JP4327473B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置、特に反射偏光子と鏡面反射板を有する導光板を使用する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示装置には、液晶パネルの背面に半透過反射板およびバックライトを配置し、周囲が明るくても暗くても使用できる半透過型の液晶液晶表示装置がある。また、液晶パネルとバックライトの間に反射偏光子を配置した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特表平9−506984号公報(第6〜7頁、第1図、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液晶パネルとバックライトの間に反射偏光子を配置した構成を、半透過型液晶装置として使用した場合には、以下のような欠点がある。特許文献1で開示されたように、光学キャビティ24の裏側にバックライトを配置した半透過型液晶装置では、外光を利用する反射型とバックライトの光を利用する透過型で表示のネガ・ポジが反転してしまう。よって、薄暗い環境で、外光とバックライトを同時に使用すると、コントラストが低下してしまう欠点を有する。
【0005】
また、特許文献1には、背面偏光子23の透過軸と反射偏光子の透過軸が同一方向に設定された半透過型液晶装置が開示されている。しかし、このような構成の半透過型表示装置を反射で使用した場合には、拡散反射層39により偏光が解消してしまうため暗くなる。更に、拡散反射層39の拡散があらゆる方向に拡散するので反射光の密度が低下して更に暗くなる。
【0006】
更に、上述した拡散反射層に関わる欠点を解消するために、拡散反射層の替わりに鏡面反射板を用いると、新たにバックライトの輝度ムラ、色ムラが発生することになる。図2を用いてそのムラの発生原因を説明する。図示するように、上偏光板1と液晶パネル2と下偏光板3は一体となり液晶表示部10を構成し、その下に反射偏光子4が配置されている。反射偏光子4と下偏光板3の透過軸方向は同一方向になるように配置されている。更にその下に、光源8と導光板6と鏡面反射板7で構成されるバックライトを配置している。導光板6の右半分の×印部は複屈折の大きい領域を模式的に表現している。また、左半分の無印部は複屈折の小さい部分を表現している。×印部の複屈折をΔnd1と表現し、無印部の複屈折をΔnd2で表現する。
【0007】
無印部においての再帰反射光の一部を以下に示す。バックライトの照射光ab(図中矢印で記載、以下同様)は反射偏光子4で透過直線偏光aと反射直線偏光bに分離される。反射直線偏光bは、導光板6を透過し鏡面反射板7で再度反射され導光板6を通過して反射偏光子4へ到達する。反射偏光子へ到達した反射直線偏光b1は導光板6を2回透過するため2・Δnd1の位相差を持った楕円偏光に変換されている。楕円偏光b1の一部は反射偏光子4を透過して直線偏光a1となり、これが再帰反射光となる。この再帰反射光a1は2・Δnd1の位相差に対応した干渉色を呈する。
【0008】
同様の作用で、×印部での再帰反射光A1は2・Δnd2の位相差に対応した干渉色を呈することになる。すなわち、液晶表示部10を透過する光は、×印部でa+a1、無印部でA+A1となり、色むらとなる。また、導光板の複屈折が小さい時には干渉色は白色となる。この場合、導光板の面内複屈折ムラは輝度ムラとなる。
【0009】
導光板面内に複屈折ムラが無い場合には、上記の色ムラ、輝度ムラは発生しない。導光板の複屈折ムラの発生原因はその製造方法にある。図3は導光板を上から見た複屈折ムラを説明する模式図である。図中矢印は複屈折の発生部を示す。また、矢印の方向は複屈折の光学軸方向を示す。導光板を樹脂成形にて製作する場合のゲート部位置を模式的に示した。複屈折の発生部は成形時のゲート部9の位置近くに発生し樹脂の流入方向に発生している。図4はゲート部をコーナーに配置した時の導光板の複屈折分布を模式的に示したものである。
【0010】
上記の複屈折ムラは成形条件で低減可能である。しかし、実用的な成形条件での残留する複屈折は0.8mm程度の厚みの導光板で位相差値100nm程度である。位相差値を更に低減するには製造のコストアップを招き実用的でない。
【0011】
