JP4327321B2 - Bright water-based ink composition for ballpoint pens - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強い光輝感と立体感の筆跡が得られるボールペン用光輝性水性インキ組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、金色、銀色等の金属光沢色の筆跡を得るために光輝性顔料を用いた水性インキ組成物が提供されている。例えば、特開平７−１１８５９２号はアルミニウム粉顔料を用いたボールペン用水性インキ組成物である。また特開平８−１５１５４７号はパール顔料を用いた水性インキ組成物である。また、特開平１１−２９７３４号は有機顔料をアルミニウム粉顔料に固着剤を用いて着色してなる水性メタリックインキである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来のアルミニウム粉顔料、パール顔料等の光輝性顔料を用いた水性インキ組成物の場合、強い光輝感と立体感を持つ筆跡を得ることは困難であった。また、メタリック色を得るためにこれらの光輝性顔料を染料又は顔料等の色材で着色する方法が採られているが、着色する際、樹脂等を用いているため光輝性が失われる問題があった。
【０００４】
本発明の目的は、従来の光輝性顔料を用いた水性インキ組成物と比較して、より強い光輝感を持ち、さらには従来のインキ組成物にはなかった強い立体感を併せ持つ筆跡を得ることができるボールペン用光輝性水性インキ組成物を提供するところにある。
【０００５】
本発明の更なる目的は、さらに筆跡の定着性が優れているボールペン用光輝性水性インキ組成物を提供するところにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明では、必須成分として、多重層フィルム粉、水溶性増粘樹脂、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるボールペン用光輝性水性インキ組成物を採用した。なお、本発明でいう「多重層フィルム粉」とは、多重層フィルムを細かく粉末にしたものをいい、多重層が光の屈折により発色し、見る角度によって色彩が変化する合成樹脂フィルム粉をいう。この「多重層フィルム粉」には、透明性の高い着色をした多重層フィルム粉も含まれる。
【０００７】
従って、この多重層フィルム粉を含有したボールペン用光輝性水性インキ組成物は、従来のアルミニウム粉顔料、パール顔料などの光輝性顔料を用いた水性インキ組成物と比較して、より強い光輝感と立体感を有する筆跡を得ることができる。
【０００８】
しかしながら、水溶性増粘樹脂が含まれるボールペン用光輝性水性インキ組成物では、この水溶性増粘樹脂により多重層フィルム粉の定着性をある程度高めることは可能であるが、多重層フィルム粉はその形状が大きいため、水溶性増粘樹脂では多重層フィルム粉を筆跡に強く定着させることが困難であることを見出した。従って、多重層フィルム粉を含む水性インキ組成物では、筆記後、摩擦などにより多重層フィルム粉が剥がれやすく、強い光輝感と立体感を筆跡に持続的に与えることが困難であり、光輝感と立体感を有する筆跡の耐久性が低い。
【０００９】
そこで、本発明では、さらに多重層フィルム粉を筆跡に定着させるバインダー成分を含有してなるボールペン用光輝性水性インキ組成物を採用した。このように、多重層フィルム粉を筆跡に定着させるバインダー成分を用いると、多重層フィルム粉の定着性を向上させ、光輝感と立体感を有する筆跡の耐久性を高めることができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
（多重層フィルム粉）
多重層フィルム粉としては、多層フィルムの形態を有することにより光輝性を発色させることができる色材であれば特に制限されない。このような多重層フィルム粉としては、例えば、ダイヤ工業株式会社製の「クリスタルカラー」シリーズや、同社製の「レインボーフレーク」シリーズなどが挙げられる。
【００１１】
前記「クリスタルカラー」シリーズとしては、品番「Ｘ−５」、品番「Ｘ−２０」、品番「Ｘ−４０」、品番「Ｘ−７０１−３０」、品番「Ｘ−７０１−１０」などがあり、それぞれの品番には、オパール、トパーズ、ブルートパーズ、エメラルド、コーラル、サファイヤ、ダイヤモンド、アクアマリーン、ペリドット、ブルームーンなどの色調がある。すなわち、例えば、「クリスタルカラー Ｘ−２０」のシリーズとしては、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＯＰＡＬ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＴＯＰＡＺ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＢＬＵＥＴＯＰＡＺ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＥＭＥＲＡＬＤ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＣＯＲＡＬ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＳＡＰＨＩＲＥ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＤＩＡＭＯＮＤ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＡＱＵＡＭＡＲＩＮＥ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＰＥＲＩＤＯＴ」、商品名「クリスタルカラー Ｘ−２０ ＢＬＵＥＭＯＯＮ」などがある。従って、これらに相当する商品名「クリスタルカラー Ｘ−５」シリーズ、商品名「クリスタルカラー Ｘ−４０」シリーズ、商品名「クリスタルカラー Ｘ−７０１−３０」シリーズ、商品名「クリスタルカラー Ｘ−７０１−１０」シリーズなどがある。
【００１２】
また、「レインボーフレーク」シリーズとしては、品番「Ｎｏ５５」、品番「Ｎｏ５０１」、品番「Ｎｏ５１０」、品番「Ｎｏ５３０」、品番「Ｎｏ５５０」、品番「Ｎｏ５８０」、品番「ＮｏＲ−０５」、品番「ＮｏＲ−１５」、品番「Ｎｏ５０１−３０」などがあり、それぞれの品番には、クリスタル、レモンイエロー、ディプエロー、アプリコット、ナイルグリーン、グリーン、ピンク、スカイブルー、ローヤルブルー、ラベンダー、レッド、モナークグリーンなどの色調がある。すなわち、例えば、「レインボーフレーク Ｎｏ５５」のシリーズとしては、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ クリスタル」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ レモンイエロー」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ ディプエロー」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ アプリコット」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ ナイルグリーン」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ グリーン」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ ピンク」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ スカイブルー」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ ローヤルブルー」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ ラベンダー」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ レッド」、商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ モナークグリーン」などがある。従って、これらに相当する「レインボーフレーク Ｎｏ５０１」のシリーズ、「レインボーフレーク Ｎｏ５１０」のシリーズ、「レインボーフレーク Ｎｏ５３０」のシリーズ、「レインボーフレーク Ｎｏ５５０」のシリーズ、「レインボーフレーク Ｎｏ５８０」のシリーズ、「レインボーフレーク ＮｏＲ−０５」のシリーズ、「レインボーフレーク ＮｏＲ−１５」のシリーズ、「レインボーフレーク ＮｏＮｏ５０１−３０」のシリーズがある。
