JP4322930B2 - インプリント方法 - Google Patents

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本発明は、インプリント方法に関し、より詳しくは、微細パターンの製造技術に利用し得る、モールドを基板に押し当ててパターンを形成するインプリント方法に関する。
LSIを始めとする大規模・高性能デバイスを作製するためには、極微細パターンが必要となる。このようなパターンは、露光、現像、洗浄(リンス)を経て形成されるレジストパターンやエッチング、洗浄(水洗)を経て形成されるエッチングパターンである。レジストとは光、X線、電子線などに感光する高分子材料であり、粉末状もしくは高粘性液体を有機溶媒に溶解したものが使われる。露光は、回路設計に基づいて形成されたパターンを有するマスクを介して、レジスト上に光や電子線を照射して行われる。しかしながら、露光に使用される装置は、ステッパと称される数十億円の価格の装置が主体となっている。そのため、安価に微細パターンが形成できる装置が要望されてきた。
そこで、近年インプリントリソグラフィと呼ばれる手法が着目されてきた。この方法は、従来DVD作製で用いられているインプリント法を応用したものである。インプリント法では、先ず、公知のリソグラフィ技術を用いて、所望のパターンを形成したシリコン製のモールドを作製し、この表面に、電解めっきでニッケルを堆積させる。次に、このニッケル膜をモールドから剥離させると、ニッケル膜上にモールドのパターンが転写される。このニッケル膜をアルミニウム板の上から押し付けることにより、ニッケル膜のパターンがアルミニウム板に転写される。さらに、アルミニウム板に対してニッケル膜のインプリント処理を繰り返すことにより、所望のパターンを得ることができる。
インプリントリソグラフィは、前述のアルミニウム板をレジストに置き換えたものであり、この方法では、パターンが形成されたモールドをレジスト膜に押し付けて、パターンを転写した後、エッチング処理を行うことにより、半導体に必要な所望の薄膜パターンを得ることができる。すなわち、公知の露光法で形成したパターンを有するシリコン等からなるモールドをPMMA等からなるレジスト膜に押し付けて、モールドのパターンをレジスト膜に転写することにより、レジストパターンを得ることができる。
また最近では、単にモールドを基板に押し付けるだけではなく、両者を接触させる際に、モールドと基板の間に電圧を印加して、パターンを形成する方法、すなわち「電圧印加インプリント法」が提案されている(非特許文献1)。
この電圧印加インプリント法を図1を用いて説明する。この方法では、湿度が制御されたチャンバ10内に、シリコンまたはガリウム・ヒ素等の基板14と、シリコンからなるモールド11とが設置される。また、チャンバ10の外側には、基板14とモールド11の間に電圧を印加する、電圧制御系12が準備される(図1(a))。次に、図1(b)に示すように、基板14とモールド11が接触され、電圧制御系12によって、両者間に電圧が印加される。あるいは、電圧を印加した状態で、基板14とモールド11を接触させても良い。電圧印加の際には、基板14は陽極、モールド11は陰極となるように極性が選択される。この電圧印加により、基板14とモールド11の間に存在する水分50によって、陽極である基板14の表面が酸化され、酸化膜16が形成される(図1(c))。この酸化膜16は、基板14のモールド11と接触した部分にしか形成されない。これは、モールド11の凹部には、電流が流れないため、基板14とモールド11の非接触部分では、陽極酸化反応が生じないためである。次に、図1(d)に示すように、モールド11が基板14から遠ざけられる。さらに、必要であれば、モールド11(または基板14)を水平方向に移動させ、別の領域に同様の酸化膜16を生成させ、酸化膜のパターンを形成しても良い。最後に、この酸化膜のパターンをマスクとして使用し、基板14をエッチング処理することにより、図1(e)に示すように、基板14に所望のパターンが形成される。この方法では、空気中の水分を介して、モールド11の凸部と基板14の間にのみ電流が流れる。また、この際に水が電気分解されて水酸基イオンが生じ、これらのイオンにより、基板表面が酸化される。
