JP4328559B2 - シュレッダ用紙屑均し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュレッダ用紙屑均し装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のシュレッダは設置面積の省スペース化やデザインの向上を目指して奥行きを薄型化したものが多い。
奥行きの薄型化を達成するために必要とされる一般的な装置構成は、シュレッダの筐体内の上部空間にカッタ機構を配置し、其の駆動源となるモータをカッタ機構の長手方向にオフセットして併設すると共に、カッタ機構およびモータの下方に大容量の回収容器を設置するといったものである。
【0003】
この結果、回収容器内に落下する紙屑はカッタ機構の直下に集中して堆積し、モータの下方に位置する回収容器の部分には紙屑が行き渡りにくくなり、回収容器の容量を十分に生かしきることができず、頻繁にゴミ捨て等の作業が必要となる問題があった。
【0004】
回収容器内における紙屑の分布状態を均一化して容器の回収容量を有効に利用するためのシュレッダ用紙屑均し装置としては、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されるものが公知である。
【0005】
特許文献1のシュレッダでは、カッタ機構の下方に平板状の回転翼を設け、カッタ機構の下方に集中的に堆積した紙屑を回転翼で払い退けて紙屑の分布状態を均一化するようにしていた。
しかし、確実に紙屑を払い退けるためには回転翼の直径を大きくする必要があり、その上方に位置するカッタ機構と回転翼との干渉を防止する必要上、結果的に、シュレッダの上下高さが大型化するといった弊害が生じる。
【0006】
一方、特許文献2のシュレッダ装置では、カッタ機構の下方に水平面内で直線往復運動するスクレーパを設け、往動時にスクレーパを下方に突出させてカッタ機構の下方に堆積した紙屑を払い退ける一方、復動時には、このスクレーパを上方に退避させることで、一旦払い退けられた紙屑が再びカッタ機構の下方に引き戻されるのを防止している。
このものは、スクレーパが水平面内で直線往復運動する構造であるため、シュレッダ装置の上下高さが大型化する心配はない。
しかし、スクレーパの向きを上下に切り替える必要上、往復運動の両端のストロークエンドでスクレーパを他の部材に衝接させてスクレーパを揺動させる必要があり、騒音が発生するといった弊害がある。この騒音はカッタ機構の作動中はそれほど気になるものではないが、スクレーパはカッタ機構の作動が終了した後も所定時間作動を継続するように構成されているので、カッタ機構の作動終了後の騒音が気になる。
また、構造上、取り付けが可能なスクレーパの数は1枚に制限されるので、紙屑の搬送能力にも限界があり、大量の廃棄用紙を連続的に裁断したような場合、紙屑の搬送能力が不足することが考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特願平9−25406号
【特許文献2】
特願2000−352890号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、シュレッダの上下高さを大型化させることなく、騒音レベルも低く、大量の廃棄用紙の連続投入にも対処できる紙屑搬送能力を備えたシュレッダ用紙屑均し装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のシュレッダ用紙屑均し装置は、シュレッダの筐体内のカッタ機構と回収容器との間に配備され、回収容器内においてカッタ機構の下方に集中的に堆積する紙屑を払い退けて回収容器内における紙屑の分布状態を均一化するシュレッダ用紙屑均し装置であり、前記課題を達成するため、特に、
間隔をあけて平行に配備された一対のビーム部材と前記ビーム部材に両端部を固着されて相互に間隔をあけて水平方向に併設された複数の板状のスクレーパとを有するスクレーパ集合体と、
前記一対のビーム部材の両端部を貫通する一対のクランクシャフトと、前記各クランクシャフトの回転位置の位相を保持して各クランクシャフトを回転駆動する回転駆動手段とを有し、前記スクレーパ集合体の水平状態を保持したまま、前記複数のスクレーパの併設方向と平行な鉛直面内に形成される円の軌跡に沿ってスクレーパ集合体を公転運動させるスクレーパ駆動手段とを備えたことを特徴とする構成を有する。
【0010】
以上の構成においてスクレーパ駆動手段を作動させると、スクレーパ集合体の姿勢が水平に保持されたまま、このスクレーパ集合体が、スクレーパの併設方向と平行な鉛直面内の円の軌跡に沿って公転運動する。
スクレーパの各々はスクレーパ集合体の一部であるから、各々のスクレーパは、其の姿勢を保持したまま、スクレーパ下端部を前記円と同様の半径を有する円に沿わせて公転運動することになる。
スクレーパの公転運動のうち、実際に紙屑の払い退けに利用されるのは、円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿った公転運動である。また、円の軌跡の上半分に相当する円弧軌跡に沿った公転運動は、スクレーパの退避運動として利用されることになる。
つまり、スクレーパが円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿って公転運動する間は、水平面に投影されるスクレーパ下端部の移動方向に変化はなく、この移動方向に応じ、カッタ機構の下方に集中的に堆積した紙屑のうちスクレーパ下端部と接触する上層部に位置する紙屑が脇に押し退けられる。しかも、複数のスクレーパが相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、カッタ機構の下方に堆積した紙屑を纏めて効率良く脇に押し退けることができる。
更に、円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿ったスクレーパの公転運動のうち、円弧軌跡の一端部から下死点までの運動工程では、鉛直面に投影されるスクレーパ下端部の移動方向は上から下に向かう方向となり、この際、カッタ機構の下方に集中的に堆積した紙屑がスクレーパ下端部によって上から下に向けて圧縮されるので、堆積した紙屑の実質的な嵩を減少させることができる。従って、紙屑の圧縮作業を行わない場合と比べ、同一容量の回収容器によって更に大量の紙屑を回収することが可能となる。しかも、複数のスクレーパが相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、カッタ機構の下方に堆積した紙屑を纏めて効果的に圧縮することができる。
一方、スクレーパが円の軌跡の上半分に相当する円弧軌跡に沿って公転運動する際には、水平面に投影されるスクレーパ下端部の移動方向が反転するが、この段階では既にスクレーパ下端部が紙屑から上方に退避しているので、一旦押し退けた紙屑がスクレーパ下端部に引っ掛かって引き戻される心配はない。
また、直径の大きな回転翼を必要としないのでシュレッダの上下高さが大型化する心配はなく、スクレーパ集合体が他の部材と衝接するようなこともないので、騒音が発生するといった問題もない。
しかも、複数のスクレーパが相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、カッタ機構の下方に堆積した紙屑を全域に亘って纏めて押し退けることができ、紙屑の搬送能力が向上するので、大量の廃棄用紙を連続的に裁断したような場合であっても、紙屑を確実に押し退けて回収容器内における紙屑の分布状態を均一化することが可能であり、回収容器の容量を有効に利用して紙屑を回収することができる。
