JP4325079B2 - Thermostat failure diagnosis device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの冷却系に設けられたサーモスタットの故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開平11−159379号公報に示すように、冷却液温度を検出する冷却液温度センサと、エンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段により検出されるエンジン負荷を積算してエンジンの発熱量を算出する発熱量算出手段と、上記冷却液温度とエンジンの発熱量に応じて冷却系に異常が発生したかどうかを診断する診断手段とを備え、例えば暖機中にエンジンが高負荷で運転される場合には、エンジンの発熱量が多いことに起因して冷却液温度が急速に上昇するするため、上記エンジンの発熱量に応じて判定値または判定期間を補正することにより、冷却液温度に基づいてサーモスタット弁が正常に作動しているかどうかを的確に診断できるようにすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように高負荷運転時に、故障判定基準値を補正することにより、エンジンの冷却水温度(冷却液温度)が急上昇することに起因した誤診断を防止するように構成したとしても、ラジエータにおける放熱量が少ない場合には、サーモスタット弁が開閉されても顕著な温度変化が生じないため、サーモスタット弁が正常であるにも拘わらず閉故障が発生していると誤診断され易い等の問題がある。
【0004】
すなわち、車両の上り坂走行時等において、エンジンが高負荷状態にあって発熱量が多く、かつ車速が低いことに起因してラジエータの放熱量が少ない場合には、サーモスタット弁の閉故障検出時に、サーモスタット弁が開状態にあるにも拘わらず、冷却水温度が顕著に上昇するため、サーモスタット弁に閉故障が発生してラジエータに対する冷却水の供給が停止された状態にあると誤診断され易いという問題がある。また、上記ラジエータの放熱量が少ない状態でサーモスタット弁の開故障を検出する際には、サーモスタット弁が開故障状態にあるにも拘わらず、冷却水温度が顕著に低下しないことに起因して、サーモスタット弁が正常に作動して閉止された状態にあると誤診断される等の問題がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でサーモスタット弁の故障を迅速かつ正確に診断することができるサーモスタットの故障診断装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、エンジンの冷却水温度を調節するサーモスタット弁の開故障または閉故障の少なくとも一方を検出する故障検出手段と、この故障検出手段による故障検出時に、ラジエータの放熱量を増大させるように制御する放熱量制御手段とを備えたものである。
【0007】
上記構成によれば、上記放熱量制御手段によってラジエータの放熱量を増大させる制御が実行されることにより、サーモスタット弁が開閉された場合に冷却水温度が顕著に変化するように制御された状態で、上記故障検出手段によるサーモスタット弁の開故障または閉故障の検出が行われるため、誤診断を生じることなく、上記サーモスタット弁の故障が迅速かつ正確に診断されることになる。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載のサーモスタットの故障診断装置において、故障検出手段によってサーモスタット弁の故障を検出する際に、車両が低速走行状態にあることが確認された場合にのみ、上記放熱量制御手段によりラジエータの放熱量を増大させる制御を実行するように構成したものである。
【0009】
上記構成によれば、故障検出手段によってサーモスタット弁の開故障または閉故障を検出する際に、車両が低速走行状態にあることが確認された場合には、上記放熱量制御手段によってラジエータの放熱量を増大させる制御が実行されることにより、サーモスタット弁が開閉され場合に冷却水温度が顕著に変化するように制御される。また、車両が低速走行状態にないことが確認された場合には、上記ラジエータの放熱量を増大させる制御が実行されることなく、上記サーモスタット弁の開故障または閉故障の検出が行われることになる。
【0010】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2記載のサーモスタットの故障診断装置において、上記故障検出手段は、サーモスタット弁が故障状態にあるか、正常な状態にあるか、または正確な検出が困難な保留状態にあるかを判定するとともに、この保留判定がされた場合にサーモスタット弁の再故障検出を行うように構成され、上記故障検出手段によるサーモスタット弁の再故障検出時にのみ、放熱量制御手段によりラジエータの放熱量を増大させる制御を実行するように構成したものである。
【0011】
上記構成によれば、故障検出手段による最初の故障検出時には、放熱量制御手段によりラジエータの放熱量を増大させる制御が実行されることなく、上記サーモスタット弁の故障検出が行われる。そして、上記最初の故障検出時に、保留判定がされた場合には、上記放熱量制御手段によりラジエータの放熱量を増大させる制御が実行された状態で、上記故障検出手段によるサーモスタット弁の故障検出が再度実行されるため、誤診断を生じることなく、上記サーモスタット弁の故障が迅速かつ正確に診断されることになる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れかに記載のサーモスタットの故障診断装置において、サーモスタット弁が電気的に開閉制御される電気制御弁により構成されるとともに、このサーモスタット弁の開閉温度をエンジンの運転状態に対応させて設定する開閉温度設定手段を備え、上記故障検出手段によるサーモスタット弁の開故障検出時に、上記サーモスタット弁の開閉温度を高温側に設定した状態で、上記ラジエータにおける放熱量を増大させる制御を実行し、サーモスタット弁の閉故障検出時に、上記サーモスタット弁の開閉温度を低温側に設定した状態で、上記ラジエータにおける放熱量を増大させる制御を実行するように構成したものである。
【0013】
