフチル基及び6−テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
次に、R、R、R、R、R、R、R、R、R9、R10及びXの具体例につき説明する。
R、R、R及びRの具体例としては、水素原子、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、c-ヘキシル、フェニル、クロロメチル、ブロモメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、フェノキシメチル、カルボキシル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル、n-ヘキシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル等が挙げられる。
R、R、R及びRの何れか2つが一緒になった具体例としては、
Figure 0004328950
等が挙げられる。
Xの具体例としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、塩素が好ましい。
R10の具体例としては、CF3-、F(CF2)2-、F(CF2)3-、F(CF2)4-、F(CF2)5-、F(CF2)6-、F(CF2)-、F(CF2)8-、F(CF2)9-、F(CF2)10-、(CF3)2CF-、(CF3)2CF(CF2)2-、(CF3)2CF(CF2)4-、(CF3)2CF(CF2)6-、H(CF2)2-、H(CF2)4-、H(CF2)6-、H(CF2)8-、CF3CHFCF2-及び(CF3)2C(CH3)-等が挙げられ、H(CF2)4-、H(CF2)6-、H(CF2)8-、F(CF2)4-、F(CF2)6-、F(CF2)8-及びF(CF2)10-等が好ましい。
R5、R6、R7、R及びR9の具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、i-ブチルオキシ、s-ブチルオキシ、t-ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、n-ノニルオキシ、n-デシルオキシ、ベンジルオキシ、ベンジル及び3−フェニルプロピル等が挙げられ、水素原子が好ましい。
R5、R6、R7、R及びR9の何れか2つが一緒になって、1又は2の縮合ベンゼン環を形成する具体例としては、R5とR6が一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成する場合、R6とR7が一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成する場合並びにR5とR6及びRとR9の両方がそれぞれ一緒になってそれぞれ−CH=CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH=CH−を形成する場合が挙げられる。
好ましい、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩としては以下に示す化合物が挙げられる。
1)R10がH(CF2)4-、H(CF2)6-、H(CF2)8-、F(CF2)4-、F(CF2)6-、F(CF2)8-又はF(CF2)10-である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
2)R10がH(CF2)4-、H(CF2)6-又はH(CF2)8-であり、rが1である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
3)R10がF(CF2)4-、F(CF2)6-、F(CF2)8-又はF(CF2)10-であり、rが2である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
4)R5、R6、R7、R及びR9が水素原子である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
5)R10がH(CF2)4-、H(CF2)6-、H(CF2)8-、F(CF2)4-、F(CF2)6-、F(CF2)8-又はF(CF2)10-であり、R5、R6、R7、R及びR9が水素原子である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
6)R10がH(CF2)4-、H(CF2)6-又はH(CF2)8-であり、rが1であり、R5、R6、R7、R及びR9が水素原子である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
7)R10がF(CF2)4-、F(CF2)6-、F(CF2)8-又はF(CF2)10-であり、rが2であり、R5、R6、R7、R及びR9が水素原子である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩。
タングステン化合物としては、12−タングストリン酸、12−タングストリン酸のナトリウム塩、12−タングストリン酸のカリウム塩及び12−タングストリン酸のアンモニウム塩等が挙げられ、12−タングストリン酸が好ましい。
尚、12−タングストリン酸の塩は、12−タングストリン酸から容易に製造することができる。
タングステン酸類としては、タングステン酸、タングステン酸のナトリウム塩、タングステン酸のカリウム塩及びタングステン酸のアンモニウム塩等が挙げられ、タングステン酸が好ましい。
本発明の、タングステン化合物及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒並びにタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒は、 ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 53巻 1553―1557項(1988年)、及び同誌 53巻 3587−3593項(1988年)に記載されている方法と同様にして製造することができる。
本発明の、タングステン化合物及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒について説明する。