【0012】
このように、スクレーパ集合体の両端部を貫通する一対のクランクシャフトの回転位置の位相を保持して各クランクシャフトを同期回転させることで、スクレーパ集合体の水平状態を保持したまま、スクレーパ集合体を鉛直面内の円の軌跡に沿って公転運動させることが可能である。スクレーパ集合体が沿って公転運動する鉛直面内の円の半径は、クランクシャフトの回転軸と出力軸との間のオフセット量に等しい。
【0013】
更に、クランクシャフトを回転駆動する回転駆動手段は、一対のクランクシャフトの回転軸の各々に固着された一対のプーリと、これらのプーリに巻回された巻掛け伝導ベルト、および、この巻掛け伝導ベルトを回転駆動するプライマリープーリと其の駆動源であるモータとによって構成することができる。
【0014】
歯車列を利用して一対のクランクシャフトを同期回転させることも可能であるが、騒音等の弊害が発生することを防止する必要上、ここではプーリと巻掛け伝導ベルトを使用している。
【0015】
また、前記各プーリおよびプライマリープーリを歯付きプーリによって構成し、前記巻掛け伝導ベルトをタイミングベルトによって構成するとよい。
【0016】
クランクシャフトを同期回転させるためには、スプロケットホイールやチェーン等の使用も考えられるが、前述した騒音の観点から、歯付きプーリやタイミングベルトを使用した方が有利である。
【0017】
更に、クランクシャフトの回転軸の端部、または、前記各プーリとプライマリープーリのうちの少なくとも一つの回転部材の軸方向の端部に、外部からの手動操作が可能な回転操作部を形成することができる。
【0018】
スクレーパ集合体が公転運動の下死点位置の近傍で停止してしまうと、回収容器の開口部がスクレーパ集合体に干渉してシュレッダの筐体から回収容器を取り出すことが困難となる場合があるが、回転操作部を手動操作によって強制的に回転させて巻掛け伝導ベルトを駆動し、スクレーパ集合体を公転運動の上死点位置の近傍に移動させることにより回収容器の取り出しを容易に行なうことができる。
ここで、回転操作部としては、回転部材の軸方向端部に形成したキー溝やツマミ更には六角穴や六角柱状突起等が利用され得る。キー溝を形成した場合には、この部分に硬貨等を嵌合させて回転部材を回転させ、また、ツマミを形成した場合は、このツマミを手で把持して回転部材を回転させる。六角穴や六角柱状突起を形成した場合は、六角レンチあるいはボックスレンチを使用することになる。
【0019】
また、クランクシャフトの回転軸の端部、または、前記各プーリとプライマリープーリのうち、クランクシャフトの回転軸と回転位置の位相を保持して回転する回転部材の少なくとも一つには、其の外側端面もしくは其の外周部に、該回転部材の回転位置を特定するための指標を目視可能に設けるようにする。
【0020】
指標として利用できるのは、色分け塗装やシールの貼付あるいは彫刻を始めとする機械加工等である。指標を設けた回転部材はクランクシャフトの回転軸と回転位置の位相を保持して回転するので、回転部材の指標の位置を参照することでクランクシャフトやスクレーパ集合体が上死点位置の近傍にあるか否かを識別することができる。この指標を参照してクランクシャフトやスクレーパ集合体を上死点位置の近傍に移動させてから回収容器を取り出すようにすることで、クランクシャフトやスクレーパ集合体と回収容器の開口部との干渉をなくし、クランクシャフトやスクレーパ集合体の損傷を未然に防止することができる。
【0021】
更に、モータを駆動制御する制御部には、スクレーパ駆動手段の作動終了時にスクレーパ集合体を公転運動における上死点位置の近傍で停止させる原点自動復帰手段を設けることが可能である。
【0022】
このような構成を適用した場合、スクレーパ駆動手段の作動終了時にスクレーパ集合体が公転運動における上死点位置の近傍に強制復帰されるので、スクレーパ集合体やクランクシャフト等の現在位置を確認することなく、容易に回収容器を取り出すことができる。また、回収容器を取り出す利用者がスクレーパに手を引っ掛ける等の事故も未然に防止され、クランクシャフトやスクレーパ集合体の損傷も防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のシュレッダ用紙屑均し装置の一実施形態について詳細に説明する。図1はシュレッダの一般的な構成例について外観を示した斜視図、また、図2はシュレッダの内部構造について概略を示したレイアウト図である。
【0024】
このシュレッダ1は、図1に示されるように、筐体2の上面部にスリット状の廃棄用紙投入口3と操作パネル4およびブレーカスイッチ5を備え、筐体2の前面には観音開き式の前面パネル6,6が開閉自在に取り付けられている。操作パネル4およびブレーカスイッチ5の構成や機能については既に公知である。
【0025】
筐体2の内部レイアウトは、図2に示される通りであり、筐体2内の上部空間にカッタ機構7が配置され、カッタ機構7の駆動源となるモータ8がカッタ機構7の長手方向にオフセットして併設されると共に、カッタ機構7およびモータ8の下方に大容量の回収容器9が設置されている。
【0026】
カッタ機構7としては、廃棄用紙投入口3から投入された廃棄用紙を一対のカッティングローラによって垂直方向にのみ短冊状に切り刻むものと、二対のカッティングローラを上下に連設して備え、上方に位置する一対のカッティングローラで廃棄用紙を垂直方向に切り刻んだ後、更に、短冊状に切り刻まれた紙片を下方に位置する一対のカッティングローラで水平方向に切り刻んで断片化するものとがあるが、近年では後者のものが主流である。
【0027】
この種のシュレッダでは、筐体2の奥行きの薄型化を達成する必要上、図2に示されるように、カッタ機構7の駆動源となるモータ8をカッタ機構7の長手方向にオフセットして併設しているので、カッタ機構7を筐体2の全幅に亘って設けることは事実上不可能であり、結果的に、カッタ機構7で裁断された紙屑10は、回収容器9内においてカッタ機構7の下方に集中的に堆積し、モータ8の下方に位置する回収容器9内の部分には、紙屑10が貯溜されにくいデッドスペース11が形成されることになる。
【0028】
本実施形態のシュレッダ用紙屑均し装置12は、回収容器9内においてカッタ機構7の下方に集中的に堆積する紙屑10をデッドスペース11の側に払い退けることによって回収容器9内における紙屑10の分布状態を均一化するためのもので、図2に示されるように、カッタ機構7と回収容器9との間においてカッタ機構7の下面に装着して配備される。
【0029】
図3(a)はシュレッダ用紙屑均し装置12をシュレッダ1から取り外して示した正面図、つまり、図1に示されるようにして前面パネル6を開いた際に利用者の側にくる手前側の面を示した図であり、図3(b)は其の平面図、また、図3(c)は図3(b)における矢視A−Aでシュレッダ用紙屑均し装置12の主要部を示した断面図である。
【0030】
シュレッダ用紙屑均し装置12の主要部は、図3(a)および図3(b)に示されるように、複数のスクレーパ13を相互に間隔をあけて水平方向に併設したスクレーパ集合体14と、スクレーパ集合体14を公転運動させるスクレーパ駆動手段15、および、スクレーパ集合体14とスクレーパ駆動手段15を配置するためのマウントベース16によって構成される。
【0031】