上記構成によれば、冷却水温度がサーモスタット弁の開閉温度よりも低い閉弁温度領域で、上記故障検出手段によりサーモスタット弁の開故障を検出する際に、開閉温度設定手段により上記開閉温度が通常時よりも高温側に設定され、かつ冷却水温度が上記開閉温度よりも高い開弁温度領域で、上記故障検出手段によりサーモスタット弁の閉故障を検出する際に、開閉温度設定手段により上記開閉温度が通常時よりも低温側に設定されるため、この開閉温度と実冷却水温度とに差がないことに起因した誤診断の発生が防止されることになる。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れかに記載のサーモスタットの故障診断装置において、上記放熱量制御手段は、ラジエータに冷却風を供給する冷却ファンまたはラジエータに対する冷却風の取入口の開口面積を増大させる開口面積増大手段の少なくとも一方を制御することにより、上記ラジエータの放熱量を増大させる制御を実行するように構成されたものである。
【0015】
上記構成によれば、上記放熱量制御手段によってラジエータに冷却風を供給する冷却ファンまたはラジエータに対する冷却風の取入口の開口面積を増大させる開口面積増大手段の少なくとも一方が制御されることにより、ラジエータの放熱量が大きくなるように効果的に制御された状態で、上記故障検出手段によってサーモスタット弁の開故障または閉故障が迅速かつ正確に検出されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るサーモスタットの故障診断装置を有する車両用エンジンの冷却系を示している。この冷却系には、エンジン本体1から導出された冷却水をラジエータ2に供給する第1配管3と、ラジエータ2により冷却された冷却水をエンジン本体1に供給する第2配管4とを備え、この第2配管4には、エンジン本体1に冷却水を供給する冷却水ポンプ5と、上記冷却水の温度を検出する温度センサ6と、ラジエータ2に冷却風を供給する冷却ファン20とが設けられている。
【0017】
上記第1配管3と第2配管4とは、第1バイパス配管7及び第2バイパス配管8により二個所において接続されている。また、上記両バイパス配管7,8のうちエンジン本体1側の第1バイパス配管7には、暖房装置のヒータコア9が配設され、ラジエータ2側の第2バイパス配管8と第2配管4との接続部には、電気制御式のサーモスタット弁10が配設されている。なお、上記第1バイパス通路7には、室内暖房を行わないときに、第1バイパス通路7への冷却水の流入を阻止する開閉弁(図示せず)が設けられている。
【0018】
上記サーモスタット弁10は、エンジンの冷却水温度がサーモスタット弁10の開閉温度よりも高いときに、電気的に開弁状態とされて、第2配管4の上流側部4aと下流側部4bとを連通させるとともに、第2バイパス配管7と第2配管4とを遮断状態とすることにより、エンジン本体1から導出された高温の冷却水をラジエータ2に供給して冷却した後、上記第2配管4を介してエンジン本体1に供給するように構成されている。
【0019】
また、サーモスタット弁10は、エンジンの冷却水温度がサーモスタット弁10の開閉温度よりも低い場合に、電気的に閉弁状態とされて、第2配管4の上流側部4aと下流側部4bとを遮断するとともに、第2バイパス配管7と第2配管4とを連通させることにより、エンジン本体1から導出された高温の冷却水を、ラジエータ2に供給することなく、上記第2バイパス配管7から第2配管4の下流側部4bを介してエンジン本体1に循環させる三方切換弁からなっている。
【0020】
上記サーモスタットの故障診断装置には、エンジンの運転状態に対応させて上記開閉温度を設定する開閉温度設定手段11と、この開閉温度設定手段11により設定された開閉温度に基づいて上記サーモスタット弁10をフィードバック制御するフィードバック制御手段12と、上記サーモスタット弁10の開故障及び閉故障を検出する故障検出手段13と、この故障検出手段13による故障検出時に、必要に応じて上記冷却ファン20を作動させてラジエータ2の放熱量を増大させるように制御する放熱量制御手段14と、上記故障検出手段13から出力される故障検出信号に応じて上記サーモスタット弁10に故障が発生したことを報知する警報手段15とが設けられている。
【0021】
上記開閉温度設定手段11は、エンジンの通常運転時、例えば極低負荷状態または極高負荷状態を除く温間運転時等に、冷却水温度を最適値とするために、上記サーモスタット弁10の開閉温度を例えば80°C程度に設定するとともに、エンジンの低負荷運転時等に冷却水温度を早期に上昇させるために上記開閉温度を例えば90°C程度に設定し、かつエンジンの高負荷運転時等にエンジン本体1等の温度が過度に上昇するのを防止するために上記開閉温度を80°C未満に設定するように構成されている。
【0022】
上記フィードバック制御手段12は、開閉温度設定手段11により設定されたサーモスタット弁10の開閉温度と、温度センサ6により検出された実冷却水温度との偏差を求め、この偏差に対応した開閉信号を上記サーモスタット弁10に出力することにより、実冷却水温度を上記開閉温度に一致させるフィードバック制御を実行するように構成されている。
【0023】
上記故障検出手段13は、開閉温度設定手段11により設定されたサーモスタット弁10の開閉温度と、温度センサ6により検出された実冷却水温度との偏差に基づいて上記サーモスタット弁10に開故障もしくは閉故障の何れかが発生した状態にあるか、サーモスタット弁10が正常な状態あるか、または正確な検出が困難な保留状態にあるかを判定し、上記開故障もしくは閉故障が発生した状態にあることが検出された場合に、この検出信号を上記警報手段15に出力するように構成されている。
【0024】
すなわち、上記実冷却水温度がサーモスタット弁10の開閉温度よりも低い閉弁温度領域で、上記偏差の絶対値が、予め設定された第1基準値以上である状態が一定時間に亘り継続され、冷却水温度が上昇していないことが確認された場合に、サーモスタット弁10に開故障が発生したと判定し、上記偏差の絶対値が、上記第1基準値よりも小さな値に設定された第2基準値未満である状態が一定時間に亘り継続され、冷却水温度が上昇していることが確認された場合に、正常であると判定し、かつ上記偏差の絶対値が、上記第1基準値と第2基準値との間にある状態が一定時間に亘り継続された場合に、正確な判定が困難な保留状態にあると判定するように構成されている。
【0025】