該酸化触媒は、溶媒で希釈した(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩の溶液にタングステン化合物の水溶液を滴下するか又はタングステン化合物の水溶液に溶媒で希釈した(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩の溶液を滴下することにより製造することができる。
使用するタングステン化合物の量としては、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩に対し、2.5〜3.5モル当量である。
使用する溶媒としては、反応に関与しないものであれば、特に限定はしないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、N,N'-ジメチルイミダゾリジノン等のウレア類、水及びこれら溶媒の混合物が挙げられ、水、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびこれら溶媒の混合物が好ましい。
その際の反応の温度は0〜100℃が挙げられる。
タングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒は、過酸化水素の水溶液にタングステン酸類を加え、加温した後、室温下でリン酸を加え、水で希釈した後、溶媒で希釈した式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩の溶液を滴下することにより製造することができる。
使用する過酸化水素は市販の水溶液をそのまま、または希釈して使用でき、その使用量は、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩に対し、2〜50モル当量、好ましくは、2〜30モル当量である。
使用するタングステン酸類の量としては、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩に対し、1〜3モル当量である。
使用するリン酸の量としては、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩に対し、0.3〜1モル当量である。
使用する溶媒としては、反応に関与しないものであれば、特に限定はしないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、N,N'-ジメチルイミダゾリジノン等のウレア類及びこれら溶媒の混合物が挙げられ、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびこれら溶媒の混合物が好ましい。
加温の温度は40〜80℃が挙げられる。
上述の製造法により調製されたタングステン化合物及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒並びにタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒は、使用した溶媒が、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒の場合、通常、溶媒に溶解しているため、反応後、水相を取り除き、溶媒を留去すれば、オレフィンの酸化触媒を単離することができる。
尚、オレフィンの酸化触媒を溶媒に溶解した溶液のまま、式(3)で表されるオキシラン化合物の製造に用いることもできる。
使用する溶媒が、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類又はヘキサン、ヘプタン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類の場合、生成するオレフィンの酸化触媒は、通常、溶媒に溶解しないため、水相、有機相、触媒相の3相を形成する。
この場合、反応後、水相及び有機相を取り除けば、オレフィンの酸化触媒を単離することができる。
溶媒として水を使用する場合も、生成するオレフィンの酸化触媒は、通常、溶媒に溶解しないため、濾過又は水を取り除くことにより、オレフィンの酸化触媒を単離することができる。
本発明のタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒の構造については、 ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.) 53巻 1553―1557項(1988年)の記載から、以下に示す構造である可能性が示唆される。
Figure 0004328950
又、タングステン化合物及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒の構造については、以下に示す構造である可能性が示唆される。
Figure 0004328950
次に、本発明のオレフィンの酸化触媒を用いる、式(3)で表されるオキシラン化合物の製造方法について説明する。
即ち、式(1)で表されるオレフィン類を有機溶媒中、本発明のタングステン化合物及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒又はタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒の存在下、過酸化水素で処理することにより、式(3)で表されるオキシラン化合物を製造することができる。
使用する本発明のオレフィンの酸化触媒の使用量は、本発明のオレフィンの酸化触媒を製造する際に用いた含フッ素4級アンモニウム塩の使用量で表すと、式(1)で表されるオレフィン類に対し、0.03〜15モル%があげられる。
使用する溶媒としては、反応に関与しないものであれば、特に限定はしないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、N,N'-ジメチルイミダゾリジノン等のウレア類及びこれら溶媒の混合物が挙げられ、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびこれら溶媒の混合物が好ましい。
反応温度は0〜150℃が挙げられ、オキシラン化合物の合成には90℃以下が好ましい。