【００１３】
多重層フィルム粉は、インキ組成物全量中０．０１〜２０重量％含まれていることが好ましい。上記多重層フィルム粉がインキ組成物全量中０．０１重量％未満の場合は光輝性及び立体感が充分でない。多重層フィルム粉がインキ組成物全量中２０重量％を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、筆記性が低下する。多重層フィルム粉の最適配合量は、０．０５〜１０重量％である。なお、多重層フィルム粉の粒度は、４０メッシュ〜２００メッシュのものが好適である。
【００１４】
（バインダー成分）
バインダー成分としては、多重層フィルム粉を筆跡に定着させることができるものであれば特に制限されない。なお、このような多重層フィルム粉を筆跡に強く定着させるために、バインダー成分として水溶性合成樹脂を用いることが考えられる。しかし、多重層フィルム粉を強く定着させるために、水溶性合成樹脂の種類によってはその含有量を高くすると、増粘樹脂の溶解性、着色剤の分散性に悪影響をもたらす場合がある。また、インキの粘弾性に著しい変化をもたらし、筆記適性が低下する場合がある。また、たとえ筆跡に対する定着性が発揮されても、多重層フィルム粉の強い光輝感と立体感が当該筆跡において低下する水性インキ組成物であってはならない。
【００１５】
本発明者らは、多重層フィルム粉を筆跡に定着させるためのバインダー成分として合成樹脂エマルジョンを用いると、水溶性増粘樹脂の溶解性、着色剤の分散性、インキの粘弾性、及びインキの発色に悪影響を与えず、しかも多重層フィルム粉配合による強い光輝感と立体感の効果を阻害することなく、筆跡への多重層フィルム粉の定着性を高めることができることを見出した。
【００１６】
従って、多重層フィルム粉を含有する本発明の水性インキ組成物は、これを用いて紙、金属、プラスチック、繊維製品等の基材上に筆記した場合、筆跡に対して多重層フィルム粉の定着性を高めることができ、耐久性のある筆跡とすることが可能であり、当該筆跡に強い光輝感および立体感を与え続けることができる。これは、合成樹脂エマルジョンの造膜性が、大きなフレーク形状を持つ多重層フィルム粉に対して適しており、多重層フィルム粉配合による強い光輝感と立体感の効果を阻害することなく、筆跡に強く定着させることができるからである。
【００１７】
しかも、本発明におけるバインダー成分は、水溶性合成樹脂ではなく、合成樹脂エマルジョンであることから、同時に配合される水溶性増粘樹脂の溶解性、着色剤の分散性及びインキの粘弾性などの特性に悪影響を与えることがない。従って、本発明のインキ組成物は、インキの粘性、筆記適性、及び筆跡の色に影響を与えることなく、多重層フィルム粉の定着性を向上することができる。
【００１８】
この様なことから、本発明の多重層フィルム粉を含有したボールペン用光輝性水性インキ組成物は、インキ特性や筆記適性などを低下させずに、従来のアルミニウム顔料、パール顔料などの光輝性顔料を用いた水性インキ組成物と比較して、より強い光輝感と立体感を筆跡に与え続けることができる。
【００１９】
合成樹脂エマルジョンとしては、格別限定されるものではなく、水分散性の合成樹脂エマルジョンであれば用いることができる。しかし、インキ特性及び筆記適性を考慮すると、水溶性増粘樹脂の溶解性やインキの粘度、着色剤の分散性、およびインキの発色に影響を与えないものを用いることが重要である。また、多重層フィルム粉配合による強い光輝感と立体感の効果を阻害しないことが重要である。
【００２０】
また、合成樹脂エマルジョンの最低造膜温度は２０℃以下であることが好ましい。合成樹脂エマルジョンの最低造膜温度が２０℃以下、特に０℃以下であると、常温（２５℃程度）では勿論、寒冷地でも皮膜化でき、基材に対する筆跡の定着性を高めることができる。
【００２１】
また、合成樹脂エマルジョンは、アニオン性又はノニオン性を有しているものを好適に用いることができる。アニオン性又はノニオン性を有する合成樹脂エマルジョンは、例えばアニオン性又はノニオン性のモノマーから合成樹脂をつくるか、又はアニオン性又はノニオン性の乳化剤を用いることによって得ることができる。合成樹脂エマルジョンがアニオン性又はノニオン性を有していると、インキ組成物の安定性を高めることができる。
【００２２】
また合成樹脂エマルジョンは、インキのｐＨが６以上において、着色剤の分散性や水溶性増粘樹脂の溶解性に影響を与えないものが好ましい。
【００２３】
このような見地から、合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリル系合成樹脂エマルジョン、スチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョンを用いることができる。また、アクリル系合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、アクリル酸エステル共重合体合成樹脂エマルジョンが好適である。スチレン−アクリル系合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体合成樹脂エマルジョンが好適である。また、酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョンには、例えば、酢酸ビニル合成樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体合成樹脂エマルジョンが好適に用いられる。合成樹脂エマルジョンはこれらの合成樹脂の１種又は２種以上を混合して用いることができる。
【００２４】
具体的には、アクリル系合成樹脂エマルジョンとしては、商品名「ニカゾールＦＸ３３６」（日本カーバイド工業株式会社製、アニオン性、ｐＨ７．５、最低造膜温度０℃）、商品名「モビニールＤＭ７７２」（クラリアントポリマー株式会社製、アニオン性、ｐＨ８．５、最低造膜温度１２〜１４℃）、商品名「モビニール７００」（クラリアントポリマー株式会社製、アニオン性、ｐＨ８．０、最低造膜温度５℃）などが挙げられる。また、酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョンとしては、商品名「ニカゾールＴＧ１３４Ａ」（日本カーバイド工業株式会社製、ｐＨ７．５、最低造膜温度０℃）、商品名「モビニール５０７」（クラリアントポリマー株式会社製、ノニオン性、ｐＨ６．５、最低造膜温度０℃）などが挙げられる。
【００２５】
合成樹脂エマルジョンの含有量は特に制限されないが、例えば、インキ組成物全量に対して固形分で０．１〜４０重量％が好適範囲である。合成樹脂エマルジョンの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で０．１重量％未満であると、筆跡に対する多重層フィルム粉の定着性が低下する。一方、合成樹脂エマルジョンの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で４０重量％を越えると、固形分が多くなり、ペン先における造膜等で筆記適性が低下する。また筆跡が白色化し易くなる。筆跡に対する多重層フィルム粉の定着性を一層優れたものとするには、合成樹脂エマルジョンの含有量を、インキ組成物全量に対して固形分で少なくとも０．３重量％とすることするが最適である。また、筆記適性を一層優れたものにするには、合成樹脂エマルジョンの含有量を、インキ組成物全量に対して固形分で多くとも２０重量％とすることが最適である。すなわち、合成樹脂エマルジョンの最適含有量は、０．３〜２０重量％である。