また、上記実冷却水温度がサーモスタット弁10の開閉温度よりも高い開弁温度領域で、上記偏差の絶対値が第1基準値以上である状態が一定時間に亘り継続され、冷却水温度が低下していないことが確認された場合に、サーモスタット弁10に閉故障が発生したと判定し、上記偏差の絶対値が、上記第1基準値よりも小さな値に設定された第2基準値未満である状態が一定時間に亘り継続され、冷却水温度が低下していることが確認された場合に、正常であると判定し、かつ上記偏差の絶対値が、上記第1基準値と第2基準値との間にある状態が一定時間に亘り継続された場合に、正確な判定が困難な保留状態にあると判定するようになっている。
【0026】
上記放熱量制御手段14は、故障検出手段13によりサーモスタット弁10の故障を最初に検出する際に判定が保留され、かつ車両の走行速度が一定値未満の低車速状態にあることが確認された場合にのみ、上記冷却ファン20の駆動モータ21に作動指令信号を出力してラジエータ2の放熱量を強制的に増大させる制御を実行するように構成されている。
【0027】
上記構成の故障診断装置において実行される基本制御動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、故障検出手段13によりサーモスタット弁10の故障を最初に検出する際に判定が保留された状態にあることを示す保留判定フラグPFが1に設定されているか否かを判定し(ステップS1)、NOと判定された場合には、下記のステップS7に移行してサーモスタット弁10の故障検出制御を実行する。
【0028】
上記ステップS1でYESと判定されてサーモスタット弁10の故障判定が保留された状態にあることが確認された場合には、図外の車速センサ等によって検出された車速が、予め設定された基準車速v未満の状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。このステップS2でNOと判定されて車両が低速走行状態にないことが確認された場合には、冷却ファン20を駆動するべき状態にあるか否かを判定するためのカウンタのカウント値Caを0にリセットした後(ステップS3)、ステップS7に移行する。
【0029】
上記ステップS2でYESと判定されて車両が低速走行状態にあることが確認された場合には、上記カウンタのカウント値Caを1だけインクリメントする(ステップS4)。そして、上記カウント値Caが予め設定された第1基準時間β1よりも大きいか否かを判定し(ステップS5)、YESと判定された場合には、上記冷却ファン20を駆動する制御信号を駆動モータ21に出力することにより、上記冷却ファン20を駆動してラジエータ2の放熱量を強制的に増大させる制御を実行した後(ステップS6)、上記故障検出手段13によるサーモスタット弁10の故障検出制御を実行する(ステップS7)。
【0030】
次いで、上記サーモスタット弁10の故障検出制御が終了したことを示すフラグFFが1にセットされているか否かを判定し(ステップS8)、YESと判定された場合には、制御動作を終了する。上記ステップS8でNOと判定されて上記サーモスタット弁10の故障検出制御が終了していないことが確認された場合には、上記サーモスタット弁10の開閉基準となる開閉温度と、上記温度センサ6によって検出された実冷却水温度の偏差に基づくサーモスタット弁10の開閉制御を実行した後(ステップS9)。リターンして上記制御動作を繰り返す。
【0031】
次に、上記基本制御のステップS7において実行される故障検出制御を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、エンジンの始動後に所定時間、例えば300秒程度が経過して冷却水温度がある程度上昇した状態にあるか否かを判定する(ステップS11)。
【0032】
上記ステップS11でYESと判定された場合には、上記開閉温度設定手段11において設定されたサーモスタット弁10の開閉温度TTと、上記温度センサ6によって検出された実冷却水温度TSとの偏差ΔTを求めた後(ステップS12)、この偏差の絶対値|ΔT|が、予め設定された第1基準偏差α1よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。
【0033】
このステップS13でYESと判定された場合には、故障判定用カウンタのカウント値Cbを1だけインクリメントした後(ステップS14)、このカウント値Cbと、予め設定された基準時間β2とを比較することにより、所定時間が経過したか否か判定する(ステップS15)。
【0034】
上記ステップS15でYESと判定され、上記偏差の絶対値|ΔT|が第1基準偏差α1よりも大きい状態が、所定時間以上に亘って継続されたことが確認された場合には、上記サーモスタット弁10に開故障または閉故障が発生した判定し(ステップS16)、上記サーモスタット弁10に故障が発生したことを示す検出信号を上記警報手段15に出力することにより、故障が発生したことを報知する。
【0035】
例えば上記サーモスタット弁10の開閉温度TTが実冷却水温度TSよりも高い閉弁温度領域で実行されるサーモスタット弁10の開故障検出時に、上記開閉温度TTが、実冷却水温度TSよりも所定値以上大きい状態が所定時間に亘り継続され、実冷却水温度TSが上記開閉温度TTに近付くように上昇していないことが確認された場合には、サーモスタット弁10が開状態に固着する等の開故障が発生したと判断して上記警報手段15に開故障検出信号を出力する。
【0036】
また、上記開閉温度TTが実冷却水温度TSよりも低い開弁温度領域で実行されるサーモスタット弁10の閉故障検出時に、上記実冷却水温度TSがサーモスタット弁10の開閉温度TTよりも所定値以上大きい状態が所定時間に亘り継続され、実冷却水温度TSが上記開閉温度TTに近付くように低下していないことが確認された場合には、サーモスタット弁10が閉状態に固着する等の閉故障が発生したと判断して上記警報手段15に閉故障検出信号を出力する。
【0037】
一方、上記ステップS13でNOと判定され、上記偏差の絶対値|ΔT|が、予め所定値に設定された第1基準偏差α1以下であることが確認された場合には、上記偏差の絶対値|ΔT|が、第1基準偏差α1よりも小さな値に設定された第2基準偏差α2未満であるか否かを判定する(ステップS17)。このステップS18でYESと判定された場合には、故障判定用カウンタのカウント値Cbを1だけインクリメントした後(ステップS18)、このカウント値Cbと、予め設定された基準時間β2とを比較することにより、所定時間が経過したか否か判定する(ステップS19)。
