JP4322990B2 - 地表面画像監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、傾斜地における地表面を撮影して得られる画像に基づいて当該地表面の挙動を監視するための地表面画像監視システムに関し、特に地表面の変化から地滑り又は岩盤崩れの可能性を判断するために用いられる地表面画像監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
災害を発生させる自然現象には、地滑り、土砂崩れ、岩盤崩れなどがある。
【0003】
このうち、土砂崩れは一般に予測困難なものとして取り扱われているが、地滑り及び岩盤崩れに関しては、その性質上、経時的な観測により、ある程度の予測が可能であるとされている。例えば、地滑りは、本来ゆっくりと動いている傾斜地の地表面層が、その速度を増したことにより、発生するものであるから、その地表面層の移動速度や移動度自体を観測していれば、危険であるか否かを判断でき、また、岩盤崩れに関しては、その変形具合を観測することで、予測可能であるとされている。
【0004】
かかる災害の予測を行なうために、従来、大きく分けて、2つの手法が採られていた。一方の手法は、何らかの手段により地表面の変化を測定し、かかる測定結果を災害予測の判断材料とするものであり、他方は、傾斜地の近辺に設置されたビデオカメラによる映像や傾斜地の地表面を撮影した写真から目視により直接的に災害予測の判断を行なうものである。
【0005】
更に具体的に説明すると、前者の手法には、傾斜地の地表面若しくは内部に傾斜計を設置して傾斜を測定する方法や、傾斜地の地表面に発生したクラックの変位を変位計により測定する方法、傾斜地に内部歪が発生した場合に生じるAE波を検出することにより傾斜地内部の異常を検出する方法、伸縮計や光波測距計により地表面の移動変位を測定する方法などがある。尚、伸縮計による地表面の移動変位の測定は、地滑りの生じ易そうな現場に対し、複数本の杭を穿ち、それら杭と当該杭に対応する巻き取り装置と間を伸び縮みのないワイヤで結ぶことにより、杭の傾きやワイヤの長さ等から地滑りの予備的な動きに乗じた地表面層の移動を検出することで行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した2つの予測手法は、いずれも効率的及び経済的側面から見て問題点を有するものであった。
【0007】
具体的には、上述した2つの手法のうち、何らかの手段により地表面の変化を測定する手法は、その測定のために計器等を傾斜地に直接的に設置しなければならず、その作業の困難さや煩雑やにより、効率の悪いものであった。また、対象となる現場、傾斜地の数が全国的に見ると相当数に上ることから、それら全ての場所に計器等を設置しようとすると、設置費用や計器購入費用等のコスト高を抑えられないといった問題があった。更には、一般に、危険であると判断することが容易であるような現場ほど当該現場に直接赴くことは困難であるが、それにも拘わらず、上述した従来の測定方法によっては、前述の通り、測定のための計器等を傾斜地に設置しなければならない。このように、作業員の身を非常に危険な現場に置くことは、到底採用できるものではない。
【0008】
一方、目視により直接的に判断する手法は、次のような問題点を有するものであった。即ち、目視により直接的に判断する手法のみでは、客観的な変位量を提示することができず、且つ、判断結果が判断を行なう者の経験に左右され易いという問題があった。また、かかる問題に起因して、この手法のみにより最終的な判断まで行なうことは希であり、目視による判断の後、上述した地表面の変化測定を伴う手法が行われることが一般的であったことから、目視により直接的に判断する手法を採用すると、目視の後に計器等の設置場所を決定することから、当該設置場所の数を少なくすることのできる一方で、依然として、設置のための煩雑さ等自体が解消されるものではなかった。更には、現場に対しビデオカメラ等を設置することにより、常時、その変化を観測すると、かかる地滑り等の起きる可能性があると判断されている現場の数が全国的に見ると相当数に上ることから、それらの数を鑑みれば明らかなように、コストが非常に高くなり、従って、現実的ではなかった。
【0009】
そこで、本発明は、傾斜地の地表面の変化を測定できる装置であって、効果的且つ経済的な測定を可能とした装置及びその基となる方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、かかる地滑り及び岩盤崩れ監視方法をコンピュータ上にて実現するためのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、現場を撮影して得られる写真等の画像を利用することとした。より詳しくは、互いに異なる時間に撮影された写真等の画像を比較して、その画像に表われている物体などが移動しているか否かを検出することで、地滑りや岩盤崩れなどの災害が発生しそうであるか否かを判断できるようにすることとした。
【0012】
かかる写真等の画像を利用することとすれば、作業員が広義の現場に赴く必要はあるものの、写真等を撮影し得る距離まで近づければ良く、狭義の現場、即ち、計器等を設置する必要のある場所まで踏み入ることを要しない点で、上述した従来の方法と比較して、有利である。
【0013】
しかし、一方で、カメラの仰角など撮影の条件を常に同じ状態にすることも困難である。
【0014】
そこで、本発明においては、特徴点及び基準点という考え方を導入することとし、互いに異なる時間に撮影された画像毎に、これら特徴点−基準点間の距離を算出し、画像毎に算出された距離の相関をとることで、各特徴点の移動等の変位の度合いを検出することとした。詳しくは、相関をとるために、最小二乗法により求められた回帰直線等、特性方程式を利用する。尚、特徴点とは、画像上において任意に定め得る点であり、観測者が比較対象となる二つの画像上のいずれにおいてもその存在を容易に認め得る点であり、例えば、岩の突出した部分であっても良いし、また、対象となる場所に予め設置された反射板のようなマークであっても良い。即ち、いずれにしても比較すべき二つの画像上において認識し得る点であれば良い。また、基準点とは、特徴点と同じ条件により選択された点であって、更に、付近に存在する電柱など、あまり現状の変動に影響を受けない物体を画像化した領域に属する点である。
【0015】
本発明は、かかる概念の下、具体的には、以下に示すような手段を提供する。
【0016】
すなわち、本発明によれば、第1の地表面画像監視装置として、特定地域の地表面の状態を監視するために用いられる地表面画像監視装置において、
前記特定地域の地表面を撮影した画像を入力画像として入力するための画像データ入力手段であって、第1の日時における前記特定地域の地表面の状態を撮影して得られる第1の画像と、前記第1の日時より後の日時である第2の日時における前記特定地域の地表面の状態を撮影して得られる第2の画像とを、夫々、第1及び第2の入力画像として入力する画像データ入力手段と、
該入力画像上に表われる地表面上の特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する複数個の特徴点を指定するための特徴点指定手段であって、前記第1の入力画像上における複数個の特徴点を第1の特徴点として指定し、一方、前記第2の入力画像上において前記第1の特徴点と同じ特徴点を第2の特徴点として指定する前記特徴点指定手段と、
該特徴点指定手段に接続され、前記特徴点に係る情報を保持するための特徴点保持手段と、
前記入力画像上に表われる地表面上の特徴であって、且つ、前記特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくいと推定される点を基準点として指定するための基準点指定手段であって、前記第1の入力画像上の基準点を選択して第1の基準点として指定し、一方、前記第2の入力画像上において前記第1の基準点と同じ基準点を前記第2の画像上において第2の基準点として指定する前記基準点指定手段と、
該基準点指定手段に接続され、前記基準点に係る情報を保持するための基準点保持手段と、
前記特徴点保持手段及び前記基準点保持手段に接続され、前記特徴点及び基準点に係る情報を受けて、前記入力画像上における前記基準点に対する前記複数の特徴点の相対距離を算出する相対距離算出手段であって、前記第1の入力画像上における前記第1の基準点に対する前記複数の第1の特徴点の相対距離を第1の相対距離として算出し、前記第2の入力画像上における前記第2の基準点に対する前記複数の第2の特徴点の相対距離を第2の相対距離として算出する前記相対距離算出手段と、
前記相対距離算出手段に接続され、前記第1及び第2の相対距離との対比から、前記特定地域における基準点に対する特徴点のズレであって前記第1の日時から第2の日時までの間におけるズレを算出するズレ算出手段と
を有することを特徴とする地表面画像監視装置が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、第2の地表面画像監視装置として、前記第1の地表面画像監視装置において、
前記画像データ入力手段により前記第1及び第2の入力画像として入力される前記第1及び第2の画像は、双方とも、前記地表面自体に加えて、前記地表面自体と区別し得るようにして所定位置に配置されたマークであって前記複数の特徴点及び基準点に対応するようにして設けられた複数の特徴点マーク及び基準点マークをも含むようにして撮影したものであり、
前記特徴点指定手段及び前記基準点指定手段は、双方とも前記画像データ入力手段に接続され、前記複数の特徴点マーク及び基準点マークの前記第1及び第2の画像上における位置を解析することで、前記複数の特徴点及び基準点を自動的に指定するものである
ことを特徴とする地表面画像監視装置が得られる。
【0018】
更に、本発明によれば、第3の地表面画像監視装置として、前記第1の地表面画像監視装置において、
前記ズレ算出手段は、
前記相対距離算出手段に接続され、各特徴点毎に、前記第1の相対距離を特定の2次元座標系における第1の座標軸上の座標値である第1の座標値とすると共に前記第2の相対距離を前記特定の2次元座標系における第2の座標軸上の座標値である第2の座標値とし、全ての特徴点の前記第1及び第2の座標値から特性方程式を算出するための特性方程式算出手段と、
前記相対距離算出手段及び前記特性方程式算出手段に接続され、前記複数の特徴点に関する前記第1及び第2の座標値並びに前記特性方程式に基づいて、前記第1の日時から前記第2の日時までの前記各特徴点の変位の度合いとして、前記特性方程式からの前記各特徴点の前記特定の2次元座標系上におけるズレを算出するための特徴点変位算出手段と
を備えることを特徴とする地表面画像監視装置が得られる。
【0019】
尚、前記地表面画像監視装置において、前記特性方程式算出手段は、前記特性方程式として、前記第1の座標値に対する前記第2の座標値の回帰直線を算出するものであっても良い。この回帰直線の算出の際には、例えば、最小二乗法が利用される。
【0020】
また、本発明によれば、第4の地表面画像監視装置として、特定地域の地表面の状態を監視するために用いられる地表面画像監視装置であって、ユーザからの入力を受け付けるための入力手段と、前記特定地域の地表面の状態を互いに異なる時間に撮影して得られる複数の画像を、複数の地表面画像データとして、撮影日時及び撮影場所と関連付けて、格納することのできる地表面画像データベースと、表示手段と、ユーザからの入力に応じて地表面画像データベースから前記地表面画像データを取得して処理することで前記地表面の変化を算出し、算出結果を前記表示手段に表示させることの可能な地表面変化算出手段とを備える地表面画像監視装置において、
前記地表面変化算出手段は、
前記入力手段に接続され、該入力手段からの入力が、予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かを判断し、前記入力が当該一のイベントを発生させるものである場合には、当該一のイベントの内容を示すイベント信号を発生させる一方、前記入力がデータを入力するものである場合には、当該データを出力するためのイベント発生部と、
該イベント発生部から前記イベント信号を受けて、前記一のイベントに応じたイベント制御信号を生成するためのイベント制御部と、
イベント制御部に接続され、当該イベント制御部から送出されたデータを格納するためのメモリ部と、
前記イベント制御信号が、当該地表面変化算出手段における処理の結果の表示を示すものである場合、当該イベント制御信号に応じて、前記表示手段を制御して前記処理の結果を表示させるための表示制御部と、
前記イベント制御信号が、前記地表面画像データの取得であって、第1の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第1の画像に関するデータである第1の地表面画像データと、前記第1の日時より後の日時である第2の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第2の画像に関するデータである第2の地表面画像データとの取得を示す場合に、前記画像データベースと通信して、当該第1及び第2の地表面画像データを取得し、前記イベント制御部を通じて前記メモリ部に当該第1及び第2の地表面画像データを格納させると共に、前記イベント制御部及び前記表示制御部を通じて前記表示手段に前記第1及び第2の画像を表示させるためのデータベース制御イベント処理部と、