【００２６】
（水溶性増粘樹脂）
水溶性増粘樹脂としては、インキの粘度調整をするとともに、多重層フィルム粉の分散及び沈降防止を図ることが出来る増粘樹脂を用いることが重要である。一例を挙げれば、微生物産系多糖類及びその誘導体が用いられる。例えば、プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグルカン、デキストラン等を例示することができる。また、水溶性植物系多糖類およびその誘導体が用いられる。例えば、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、ロ−カストビ−ンガム、ガティガム、アラビノガラクタンガム、アラビアガム、クイスシ−ドガム、ペクチン、デンプン、サイリュ−ムシ−ドガム、ペクチン、カラギ−ナン、アルギン酸、寒天等を例示することができる。また、水溶性動物系多糖類およびその誘導体が用いられる。例えば、ゼラチン、カゼイン、アルブミンを例示することができる。また、増粘樹脂として、Ｎ−ビニルアセトアミド樹脂、架橋されたＮ−ビニルアセトアミド樹脂等のＮ−ビニルアセトアミド系樹脂を用いることができる。
【００２７】
本発明では上述した水溶性増粘樹脂の中でも特に微生物産系多糖類及びその誘導体を好適に用いることができる。また、上述した水溶性増粘樹脂は１種又は２種以上を混合して用いることができる。
【００２８】
水溶性増粘樹脂は、インキ組成物全量中０．０１〜４０重量％含まれていることが好ましい。上記水溶性増粘樹脂がインキ組成物全量中０．０１重量％未満の場合は多重層フィルム粉の沈降防止効果が充分でない。水溶性増粘樹脂がインキ組成物全量中４０重量％を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、筆記性が低下する。水溶性増粘樹脂の最適配合量は、水溶性増粘樹脂の種類によってやや異なるが、０．０５〜２０重量％である。なお、多重層フィルム粉と共に合成樹脂エマルジョンを含有するインキ組成物では、水溶性増粘樹脂は多くとも１０重量％含まれていることが好適である。水溶性増粘樹脂が１０重量％を超えて配合されると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下する。
【００２９】
（水溶性有機溶剤）
水溶性有機溶剤は、ペン先での乾燥防止とインキの凍結防止を図ることができるものを用いることが好ましい。例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル等のグリコ−ル類、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコ−ルエ−テル類を例示することができる。これらの有機溶剤は１種又は２種以上を混合して用いることができる。
【００３０】
水溶性有機溶剤は、インキ組成物全量中１〜４０重量％含まれていることが好ましい。上記水溶性有機溶剤がインキ組成物全量中１重量％未満の場合はペン先が乾燥しやすく、またインキが凍結しやすくなる。水溶性有機溶剤がインキ組成物全量中４０重量％を超えると、前記水溶性増粘樹脂の溶解性に影響を与えると共に、筆跡が乾燥し難い。水溶性有機溶剤の最適配合量は、水溶性有機溶剤の種類によってやや異なるが、５〜２０重量％である。
【００３１】
（着色剤）
着色剤としては、溶解性及び分散性を有するものが好ましい。具体的には、酸性染料、直接染料、塩基性染料などの水溶性染料のほか、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料のほか、蛍光顔料、着色樹脂エマルジョンなどが挙げられる。また、これらを顔料分散体として用いることもできる。また、本発明では、着色剤は１種又は２種以上を混合して使用することができる。また、また、本発明の多重層フィルム粉と、アルミニウム粉顔料、パール顔料等の光輝性顔料と混合して用いることができる。また、隠蔽性のある酸化チタン、アルキレンビスメラミン誘導体、球状・偏平状等の各種形状のプラスチックピグメント（合成樹脂粒子顔料）など、各種の無機又は有機白色顔料などの隠蔽性顔料と混合して用いることもできる。
【００３２】
本発明の水性インキ組成物では、着色剤は必ずしも含まれていなくても差し支えない。着色剤は含まれていないが多重層フィルム粉が含まれている水性インキ組成物でも、強い光輝感と強い立体感を筆跡に与えることができる。しかし、着色剤が含まれている上記各水性インキ組成物では、着色剤の色相等によってその色調に応じた強い輝きを筆跡に与えることができる点できわめて好ましい。
【００３３】
なお、着色剤は、インキ組成物全量中０．０５〜１５重量％含まれていることが好ましい。上記着色剤がインキ組成物全量中０．０５重量％未満の場合は当該着色剤の着色を視認し難い。着色剤がインキ組成物全量中１５重量％を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下する。着色剤の最適配合量は、着色剤の種類によってやや異なるが、１〜１０重量％である。
【００３４】
（その他の添加物）
なお、本発明においてはその他必要に応じて、ポリオキシエチレンアルカリ金属塩、ジカルボン酸アミド、リン酸エステル、Ｎ−オレイルサルコシン塩等の潤滑剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールジシクロヘキシルアンモニウムナイトレート等の防錆剤、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタクロロフェノール系、クレゾール等の防腐防黴剤、各種界面活性剤などを添加することができる。なお、光輝性顔料としての多重層フィルム粉を分散させるために、界面活性剤を用いることができる。
【００３５】
なお、本発明のインキ組成物の好適な粘度範囲は５００ｍＰａ・ｓ〜１００００ｍＰａ・ｓである。本発明のインキ組成物はかかる粘度範囲に調整される。なお、この粘度はＥＬＤ型粘度計（３゜Ｒ１４コーン、回転数：０．５ｒｐｍ、２０℃）における測定値である。
【００３６】
【実施例】
表１に示す組成及び配合量（重量部）で、水、水溶性有機溶剤、多重層フィルム粉及び顔料ベース等の各成分を混合攪拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投入し、これを濾過した後脱泡し、実施例のボールペン用光輝性水性インキ組成物を得た。また、合成樹脂エマルジョンを含むインキ組成物の場合は、同じく表１に示す組成及び配合量（重量部）で、水及び水溶性有機溶剤、及び必要に応じてその他の添加剤を混合して攪拌し、これに多重層フィルム粉を投入して撹拌した後、水溶性増粘樹脂を加えて攪拌する。次に、この混合液にカセイソーダによってｐＨ８．５にｐＨ調整を行ってから顔料分散体を必要に応じて加えて攪拌する。続いて、合成樹脂エマルジョンを加えて混合した。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用した。
【００３７】
また比較のため、水、水溶性有機溶剤、アルミニウム顔料やパール顔料などの光輝性顔料等の各成分を混合攪拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投入し、これを濾過した後脱泡し、比較例のボールペン用光輝性水性インキ組成物を得た。いずれも、分散方法、脱泡方法、濾過等は従来公知の方法を用いた。
【００３８】
【表１】
表１中、各原料組成は下記の通りである。
（光輝性顔料）
I）商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ クリスタル」、ダイヤ工業株式会社、平均粒度１２０メッシュ
II）商品名「レインボーフレーク Ｎｏ５５ レモンイエロー」、ダイヤ工業株式会社、平均粒度１２０メッシュ
III）商品名「クリスタルカラー Ｘ−５ ＯＰＡＬ」、ダイヤ工業株式会社、平均粒度−１１９〜＋１２０メッシュ
IV）アルミニウム粉顔料：商品名「ＷＸＭ０６３０」、東洋アルミニウム株式会社製、平均粒径約８μｍ