本発明の目的は、背面偏光子の透過軸と反射偏光子の透過軸を同一方向に設定され、導光板の下に鏡面反射板を設けた構成の半透過型液晶装置に生ずる、導光板の残留複屈折による輝度ムラ、色ムラを改善することになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、液晶表示パネルの背後に設けられ、液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、反射偏光子と鏡面反射板の間に設けられた位相差板と、を備える構成とした。さらに、位相差板の位相差値を850nm以上に設定した。このように、位相差板の位相差値を850nm以上に設定しているのは、導光板の残留複屈折に伴う面内の位相差値のムラが100nm程度の場合に設定した値である。100nmより大きくなる場合は、位相差板の位相差値をより大きな値に設定することでより大きい効果が得られる。
【0013】
また、位相差板の光学軸を、反射偏光子の透過軸に対して45°方向に配置することにより、最もムラ解消の効果を発揮する。45°からずれるとサインの二乗に比例して効果が低減する。
【0014】
あるいは、液晶表示パネルの背後に設けられ、液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、反射偏光子と鏡面反射板の間に、導光板を上から見た面内の位相差値の最大値と最小値の間の位相差値を持つ位相差板を設け、導光板の光学軸と位相差板の光学軸が直交するように配置する構成により、輝度ムラ、色ムラを改善している。
【0015】
あるいは、液晶表示パネルの背後に設けられ、液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、反射偏光子と鏡面反射板の間に、多数のドメインからなり、各ドメイン間の配向方向がランダムな高分子液晶フィルムを備える構成により、輝度ムラ、色ムラを改善している。
【0016】
あるいは、液晶表示パネルの背後に設けられ、液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子を備えるとともに、反射偏光子の透過軸方向が導光板の樹脂成形ゲート方向と同一方向になるように設定した。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による液晶表示装置は、液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、反射偏光子と鏡面反射板の間に設けられた位相差板を備えている。さらに、位相差板の位相差値を850nm以上にした。
【0018】
このように、反射偏光子と鏡面反射板の間に、位相差値850nm以上の位相差板を設けた構成の液晶表示装置を外光により観察すると、液晶表示部で画像情報が変調され、反射偏光子、位相差板、導光板を透過して、鏡面反射板で反射され、光路と逆向きに進行し、液晶表示部を再度透過して画像表示を可能とし、反射型として使用可能である。
【0019】
透過モードでバックライトを点灯して使用すると、反射偏光子を透過したバックライトの光が液晶表示部を透過して画像表示を可能とし、透過型として使用可能としている。更に、反射偏光子へ入射するバックライト光の一部を反射偏光子の反射光として反射させ、位相差板、導光板を透過し、鏡面反射板で反射され、前記光路と逆向きに進行し、液晶表示部を再度透過して再帰光として液晶表示部を透過して画像表示を可能とし、表示輝度の上昇を可能としている。
【0020】
上記構成によるメリットは外光とバックライトを同時に利用しても、外光の反射光とバックライトの透過光が協力的に作用して、単独で表示するより、明るくなる、いわゆる半透過型としての使用できる。さらに、反射偏光子と鏡面反射板の間に配置する位相差板の位相差値を850nm以上とすることで輝度ムラ、色ムラのない表示を実現していることにある。
【0021】
以下に上記効果が得られる位相差板の作用について、図5の本発明の作用を説明する概略図を使用して説明する。導光板6の右半分の×印部は複屈折の大きい領域を模式的に表現している。また、左半分の無印部は複屈折の小さい部分を表現している。×印部の複屈折をΔnd1と表現し、無印部の複屈折をΔnd2で表現する。また、位相差板の位相差値をΔndfと表現する。
【0022】