前記イベント制御信号が、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する特徴点を複数個設定するための特徴点設定イベントを示す場合、当該イベント制御信号に応じ、前記メモリ部に格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、当該複数個の特徴点の設定を行ない、設定された複数個の特徴点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置を前記イベント制御部を通じて、前記メモリ部に特徴点データとして格納するための特徴点設定イベント処理部と、
前記イベント制御信号が、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、前記特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する基準点を設定するための基準点設定イベントを示す場合、当該イベント制御信号に応じ、前記メモリ部に格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、当該基準点の設定を行ない、設定された基準点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出された座標位置を前記イベント制御部を通じて、前記メモリ部に基準点データとして格納するための基準点設定イベント処理部と、
前記イベント制御信号が、基準点及び複数の特徴点に基づいて定められる特性方程式を算出するための特性方程式算出イベントを示すものである場合、前記メモリ部に格納された第1及び第2の画像上の夫々の基準点及び複数の特徴点に関する特徴点データ及び基準点データを取得し、第1の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における第1の座標軸上の座標値である第1の座標値を示す第1座標データとして、前記メモリ部に格納すると共に、第2の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての前記特定の2次元座標系における第2の座標軸上の座標値である第2の座標値を示す第2座標データとして、前記メモリ部へ格納し、更に、前記全ての特徴点についての前記第1及び第2座標データから特性方程式を算出すると共に、前記イベント制御部を通じて前記メモリ部に算出した特性方程式を示す特性方程式データを格納するための回帰直線算出イベント処理部と、
イベント制御信号が、前記特徴点の変位算出を示すものである場合、前記メモリ部から前記第1及び第2座標データ並びに前記特性方程式データを取得し、前記各特徴点の変位の度合いとして、前記特性方程式からの前記各特徴点の前記特定の2次元座標系上におけるズレを算出すると共に、前記イベント制御部及び前記表示制御部を通じて、算出結果を前記特徴点の変位の度合いとして前記表示手段に表示させるための特徴点変位算出部
とを備えることを特徴とする地表面画像監視装置が得られる。
【0021】
更に、本発明は、次のような地表面状態変化測定方法をも提供する。これら方法は、たとえば、上述した装置において実行されている
即ち、本発明によれば、第1の地表面状態変化測定方法として、特定地域における地表面の状態を撮影して得られる画像を利用して当該地表面の状態変化を測定する地表面状態変化測定方法であって、
第1の時間において前記特定地域の地表面を撮影して第1の画像を得、
該第1の画像上に表われた地表面上の特徴であって地表面の状態変化を受けにくいと推定される点を基準点として選択するとともに、他の形状的に認識し易い特徴を有する特徴を有する複数個の特徴点を選択し、
前記第1の画像に関し、前記基準点と前記複数個の特徴点の夫々との間の距離をコンピュータを用いて計算し、第1の距離データを得、
前記第1の時間より後の第2の時間に前記特定地域の地表面を撮影して第2の画像を得、
当該第2の画像上における前記基準点と前記複数の特徴点の夫々との間の距離をコンピュータを用いて計算し、第2の距離データを得、
前記第1の距離データと前記第2の距離データから、前記第1の画面上における基準点と複数の特徴点との間の距離及び第2の画面上における基準点と複数の特徴点との間の距離についての相関を求めて、前記第1の時間から第2の時間までの間における前記特定地域の地表面の状態変化を測定する
ことを特徴する地表面状態変化測定方法が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、第2の地表面状態変化測定方法として、前記第1の地表面状態変化測定方法において、
前記第1の画像上における基準点と前記複数の特徴点との間の距離及び第2の画面上における基準点と複数の特徴点との間の距離についての相関は、
全ての特徴点について、前記第1及び第2の距離データを、夫々、特定の2次元座標系における第1及び第2の座標軸上の座標値である第1及び第2の座標値とし、
コンピュータを用いて、前記特徴点毎に、前記第1及び第2の座標値から特性方程式を算出し、
前記第1及び第2の座標値により定められる座標位置の、算出された特性方程式に対するズレを、コンピュータを用いて測定することによって、求め、
これにより、当該ズレの大きい特徴点付近を、第1及び第2の時間の間に移動した変位の大きい領域であると判断することを特徴とする地表面状態変化測定方法が得られる。
【0023】
また、本発明の概念は、次のような記録媒体としても実現可能である。
【0024】
すなわち、本発明によれば、ブートプログラムを格納するブートROM及びデータを格納するメモリを備えると共に入力装置及び出力装置の接続されたコンピュータであって、
ブートプログラムに従った一連のブートにより特定のオペレーティングシステムが当該コンピュータ上で稼動した状態において、当該オペレーティングシステム上でアプリケーションプログラムを実行可能であるようなコンピュータであると共に、
当該アプリケーションプログラムが当該コンピュータ上で稼動するデータベース若しくは当該コンピュータにネットワークを介して接続されたデータベースであって、傾斜地における地表面の状態を撮影して得られる複数の画像を複数の地表面画像データとして当該撮影の日時及び場所と関連付けて格納することのできる地表面画像データベースとの間で仮想的な又は現実的な通信を行なうことのできるようなコンピュータに対して、
前記複数の地表面画像データを利用して前記地表面の状態変化を計算させるために、
前記入力装置からの入力をオペレーティングシステムを介して受け取り、当該入力が予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かを判断し、前記入力が当該一のイベントを発生させるものである場合には、前記入力に応じたイベント制御データを生成するためのイベント制御処理、
前記一のイベントが、前記地表面画像データベースからの前記地表面画像データの取得であって、第1の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第1の画像に関するデータである第1の地表面画像データと、前記第1の日時より後の日時である第2の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第2の画像に関するデータである第2の地表面画像データとの取得を示す場合に、前記地表面画像データベースと通信して、当該第1及び第2の地表面画像データを取得し、前記出力装置に前記第1及び第2の画像を出力すると共に前記メモリに当該第1及び第2の地表面画像データを格納するデータベース制御イベント処理、
前記一のイベントが、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する特徴点を複数個設定するための特徴点設定イベントを示す場合、前記メモリに格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、所定の手段により当該複数個の特徴点の設定を行なうと共に設定された複数個の特徴点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置を前記メモリに特徴点データとして格納するための特徴点設定イベント処理、
前記一のイベントが、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、前記特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する基準点を設定するための基準点設定イベントを示す場合、前記メモリに格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、所定の手段により当該基準点の設定を行なうと共に設定された基準点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置を前記メモリに基準点データとして格納するための基準点設定イベント処理、
前記一のイベントが、前記基準点及び複数の特徴点に基づいて定められる特性方程式を算出するための特性方程式算出イベントを示すものである場合、前記メモリに格納された第1及び第2の画像上の夫々の基準点及び複数の特徴点に関する特徴点データ及び基準点データを取得し、第1の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における第1の座標軸上の座標値である第1の座標値を示す第1座標データとして前記メモリに格納すると共に、第2の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての前記特定の2次元座標系における第2の座標軸上の座標値である第2の座標値を示す第2座標データとして前記メモリに格納し、更に、前記全ての特徴点についての前記第1及び第2座標データから特性方程式を算出すると共に、当該算出した特性方程式を特性方程式データとして前記メモリに格納するための特性方程式算出イベント処理、
前記一のイベントが、前記特徴点の変位を算出するための特徴点変位算出イベントを示すものである場合、前記メモリから前記第1及び第2座標データ並びに前記特性方程式データを取得し、前記各特徴点の変位の度合いとして、前記特性方程式からの前記各特徴点の前記特定の2次元座標系上におけるズレを算出すると共に、算出結果を前記特徴点の変位の度合いとして前記出力装置に出力するための特徴点変位算出イベント処理
を前記オペレーティングシステムとの組み合わせで前記コンピュータに実行させる命令を含むアプリケーションプログラムを格納した、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施の形態による地表面画像監視装置等について説明するにあたって、各実施の形態に共通する本発明の基本的な考え方について説明しておく。
【0026】
図1を参照すると、測定対象である斜面(傾斜地の地表面)を撮影した場合に得られる画像の例が図示されている。かかる図から、当該斜面を撮影した際には、何らかの挙動が生じた場合にそれにより影響を受けると思われる範囲(直接的な測定対象)とそれ以外の範囲とが同時に写っていることが理解される。直接的な測定対象の範囲内には、岩頭の先端や、斜面に生じた亀裂、斜面から突出しており且つ高低差の激しい点、若しくは、地滑りや岩盤崩れの被害を最小限に抑えるためのネット等の人工的な構築物が含まれている。これらは、測定対象となる斜面を撮影した画像に、通常、少なくとも数種類含まれており、且つ、形状的に認識し易い。一方、直接的な測定対象の範囲外には、電柱が例示されている。この例示された電柱のような物体は、斜面に生じる挙動によっては、比較的影響を受けず、その位置等を保持し得るものである。
【0027】
本発明は、かかる直接的な測定対象の範囲内に属する岩頭先端等と、測定対象範囲外に属する電柱等とを目印として利用し、その間の相対的な距離の変動をコンピュータにおいて演算処理することにより、地表面の状態変化を検出する。
【0028】
詳しくは、図2に示されるように、前者、即ち岩頭先端等を特徴点とし、後者、即ち電柱等を基準点として設定する。その上で、基準点と各特徴点との間の距離を算出する。また、同様の処理を、異なる時間に撮影された画像に対しても行なう。先の画像及び後の画像の双方とも、言うまでもなく、同一の被写体たる地表面を撮影したものであるが、その撮影の際の仰角等は互いにズレていても構わない。互いに異なる時間に撮影された画像について、基準点と各特徴点との距離を算出し、それらを比較することで、各特徴点の変位が検出できる。もし、前述のように、2つの画像を撮影した際、仰角に多少のズレが生じていたとしても、基準点を基準とした場合の特徴点の相対距離を比較することとしているので、問題は生じないこととなる。
【0029】
尚、ここまでは、理解を容易にするために、基準点を直接的な測定対象の範囲外に属するものとして説明してきたが、これに限られるものではない。基準点は特徴点の変位を算出するための基準となる点であることから、斜面の挙動により影響を受け、それ自体が極度に変化してしまったり、又はその位置が極端に変動してしまうようでは、あまり好ましくないが、多少の変動であれば、後述するように基準点を複数個設定することにより、その影響を軽減することができる。
【0030】
以下、より具体的に、傾斜地における地表面の状態を撮影して得られる画像を利用して、当該地表面の状態変化を測定する方法について説明する。
【0031】
まず、互いに異なる時間に地表面の状態を撮影して得られた2枚の画像を用意する。この内、古い方を第1の時間における第1の画像と呼び、新しい方を第2の時間における第2の画像と呼ぶ。これらは、前述の通り、同一の被写体たる地表面を撮影したものであるが、その撮影の際の仰角等は互いにズレていても構わない。
【0032】
