JP4324658B2 - 粉体噴射装置および粉体噴射ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物に粉体を噴射して文字・図形の剥離(研削)加工を行なう粉体噴射装置もしくは噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに石やガラスなどに文字や絵柄を彫りつけるために鉄、砂、ガラスなどの微粒な粒子(噴射砥粒)を吹き付ける装置が知られている(噴射砥粒を吹き付けて文字を彫りつけることをブラスト加工と呼ぶ)。この装置は例えば、特開平4−129672号公報にて開示されている。同公報に開示される装置は、複数のノズルを一体化したものであって(マルチヘッド噴射ノズル)、各ノズルの噴射流体量をコントローラからの文字・図形の情報信号により制御するものである。この装置は噴射流体がノズルを通過した際に発生する負圧によって、粉体を吸入し、これを被加工物へ噴射するというものである。
【0003】
また、サンドブラスト加工を用いて、ガラス、ステンレス等の表面に画像、文字を形成する場合、マスキングにて保護層を形成し、その上からブラストを行ない、保護層以外の部分をサンドブラストによってエッチングする方法が知られている。このマスキング方法に関しては、紫外線硬化型の樹脂、金属板、あるいはゴムが用いられる。
【0004】
一方、マスキングを用いない方法としては上述した特開平4−129672号公報等による直接方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報に開示された装置には以下のような問題点がある。
(1) ノズルの構造がきわめて複雑になり、装置全体の小型化が難しく、経済的にも高価になってしまう。なぜならば、同装置の噴射ノズルには前述した負圧を発生させるための吸引ノズル(11)、吸引室(3)を形成しなければならないからである。また、固気二相混合部は耐摩耗性の材質である必要があるので、複雑な形状を加工するのは大変である。この点については同公報の第2図Bを見れば明らかである。
【0006】
(2) 粉体吸入量は負圧の値を変化させることで調整できる可能性がある(負圧の値を変化させればそれによって一義的に粉体吸入量が変更できるという訳では必ずしもないが)。しかしながら、同公報の装置には負圧の値を変化(調整)する思想はそもそも存在しない。従って、この装置では粉体吸入量を調整することができない。
【0007】
(3) 複数個のノズルを一体化してマルチヘッド噴射ノズルとしているので、例えばこの複数のノズルのうち、一本でも破損、摩耗を来した場合であってもユニットを交換しなければならず、経済的に効率が悪い。
(4) マスキングを用いた画像・文字形成方法においては、マスク製版、マスク転写、現像、ブラスト、マスク除去などの工程が必要であり、設備、時間が要求される。また、鏡面の金属に対して画像、文字の形成を考えるとマスクを用いた場合、マスクの転写、現像、除去の際に鏡面部分に傷が発生してしまう。一方、特開平4−129672号公報に開示される技術を採用した場合、上述したマスキングの問題点を解決することはできるが、写真のような精密かつ濃淡を表現した画像を再現することは難しい。なぜなら、このような画像を再現する場合、各画像に階調を持たせての表現(加工)が必要であるが、これがきわめて困難であるからである(マスキングの場合、画素の大きさを変化させることによって階調を表現できるが加工の深さは一定である。直接方式の場合、画素のある、なしの2値化された情報に過ぎず、また画素の大きさを変化させること自体に非常に困難を強いられる)。
【0008】
本発明は、粉体の噴射を行なう粉体噴射装置あるいは噴射ノズルにおいて、ノズルの構造が簡単で小型、安価であり、粉体の噴射量(負圧の値)を簡単に調整できる粉体噴射装置あるいは噴射ノズルを提供することを主たる目的とする。
また本発明の別の目的は、破損および摩耗したノズルを一本ずつ交換することのできる経済的なマルチヘッド噴射ノズルを提供し、あるいはマルチヘッド噴射ノズルの一回の移動によって複数の文字ドットを噴射加工できる粉体噴射装置を提供することにある。
【0009】
さらに本発明の別の目的は、マスク整版、転写、現像、除去などの工程を必要とすることなく、簡易な設備、また短時間にてガラス、金属の表面に精密かつ濃淡を表現した写真像、模様、図形、文字等を形成することのできる粉体噴射装置あるいは噴射ノズルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1、2の発明は、噴射ノズル(4)の噴射口と圧縮流体受け口との間であって、その外面上に粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)を少なくとも一つ形成したものである。