スクレーパ集合体14の構造とスクレーパ駆動手段15の構造の一部を図4の斜視図に具体的に示す。
【0032】
スクレーパ集合体14は、図4に示されるように、間隔をあけて平行に配備された断面略“L”字型の一対のビーム部材17,17と、ビーム部材17,17にスポット溶接等によって両端部を固着され、相互に間隔をあけて水平方向に併設された複数の板状のスクレーパ13とによって構成される。
【0033】
各々のスクレーパ13は、図3(a)等に示されるように、その上下方向の略中央部において僅かに“く”の字型に屈曲され、断面略“L”字型のビーム部材17,17と共に、スクレーパ集合体14全体としての曲げ剛性や捩り剛性を増強している。
【0034】
ビーム部材17,17の一端部つまり図4の方向性でビーム部材17,17の右端部には、クランクシャフト24の一部を構成するシャフト部材18を貫通させるための孔19,19が穿設され、この孔19,19に内嵌されたテフロン製等の軸受け20,20を介してシャフト部材18が回転自在に軸支されている。
【0035】
また、各軸受け20,20から外側に突出するシャフト部材18の両端部には角柱状の回転防止突起18a,18aが一体に形成される一方、シャフト部材18の両端部に取り付けられる各クランク板21,21の一端部には、回転防止突起18a,18aと嵌合する矩形穴21a,21aが穿設されている。
【0036】
そして、クランクシャフト24の一部を構成する各クランク板21,21は、矩形穴21a,21aを回転防止突起18a,18aに嵌合させてシャフト部材18の両端部に装着され、更に、外側から通されたビス22,22によってシャフト部材18の両端部に一体的に固着される。
【0037】
更に、各クランク板21,21の他端部には、外側に向けて突出する回転軸23,23が一体に固着して取り付けられ、これらのシャフト部材18とクランク板21,21および回転軸23,23によって、本実施形態のクランクシャフト24が構成されている。
【0038】
ビーム部材17,17の他端部つまり図4の方向性でビーム部材17,17の左端部に取り付けられるクランクシャフト25の構成も前述のクランクシャフト24の場合と概ね同様であるが、軸受け20,20やシャフト部材18を貫通させるための孔19’,19’がビーム部材17,17の長手方向に沿って僅かに長穴状に形成されている点が前記と相違する。
【0039】
つまり、本実施形態のスクレーパ集合体14は一対のビーム部材17,17と該ビーム部材17,17に固着された複数のスクレーパ13とによって構成され、ビーム部材17,17の両端部を回転自在な一対のクランクシャフト24,25が貫通していることになる。
【0040】
一方、マウントベース16は、図3(b)に示されるように、スクレーパ集合体14の両側に一定の間隔をあけて配置された一対のサイドプレート26,26と、これらのサイドプレート26,26の一端を接続する第一のクロスメンバー27、そして、サイドプレート26,26の他端を接続する第二のクロスメンバー28とによって構成される。
【0041】
このうち、サイドプレート26,26の各々には、クランクシャフト24の回転軸23,23を通すための孔29,29と、クランクシャフト25の回転軸23,23を通すための孔29’,29’とが穿設されている。各々のサイドプレート26における孔29と孔29’の中心位置の離間距離は、スクレーパ集合体14における片側のビーム部材17における孔19と孔19’の中心位置の離間距離と同一である。
【0042】
また、各サイドプレート26,26の内側には、スペーサを兼ねる円筒状のスリーブ30,30が孔19,孔19’と重合して一体的に固着され、このスリーブ30,30に内嵌されたテフロン製等の軸受け31,31を介してクランクシャフト24の回転軸23,23およびクランクシャフト25の回転軸23,23が回転自在に軸支されている。
【0043】
そして、クランクシャフト24の回転軸23,23のうち正面側、つまり、図3(a)の紙面中で手前側に位置する回転軸23の先端部と、クランクシャフト25の回転軸23,23のうち正面側に位置する回転軸23の先端部は、正面側に位置するサイドプレート26のスリーブ30,30および孔29,29’を貫通して手前側に突出しており、その先端部に歯付きプーリ32,32が固着されている。回転軸23,23に対する歯付きプーリ32,32の固着は、従来と同様、歯付きプーリ32,32の径方向に貫通して設けられたネジ穴に六角穴付きセットスクリュー33,33を螺合し、その先端部で回転軸23,23を固定することによって行なわれる。詳細については図4に示される通りである。
【0044】
一方、クランクシャフト24の回転軸23,23のうち背面側に位置する回転軸23の先端部には、図3(b)および図5に示されるようにして回転位置検出板34が固着されている。回転位置検出板34は円盤の外周の1ヶ所に切欠を形成して構成したものである。また、この円盤の表裏に位置するようにしてサイドプレート26側に固設されたフォトカプラS1は、ダーク・オフ・タイプの透過型センサであり、フォトカプラS1が円盤の切欠を検出した状態、つまり、クランクシャフト24のクランク板21が上死点に回転した状態でオン信号を出力し、その他の状態ではオフの信号出力が保持されるようになっている。回転軸23に対する回転位置検出板34の取り付け方法は回転軸23に対する歯付きプーリ32の取り付け方法と同様である。
【0045】
また、図3(b)に示されるように、正面側に位置するサイドプレート26の内側にはスクレーパ駆動手段15の駆動源となるモータM1がモータマウント37を介して固着され、モータM1のスピンドル38が、正面側に位置するサイドプレート26の孔39を介してサイドプレート26の外側に突出し、その先端にプライマリープーリとしての歯付きプーリ40が固着されている。スピンドル38に対する歯付きプーリ40の取り付け方法は回転軸23に対する歯付きプーリ32の取り付け方法と同様である。
【0046】
そして、一対のクランクシャフト24,25における正面側の回転軸23,23の各々に固着された一対の歯付きプーリ23,23、および、プライマリープーリとして機能する歯付きプーリ40には、巻掛け伝導ベルトの一種であるタイミングベルト41が図3(a)に示されるようにして巻回され、更に、クランクシャフト24における正面側の回転軸23に固着された歯付きプーリ32とモータM1のスピンドル38に固着された歯付きプーリ40との間には、クランクシャフト24の回転軸23に固着された歯付きプーリ32の外周部とタイミングベルト41との間の接触面積を周方向に増大させるためのテンションローラ42が手前側のサイドプレート26に対して回転自在に軸支して取り付けられている。
【0047】
つまり、本実施形態におけるスクレーパ駆動手段15は、一対のビーム部材17,17の両端部を貫通する一対のクランクシャフト24,25と、一対のクランクシャフト24,25における正面側の回転軸23,23の各々に固着された一対の歯付きプーリ32,32と、これらの歯付きプーリ32,32に巻回されたタイミングベルト41、および、タイミングベルト41を回転駆動するための歯付きプーリ40と其の駆動源であるモータM1とによって構成されていることになる。
【0048】