反応系内のpHとしては特に限定するものではないが、好ましくは0.5〜7が挙げられる。
反応溶液のpHのコントロールは、pHメーターで確認しながら、リン酸水溶液又は水酸化ナトリウムの水溶液を適量加えることにより行うことができる。
反応は常圧でも加圧下でも行う事ができる。
反応終了後、生成物を含んだ有機相と使用した触媒をろ過操作により容易に分離できる。
目的生成物は必要に応じ蒸留およびカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を得る事ができる。
本反応は、通常、過酸化水素の水溶液(過酸化水素水)を使用するため、水に溶解しない溶媒を使用する場合、有機相と水相が分離することになる。
上記の場合、本発明のオレフィンの酸化触媒は、通常、有機溶媒への溶解性が低く、且つ水への溶解度も高くないために、多くの場合、有機相、触媒相及び水相の3相に分離した状態のまま反応が進行することになる。
有機相には触媒が殆ど溶解していないため、反応後に有機相のみを取り出すだけで、式(3)で表されるオキシラン化合物の溶液を得ることができる。
即ち、含フッ素4級アンモニウム塩を用いてオレフィンの酸化触媒を調製することにより、オレフィンの酸化触媒の分離を容易にすることができる。
又、反応後にろ過により回収した酸化触媒に、式(1)で表されるオレフィン類及び過酸化水素を加えることにより再び式(3)で表されるオキシラン化合物を製造することができる。
即ち、本発明の製造法を用いることにより、オレフィンの酸化触媒の再利用も可能となる。
又、水に溶解する溶媒を使用する場合、通常、均一系の反応となるが、反応終了後に、水及び水に溶解しない溶媒を加えて、相を分離させることにより、上述のように、オレフィンの酸化触媒の分離及び再利用を可能とすることができる。
次に、本発明のタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒を別途調製することなく、式(3)で表されるオキシラン化合物を製造する方法について説明する。
上述の製造方法は、下記の反応スキームで表される。
Figure 0004328950
(式中、R、R、R、R、R5、R6、R7、R8、R9、R10、r及びXは前記と同じ意味を表す。)
即ち、式(1)で表されるオレフィン類を有機溶媒中、タングステン酸、リン酸、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩及び過酸化水素で処理することにより、式(3)で表されるオキシラン化合物を製造することができる。
使用する、タングステン酸、リン酸、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩及び過酸化水素の添加順序は特に限定しない。
使用する含フッ素4級アンモニウム塩の量としては、式(1)で表されるオレフィン類に対し、0.003〜0.15モル当量があげられる。
使用するタングステン酸の量としては、式(1)で表されるオレフィン類に対し、0.004〜0.20モル当量である。
使用するリン酸の量としては、式(1)で表されるオレフィン類に対し、0.001〜0.05モル当量である。
過酸化水素は市販の水溶液をそのまま、または希釈して使用でき、その使用量は、式(1)で表されるオレフィン類に対し、0.5〜3モル当量、好ましくは、0.8〜1.5モル当量である。
尚、反応条件については、本発明のタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒を用いる、式(3)で表されるオキシラン化合物の製造方法と同様の条件で反応を行うことができる。
又、生成物の単離精製、及びオレフィンの酸化触媒の分離及び再利用についても本発明のオレフィンの酸化触媒を用いる、式(3)で表されるオキシラン化合物の製造方法と同様である。
本発明に使用する、式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩は、一般的な4級アンモニウム塩の合成法に従って、下記に示す方法により製造することができる。
Figure 0004328950
即ち、ピリジン類(4)と含フッ素アルキルハライド類(5)を反応させることにより式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩を製造することができる。
又、イオン交換樹脂等を用いることにより、含フッ素4級アンモニウム塩の塩を交換することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、ICP発光分析装置としては、SPS1200A(セイコーインスツルメンツ製)を用いた。
又、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン及び3,4-エポキシトリシクロデカンは以下の条件で分析した。
分析機器:GC(ガスクロマトグラフィー)
分析条件:カラム;HP-INNOWax(30.0m×320μm×0.25μm)、オーブン;100℃(2min.保持)20℃/min.(昇温)250℃(5min.保持)、圧力;58.7kPa、カラム流量;1.4mL/min.、カラム平均線速度;27cm/sec、スプリット比;40: 1、注入口温度;240℃、検出器温度;240℃、内部標準物質;テレフタル酸ジエチル
参考例1(F(CF2)8C2H4N(C5H5)Cl-の合成)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた30 mlのフラスコに、2‐(ペルフルオロオクチル)エチルヨージド(F(CF2)8C2H4I)2.87 g(5.00 mmol) とピリジン3.96 g(50.0 mmol)をそれぞれ仕込み、撹拌、加熱を開始した。100 ℃で6時間攪拌した後、固体が析出するまで放冷した。生じた固体をエーテルで洗浄することで、淡黄色固体として2‐(ペルフルオロオクチル)エチルピリジニウムヨージド(F(CF2)8C2H4N(C5H5)I-)が3.03 g(92.8%)得られた。
ヨウ化物塩1.63g(2.50 mmol) の入った500 mLフラスコにイオン交換樹脂(Amberlite IRA-400)12.5 mLと水62.5 mLを加え、室温で終夜攪拌した。イオン交換樹脂をろ別し、水で十分に洗浄した後に、得られたろ液と洗液を合わせて濃縮したところ、淡褐色固体として2‐(ペルフルオロオクチル)エチルピリジニウムクロリド(F(CF2)8C2H4N(C5H5)Cl-)が1.31 g(93.3%)得られた。