【0038】
上記ステップS19でYESと判定され、上記偏差の絶対値|ΔT|が第2基準偏差α2よりも小さい状態が、所定時間以上に亘って継続されたことが確認された場合には、上記サーモスタット弁10が正常であると判定した後(ステップS20)、上記サーモスタット弁10の故障検出制御が終了したことを示すフラグFFを1にセットする(ステップS21)。すなわち、上記サーモスタット弁10が正常に開閉駆動されることにより、実冷却水温度TSをサーモスタット弁10の開閉温度TTに近付ける制御が適正に実行されていると判断して制御動作を終了する。
【0039】
また、上記ステップS17でNOと判定され、上記偏差の絶対値|ΔT|が第1基準偏差α1と第2基準偏差α2との間にあることが確認された場合には、故障判定用カウンタのカウント値Cbを1だけインクリメントした後(ステップS22)、このカウント値Cbと、予め設定された基準時間β2とを比較することにより、所定時間が経過したか否か判定する(ステップS23)。
【0040】
上記ステップS23でYESと判定され、上記偏差の絶対値|ΔT|が第1基準偏差α1と第2基準偏差α2との間にある状態が所定時間以上に亘って継続されたことが確認された場合には、上記サーモスタット弁10が故障しているか否かの正確な判定が困難な保留状態にあると判定し(ステップS24)、この保留判定がされたことを示すフラグPFを1にセットした後(ステップS25)、リターンする。
【0041】
なお、上記ステップS15,S19,S23の何れかにおいてNOと判定され、上記所定時間が経過していないことが確認された場合には、図2に示す基本制御動作にリターンして上記故障診断の制御動作を繰り返す。
【0042】
上記のようにエンジンの冷却水温度を調節するサーモスタット弁10の開故障または閉故障の少なくとも一方を検出する故障検出手段13と、この故障検出手段13による故障検出時に、ラジエータ2の放熱量を増大させるように制御する放熱量制御手段14とを設けたため、簡単な構成で上記サーモスタット弁10の開故障または閉故障の少なくとも一方を迅速かつ正確に検出することができる。
【0043】
例えば、実冷却水温度TSが上記サーモスタット弁10の開閉温度TTよりも低い閉弁領域で実行されるサーモスタット弁10の開故障検出時に、上記冷却ファン20を駆動してラジエータ2の放熱量を増大させる制御を実行するように構成した場合、上記サーモスタット弁10が正常であれば、このサーモスタット弁10が閉状態となって図4の実線で示すように、実冷却水温度TSを上記開閉温度TTに近付けるフィードバック制御が実行されることになる。そして上記サーモスタット弁10に開故障が発生している場合には、ラジエータ2の放熱量が大きいため、図4の破線で示すように、実冷却水温度TSが上記開閉温度TTよりもかなり低い状態に保持されて上記開閉温度TTと上記実冷却水温度TSとの偏差が大きくなる。
【0044】
これに対して上記冷却ファン20を駆動することなく、上記サーモスタット弁10の開故障を検出するように構成した場合には、この開故障が発生しても、何らかの原因でラジエータ2の放熱量が小さい状態にあると、上記開閉温度TTに近づくように実冷却水温度TSが上昇するため、開故障を生じたサーモスタット弁10が正常であると誤診断される可能性がある。
【0045】
したがって、上記のように故障検出手段13による開故障検出時に、ラジエータ2の放熱量を増大させる制御を実行して、サーモスタット弁10の開故障発生時に実冷却水温度TSを早期に低下させるように構成することにより、上記開閉温度TTと上記実冷却水温度TSとの偏差が小さいことに起因した誤診断が発生するのを効果的に防止し、上記偏差に基づいてサーモスタット弁10に開故障が発生したか否かを迅速かつ正確に診断することができる。
【0046】
また、上記実冷却水温度TSが上記サーモスタット弁10の開閉温度TTよりも高い開弁領域で実行されるサーモスタット弁10の閉故障検出時に、上記冷却ファン20を駆動してラジエータ2の放熱量を増大させる制御を実行して、上記サーモスタット弁10の開放時に実冷却水温度TSを早期に低下させるように構成することにより、上記サーモスタット弁10に閉故障が発生していないにも拘わらず、何らかの原因でラジエータ2の放熱量が小さく、実冷却水温度TSが低下しない状態にあることに起因して、サーモスタット弁10が閉故障状態にあると誤診断されるのを効果的に防止し、上記サーモスタット弁10の閉故障を迅速かつ正確に診断することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、故障検出手段13によるサーモスタット弁10の故障検出時に、車両が低速走行状態にあることが確認された場合にのみ、上記放熱量制御手段14によりラジエータ2の放熱量を増大させる制御を実行するように構成したため、ラジエータ2に吹き付けられる走行風によって放熱量を充分に確保することができる高速走行時等に、上記冷却ファン20が駆動されることによる騒音の発生及び電力の浪費を防止することができる。そして、ラジエータ2に吹き付けられる走行風の少ない低速走行時には、上記冷却ファン20を駆動してラジエータ2の放熱量を強制的に増大させることにより、この放熱量が小さいことに起因した上記誤診断の発生を効果的に防止することができる。
【0048】
また、上記実施形態では、故障検出手段13によりサーモスタット弁10が故障状態にあるか、正常な状態にあるか、または正確な検出が困難な保留状態にあるかを判定するとともに、この保留判定がされた場合にサーモスタット弁10の再故障検出を行うように構成され、この再故障判定時にのみ、上記放熱量制御手段14によりラジエータ2の放熱量を増大させる制御を実行するように構成したため、上記故障検出手段13による最初の故障検出時には、上記冷却ファン20が駆動されることによる電力の浪費等を生じることなく、上記サーモスタット弁10の故障を検出することができる。
【0049】
そして、上記最初の故障検出時に、実冷却水温度TSが開閉温度TTに一致することなく、かつ両温度の偏差が一定値以上でもないために保留判定がされた場合には、上記放熱量制御手段14によりラジエータ2の放熱量を増大させる制御を実行することにより、開故障検出時にサーモスタット弁10が開状態に固着する異常が発生した場合に、実冷却水温度TSが低下して上記偏差が大きくなるように制御するとともに、閉故障検出時にサーモスタット弁10が正常に開状態となった場合に、実冷却水温度TSが低下して開閉温度TTと略一致した状態となるように制御した状態で、上記故障検出手段13によるサーモスタット弁10の故障判定を再度実行することにより、上記サーモスタット弁10の開故障または閉故障を正確に検出することができる。