タイミングベルト41は、図3(a)に示されるように、例えば、クランクシャフト24のクランク板21とクランクシャフト25のクランク板21とを共に上死点に回転させて保持した状態、つまり、クランクシャフト24のクランク板21とクランクシャフト25のクランク板21の回転位置の位相を合致させた状態で、クランクシャフト24の回転軸23に固着された歯付きプーリ32とクランクシャフト25の回転軸23に固着された歯付きプーリ32に巻回されており、しかも、これらの歯付きプーリ32,32の歯数および直径は同一であるから、モータM1により歯付きプーリ40を回転させてタイミングベルト41を駆動すれば、クランクシャフト24,25の回転位置の位相を保持したまま各クランクシャフト24,25を同期して回転させること、即ち、スクレーパ集合体14の水平状態を保持したままスクレーパ集合体14を公転運動させることができる。この際、各スクレーパ13の下端部13aは各々図6中に一点鎖線で示される円の軌跡に沿って移動することになる。
【0049】
この円の軌跡は複数のスクレーパ13の併設方向つまり図6中で左右方向に延びる直線に対して平行となる鉛直面内、要するに、シュレッダ用紙屑均し装置12を正面から示した図6の紙面と同一平面内に形成される円の軌跡であり、この円の軌跡の半径は、クランクシャフト24の回転軸23と其の出力軸であるシャフト部材18との間のオフセット量、および、クランクシャフト25の回転軸23と其の出力軸であるシャフト部材18との間のオフセット量に匹敵する。
【0050】
また、スクレーパ駆動手段15の一部を構成する回転部材である歯付きプーリ40の軸方向の端部には外部からの手動操作が可能な回転操作部となるキー溝35が刻設され、このキー溝35に硬貨等を嵌合させて歯付きプーリ40を手動で回転させることにより、強制的にスクレーパ駆動手段15を駆動してスクレーパ集合体14を移動させることができるようになっている。なお、キー溝35あるいは其れに代わる回転操作部を他の回転部材である歯付きプーリ32や回転軸23の端部に設けることも可能ではあるが、歯付きプーリ32や回転軸23を駆動源としてスクレーパ駆動手段15を手動で強制的に駆動すると、モータM1の静止トルクがタイミングベルト41に過剰な張力として作用する場合があるので望ましくない。キー溝35に代わる回転操作部としては、六角レンチと嵌合する六角穴やボックスレンチと嵌合する六角柱状突起あるいは手に把持するに適した形状のツマミ等を利用することができる。
【0051】
更に、クランクシャフト24,25の回転軸23,23と回転位置の位相を保持して回転する回転部材の一つである歯付きプーリ32の端部には、例えば、図3(a)に示されるようにして直径方向に2色に分割された塗り分けが指標36として印刷されており、この指標36の回転位置を目視で確認することにより、クランクシャフト24,25が上死点近傍にあるのか下死点近傍にあるのかを確認できるようになっている。本実施形態では、タイミングベルト41等をカバーするサイドカバー43が正面側のサイドプレート26の手前側に取り付けられており、このサイドカバー43に穿設された孔44を介して指標36を覗いたときに指標36の白色部(図3(a)中における下側半分の塗り分け部分)が見えていれば、クランクシャフト24,25が上死点の近傍にあってスクレーパ集合体14におけるスクレーパ13の下端部13aがシュレッダ用紙屑均し装置12の下方に突出していない状態が保証される。指標36としてはマーキングや塗り分けの他にシールの貼付あるいは彫刻等の機械加工を利用してもよく、目視によって識別可能であれば其の構成は問わない。また、プライマリープーリとなる歯付きプーリ40の歯数や直径が歯付きプーリ32と同様であれば、つまり、歯付きプーリ40がクランクシャフト24,25の回転軸23,23と回転位置の位相を保持して回転する回転部材の一つであるならば、この歯付きプーリ40に指標36を形成しても構わない。
【0052】
なお、サイドカバー43には、歯付きプーリ40の軸方向の端部に形成されたキー溝35に硬貨等を差し込むための孔56も穿設されている。
【0053】
また、板状のプレス加工品からなる第二のクロスメンバー28には、回収容器9内における紙屑10の満杯状態を検出する満杯検出センサS2が設けられている。この満杯検出センサS2は発光部と受光部とを備えた反射型の近接センサであり、回収容器9内に溜まった紙屑10が満杯検出センサS2の近傍に接近して紙屑10によって反射される光が受光部によって検出された状態でオン信号を出力し、その他の状態ではオフの信号出力が保持されるようになっている。
【0054】
更に、筐体2には前面パネル6,6の開閉状態を確認するドア開放センサS3が配備され、前面パネル6,6が開放された状態でドア開放センサS3からの信号がオン、その他の状態ではオフの信号出力が保持されるようになっている。
【0055】
図7はスクレーパ駆動手段15のモータM1を駆動制御する制御部45の構成の概略を示した機能ブロック図である。
【0056】
制御部45の主要部は、演算処理用のCPU46と、該CPU46の制御プログラム等を格納したROM47、および、演算データの一時記憶等に利用されるRAM48によって構成される。フォトカプラS1,満杯検出センサS2,ドア開放センサS3からの検出信号が各々のA/D変換器50,51,52と入出力回路49を介してCPU46に読み取られる一方、スクレーパ駆動手段15のモータM1がCPU46からの指令に基いて入出力回路49およびドライバ53を介して駆動制御されるようになっている。
【0057】
また、インターフェイス回路54を介してシュレッダ1の作動状態、例えば、カッタ機構7のモータ8が作動中であるか否かといった信号が従来公知のシュレッダ1側の制御装置のCPU(図示せず)から入力されるようになっている。
【0058】
シュレッダ用紙屑均し装置12をシュレッダ1とセットで販売するような場合、あるいは、予めシュレッダ用紙屑均し装置12を装着することを前提としてシュレッダ1側の制御装置を設計するような場合には、シュレッダ用紙屑均し装置12のための独立した制御部45は必ずしも必要ではなく、該制御部45に必要とされる機能をシュレッダ1側の制御装置のCPUによって兼ねさせることができる。ここでは、既存のシュレッダ1にシュレッダ用紙屑均し装置12を後付けで装着する場合を考慮し、シュレッダ用紙屑均し装置12に専用の制御部45を実装した例について説明する。
【0059】
なお、既存のシュレッダ1にシュレッダ用紙屑均し装置12を後付けで装着する場合には、カッタ機構7の下面外周部の所定箇所にタッピングを施した後、シュレッダ用紙屑均し装置12のサイドプレート26,26に穿設されたネジ通し穴55の下面からネジを通し、シュレッダ用紙屑均し装置12をカッタ機構7の下面に装着するようにする。
【0060】
図8は制御部45のCPU46が実行するモータ駆動処理の概略を示したフローチャートである。
【0061】
次に、図8を参照してシュレッダ用紙屑均し装置12の全体的な動作を具体的に説明する。
【0062】
モータ駆動処理を開始したCPU46は、まず、シュレッダ用紙屑均し装置12におけるモータM1の動作状態を記憶するRAM48内の動作状態記憶フラグFにモータM1の停止中を示す値0を初期設定し(ステップa1)、インターフェイス回路54を介してシュレッダ1側の制御装置のCPUから入力される信号を参照して、カッタ機構7のモータ8が作動中であるか否か、つまり、シュレッダ1による廃棄用紙の裁断作業が行なわれているか否かを判定する(ステップa2)。
【0063】