参考例2(F(CF2)10C2H4N(C5H5)Cl-の合成)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた30 mlのフラスコに、2‐(ペルフルオロデシル)エチルピリジニウムヨージド(F(CF2)10C2H4I)3.37 g(5.00 mmol) とピリジン3.96 g(50.0 mmol)をそれぞれ仕込み、撹拌、加熱を開始した。100 ℃で6時間攪拌した後、固体が析出するまで放冷した。生じた固体をエーテルで洗浄することで、淡黄色固体として2‐(ペルフルオロデシル)エチルピリジニウムヨージド(F(CF2)10C2H4N(C5H5)I-)が3.39 g(90.1%)得られた。
ヨウ化物塩1.88g(2.50 mmol) の入った500 mLフラスコにイオン交換樹脂(Amberlite IRA-400)12.5 mLと水62.5 mLを加え、室温で終夜攪拌した。イオン交換樹脂をろ別し、水で十分に洗浄した後に、得られたろ液と洗液を合わせて濃縮したところ、淡褐色固体として2‐(ペルフルオロデシル)エチルピリジニウムヨージド(F(CF2)10C2H4N(C5H5)Cl-)が1.48 g(89.5%)得られた。
参考例3([F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)]+I-の合成)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた100 mLのフラスコに、2‐(ペルフルオロブチル)エチルヨージド(F(CF2)4C2H4I)7.48 g(20.0 mmol) と4-ベンジルピリジン3.38 g(20.0 mmol)をそれぞれ仕込み、撹拌、加熱を開始した。120 ℃で24時間攪拌した後、固体が析出するまで放冷した。生じた固体をエーテルで洗浄することで、表題の2‐(ペルフルオロブチル)エチル(4-ベンジル)ピリジニウムヨージド[F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)]+I-を淡黄色固体として9.70g(89.3%)得た。
Calcd: C 39.80,H 2.78, N 2.58. Found: C 40.03, H 2.83, N 2.68.
1H NMR(CDCl3, 300 MHz) δ3.05(tt, 3JHH=6.0 Hz, 3JHF=18Hz, 2H), 4.28(s, 2H), 5.45(t, 3JHH=6.0 Hz, 2H),7.20(d, 3JHH=6.9 Hz, 2H), 7.3-7.5(m, 3H), 7.85(d, 3JHH=6.9Hz, 2H), 9.38(d, 3JHH=6.9 Hz, 2H).
19F NMR(CDCl3, 376 MHz) δ-81.45,-113.31, -124.50, -126.38.
参考例4([F(CF2)6C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)]+I-の合成)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた100 mLのフラスコに、2‐(ペルフルオロヘキシル)エチルヨージド(F(CF2)6C2H4I)9.48 g(20.0 mmol) と4-ベンジルピリジン3.38 g(20.0 mmol)をそれぞれ仕込み、撹拌、加熱を開始した。120 ℃で24時間攪拌した後、固体が析出するまで放冷した。生じた固体をエーテルで洗浄することで、表題の2‐(ペルフルオロヘキシル)エチル(4-ベンジル)ピリジニウムヨージド[F(CF2)6C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)]+I-を淡黄色固体として11.5g(89.4%)得た。
Calcd: C 37.34, H 2.35, N 2.18. Found: C 37.61, H, 2.37, N 2.37.
1H NMR(CDCl3, 300 MHz) δ3.05(tt,3JHH=6.0 Hz, 3JHF=18Hz, 2H), 4.28(s, 2H), 5.43(t, 3JHH=6.0 Hz, 2H),7.20(d, 3JHH=6.9 Hz, 2H), 7.3-7.5(m, 3H), 7.84(d, 3JHH=6.9Hz, 2H), 9.40(d, 3JHH=6.9 Hz, 2H).
19F NMR(CDCl3, 376 MHz) δ-81.27,-113.09, -122.26, -123.33, -123.54, -126.64.
実施例1(酸化触媒[F(CF2)8C2H4N(C5H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-の製造)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50mlのナスフラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 1.250g (5.00mmol)と35%過酸化水素水 3.00 mLを加え、60 ℃で3時間攪拌した。生じた白色懸濁液を室温まで冷却した後、85%リン酸( H3PO4)0.114 g (0.4mmol) と水15 mLを加えた。この溶液に2‐(ペルフルオロオクチル)エチルピリジニウムクロリド(F(CF2)8C2H4N(C5H5)Cl-)1.40 g (2.50 mmol)のトルエン(20 mL)けん濁液を添加した。室温で終夜攪拌した後に、残存固体を濾取した。この固体を水およびトルエンで洗浄したのち、乾燥することで、表題の酸化触媒を淡黄色固体として2.49g(88.1%) 得た。
IR(KBr disk) 1636, 1492, 1241, 1206(C-F), 1148, 1116, 951, 837, 778,704, 684, 657, 555, 487 cm-1
C45H27F51N3O24PW4
Calcd: C,19.81; H, 1.00; N, 1.54. Found: C, 19.70; H, 1.16; N, 1.48.