前述の電圧印加インプリント法は、走査型トンネル顕微鏡(STM)および原子間力顕微鏡(AFM)において利用されているような、探針で基板を酸化させる方法と同様の原理を利用している(非特許文献2)。すなわち、これらの装置では、AFMの探針と基板の間に予め電圧が印加されている場合、探針が基板に接近すると、基板に吸着した水がメニスカス作用で探針の方に吸い上げられ、これにより基板の微細領域に陽極酸化が生じるという原理を利用している。従って、これらの装置では、基板に吸着する水分を制御する必要があり、雰囲気の湿度管理が重要となる。例えば、湿度が50%未満では、パターン形成が困難であることが報告されている。従って、これまで、同様の原理に基づく前述の電圧印加インプリント法においても、雰囲気中の湿度を管理することは、高精度のパターンを形成を行う上で極めて重要であると考えられてきた。図1において、湿度が制御されたチャンバ10内で、各工程が実施されているのは、このためである。
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.42,Part 2,No.2A,pp.L92−L94(2003) Applied Physics Letters,Vol.66,pp.1729−1731(1955)
前述のように、従来の電圧印加インプリント法では、雰囲気内の湿度を一定に維持するため、モールドと基板、さらには装置全体を密閉式のチャンバで囲う必要があった。このようなチャンバを用いた場合、チャンバ内の湿度が不十分な場合は、例えば振動子により水蒸気を発生させ、これをチャンバ内に導入して、湿度を上昇させる必要がある。しかしながら、このような方法でチャンバ内の湿度を高めようとすると、しばしばチャンバ内の湿度が目標とする値を超えて上昇してしまう場合があり、さらに一旦湿度が目標値を超えてしまうと、今度は、チャンバ内の湿度を低下させるのに長い時間が必要になるという問題があった。また、基板の交換等のためチャンバを解放すると、外界とチャンバ内の湿度が異なっている場合には、再度チャンバを密閉してから、チャンバ内の湿度が所定の値に達するまでに長い時間(例えば30分以上の時間)が必要となる。さらに、この湿度が一定となるのに必要な時間を省略して、電圧印加インプリント法によるパターン形成を実施した場合、基板表面には、一部が欠損したパターンが形成されたり(湿度が低い場合)、パターン領域全体が酸化されたりして(湿度が高い場合)、高精度にパターン形成を行うことができないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、欠損のない高精度パターンを迅速に形成することが可能なインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明では、モールドを用いて基板にパターンを形成するインプリント方法において、
前記モールド近傍、前記基板近傍または前記基板と前記モールドの間の雰囲気のうち、少なくとも一つの露点を決定するステップと、
前記露点に基づいて算出した第1の温度に、前記モールドまたは前記基板の温度を調整するステップと、
前記基板と前記モールドとの間に電圧を印加するとともに、両者を近接または接触させるステップと、
を含むことを特徴とするインプリント方法が提供される。
ここで、本発明において、前記露点を決定するステップは、前記雰囲気の温度と湿度を測定することにより、露点を算出するステップであっても良い。
また、前記第1の温度は、前記雰囲気の湿度が75%以上100%以下の状態に相当する温度であっても良い。
特に、前記第1の温度は、前記雰囲気の湿度が80%以上95%以下の状態に相当する温度であることが好ましい。
さらに、前記モールドの表面は、チタンまたは炭化珪素を有しても良い。
本発明によれば、欠損のない高解像パターンを迅速に形成することが可能なインプリント方法を提供することができる。
本発明は、モールド、基板またはモールドと基板の間雰囲気の温度(より正確には、湿度)を制御することにより、前述の課題を達成することを特徴とするものである。