次いで、複数個の特徴点と、基準点とを選択する。これら特徴点及び基準点は、実質的には、上記のようにして選択されるものであるが、以下の処理との関連から正確に定義すると、夫々、次のようなものとなる。即ち、特徴点とは、第1及び第2の画像上に表われた地表面上の特徴であって、形状的に認識し易い特徴を有する点を言い、また、基準点とは、第1及び第2の画像上に表われた地表面上の特徴であって、形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する点を言う。尚、ここでは、まだ、基準点の数を一つとして考える。
【0033】
かかる複数個の特徴点と基準点とを選択した後、上述のように、基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を、夫々の画像毎に算出し、各特徴点の変位を割り出す。以下、この処理について更に詳細に説明する。
【0034】
まず、第1の画像に関し、基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離をコンピュータを用いて計算し、夫々の特徴点についての特定の2次元座標系における一方の座標軸(第1の座標軸)上の座標値である第1の座標値とする。ここで言う、特定の2次元座標系とは、例えば、特定の点を原点としたX−Y座標系のことである。また、第1の座標軸とは、一方の座標軸であるから、例えば、X軸ということとなり、第1の座標値は、X座標の値ということとなる。尚、かかる記載から明らかなように、コンピュータを用いて計算することから、ここまでの処理の間のいずれかの時点で、第1の画像は、データ化されている。同様に、第2の画像についてもデータ化されている。
【0035】
次いで、第2の画像に関しても同様に、基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離をコンピュータを用いて計算する。その上で、その計算結果を、夫々の特徴点についての特定の2次元座標系における他方の座標軸(第2の座標軸)上の座標値である第2の座標値とする。前述の例に従えば、第2の座標軸とはY軸のことであり、第2の座標値とはY座標の値ということになる。
【0036】
この時点において、各特徴点については、X座標軸上及びY座標軸上の両方の座標値が設定されている。即ち、ここまでの処理により、イメージとしては、図3及び図4に示されるような表やグラフが作成されることとなる。尚、図3は、基準点Aに対する各特徴点毎の相対距離を各画像毎に算出したものを示す。また、図4は、図3に示された両成分に基づきX−Y座標を例としてプロットしたものである。
【0037】
続いて、コンピュータを用いて、全ての特徴点についての特定の2次元座標系における両座標値から特性方程式を算出する。特性方程式としては、例えば、第1の座標値に対する第2の座標値の回帰直線が挙げられる。以下においては、特性方程式として、かかる回帰直線を選択したものとして説明する。
【0038】
即ち、上述の例に従えば、全ての特徴点についてのX,Y座標値から、図5に示されるようなXに対するYの回帰直線を最小二乗法により算出する。図5には、例として、y=xの回帰直線が示されている。本実施の形態において、各特徴点について殆ど状態変化が生じていない場合、このような回帰直線(y=x)が得られることとなる。
【0039】
その後、各特徴点毎に算出された特性方程式からのズレをコンピュータを用いて測定する。上記の例においては特性方程式として回帰直線を算出しているので、例えば、図6に示されるように、回帰直線に重ねるようにして、X−Y座標系上に各特徴点のX,Y座標をプロットするだけの処理であっても良い。しかし、このような処理だけによっては、表示されるズレが小さい場合もある。そのような場合には、さらに、図7に示されるように、回帰直線を基準線として、そのズレを増幅して表示することとすれば良い。かかる表示の変更等は、コンピュータにより処理を行なうことで、容易になし得る。ここで、特徴点毎に測定された回帰直線からのズレは、当該特徴点の基準点に対する変位量に相当するものとする。
【0040】
各特徴点毎の回帰直線からのズレが表示されれば、それに基づいて、第1の時間から第2の時間に至るまでの間の地表面の状態変化を判断することができる。具体的には、特徴点のうち、表示されたズレの大きい特徴点があれば、その付近を、第1及び第2の時間の間に移動した変位の大きい領域であると判断することができる。例えば、上記図6及び図7の例においては、特徴点(P5)付近が、 第1及び第2の時間の間に移動した変位の大きい領域であると判断することができる。
【0041】
ここまでの説明においては、基準点を一つとした場合について言及してきたが、基準点の数を二つ以上とすると、地表面の状態変化を判断することがより容易になる。
【0042】
例えば、基準点をA,Bの二つとして、基準点Aと複数の特徴点の夫々との間の距離から回帰直線を求めると共に、基準点Bと複数の特徴点の夫々との間の距離から回帰直線を求める。つまり、図3及び図6を例にとると、同様のものを基準点Bに対しても作成することとなる。
【0043】
次いで、各特徴点毎に、基準点A及び基準点Bの夫々について求められた各回帰直線からのズレをコンピュータを用いて測定する。即ち、一の特徴点に着目すると、基準点Aについて求められた回帰直線からのズレと、基準点Bについて求められた回帰直線からのズレとの2つのズレが求められることとなる。
【0044】
この2つの回帰直線からのズレと基準点A,Bの位置関係とをコンピュータを用いて合成処理することで、当該一の特徴点に関して、画像上の特定の2次元的な量(ベクトル量)を算出することができる。このベクトル量は、当該一の特徴点が第1及び第2の時間の間に移動した変位を示す。
【0045】
尚、この処理は、言うまでもなく、全ての特徴点について行なわれるものであり、また、ベクトル量の表示は、必要に応じて一律に増幅したものを表示することで置き換えても良い。かかる処理により得られた各特徴点毎の変位量(ベクトル量)は、例えば図8に示されるようにして表示される。
【0046】
以下、かかる本発明の地表面状態変化測定方法に適用可能な地表面画像監視装置及びコンピュータに対して当該装置と同等の機能を持たせるためのプログラムを記録した記録媒体について、これまでの図面に加え、他の図面をも参照して詳細に説明する。
【0047】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態による地表面画像監視装置は、監視対象たる傾斜地(以下、特定地域という)における地表面の変化から地滑り又は岩盤崩れの可能性を判断するために用いられるものであり、図9に示されるように、画像データ入力手段101と、特徴点指定手段102と、特徴点保持手段103と、基準点指定手段104と、基準点手段105と、相対距離算出手段106と、特性方程式算出手段107と、特徴点変位算出手段108と、表示手段109と、制御手段110とを備えている。これら各構成要素は、夫々、次のようにして動作する。
【0048】
画像データ入力手段101は、監視対象たる特定地域の地表面を撮影した画像を入力画像(入力画像データ)として入力するためのものである。特に、画像データ入力手段101は、第1の画像と第2の画像とを、夫々、第1及び第2の入力画像として入力する。ここで、第1の画像とは、第1の日時において特定地域の地表面の状態を撮影して得られる画像であり、第2の画像とは、第2の日時において特定地域の地表面の状態を撮影して得られる画像である。また、第2の日時は、第1の日時より後の日時である。
【0049】
この第1及び第2の入力画像は、特徴点保持手段103、基準点保持手段105、特徴点変位算出手段108、表示手段109の夫々に送られ、特に、後述するように、表示手段109においては、これら第1及び第2の入力画像、即ち、第1及び第2の画像の表示が行なわれる。尚、第1及び第2の入力画像を各手段に出力するタイミングなどは、後述するように、制御手段110からの制御信号(CONT)に従う。
【0050】
かかる画像データ入力手段101は、例えば図10に示されるようにして構成されることとしても良い。即ち、図10においては、画像データ入力手段101は、画像取込手段1011と、画像取込手段1011に接続された地表面画像データベース手段1012とを備えている。詳しくは、画像取込手段1011は、第1及び第2の画像を取り込み、第1及び第2の入力画像として出力するためのものである。また、地表面画像データベース手段1012は、入力画像を撮影日時及び撮影場所と関連付けて記憶することのできるものである。
【0051】
特徴点指定手段102は、入力画像上に表われる複数の特徴点を指定するためのものである。特に、特徴点指定手段102は、第1及び第2の入力画像上に、夫々、複数個の第1及び第2の特徴点を指定する。本実施の形態においては、表示手段に表示された第1及び第2の画像(第1及び第2の入力画像)をユーザ(オペレータ)が参照しながら、特徴点指定手段102により各特徴点の指定を行なう。
【0052】
この指定の際、複数の第1の特徴点の各々には、夫々、第1の入力画像上において固有の番号が付される(図3の最左欄参照)。即ち、第1の入力画像上のみに着目すると、同じ番号の割当てられた特徴点は存在しないこととなる。一方、複数の第2の特徴点の各々には、夫々、第2の入力画像上において固有の番号が付される。即ち、第2の入力画像上のみに着目すると、同じ番号の割当てられた特徴点は存在しないこととなる。更に、複数の第1の特徴点の内の一つと、それに対応する第2の特徴点とには、同じ番号が付される。
【0053】
尚、特徴点の定義は、上述の方法におけるものと概略同じである。本実施の形態に適するように表現を変えるならば、特徴点とは、入力画像上に表われる地表面上の特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する点である。
【0054】
特徴点保持手段103は、特徴点指定手段102に接続され、各特徴点に係る情報を保持する。
【0055】
本実施の形態においては、特徴点保持手段103は、さらに画像データ入力手段101に接続され、各特徴点の第1及び第2の入力画像上における座標位置を算出し、第1及び第2の特徴点位置データとして保持する。即ち、本実施の形態における特徴点に係る情報とは、特徴点位置データである。
【0056】
この場合、特徴点保持手段103は、まず、画像データ入力手段101から第1及び第2の入力画像を受けると共に、特徴点指定手段102により第1及び第2の特徴点の指定を受ける。次いで、特徴点保持手段103は、指定された複数個の第1の特徴点の夫々について、第1の入力画像上における座標位置を算出し、同様に、複数個の第2の特徴点の夫々について、第2の入力画像上における座標位置を算出する。更に、特徴点保持手段103は、夫々の第1及び第2の特徴点について第1及び第2の各入力画像毎に算出した座標位置を、前述の通り、第1及び第2の特徴点位置データとして、保持する。
【0057】
これらの特徴点位置データは、夫々、対応する特徴点に付された固有の番号に関する情報、及び第1の特徴点であるか第2の特徴点であるかに関する情報を含み、それにより、互いに区別し得る。
【0058】
尚、特徴点保持手段103における特徴点位置データの算出処理等のタイミングは、後述するように、制御手段110からの制御信号(CONT)により制御されている。
【0059】
基準点指定手段104は、入力画像上に表われる基準点を指定するためのものである。特に、基準点指定手段104は、第1及び第2の画像上に、夫々、少なくとも一の基準点(夫々、第1及び第2の基準点と呼ぶ。)を指定する。本実施の形態においては、表示手段109に表示された第1及び第2の入力画像をユーザ(オペレータ)が参照しながら、基準点指定手段104により各第1及び第2の基準点の指定を行なう。
【0060】
この指定の際、第1の基準点には、第1の入力画像上において固有の番号が付される。同じく、第2の基準点には、第2の入力画像上において固有の番号が付される。第1の基準点と、それに対応する第2の基準点とは、同じ番号を割当てられる。尚、複数の第1及び第2の基準点が指定された場合には、この固有の番号により互いに区別される。従って、第1及び第2の入力画像上において複数の基準点が指定された場合であっても、いずれか一方の入力画像上に着目してみれば、同じ番号が割当てられた基準点は存在しないこととなる。
【0061】
尚、基準点の定義は、上述の方法におけるものと概略同じである。本実施の形態に適するように表現を変えるならば、特徴点とは、入力画像上に表われる地表面上の特徴であって、且つ、特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくいと推定される点である。
【0062】
基準点保持手段105は、基準点指定手段104に接続され、基準点に係る情報を保持するためのものである。
【0063】
本実施の形態においては、基準点保持手段105は、更に画像データ入力手段101に接続され、第1の基準点の第1の入力画像上における座標位置を算出すると共に、第2の基準点の第2の入力画像上における座標位置を算出し、それらを第1及び第2の基準点位置データとして保持する。即ち、本実施の形態において、基準点に係る情報は、基準点位置データであることとなる。
【0064】
この場合、基準点保持手段105は、まず、画像データ入力手段101から、第1及び第2の入力画像を受けると共に、基準点指定手段104により基準点の指定を受ける。次いで、基準点保持手段105は、指定された第1及び第2の基準点について、第1及び第2の各入力画像上における座標位置を算出する。更に、基準点保持手段105は、第1及び第2の基準点について算出した座標位置を、夫々、第1及び第2の基準点位置データとして、保持する。