無印部においての再帰反射光の一部を以下に示す。バックライトの照射光ab(図中矢印で記載、以下同様)は反射偏光子4で透過直線偏光aと反射直線偏光bに分離される。反射偏光子4で反射された反射直線偏光bは、位相差板5と導光板6を透過し鏡面反射板7に到達する。到達した光はさらにこの鏡面反射板7で反射され、再度、導光板6と位相差板5を透過して反射偏光子4に到達する。ここで、反射偏光子4に再度到達した反射光(偏光状態)は、位相差板5と導光板6を2回透過するため、2・Δndfと2・Δnd1の位相差値の和を持った楕円偏光b1に変換されている。楕円偏光b1の一部は反射偏光子4を透過して直線偏光a1となり、これが再帰反射光となる。この再帰反射光a1は2・Δndfと2・Δnd1の位相差値の和に対応した干渉色を呈する。同様の作用で、×印部での再帰反射光A1は2・Δndfと2・Δnd2の位相差の和に対応した干渉色を呈することになる。液晶表示部10を透過する光は、×印部でa+a1、無印部でA+A1となり、a+a1とA+A1との差が輝度ムラ、色むらとなる。
【0023】
ここで、本発明では位相差板5のΔndfを850nm以上に設定している。この値は、一般の導光板に存在する残留複屈折の位相差値より充分大きな値になっている。一般に、位相差値が大きなるにつれて、干渉色は白色になる。図9は図5の構成での干渉色のシミュレーション結果である。光源に白色LEDを使用し、導光板の複屈折を無いと仮定し、位相差板の位相差値に対する反射偏光子を出射する光の色度x、yの関係を示す。ここで使用する色度はCIE1931表色系に従う。位相差板の位相差値が850nmより小さいと色度xyのバラツキが大きくなっている。850nm以上ではバラツキが小さくなり、xyとも0.325〜0.330の値に収束する。この値は白色を示す値である。
【0024】
以上、位相差板5の位相差値を850nm以上に設定しておけば導光板6に残留複屈折が存在するため、導光板6面内で位相差値がばらついても、位相差板5の位相差値と導光板の位相差値が足し算されて、トータルの位相差値が大きくなるので輝度ムラ色ムラを無くす事が可能となる。
【0025】
上記の構成は、位相差板の光学軸と導光板の光学軸が同一方向で位相差値が足し算されることで最も効果を発揮する。しかし、仮に位相差板の光学軸と導光板光学軸が直交していても、導光板の位相差値が100nm以下であれば位相差板を用いない場合に比較して良い結果が得られる。
【0026】
また、図5では、位相差板5は反射偏光子4と導光板6の間に設けられているが、導光板6と鏡面反射板7の間に設けても基本的に上述と同様の効果が得られる。
【0027】
次に、上記の効果は以下の構成でも容易に実現できる。液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、反射偏光子と鏡面反射板の間に、導光板を上から見た面内の位相差値の最大値と最小値の間、望ましくは中間の位相差値を持つ位相差板を導光板の光学軸と位相差板の光学軸が直交するように配置することで、輝度ムラ、色ムラを改善している。
【0028】
以下に上記効果が得られる位相差板の作用について、図10の本発明の作用を説明する概略図を使用して説明する。図中、導光板6は90°立てた状態で、×印部は複屈折の大きい領域を模式的に表現している。また、無印部は複屈折の小さい部分を表現している。ここで、計算を簡略化するために、×印部の複屈折を位相差値100nmとし、無印部の位相差値を50nmとし、図中に記載した。このとき、位相差板の位相差値は望ましくは100nmと50nmの中間の位相差値であり、75nmとなる。
【0029】
また、図中の楕円の長軸方向は複屈折の光学軸方向を表現する。従って位相差板の光学軸は導光板の光学軸と直交して配置されることが望ましい。×印部は屈折の大きい領域は導光板の位相差値と位相差板の位相差値が減算され25nmの位相差値が合成される。同様に、無印部では、×印と直交して光学軸で25nmの位相差値が合成される。ここで、図9のシミュレーション結果を参照すると、位相差値25nmでの干渉色はほとんど白色を示す。その結果、輝度ムラ色むら発生を改善可能としている。
【0030】
次に、上記の効果は以下の構成でも容易に実現できる。液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、液晶表示パネルと導光体の間に設けられた下偏光板と、導光板の背後に設けられた鏡面反射板と、下偏光板と導光体の間に設けられ、下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、反射偏光子と鏡面反射板の間に設けられるとともに、多数のドメインからなり、各ドメイン間の配向方向がランダムな高分子液晶フィルムを備えることにより、液晶表示装置の輝度ムラ、色ムラを改善可能としている。
【0031】