電圧を印加する電圧印加インプリント法では、利用される基本的な反応は、吸着水の電気分解による基板の陽極酸化反応であり、吸着水は、この反応を生じさせるために不可欠である。吸着水の存在場所は、基板表面、モールド表面、基板とモールドの間の雰囲気のいずれかである。従って、原理的には、前述のいずれかの箇所に存在する水分量(すなわち湿度)を管理すれば良いことになる。特に、我々の実験では、前述の反応に必要な湿度は、75%以上であり、好ましくは80〜95%であることが見出されている。
しかしながら、従来のようにチャンバ内で処理を行う場合、チャンバ内の湿度が一定となるように雰囲気を制御したり管理したりすることには、極めて多くの労力と時間を要する。また、このような労力と時間を省略して、チャンバ内の湿度が十分に管理されていない状態でインプリント処理を実施した場合、以下のような問題が生じる。
図2は、従来の電圧印加インプリント法で陽極酸化膜パターンを形成する際の、水の及ぼす影響を模式的に示したものである。この図を参照して、チャンバ内の湿度が十分に管理されていない状態でインプリント処理を実施した場合に生じる問題を説明する。
従来の電圧印加インプリント法で基板14に陽極酸化膜パターンを形成する場合、モールド11および基板14は、温度制御チャンバ10内に設置され、モールド11が基板14に近接するように動かされる(図2(a))。
しかしながら、図2(b)のように、チャンバ内の湿度が低く、基板とモールドの間に存在する水50が、基板14の対象表面に層を形成することができない程少ない場合には、図2(c)に示すように、インプリント法で陽極酸化処理を行っても、基板に陽極酸化膜16の適正なパターンが形成されず、部分的にパターン欠損16'が生じる。一方、チャンバ内の湿度が高く、基板とモールドの間に存在する水50'が多い場合には(図2(e))、図2(f)に示すように、基板14の対象表面全体が酸化されてしまい、過剰反応した酸化膜16''が得られ、微細なパターンが形成されなくなる。さらに、これらの欠損した酸化膜16'または過剰反応した酸化膜16''を有する状態で、基板のエッチング処理を行うと、図2(g)に示すようなパターンが得られ、基板表面に適正なパターンを得ることができなくなってしまう。
このように、電圧印加インプリント法で適正なパターン形成を行う場合、基板またはモールドの表面が、極めて薄い水の層で均一に被覆された状態となることが必要である。また、このことは、逆に言えば、必ずしも雰囲気の湿度を制御しなくても、基板とモールドの間の雰囲気の露点だけを制御することにより、反応に必要な吸着水の量を適正に制御し得ることを意味する。
そこで、本発明では、モールドと基板の少なくとも一方の表面に薄い均一な水の層が形成されるように、モールド近傍、基板近傍または基板とモールドの間の雰囲気(以下、これらの箇所をまとめて、「基板とモールドの間の雰囲気等」という)の湿度状態を制御する。換言すれば、本発明では、「基板とモールドの間の雰囲気等」の露点を算出し、「基板とモールドの間の雰囲気等」を、この露点もしくは露点よりも若干高い温度に設定するように制御する。
なお、露点とは、空気の温度を下げていくと、ある温度で、空気に含まれる水蒸気が水滴になるが、このような水滴が生じ始めるときの温度を意味する。
このような設定温度は、相対湿度を用いて算出することができる。相対湿度は、以下のように露点から求めることができる。
相対湿度=(露点の飽和水蒸気圧/所定の温度における飽和水蒸気圧)/100
すなわち、「基板とモールドの間の雰囲気等」の温度を調整することにより、飽和水蒸気圧が変化し、さらには湿度が変化するため、これを利用して、モールドまたは基板の表面に、適正な量の水の層を形成することができる。例えば、外界雰囲気が、室温23.5℃、湿度64%の状態であれば、露点は、16℃(飽和水蒸気圧:1819Pa)となる。またモールドを17.5℃(飽和水蒸気圧:1991Pa)とすれば、1819/1991×100=91%の湿度になる。19℃(飽和水蒸気圧:2201Pa)であれば、1819/2201×100=83%、18.5℃であれば85%である。実験の結果、モールド温度が、湿度80%に相当する19.5℃以上である場合に、陽極酸化膜パターンが適正に形成されることがわかった。特に、湿度が85%となるモールド温度が18.5℃の場合は、極めて精密に制御された陽極酸化膜パターンを形成することが可能であった。一方、モールドの温度を15℃とした場合(100%を超える湿度とした場合)には、多量の結露が生じ、陽極酸化反応が過剰に進行した結果、パターンの一部において、パターンが相互に連結して不明瞭となることが観察された。
