JP4321527B2 - ガス燃料エンジンの燃焼方法 - Google Patents

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Description

本発明はガス燃料エンジンの燃焼方法に関する。
機関吸気通路内に天然ガスやLPG等のガス燃料を機関の運転状態により定まる噴射期間に亘って連続的に噴射するようにしたガス燃料エンジンが公知である(特開平5−209543号公報参照)。
しかしながらこのようにガス燃料を連続的に噴射すると燃焼室内におけるガス燃料濃度が燃焼室内全体に亘って一様となり、その結果、後述するように多量のNOx が発生するという問題を生ずる。
上記問題点を解決するために本発明では、燃焼室内にガス燃料噴射弁を配置したガス燃料エンジンの燃焼方法において、圧縮上死点前120度以前にガス燃料噴射弁から燃焼室内へのガス燃料の噴射作用が完了するように機関の運転状態に応じたガス燃料噴射期間を設定し、噴射されたガス燃料が粒状集合体の形で圧縮行程の後半に達する前に燃焼室内全体に均一に分散されかつ分散されたこれら粒状集合体間の燃料濃度が零となるように、上述のガス燃料噴射期間の間、ガス燃料噴射弁から燃焼室内にガス燃料を一定時間間隔を隔てて間欠的に噴射し、それにより圧縮上死点付近又は圧縮上死点後に燃焼室内のあらゆるところで多点的に燃焼開始させるようにしている。
ガス燃料を噴射するようにした場合においてすすはもとよりNOx の発生量を大巾に低減することができる。
図1および図2は本発明を4ストローク筒内噴射式内燃機関に適用した場合を示している。
図1および図2を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は一対の吸気弁、7は一対の吸気ポート、8は一対の排気弁、9は一対の排気ポート、10は燃焼室5の頂部に配置されたガス燃料噴射弁、11は燃焼室5の頂部に配置された点火栓を夫々示す。図2に示されるように各吸気ポート7はほぼまっすぐに延びるストレートポートからなり、従って図1および図2に示す圧縮着火式内燃機関では吸気ポート7から燃焼室5内に流入する空気流によって燃焼室5内にはスワールが発生せしめられない。
図1に示されるように電子制御ユニット20はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)22,RAM(ランダムアクセスメモリ)23,CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具備する。アクセルペダル30はアクセルペダル30の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ31に接続され、この負荷センサ31の出力電圧はAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。更に入力ポート25には機関が一定クランク角度回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ32が接続され、このクランク角センサ32の出力パルスから現在のクランク角と機関回転数とが算出される。一方、出力ポート26は対応する駆動回路28を介してガス燃料噴射弁10および点火栓11に接続される。
図3はガス燃料噴射弁10の側面断面図を示している。図3を参照すると、40は複数のノズル孔、41はニードル、42はニードル41の拡大頭部、43はニードル41を上方に向けて付勢する圧縮ばね、44は噴射弁本体内において摺動可能に配置されたピストン、45はピストン44を駆動するためのピエゾ圧電素子、46はピストン44をピエゾ圧電素子45に向けて付勢する皿ばね、47はピストン44の頂部により画定されかつオイルで満たされた可変容積室、48はガス燃料供給口を夫々示す。このガス燃料供給口48は図1に示されるようにベーパライザ12を介して高圧ガス燃料を充填したボンベ13に接続される。
ピエゾ圧電素子45にチャージされている電荷がディスチャージされるとピエゾ圧電素子45は軸方向に収縮し、ピストン44が上昇する。その結果、可変容積室47内の油圧が低下するためにニードル41が圧縮ばね43のばね力により上昇し、その結果ノズル孔40からガス燃料が噴射される。次いでピエゾ圧電素子45に電荷がチャージされるとピエゾ圧電素子45が軸方向に伸長するためにピストン44が下降せしめられる。ピストン44が下降せしめられると可変容積室47内の油圧が上昇し、斯くしてニードル41が下降せしめられるためにガス燃料の噴射が停止せしめられる。