V）パ−ル顔料：商品名「Iriodin302」、メルクジャパン株式会社製、平均粒子径約５〜２０μｍ
【００４０】
（水溶性増粘樹脂）
I）ザンサンガム：商品名「ＫＥＬＺＡＮ」、三晶株式会社製
II）ウェランガム：商品名「Ｋ１Ｃ３７６」、三晶株式会社製
III）ポリアクリル酸：商品名「カーボポール９４０」、BF Goodrich社製
【００４１】
（バインダー成分）
I）アクリル系合成樹脂エマルジョン：商品名「ニカゾールＦＸ３３６」、日本カーバイド工業株式会社製、アニオン性、ｐＨ７．５、最低造膜温度０℃
II）酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョン：商品名「モビニール５０７」、クラリアントポリマー株式会社製、ノニオン性、ｐＨ６．５、最低造膜温度０℃
III）アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン：商品名「モビニールＤＭ７７２」、クラリアントポリマー株式会社製、アニオン性、ｐＨ８．５、最低造膜温度１２〜１４℃
IV）メチルセルロース：商品名「セスカ ＭＣ２５Ｓ」、第一工業製薬株式会社製
【００４２】
（水溶性有機溶剤）
I）グリセリン
II）プロピレングリコール
【００４３】
（着色剤）
I）顔料ベース：顔料ベースの顔料分散体は、下記のフタロシアニンブルーと下記の顔料分散用樹脂を次の割合にて混合したものにトリエチルアミンを加えて溶解した後、ボ−ルミルにて分散を行い、平均粒子径０．０８μｍ、固形分濃度１０重量％の青色顔料水分散体として得た。なお、フタロシアニンブルーは大日本インキ化学工業株式会社製、商品名「ファーストゲンブルーＴＧＲ」を用いた。また、顔料分散用樹脂はスチレン−アクリル共重合体（商品名「ジョンクリルＪ６８３」、ジョンソンポリマ−社製、重量平均分子量：８０００）を用いた。
フタロシアニンブルー ５重量部
顔料分散用樹脂 １重量部
【００４４】
（防腐防黴剤）
１，２−ベンゾイソチアゾリン−３−オン（商品名：「プロクセルＧＸＬ」、ヘキスト合成株式会社製）
（防錆剤）
ベンゾトリアゾ−ル
【００４５】
（潤滑剤）
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル（リン酸エステル系活性剤、商品名「フォスファノールＰＥ−５１０」、東邦化学工業株式会社製）
（光輝性顔料分散剤）
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル：商品名「エマルゲンPI-20T」（花王株式会社製、ノニオン系活性剤、HLB 13.2）
【００４６】
（試験サンプルの作成）
次に、表１に示した実施例及び比較例の各インキ組成物を、ステンレス製のボ−ルペンチップ（ボ−ル材質；炭化珪素）を一端に連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるインキ収容部に充填し、このインキ収容部を装填した各試験サンプルのボールペンを作成した。
【００４７】
（評価試験）
これらのボールペンを用いて市販のルーズリーフ用紙に筆記し、各インキ組成物の光輝感、立体感及び定着性を評価した。評価結果は表１に併記した。
【００４８】
（光輝感）
光輝感は筆記状態を目視観察により行い、光輝感が強いものを○、光輝感が小さいものを△、光輝感がないものを×として評価した。
【００４９】
（立体感）
また、立体感についても筆記状態を目視観察により行い、立体感が強いものを○、立体感が小さいものを△、立体感がないものを×として評価した。
【００５０】
（定着性）
実施例に係る試験サンプルのボールペンを用いて市販のルーズリーフ用紙に筆記し乾燥後、その筆跡の上に市販のセロテープ（粘着テープ）を貼り、剥がした後の状態を目視で観察し、以下の評価基準により定着性を評価した。
○：筆跡上に多重層フィルム粉又は光輝性顔料が残り、セロテープを剥がす前の光輝感が失われていない
×：筆跡上に多重層フィルム粉又は光輝性顔料が剥がれ、セロテープを剥がす前の光輝感が失われている
【００５１】
表１より、実施例は、宝石のアクアマリンをイメージする強い光輝感及び強い立体感のある筆跡が得られ、その筆記性も良好であった。これに対して比較例はいずれも光輝感が得られず、また立体感が得られなかった。一方、バインダー成分が含まれていない実施例１〜３では、宝石のアクアマリンをイメージする強い光輝感及び立体感のある筆跡が得られ、筆記性も良好であったが、定着性が乏しかった。これに対して、バインダー成分が含まれている実施例４〜６は、宝石のアクアマリンをイメージする強い光輝感及び立体感のある筆跡がえられると共に、定着性の良好な筆跡が得られた。
【００５２】
【発明の効果】
本発明は、必須成分として、多重層フィルム粉、水溶性増粘樹脂、水溶性有機溶剤及び水を含んでなるボールペン用光輝性水性インキ組成物であるので、従来の光輝性顔料を用いた水性インキ組成物と比較して、より強い光輝感と立体感を持つ従来にない独特の筆跡を得ることができる。特に、さらに多重層フィルム粉を筆跡に定着させるバインダー成分を含有してなるボールペン用光輝性水性インキ組成物の場合、強い光輝感及び立体感を有するとともに、優れた定着性を有する筆跡が得られ、強い光輝感及び立体感を持続する耐久性のある筆跡とすることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a glittering water-based ink composition for ballpoint pens capable of obtaining strong glitter and three-dimensional handwriting.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a water-based ink composition using a bright pigment has been provided in order to obtain a metallic glossy handwriting such as gold or silver. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 7-118592 is a water-based ink composition for ballpoint pens using an aluminum powder pigment. JP-A-8-151547 is a water-based ink composition using a pearl pigment. Japanese Patent Laid-Open No. 11-29734 is an aqueous metallic ink obtained by coloring an organic pigment on an aluminum powder pigment using a fixing agent.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of a water-based ink composition using a bright pigment such as the conventional aluminum powder pigment and pearl pigment, it has been difficult to obtain a handwriting having a strong glitter and a three-dimensional effect. Further, in order to obtain a metallic color, a method of coloring these glitter pigments with a coloring material such as a dye or a pigment is employed. However, there is a problem that the glitter is lost because a resin is used when coloring. there were.