前述の記載において、モールドの温度は、赤外放射温度計で測定したモールド表面温度である。ただし、モールドの温度測定は、必ずしも表面で行う必要はなく、モールドの裏面またはモールドを固定するモールド台の部分で測定しても良い。ある実験では、モールド台の温度を熱電対で測定して、モールドの温度を制御したが、これにより特に問題は生じていない。ただし、この実験では、表面温度とモールド台の温度との差は、2℃であったため、この温度差に基づく調整を行っている。
一方、室温が22.5℃の場合、外界湿度が64%の雰囲気でも、モールドの表面温度が19.5℃では、陽極酸化膜によるパターンを形成することができなかった。これは、この雰囲気では、露点が15℃(飽和水蒸気圧:1708Pa)程度に低下するためである。この場合、モールドの温度を17.5℃(飽和水蒸気圧:2005Pa)に低下させることにより、パターン形成が可能となった。なおこのモールド温度では、反応部分の湿度は約85%となる。以上のことは、外界雰囲気の湿度を管理するだけでは、適正なパターンを形成することは難しいことを意味する。すなわち、制御すべきパラメータは、「基板とモールドの間の雰囲気等」の露点であって、外界雰囲気の湿度ではないことに留意する必要がある。
次に、本発明によるインプリント方法の具体例およびインプリント装置を図面と共に説明する。
図3(a)〜(g)は、本発明によるインプリント方法の例およびインプリント装置の例を説明する図である。図3(a)は、モールドおよび基板を設置する段階を示し、図3(b)は、モールドを基板に接近させた段階を示し、図3(c)は、モールドの凸部と接する基板の表面に酸化膜を形成する段階を示し、図3(d)は、モールドを基板から遠ざける段階を示し、図3(e)は、モールドを基板の別の表面に移動させる段階を示し、図3(f)は、モールドを再度基板の別の場所に接近させて陽極酸化膜を形成した後の段階を示し、図3(g)は、基板の表面に形成された酸化膜をマスクとして基板をエッチングすることにより、表面に所望のパターンが形成された基板を得る段階を示す。
図3(a)に示すように、本発明のインプリント装置310は、モールド311、基板を保持するステージ340、電圧制御系312および温度制御系313を有する。インプリント装置310には、被パターン化基板314が導入され、この基板は、ステージ40上に設置される。モールド311は、例えば、シリコン、カーボン、SiC、金属等の材料からなり、モールド311は、公知の方法で所望の形状にパターン形成されている。図3の例では、表面に約1.5nmの厚さの酸化膜が形成されたシリコン製のモールド311が使用される。モールド311は、モールド311の凹凸部が、基板314の表面と対向するように、基板314の表面から離れた状態に設置される。基板314は、シリコン、ガリウム・ヒ素等の材料で構成されている。ステージ340は、いかなる従来のステージであっても良く、例えば、図の上下方向および/または左右方向に可動式のステージである。
モールド311および基板314は、それぞれ、電圧制御系312と電気的に接続されており、モールド311と基板314との間には、基板314が陽極となり、モールド311が陰極となるように、電圧を印加することができる。
また、モールド311には、モールド311の表面温度を制御することが可能な温度制御系313(ペルチェ素子等を含む)が接続されている。
基板にインプリント処理を行う場合、まず最初に、モールド311の近傍の温度と湿度が測定され、例えば既知の換算表などから、モールド311近傍の露点が算出される。さらに得られた露点を元に、必要なモールド温度が算出され、モールド311は、温度制御系313によってその温度に制御される。例えば、モールド近傍の温度と湿度が、それぞれ23℃、60%の場合は、モールド311の温度は、19℃に制御される。なお、このような露点および温度の算定には、コンピュータ等を用いることが好ましく、これにより、前述の算出を瞬時に行うことができる。