【0065】
これらの処理は、第1及び第2の基準点が夫々複数個指定された場合には、各基準点毎に行なわれ、それにより得られる各第1及び第2の基準点位置データは、第1及び第2の特徴点位置データの場合と同様に、夫々、互いに対応する基準点に付された固有の番号の情報、及び第1の基準点であるか第2の基準点であるかに関する情報を含む。従って、複数の基準点が指定された場合であっても、第1及び第2の基準点位置データの各々は、互いに区別されることとなる。尚、この基準点保持手段105における第1及び第2の基準点位置データの算出処理等のタイミングは、後述するように、制御手段110からの制御信号(CONT)により制御されている。
【0066】
相対距離算出手段106は、特徴点保持手段103及び基準点保持手段105に接続され、特徴点及び基準点に係る情報を受けて、入力画像上における基準点に対する複数の特徴点御相対距離を算出するためのものである。特に、本実施の形態において、相対距離算出手段106は、複数の第1及び第2の特徴点位置データ及び第1及び第2の基準点位置データを受けて、第1の特徴点の夫々について、第1の入力画像上における第1の基準点に対する複数の第1の特徴点の相対距離を第1の相対距離として算出すると共に、第2の特徴点の夫々について、第2の入力画像上における前記第2の基準点に対する複数の第2の特徴点の相対距離を第2の相対距離として算出する。
【0067】
尚、この相対距離算出手段106による相対距離の算出処理は、第1及び第2の基準点が夫々複数個あった場合には、その各基準点毎に行なわれる。また、このようにして、算出された第1及び第2の座標距離は、夫々、特定の2次元座標系上における第1及び第2の座標軸上の座標値である第1及び第2の座標値として取り扱われる。
【0068】
特性方程式算出手段107は、相対距離算出手段106に接続され、第1及び第2の入力画像上における基準点に対する各特徴点の第1及び第2の相対距離に関し、相関をみるために利用される特性方程式を算出するためのものである。特に、本実施の形態において、特性方程式算出手段107は、特性方程式として回帰直線を算出することから、回帰直線算出手段107と呼ばれる。
【0069】
詳しくは、回帰直線算出手段107は、第1及び第2の座標距離を第1及び第2の座標値とし、全ての特徴点についての第1及び第2の座標値から、第1の座標値に対する第2の座標値の回帰直線を算出する。算出された回帰直線は、回帰直線データとして出力される。上述した例に従って特定の2次元座標系をX−Y座標系であるとすると、第1及び第2の座標値は、夫々、X座標軸上の座標値及びY座標軸上の座標値であることとなる。また、回帰直線は、X座標値に対するY座標値の回帰直線ということになる。
【0070】
これら回帰直線算出手段107における回帰直線データを算出する処理は、各基準点(基準点に係る情報)毎に行われる。また、これら回帰直線算出手段107において行われる回帰直線算出処理は、後述するように、制御手段110からの制御信号(CONT)により、そのタイミング等と制御されている。
【0071】
特徴点変位算出手段108は、相対距離算出手段106及び特性方程式算出手段107に接続され、複数の特徴点に関する第1及び第2の座標値及び特性方程式に基づいて、第1の日時から第2の日時までの各特徴点の変位の度合いとして、特性方程式からの各特徴点のズレであって、特定の2次元座標系上におけるズレを算出する。特に、本実施の形態においては、特性方程式算出手段107は、特性方程式として回帰直線を算出するための回帰直線算出手段107であるため、特徴点変位算出手段108は、第1及び第2の座標値並びに回帰直線データに基づいて、各特徴点の変位の度合いとして、特定の2次元座標系上における回帰直線からの各特徴点のズレを算出するものとなる。尚、この特徴点変位算出手段108による各特徴点のズレを算出する処理も、上述の回帰直線算出手段107による回帰直線を算出する処理と同様に、複数の第1及び第2の基準点が指定されていた場合においては、その各基準点(基準点に係る情報)毎に行われる。
【0072】
特に、基準点が二以上設定されている場合、特徴点変位算出手段108は、次のように動作することとしても良い。特徴点変位算出手段108は、画像データ入力手段101に更に接続されており、第1及び第2の入力画像を受けているものとする。また、この場合、特徴点変位算出手段108は、回帰直線算出手段107から、基準点毎に算出された回帰直線データ、つまり複数の回帰直線データを得ることとなる。その上で、特徴点変位算出手段108は、上記の処理を各基準点毎に行なう、即ち、回帰直線データ毎に行なう。従って、各特徴点から見れば、特定の2次元座標系上における回帰直線からのズレは、複数個得ることができることとなる。夫々の回帰直線からのズレは、対応する基準点と当該特徴点との関係を示すものであるから、このようにして、特徴点毎に複数のズレを得て、それらを第1及び第2の入力画像上にて合成処理すると、第1及び第2の入力画像上における2次元的な変位を割り出すことが可能となる。このようにして割り出される2次元的な変位量は、例えば画像上における変位をベクトルと考えた際のベクトルの方向及びベクトルの大きさに相当する。この結果は、後に表示手段109において視覚的に表示されることとなるが、その時のオペレータからの見易さ等を考慮して、例えば表示される際のベクトルの大きさに相当するピクセル数を全ての特徴点に関して3倍にするなど、変位を示すベクトルの大きさを各特徴点に関し一様に増加させることも可能である(図8参照)。
【0073】
尚、特徴点変位算出手段108において、上述の特徴点毎に回帰直線からのズレを算出する処理や複数の基準点を指定した場合の各特徴点の2次元的な変位量の算出処理は、後述するように、制御手段110からの制御信号(CONT)により制御されている。
【0074】
表示手段109は、画像データ入力手段101及び特徴点変位算出手段108に接続され、夫々の手段から受けたデータ内容の表示を行なう。即ち、表示手段109は、画像データ入力手段101から第1及び第2の入力画像を受けて、それら第1及び第2の入力画像の表示を行ない、また、特徴点変位算出手段108から各特徴点毎に算出された変位についての情報を受けると、各特徴点毎に、その変位、即ち第1の日時から第2の日時に至るまでの間に生じた変位の度合いを表示する。更に、特徴点変位算出手段108が、複数の基準点設定に応じて、各特徴点毎に2次元的な変位量を算出した場合、表示手段109は、第1又は第2の入力画像上に、その2次元的な変位量をベクトルとして重ね合わせて表示する。尚、これら各データの表示は、次に説明する制御手段110からの制御信号(CONT)に従って、行われる。
【0075】
制御手段110は、入力手段(図示せず)によりオペレータからの指示(ユーザリクエスト)を受けて、画像データ入力手段101、特徴点保持手段103、基準点保持手段105、相対距離算出手段106、特性方程式算出手段107、特徴点変位算出手段108、表示手段109の夫々の動作を前述したように制御するための制御信号(CONT)を出力する。
【0076】
このような構成を備える本実施の形態による地表面画像監視装置は、概略、次のようにして動作する。
【0077】
画像データ入力手段101から出力された第1及び第2の入力画像が表示手段109に入力されると、表示手段109に第1及び第2の入力画像(第1及び第2の画像)が表示される。オペレータは、表示手段109に表示された第1及び第2の入力画像を参照しながら、特徴点指定手段102及び基準点指定手段104により、第1の入力画像について複数の第1の特徴点及び第1の基準点の指定を行なうと共に、第2の入力画像について複数の第2の特徴点及び第2の基準点の指定を行なう。複数の第1及び第2の特徴点と第1及び第2の基準点とが指定されると、それらは、夫々、特徴点保持手段103及び基準点保持手段105において第1及び第2の特徴点位置データ及び基準点位置データとして保持され、相対距離算出手段106において基準点に対する各特徴点の相対距離を算出するための処理に利用される。相対距離算出手段106においては、第1の入力画像上における第1の基準点と各第1の特徴点との間の相対距離である第1の相対距離が算出され、第2の入力画像上における第2の基準点と各第2の特徴点との間の相対距離である第2の相対距離が算出される。特性方程式算出手段107は、これら第1及び第2の相対距離を受けて、特性方程式の算出を行ない、特徴点変位算出手段108に出力する。特徴点変位算出手段108は、各特徴点毎に特性方程式からのズレを算出し、それそのもの若しくは他の変位量に変換し、各特徴点毎の変位の度合いとして、表示手段108に出力する。これを受けた表示手段109は、その変位の度合いを表示し、オペレータの傾斜面の状態判断に適切な材料を供することとができる。
【0078】
このような地表面画像監視装置は、次のようにして変形されても良い。
【0079】
図11を参照すると、一の変形例が示されている。図11に示された地表面画像監視装置は、図9に示された地表面画像監視装置と比較して、画像データ入力手段101から出力される第1及び第2の入力画像の内容並びに特徴点及び基準点の設定の仕方において異なっている。
【0080】
図11に示された地表面画像監視装置においては、画像データ入力手段101から、特徴点指定手段102及び基準点指定手段104に対して、次のようにして撮影された第1及び第2の画像に対応する第1及び第2の入力画像が入力される。
【0081】
まず第1及び第2の画像を撮影する際に、被写体となる地表面の所定位置に対して、地表面自体と容易に区別し得るマークを配置する。これらマークは、傾斜面に対して十分小さいものであり、且つ、撮影した画像において傾斜地の地表面と容易に区別し得るようなものであれば良く、適切なものとしては、例えば、反射プリズムや反射板等、又は小型ライトや夜光塗料を塗布した小片等の自発光するものが挙げられる。尚、反射プリズムや反射板をマークとして使用する場合、撮影時には写真全体を暗く撮るとともにフラッシュをたくことでマークを浮き出させることとする。また、これらのマークは、夫々、第1の画像撮影時から第2の画像撮影時の間、一の岩盤の突端など同じ対象に付されたままであることが好ましい。以下、基準点とすべき所定位置に配置されたマークを基準点マークと呼び、特徴点とすべき所定位置に配置されたマークを特徴点マークと呼ぶ。
【0082】
その上で、第1及び第2の画像を撮影する際には、これら特徴点マーク及び基準点マークを含むようにして撮影が行なわれる。その結果得られた第1及び第2の画像には当然ながら特徴点マーク及び基準点マークも写ることとなる。このような第1及び第2の画像をデータ化したものが、本例における第1及び第2の入力画像である。かかる第1及び第2の入力画像は、画像データ入力手段101により、特徴点指定手段102及び基準点指定手段103に入力される。
【0083】
特徴点指定手段102及び基準点指定手段104は、複数の特徴点マーク及び基準点マークの第1の入力画像上における位置を解析することで、複数の第1の特徴点及び第1の基準点を自動的に指定すると共に、同様にして、第2の入力画像上において複数の第2の特徴点及び第2の基準点を自動定期に指定する。
【0084】
本例の地表面画像監視装置においても、このようにして特徴点及び基準点が指定された以降の処理は、前述の図9に示される地表面画像監視装置におけるものと同じである。
【0085】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態による地表面画像監視装置は、図12に示されるように、ユーザからの入力を受け付けるための入力手段201と、地表面画像データのデータベースである地表面画像データベース202と、表示手段203と、ユーザからの入力に応じて地表面画像データベース202から地表面画像データを取得して処理することで地表面の変化を算出し、算出結果を表示手段203に表示させることのできる地表面変化算出手段204とを備える。ここで、地表面画像データベースは、地表面の状態を互いに異なる時間に撮影して得られる複数の画像を、複数の地表面画像データとして、撮影日時及び撮影場所と関連付けて、格納することができる。
【0086】
地表面変化算出手段204は、さらに、イベント発生部2041、イベント制御部2042、メモリ部2043、表示制御部2044、データベース制御イベント処理部2045、特徴点設定イベント処理部2046、基準点設定イベント処理部2047、特性方程式算出イベント処理部2048、特徴点変位算出イベント処理部2049を備えている。
【0087】
イベント発生部2041は、イベントを発生させるものであり、入力手段201に接続されている。詳しくは、イベント発生部2041は、まず、入力手段201からの入力を受けて、その入力が予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かを判断する。その判断の結果、入力がいずれか一のイベントを発生させるものである場合には、当該一のイベントの内容を示すイベント信号を発生させる。一方、判断の結果、入力が単なるデータを入力するものである場合には、当該データを出力する。尚、予め設定し得るイベントは、必ずしも、図示された各処理部に対応しなくても良く、図示されない各処理部に対応するものであっても良いことは言うまでもない。
【0088】
イベント制御部2042は、イベント発生部2041からイベント信号を受けて、一のイベントに応じたイベント制御信号を生成し、そのイベントに対応した処理部に出力すると共に、各処理部からの要求を受けて、それに応じた指示をも出力するものである。また、イベント制御部2042は、メモリ部2043にも接続されており、メモリ部2043におけるデータの記録等を制御する。