請求項3、6の発明は、噴射ノズル(4)に粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)を形成し、この噴射ノズルにこれとは別体であって、かつ内径が噴射ノズルのそれとは異なる圧縮流体供給用パイプ(3)を挿入したものである。
【0011】
請求項4の発明は、粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)の形成位置に対する、圧縮流体供給用パイプ(3)の挿入先端位置を任意に調整移動することによって粉体タンク(7)からの粉体吸入量を変化させるものである。
請求項5の発明は、粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)における幅もしくは大きさもしくは深さを変化させることによって粉体タンク(7)からの粉体吸入量を変化させるものである。
【0012】
請求項7の発明は、複数の噴射ノズルのそれぞれを他の噴射ノズルとは独立して支持するマルチノズルヘッドブロック(11)を備えるものである。
請求項8の発明は、複数の噴射ノズル(12)を支持し、かつこれら噴射ノズルを斜めに沿って並置するマルチノズルヘッドブロック(11)を備えるものである。
【0013】
請求項9の発明は、噴射ノズル(12)の直径もしくは描画ドット径aに対し、隣り合うノズルのX方向のピッチPxが、Px/a=整数の条件を満足し、かつ隣り合うノズルのY方向のピッチPyが、Py/a=整数の条件を満足するものである。
請求項10の発明は、噴射ノズル(12)から噴射された粉体を回収する粉体回収器(17)を備えるものである。
【0014】
請求項11の発明は、流体制御手段(13)が、粉体の噴射時間を任意に変化させることによって、前記粉体の噴射量あるいは噴射流を制御するものである。
請求項12の発明は、 流体制御手段(13)が、電磁弁の開閉時間を制御することによって、粉体の噴射時間を制御するものである。
請求項13の発明は、粉体の噴射時間を任意に変化させることによって、粉体の噴射量あるいは噴射流を制御する噴射ノズル(4)を備えるものである。
【0015】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態で説明される部材番号を用いたが、これによって本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。この実施の形態は請求項1〜6に対応する。図1(a)は粉体噴射装置の正面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A’断面図、図1(c)は粉体噴射装置の底面図である。
【0017】
本実施の形態における粉体噴射装置は、大別して噴射ノズル部分とハウジング(粉体タンク、粉体吸入室)部分とから構成されるものである。
1.噴射ノズル部分について:
図1において、パイプフォルダー2には圧縮流体供給パイプ3(本実施の形態では金属パイプ)が挿入接着されており、さらにこのパイプ3には粉体噴射パイプ4(本実施の形態ではセラミックパイプ)がパイプ3の外周を包むように挿入接着されている。つまり、粉体噴射パイプ4の内径(好ましくは直径0.4mm)は圧縮流体供給パイプ3のそれ(好ましくは直径0.2mm)よりも大きい。粉体噴射パイプ4の噴射口と圧縮流体受け口との間であって、その外周上には粉体吸入用の孔部8(好ましくは直径0.3〜0.7mm)が形成されている。この孔部8はパイプ4の外周上に一つだけでなく、その外周にわたって複数個形成してもよい。パイプフォルダー2には圧縮流体供給用の継ぎ手11が取り付けられており、さらにこの継ぎ手11と圧縮流体制御装置13との間がチュウブ12によって接続されている。なお、圧縮流体供給パイプ3には粉体噴射パイプ4がパイプ3に接着されているが、これを接着することなく、粉体噴射パイプ4をハウジング1に固定して孔部8の位置に対してこのパイプ3の挿入先端位置を任意に調整移動できるようにしてもよい。
【0018】
2.ハウジング部分について:
ハウジング1には、粉体吸入室9が形成されており、このハウジング1の上部には粉体吸入管5(ハウジング1にねじ込み接合されている)を介して粉体タンク7が取り付けられている。パイプフォルダー2はハウジング1にねじ込まれており、その接合部分がシールされている。また同様にハウジング1と粉体噴射パイプ4との隙間はシール10にてシールされている。