次に、図3(b)に示すように、モールド311が基板314に向かって下降され、モールド311が基板314と接触される。あるいは、ステージ340を上昇させることにより、モールド311と基板314とを接触させても良い。なお以下の記載において、「接触」とは、モールド311と基板314とが直接接している状態に加えて、両者が水の層を介して接している状態を含むことに留意する必要がある。
さらに、図3(c)に示すように、電圧制御系312を用いて、両者の間に電圧が印加される。印加電圧は、任意の値で良く、例えば、30Vである。ある実施例では、電圧は、50秒間印加、100秒間停止など、パルス状に印加されても良い。この場合、電圧印加から1分後に、モールド311と基板314の間に存在する水の電気分解が生じ、モールド311の凸部と接する基板314の表面が酸化される。これにより、基板314の表面には、モールド311の凸部パターンに対応した酸化膜316のパターンが形成される。
次に、図3(d)に示すように、モールド311が上昇され、モールド311が基板314から遠ざけられる。次に、必要であれば、図3(e)〜(f)に示すように、モールド311と基板314のうちの少なくとも一方を移動させて、基板の別の被パターン領域に、同様に陽極酸化膜のパターンを形成しても良い。なお、このような移動に、ステージ340を使用しても良いことは明らかであろう。
最後に、表面にパターンが形成された基板314が、インプリント装置310から取り出される。その後、公知のエッチング方法を用いて、基板314の表面に形成された陽極酸化膜316のパターンをマスクとして、基板314をエッチング処理することにより、図3(g)に示すように、基板314の表面に所望のパターンが形成される。
なお、このようなパターンは、モールドの温度が17℃〜19℃の場合(相対湿度94%に相当)、極めて適正に形成された。従って、「基板とモールドの間の雰囲気等」の湿度が、80%以上95%以下(モールドが露点に相当する温度の場合)となるようにモールドの温度を制御することにより、欠損のない極めて良好なパターンを形成することが可能となる。
なお、「基板とモールドの間の雰囲気等」の露点は、温度および湿度が既知であれば求めることができる。従って本発明のインプリント装置では、図4に示すように、モールド台450に支持されたモールド311と基板314との間の雰囲気に、温湿度計460を設置して、この位置での温度および湿度を測定することが好ましい。またより簡単には、温湿度計の代わりに露点計を配置しても良い。露点計には、鏡面冷却方式と静電容量方式のものがある。本インプリント装置には、いずれの露点計も使用することができるが、静電容量方式のものの方が小型であり、より適している。モールドまたは基板の温度を、露点あるいは露点を基準とした第1の温度(例えば、露点+3〜5℃程度または湿度が80%となる温度)を超えるように設定することにより、基板に良好な陽極酸化膜を形成することが可能となる。この条件は、陽極酸化膜パターンの形成状況で判断することができる。
すなわち、周囲環境の露点を測定することにより、または周囲環境の温度と湿度から露点を算出することにより、必要とするモールドまたは基板の温度が求められる。また、モールドまたは基板をその温度に設定することにより、その後、所望のパターンを安定に形成することができる。周囲環境の湿度が変動した場合には、モールドの温度制御系313に、その情報をフィードバックすることにより、モールドの温度が調節される。ただし、温度の調節は、モールドで行っても、基板で行っても良い。あるいは、両者の温度を同時に制御しても良い。また、モールドまたは基板の表面は、水膜が広がりやすい状態(水の接触角が小さくなる状態)にしておくことが好ましい。接触角の小さな材料としては、例えば、チタンまたは炭化珪素があり、これらの材料は、抵抗が小さいため、モールドに適している。
水またはフッ素系冷媒などの温度調整媒体を、温度調整器(チラー)を介して、モールド台450の中で循環させることにより、モールドまたは基板の温度を高い精度で調整することが可能となる。あるいは、モールド台450の温度は、ペルチェ素子を用いて直接調整しても良い。重要なことは、適正な陽極酸化膜が形成されるように、モールドまたは基板の表面温度を調整することであり、これが可能となる限り、温度調整部分は、インプリント装置内のいずれの箇所にあっても良く、また温度制御手段は、いかなる種類のものであっても良い。