そして、廃棄用紙の裁断作業が行なわれていなければ、CPU46は、動作状態記憶フラグFにモータM1の動作中を示す値1がセットされているか否かを判定することになるが(ステップa10)、この段階では動作状態記憶フラグFの値は初期値0に保持されているので、ステップa10の判定結果は必然的に偽となり、CPU46は、ステップa1およびa10の判定処理を繰り返し実行してシュレッダ1による廃棄用紙の裁断作業が開始されるのを待つ待機状態に入る。
【0064】
このような判定処理が繰り返し実行される間に、利用者がシュレッダ1の廃棄用紙投入口3に廃棄用紙を投入して廃棄用紙の裁断作業が開始されると、CPU46はステップa2の判定処理でカッタ機構7におけるモータ8の作動を検出し、動作状態記憶フラグFの値が初期値0に保持されているか否か、即ち、該ステップa3の判定処理が廃棄用紙の裁断作業開始直後のものであるか否かを判定する(ステップa3)。
【0065】
動作状態記憶フラグFの値が初期値0に保持されていれば、今回実施されたステップa3の判定処理が廃棄用紙の裁断作業開始直後のものであることを意味するので、CPU46は、満杯検出センサS2からの信号がオンとなっているか否か(ステップa4)、および、ドア開放センサS3からの信号がオンとなっているか否かを判定し(ステップa5)、満杯検出センサS2からの信号およびドア開放センサS3からの信号が共にオフである場合、即ち、回収容器9に新たな紙屑10を受け入れる余裕があって、しかも、前面パネル6,6が閉鎖されている場合に限り、シュレッダ用紙屑均し装置12におけるモータM1の作動を開始させる(ステップa6)。
【0066】
なお、満杯検出センサS2からの信号がオン、または、ドア開放センサS3からの信号がオンとなっている場合には、ステップa6の処理は非実行とされ、シュレッダ用紙屑均し装置12の作動は開始されない。
【0067】
満杯検出センサS2からの信号がオンの場合にシュレッダ用紙屑均し装置12の作動を禁止するのは、回収容器9に過剰に貯溜された紙屑10が掻き回されてモータM1に過負荷が生じるのを防止するためであり、また、ドア開放センサS3からの信号がオンの場合にシュレッダ用紙屑均し装置12の作動を禁止するのは、前面パネル6,6の開放により不用意に筐体2に入れられた利用者の手がスクレーパ13やスクレーパ集合体14によって挟み込まれるのを防止するためである。無論、シュレッダ1のカッタ機構7の作動開始の可否も、当然、これらの条件を考慮して決める必要があるが、これらの点についてはシュレッダ1側の制御装置の問題であるので、ここでは説明しない。
【0068】
回収容器9に新たな紙屑10を受け入れる余裕があり、かつ、前面パネル6,6が閉鎖されている状態でシュレッダ1による裁断作業の開始が確認された場合には、ステップa6の処理でモータM1の駆動が開始され、CPU46は、動作状態記憶フラグFにモータM1の作動中を示す値1をセットした後(ステップa7)、改めて、シュレッダ1による廃棄用紙の裁断作業が継続して行なわれているか否かを判定し(ステップa1)、裁断作業が継続して行なわれていれば、更に、動作状態記憶フラグFの現在値が0であるか否かを判定する(ステップa3)。
【0069】
この段階では既に動作状態記憶フラグFにモータM1の作動中を示す値1がセットされているので、ステップa3の判定結果は偽となり、CPU46は、更に、満杯検出センサS2からの信号がオンとなっているか否か(ステップa8)、および、ドア開放センサS3からの信号がオンとなっているか否かを判定し(ステップa9)、満杯検出センサS2からの信号およびドア開放センサS3からの信号が共にオフである場合、即ち、回収容器9に新たな紙屑10を受け入れる余裕があって、しかも、前面パネル6,6が閉鎖されている場合に限り、前記と同様にしてステップa2,a3,a8,a9の判定処理を繰り返し実行しながら、シュレッダ用紙屑均し装置12におけるモータM1の作動を継続する。
【0070】
従って、回収容器9に新たな紙屑10を受け入れる余裕があり、かつ、前面パネル6,6が閉鎖されている状況下でシュレッダ1による廃棄用紙の裁断作業が継続して行なわれる限り、シュレッダ用紙屑均し装置12のモータM1が継続して駆動され、シュレッダ用紙屑均し装置12が連続的に作動することになる。
【0071】
シュレッダ用紙屑均し装置12の作動時におけるモータM1の回転方向は、図3(a)を基準として反時計方向の回転であり、これにより、モータM1のスピンドル38に固着された歯付きプーリ40が図3(a)中の反時計方向に回転し、タイミングベルト41を介して駆動される歯付きプーリ32,32も図3(a)中の反時計方向に回転する。
【0072】
そして、最終的に、歯付きプーリ32,32に固着したクランクシャフト24,25が回転軸23,23の部分を中心として図3(a)中の反時計方向に同期して回転することにより、クランクシャフト24,25のシャフト部材18,18に装着されたスクレーパ集合体14が、その水平状態を保持したまま、円直面内に形成される円の軌跡に沿って公転運動することになる。
【0073】
この際、スクレーパ集合体14における各スクレーパ13の下端部13aの移動軌跡は図6中の一点鎖線で示される通りであり、このような各スクレーパ13の下端部13aの公転運動により、例えば、図2に示されるようにして、カッタ機構7の下方に集中して堆積した紙屑10の上層部がデッドスペース11の方に押し退けられて、回収容器9内における紙屑10の分布状態が均一化されることになる。
【0074】
より具体的には、図6に示される各スクレーパ13の公転運動のうち、実際に紙屑10の払い退けに利用されるのは、円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿った公転運動であり、円の軌跡の上半分に相当する円弧軌跡に沿った公転運動は、スクレーパ13の退避運動として利用されることになる。
【0075】
つまり、各スクレーパ13が円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿って公転運動する間は、水平面に投影されるスクレーパ13の下端部13aの移動方向は常に図2中の左から右に向かう方向であり、この移動方向に応じ、カッタ機構7の下方に集中的に堆積した紙屑10のうちスクレーパ13の下端部13aと接触する部分がデッドスペース11の側に向けて押し退けられる。
【0076】
本実施形態では、複数のスクレーパ13が相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、実質的には、平板状の小型の回転翼を水平方向に幾つも連設して配備した場合と同様、カッタ機構7の下方に堆積した紙屑10を纏めてデッドスペース11の側に押し退けることができる。
【0077】
しかも、円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿ったスクレーパ13の公転運動のうち、円弧軌跡の一端部から下死点までの運動工程、つまり、図6で言えばスクレーパ13の下端部13aが円の軌跡の左端部から下死点にまで移動する運動工程においては、鉛直面に投影されるスクレーパ13の下端部13aの移動方向が常に上から下に向かう方向となる。この際、カッタ機構7の下方に集中的に堆積した紙屑10がスクレーパ13の下端部13aによって上から下に向けて圧縮されるので、堆積した紙屑10が圧縮され、実質的な紙屑10の嵩を減少させることができる。従って、紙屑10の圧縮作業を行わない場合と比べ、同一容量の回収容器9によって更に大量の紙屑10を回収することが可能となるメリットがある。
【0078】