[0004]
The object of the present invention is to obtain a handwriting that has a stronger radiance compared to a conventional water-based ink composition using a brilliant pigment, and also has a strong three-dimensional effect not found in conventional ink compositions. The present invention provides a glittering water-based ink composition for ballpoint pens.
[0005]
A further object of the present invention is to provide a glittering water-based ink composition for ballpoint pens which is further excellent in handwriting fixability.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of earnest studies to achieve the above object, the present invention employs a glittering water-based ink composition for ballpoint pens comprising, as essential components, a multilayer film powder, a water-soluble thickening resin, a water-soluble organic solvent, and water. did. The “multilayer film powder” as used in the present invention refers to a powder obtained by finely pulverizing a multilayer film, and refers to a synthetic resin film powder in which the multilayer is colored by refraction of light and the color changes depending on the viewing angle. . The “multilayer film powder” includes a multilayer film powder colored with high transparency.
[0007]
Accordingly, the glittering water-based ink composition for ballpoint pens containing this multilayer film powder has a stronger glitter feeling compared to conventional water-based ink compositions using glittering pigments such as aluminum powder pigments and pearl pigments. A handwriting having a three-dimensional effect can be obtained.
[0008]
However, in the glittering water-based ink composition for ballpoint pens containing the water-soluble thickening resin, the water-soluble thickening resin can improve the fixing property of the multilayer film powder to some extent. Since the shape is large, it has been found that it is difficult to firmly fix the multilayer film powder to the handwriting with the water-soluble thickening resin. Therefore, in a water-based ink composition containing a multilayer film powder, the multilayer film powder is easily peeled off by writing after writing, and it is difficult to continuously give a strong glitter and three-dimensional feeling to the handwriting. The durability of handwriting with a three-dimensional effect is low.
[0009]
Therefore, the present invention employs a glittering water-based ink composition for ballpoint pens that further contains a binder component that fixes the multilayer film powder to the handwriting. Thus, when the binder component that fixes the multilayer film powder to the handwriting is used, the fixing property of the multilayer film powder can be improved, and the durability of the handwriting having a glittering feeling and a three-dimensional feeling can be improved.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Multilayer film powder)
The multi-layer film powder is not particularly limited as long as it is a color material that can develop a glitter by having a multilayer film form. Examples of such multilayer film powder include “Crystal Color” series manufactured by Dia Industry Co., Ltd., “Rainbow Flakes” series manufactured by the same company, and the like.
[0011]
The “Crystal Color” series includes part number “X-5”, part number “X-20”, part number “X-40”, part number “X-701-30”, part number “X-701-10”, etc. Each part number has a color tone such as opal, topaz, blue topaz, emerald, coral, sapphire, diamond, aquamarine, peridot, blue moon. That is, for example, as a series of “Crystal Color X-20”, the product name “Crystal Color X-20 OPAL”, the product name “Crystal Color X-20 TOPAZ”, the product name “Crystal Color X-20 BLUETOPAZ”, the product Name “Crystal Color X-20 EMERALD”, Product Name “Crystal Color X-20 CORAL”, Product Name “Crystal Color X-20 SAPHIRE”, Product Name “Crystal Color X-20 DIAMOND”, Product Name “Crystal Color X- 20 AQUAMALINE ”, trade name“ Crystal Color X-20 PERIDOT ”, trade name“ Crystal Color X-20 BLUEMOON ”, and the like. Accordingly, the product name “Crystal Color X-5” series, the product name “Crystal Color X-40” series, the product name “Crystal Color X-701-30” series and the product name “Crystal Color X-701” are equivalent to these. 10 "series.
[0012]
In addition, as the “Rainbow Flakes” series, the product number “No55”, the product number “No501”, the product number “No510”, the product number “No530”, the product number “No550”, the product number “No580”, the product number “NoR-05”, the product number “NoR”. -15 ", part number" No501-30 ", etc., and each part number includes crystal, lemon yellow, dip yellow, apricot, nile green, green, pink, sky blue, royal blue, lavender, red, monarch green, etc. There is a color tone. That is, for example, as the series of “Rainbow Flakes No55”, the product name “Rainbow Flakes No55 Crystal”, the product name “Rainbow Flakes No55 Lemon Yellow”, the product name “Rainbow Flakes No55 Dipuero”, and the product name “Rainbow Flakes No55 Apricot”. , Product name "Rainbow flake No55 Nile green", product name "Rainbow flake No55 green", product name "Rainbow flake No55 pink", product name "Rainbow flake No55 sky blue", product name "Rainbow flake No55 royal blue", product Name “Rainbow Flakes No55 Lavender”, Product Name “Rainbow Flakes No55 Red”, Product Name “Rainbow Flakes No55 Monarch Grits And so on. Therefore, the corresponding series of “Rainbow Flakes No501”, “Rainbow Flakes No510”, “Rainbow Flakes No530”, “Rainbow Flakes No550”, “Rainbow Flakes No580”, “Rainbow Flakes NoR” -05 "series," Rainbow flake NoR-15 "series, and" Rainbow flake NoNo501-30 "series.
[0013]
The multilayer film powder is preferably contained in an amount of 0.01 to 20% by weight based on the total amount of the ink composition. When the multilayer film powder is less than 0.01% by weight in the total amount of the ink composition, the glitter and stereoscopic effect are not sufficient. When the multilayer film powder exceeds 20% by weight in the total amount of the ink composition, the viscosity of the ink is excessively increased, the fluidity is lowered, and the writing property is lowered. The optimum blending amount of the multilayer film powder is 0.05 to 10% by weight. The particle size of the multilayer film powder is preferably 40 mesh to 200 mesh.
[0014]
(Binder component)
The binder component is not particularly limited as long as it can fix the multilayer film powder to the handwriting. In order to firmly fix such a multilayer film powder to the handwriting, it is conceivable to use a water-soluble synthetic resin as a binder component. However, if the content of the water-soluble synthetic resin is increased in order to strongly fix the multilayer film powder, the solubility of the thickening resin and the dispersibility of the colorant may be adversely affected. In addition, the ink viscoelasticity is significantly changed, and the writing ability may be lowered. Moreover, even if the fixability with respect to the handwriting is exhibited, it should not be a water-based ink composition in which the strong glitter and stereoscopic effect of the multilayer film powder are reduced in the handwriting.