以下に上記効果が得られる高分子液晶フィルムの作用について、図7の本発明高分子液晶フィルムの構造を示す模式図を使用して、その作用を説明する。図中のハッチングで分割された領域は、液晶分子の配向方向の違うドメイン10を表している。ドメインのサイズは液晶パネルの画素よりも小さくし、配向方向に複屈折の光学軸方向がある。この高分子液晶フィルムのランダムな光学軸を持った位相差値が導光板の複屈折の位相差値と合成される。結果、導光板の位相差値がランダムな光学軸により足し算と減算が面内でランダムを行われるので、結果として導光板の複屈折ムラは平準化される。
【0032】
高分子液晶フィルムのドメインサイズは液晶パネルの画素より小さく、高分子液晶フィルムの液晶パネルの画素との間隔は、液晶パネルの基板、偏光板などの厚みで離れているので、ドメインサイズによる表示画質の低下は低減され、導光板の複屈折ムラによる輝度ムラ、色ムラの改善された表示が得られる事になる。
【0033】
次に、上記の効果は以下の構成でも容易に実現できる。少なくとも、液晶表示パネルに上偏光板と下偏光板を配置した液晶表示部と、その下側に下偏光板の透過軸と同一方向に透過軸を配置した反射偏光子と、さらにその下側に導光板と光源と鏡面反射板からなるバックライトを配置し、前記導光板の樹脂成形ゲート方向を前記反射偏光子の透過軸方向と同一方向になるように配置する事で、輝度ムラ、色ムラを改善している。
【0034】
以下に上記効果が得られる作用について、図8の本発明の構成模式図を使用して、説明する。上偏光板1と液晶パネル2と下偏光板3は一体となり液晶表示部を構成し、その下に反射偏光子4が配置されている。反射偏光子4と下偏光板3の透過軸方向は同一方向になるように配置されている。更にその下に、導光板6と鏡面反射板7とで構成されるバックライトを配置している。図中バックライトの光源は省略した。導光板6の樹脂成形ゲート方向9と反射偏光子4の透過軸方向が同一方向になるように配置されているので、導光板の光学軸方向と反射偏光子の透過軸方向が一致している。
【0035】
このような構成の液晶表示装置は、従来技術の構成と比較して、異なる点は導光板の光学軸方向と反射偏光子の透過軸方向が一致している事である。この構成は、反射偏光子の反射軸と鏡面反射板と反射偏光子の透過軸とで構成される偏光光学系において、等価的にクロスニコルの配置の中に、導光板の光学軸方向を偏光軸方向に配置したのと同じになる。この配置では、導光板の複屈折による位相差値の影響を受けないため、輝度ムラ、色ムラが発生しない事となる。
【0036】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明にかかる液晶表示装置の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例における液晶表示装置の断面構造を示す模式図である。図6は図1の断面構図の各要(光源を除く)における偏光に関わる透過軸と光学軸を矢印で表したものである。図1に示すように、上偏光板1と液晶パネル2と下偏光板3は一体となり液晶表示部10を構成している。液晶パネルはTN型に代表される透過モードを使用できる。本構成ではバックライトの導光板6の背面側に反射板として使用する鏡面反射板7が配置されており、これにより反射モードを表示する。反射板で鏡面反射するために、上偏光板1と鏡面反射板7の間のどこかに拡散層を設ける必要がある。液晶パネル2と偏光板を貼り合わせる透明粘着剤に拡散層の機能を持たせても良く、あるいは、位相差板に拡散層の機能を持たせても良い。また、拡散層に散乱フィルムを用い、上偏光板1と鏡面反射板7の間のどこかに配置してもよい。拡散層は反射モードで反射光を拡散する機能と透過モードでバックライトの光を拡散する機能の両方を併せ持っていてもよい。また、拡散層は従来技術のように偏光を解消するような完全拡散をする必要は無く、外光を効率良く観測者方向に集光し、鏡面反射板を介して反射するような拡散角度に異方性を持たせた拡散層を使用することができる。
【0037】
反射偏光子としては、住友スリーエム株式会社のDBEF(Dual−Brightness−Enhancement−Film)を使用し液晶表示部10と一体化しても良い。ただし、反射偏光子の透過軸と下偏光板の透過軸は同一方向になるように配置されている。反射偏光子はバックライトの光を再帰反射することで液晶表示部10の透過の輝度を高くする機能があれば良く、円偏光の選択反射を利用した反射フィルムを使用しても良い。
【0038】
位相差板5には、ポリカーボネートやポリエステル等のポリマーを延伸することにより製造された、光学軸がフィルム面に平行にある一軸延伸フィルムを使用した。位相差値は850nmのフィルムを反射偏光子の透過軸と45°の角度で配置した。