一方、スクレーパ13が円の軌跡の上半分に相当する円弧軌跡に沿って公転運動する際には、水平面に投影されるスクレーパ13の下端部13aの移動方向が反転し、その移動方向は図2中の右から左に向かう方向となるが、この段階では既にスクレーパ13の下端部13aが紙屑10から上方に退避しているので、一旦デッドスペース11の側に押し退けられた紙屑10がスクレーパ13の下端部13aに引っ掛かって引き戻されるといった心配はない。
【0079】
また、スクレーパ13を装着したスクレーパ集合体14を駆動するスクレーパ駆動手段15は、一対のクランクシャフト24,25と一対の歯付きプーリ32,32、および、これらの歯付きプーリ32,32に巻回されたタイミングベルト41と、タイミングベルト41を回転駆動するための歯付きプーリ40および其の駆動源であるモータM1とからなる簡素な構成であり、全ての構成要素が単に一方向に回転するのみであって回転方向や移動方向の切り替えは一切必要とせず、また、これらの部材が他の部材と衝接することもないので、シュレッダ用紙屑均し装置12の作動によって騒音が発生するといった問題もなく、動作速度も速い。
【0080】
しかも、複数のスクレーパ13が相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、カッタ機構7の下方に堆積した紙屑10を全域に亘って纏めてデッドスペース11の側に押し退けることができ、単一のスクレーパを直線移動させるようにした従来型の装置と比べて紙屑10の搬送能力が向上するため、大量の廃棄用紙を連続的に裁断したような場合であっても、紙屑10を確実にデッドスペース11側に押し退けて回収容器9内における紙屑10の分布状態を均一化することが可能であり、回収容器9の容量を有効に利用して紙屑10を回収することができる。
【0081】
スクレーパ集合体14が公転運動をする際には、スクレーパ集合体14のビーム部材17やクランクシャフト24,25のクランク板21,21およびマウントベース16のサイドプレート26が実質的に四ツ棒連鎖の並行クランク機構として機能しており、理論上、相対する2辺の長さが完全に等しくないと正常な動作が行なわれないことになるが、本実施形態においては、クランクシャフト25のシャフト部材18を通すビーム部材17の孔19’が該ビーム部材17の長手方向に沿って延びる長穴状に形成されているので、仮に、相対するクランクシャフト24のクランク板21の長さとクランクシャフト25のクランク板21の長さ、あるいは、サイドプレート26における孔29と孔29’の中心位置の離間距離とビーム部材17における孔19と孔19’の中心位置の離間距離との間に多少の誤差があったとしても、クランクシャフト25のシャフト部材18がビーム部材17の孔19’内で移動することで前述の誤差を吸収することが可能であり、駆動源であるモータM1等に過剰な負担をかけることなく、また、スクレーパ集合体14の水平状態を的確に保持したまま、スクレーパ集合体14の公転運動を実現することができる。
【0082】
言い方を換えれば、孔19,19’,29,29’の穿設位置やクランク板21の長さに多少の誤差があっても構わないということでもあり、加工精度をラフに設定することが可能であるため、装置の製造コストの低減化も容易である。
【0083】
また、シュレッダ用紙屑均し装置12の作動中に回収容器9の満杯状態もしくは前面パネル6,6の不用意な開放操作が検出された場合には、図8におけるステップa8あるいはa9の判定処理によってCPU46がこれを検出し、フォトカプラS1からの信号がオンとなっているか否か、つまり、クランクシャフト24,25によって駆動されるスクレーパ集合体14の現在位置が図2に示されるような上死点位置14aの近傍に到達しているか否かを判定する(ステップa17)。
【0084】
スクレーパ集合体14の現在位置が上死点位置14aの近傍になければ、原点自動復帰手段として機能するCPU46がステップa17の判定処理を繰り返し実行しながら、スクレーパ集合体14の現在位置が上死点位置14aの近傍に到達するまで待機し、ステップa17の判定結果が真となった時点、つまり、スクレーパ集合体14が公転運動における上死点位置14aの近傍に到達した段階で、スクレーパ駆動手段15のモータM1の作動を停止させた後(ステップa18)、動作状態記憶フラグFにモータM1の停止中を示す値0を再設定して(ステップa19)、初期状態に復帰する。
【0085】
モータM1は其の内部に減速機を備えたギャードモータであるから、モータの作動停止後のオーバートラベル(慣性回転)は殆どなく、スクレーパ集合体14は公転運動における上死点位置14aの近傍で確実に停止する。
【0086】
この場合、次に実施されるステップa2,a3の判定結果が共に真となるが、回収容器9の満杯状態もしくは前面パネル6,6の開放操作が検出されている限り、ステップa4もしくはa5の判定結果が真となるので、モータM1が再起動されることはない。
【0087】
つまり、CPU46には、スクレーパ駆動手段15の作動終了時にスクレーパ集合体14を公転運動における上死点位置14aの近傍で停止させる機能がある。従って、本実施形態における原点自動復帰手段は、CPU46によって構成されていることになる。
【0088】
これに対し、回収容器9の満杯状態もしくは前面パネル6,6の不用意な開放操作が検出されることなくシュレッダ1による廃棄用紙の裁断作業が継続された場合には、CPU46は、ステップa2,a3,a8,a9の判定処理を繰り返し実行しながら、シュレッダ用紙屑均し装置12におけるモータM1の作動を継続する。
【0089】
そして、最終的にシュレッダ1による廃棄用紙の裁断作業が完了すると、CPU46はステップa2の判定処理でカッタ機構7におけるモータ8の作動停止を検出し、次いで、動作状態記憶フラグFにモータM1の動作中を示す値1がセットされているか否かを判定することになるが(ステップa10)、この段階では動作状態記憶フラグFの値は1となっているので、ステップa10の判定結果は真となる。
【0090】
従って、CPU46は、シュレッダ用紙屑均し装置12の遅延動作時間を計測するタイマTをリスタートさせて裁断作業終了後のシュレッダ用紙屑均し装置12の作動時間の計測を開始すると共に(ステップa11)、シュレッダ用紙屑均し装置12の遅延動作回数を計数するカウンタCの値を0にリセットして裁断作業終了後のシュレッダ用紙屑均し装置12の作動回数の計数を開始する(ステップa12)。但し、ここでいうシュレッダ用紙屑均し装置12の作動回数とは、スクレーパ集合体14の公転動作の回数である。
【0091】
次いで、CPU46は、フォトカプラS1からの信号がオンとなっているか否か、つまり、スクレーパ集合体14の現在位置が上死点位置14aにあるか否かを判定し(ステップa13)、スクレーパ集合体14の現在位置が上死点位置14aに到達する度にカウンタCの値を1インクリメントすると共に(ステップa14)、その都度、該カウンタCの現在値が設定遅延動作回数nを上回っているか否かを判定する(ステップa15)。
【0092】
そして、カウンタCの現在値が設定遅延動作回数nを上回っていなければ、CPU46は、更に、タイマTの計測値が設定遅延動作時間tに達しているか否かを判定する(ステップa16)。
【0093】
ここで、カウンタCの現在値が設定遅延動作回数nを上回っていず、かつ、タイマTの計測値が設定遅延動作時間tに達していなければ、CPU46はステップa13〜a16に至る処理を繰り返し実行して、カウンタCの現在値が設定遅延動作回数nを上回るか、あるいは、タイマTの計測値が設定遅延動作時間tに達するまで待機し、この間、モータM1の作動を継続する。