【0019】
次にこの粉体噴射装置の動作について説明する。圧縮流体制御装置13(本実施例においては電磁弁であるが、ピンチバルブなどでもよい)は電気信号によって開閉され、圧縮流体供給パイプ3に圧縮空気、ドライ窒素などの圧縮流体を供給する。圧縮流体供給パイプ3から粉体噴射パイプ4に噴射された圧縮流体は、圧縮流体噴射パイプ3の内径と粉体噴射パイプ4との内径差によって生ずる負圧の作用により、粉体吸入用の孔部8から粉体吸入室9に存在する粉体6を粉体噴射パイプ4に吸入する。これによって、粉体6が圧縮流体と共に被加工物(不図示)に噴射される。前述した負圧が生じた際、粉体吸入室9内も負圧になるので、粉体吸入管5を介して粉体タンク7に貯蔵された粉体6が粉体吸入室9に吸入される。本実施の形態における粉体噴射装置は圧縮流体を制御することによって粉体噴射(噴射強さ、噴射量)をコントロールしている。なお、本実施の形態においては、粉体タンク7に粉体吸入管5を別設しているが、粉体タンク7から粉体6が直接、粉体吸入室10に吸入させてもよい。
【0020】
図2は粉体噴射装置のノズル部分の断面拡大図である。図2において、粉体噴射パイプ4に形成する、粉体吸入用の孔部8と圧縮流体供給パイプ3の先端部との間の距離dx(例えば0〜0.2mm)及び粉体吸入用の孔部8の幅もしくは大きさもしくは深さを変化させることによって、圧縮流体の供給圧(圧縮流体制御装置13によってコントロールされる)の大きさを変化させることなく、負圧の大きさを変化させることができる。これによって、粉体6の吸入量を変化させることができるので、粉体5の噴射量をコントロールすることがきわめて簡単にできる。
【0021】
図3〜図6は、粉体噴射ノズルのノズル特性(実験結果)を示したグラフである。図3、図4は粉体吸入用の孔部8(粉体吸入部)の大きさdlを変化させた場合のグラフであって、図3が供給圧力Piと孔部の到達負圧Poをの関係を示すグラフ、図4が供給圧力Piと粉体噴射量Wとの関係を示すグラフである。また図5、図6は孔部8と圧縮流体供給パイプ3間の距離dxを変化させた場合のグラフであって、図5が供給圧力Piと孔部の到達負圧Poをの関係を示すグラフ、図6が供給圧力Piと粉体噴射量Wとの関係を示すグラフである。なお、この実験は以下の方法によって行なわれた。粉体噴射パイプ4の内径を0.4mm、圧縮流体供給パイプの内径を0.2mmとし、孔部8の到達負圧Poは供給圧力Piにて圧縮流体(空気)を流し放しにして孔部8の到達負圧Poを測定、粉体噴射量Wは粉体として35μmのホワイトアランダムを用いて、供給圧力Piにて所定時間、粉体を噴射し、重量法に従って粉体の噴射量Wを求めたものである。図3、図4より明らかなように、孔部8の大きさdlを大きくすると孔部8の到達負圧Poが低くなり、粉体噴射量が多くなる。したがって、孔部8の到達負圧Poが小さくても、孔部が大きければ粉体の噴射量Wは多くなるので、孔部8の大きさが粉体の噴射量に依存することになる。さらに図5、図6により明らかなように、孔部8と圧縮流体供給パイプ3間の距離dxを大きくすると、孔部8の到達負圧Poが低くなり、粉体の噴射量も減少してゆく。したがって、孔部8の到達負圧Poを変化させることによって、粉体の噴射量Wを変化させることができる。この実験によって、粉体の噴射量は孔部8の大きさdlおよび孔部8と圧縮流体供給パイプ3間の距離dxを変化させることでコントロールできることが判明した。
【0022】
なお、本実施の形態において使用した粉体6は粒径が35μのホワイトアランダムであるが、粉体の種類及び粒径はこれに限定されることはない。また、圧縮流体の供給圧力は1〜12kg/cm2であり、圧縮流体としては、圧縮空気、ドライ窒素を用いた。また、圧縮流体供給パイプ3は、材質がステンレスで内径が0.2mm、粉体噴射パイプは材質が酸化アルミナで内径が0.4mmのものを用いた。粉体6の噴射量は、負圧の大きさと供給圧力、圧縮流体制御装置13の電磁弁の開閉時間によって決まるので、適宜校正(調整)を行うことによって、所望の噴射量を得ることができる。
【0023】
(第2の実施の形態:マルチヘッド噴射ノズル)
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は請求項7〜10に対応するものであって、噴射ノズルが複数設けられたマルチヘッド噴射ノズル形式となっている点で第1の実施の形態とは相違する。