【0089】
メモリ部2043は、上述した通り、イベント制御部2043から送出されたデータを格納すると共に、イベント制御部2043からの制御に応じて格納しているデータをイベント制御部2043に対して出力する。
【0090】
表示制御部2044は、イベント制御部2043の出力するイベント制御信号を受けて、そのイベント制御信号が、地表面変化算出手段204における何らかの処理結果の表示を示すものである場合、そのイベント制御信号に応じて、表示手段203を制御して、処理の結果を表示させるためのものである。具体的には、表示制御部2044は、地表面画像データベース202から取得した地表面画像データの表示や、後述する特徴点変位算出イベント処理部2049の処理結果などの表示を表示手段203に行なわせる。
【0091】
データベース制御イベント処理部2045は、イベント制御部2042から対応するイベント制御信号を受けて、地表面画像データベース202の制御処理を行なう。詳しくは、データベース制御イベント処理部2045は、イベント制御信号が第1及び第2の地表面画像データの地表面画像データベース202からの取得を示す場合に、その処理を開始する。ここで、第1の地表面画像データは、第1の日時において地表面の状態を撮影して得られた第1の画像に関するデータであり、また、第2の地表面画像データは、第1の日時より後の日時である第2の日時において地表面の状態を撮影して得られた第2の画像に関するデータである。データベース制御イベント処理部2045は、先に示されるような内容のイベント制御信号を受けると、地表面画像データベース202との間で通信を開始し、第1及び第2の地表面画像データを取得する。その後、データベース制御イベント処理部2045は、取得した第1及び第2の地表面画像データベースを、イベント制御部2042を通じて、メモリ部2043に格納させる。また、データベース制御イベント処理部2045は、イベント制御部2042及び表示制御部2044を通じて、表示手段203に第1及び第2の画像データを送出し、第1及び第2の画像を表示させる。
【0092】
特徴点設定イベント処理部2046は、イベント制御信号が特徴点を設定するための特徴点設定イベントを示す場合、そのイベント制御信号に応じて、特徴点設定のための処理を行なう。ここで、特徴点とは、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって、形状的に認識し易い特徴を有する点である。
【0093】
詳しくは、特徴点設定イベント処理部2046は、特徴点設定イベントを示すイベント制御信号を受けて、メモリ部2043に格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、特徴点を設定する処理を行なう。この処理は、ユーザに対して設定を促すことにより、入力手段201から設定させることとしても良いし、第1の実施の形態における変形例のように、第1及び第2の画像撮影時において斜面等と同時に撮影されたマークの位置を解析することにより設定させることとしても良い。この特徴点の設定処理は、必要とされる特徴点の数だけ行なわれる。このようにして、複数の特徴点が設定されると、特徴点設定イベント処理部2046は、その複数個の特徴点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出する。これら特徴点毎に算出された座標位置は、夫々、イベント制御部2042を通じて、メモリ部2043に特徴点データとして格納される。尚、この特徴点データには、対応する特徴点に付される固有の番号に関する情報等が含まれている。
【0094】
基準点設定イベント処理部2047は、イベント制御信号が基準点を設定するための基準点設定イベントを示す場合、そのイベント制御信号に応じて、基準点設定のための処理を行なう。ここで、基準点とは、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって、形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する点である。
【0095】
詳しくは、基準点設定イベント処理部2047は、基準点設定イベントを示すイベント制御信号を受けて、メモリ部2043に格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、基準点を設定する処理を行なう。この処理は、ユーザに対して設定を促すことにより、入力手段201から設定させることとしても良いし、第1の実施の形態における変形例のように、第1及び第2の画像撮影時において斜面等と同時に撮影されたマークの位置を解析することにより設定させることとしても良い。また、この基準点の設定処理は、一度のみ行なうこととしても良いし、複数回行なって複数個の基準点を設定することとしても良い。このようにして基準点が設定されると、基準点設定イベント処理部2047は、その基準点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出する。この算出された座標位置は、イベント制御部2042を通じて、メモリ部2043に基準点データとして格納される。尚、この基準点データには、基準点に付される固有の番号に関する情報等が含まれている。
【0096】
特性方程式算出イベント処理部2048は、基準点及び複数の特徴点に基づいて定められる特性方程式を算出するための特性方程式算出イベントを示すイベント制御信号を受けて、以下に説明するような特性方程式算出処理を行なう。本実施の形態において、特性方程式算出イベント処理部2048は、特性方程式として回帰直線を算出する。従って、以下において、特性方程式算出イベント処理部2048は、回帰直線算出イベント処理部2048とも呼ばれる。また、これに伴い、特性方程式算出イベントは、回帰直線算出イベントとも呼ばれる。尚、以下の処理は、一つの基準点毎に行われる。
【0097】
回帰直線算出イベント処理部2048は、まず、回帰直線算出イベントを示すイベント制御信号を受けると、メモリ部2043に格納された第1及び第2の画像上の夫々の基準点及び複数の特徴点に関する特徴点データ及び基準点データを取得する。これにより、回帰直線算出イベント処理部2048は、各特徴点の基準点に対する位置関係を得る。
【0098】
特徴点データ及び基準点データを取得すると、回帰直線算出イベント処理部2048は、第1及び第2の画像上の夫々において基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算する。第1の画像に関して、基準点に対して複数の特徴点の夫々に算出される各距離は、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における一方の座標軸(第1の座標軸)上の座標値(第1の座標値)とされる。ここで、特定の2次元座標系の例としては、例えば、X−Y座標系が挙げられ、第1の座標軸としては、X軸が挙げられる。この場合、第1の座標値は、X座標の値となる。一方、第2の画像に関して、基準点に対して複数の特徴点の夫々に算出される各距離は、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における他方の座標軸(第2の座標軸)上の座標値(第2の座標値)とされる。上記例によれば、第2の座標軸は、Y軸となり、また、第2の座標値は、Y座標値の値となる。これら算出された第1及び第2の両座標値は、夫々、第1座標データ及び第2座標データとして、イベント制御部2042を通じて、メモリ部2043に格納される。
【0099】
全ての特徴点について特定の2次元座標系における2つの座標値が求められると、回帰直線算出イベント処理部2048は、更に、当該特定の2次元座標系における全ての特徴点に関する第1及び第2の座標値から、第1の座標値に対する第2の座標値の回帰直線を算出する。上記例によれば、算出される回帰直線は、X座標の値に対するY座標の値の回帰直線である。このようにして算出された回帰直線は、イベント制御部2042を通じてメモリ部2043に対して、回帰直線データとして格納される。
【0100】
特徴点変位算出イベント処理部2049は、特徴点の変位算出を示すイベント制御信号を受けて、各特徴点毎にその変位を算出する。詳しくは、特徴点変位算出イベント処理部2049は、特徴点の変位算出を示すイベント制御信号を受けると、まず、メモリ部2043から回帰直線データ、第1座標データ及び第2座標データを取得する。次いで、特徴点変位算出イベント処理部2049は、各特徴点の変位の度合いとして、回帰直線からの各特徴点のズレを算出する。具体的には、前述の回帰直線算出イベント処理部2048における処理と同様にして、各特徴点毎に基準点からの距離を、第1及び第2の画像の夫々について、算出し、各特徴点毎の特定の2次元座標上の2つの座標値を得る。これにより、回帰直線が描かれる特定の2次元座標上における各特徴点毎の座標位置が取得できることとなるため、その座標位置の回帰直線からのズレを算出すれば、回帰直線算出のために用いた基準点を基準として、特徴点がどのくらい動いたかを定量的に知ることができる。
【0101】
ここで、各特徴点毎に算出される変位は、基準点が一つだけの場合、上述した回帰直線からのズレそのものであるが、基準点が二つ以上ある場合、次の量を各特徴点毎に算出される変位量としても良い。即ち、基準点が二つ以上ある場合、各特徴点毎に複数の基準点を基準としたときのズレを取得することができる。従って、これを合成処理することで、各特徴点毎に画像上における移動量をベクトル量として得ることができる。このようにして、各特徴点毎に算出された変位は、イベント制御部2042及び表示制御部2044を通じて、特徴点の変位の度合いとして表示手段203に表示される。特に、基準点が二つ以上の場合であって各特徴点毎に画像上における移動量をベクトル量として得た場合にあっては、各特徴点の変位の度合いがベクトル表示されることとなる。
【0102】
尚、以上説明した第2の実施の形態においては、特徴点及び基準点の指定は、ユーザからの入力により行われていたが、次のようにして自動化することも可能である。
【0103】
この場合、地表面画像データベース202に格納された地表面画像データは、先程のものとは異なり、次のような内容を有することが必要である。即ち、この場合に地表面画像データベース202に格納される地表面画像データは、地表面全体に加えて、複数の特徴点マーク及び基準点マークをも含むようにして撮影された画像をデータ化したものであることが必要とされる。尚、特徴点マークとは、地表面自体と区別し得るようにして、夫々、特徴点となる地表面上の所定位置に配置されたものである。また、基準点マークとは、地表面自体と区別し得るようにして、夫々、基準点となる地表面上の所定位置に配置されたものである。
【0104】
また、これに応じて、特徴点設定イベント処理部2046及び基準点設定イベント処理部2047は、次のようなものに置き換えられる。即ち、この場合、特徴点設定イベント処理部2046は、複数の特徴点マークの第1及び第2の画像上における位置を解析することで、複数の特徴点の位置を自動的に算出するものであり、基準点設定イベント処理部2047は、基準点マークの第1及び第2の画像上における位置を解析することで、基準点の位置を自動的に算出するものである。
【0105】
(第3の実施の形態)
本発明による第3の実施の形態は、プログラムを記録した記録媒体に関するものである。かかる記録媒体は、コンピュータが読み取り可能なものであり、例えば、CD−ROMなどがその一例としてあげられる。
【0106】
対象となるコンピュータは、ブートプログラムを格納するブートROM、データを格納するメモリを備え、マウスやキーボードに代表される入力装置とディスプレイ及びプリンタに代表される出力装置とを接続されたものである。尚、コンピュータと入力装置及び出力装置との組み合わせを、以下、コンピュータシステムと呼ぶ。
【0107】
コンピュータは、例えばハードディスクなどの二次記憶装置(内部/外部を問わない)を備えており、二次記憶装置には特定のオペレーティングシステム(以下、OS)が格納されているものとする。現在、ユーザインタフェースとして、グラフィカルユーザインタフェース(以下、GUI)が主流となっていることを鑑みて、以下においては、OSに対し、ウインドウシステムなどのユーザインタフェースをも含ませることとして説明する。但し、これは、説明の便宜上行われることであり、例えば、カーネル及びシェルと、シェル上で動作するウインドウシステムのクライアントとの組合せにより、実現されることを妨げるものではない。
【0108】
かかるコンピュータに電源が投入されると、ブートプログラムに従った一連のブートにより、特定のOSが当該コンピュータ上で稼動する。この特定のOS上においては、特定のOS用に開発されたアプリケーションプログラム(以下、AP)を実行することができる。以下、本実施の形態の説明の便宜のために、コンピュータに電源が投入された後の動作について、図13に示されるように簡略化する。即ち、コンピュータに電源が投入されると、ブートプログラムに従って一連のブートが行われ、それにより、特定のOSが当該コンピュータ上(メモリ上)にロードされ、OSの初期動作が行われる。その後、OSは、ユーザからAPの処理要求を受け付ける状態のまま、待機する。ユーザからAPの実行が指示されると、OS上でAPが実行可能な状態になる。
【0109】