[0015]
When the synthetic resin emulsion is used as a binder component for fixing the multilayer film powder to the handwriting, the present inventors can dissolve the water-soluble thickening resin, disperse the colorant, viscoelasticity of the ink, and the ink. It has been found that the fixability of the multilayer film powder to the handwriting can be enhanced without adversely affecting the color development and without inhibiting the effect of strong glitter and stereoscopic effect due to the multilayer film powder blending.
[0016]
Therefore, when the aqueous ink composition of the present invention containing a multilayer film powder is written on a substrate such as paper, metal, plastic, or textile product, the multilayer film powder is fixed to the handwriting. The handwriting can be made durable and the handwriting can have a strong glitter and three-dimensional effect. This is because the film-forming property of the synthetic resin emulsion is suitable for multi-layer film powder having a large flake shape, and it does not interfere with the effect of strong glitter and three-dimensional effect due to the multi-layer film powder blending. This is because it can be firmly fixed.
[0017]
In addition, since the binder component in the present invention is not a water-soluble synthetic resin but a synthetic resin emulsion, properties such as solubility of a water-soluble thickening resin, dispersibility of a colorant, and viscoelasticity of an ink are included. Will not be adversely affected. Therefore, the ink composition of the present invention can improve the fixability of the multilayer film powder without affecting the viscosity of the ink, the writing ability, and the color of the handwriting.
[0018]
For this reason, the glittering water-based ink composition for ballpoint pens containing the multilayer film powder of the present invention does not deteriorate the ink characteristics and writing ability, and the conventional glittering pigments such as aluminum pigments and pearl pigments. Compared with the water-based ink composition using the ink, it is possible to continue to give a stronger glitter and stereoscopic effect to the handwriting.
[0019]
The synthetic resin emulsion is not particularly limited, and any water-dispersible synthetic resin emulsion can be used. However, in consideration of ink characteristics and writing ability, it is important to use a resin that does not affect the solubility of the water-soluble thickening resin, the viscosity of the ink, the dispersibility of the colorant, and the color of the ink. In addition, it is important that the effect of strong glitter and stereoscopic effect due to the blending of the multilayer film powder is not impaired.
[0020]
Moreover, it is preferable that the minimum film forming temperature of a synthetic resin emulsion is 20 degrees C or less. If the minimum film-forming temperature of the synthetic resin emulsion is 20 ° C. or lower, particularly 0 ° C. or lower, it can be formed into a film at room temperature (about 25 ° C.) or in a cold region, and the fixability of handwriting on the substrate can be improved.
[0021]
Moreover, what has anionic property or nonionic property can be used suitably for a synthetic resin emulsion. An anionic or nonionic synthetic resin emulsion can be obtained, for example, by making a synthetic resin from an anionic or nonionic monomer, or by using an anionic or nonionic emulsifier. When the synthetic resin emulsion has anionic or nonionic properties, the stability of the ink composition can be improved.
[0022]
The synthetic resin emulsion is preferably one that does not affect the dispersibility of the colorant or the solubility of the water-soluble thickening resin when the pH of the ink is 6 or more.
[0023]
From such a viewpoint, as the synthetic resin emulsion, for example, an acrylic synthetic resin emulsion, a styrene-acrylic synthetic resin emulsion, or a vinyl acetate synthetic resin emulsion can be used. Further, as the acrylic synthetic resin emulsion, for example, an acrylic ester copolymer synthetic resin emulsion is suitable. As the styrene-acrylic synthetic resin emulsion, for example, a styrene-acrylic ester copolymer synthetic resin emulsion is suitable. For the vinyl acetate synthetic resin emulsion, for example, a vinyl acetate synthetic resin emulsion and a vinyl acetate-acrylate copolymer synthetic resin emulsion are preferably used. The synthetic resin emulsion can be used by mixing one or more of these synthetic resins.
[0024]
Specifically, as an acrylic synthetic resin emulsion, a trade name “Nicazole FX336” (manufactured by Nippon Carbide Industries, Ltd., anionic, pH 7.5, minimum film forming temperature 0 ° C.), a trade name “Mobile Vinyl 772” (Clariant) Polymer Co., Ltd., anionic, pH 8.5, minimum film-forming temperature 12-14 ° C.), trade name “Movinyl 700” (Clariant Polymer Co., Ltd., anionic, pH 8.0, minimum film-forming temperature 5 ° C.), etc. Is mentioned. Moreover, as a vinyl acetate type synthetic resin emulsion, a brand name "Nicazole TG134A" (Nippon Carbide Industries Co., Ltd., pH 7.5, minimum film-forming temperature 0 degreeC), a brand name "Movinyl 507" (Clariant Polymer Co., Ltd. make, Nonionic property, pH 6.5, minimum film-forming temperature 0 ° C.) and the like.
[0025]
Although the content of the synthetic resin emulsion is not particularly limited, for example, a preferable range is 0.1 to 40% by weight in solid content with respect to the total amount of the ink composition. When the content of the synthetic resin emulsion is less than 0.1% by weight in solid content with respect to the total amount of the ink composition, the fixability of the multilayer film powder to the handwriting is lowered. On the other hand, when the content of the synthetic resin emulsion exceeds 40% by weight in terms of solid content with respect to the total amount of the ink composition, the solid content increases, and writing suitability decreases due to film formation at the pen tip. In addition, the handwriting is easily whitened. In order to further improve the fixability of the multilayer film powder to the handwriting, it is optimal that the content of the synthetic resin emulsion is at least 0.3% by weight in solid content with respect to the total amount of the ink composition. is there. Further, in order to further improve the writing ability, it is optimal that the content of the synthetic resin emulsion is at most 20% by weight in solid content with respect to the total amount of the ink composition. That is, the optimum content of the synthetic resin emulsion is 0.3 to 20% by weight.
[0026]
(Water-soluble thickening resin)
As the water-soluble thickening resin, it is important to use a thickening resin capable of adjusting the viscosity of the ink and preventing dispersion and settling of the multilayer film powder. As an example, microbial polysaccharides and derivatives thereof are used. For example, pullulan, xanthan gum, welan gum, rhamzan gum, succinoglucan, dextran and the like can be exemplified. In addition, water-soluble plant polysaccharides and derivatives thereof are used. For example, traganci gum, guar gum, tara gum, locust bean gum, gati gum, arabinogalactan gum, gum arabic, quiss gum, pectin, starch, syrup gum, pectin, carrageenan, alginic acid, agar, etc. Can be illustrated. In addition, water-soluble animal polysaccharides and derivatives thereof are used. For example, gelatin, casein, and albumin can be exemplified. As the thickening resin, N-vinylacetamide resins such as N-vinylacetamide resin and cross-linked N-vinylacetamide resin can be used.