実施例2(酸化触媒[F(CF2)10C2H4N(C5H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-の製造)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50mlのナスフラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 1.250g (5.00mmol)と35%過酸化水素水 3.00 mLを加え、60 ℃で3時間攪拌した。生じた白色懸濁液を室温まで冷却した後、85%リン酸( H3PO4)0.114 g (0.4mmol) と水15 mLを加えた。この溶液に2‐(ペルフルオロデシル)エチルピリジニウムクロリド(F(CF2)10C2H4N(C5H5)Cl-)1.65 g (2.50 mmol)のトルエン(20 mL)けん濁液を添加した。室温で終夜攪拌した後に、残存固体を濾取した。この固体を水およびトルエンで洗浄したのち、乾燥することで、表題の酸化触媒を淡黄色固体として2.58g(85.3%) 得た。
IR(KBr disk) 1637, 1491, 1241, 1211(C-F), 1152, 1078, 952, 883, 838,776, 710, 685, 663, 644, 554 cm-1
実施例3(酸化触媒[F(CF2)10C2H4N(C5H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-の製造)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた200 mlのナスフラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 1.250g (5.00mmol)と35%過酸化水素水 3.00 mLを加え、60 ℃で3時間攪拌した。生じた白色懸濁液を室温まで冷却した後、85%リン酸( H3PO4)0.114 g (0.4mmol) と水15 mLを加えた。この溶液に2‐(ペルフルオロデシル)エチルピリジニウムヨーヂド(F(CF2)10C2H4N(C5H5)I-)1.88 g (2.50 mmol)を固体のまま30分かけて加え、さらにトルエン(20 mL)を添加した。室温で終夜攪拌した後、残存固体を濾取した。この固体を水、トルエンおよびアセトンで洗浄したのち、乾燥することで、表題の酸化触媒を淡黄色固体として2.02g(80.0%)得た。
IR(KBr disk) 1637, 1491, 1344, 1212(C-F), 1152, 1111, 1078, 952(W=O),883, 776, 710, 684, 663, 664, 554 cm-1
実施例4(酸化触媒[F(CF2)8C2H4N(C5H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-を用いた3,4-エポキシトリシクロデカンの製造)
温度計、ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50mlの4つ口フラスコに、実施例1で製造した表題の酸化触媒0.283 g(0.100 mmol)と5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g(20.0mmol) を仕込んだ。そこにトルエン 3.49gを加えて撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水 2.14g(22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。6時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。12時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率84.2%で得た。
(酸化触媒の再利用1回目)
回収した酸化触媒に、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g (20.0mmol) とトルエン 3.49gを加えて再び撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。6時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。15時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率90.4%で得た。
(酸化触媒の再利用2回目)
再利用1回目で回収した酸化触媒に5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g (20.0mmol) とトルエン 3.49gを加えて撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。6時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。15時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率89.1%で得た。
実施例5(酸化触媒[F(CF2)10C2H4N(C5H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-を用いた3,4-エポキシトリシクロデカンの製造)
温度計、ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50mlの4つ口フラスコに、実施例1で製造した表題の酸化触媒0.303 g(0.100 mmol)と5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g(20.0mmol) を仕込んだ。そこにトルエン 3.49gを加えて撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水 2.14g(22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。6時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を3時間かけて滴下した。18時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水 1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。27時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率80.5%で得た。
(触媒の再利用1回目)
回収した酸化触媒に、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g (20.0mmol) とトルエン 3.49gを加えて再び撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。9時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。24時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率78.7%で得た。
(触媒の再利用2回目)