以下に、説明されるAPは、言うまでもなく、上述の第1及び第2の実施の形態における地表面画像監視装置をコンピュータ上において実現し得るものであり、その処理上、次のようなデータベースの存在を前提としているものである。即ち、データベースは、傾斜地における地表面の状態を撮影して得られる複数の画像を複数の地表面画像データとして当該撮影の日時及び場所と関連付けて格納することのできるものであり、以下においては、地表面画像データベースと呼ばれる。この地表面画像データベースは、前述の特定のOSが起動されているコンピュータ上にて、実現されるものであっても良いし、当該コンピュータと物理的な配線により接続された他のコンピュータ上で稼動するものであっても良い。即ち、コンピュータがスタンドアロンで用いられるか、ネットワーク上で用いられるかは、問わない。
【0110】
このような前提の下、APは、地表面画像データベースとの間で通信を行うことができるものである。前述のスタンドアロンで用いられる場合もネットワーク上で用いられる場合も「通信」という言葉が一般的に使用されていることから、本実施の形態においても、この表現を採用することとする。尚、敢えて区別する際には、前者を仮想的な通信と呼び、後者を現実的な通信と呼ぶこととする。
【0111】
本実施の形態におけるAPは、OSとの組み合わせにより、複数の地表面画像データを利用して地表面の状態変化を計算させるために、イベント制御処理、データベース制御イベント処理、特徴点設定イベント処理、基準点設定イベント処理、回帰直線算出イベント処理、特徴点変位算出イベント処理の各処理をコンピュータに実行させる命令を含む。APとOSとの関係について言及すると、例えば、各処理に必要な入出力デバイスの制御等は、OSを介して行われる。以下においては、一例として、本APがウインドウシステム上で実行されるものであり、メインウインドウとその内部に更に複数のウインドウを開くことの可能なMDI形式のものであるとした場合の具体的な説明を必要に応じて挿入する。言うまでもなく、SDI形式であっても構わないが、本APの処理上、MDIとして実装する方が使い勝手の良いものを得ることができる。
【0112】
まず、APが起動されると(ステップS301)、APに設定された内容に従って、当該APの初期動作が行われる(ステップS302)。例えば、オープニング画面の表示が行なわれ、次いで、全プログラムの共通変数の初期化、メインウインドウのメニューの初期化等が行われ、続いて、メインウインドウの表示が行なわれる。そして、APは、イベントを待機する待機状態に移行する。
【0113】
この状態において、イベントを生じさせるような入力があると、イベント制御処理により、そのイベントの検出が行われる(ステップS303)。即ち、イベント制御処理においては、マウスなど入力デバイスによる入力をOSを介して受け取ると、まず、その入力について、予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かの判断が行われる。例えば、メインウインドウ内において、マウスがクリックされると、その位置がOSからAPに受け渡され、これを受けたAPは、当該イベント制御部により、マウスをクリックする動作(入力)が予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かを判断する。より具体的には、マウスのクリックされた位置が、メインウインドウ上のメニューやボタン等の位置であった場合には、それに応じたイベントを発生すべきものと判断する。
【0114】
イベントの検出が行われると、その検出されたイベントに応じて、各処理の制御が行なわれる(ステップS304)。具体的には、発生したイベントが、特徴点設定イベント、基準点設定イベント、回帰直線算出イベント、特徴点変位算出イベント、データベース制御イベント、表示制御、終了のいずれかである場合、夫々に応じて、特徴点設定イベント処理、基準点設定イベント処理、回帰直線算出イベント処理、特徴点変位算出イベント処理、データベース制御イベント処理、表示制御処理、終了処理のいずれかが行われる。以下、各処理について更に詳しく説明する。
【0115】
発生したイベントが、地表面画像データベースからの第1及び第2の地表面画像データの取得を示す場合、データベース制御イベント処理(ステップS309)が行なわれる。このデータベース制御イベント処理とは、地表面画像データベースと通信して、当該第1及び第2の地表面画像データを取得し、表示装置などの出力装置に第1及び第2の画像を出力すると共にメモリに当該第1及び第2の地表面画像データを格納する処理である。この結果、メインウインドウ内に2つの子ウインドウが開かれ、子ウインドウ毎に第1又は第2の画像が表示される。これらの処理は、更に複数の処理に分割されても良い。ここで、第1及び第2の地表面画像データは、夫々、第1及び第2の日時における地表面の状態を撮影して得られる第1及び第2の画像に関するデータである。また、第2の日時は、第1の日時より後の日時である。この処理内容から理解されるように、第1及び第2の地表面画像データは、撮影場所(現場)及び撮影日時に関する情報と関連付けて地表面画像データベースに格納されていることが好ましい。
【0116】
発生したイベントが、特徴点を複数個設定するための特徴点設定イベントである場合、特徴点設定イベント処理(ステップS305)が行なわれる。特徴点設定イベント処理とは、メモリに格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、所定の手段により複数個の特徴点の設定を行なうと共に、設定された複数個の特徴点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、その算出した座標位置をメモリに特徴点位置データとして格納するための処理をいう。具体的には、例えば、メインウインドウ内に子ウインドウとして表示された第1及び第2の画像上において特徴点とする点をマウスで指定することにより、特徴点の指定を選択を行ない、その指定された特徴点の第1及び第2の画像内における位置を算出することにより、前述の処理が行なわれる。これらの処理も、更に複数の処理に分割することが可能である。尚、特徴点とは、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する点である。
【0117】
発生したイベントが、基準点を設定するための基準点設定イベントである場合、基準点設定イベント処理(ステップS306)が行なわれる。基準点設定イベント処理とは、メモリに格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、所定の手段により基準点の設定を行なうと共に、設定された基準点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置をメモリに基準点位置データとして格納するための処理をいう。具体的には、例えば、メインウインドウ内に子ウインドウとして表示された第1及び第2の画像上において基準点とする点をマウスで(一つ又は複数)指定することにより、基準点の選択を行ない、その指定された基準点の第1及び第2の画像内における位置を算出することにより、前述の処理が行なわれる。これらの処理も、更に複数の処理に分割することができる。尚、基準点とは、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって、形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する点である。
【0118】
発生したイベントが、基準点及び複数の特徴点に基づいて定められる回帰直線を算出するための回帰直線算出イベントである場合、回帰直線算出イベント処理(ステップS307)が行われる。
【0119】
ここで、回帰直線算出イベント処理は、次のようなステップにより構成されている。回帰直線算出イベント処理においては、まず、メモリに格納された特徴点位置データ及び基準点位置データの取得が行われる。このデータ取得は、第1及び第2の各画像毎に夫々行われる。この際に取得された基準点位置データが複数個あった場合には、ここで、その中から一の基準点位置データの選択がなされ、選択された基準点位置データのみについて、次に示す回帰直線を算出するための処理が行なわれる。選択されなかった基準点位置データについては、先に選択された基準点位置データについて回帰直線の算出処理が終了した後、必要に応じて、再度選択することにより、同様の処理が行われる。
【0120】
次いで、第1の画像に関し指定された基準点に対する複数の特徴点の夫々の相対距離の計算が行なわれる。このようにして特徴点毎に算出された距離は、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における一方の座標軸(第1の座標軸という)上の座標値(第1の座標値という)を示す第1座標データとしてメモリに格納される。
【0121】
同様にして、第2の画像に関し指定された基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離が算出される。このようにして特徴点毎に算出された距離は、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における他方の座標軸(第2の座標軸という)上の座標値(第2の座標値という)を示す第2座標データとしてメモリに格納される。
【0122】
続いて、全ての特徴点についての第1及び第2座標データから、第1の座標値に対する第2の座標値の回帰直線が算出される。回帰直線の算出は、例えば、最小二乗法により行われる。より具体的には、まず、全ての特徴点(個数をN個とする:Nは整数)についての第1成分データの総和を個数Nで割ることで第1の値を得、全ての特徴点についての第2成分データの総和を個数Nで割ることで第2の値を得、また、各特徴点毎に求められた第1及び第2成分データの積の総和を個数Nで割ることで第3の値を得、さらに、各特徴点毎に求められた第1成分データの2乗の総和を個数Nで割ることにより第4の値を得る。これら求められた第1乃至第4の値を用いて、回帰直線の切片及び傾きが算出される。具体的には、切片は、第2及び第4の値の積から第1及び第3の値の積を引いて得られる値全体を、第4の値から第1の値の2乗を引いて得られる値全体にて、割ることで得られる。また、傾きは、第3の値から第1及び第2の値の積を引いて得られる値全体を、第4の値から第1の値の2乗を引いて得られる値全体にて、割ることで得られる。尚、これら最小二乗法を算出するアルゴリズムとしては、ガウス・ジョルダン法を用いても良い。
【0123】
このようにして算出された回帰直線は、回帰直線データとしてメモリに格納される。上述の説明から理解されるように、回帰直線データは、回帰直線の切片及び傾きの情報を含む。
【0124】
発生したイベントが、特徴点の変位を算出するための特徴点変位算出イベントである場合、特徴点変位算出イベント処理(308)が行われる。まず、基準点が一の場合、即ち回帰直線データが一の場合について説明する。特徴点変位算出イベント処理とは、メモリから第1及び第2座標データ並びに回帰直線データを取得し、各特徴点の変位の度合いとして、回帰直線からの各特徴点のズレを算出すると共に、算出結果を特徴点の変位の度合いとして表示手段などの出力装置に出力するための処理である。回帰直線からの各特徴点のズレの算出は、回帰直線算出イベント処理にて得られた切片及び傾きに関する情報、並びに各特徴点の第1及び第2座標データを用いて、算出することができる。このようにして算出されたズレに関する情報(ズレ量)は、メモリに格納される。
【0125】
このようにして回帰直線算出イベント処理及び特徴点変位算出イベント処理を行なうことで、特徴点の分布や回帰直線自体、更にはズレ量の表示装置への描画が可能となる。第1及び第2座標データがあることから、特定の2次元座標系上において各特徴点に相当する点をプロットすることが可能であり、また、回帰直線データがあることから、同2次元座標系上に回帰直線を描画することができる。また、ズレ量があることから、それを一様に増倍することで、ズレ具合を判断し易いグラフなどを描画することもできる。これらの描画は、イベント制御処理(ステップS304)や後述する表示制御処理(ステップS310)を通じて行われる。これらは、具体的には、メインウインドウ内に開かれた子ウインドウとして、表示装置上に表示される。
【0126】
次に、基準点が複数あった場合についての特徴点変位算出イベント処理について更に説明する。この場合、回帰直線毎に各特徴点のズレを算出することができる。詳しくは、特徴点位置データと基準点位置データとから、特徴点の基準点に対する移動の方向を算出することができる。各特徴点毎に、これら各基準点に対する移動方向と各基準点からのズレを合成処理することで、当該特徴点の特定の2次元的な移動量(ベクトル量)を得ることができる。これらは算出された後、メモリに格納されると共に、表示手段上に地表面画像データと共に描画される。具体的には、このようなベクトル量の表示は、前述のズレ量の表示とは別の子ウインドウ内に表示される。このような表示により、オペレータは、視覚的に容易に地表面の状態の変化を知ることが可能となる。
【0127】
表示制御処理(ステップS310)は、他のイベント処理などの結果を必要に応じて、OSを介して表示装置に表示されるための処理である。特に、メインウインドウ内に新たな子ウインドウを開く必要があるときには、それを開き、その内部に各イベント処理による処理結果を表示する。
【0128】
終了処理(ステップS311)は、検出されたイベントがAPの終了であった場合に実行され、必要に応じて、メモリ内のデータを保存すべきか否かの問いかけを行なうなどの処理をした後、APの終了のための処理を行なう。
【0129】