以下、図面を参照して第2の実施の形態を説明する。図7は粉体噴射マルチノズル装置の正面図、図8は粉体噴射マルチノズル装置の上面図、図9は粉体噴射マルチノズル装置のA−A’断面図である。図10(a)は粉体噴射マルチノズル装置のノズル部分の拡大図、図10(b)は図10(a)における粉体噴射マルチノズル装置のB−B’断面図である。図11は粉体噴射マルチノズル装置の原理図、図12、13は粉体噴射マルチノズル装置のノズル配置図である。
【0024】
第2の実施の形態における粉体噴射マルチノズル装置の構造は基本的に第1の実施の形態のそれと同じであるので、共通部分の説明は省略する。図9および図10(b)に示すように、パイプフォルダー12には圧縮流体供給パイプ13が挿入して接着されており、その上に粉体噴射パイプ14が被せられ接着されている。このパイプフォルダー12はマルチヘッドブロック11にねじ込んで固定されており、マルチヘッドブロック11とパイプフォルダー12の接合部分がシールされ、粉体噴射パイプ14とマルチヘッドブロック11との空間がシール16にてシールされている。また、パイプフォルダー12にはチュウブ22が取り付けられ、このチュウブ22は流体制御装置24(図9)に接続されている。なおマルチヘッドブロック11の下方に設けられた粉体回収器17は被加工物18(図11)に衝突した粉体(研磨材)を吸引回収するためのものである。
【0025】
さて、図12、13に示されるように、ノズル径Φa(あるいは描画ドット径Φa)の場合、ノズル間のピッチpxがpx/Φa=整数、py/Φa=整数の条件に従って複数個のノズルが集積化されている。本実施の形態では10ヶのノズルを斜め2列(計20ヶ)に並置して集積したものである。これら複数のノズルのそれぞれは他のノズルとは独立してマルチヘッドブロック11に支持されており、したがってノズル一本一本が交換可能である。
【0026】
次にこの粉体噴射マルチノズル装置の噴射動作について説明する。図11において、マルチヘッドブロック11は被加工物18に接近して配され、搬送部19により被加工物18の加工面上でX、Y方向に移動可能である。マルチヘッドブロック11のX、Y方向の位置は位置検出器32によってモニタされ、このモニタ信号はコントローラ19にフィードバックされる。コントローラ19は20ヶの噴射ノズル制御装置12の流体を制御すべくドライバー20に制御信号を送る。これによって、圧縮流体供給源21からの流体が噴射ノズル制御装置20に供給され、被加工物18に対する粉体噴射が行なわれる。
【0027】
さらに、粉体噴射マルチノズル装置を用いた画像及び文字、マークの形成方法について説明する。図11において、被加工物18にマルチノズルから固気二相流を噴射させる。被加工物とノズルの先端との距離は、本実施の形態においては1mmであるが、この値は加工条件によって変化する。また、マルチノズルに供給する圧縮流体としては、圧力が好ましくは1〜12kg/cm2の圧縮空気、ドライ窒素を用いたが、本発明はこれらに限定されるものではない。粉体としては、粒径が35μmのホワイトアランダムを使用したが、粉体の種類及び粒径には依存しない。加工の深さは、加工時間に比例し、数ミクロン〜数百ミクロンの加工が可能である。加工を行う加工データとx方向のノズルのオフセットデータおよび、x方向の位置検出器32からの信号によって、複数個のノズルがそれぞれ独立して加工を行なう。X方向にノズルを移動させ、各ノズルにて加工を行なう。この加工が終了したならば(Py/Φa−1)回(正の場合のみ)、ノズルをΦaY方向に移動させた後、X方向に移動させて加工を行なう。その後、ノズル数をnとするならば、(Py×(n−1)+Φa)Y方向に移動させる。この繰り返しによって、所定の画像、文字、マークなどの加工を行なう。
【0028】
なお、本実施の形態において、マルチヘッドブロック1の材質はアルミニウム、パイプフォルダー12は真鍮であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、個々のノズル特性の微調整として流体制御装置とノズルとの間に流体制御弁を設けてもよい。
【0029】
(第3の実施の形態:粉体噴射時間の制御)
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は請求項11〜13に対応するものであって、粉体の噴射時間を変化させることによって被加工物の加工量を変化させるというものである(加工量制御のデジタル化)。この第3の実施の形態における粉体噴射装置の基本構成(原理)は図11に示すものと同一である。