再利用1回目で回収した酸化触媒に5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン(C10H14)2.68g (20.0mmol) とトルエン3.49gを加えて撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水 2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。24時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。40時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率80.8%で得た。
(触媒の再利用3回目)
再利用2回目で回収した酸化触媒に5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g (20.0mmol) とトルエン 3.49gを加えて撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。12時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水1.07g (11.0mmol) を3時間かけて滴下した。30時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4-エポキシトリシクロデカンを収率85.5%で得た。
実施例6(酸化触媒[F(CF2)8C2H4N(C5H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-を用いた3,4-エポキシトリシクロデカンの製造)
温度計、ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50mlの4つ口フラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 0.3998g(1.6mmol) 、2‐(ペルフルオロオクチル)エチルピリジニウムクロリド(F(CF2)8C2H4N(C5H5)Cl-) 0.674 g(1.2mmol) 、85%リン酸( H3PO4 )0.0461g(0.4mmol) 、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g (20.0mmol) をそれぞれ仕込んだ。そこにトルエン 3.49gを加えて撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。6時間後、原料消費が止まった段階で、再び35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を3時間かけて滴下した。9時間後、原料消費が止まった段階で、更に35%過酸化水素水 2.14g (22.0mmol) を3時間かけて滴下した。12時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4‐エポキシトリシクロデカンを収率63.5%で得た。
(酸化触媒の再利用1回目)
回収した酸化触媒に、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン2.68g (20.0mmol) とトルエン 3.49gを加えて再び撹拌、加熱を開始した。80℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水2.14g (22.0mmol) を滴下し始めた。温度を80℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。上と同様にして、原料消費が止まった段階で35%過酸化水素水を追加し、原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。反応溶液をろ過し、酸化触媒を残渣として回収し、トルエンで洗浄した。ろ液をトルエンで抽出後、有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4‐エポキシトリシクロデカンを収率74.6%で得た。
(酸化触媒の再利用2回目)
再利用1回目の反応で回収した酸化触媒を用いて、同様に再利用2回目を行い、3,4‐エポキシトリシクロデカンを収率77.8%で得た。
(酸化触媒の再利用3回目) 再利用2回目の反応で回収した酸化触媒を用いて、同様に再利用3回目を行い、3,4‐エポキシトリシクロデカンを収率80.5%で得た。
実施例7(酸化触媒[F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-の製造)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた500 mlのナスフラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 6.25g (25.0mmol)と35%過酸化水素水 15.0 mLを加え、60 ℃で1時間攪拌した。生じた白色懸濁液を室温まで冷却した後、85%リン酸( H3PO4)0.720 g (6.25mmol) と水100 mLを加えた。この溶液に参考例3で合成した2‐(ペルフルオロブチル)エチル(4-ベンジル)ピリジニウムヨージド[F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)]+I-9.70 g (17.9 mmol)を加え、さらにトルエン(100 mL)を加えた。室温で終夜攪拌した後に、残存固体を濾取した。この固体を水およびトルエンで洗浄したのち、乾燥することで、表題の酸化触媒13.5g(90.1%)を白色固体として得た。
Calcd: C 27.03,H 1.89, N 1.75, P 1.29, W 30.65. Found: C 28.52, H, 1.93, N 1.89, P 1.23, W30.69.
1H NMR(CD3CN, 300 MHz) δ3.13,5.33, 7.52, 7.61, 7.81, 8.12, 9.26.
19F NMR(CD3CN, 376 MHz) δ-82.35,-113.96, -125.08, -127.06.
実施例8(酸化触媒[F(CF2)6C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-の製造)
ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた500 mlのナスフラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 6.25g (25.0mmol)と35%過酸化水素水 15.0 mLを加え、60 ℃で1時間攪拌した。生じた白色懸濁液を室温まで冷却した後、85%リン酸( H3PO4)0.720 g (6.25mmol) と水100 mLを加えた。この溶液に参考例4で合成した2‐(ペルフルオロヘキシル)エチル(4-ベンジル)ピリジニウムヨージド[F(CF2)6C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)]+I-11.5g (17.9 mmol)を加え、さらにトルエン(100 mL)を加えた。室温で終夜攪拌した後に、残存固体を濾取した。この固体を水およびトルエンで洗浄し、さらにアセトンで洗浄した後、乾燥することで、表題の酸化触媒8.96g (53.1%) を淡褐色固体として得た。
Calcd: C 26.07,H 1.68, N 1.56, P 1.15, 27.24. Found: C 27,43, H, 1.70, N 1.65, P 1.26, W30.04.
1H NMR(CD3CN, 300 MHz) δ3.13,5.30, 7.53, 7.64, 7.82, 8.13, 9.21.
19F NMR(CD3CN, 376 MHz) δ-82.13,-113.86, -122.86, -123.85, -124.16, -127.19.