また、本発明において、従来用いられている温度または湿度制御用のチャンバ(例えば、図1に示すチャンバ10)を併用しても良い。しかしながら、本発明では、前述のように、チャンバ内の湿度を完全に安定化させる必要はない。湿度を制御する対象は、あくまでも、「基板とモールドの間の雰囲気等」である。ただしチャンバを併用することにより、モールドまたは基板の温度を大きく変更する頻度が減り、温度制御系313の小型化、装置立ち上げ時間の短縮化等が可能になる。なお、チャンバを使用する場合、チャンバ内の湿度は、一般的なクリーンルームの湿度(約50%)と同程度であっても良く、あるいはこれよりも10%程度高くても良い。
なお、前述の例では、モールド311の温度を制御して、インプリント処理を行う方法について説明した。しかしながら、その代わりに基板314の温度を制御して、同様にインプリント処理を行うことができることは、当業者には明らかである。また、前述の例では、モールド311の材料には、シリコンを使用し、基板314の材料には、シリコンまたはガリウム・ヒ素等を使用したが、本発明は、これに限定されるものではなく、いずれかまたは両方に、その他の金属、窒化物もしくは炭化物等を用いても良いことは明らかである。なお、モールドまたは基板の材質が前述の例と異なる場合、適正なパターンを形成するために必要となる湿度が変化する(表面温度が異なる)可能性があるが、このような場合でも、前述のように最適湿度に基づいて計算を行い、モールドまたは基板の温度を調整することにより、同様に高精度なパターンを形成することができる。
このように、本発明では、欠損のない高解像パターンを、高精度かつ迅速に形成することができる。従って、微細パターンを有する構造体を安価かつ簡便に製作することができ、さらには高性能デバイスを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示す。
炭化珪素基板上に、公知の電子線リソグラフィを用いて、50〜300nmの幅のレジストパターンを形成した。炭化珪素基板を塩素プラズマで200nm深さにエッチング加工した後、酸素プラズマ処理によりレジストを除去し、炭化珪素製のモールドを作製した。
次に、フッ酸水溶液で表面を洗浄したシリコン基板を前述のモールドとともにチャンバ内に入れ、両者が対向するように設置した。チャンバ内の温度および湿度は、それぞれ23℃および40%であり、露点計は、9℃を示していた。モールドの温度は、11.8℃とした。モールドと基板の平行度を確認した後、モールド/基板間の距離が1mmの状態から、0.1mm/分の速度で、モールドを下降させた。押し付け圧力として20kgの荷重を加えながら、基板表面にモールドの凸部を完全に密着させた。この状態で、基板とモールド間に、20Vのパルス電圧を1分間印加した。
次に、モールドを上昇させ、基板から遠ざけるとともに、基板の次のチップ位置にモールドを水平に移動させた。その後、前述の工程を繰り返した。処理後には、基板上に所望の数の所望のパターンの陽極酸化膜が形成された。
次に、基板をチャンバから取り出し、塩素ガスのエレクトロンサイクロトロン共鳴プラズマを用いて、シリコン基板をエッチングした。これにより、基板に、モールドパターンに相当するパターンが得られ、50〜300nmの幅のパターンを欠損なく形成することができた。
ポリメチルメタクリレート高分子基板上に、公知の電子線リソグラフィを用いて、50〜300nmの幅のシリコン含有レジストパターンを形成した。高分子基板を酸素プラズマで200nm深さにエッチング加工した後、400℃で焼成して、カーボン製モールドを製作した。
次に、ガリウム・ヒ素基板を前述のカーボン製モールドとともにチャンバ内に入れ、両者が対向するように設置した。チャンバ内の温度および湿度は、それぞれ24℃および60%であり、露点計は、16℃を示していた。基板の温度は、19℃とした。モールドと基板の平行度を確認した後、モールド/基板間の距離が1mmの状態から、0.1mm/分の速度で、モールドを下降させた。押し付け圧力として10kgの荷重を加えながら、基板表面にモールドの凸部を完全に密着させた。この状態で、基板とモールド間に、10Vのパルス電圧を1分間印加した。
次に、モールドを上昇させ、基板から遠ざけるとともに、基板の次のチップ位置にモールドを水平に移動させた。その後、前述の工程を繰り返した。処理後には、基板上に所望の数の所望のパターンの陽極酸化膜が形成された。