【0094】
そして、このような処理を繰り返し実行する間にステップa15の判定結果が真となった場合、つまり、シュレッダ1の裁断作業が終了してからのスクレーパ集合体14の公転動作の回数Cが設定遅延動作回数nを越えたことが確認された場合には、原点自動復帰手段として機能するCPU46は、前記と同様にしてステップa18,a19の処理を実行して、スクレーパ駆動手段15のモータM1の作動を停止させ、動作状態記憶フラグFにモータM1の停止中を示す値0を再設定して初期状態に復帰する。
【0095】
この場合も、スクレーパ駆動手段15の作動終了時にはスクレーパ集合体14が公転運動における上死点位置14aの近傍で停止することになる。
【0096】
なお、シュレッダ1の裁断作業が終了してから設定回数分だけスクレーパ集合体14を公転動作させるのは、大量の廃棄用紙の裁断により裁断作業終了時にカッタ機構7の下方に溜まった紙屑10を確実にデッドスペース11側に移動させるためである。
【0097】
一方、ステップa16の判定結果が真となった場合、つまり、シュレッダ1の裁断作業が終了してからのシュレッダ用紙屑均し装置12の作動時間Tが設定遅延動作時間tを越えたことが確認された場合には、この時点でスクレーパ集合体14が公転運動における上死点位置14aの近傍に位置しているといった保証はないので、原点自動復帰手段として機能するCPU46は、前記と同様にしてステップa17〜a19の処理を実行し、スクレーパ集合体14の現在位置が上死点位置14aの近傍に到達したことを確認した時点でスクレーパ駆動手段15のモータM1の作動を停止させ、動作状態記憶フラグFにモータM1の停止中を示す値0を再設定して初期状態に復帰する。
【0098】
この場合も、スクレーパ駆動手段15の作動終了時にはスクレーパ集合体14が公転運動における上死点位置14aの近傍で停止することになる。
【0099】
なお、シュレッダ1の裁断作業が終了してから設定時間分だけスクレーパ集合体14を公転動作させるのは、裁断作業終了時にカッタ機構7の下方に溜まった紙屑10を確実にデッドスペース11側に移動させるためである。また、何等かの事情でスクレーパ駆動手段15の作動箇所にジャミング等が発生し、モータM1の回転速度が減少したり停止したりした場合には、カウンタCが設定値nを計数しなくてもモータM1を自動的に停止させることができるので、モータM1の過負荷といった問題も未然に防止することができる。
【0100】
以上に述べた通り、スクレーパ駆動手段15が作動を終える際には、回収容器9の満杯状態の検出や不用意な前面パネル6,6の開放操作に対処するための緊急停止措置(ステップa8またはa9が真となった場合の停止措置)、あるいは、モータM1の損傷防止のための時間制限による強制停止措置(ステップa16が真となった場合の停止措置)、更には、正常な遅延動作が完了した後の通常の停止措置(ステップa15が真となった場合の停止措置)の別に関わりなく、スクレーパ集合体14は必ず公転運動における上死点位置14aの近傍で停止することになるので、前面パネル6,6を開いて回収容器9を取り出す際に回収容器9の開口部がスクレーパ集合体14に干渉して筐体2から回収容器9を取り出すことが困難となったり、スクレーパ集合体14が損傷したりするような状況は殆ど発生しない。
【0101】
但し、停電その他の事情で、例えば、スクレーパ集合体14が図2に示される下死点位置14bの近傍で停止してしまうといった可能性は有り得る。
【0102】
このような状況下で、スクレーパ集合体14を上死点位置14aの近傍に移動させたいときは、前述したように、歯付きプーリ40の軸方向の端部に形成されたキー溝35に硬貨等を嵌合させて歯付きプーリ40を手動で回転し、サイドカバー43に穿設された孔44から指標36の白色部が見えるまで、強制的にスクレーパ駆動手段15を駆動すればよい。
【0103】
【発明の効果】
本発明のシュレッダ用紙屑均し装置は、複数のスクレーパを相互に間隔をあけて水平方向に併設したスクレーパ集合体の水平状態を保持し、スクレーパの併設方向と平行な鉛直面内に形成される円の軌跡に沿ってスクレーパ集合体を公転運動させるようにしたので、円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿ったスクレーパの公転運動を利用してカッタ機構の下方に集中的に堆積した紙屑を確実に脇に押し退けて回収容器内における紙屑の分布状態を均一化することができる。しかも、複数のスクレーパを相互に間隔をあけて水平方向に併設しているので、カッタ機構の下方に堆積した紙屑を纏めて効率良く脇に押し退けることができる。更に、円の軌跡の下半分に相当する円弧軌跡に沿ったスクレーパの公転運動のうち、円弧軌跡の一端部から下死点までの運動工程では、鉛直面に投影されるスクレーパ下端部の移動方向は上から下に向かう方向となり、この際、カッタ機構の下方に集中的に堆積した紙屑がスクレーパ下端部によって上から下に向けて圧縮されるので、堆積した紙屑の実質的な嵩を減少させることができる。従って、紙屑の圧縮作業を行わない場合と比べ、同一容量の回収容器によって更に大量の紙屑を回収することが可能となる。しかも、複数のスクレーパが相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、カッタ機構の下方に堆積した紙屑を纏めて効果的に圧縮することができる。
一方、円の軌跡の上半分に相当する円弧軌跡に沿った公転運動は、スクレーパの退避運動として利用され、この際、水平面に投影されるスクレーパ下端部の移動方向が反転することになるが、この段階では既にスクレーパ下端部が紙屑から上方に退避しているので、一旦押し退けた紙屑がスクレーパ下端部に引っ掛かってカッタ機構の近傍に引き戻される心配がない。
また、直径の大きな回転翼を必要としないのでシュレッダの上下高さが大型化する心配はなく、スクレーパ集合体が他の部材と衝接するようなこともないので、騒音が発生するといった問題も発生しない。
しかも、複数のスクレーパが相互に間隔をあけて水平方向に併設されているので、カッタ機構の下方に堆積した紙屑を全域に亘って纏めて押し退けることができ、紙屑の搬送能力が向上するので、大量の廃棄用紙を連続的に裁断したような場合であっても、紙屑を確実に押し退けて回収容器内における紙屑の分布状態を均一化することが可能であり、回収容器の容量を有効に利用して紙屑を回収することができる。
【0104】
具体的には、スクレーパ集合体を公転運動させるスクレーパ駆動手段は、スクレーパ集合体の両端部を貫通する一対のクランクシャフトと、これらのクランクシャフトを回転駆動する回転駆動手段とによって構成することができ、これらの構成要素を一方向に回転させるのみでスクレーパ集合体の公転運動を実現することができるため、回転方向や移動方向の切り替えは一切必要とせず、また、これらの部材が他の部材と衝接することもないので、シュレッダ用紙屑均し装置の作動によって騒音が発生するといった問題も防止され、スクレーパの動作速度も速い。
【0105】
更に、クランクシャフトを回転駆動する回転駆動手段をクランクシャフトの回転軸の各々に固着された一対のプーリと、これらのプーリに巻回された巻掛け伝導ベルト、および、この巻掛け伝導ベルトを回転駆動するプライマリープーリと其の駆動源であるモータとによって構成しているので、歯車列を利用した通常の動力伝達機構のように歯車の噛合音等が発生することはなく、高レベルの静寂性が保証される。