実施例9(酸化触媒[F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-を用いた3,4-エポキシトリシクロデカンの製造)
温度計、ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50 mLの4つ口フラスコに、実施例7で調製した酸化触媒[F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3 [PO4[W(O)(O2)2]4]3-0.24g (0.10 mmol) と5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン( C10H14 )2.68 g (20.0 mmol)をそれぞれ仕込んだ。そこにトルエン 3.49 gを加えて撹拌、加熱を開始した。80 ℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水 2.14 g (22.0mmol) を滴下し始め、温度を80 ℃に保持したまま、3時間かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。2時間後、GCにおいて原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却した。この反応混合物をろ過し、ろ別された触媒をトルエン(100mL)で洗浄した。洗液とろ液をトルエン(100 mL)で抽出し、GC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4‐エポキシトリシクロデカン(C10H14O )を収率94.5%で得た。
(触媒の再利用1回目)
上記操作でろ別回収した触媒を、再び、温度計、ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50 mLの4つ口フラスコに入れ、そこに5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン( C10H14 )2.68g (20.0 mmol) とトルエン 3.49 gを加えて撹拌、加熱を開始した。80 ℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水 2.14 g (22.0mmol) を滴下し始め、上記と同様にして、原料のピークが消失した段階で、反応を停止し、冷却、ろ過、分液、定量分析を行った。その結果、再利用1回目は5時間で原料が全て消失し、3,4‐エポキシトリシクロデカンが収率92.9%で得られた。
(触媒の再利用2回目)
再利用1回目で回収した触媒を用いて、再利用2回目を行なった結果、原料は7時間で消失し、3,4‐エポキシトリシクロデカンが収率91.8%で得られた。
実施例10(酸化触媒[F(CF2)6C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3[PO4[W(O)(O2)2]4]3-を用いた3,4-エポキシトリシクロデカンの製造)
酸化触媒[F(CF2)4C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3 [PO4[W(O)(O2)2]4]3-の替わりに実施例8で調製した酸化触媒[F(CF2)6C2H4N(C5H4)-4-CH2(C6H5)+]3 [PO4[W(O)(O2)2]4]3-0.27g (0.10 mmol)を用いること以外は実施例9と同様の操作を行なった。その結果、1回目の反応は5時間で原料が全て消失し、3,4‐エポキシトリシクロデカンが収率94.6%で得られた。
(触媒の再利用1回目)
回収した触媒を用いて、再利用1回目を行なった結果、原料は6時間で消失し、3,4‐エポキシトリシクロデカンが収率88.6%で得られた。
比較例1(3,4‐エポキシトリシクロデカンの合成:アルキル系4級アンモニウム塩;生成物と触媒相の分離と再利用)
温度計、ジムロート冷却器、撹拌装置を備えた50mlの4つ口フラスコに、タングステン酸( H2WO4 ) 0.4997g(2.0mmol) 、塩化メチルトリオクチルアンモニウム( (C8H17)3N+CH3Cl-)0.6736g (1.5mmol) 、85%リン酸( H3PO4 )0.0576g(0.5mmol) 、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン( C10H14 )13.42g (100.0mmol)をそれぞれ仕込んだ。そこにトルエン 19.06gを加えて撹拌、加熱を開始した。50℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水 10.69g(110.0mmol) を滴下し始めた。温度を50℃に保持したまま、30分かけて滴下した。滴下終了後、GCにおいて反応追跡を行った。1時間後、原料のピークが消失した段階で、反応を停止し冷却、静置した。2相に分離した反応混合物から上層(有機相)を抜き出し、その有機相をGC内部標準法により定量分析を行い、生成物の収率を求めた。その結果、3,4‐エポキシトリシクロデカン(C10H14O )を収率96.1%で得た。
(触媒相の分離)
触媒相は溶解しており、分離しない。
(水相の再利用1回目)
触媒相が分離しないため、上記反応で残った下層(水相)に、5,6‐ジヒドロジシクロペンタジエン13.42g (100.0mmol) 、トルエン 19.06g を加えて再び撹拌、加熱し、50℃まで昇温された時点で、35%過酸化水素水10.69g (110.0mmol) を滴下し始めた。温度を50℃に保持したまま、30分かけて滴下した。上と同様にして、GCにおいて反応追跡を行った。1時間後、原料はほとんど消費されず、3時間後まで攪拌を行っても変わらなかった。反応を停止し冷却、静置、分液、定量分析を行った。その結果、生成物3,4‐エポキシトリシクロデカンが収率0.3%しか得られなかった。
本発明方法によれば、経済的でかつ、クリーンな酸化剤である過酸化水素を用いて目的のオキシラン化合物を得て、なおかつ使用した触媒を容易に分離、再利用することができる。

Claims (6)

  1. 12−タングストリン酸、12−タングストリン酸のナトリウム塩、12−タングストリン酸のカリウム塩または12−タングストリン酸のアンモニウム塩及び式(2)
    Figure 0004328950

    (式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5とR6 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 6 とR 7 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 5 とR 6 及びR 8 とR 9 両方がそれぞれ一緒になってそれぞれ−CH=CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH=CH−を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒。