図4はガス燃料噴射弁10からの噴射制御を示している。ガス燃料を噴射すべき期間は電子制御ユニット20内において算出され、ガス燃料を噴射すべき期間に亘って図4に示される如く噴射要求フラグがセットされる。噴射要求フラグがセットされると噴射要求フラグがセットされている期間中、ガス燃料噴射弁10のピエゾ圧電素子45をディスチャージすべき信号とチャージすべき信号とが一定の時間間隔を隔てて交互に発生せしめられ、その結果図4の噴射タイミングに示されるようにガス燃料がガス燃料噴射弁10から間欠的に噴射される。なお、ガス燃料を噴射すべき期間TPは図5に示されるようにアクセルペダル30の踏込み量Lおよび機関回転数Nの関数の形で予めROM22内に記憶されている。
ガス燃料噴射弁10からガス燃料が間欠的に噴射されると図3に示されるようにガス燃料はガス燃料塊Gの形で燃焼室5内に向けて広がる。このようにガス燃料がガス燃料塊Gの形で燃焼室5内に広がるとすすおよびNOx の発生量を大巾に低減することができる。このようにすすおよびNOx の発生量を大巾に低減できるのは最近になって本発明者等により解明された燃焼原理に基づいている。
そこで次に本発明者によって解明された、NOx およびすすが全く発生しない燃焼の原理について説明する。なお、NOx およびすすは機関負荷が高くなるほど発生しやすくなるので高負荷運転が行われているときを例にとってこの燃焼の原理について説明する。
NOx およびすすが全く発生しない燃焼の原理とは簡単に云うと、圧縮行程の後半に達する前に燃料濃度の濃い燃料粒状集合体を燃焼室内全体に均一に分散させ、かつ燃料濃度の濃い各燃料粒状集合体内の燃料の温度をできる限り低い温度に維持しておくことにある。次にこのことについて図10および図11を参照しつつ説明する。
図10(A)は点Xでもって表されている燃料濃度の濃い燃料粒状集合体が燃焼室Z内の一部に集まっている極端な例を示しており、図11(A)はこのときの燃焼室Z内における燃料濃度の分布を図解的に示している。一方、図10(B)は燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xが燃焼室Z内全体に均一に分散している場合を示しており、図11(B)はこのときの燃焼室Z内における燃料の濃度分布を図解的に示している。図11(A)および図11(B)を比較すればわかるように図11(B)に示す場合の方が図11(A)に示す場合に比べて燃料濃度の濃い燃料粒状集合体X間の間隔が大きくなる。
なお、燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xは蒸発燃料の集合体であってもよいし、燃料粒子とその周囲を取巻く蒸発燃料であってもよいし、燃料粒子そのものであってもよい。
次に図10(A)および図11(A)に示すように燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xが燃焼室Z内の一部の領域に集まっているときの燃焼について説明する。燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xが蒸発燃料の集合体、或いは燃料粒子とその周囲を取巻く蒸発燃料からなる場合には、図10(A)および図11(A)に示す状態から圧縮作用が進み、燃焼室Z内の温度が一定温度以上になったときに燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xの外周部の蒸発燃料が酸素と結合して燃焼せしめられる。このように燃料粒状集合体Xの外周部の蒸発燃料が燃焼せしめられるとその燃焼熱によって燃料粒状集合体X内の蒸発燃料或いは燃料粒子の温度が上昇する。
一方、このとき図10(A)および図11(A)に示されるように燃料粒状集合体X間の間隔が小さいと各燃料粒状集合体X内の蒸発燃料或いは燃料粒子はその周りに存在する他の燃料粒状集合体Xの蒸発燃料の燃焼熱を受けて高温となり、その結果蒸発燃料或いは燃料粒子内の炭化水素が水素分子H2 や炭素CやメタンCH4 に熱分解される。
燃料粒状集合体Xが燃料粒子そのものからなる場合でも同様なことが生ずる。即ち、この場合にも圧縮作用が進み、燃焼室Z内の温度が上昇すると燃料粒子から低沸点成分が蒸発し、その結果燃料粒子の周りには低沸点成分の蒸発燃料の層が形成される。燃焼室Z内の温度が更に上昇するとこの蒸発燃料が燃焼せしめられ、この燃焼熱によって燃料粒子内の炭化水素が水素分子H2 や炭素CやメタンCH4 に熱分解される。