[0027]
In the present invention, among the water-soluble thickening resins described above, microbial polysaccharides and derivatives thereof can be preferably used. Moreover, the water-soluble thickening resin mentioned above can be used 1 type or in mixture of 2 or more types.
[0028]
The water-soluble thickening resin is preferably contained in an amount of 0.01 to 40% by weight based on the total amount of the ink composition. When the water-soluble thickening resin is less than 0.01% by weight based on the total amount of the ink composition, the effect of preventing settling of the multilayer film powder is not sufficient. When the water-soluble thickening resin exceeds 40% by weight in the total amount of the ink composition, the viscosity of the ink is excessively increased, the fluidity is lowered, and the writing property is lowered. The optimum blending amount of the water-soluble thickening resin is 0.05 to 20% by weight, although it varies slightly depending on the type of the water-soluble thickening resin. In the ink composition containing the synthetic resin emulsion together with the multilayer film powder, it is preferable that the water-soluble thickening resin is contained at most 10% by weight. When the water-soluble thickening resin is blended in an amount exceeding 10% by weight, the viscosity of the ink is excessively increased and the fluidity is lowered.
[0029]
(Water-soluble organic solvent)
It is preferable to use a water-soluble organic solvent that can prevent drying at the nib and prevent freezing of the ink. For example, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, polyethylene glycol and other glycols, glycerin and other polyhydric alcohols, ethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol Examples thereof include glycol ethers such as rumonomethyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether and dipropylene glycol monopropyl ether. These organic solvents can be used alone or in combination of two or more.
[0030]
The water-soluble organic solvent is preferably contained in an amount of 1 to 40% by weight based on the total amount of the ink composition. When the water-soluble organic solvent is less than 1% by weight based on the total amount of the ink composition, the nib is easily dried and the ink is easily frozen. When the water-soluble organic solvent exceeds 40% by weight based on the total amount of the ink composition, the solubility of the water-soluble thickening resin is affected and the handwriting is difficult to dry. The optimum blending amount of the water-soluble organic solvent is 5 to 20% by weight although it slightly varies depending on the type of the water-soluble organic solvent.
[0031]
(Coloring agent)
As the colorant, those having solubility and dispersibility are preferable. Specifically, in addition to water-soluble dyes such as acid dyes, direct dyes and basic dyes, inorganic pigments such as carbon black and titanium oxide, copper phthalocyanine pigments, selenium pigments, azo pigments, quinacridone pigments, anthra In addition to organic pigments such as quinone pigments, dioxane pigments, indigo pigments, thioindigo pigments, perinone pigments, perylene pigments, indolenone pigments, azomethine pigments, fluorescent pigments, colored resin emulsions, and the like. Moreover, these can also be used as a pigment dispersion. Moreover, in this invention, a coloring agent can be used 1 type or in mixture of 2 or more types. Further, the multilayer film powder of the present invention can be used by mixing with bright pigments such as aluminum powder pigments and pearl pigments. In addition, it is used by mixing with concealing pigments such as various inorganic or organic white pigments such as concealing titanium oxide, alkylene bismelamine derivatives, plastic pigments (synthetic resin particle pigments) of various shapes such as spherical and flat shapes. You can also
[0032]
In the water-based ink composition of the present invention, a colorant may not necessarily be contained. Even a water-based ink composition that does not contain a colorant but contains a multilayer film powder can impart a strong glitter and a strong stereoscopic effect to the handwriting. However, each of the above water-based ink compositions containing a colorant is extremely preferable because it can give the handwriting a strong shine according to the color tone depending on the hue of the colorant.
[0033]
The colorant is preferably contained in an amount of 0.05 to 15% by weight based on the total amount of the ink composition. When the colorant is less than 0.05% by weight in the total amount of the ink composition, it is difficult to visually recognize the colorant. When the colorant exceeds 15% by weight in the total amount of the ink composition, the viscosity of the ink is excessively increased and the fluidity is lowered. The optimum blending amount of the colorant is 1 to 10% by weight although it is slightly different depending on the kind of the colorant.
[0034]
(Other additives)
In addition, in the present invention, if necessary, a lubricant such as polyoxyethylene alkali metal salt, dicarboxylic acid amide, phosphate ester, N-oleyl sarcosine salt, rust prevention such as benzotriazole, tolyltriazole dicyclohexylammonium nitrate, etc. Agents, benzoisothiazoline-based, pentachlorophenol-based, antiseptic / antifungal agents such as cresol, various surfactants and the like can be added. In order to disperse the multilayer film powder as the glitter pigment, a surfactant can be used.
[0035]
The preferred viscosity range of the ink composition of the present invention is 500 mPa · s to 10000 mPa · s. The ink composition of the present invention is adjusted to such a viscosity range. This viscosity is a value measured with an ELD viscometer (3 ° R14 cone, rotation speed: 0.5 rpm, 20 ° C.).
[0036]
【Example】
After mixing and stirring each component such as water, a water-soluble organic solvent, a multilayer film powder, and a pigment base in the composition and blending amount (parts by weight) shown in Table 1, a water-soluble thickening resin is added, This was filtered and defoamed to obtain a glittering water-based ink composition for ballpoint pens of Examples. In the case of an ink composition containing a synthetic resin emulsion, the composition and blending amount (parts by weight) shown in Table 1 are also mixed and mixed with water, a water-soluble organic solvent, and other additives as necessary. Then, the multilayer film powder is added to this and stirred, and then a water-soluble thickening resin is added and stirred. Next, the mixture is adjusted to pH 8.5 with caustic soda, and then a pigment dispersion is added as necessary and stirred. Subsequently, a synthetic resin emulsion was added and mixed. In this preparation, a conventionally known dispersion method, defoaming method, filtration method and the like were employed.
[0037]
For comparison, each component such as water, a water-soluble organic solvent, and a bright pigment such as an aluminum pigment or a pearl pigment is mixed and stirred and dispersed, and then a water-soluble thickening resin is added, filtered, and then removed. Foaming was performed to obtain a glittering water-based ink composition for a ballpoint pen as a comparative example. In any case, conventionally known methods were used for the dispersion method, defoaming method, filtration and the like.
[0038]
[Table 1]
In Table 1, each raw material composition is as follows.