  2. タングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)
    Figure 0004328950

    (式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5とR6 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 6 とR 7 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 5 とR 6 及びR 8 とR 9 両方がそれぞれ一緒になってそれぞれ−CH=CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH=CH−を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒。
  3. R5、R6、R7、R8及びR9が水素原子である式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩を用いる請求項1又は請求項2記載のオレフィンの酸化触媒。
  4. 式(1)
    Figure 0004328950

    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フェニル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基(該C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基(該C1-6アルキルカルボニル基及びC1-6アルコキシカルボニル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)又はフェノキシカルボニル基(該フェノキシカルボニル基は、ハロゲン原子、フェニル基、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味するか、或いは、R、R、R及びRの何れか2つが一緒になって、-(CH2)m-(式中、mは、3,4又は5を意味する。)、-CO2(CH2)n-(式中、nは、1,2又は3を意味する。)、-CO(CH2)o-(式中、oは、2,3又は4を意味する。)、-(CH2)p-O-(CH2)q-(式中、p及びqは、それぞれ独立に0,1,2,3又は4であるが、pとqの総和は、2,3又は4を意味する。)を意味するか、またはR 1 とR 4 とが一緒になって、
    Figure 0004328950
    意味する。)で表されるオレフィン類を、12−タングストリン酸、12−タングストリン酸のナトリウム塩、12−タングストリン酸のカリウム塩または12−タングストリン酸のアンモニウム塩及び式(2)
    Figure 0004328950

    (式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5とR6 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 6 とR 7 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 5 とR 6 及びR 8 とR 9 両方がそれぞれ一緒になってそれぞれ−CH=CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH=CH−を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒又はタングステン酸類、リン酸、過酸化水素及び式(2)で表される含フッ素4級アンモニウム塩より調製されるオレフィンの酸化触媒の存在下、過酸化水素で処理することを特徴とする式(3)
    Figure 0004328950

    (式中、R、R、R及びRは上記と同じ。)で表されるオキシラン化合物の製造方法。
  5. 式(1)
    Figure 0004328950

    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、フェニル基、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基(該C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基(該C1-6アルキルカルボニル基及びC1-6アルコキシカルボニル基は、何れも、ハロゲン原子、フェニル基、水酸基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)又はフェノキシカルボニル基(該フェノキシカルボニル基は、ハロゲン原子、フェニル基、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい。)を意味するか、或いは、R、R、R及びRの何れか2つが一緒になって、-(CH2)m-(式中、mは、3,4又は5を意味する。)、-CO2(CH2)n-(式中、nは、1,2又は3を意味する。)、-CO(CH2)o-(式中、oは、2,3又は4を意味する。)、-(CH2)p-O-(CH2)q-(式中、p及びqは、それぞれ独立に0,1,2,3又は4であるが、pとqの総和は、2,3又は4を意味する。)を意味するか、またはR 1 とR 4 とが一緒になって、
    Figure 0004328950
    意味する。)で表されるオレフィン類を、タングステン酸類、リン酸、式(2)
    Figure 0004328950

    (式中、R10はフッ素原子で置換されたC1-15アルキル基を意味し、rは1又は2を表し、Xはハロゲン原子を意味し、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1-10アルキル基(該C1-10アルキル基は、C6-10アリール基、C1-10アルコキシ基又はベンジルオキシ基で任意に置換されていてもよい。)、C1-10アルコキシ基、ベンジルオキシ基若しくはフェニル基を意味するか又は、R5とR6 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 6 とR 7 とが一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、R 5 とR 6 及びR 8 とR 9 両方がそれぞれ一緒になってそれぞれ−CH=CH−CH=CH−及び−CH=CH−CH=CH−を形成してもよい。)で表される含フッ素4級アンモニウム塩及び過酸化水素で処理することを特徴とする式(3)
    Figure 0004328950

    (式中、R、R、R及びRは上記と同じ。)で表されるオキシラン化合物の製造方法。
  6. R5、R6、R7、R8及びR9が水素原子である請求項4又は請求項5記載のオキシラン化合物の製造方法。
JP2003335169A 2002-10-29 2003-09-26 酸化触媒および該触媒を用いたオキシラン化合物の製造方法。 Expired - Lifetime JP4328950B2 (ja)

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