次に、基板をチャンバから取り出し、塩素ガスのエレクトロンサイクロトロン共鳴プラズマを用いて、基板をエッチングした。これにより、基板に、モールドパターンに相当するパターンが得られ、50〜300nmの幅のパターンを欠損なく形成することができた。
シリコン基板上に、公知の電子線リソグラフィを用いて、50〜300nmの幅のシリコン含有レジストパターンを形成した。シリコン基板を塩素プラズマで200nm深さにエッチング加工した後、レジストを酸素プラズマで除去し、シリコン製モールドを製作した。またモールドの表面を硫酸で洗浄した。
次に、フッ酸水溶液で表面を洗浄したシリコン基板を前述のモールドとともにチャンバ内に入れ、両者が対向するように設置した。チャンバ内の温度および湿度は、それぞれ23℃および60%であった。モールドの温度は、18℃とした。モールドと基板の平行度を確認した後、モールド/基板間の距離が1mmの状態から、0.1mm/分の速度で、モールドを下降させた。押し付け圧力として30kgの荷重を加えながら、基板表面にモールドの凸部を完全に密着させた。この状態で、基板とモールド間に、5Vのパルス電圧を1分間印加した。
次に、モールドを上昇させ、基板から遠ざけるとともに、基板の次のチップ位置にモールドを水平に移動させた。その後、前述の工程を繰り返した。処理後には、基板上に所望の数の所望のパターンの陽極酸化膜が形成された。
次に、基板をチャンバから取り出し、塩素ガスのエレクトロンサイクロトロン共鳴プラズマを用いて、シリコン基板をエッチングした。これにより、基板に、モールドパターンに相当するパターンが得られ、50〜300nmの幅のパターンを欠損なく形成することができた。
本発明は、微細パターンの製造技術に利用できる。
従来の電圧印加インプリント方法の一例を説明する図である。 従来の電圧印加インプリント方法において、水の状態により、欠損した酸化膜または過剰反応した酸化膜が形成される様子を示す図である。 本発明によるインプリント装置およびインプリント方法を説明する図である。 本発明によるインプリント装置において、露点計を設置する位置の一例を示す図である。
符号の説明
10 湿度制御チャンバ
11、311 モールド
12 電圧制御系
14、314 基板
16、316 陽極酸化膜
16' 欠損した陽極酸化膜
16' ' 過剰反応した陽極酸化膜
50、50'、350 水
310 インプリント装置
312 電圧制御系
313 温度制御系
340 ステージ
450 モールド台
460 露点計。

Claims (5)

  1. モールドを用いて基板にパターンを形成するインプリント方法において、
    前記モールド近傍、前記基板近傍または前記基板と前記モールドの間の雰囲気のうち、少なくとも一つの露点を決定するステップと、
    前記露点に基づいて算出した第1の温度に、前記モールドまたは前記基板の温度を調整するステップと、
    前記基板と前記モールドとの間に電圧を印加するとともに、両者を近接または接触させるステップと、
    を含むことを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記露点を決定するステップは、前記雰囲気の温度と湿度を測定することにより、露点を算出するステップであることを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記第1の温度は、前記雰囲気の湿度が75%以上100%以下の状態に相当する温度であることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント方法。
  4. 前記第1の温度は、前記雰囲気の湿度が80%以上95%以下の状態に相当する温度であることを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント方法。
  5. 前記モールドの表面は、チタンまたは炭化珪素を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のインプリント方法。
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