【0050】
なお、上記実施形態では、サーモスタット弁10が電気的に開閉制御される電気制御弁により構成されるとともに、このサーモスタット弁10の開閉温度TTをエンジンの運転状態に対応させて設定する開閉温度設定手段11を備えたエンジンについて説明したが、上記開閉温度TTが一定値に設定された機械式のサーモスタット弁を有するエンジンについても、本発明を適用可能である。
【0051】
上記電気制御弁からなるサーモスタット弁10と、開閉温度設定手段11とを備えたエンジンにおいて、上記サーモスタット弁10の開故障を、その閉弁温度領域で実行する際に、上記故障検出手段13による故障検出が終了するまで上記開閉温度設定手段11によりサーモスタット弁10の開閉温度を通常時よりも高温側(例えば90°C程度)に設定し、またサーモスタット弁10の閉故障を、その開弁温度領域で実行する際に、上記故障検出手段13による故障検出が終了するまで上記開閉温度設定手段11によりサーモスタット弁10の開閉温度TTを通常時よりも低温側(例えば70°C程度)に設定することにより、サーモスタット弁10の開故障及び閉故障を正確に検出できるように構成してもよい。
【0052】
すなわち、図5に示すように、上記開閉温度設定手段11において設定されたサーモスタット弁10の開閉温度TTが、温度センサ6によって検出された実冷却水温度TSよりも大きいか否かを判定し(ステップS31)、このステップS31でYESと判定され、上記開閉温度TTが実冷却水温度TSよりも大きい状態、つまりサーモスタット弁10の閉弁温度領域にあることが確認された場合には、上記開閉温度設定手段11においてサーモスタット弁10の開閉温度TTを通常時よりも高温側に設定する(ステップS32)。
【0053】
次いで、上記故障検出手段13による故障検出制御を実行することにより、サーモスタット弁10の開故障を検出した後(ステップS33)、上記開閉温度TTと実冷却水温度TSの偏差に基づくサーモスタット弁の開閉制御を実行する(ステップS34)。
【0054】
また、上記ステップS31でNOと判定されてサーモスタット弁10の開閉温度TTが実冷却水温度TSよりも小さい状態、つまりサーモスタット弁10の開弁温度領域にあることが確認された場合には、上記開閉温度設定手段11において開閉温度TTを通常時よりも低温側に設定した後(ステップS35)、上記ステップS33に移行して故障検出手段13による故障検出制御を実行することにより、サーモスタット弁10の閉故障を検出する。
【0055】
上記のようにサーモスタット弁10の開故障を検出する際に、上記ラジエータ2の放熱量を増大させる制御に加えて上記開閉温度TTを高温側に設定する制御を実行するように構成した場合には、上記偏差に基づき、実冷却水温度TSを高温の開閉温度TTに近付けるフィードバック制御が適正に実行されているか否かを判別することにより、サーモスタット弁10の開閉温度TTと上記実冷却水温度TSとの偏差が小さいことに起因した誤検出を生じることなく、サーモスタット弁10の開故障を、さらに正確に検出することができる。
【0056】
また、上記のようにサーモスタット弁10の閉故障を検出する際に、上記ラジエータ2の放熱量を増大させる制御に加えて上記開閉温度TTを低温側に設定する制御を実行するように構成した場合には、上記偏差に基づき、実冷却水温度TSを低温の開閉温度TTに近付けるフィードバック制御が適正に実行されているか否かを判別することにより、サーモスタット弁10の開閉温度TTと上記実冷却水温度TSとの偏差が小さいことに起因した誤検出を生じることなく、サーモスタット弁10の閉故障を、さらに正確に検出することができる。
【0057】
なお、上記ステップS31の判定を省略し、サーモスタット弁10の開閉温度TTを高温側に設定した状態における開故障の検出制御と、上記開閉温度TTを低温側に設定した状態における閉故障の検出制御とを連続して行うことにより、上記サーモスタット弁10の故障診断を行うようにしてもよい。
【0058】
また、上記開故障検出時に、上記開閉温度設定手段11により開閉温度TTが低温側に設定されていることが確認された場合に、上記故障検出手段13によるサーモスタット弁10の開故障検出を禁止し、かつ上記閉故障検出時に、上記開閉温度設定手段11により開閉温度TTが高温側に設定されていることが確認された場合に、上記故障検出手段13によるサーモスタット弁10の閉故障検出を禁止することにより、上記開閉温度TTと上記実冷却水温度TSとの偏差が小さいことに起因した誤検出の発生を防止してサーモスタット弁10の故障を正確に検出できるようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、図3に示すように、上記フィードバック制御時におけるサーモスタット弁10の開閉温度TTと実冷却水温度TSとの偏差ΔTに基づいて故障検出手段13によりサーモスタット弁10の故障を検出するように構成したため、簡単な構成でサーモスタット弁10の開故障または閉故障を正確に検出することができる。
【0060】
なお、上記ラジエータ2に冷却風を供給する冷却ファン20を駆動することにより、ラジエータ2の放熱量を増大させる放熱量制御手段14を備えた上記実施形態に代え、上記ラジエータ2に対する冷却風の取入口の開口面積を増大させる開口面積増大手段を制御することにより、上記ラジエータ2の放熱量を増大させ、あるいは上記冷却ファン20と、面積増大手段との両方を制御することによりラジエータ2の放熱量を増大させるように構成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、エンジンの冷却水温度を調節するサーモスタット弁の開故障または閉故障の少なくとも一方を検出する故障検出手段と、この故障検出手段による故障検出時に、ラジエータの放熱量を増大させるように制御する放熱量制御手段とを設けたため、ラジエータの放熱量が少ないこと等に起因した誤診断を生じることなく、サーモスタット弁の開故障または閉故障を迅速かつ正確に診断できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るサーモスタットの故障診断装置を備えた冷却系の一例を示す説明図である。