【0030】
図11において、コントローラ19は20ケの噴射ノズル制御装置12の流体を制御すべくドライバー20に制御信号を送る。このとき、ドライバー20のオン・オフ時間をコントローラ19によって制御し(あらかじめ用意された加工時間データを用いる)、被加工物18に対する粉体の噴射時間を変化させる。再現画像において、噴射時間(加工時間)が多いほど画素は明るく白色になり、噴射時間(加工時間)がゼロの場合は画素は黒色になる。この白色から黒色までの間を階調数によって分割し、一階調あたりの噴射時間(加工時間)を設定することによって、白色から黒色までの色再現(画像の濃淡再現)を可能とする。本実施の形態の場合、階調数32、一階調あたりの噴射時間(加工時間)を500μsecに設定し、ガラス表面に対し写真像を良好に再現することができた。なお、図1の粉体噴射装置における圧縮流体制御装置13(電磁弁)の開閉時間を制御することによっても、粉体の噴射時間(ノズルへの圧縮流体の供給時間)を変化させることができる。
【0031】
本実施の形態によれば、マスク整版、転写、現像、除去などの工程を必要とすることなく、簡易な設備、また短時間にてガラス、金属の表面に精密かつ濃淡の階調を表現した写真像、模様、図形、文字等を形成することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以下のような作用効果を達成する。
請求項1、2の発明によれば、噴射ノズル(4)の噴射口と圧縮流体受け口との間であって、その外面上に粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)を少なくとも一つ形成したので、ノズルの構成がきわめて簡単でありノズル装置全体の小型化に寄与できる。
【0033】
請求項3、6の発明によれば、噴射ノズル(4)に粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)を形成し、この噴射ノズルにこれとは別体であって、かつ内径が噴射ノズルのそれとは異なる圧縮流体供給用パイプ(3)を挿入したので、ノズルの構成がきわめて簡単でありノズル装置全体の小型化に寄与できる。
請求項4の発明によれば、粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)の形成位置に対する、圧縮流体供給用パイプ(3)の挿入先端位置を任意に調整移動することによって粉体タンク(7)からの粉体吸入量を変化させるので、粉体吸入量をきわめて簡単に調整できる。
【0034】
請求項5の発明によれば、粉体吸入用の孔部もしくは溝部(8)における幅もしくは大きさもしくは深さを変化させることによって粉体タンク(7)からの粉体吸入量を変化させるので、粉体吸入量をきわめて簡単に調整できる。
請求項7の発明によれば、複数の噴射ノズルのそれぞれを他の噴射ノズルとは独立して支持するマルチノズルヘッドブロック(11)を備えるので、複数のノズルのうち、一本が破損、摩耗を来した場合であってもそのノズルだけを交換することができ、経済的効果が高い。
【0035】
請求項8の発明によれば、複数の噴射ノズル(12)を支持し、かつこれら噴射ノズルを斜めに沿って並置するマルチノズルヘッドブロック(11)を備えるので、複数のドットを同時に(一回で)噴射加工することができ、加工効率がよい。
請求項9の発明によれば、噴射ノズル(12)の直径もしくは描画ドット径aに対し、隣り合うノズルのX方向のピッチPxが、Px/a=整数の条件を満足し、かつ隣り合うノズルのY方向のピッチPyが、Py/a=整数の条件を満足するので、精度よく噴射加工を行なうことができる。
【0036】
請求項10の発明によれば、噴射ノズル(12)から噴射された粉体を回収する粉体回収器(17)を備えるので、粉体の有効活用(再利用)を図ることができ、また作業環境も改善される。
請求項11−13の発明によれば、粉体の噴射時間を任意に変化させることによって、粉体の噴射量あるいは噴射流を制御することができるので、マスク整版、転写、現像、除去などの工程を必要とすることなく、簡易な設備、また短時間にてガラス、金属の表面に精密かつ濃淡の階調を表現した写真像、模様、図形、文字等を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は粉体噴射装置の正面図であり、(b)は図1(a)におけるA−A’断面図、図1(c)は粉体噴射装置の底面図である。
【図2】 粉体噴射装置のノズル部分の断面拡大図である。