【0106】
また、各プーリおよびプライマリープーリを歯付きプーリによって構成し、巻掛け伝導ベルトをタイミングベルトによって構成したので、一対のクランクシャフトの同期回転を確実に保証することができ、スプロケットホイールやチェーン等を使用した場合よりも効果的に騒音を軽減することができる。
【0107】
更に、クランクシャフトの回転軸の端部、または、各プーリとプライマリープーリのうちの少なくとも一つの回転部材の軸方向の端部に外部からの手動操作が可能な回転操作部を形成したので、スクレーパ集合体が公転運動の下死点位置の近傍で停止して回収容器の開口部がスクレーパ集合体に干渉したような場合でも、回転操作部を手動操作によって強制的に回転させて巻掛け伝導ベルトを駆動してスクレーパ集合体を公転運動の上死点位置の近傍に移動させることで、回収容器を容易に取り出すことができる。
【0108】
また、クランクシャフトの回転軸の端部、または、各プーリとプライマリープーリのうち、クランクシャフトの回転軸と回転位置の位相を保持して回転する回転部材の少なくとも一つに該回転部材の回転位置を特定するための指標を目視可能に設けたので、この指標を参照しながらクランクシャフトやスクレーパ集合体を上死点位置の近傍に移動させてから回収容器を取り出すことが可能となる。よって、クランクシャフトやスクレーパ集合体と回収容器の開口部との干渉をなくしてクランクシャフトやスクレーパ集合体の損傷を未然に防止することができる。
【0109】
更に、回転駆動手段のモータを駆動制御する制御部には、スクレーパ駆動手段の作動終了時にスクレーパ集合体を公転運動における上死点位置の近傍に停止させる原点自動復帰手段を設けたので、停電等のアクシデントがない限り、スクレーパ集合体やクランクシャフト等の現在位置を確認することなく、容易に回収容器を取り出すことができ、また、回収容器を取り出す利用者がスクレーパに手を引っ掛ける等の事故も未然に防止されて、クランクシャフトやスクレーパ集合体の損傷も防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】シュレッダの一般的な構成例について外観を示した斜視図である。
【図2】シュレッダの内部構造について概略を示したレイアウト図である。
【図3】図3(a)はシュレッダ用紙屑均し装置をシュレッダから取り外して示した正面図、図3(b)は其の平面図、また、図3(c)は図3(b)における矢視A−Aでシュレッダ用紙屑均し装置の主要部を示した断面図である。
【図4】スクレーパ集合体の構造とスクレーパ駆動手段の構造の一部を具体的に示した斜視図である。
【図5】クランクシャフトの回転軸に装着された回転位置検出板の構造を示した図である。
【図6】スクレーパ集合体の水平状態を保持してスクレーパ集合体を公転運動させた際のスクレーパの移動軌跡の各々を示した概念図である。
【図7】スクレーパ駆動手段のモータを駆動制御する制御部の構成の概略を示した機能ブロック図である。
【図8】制御部のCPUが実行するモータ駆動処理の概略を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 シュレッダ
2 筐体
3 廃棄用紙投入口
4 操作パネル
5 ブレーカスイッチ
6 前面パネル
7 カッタ機構
8 モータ
9 回収容器
10 紙屑
11 デッドスペース
12 シュレッダ用紙屑均し装置
13 スクレーパ
13a スクレーパの下端部
14 スクレーパ集合体
14a スクレーパ集合体が上死点に移動したときの状態
14b スクレーパ集合体が下死点に移動したときの状態
15 スクレーパ駆動手段
16 マウントベース
17 ビーム部材
18 シャフト部材(クランクシャフトの一部)
18a 回転防止突起
19,19’ 孔
20 軸受け
21 クランク板(クランクシャフトの一部)
21a 矩形穴
22 ビス
23 回転軸(クランクシャフトの一部)
24 クランクシャフト
25 クランクシャフト
26 サイドプレート
27 第一のクロスメンバー
28 第二のクロスメンバー
29,29’ 孔
30 スリーブ
31 軸受け
32 歯付きプーリ(回転部材)
33 六角穴付きセットスクリュー
34 回転位置検出板
35 キー溝(回転操作部)
36 指標
37 モータマウント
38 スピンドル
39 孔
40 歯付きプーリ(プライマリープーリ,回転部材)
41 タイミングベルト(巻掛け伝導ベルト)
42 テンションローラ
43 サイドカバー
44 孔
45 制御部
46 CPU(原点自動復帰手段)
47 ROM
48 RAM
49 入出力回路
50〜52 A/D変換器
53 ドライバ
54 インターフェイス回路
55 ネジ通し穴
56 孔
S1 フォトカプラ
S2 満杯検出センサ
S3 ドア開放センサ
M1 モータ(駆動源)
Claims (6)
- シュレッダの筐体内のカッタ機構と回収容器との間に配備され、前記回収容器内においてカッタ機構の下方に集中的に堆積する紙屑を払い退けて回収容器内における紙屑の分布状態を均一化するシュレッダ用紙屑均し装置であって、
間隔をあけて平行に配備された一対のビーム部材と前記ビーム部材に両端部を固着されて相互に間隔をあけて水平方向に併設された複数の板状のスクレーパとを有するスクレーパ集合体と、
前記一対のビーム部材の両端部を貫通する一対のクランクシャフトと、前記各クランクシャフトの回転位置の位相を保持して各クランクシャフトを回転駆動する回転駆動手段とを有し、前記スクレーパ集合体の水平状態を保持したまま、前記複数のスクレーパの併設方向と平行な鉛直面内に形成される円の軌跡に沿ってスクレーパ集合体を公転運動させるスクレーパ駆動手段とを備えたことを特徴とするシュレッダ用紙屑均し装置。 - 前記回転駆動手段は、前記一対のクランクシャフトの回転軸の各々に固着された一対のプーリと、これらのプーリに巻回された巻掛け伝導ベルト、および、前記巻掛け伝導ベルトを回転駆動するプライマリープーリと其の駆動源であるモータとによって構成されていることを特徴とする請求項1記載のシュレッダ用紙屑均し装置。
- 前記各プーリおよびプライマリープーリが歯付きプーリによって構成され、前記巻掛け伝導ベルトがタイミングベルトによって構成されていることを特徴とする請求項2記載のシュレッダ用紙屑均し装置。
- 前記クランクシャフトの回転軸の端部、または、前記各プーリとプライマリープーリのうちの少なくとも一つの回転部材には、其の軸方向の端部に、外部からの手動操作が可能な回転操作部が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のシュレッダ用紙屑均し装置。
- 前記クランクシャフトの回転軸の端部、または、前記各プーリとプライマリープーリのうち、前記クランクシャフトの回転軸と回転位置の位相を保持して回転する回転部材の少なくとも一つには、其の外側端面もしくは其の外周部に、該回転部材の回転位置を特定するための指標が目視可能に設けられていることを特徴とする請求項2,請求項3または請求項4記載のシュレッダ用紙屑均し装置。
- 前記モータを駆動制御する制御部には、前記スクレーパ駆動手段の作動終了時に前記スクレーパ集合体を前記公転運動における上死点位置の近傍で停止させる原点自動復帰手段が設けられていることを特徴とする請求項2,請求項3,請求項4または請求項5記載のシュレッダ用紙屑均し装置。
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