【図2】故障検出の基本制御動作を示すフローチャートである。
【図3】故障検出制御の具体例を示すフローチャートである。
【図4】冷却水温度の変化状態を示すグラフである。
【図5】故障検出の基本制御動作の別の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 ラジエータ
10 サーモスタット弁
11 開閉温度設定手段
20 冷却ファン
13 故障検出手段
14 放熱量制御手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a failure diagnosis device for a thermostat provided in an engine cooling system.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-159379, a coolant temperature sensor for detecting a coolant temperature, a load detection means for detecting an engine load, and an engine load detected by the load detection means. A heating value calculation means for integrating and calculating the heat generation amount of the engine, and a diagnosis means for diagnosing whether an abnormality has occurred in the cooling system according to the coolant temperature and the heat generation amount of the engine, for example, during warming up When the engine is operated at a high load, the coolant temperature rises rapidly due to the large amount of heat generated by the engine. Therefore, the judgment value or judgment period is corrected according to the amount of heat generated by the engine. Thus, it is possible to accurately diagnose whether or not the thermostat valve is operating normally based on the coolant temperature.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Even if it is configured to prevent a misdiagnosis caused by a rapid increase in the engine coolant temperature (coolant temperature) by correcting the failure determination reference value during high-load operation as described above, in the radiator When the amount of heat release is small, there is no significant temperature change even when the thermostat valve is opened or closed.Therefore, there is a problem that it is easy to misdiagnose that a closed failure has occurred even though the thermostat valve is normal. is there.
[0004]
In other words, when the vehicle is running uphill, if the engine is in a heavy load, the heat generation is high, and the heat dissipation of the radiator is low due to the low vehicle speed, when the closed failure of the thermostat valve is detected Even though the thermostat valve is in the open state, the coolant temperature rises remarkably, so that it is easy to misdiagnose that the supply of coolant to the radiator is stopped due to a closed failure of the thermostat valve. There is a problem. In addition, when detecting an open failure of the thermostat valve with a small amount of heat released from the radiator, the cooling water temperature does not decrease significantly despite the thermostat valve being in an open failure state. There are problems such as misdiagnosed that the thermostat valve is in a normally operating and closed state.