【図3】 供給圧力Piと孔部の到達負圧Poをの関係を示すグラフである。
【図4】 供給圧力Piと粉体噴射量Wとの関係を示すグラフである。
【図5】 供給圧力Piと孔部の到達負圧Poをの関係を示すグラフである。
【図6】 供給圧力Piと粉体噴射量Wとの関係を示すグラフである。
【図7】 粉体噴射マルチノズル装置の正面図である。
【図8】 粉体噴射マルチノズル装置の上面図である。
【図9】 粉体噴射マルチノズル装置のA−A’断面図である。
【図10】 図10(a)は粉体噴射マルチノズル装置のノ前記噴射ノズルの噴射口と圧縮流体受け口との間であって、その外面上に粉体吸入用の孔部が少なくとも一つ形成ズル部分の拡大図、図10(b)は図10(a)における粉体噴射マルチノズル装置のB−B’断面図である。
【図11】 粉体噴射マルチノズル装置の原理図である。
【図12】 粉体噴射マルチノズル装置のノズル配置図である。
【図13】 粉体噴射マルチノズル装置のノズル配置図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2、12 パイプフォルダー
3、13 圧縮流体供給パイプ
4、14 粉体噴射パイプ(ノズル)
5 粉体吸入管
7 粉体タンク
8 孔部
9 粉体吸入室
11 マルチヘッドブロック
13 圧縮流体制御装置
17 粉体回収器
Claims (9)
- 粉体を貯蔵する粉体タンクと;前記粉体タンクに貯蔵された粉体を噴射する噴射ノズルと;前記粉体の噴射量あるいは噴射流を制御すべく前記噴射ノズルに圧縮流体を供給する流体制御手段と;を備えた粉体噴射装置において、
前記噴射ノズルの噴射口と圧縮流体受け口との間であって、その外面上に粉体吸入用の孔部もしくは溝部を少なくとも一つ形成し、この噴射ノズルに前記噴射ノズルとは別体であって、かつ内径が前記噴射ノズルのそれとは異なる圧縮流体供給用パイプを挿入して成り、前記流体制御手段は、噴射時間を諧調数によって分割することで一階調あたりの噴射時間を設定し、加工時間が多いほど電磁弁の開閉時間を長くするように電気信号による電磁弁の開閉時間を制御することにより粉体の噴射量を変化させることを特徴とする粉体噴射装置。 - 前記粉体吸入用の孔部もしくは溝部の形成位置に対する、前記圧縮流体供給用パイプの挿入先端位置を任意に調整移動することによって前記粉体タンクからの粉体吸入量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の粉体噴射装置。
- 前記粉体吸入用の孔部もしくは溝部における幅もしくは大きさもしくは深さを変化させることによって前記粉体タンクからの粉体吸入量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の粉体噴射装置。
- 前記圧縮流体供給用パイプの挿入先端位置と前記粉体吸入用の孔部もしくは溝部の間の距離がゼロであることを特徴とする請求項1に記載の粉体噴射装置。
- 粉体を貯蔵する粉体タンクと;前記粉体タンクに貯蔵された粉体を噴射する複数の噴射ノズルと;前記粉体の噴射量あるいは噴射流を制御すべく前記複数の噴射ノズルの各々に圧縮流体を供給する流体制御手段と;を備えた粉体噴射装置において、
前記複数の噴射ノズルを支持し、かつこれら噴射ノズルを斜めに沿って並置するマルチノズルヘッドブロックを備え、前記流体制御手段は、噴射時間を諧調数によって分割することで一階調あたりの噴射時間を設定し、加工時間が多いほど電磁弁の開閉時間を長くするように電気信号により電磁弁の開閉時間を制御することにより前記複数の噴射ノズルからの粉体の噴射量を変化させたことを特徴とする粉体噴射装置。 - 前記マルチヘッドブロックには、前記複数の噴射ノズルが斜めに沿って並置されていることを特徴とする請求項5に記載の粉体噴射装置。
- 前記噴射ノズルの直径もしくは描画ドット径aに対し、隣り合うノズルのX方向のピッチPxが、Px/a=整数の条件を満足し、かつ隣り合うノズルのY方向のピッチPyが、Py/a=整数の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載の粉体噴射装置。
- 前記噴射ノズルから噴射された粉体を回収する粉体回収器を備えたことを特徴とする請求項5に記載の粉体噴射装置。
- 請求項1〜8の粉体噴射装置を用いて、被加工物の表面に粒子を噴射し濃淡を表現した写真像、模様、図形、または文字を形成することを特徴とする粉体噴射方法。
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