尚、本実施の形態においては、第1及び第2の画像上における特徴点の相関をみるために、回帰直線を利用することとして説明してきたが、他の特性方程式であっても良いことは、言うまでもない。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基準点及び特徴点という概念を導入し、互いに異なる時間に傾斜地の地表面を撮影して得られる2つの画像上における特徴点の基準点に対する相対距離の変化に基づいて、地表面の状態変化をコンピュータにより算出することとしたことから、地表面の状態の変化を容易、効果的且つ経済的に判断することの可能な方法を得ることができた。また、当該方法に基づいて構成した装置をも得ることができる。
【0131】
更に、本発明によれば、かかる装置と同等の機能をコンピュータ上にて実現するためのプログラムを記録した記録媒体を得ることができる。
【0132】
以下、本発明の特許請求の範囲に示されていない実施態様項について列挙する。
【0133】
即ち、第8の発明は、請求項3に記載の地表面画像監視装置において、
前記特性方程式算出手段は、前記特性方程式として、前記第1の座標値に対する前記第2の座標値の回帰直線を算出するものであることを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0134】
第9の発明は、前記第8の発明として記載の地表面画像監視装置において、
前記特性方程式算出手段は、前記回帰直線を算出する際に、最小二乗法を利用することを特徴とする地表面画像監視装置。
【0135】
第10の発明は、請求項4に記載の地表面画像監視装置又は前記第8の発明として記載の地表面画像監視装置において、
前記特徴点変位算出手段に接続され、前記各特徴点毎に、前記第1の日時から第2の日時に至るまでの間に生じた変位の度合いを表示するための表示手段を更に備えることを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0136】
第11の発明は、前記第10の発明として記載の地表面画像監視装置において、
前記表示手段は、前記画像データ入力手段にも接続されており、前記第1及び第2の入力画像を受けて、前記第1及び第2の画像を表示し得るものであり、
前記特徴点指定手段及び基準点指定手段は、夫々、該表示手段に表示された前記第1及び第2の画像を見得るオペレータの操作に従って、前記複数個の特徴点と前記基準点とを指定するためのものである
ことを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0137】
第12の発明は、前記第10又は第11の発明のいずれかとして記載の地表面画像監視装置において、
オペレータからの指示を受け付ける入力手段と、
前記画像データ入力手段、特徴点保持手段、基準点保持手段、相対距離算出手段、特性方程式算出手段、特徴点変位算出手段、及び表示手段、並びに前記入力手段に接続され、オペレータからの指示に従って、前記画像データ入力手段、特徴点保持手段、基準点保持手段、相対距離算出手段、特性方程式算出手段、特徴点変位算出手段、及び表示手段の動作を制御するための制御信号を生成するための制御手段と、
を更に備えていることを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0138】
第13の発明は、前記第10乃至第12の発明のいずれかとして記載の地表面画像監視装置において、
前記基準点指定手段は、基準点の数を二以上指定することが可能なものであり、
前記基準点保持手段は、当該二以上指定された基準点を記憶するものであり、
前記特性方程式算出手段は、各基準点毎に、前記回帰直線を算出するものであり、
前記特徴点変位算出手段は、前記画像データ入力手段に更に接続され、各特徴点毎に、基準点毎に算出される前記ズレを前記第1又は第2の画像上において合成処理することで、前記特徴点毎に画像上における2次元的な変位量を算出するとともに算出結果を前記表示手段に表示するものである
ことを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0139】
第14の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地表面画像監視装置又は前記第8乃至第13の発明のいずれかとして記載の地表面画像監視装置において、
前記画像データ入力手段は、
前記第1及び第2の画像を取り込み、前記第1及び第2の入力画像として出力するための画像取込手段と、
該画像取込手段に接続され、前記入力画像を撮影日時及び撮影場所と関連付けて記憶することのできる地表面画像データベース手段と
を備えていることを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0140】
第15の発明は、請求項4に記載の地表面画像監視装置において、
前記特性方程式算出イベント処理部は、前記特性方程式として、前記第1の座標値に対する前記第2の座標値の回帰直線を算出するものであることを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0141】
第16の発明は、請求項4に記載の地表面画像監視装置又は前記第15の発明として記載の地表面画像監視装置において、
前記特徴点変位算出部は、前記基準点設定イベント処理部にて、前記基準点設定イベントの処理が複数回行なわれ、それに応じて、前記特性方程式算出イベント処理部にて、各基準点毎に前記回帰直線算出イベントの処理が複数回行われた際に、各特徴点毎に関し、前記基準点毎に算出される前記ズレを合成処理することで、前記特徴点毎に前記画像上における2次元的な変位量を算出するものである
ことを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0142】
第17の発明は、請求項4に記載の地表面画像監視装置又は前記第15乃至第16の発明のいずれかとして記載の地表面画像監視装置において、
前記地表面画像データベースは、前記地表面全体に加えて、前記地表面自体と区別し得るようにして所定位置に配置されたマークであって前記複数の特徴点及び基準点に対応するようにして設けられた複数の特徴点マーク及び基準点マークをも含むようにして撮影された画像を、前記地表面画像データとして、格納するものであり、
前記特徴点設定イベント処理部は、前記複数の特徴点マークの前記第1及び第2の画像上における位置を解析することで、前記複数の特徴点の位置を自動的に算出するものであり、
前記基準点設定イベント処理部は、前記基準点マークの前記第1及び第2の画像上における位置を解析することで、前記基準点の位置を自動的に算出するものである
ことを特徴とする地表面画像監視装置である。
【0143】
第18の発明は、請求項6に記載の地表面状態変化測定方法において、
前記特性方程式として、前記第1の座標値に対する前記第2の座標値の回帰直線を、コンピュータに算出させることを特徴とする地表面状態変化測定方法である。
【0144】
第19の発明は、前記第18の発明として記載の地表面画像状態変化測定方法において、
前記コンピュータに対し、前記回帰直線を算出させる際に、最小二乗法にて求めさせることを特徴とする地表面状態変化測定方法である。
【0145】
第20の発明は、前記第19の発明として記載の地表面状態変化測定方法において、
前記特徴点毎に測定された前記回帰直線からのズレをもって、当該特徴点の基準点に対する変位量とすることを特徴とする地表面状態変化測定方法である。
【0146】
第21の発明は、前記第20の発明として記載の地表面状態変化測定方法において、
基準点の数を二つ以上として、個々の基準点毎に前記回帰直線を求め、各特徴点毎に各回帰直線からのズレをコンピュータを用いて測定し、各特徴点に関し、基準点毎に得られたズレをコンピュータを用いて合成処理することで、特徴点毎の画像上の2次元的な変位を算出することを特徴とする地表面状態変化測定方法である。
【0147】
第22の発明は、請求項7に記載の記録媒体において、
前記特性方程式算出イベント処理は、前記特性方程式として、前記第1の座標値に対する前記第2の座標値の回帰直線を算出するものであることを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】傾斜地の地表面を撮影した画像の例を示す図である。
【図2】図1に関連して基準点及び特徴点を説明するために用いられる図である。
【図3】第1及び第2の画像の夫々について算出された、基準点Aに対する各特徴点の相対距離の一例を示す図である。
【図4】図3に示されるデータに基づいてX−Y座標系にプロットした場合の各特徴点の座標位置を示す図である。
【図5】算出された回帰直線の一例を示す図である。
【図6】回帰直線と各特徴点とを重ねあわせて表示した場合の例を示す図である。
【図7】各特徴点毎の回帰直線からのズレを表示する一例を示す図である。
【図8】各特徴点毎の移動量をベクトル表示した場合の一例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態による地表面画像監視装置の構成を示す図である。
【図10】図9における画像データ入力手段の構成を示す図である。
【図11】図9に示される地表面画像監視装置の変形例の構成を示す図である。
【図12】第2の実施の形態による地表面画像監視装置の構成を示す図である。
【図13】コンピュータに電源を投入した後の概略動作を説明するための図である。
【図14】第3の実施の形態による記録媒体に記録されるアプリケーションプログラムの内容を示す図である。
【符号の説明】
101 画像データ入力手段
102 特徴点指定手段
103 特徴点保持手段
104 基準点指定手段
105 基準点保持手段
106 相対距離算出手段
107 特性方程式算出手段(回帰直線算出手段)
108 特徴点変位算出手段
109 表示手段
110 制御手段
1011 画像取込手段
1012 地表面画像データベース手段
201 入力手段
202 地表面画像データベース
203 表示手段
204 地表面変化算出手段
2041 イベント発生部
2042 イベント制御部
2043 メモリ部
2044 表示制御部
2045 データベース制御イベント処理部
2046 特徴点設定イベント処理部
2047 基準点設定イベント処理部
2048 特性方程式算出イベント処理部
(回帰直線算出イベント処理部)
2049 特徴点変位算出イベント処理部

Claims (7)

  1. 特定地域の地表面の状態を監視するために用いられる地表面画像監視装置において、
    前記特定地域の地表面を撮影した画像を入力画像として入力するための画像データ入力手段であって、第1の日時における前記特定地域の地表面の状態を撮影して得られる第1の画像と、前記第1の日時より後の日時である第2の日時における前記特定地域の地表面の状態を撮影して得られる第2の画像とを、夫々、第1及び第2の入力画像として入力する画像データ入力手段と、
    該入力画像上に表われる地表面上の特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する複数個の特徴点を指定するための特徴点指定手段であって、前記第1の入力画像上における複数個の特徴点を第1の特徴点として指定し、一方、前記第2の入力画像上において前記第1の特徴点と同じ特徴点を第2の特徴点として指定する前記特徴点指定手段と、
    該特徴点指定手段に接続され、前記特徴点に係る情報を保持するための特徴点保持手段と、
    前記入力画像上に表われる地表面上の特徴であって、且つ、前記特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくいと推定される点を基準点として指定するための基準点指定手段であって、前記第1の入力画像上の基準点を選択して第1の基準点として指定し、一方、前記第2の入力画像上において前記第1の基準点と同じ基準点を前記第2の画像上において第2の基準点として指定する前記基準点指定手段と、
    該基準点指定手段に接続され、前記基準点に係る情報を保持するための基準点保持手段と、
    前記特徴点保持手段及び前記基準点保持手段に接続され、前記特徴点及び基準点に係る情報を受けて、前記入力画像上における前記基準点に対する前記複数の特徴点の相対距離を算出する相対距離算出手段であって、前記第1の入力画像上における前記第1の基準点に対する前記複数の第1の特徴点の相対距離を第1の相対距離として算出し、前記第2の入力画像上における前記第2の基準点に対する前記複数の第2の特徴点の相対距離を第2の相対距離として算出する前記相対距離算出手段と、
    前記相対距離算出手段に接続され、前記第1及び第2の相対距離との対比から、前記特定地域における基準点に対する特徴点のズレであって前記第1の日時から第2の日時までの間におけるズレを算出するズレ算出手段と
    を有することを特徴とする地表面画像監視装置。
  2. 請求項1に記載の地表面画像監視装置において、
    前記画像データ入力手段により前記第1及び第2の入力画像として入力される前記第1及び第2の画像は、双方とも、前記地表面自体に加えて、前記地表面自体と区別し得るようにして所定位置に配置されたマークであって前記複数の特徴点及び基準点に対応するようにして設けられた複数の特徴点マーク及び基準点マークをも含むようにして撮影したものであり、
    前記特徴点指定手段及び前記基準点指定手段は、双方とも前記画像データ入力手段に接続され、前記複数の特徴点マーク及び基準点マークの前記第1及び第2の画像上における位置を解析することで、前記複数の特徴点及び基準点を自動的に指定するものである
    ことを特徴とする地表面画像監視装置。
  3. 請求項1に記載の地表面画像監視装置において、