[0005]
The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a thermostat failure diagnosis device that can quickly and accurately diagnose a failure of a thermostat valve with a simple configuration.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a failure detecting means for detecting at least one of an open failure or a closed failure of a thermostat valve for adjusting a cooling water temperature of the engine, and increasing a heat radiation amount of the radiator upon detecting the failure by the failure detecting means And a heat radiation amount control means for controlling the heat dissipation.
[0007]
According to the above configuration, the control for increasing the heat radiation amount of the radiator is executed by the heat radiation amount control means, so that the cooling water temperature is controlled to change significantly when the thermostat valve is opened and closed. Since the open or closed failure of the thermostat valve is detected by the failure detection means, the failure of the thermostat valve can be diagnosed quickly and accurately without causing erroneous diagnosis.
[0008]
The invention according to
[0009]
According to the above configuration, when it is confirmed that the vehicle is in a low-speed traveling state when the failure detecting means detects an open failure or a closed failure of the thermostat valve, the heat dissipation amount of the radiator is determined by the heat dissipation amount control means. By executing the control to increase the temperature, the cooling water temperature is controlled to change significantly when the thermostat valve is opened and closed. In addition, when it is confirmed that the vehicle is not in a low-speed traveling state, control for increasing the heat radiation amount of the radiator is not performed, and detection of an open failure or a closed failure of the thermostat valve is performed. Become.
[0010]
The invention according to claim 3 is the thermostat failure diagnosis apparatus according to
[0011]
According to the above configuration, when the first failure is detected by the failure detection means, the control of increasing the heat radiation amount of the radiator is not executed by the heat radiation amount control means, and the failure detection of the thermostat valve is performed. Then, if a hold determination is made at the time of the first failure detection, the failure detection means detects the failure of the thermostat valve while the control for increasing the heat dissipation amount of the radiator is executed by the heat dissipation amount control means. Since the process is executed again, a failure of the thermostat valve is diagnosed quickly and accurately without causing erroneous diagnosis.
[0012]
According to a fourth aspect of the present invention, in the thermostat failure diagnosis apparatus according to any one of the first to third aspects, the thermostat valve is constituted by an electric control valve that is electrically controlled to be opened and closed, and the thermostat valve is opened and closed. An opening / closing temperature setting means for setting the temperature according to the operating state of the engine, and when the opening / closing temperature of the thermostat valve is detected by the failure detection means, the opening / closing temperature of the thermostat valve is set to a high temperature side. A control that increases the amount of heat dissipation is performed, and when the thermostat valve close failure is detected, control is performed to increase the amount of heat dissipation in the radiator while the open / close temperature of the thermostat valve is set to the low temperature side. It is.
[0013]
According to the above configuration, when the open / close temperature setting means detects the open / close temperature of the thermostat valve by the failure detection means in the closed temperature range where the cooling water temperature is lower than the open / close temperature of the thermostat valve, the open / close temperature setting means normally When the thermostat valve closing failure is detected by the failure detection means in the valve opening temperature region where the cooling water temperature is higher than the opening / closing temperature, the opening / closing temperature setting means detects the opening / closing temperature. Is set to a lower temperature than normal, so that the occurrence of a false diagnosis due to the fact that there is no difference between the open / close temperature and the actual cooling water temperature is prevented.
[0014]
The invention according to
[0015]
According to the above configuration, the radiator is controlled by controlling at least one of the cooling fan for supplying cooling air to the radiator or the opening area increasing means for increasing the opening area of the intake of the cooling air to the radiator by the heat radiation amount control means. In the state where the heat release amount is effectively controlled so as to increase, the failure detecting means detects the open or closed failure of the thermostat valve quickly and accurately.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows a cooling system for a vehicle engine having a thermostat failure diagnosis apparatus according to an embodiment of the present invention. The cooling system includes a first pipe 3 that supplies cooling water derived from the
[0017]
The first pipe 3 and the
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
The thermostat failure diagnosing device includes an open / close temperature setting means 11 for setting the open / close temperature corresponding to the operating state of the engine, and the
[0021]
The opening / closing temperature setting means 11 opens and closes the
[0022]
The feedback control means 12 obtains a deviation between the opening / closing temperature of the
[0023]
The failure detection means 13 opens or closes the
[0024]
That is, in the valve closing temperature region where the actual cooling water temperature is lower than the opening / closing temperature of the
[0025]
Further, in the valve opening temperature range where the actual cooling water temperature is higher than the opening / closing temperature of the
[0026]
It is confirmed that the heat release amount control means 14 is suspended when the failure detection means 13 first detects a failure of the
[0027]
A basic control operation executed in the failure diagnosis apparatus having the above configuration will be described with reference to a flowchart shown in FIG. When the control operation is started, it is determined whether or not the hold determination flag PF indicating that the determination is held when the failure detection means 13 first detects a failure of the
[0028]
When it is determined YES in step S1 and it is confirmed that the failure determination of the
[0029]
If it is determined YES in step S2 and it is confirmed that the vehicle is in a low speed running state, the count value Ca of the counter is incremented by 1 (step S4). Then, it is determined whether or not the count value Ca is greater than a preset first reference time β1 (step S5). If it is determined YES, a control signal for driving the cooling
[0030]
Next, it is determined whether or not the flag FF indicating that the failure detection control of the
[0031]
Next, the failure detection control executed in step S7 of the basic control will be described based on the flowchart shown in FIG. When the control operation is started, it is determined whether or not the cooling water temperature has risen to some extent after a predetermined time, for example, about 300 seconds has elapsed after the engine is started (step S11).