ところがこのような熱分解作用が生じると多量のNOx およびすすが発生してしまう。即ち、圧縮作用が更に進行して燃焼室Z内の温度が更に高くなると圧縮上死点に達する前に水素分子H2 が爆発的に燃焼し、それによって燃料が急激に燃焼せしめられる。このとき燃料が燃焼室Z内の一部の領域に集まっているので燃焼による単位体積当りの発熱量が大きくなり、斯くして燃焼室Z内の温度は局所的に極度に高温となる。その結果、多量のNOx が発生することになる。また、熱分解によって炭素Cが発生するとこれら炭素Cが結合してすすが発生し、更に燃料の密度が高いために酸素不足となり、それによってもすすが発生する。
このように燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xが図10(A)に示されるように燃焼室Z内の一部の領域に集まっているとNOx およびすすが発生するが燃料粒状集合体Xが燃焼室Z内全体に分散していても燃料粒状集合体Xが均一に分散していない場合、即ち燃焼室Z内の一部の領域に燃料密度の高い領域が存在する場合にもNOx およびすすが発生する。即ち、このように燃焼室Z内の一部の領域に燃料密度の高い領域が存在するとこの領域では燃料粒状集合体Xは図11(A)に示すように互いに近接する。従って燃焼が行われたときには燃料密度の高い領域の温度が極度に高温となるために多量のNOx が発生し、しかもこの領域では酸素不足となるためにすすが発生することになる。
ところが図10(B)および図11(B)に示されるように燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xが燃焼室Z内全体に均一に分散せしめられた場合にはNOx およびすすが全く発生しなくなる。即ち、図10(B)および図11(B)に示す状態から圧縮作用が進み、燃焼室Z内の温度が一定温度以上になると前述したように燃料粒状集合体Xの外周部の蒸発燃料が燃焼せしめられる。これは、燃料粒状集合体Xが燃料粒子そのものからなる場合でも同様である。即ち、燃料粒状集合体Xが燃料粒子そのものからなる場合には圧縮作用が進んで燃焼室Z内の温度が高くなると燃料粒子から低沸点成分が蒸発し、燃料粒子の周りに蒸発燃料の層が形成される。次いで圧縮作用が更に進んで燃焼室Z内の温度が一定温度以上になると燃料粒子周りの蒸発燃料が燃焼せしめられる。
このように蒸発燃料が燃焼せしめられると前述したようにその燃焼熱によって燃料粒状集合体X内の蒸発燃料或いは燃料粒子の温度が上昇する。しかしながらこのとき図10(B)および図11(B)に示されるように燃料粒状集合体X間の間隔が大きいと各燃料粒状集合体Xの蒸発燃料の燃焼熱が隣接する燃料粒状集合体X内の蒸発燃料或いは燃料粒子に伝達されず、斯くして燃料粒状集合体X内の蒸発燃料或いは燃料粒子の温度はさほど高くならない。その結果、燃料粒状集合体X内において炭化水素の熱分解が生じないために水素分子H2 や炭素CやメタンCH4 がほとんど発生しない。従って水素分子H2 による爆発的な燃焼は生じず、また炭素Cが結合してすすまで成長することがなくなる。
このように水素分子H2 による爆発的な燃焼が生じないと圧縮上死点付近に達して燃焼室Z内の温度が高くなったときに、或いは圧縮上死点を少し越えて燃焼室Z内の圧力が少し低下したときに各燃料粒状集合体X内の蒸発燃料が燃焼を開始する。従って燃焼室Z内のあらゆるところで多点的に、即ちバルク的に燃焼が開始されることになる。燃料粒状集合体Xが燃料粒子そのものからなるときには圧縮上死点付近に達すると、或いは圧縮上死点を少し越えると各燃料粒子から燃料がいっせいに沸騰蒸発し、斯くしてこの場合にも燃焼室Z内のあらゆるところで多点的に燃焼が開始される。
このようにして燃焼が開始されたとき、各燃料粒状集合体Xは燃焼室Z内全体に均一に分散されており、従ってこのときの燃焼による単位体積当りの発熱量は燃焼室Z内全体に亘って一様に小さくなる。その結果、燃焼温度は燃焼室Z内の全領域に亘って一様に低くなり、斯くしてNOx が全く発生しなくなる。また、燃料粒状集合体X間の間隔が離れているために各燃料粒状集合体Xの周りには十分な空気が存在し、斯くしてすすが発生することもなくなる。