    前記ズレ算出手段は、
    前記相対距離算出手段に接続され、各特徴点毎に、前記第1の相対距離を特定の2次元座標系における第1の座標軸上の座標値である第1の座標値とすると共に前記第2の相対距離を前記特定の2次元座標系における第2の座標軸上の座標値である第2の座標値とし、全ての特徴点の前記第1及び第2の座標値から特性方程式を算出するための特性方程式算出手段と、
    前記相対距離算出手段及び前記特性方程式算出手段に接続され、前記複数の特徴点に関する前記第1及び第2の座標値並びに前記特性方程式に基づいて、前記第1の日時から前記第2の日時までの前記各特徴点の変位の度合いとして、前記特性方程式からの前記各特徴点の前記特定の2次元座標系上におけるズレを算出するための特徴点変位算出手段と
    を備えることを特徴とする地表面画像監視装置。
  4. 特定地域の地表面の状態を監視するために用いられる地表面画像監視装置であって、ユーザからの入力を受け付けるための入力手段と、前記特定地域の地表面の状態を互いに異なる時間に撮影して得られる複数の画像を、複数の地表面画像データとして、撮影日時及び撮影場所と関連付けて、格納することのできる地表面画像データベースと、表示手段と、ユーザからの入力に応じて地表面画像データベースから前記地表面画像データを取得して処理することで前記地表面の変化を算出し、算出結果を前記表示手段に表示させることの可能な地表面変化算出手段とを備える地表面画像監視装置において、
    前記地表面変化算出手段は、
    前記入力手段に接続され、該入力手段からの入力が、予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かを判断し、前記入力が当該一のイベントを発生させるものである場合には、当該一のイベントの内容を示すイベント信号を発生させる一方、前記入力がデータを入力するものである場合には、当該データを出力するためのイベント発生部と、
    該イベント発生部から前記イベント信号を受けて、前記一のイベントに応じたイベント制御信号を生成するためのイベント制御部と、
    イベント制御部に接続され、当該イベント制御部から送出されたデータを格納するためのメモリ部と、
    前記イベント制御信号が、当該地表面変化算出手段における処理の結果の表示を示すものである場合、当該イベント制御信号に応じて、前記表示手段を制御して前記処理の結果を表示させるための表示制御部と、
    前記イベント制御信号が、前記地表面画像データの取得であって、第1の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第1の画像に関するデータである第1の地表面画像データと、前記第1の日時より後の日時である第2の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第2の画像に関するデータである第2の地表面画像データとの取得を示す場合に、前記画像データベースと通信して、当該第1及び第2の地表面画像データを取得し、前記イベント制御部を通じて前記メモリ部に当該第1及び第2の地表面画像データを格納させると共に、前記イベント制御部及び前記表示制御部を通じて前記表示手段に前記第1及び第2の画像を表示させるためのデータベース制御イベント処理部と、
    前記イベント制御信号が、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する特徴点を複数個設定するための特徴点設定イベントを示す場合、当該イベント制御信号に応じ、前記メモリ部に格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、当該複数個の特徴点の設定を行ない、設定された複数個の特徴点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置を前記イベント制御部を通じて、前記メモリ部に特徴点データとして格納するための特徴点設定イベント処理部と、
    前記イベント制御信号が、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、前記特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する基準点を設定するための基準点設定イベントを示す場合、当該イベント制御信号に応じ、前記メモリ部に格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、当該基準点の設定を行ない、設定された基準点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出された座標位置を前記イベント制御部を通じて、前記メモリ部に基準点データとして格納するための基準点設定イベント処理部と、
    前記イベント制御信号が、基準点及び複数の特徴点に基づいて定められる特性方程式を算出するための特性方程式算出イベントを示すものである場合、前記メモリ部に格納された第1及び第2の画像上の夫々の基準点及び複数の特徴点に関する特徴点データ及び基準点データを取得し、第1の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における第1の座標軸上の座標値である第1の座標値を示す第1座標データとして、前記メモリ部に格納すると共に、第2の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての前記特定の2次元座標系における第2の座標軸上の座標値である第2の座標値を示す第2座標データとして、前記メモリ部へ格納し、更に、前記全ての特徴点についての前記第1及び第2座標データから特性方程式を算出すると共に、前記イベント制御部を通じて前記メモリ部に算出した特性方程式を示す特性方程式データを格納するための回帰直線算出イベント処理部と、
    イベント制御信号が、前記特徴点の変位算出を示すものである場合、前記メモリ部から前記第1及び第2座標データ並びに前記特性方程式データを取得し、前記各特徴点の変位の度合いとして、前記特性方程式からの前記各特徴点の前記特定の2次元座標系上におけるズレを算出すると共に、前記イベント制御部及び前記表示制御部を通じて、算出結果を前記特徴点の変位の度合いとして前記表示手段に表示させるための特徴点変位算出部
    とを備えることを特徴とする地表面画像監視装置。
  5. 特定地域における地表面の状態を撮影して得られる画像を利用して当該地表面の状態変化を測定する地表面状態変化測定方法であって、
    第1の時間において前記特定地域の地表面を撮影して第1の画像を得、
    該第1の画像上に表われた地表面上の特徴であって地表面の状態変化を受けにくいと推定される点を基準点として選択するとともに、他の形状的に認識し易い特徴を有する特徴を有する複数個の特徴点を選択し、
    前記第1の画像に関し、前記基準点と前記複数個の特徴点の夫々との間の距離をコンピュータを用いて計算し、第1の距離データを得、
    前記第1の時間より後の第2の時間に前記特定地域の地表面を撮影して第2の画像を得、
    当該第2の画像上における前記基準点と前記複数の特徴点の夫々との間の距離をコンピュータを用いて計算し、第2の距離データを得、
    前記第1の距離データと前記第2の距離データから、前記第1の画面上における基準点と複数の特徴点との間の距離及び第2の画面上における基準点と複数の特徴点との間の距離についての相関を求めて、前記第1の時間から第2の時間までの間における前記特定地域の地表面の状態変化を測定する
    ことを特徴する地表面状態変化測定方法。
  6. 請求項5に記載の地表面状態変化測定方法において、
    前記第1の画像上における基準点と前記複数の特徴点との間の距離及び第2の画面上における基準点と複数の特徴点との間の距離についての相関は、
    全ての特徴点について、前記第1及び第2の距離データを、夫々、特定の2次元座標系における第1及び第2の座標軸上の座標値である第1及び第2の座標値とし、
    コンピュータを用いて、前記特徴点毎に、前記第1及び第2の座標値から特性方程式を算出し、
    前記第1及び第2の座標値により定められる座標位置の、算出された特性方程式に対するズレを、コンピュータを用いて測定することによって、求め、
    これにより、当該ズレの大きい特徴点付近を、第1及び第2の時間の間に移動した変位の大きい領域であると判断することを特徴とする地表面状態変化測定方法。
  7. ブートプログラムを格納するブートROM及びデータを格納するメモリを備えると共に入力装置及び出力装置の接続されたコンピュータであって、
    ブートプログラムに従った一連のブートにより特定のオペレーティングシステムが当該コンピュータ上で稼動した状態において、当該オペレーティングシステム上でアプリケーションプログラムを実行可能であるようなコンピュータであると共に、
    当該アプリケーションプログラムが当該コンピュータ上で稼動するデータベース若しくは当該コンピュータにネットワークを介して接続されたデータベースであって、傾斜地における地表面の状態を撮影して得られる複数の画像を複数の地表面画像データとして当該撮影の日時及び場所と関連付けて格納することのできる地表面画像データベースとの間で仮想的な又は現実的な通信を行なうことのできるようなコンピュータに対して、
    前記複数の地表面画像データを利用して前記地表面の状態変化を計算させるために、
    前記入力装置からの入力をオペレーティングシステムを介して受け取り、当該入力が予め定められた複数のイベントの内のいずれか一のイベントを発生させるものであるか否かを判断し、前記入力が当該一のイベントを発生させるものである場合には、前記入力に応じたイベント制御データを生成するためのイベント制御処理、
    前記一のイベントが、前記地表面画像データベースからの前記地表面画像データの取得であって、第1の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第1の画像に関するデータである第1の地表面画像データと、前記第1の日時より後の日時である第2の日時における前記地表面の状態を撮影して得られる第2の画像に関するデータである第2の地表面画像データとの取得を示す場合に、前記地表面画像データベースと通信して、当該第1及び第2の地表面画像データを取得し、前記出力装置に前記第1及び第2の画像を出力すると共に前記メモリに当該第1及び第2の地表面画像データを格納するデータベース制御イベント処理、
    前記一のイベントが、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有する特徴点を複数個設定するための特徴点設定イベントを示す場合、前記メモリに格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、所定の手段により当該複数個の特徴点の設定を行なうと共に設定された複数個の特徴点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置を前記メモリに特徴点データとして格納するための特徴点設定イベント処理、
    前記一のイベントが、第1及び第2の画像上に共通して表われた特徴であって形状的に認識し易い特徴を有し、且つ、前記特徴点よりも地表面の状態変化の影響を受けにくい領域に属する基準点を設定するための基準点設定イベントを示す場合、前記メモリに格納された第1及び第2の地表面画像データに基づいて、所定の手段により当該基準点の設定を行なうと共に設定された基準点の第1及び第2の各画像上における座標位置を算出し、当該算出した座標位置を前記メモリに基準点データとして格納するための基準点設定イベント処理、
    前記一のイベントが、前記基準点及び複数の特徴点に基づいて定められる特性方程式を算出するための特性方程式算出イベントを示すものである場合、前記メモリに格納された第1及び第2の画像上の夫々の基準点及び複数の特徴点に関する特徴点データ及び基準点データを取得し、第1の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての特定の2次元座標系における第1の座標軸上の座標値である第1の座標値を示す第1座標データとして前記メモリに格納すると共に、第2の画像に関し指定された前記基準点と複数の特徴点の夫々との間の距離を計算し、算出された各距離を、対応する特徴点についての前記特定の2次元座標系における第2の座標軸上の座標値である第2の座標値を示す第2座標データとして前記メモリに格納し、更に、前記全ての特徴点についての前記第1及び第2座標データから特性方程式を算出すると共に、当該算出した特性方程式を特性方程式データとして前記メモリに格納するための特性方程式算出イベント処理、
    前記一のイベントが、前記特徴点の変位を算出するための特徴点変位算出イベントを示すものである場合、前記メモリから前記第1及び第2座標データ並びに前記特性方程式データを取得し、前記各特徴点の変位の度合いとして、前記特性方程式からの前記各特徴点の前記特定の2次元座標系上におけるズレを算出すると共に、算出結果を前記特徴点の変位の度合いとして前記出力装置に出力するための特徴点変位算出イベント処理
    を前記オペレーティングシステムとの組み合わせで前記コンピュータに実行させる命令を含むアプリケーションプログラムを格納した、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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