【0039】
バックライトに使用する光源8は白色LEDを光源として使用している。導光板6にはアクリルを射出成形し、導光面の片側にプリズムを形成している。このプリズムは導光板内部を導光する光を液晶表示部10の方向に反射する機能を有している。導光板にはプリズムや溝、ホログラムなど光を反射する方式は使用することができる。しかし、プリズムのかわりに反射ドットなどの偏光を解消する拡散反射方式は使用できない。反射ドット方式としてはチタン白などの白色塗料を印刷した方式である。
【0040】
導光板の残留複屈折はクロスニコルの偏光板の間に、導光板を入れて観察出来る。ゲート部から樹脂の流入方向にしたがって段段と小さくなっている。位相差値を偏光顕微鏡で測定すると、ゲート近くで80nmあり、ゲートの反対側で10nmであった。この複屈折の分布はゲートから遠ざかるに従って連続的に減少している。
【0041】
鏡面反射板7としては、ポリエステルフィルム表面に銀をコーティングした表面反射鏡を使用した。表面反射鏡として使用することでポリエステルフィルムを複屈折の影響を排除している。また、逆に前記表面鏡を裏返して使用して、フィルムの複屈折を積極的に利用しても良い。その場合はフィルムの複屈折による位相差値を850nm以上にする必要がある。これにより、位相差板5を省略出来薄型化を可能とする。
【0042】
本発明では、上記に説明した鏡面反射板を反射板として使用して、反射モードで外光を効率良く反射する構成にしているにも関わらず、透過モードでバックライトの光を反射偏光子で再帰反射光として使用するときに生ずるバックライトの複屈折ムラに起因する輝度ムラ、色ムラを、位相差板の位相差値を850nm以上に設定することで、その発生を解消している。
(実施例2)
本実施例の液晶表示装置は、実施例1の構成で位相差板の位相差値を導光板の位相差値の最大値と最小値の間、望ましくは中間の位相差値を持つ位相差板に置き換えた構成である。この構成では、導光板の光学軸と位相差板の光学軸が直交するように配置することで最も効果が得られる。直交からずれても、効果の低下は、ずれた角度のサインの二乗で変化するので多少の角度ずれは影響無い。
【0043】
導光板の複屈折ムラは偏光顕微鏡で測定可能である。また、導光板の成形条件が安定していればムラも安定しているので、実用的に位相差板の位相差値と角度を決定できる。導光板の光学軸方向にムラがある場合は、最も光学軸方向の優勢な方向を基準に位相差板の光学軸を直交配置するのが望ましい。位相差板としては一軸延伸フィルム以外にも、一軸配向高分子液晶フィルムを使用できる。
【0044】
本発明では、位相差板以外を実施例1の構成と同様にしても、鏡面反射板を反射板として使用し、反射モードで外光を効率良く反射する構成にしているにも関わらず、透過モードでバックライトの光を反射偏光子で再帰反射光として使用する時に生ずるバックライトの複屈折ムラに起因する輝度ムラ、色ムラを、位相差板の位相差値を導光板の位相差値の最大値と最小値の間、望ましくは中間の位相差値を持つ位相差板に置き換えた構成とする事で、その発生を解消している。
【0045】
(実施例3)
本実施例の液晶表示装置は、実施例1の位相差板のかわりに、多数のドメインからなり、各ドメイン間の配向方向がランダムな高分子液晶フィルムを配置した構成である。この構成では、導光板の光学軸と関係無く高分子液晶フィルムを配置することができる。高分子液晶フィルムは、光反応性高分子液晶フィルムの軸選択的光反応による光−熱誘起配向を利用して製作される。光反応性高分子液晶材料を溶媒で溶解し、スピンコート法により石英基板に塗布し、超高圧水銀灯を用いて直線偏光紫外光をいろいろな角度からドメインサイズで照射する。ドメインサイズは紫外光用のマスクにより面内に多数個配置され、角度をランダムに選択露光されても良い。露光後、熱処理により固化して保護フィルムでカバーし製作した。
【0046】
本発明で使用される高分子液晶フィルムの製法は上記の方法に限定されるものでなく、ドメインの光学軸がランダムであれば良い。また、各ドメイン間の位相差値は必ずしも一定である必要はない。位相差値がドメイン間でランダムであっても良い。また、高分子液晶フィルムの配置も、反射偏光子と鏡面反射板の間にあれば良く、導光板あるいは鏡面反射板のミラー面の上で一体化されてもよい。
【0047】