(Bright pigment)
I) Product name "Rainbow Flake No55 Crystal", Dia Kogyo Co., Ltd., average particle size 120 mesh
II) Product name "Rainbow Flake No55 Lemon Yellow", Dia Kogyo Co., Ltd., average particle size 120 mesh
III) Trade name “Crystal Color X-5 OPAL”, Dia Kogyo Co., Ltd., average particle size of −119 to +120 mesh
IV) Aluminum powder pigment: trade name “WXM0630”, manufactured by Toyo Aluminum Co., Ltd., average particle diameter of about 8 μm
V) Pale pigment: trade name “Iriodin302”, manufactured by Merck Japan, average particle size of about 5 to 20 μm
[0040]
(Water-soluble thickening resin)
I) Xanthan Gum: trade name “KELZAN”, manufactured by Sanki Co., Ltd.
II) Welan gum: trade name "K1C376", manufactured by Sanki Co., Ltd.
III) Polyacrylic acid: trade name “Carbopol 940”, manufactured by BF Goodrich [0041]
(Binder component)
I) Acrylic synthetic resin emulsion: trade name “Nicazole FX336”, manufactured by Nippon Carbide Industries, Ltd., anionic, pH 7.5, minimum film forming temperature 0 ° C.
II) Vinyl acetate-based synthetic resin emulsion: Trade name “Movinyl 507”, manufactured by Clariant Polymer Co., Ltd., nonionic, pH 6.5, minimum film-forming temperature 0 ° C.
III) Acrylic ester copolymer resin emulsion: Trade name “MOvinyl DM772”, manufactured by Clariant Polymer Co., Ltd., anionic, pH 8.5, minimum film-forming temperature 12-14 ° C.
IV) Methylcellulose: Trade name “Cesca MC25S”, manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.
(Water-soluble organic solvent)
I) Glycerin
II) Propylene glycol [0043]
(Coloring agent)
I) Pigment-based: The pigment-based pigment dispersion is prepared by adding triethylamine to a mixture of the following phthalocyanine blue and the following pigment dispersing resin in the following proportions and dissolving the mixture, followed by dispersing in a ball mill. A blue pigment aqueous dispersion having an average particle size of 0.08 μm and a solid content concentration of 10% by weight was obtained. As phthalocyanine blue, trade name “Fastgen Blue TGR” manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc. was used. As the pigment dispersing resin, a styrene-acrylic copolymer (trade name “John Krill J683”, manufactured by Johnson Polymer Co., Ltd., weight average molecular weight: 8000) was used.
Phthalocyanine blue 5 parts by weight Resin for pigment dispersion 1 part by weight [0044]
(Antiseptic and antifungal agent)
1,2-benzoisothiazolin-3-one (trade name: “Proxel GXL”, manufactured by Hoechst Chemical Co., Ltd.)
(anti-rust)
Benzotriazole [0045]
(lubricant)
Polyoxyethylene alkyl ether phosphate ester (phosphate ester activator, trade name “phosphanol PE-510”, manufactured by Toho Chemical Co., Ltd.)
(Glitter pigment dispersant)
Polyoxyethylene nonylphenyl ether: Trade name “Emulgen PI-20T” (Kao Corporation, nonionic activator, HLB 13.2)
[0046]
(Creation of test sample)
Next, each of the ink compositions of the examples and comparative examples shown in Table 1 is made of a polypropylene hollow shaft cylinder in which a stainless ball pen tip (ball material: silicon carbide) is continuously provided at one end. A ballpoint pen was prepared for each test sample filled in the container and loaded with the ink container.
[0047]
(Evaluation test)
Using these ballpoint pens, writing was performed on commercially available loose-leaf paper, and the glitter, three-dimensionality, and fixability of each ink composition were evaluated. The evaluation results are also shown in Table 1.
[0048]
(Shiny feeling)
The feeling of glitter was evaluated by visual observation of the written state, and evaluation was made with ○ having a strong glitter feeling, Δ having a small glitter feeling, and x having no glitter feeling.
[0049]
(Three-dimensional effect)
In addition, the three-dimensional effect was evaluated by visually observing the written state, and the one having a strong three-dimensional effect was evaluated as ◯, the one having a small three-dimensional effect was evaluated as Δ, and the one having no three-dimensional effect was evaluated as ×.
[0050]
(Fixability)
After writing and drying on a commercially available loose-leaf paper using a ballpoint pen of a test sample according to the example, a commercially available cello tape (adhesive tape) is pasted on the handwriting, and the state after peeling is visually observed, and the following evaluation Fixability was evaluated according to a standard.
○: Multilayer film powder or glitter pigment remains on the handwriting, and the glitter feeling before peeling the cello tape is not lost. ×: The glitter before the multilayer film powder or glitter pigment is peeled off on the handwriting and the tape is peeled off. Feeling is lost [0051]
From Table 1, in the examples, handwriting with a strong glitter and a strong three-dimensional impression that imaged gem aquamarine was obtained, and the writing property was also good. On the other hand, none of the comparative examples gave a glittering feeling and a three-dimensional feeling. On the other hand, in Examples 1 to 3 in which the binder component was not included, a handwriting with a strong glitter and a three-dimensional impression that gives an image of gem aquamarine was obtained, and the writing property was good, but the fixing property was poor. . On the other hand, in Examples 4 to 6 containing the binder component, a handwriting with a strong radiance and a three-dimensional impression that gives an image of gem aquamarine was obtained, and a handwriting with good fixability was obtained. .
[0052]
【The invention's effect】
Since the present invention is a glittering water-based ink composition for ballpoint pens containing multilayer film powder, a water-soluble thickening resin, a water-soluble organic solvent and water as essential components, a water-based composition using a conventional glittering pigment is used. Compared with the ink composition, it is possible to obtain an unprecedented unique handwriting having a stronger glitter and stereoscopic effect. In particular, in the case of a glittering water-based ink composition for ballpoint pens containing a binder component that fixes the multilayer film powder to the handwriting, it has a strong glittering feeling and a three-dimensional feeling, and a handwriting having excellent fixability is obtained. Thus, it is possible to obtain a durable handwriting that maintains a strong glitter and three-dimensional effect.
Claims (8)
水溶性増粘樹脂、
水溶性有機溶剤及び
水を含んでなるボールペン用光輝性水性インキ組成物。As an essential component, a multilayer film powder having a particle size of 40 mesh to 200 mesh ,
Water-soluble thickening resin,
A glittering water-based ink composition for ballpoint pens comprising a water-soluble organic solvent and water.
インキ組成物全量中０．０１〜２０重量％含まれている請求項１記載のボールペン用光輝性水性インキ組成物。Multi-layer film powder
The glittering water-based ink composition for ballpoint pens according to claim 1, which is contained in an amount of 0.01 to 20% by weight based on the total amount of the ink composition.
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