[0032]
When YES is determined in step S11, a deviation ΔT between the opening / closing temperature TT of the
[0033]
If YES is determined in step S13, the count value Cb of the failure determination counter is incremented by 1 (step S14), and then the count value Cb is compared with a preset reference time β2. Thus, it is determined whether or not a predetermined time has elapsed (step S15).
[0034]
If it is determined YES in step S15 and it is confirmed that the state in which the absolute value | ΔT | of the deviation is larger than the first reference deviation α1 has continued for a predetermined time or more, the
[0035]
For example, when the open / close temperature of the
[0036]
In addition, when the open / close temperature of the
[0037]
On the other hand, when it is determined NO in step S13 and it is confirmed that the absolute value | ΔT | of the deviation is equal to or less than a first reference deviation α1 set in advance to a predetermined value, the absolute value of the deviation It is determined whether or not | ΔT | is less than the second reference deviation α2 set to a value smaller than the first reference deviation α1 (step S17). If YES is determined in step S18, the count value Cb of the failure determination counter is incremented by 1 (step S18), and then the count value Cb is compared with a preset reference time β2. Thus, it is determined whether or not a predetermined time has elapsed (step S19).
[0038]
If it is determined YES in step S19 and it is confirmed that the state where the absolute value | ΔT | of the deviation is smaller than the second reference deviation α2 is continued for a predetermined time or more, the thermostat valve After determining that 10 is normal (step S20), a flag FF indicating that the failure detection control of the
[0039]
If it is determined NO in step S17 and it is confirmed that the absolute value | ΔT | of the deviation is between the first reference deviation α1 and the second reference deviation α2, the failure determination counter After incrementing the count value Cb by 1 (step S22), it is determined whether or not a predetermined time has passed by comparing the count value Cb with a preset reference time β2 (step S23).
[0040]
It is determined as YES in step S23, and it is confirmed that the state where the absolute value | ΔT | of the deviation is between the first reference deviation α1 and the second reference deviation α2 has been continued for a predetermined time or more. In this case, it is determined that the
[0041]
If it is determined NO in any of the steps S15, S19, and S23 and it is confirmed that the predetermined time has not elapsed, the process returns to the basic control operation shown in FIG. Repeat control action.
[0042]
As described above, the failure detection means 13 for detecting at least one of an open failure or a close failure of the
[0043]
For example, when detecting an open failure of the
[0044]
On the other hand, when it is configured to detect an open failure of the
[0045]
Therefore, as described above, when the failure detection means 13 detects an open failure, control is performed to increase the heat dissipation amount of the
[0046]
Further, when detecting the closing failure of the
[0047]
In the above embodiment, the heat radiation amount of the
[0048]
In the above embodiment, the failure detection means 13 determines whether the
[0049]
When the first failure is detected and the actual cooling water temperature TS does not coincide with the open / close temperature TT, and the hold determination is made because the deviation between the two temperatures is not equal to or greater than a certain value, the heat radiation amount control is performed. By executing the control for increasing the heat radiation amount of the
[0050]
In the above embodiment, the
[0051]
In an engine provided with the
[0052]
That is, as shown in FIG. 5, it is determined whether the opening / closing temperature TT of the
[0053]
Next, by executing the failure detection control by the failure detection means 13, after detecting the open failure of the thermostat valve 10 (step S33), the thermostat valve is opened and closed based on the deviation between the open / close temperature TT and the actual cooling water temperature TS. Control is executed (step S34).
[0054]
When it is determined NO in step S31 and it is confirmed that the opening / closing temperature TT of the
[0055]
When detecting the open failure of the
[0056]
Further, when detecting the closed failure of the
[0057]
It should be noted that the determination in step S31 is omitted, and the open failure detection control in a state where the open / close temperature TT of the
[0058]
In addition, when the open / close temperature setting means 11 confirms that the open / close temperature TT is set to a low temperature side when the open failure is detected, the open / close temperature detection of the
[0059]
Further, in the above embodiment, as shown in FIG. 3, the failure detection means 13 detects a failure of the
[0060]
The cooling
[0061]
【The invention's effect】
As described above, the present invention relates to a failure detecting means for detecting at least one of an open failure or a closed failure of a thermostat valve for adjusting the coolant temperature of the engine, and a heat radiation amount of the radiator when the failure is detected by the failure detecting means. The heat dissipation amount control means that controls to increase the amount of heat is provided, so that it is possible to quickly and accurately diagnose the open or closed failure of the thermostat valve without causing misdiagnosis due to the low heat dissipation of the radiator, etc. There are advantages.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing an example of a cooling system including a thermostat failure diagnosis apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a flowchart showing a basic control operation for failure detection.
FIG. 3 is a flowchart showing a specific example of failure detection control.
FIG. 4 is a graph showing a change state of cooling water temperature.
FIG. 5 is a flowchart showing another example of the basic control operation for failure detection.
[Explanation of symbols]
1 Engine body
2 Radiator
10 Thermostat valve
11 Opening and closing temperature setting means
20 Cooling fan
13 Failure detection means
14 Heat dissipation control means
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