本発明では、位相差板以外を実施例1の構成と同様にしても、鏡面反射板を反射板として使用し、反射モードで外光を効率良く反射する構成にしているにも関わらず、透過モードでバックライトの光を反射偏光子で再帰反射光として使用する時に生ずるバックライトの複屈折ムラに起因する輝度ムラ、色ムラを、多数のドメインからなり、各ドメイン間の配向方向がランダムな高分子液晶フィルムに置き換えへ、反射偏光子と鏡面反射板の間に、前記高分子液晶フィルムを配置した構成とする事で、その発生を解消している。
【0048】
(実施例4)
実施例1の構成で、位相差板を取り除き、導光板の樹脂成形ゲート方向を反射偏光子の透過軸方向と同一方向になるように配置した構成の液晶表示装置について説明する。
【0049】
本発明では、導光板のゲート部から樹脂流入時の流れ方向に発生する複屈折率分布を予め測定し導光板の残留複屈折の光学軸を見極めて、反射偏光子の透過軸と同じ方向となるようにするのが望ましい。ただし、液晶表示部の上偏光板の透過軸は12時−6時視角方向から45°傾けるのが一般的である。これは、偏光サングラスを掛けたときの視界を確保するためである。このため、液晶表示部に90°ツイストTN液晶を使用すると、反射偏光子の透過軸も視角方向から45°傾くことになる。したがって、導光板のゲート方向も視角方向から45゜傾ける。
【0050】
また、反射偏光子の透過軸に導光板の光学軸を同じ方向になるように配置したが、反射偏光子の反射軸に導光板の光学軸を合わせても同様に輝度ムラ、色ムラを改善できる。
【0051】
本発明では、実施例1の構成から位相差板を取り除き、導光板の樹脂成形ゲート方向を反射偏光子の透過軸方向と同一方向になるように配置し、鏡面反射板を反射板として使用し、反射モードで外光を効率良く反射する構成にしているにも関わらず、バックライトの複屈折ムラに起因する輝度ムラ、色ムラを、の発生を解消している。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、鏡面反射板を反射板として使用して、反射モードで外光を効率良く反射する構成にしているにも関わらず、透過モードでバックライトの光を反射偏光子で再帰反射光として使用するときに生ずるバックライトの複屈折ムラに起因する輝度ムラ、色ムラを解消し、屋外の外光が明るい場所、室内の照明下、外光のない暗い場所いずれにても、明るく均一性の良い表示を容易に実現できる。そのため、民生品市場で液晶表示装置が多用されているパソコン、カメラ、携帯電話、時計をはじめとする電子機器分野で商品価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の断面構造を示す模式図である。
【図2】従来の技術におけるムラ発生原因説明図である。
【図3】導光板を上から見た複屈折ムラを説明する模式図である。
【図4】ゲート部をコーナーに配置した時の導光板の複屈折分布を示す模式図である。
【図5】本発明の作用を説明する概略図を示した図である。
【図6】偏光に関わる透過軸と光学軸を矢印で表した図である。
【図7】本発明高分子液晶フィルムの構造を示す模式図である。
【図8】本発明の構成模式図である。
【図9】干渉色のシミュレーション結果を表した図である。
【図10】本発明の作用を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 上偏光板
2 液晶パネル
3 下偏光板
4 反射偏光子
5 位相差板
6 導光板
7 鏡面反射板
8 光源
9 ゲート部

Claims (2)

  1. 液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの背後に設けられ、前記液晶表示パネルに照明光を導光する導光体と、
    前記液晶表示パネルと前記導光体の間に設けられた下偏光板と、
    前記導光体の背後に設けられた鏡面反射板と、
    前記下偏光板と前記導光体の間に設けられ、前記下偏光板の透過軸と同一方向の透過軸を有する反射偏光子と、
    前記反射偏光子と前記導光体の間に設けられた位相差板と、を備え、
    前記位相差板の光学軸と前記導光体の光学軸は同一方向であって、
    前記位相差板の位相差値が850nm以上であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記位相差板の光学軸が、前記反射偏光子の透過軸に対して45°の方向に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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