このように燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xを燃焼室Z内全体に亘って均一に分散させるとNOx およびすすが全く発生しなくなる。この場合、前述したように燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xは蒸発燃料の集合体であってもよいし、燃料粒子とその周囲を取巻く蒸発燃料であってもよいし、燃料粒子そのものであってもよい。図11(B)に示されるように燃料粒状集合体X間は燃料濃度が零となっており、従って燃料が燃焼室Z内全体に亘ってデジタル的に存在している。従って燃焼が開始されたときの着火点も燃焼室Z内に亘ってデジタル的に存在することになり、斯くしてこのようにNOx およびすすが全く発生しない新たな燃焼原理は発明者等によってデジタル燃焼と命名された。
このデジタル燃焼は燃料を適切に噴射することによって生じさせることができる。即ち、燃料は噴射されると燃料粒子の形で分散される。このとき燃料粒子の全燃料が蒸発したとしても蒸発した全燃料が広範囲に亘って拡散することなく集合しており、しかもこのとき蒸発燃料の各集合体が燃焼室Z内全体に均一に分散せしめられればデジタル燃焼が行われる。また、このとき燃料粒子から一部の燃料が蒸発したとしても蒸発燃料が燃料粒子の周りに滞留しており、しかもこのとき各燃料粒子が燃焼室Z内全体に均一に分散せしめられればデジタル燃焼が行われる。また、燃料粒子からほとんど燃料が蒸発しない場合にも各燃料粒子が燃焼室Z内全体に均一に分散せしめられればデジタル燃焼が行われる。
図10(B)および図11(B)は理想的なデジタル燃焼を示している。しかしながら実際には燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xが図10(B)に示されるように燃焼室Z内全体に均一に分散せしめられても燃料粒状集合体X間の蒸発燃料が零とはならず、燃料粒状集合体X間に少量の蒸発燃料が存在する場合が多い。図11(C)はこのような場合を示している。燃料粒状集合体X間に蒸発燃料が存在すると圧縮作用が進んで燃焼室Z内の温度が一定温度以上になったときに燃料粒状集合体X間の蒸発燃料が燃焼し、斯くしてこの燃焼熱により燃料粒状集合体X内の蒸発燃料内或いは燃料粒子内の炭化水素が熱分解を生じる危険性がある。
この場合、図11(C)に示されるように燃料粒状集合体X間の蒸発燃料の量が少ないときには燃料粒状集合体X間の蒸発燃料の発熱量はさほど多くなく、斯くして燃料粒状集合体X内の蒸発燃料内或いは燃料粒子内の炭化水素が熱分解を生じる危険性はない。しかしながら図11(D)に示されるように燃料粒状集合体X間の蒸発燃料の量が多くなると燃料粒状集合体X間の蒸発燃料の発熱量が大きくなり、斯くして燃料粒状集合体X内の蒸発燃料内或いは燃料粒子内の炭化水素が熱分解を生じる。その結果、前述したように多量のNOx およびすすが発生することになる。従ってNOx およびすすの発生を阻止するためには図11(B)に示すように燃料粒状集合体X間に蒸発燃料が存在しないようにするのが最も好ましく、燃料粒状集合体X間に蒸発燃料が存在してしまう場合には燃料粒状集合体X間に存在する蒸発燃料の量をできる限り少なくすることが必要である。
このように燃料粒状集合体Xが燃焼室5内全体に均一に分散せしめられるとデジタル燃焼が行われ、すすおよびNOx が全く発生しなくなる。本発明ではこのようなデジタル燃焼に近ずけるために図3に示されるようにガス燃料をガス燃料塊Gの形で燃焼室5内に広げるようにしている。
ところでガス燃料をガス燃料塊Gの形で燃焼室5内全体に拡散させるためにはガス燃料噴射を圧縮行程の早期までに完了しておく必要がある。次にこのことについて図6を参照しつつ説明する。図6の曲線はピストン4の圧縮作用のみによる燃焼室5内の圧力Pの変化を示している。図6からわかるように燃焼室5内の圧力Pはほぼ圧縮上死点前BTDC90度を越えると上昇する。これは吸気弁6の開弁時期とは無関係であっていかなる往復動式内燃機関であっても燃焼室5内の圧力Pは図6に示されるように変化する。
このような燃焼室5内の圧力Pの変化を考慮すると、ガス燃料塊Gを燃焼室5内全体に均一に分散させるためには燃焼室5内の圧力Pが低いときにガス燃焼噴射弁10からガス燃料を噴射させなければならない。即ち、燃焼室5内の圧力Pが高くなると空気抵抗が大きくなるためにガス燃料塊Gが拡散しなくなり、斯くしてこのときにはガス燃料塊Gが燃焼室5内全体に広がることができない。上述したように燃焼室5内の圧力Pはほぼ圧縮上死点前BTDC90度を越えると上昇して高くなり、事実ほぼ圧縮上死点前BTDC90度を越えた後にガス燃料の噴射を行うとガス燃料塊Gが燃焼室5内に十分に広がらない。これに対してほぼ圧縮上死点前BTDC90度以前は燃焼室5内の圧力Pは低く、従ってほぼ圧縮上死点前BTDC90度以前にガス燃料の噴射が行われるとガス燃料塊Gが燃焼室5内の全体に亘って均一に分散することになる。従って本発明による実施例では余裕をもって圧縮上死点前BTDC120度以前にガス燃料の噴射作用を完了させるようにしている。
なお、ガス燃料としては天然ガスやLPG等を使用しうる。これらのガス燃料はセタン価が低いので自着火しずらく、従って本発明による実施例では圧縮上死点付近で点火栓11により着火エネルギを与え、ガス燃料を圧縮上死点後に着火せしめるようにしている。
図7は噴射時期の算出ルーチンを示している。このルーチンは例えば一定クランク角毎の割込みによって実行される。図7を参照するとまず初めにステップ50において図5に示すマップからガス燃料を噴射すべき期間TPが算出される。次いでステップ51ではこのガス燃料を噴射すべき期間TPと噴射完了時期から噴射開始時期が算出される。なお、本発明による実施例では噴射完了時期が圧縮上死点前BTDC120度に固定されている。次いでステップ52では噴射開始時期になったときに噴射要求フラグをセットさせ、噴射完了時期になったときに噴射完了フラグをリセットする処理が行われる。
図8は一定時間毎に実行される時間割込みルーチンを示している。図8を参照するとまず初めにステップ60において噴射要求フラグがセットされているか否かが判別される。噴射要求フラグがセットされていないときには処理サイクルを完了し、噴射要求フラグがセットされているときにはステップ61に進んでフラグXがセットされているか否かが判別される。フラグXがセットされているときにはステップ62に進んでピエゾ圧電素子45に電荷をチャージすべき信号が発生せしめられ、次いでステップ63においてフラグXがリセットされる。これに対してフラグXがリセットされているときにはステップ64に進んでピエゾ圧電素子45から電荷をディスチャージすべき信号が発生せしめられ、次いでステップ65においてフラグXがセットされる。従って噴射要求フラグがセットされている間、図4に示されるようにディスチャージ信号とチャージ信号が交互に発生せしめられ、それによってガス燃料噴射弁10からガス燃料が間欠的に噴射せしめられる。
図9に別の実施例を示す。この実施例ではエアクリーナ14から吸気ポート7に至る吸気通路15内にガス燃料噴射弁10が配置され、ガス燃料噴射弁10から噴射期間中、ガス燃料が間欠的に噴射される。
なお、図1に示す実施例においても図9に示す実施例においてもガス燃料噴射弁10を複数個配置することができる。即ち、燃焼室5内に複数のガスの燃料噴射弁10を配置することもできるし、吸気通路15内に複数のガス燃料噴射弁10を配置することもできるし、燃焼室5内および吸気通路15内に夫々ガス燃料噴射弁10を配置することもできる。この場合にも、各ガス燃料噴射弁10からは各ガス燃料噴射弁10に対して夫々設定された噴射期間の間、間欠的にガス燃料が噴射される。
ガス燃料エンジンの全体図である。 シリンダヘッドの底面図である。 ガス燃料噴射弁の側面断面図である。 噴射タイミング等を示すタイムチャートである。 ガス燃料を噴射すべき期間のマップを示す図である。 ピストンの圧縮作用のみによる燃焼室内の圧力変化を示す図である。 噴射時期を算出するためのフローチャートである。 時間割込みルーチンを示すフローチャートである。 別の実施例を示すガス噴射エンジンの全体図である。 燃料濃度の濃い燃料粒状集合体Xの分布を示す図である。 燃焼室内における燃料の濃度分布を示す図である。
符号の説明
5 燃焼室
10 ガス燃料噴射弁
11 点火栓

Claims (1)

  1. 燃焼室内にガス燃料噴射弁を配置したガス燃料エンジンの燃焼方法において、圧縮上死点前120度以前にガス燃料噴射弁から燃焼室内へのガス燃料の噴射作用が完了するように機関の運転状態に応じたガス燃料噴射期間を設定し、噴射されたガス燃料が粒状集合体の形で圧縮行程の後半に達する前に燃焼室内全体に均一に分散されかつ分散されたこれら粒状集合体間の燃料濃度が零となるように、上記ガス燃料噴射期間の間、該ガス燃料噴射弁から燃焼室内にガス燃料を一定時間間隔を隔てて間欠的に噴射し、それにより圧縮上死点付近又は圧縮上死点後に燃焼室内のあらゆるところで多点的に燃焼開始させるようにしたガス燃料エンジンの燃焼方法。
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