JP4320632B2 - 磁気浮上用アクチュエータ駆動装置 - Google Patents

磁気浮上用アクチュエータ駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、制御対象を浮上状態に制御する磁気浮上用アクチュエータ駆動装置に関する。
従来の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置は、制御対象の鉛直方向の上側に引き上げ用電磁アクチュエータのコアの一方を固定し、制御対象を上昇させるときは引き上げ用電磁アクチュエータの推力を上げ、下降させるときはアクチュエータの推力を下げるようになっている。通常、制御対象の姿勢を制御するため、同様のアクチュエータを複数用いて3点または4点で支持する。
また、通常、消費電力を抑えるため、アクチュエータには永久磁石を備え、制御中心点付近で、永久磁石の吸引力による上向きの力と重力による下向きの力が釣り合うように設計している(例えば、非特許文献1参照)。
さらに、制御対象の鉛直方向の上側および下側にそれぞれ引き上げ用電磁アクチュエータと引き下げ用電磁アクチュエータを備えるものもあるが(例えば、非特許文献2参照)、引き上げ用電磁アクチュエータと引き下げ用電磁アクチュエータに対して分配する電流値を決定する際の指標として消費電力は考慮されておらず、単純に引き下げ時には引き下げ用電磁アクチュエータのみ、引き上げ時には引き上げ用電磁アクチュエータのみを使用している。また、引き上げ用電磁アクチュエータと引き下げ用電磁アクチュエータを備え、直列または並列に接続して1つの電流制御装置により電流を制御するものもある(例えば、特許文献1参照)。
なお、上記の非特許文献1および非特許文献2並びに特許文献1の構成を、それぞれ以下に示す第1従来技術および第2従来技術並びに第3従来技術として具体的に説明すると共に、アクチュエータの構成は、説明を簡単にするために2個1対のアクチュエータを用いて例示する。
図7は第1従来技術を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図である。
図7において、13は制御装置、14は制御対象、22は電流指令演算装置、15は引き上げ用電磁アクチュエータ、17はギャップセンサ、21は電流制御器、23は電流センサである。
このような構成において、制御装置13は制御対象14を駆動するための推力指令を算出し、電流指令演算装置22に渡す。ギャップセンサ17は制御対象14に対する引き上げ用電磁アクチュエータ15のコアとの間のギャップを検出し、電流指令演算装置22に渡す。電流指令演算装置22は、ギャップセンサ17から得たギャップフィードバックと、制御装置13から受け取った推力指令を元に引き上げ用電磁アクチュエータ15に流すべき電流の指令値を算出し、電流制御器21に渡す。引き上げ用電磁アクチュエータ15のコイルに流れている電流値を検出し、電流制御器21に渡す。電流制御器21は、電流センサ23から得た電流フィードバックが電流指令演算装置22から受け取った電流指令通りになるように引き上げ用電磁アクチュエータ15に流す電流値を制御する。制御対象14は引き上げ用電磁アクチュエータ15により鉛直上向きの推力を得る。通常、引き上げ用電磁アクチュエータ15は、消費電力を抑えるため、永久磁石を含んでおり、制御中心点での吸引力が制御対象14の重量と釣り合うように設計される。永久磁石のつくる磁場を強める向きに引き上げ用電磁アクチュエータ15に電流を流すことで鉛直上向きの力が増大し、逆に永久磁石のつくる磁場を弱める向きに電流を流すことで鉛直上向きの力が減少する。引き上げ用電磁アクチュエータ15のつくる磁場による吸引力が制御対象14の重量より大きければ制御対象14は鉛直上向きに加速し、逆に吸引力が重量より小さければ鉛直下向きに加速する。この構成では、重力を超える鉛直下向きの力を発生させることはできない。
図8は第2従来技術を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図である。なお、第2従来技術が第1従来技術と同じ構成要素についてはその説明を省略し。異なる点のみ説明する。
図8において、15は引き上げ用電磁アクチュエータ、16は引き下げ用電磁アクチュエータ、31は切換器、32は第1電流指令演算装置、33は第2電流指令演算装置、18および19は電流センサ、11は第1電流制御器、12は第2電流制御器である。
このような構成において、切換器31は、制御装置13から得た推力指令が鉛直上向きであれば第1電流指令演算装置32に制御装置13から得た推力指令を渡し、第2電流指令演算装置33には零の推力指令を渡す。制御装置13から得た推力指令が下向きであれば第2電流指令演算装置33に制御装置13から得た推力指令を渡し、第1電流指令演算装置32には零の推力指令を渡す。ギャップセンサ17は制御対象14に対する引き上げ用電磁アクチュエータ15のコアおよび引き下げ用電磁アクチュエータ16のコアとの間のギャップを検出し、第1電流指令演算装置32および第2電流指令演算装置33に渡す。第1電流指令演算装置32は切換器31から得た推力指令とギャップセンサ17から得たギャップフィードバックを元に引き上げ用電磁アクチュエータ15に流すべき電流の指令値を算出し、第1電流制御器11に渡す。また、第2電流指令演算装置33は切換器31から得た推力指令とギャップセンサ17から得たギャップフィードバックを元に引き下げ用電磁アクチュエータ16に流すべき電流の指令値を算出し、第2電流制御器12に渡す。引き上げ用電磁アクチュエータ15のコイルに流れている電流値を検出し、第1電流制御器11に渡す。第2電流センサ19は、引き下げ用電磁アクチュエータ16のコイルに流れている電流値を検出し、第2電流制御器12に渡す。第1電流制御器11は引き上げ用電磁アクチュエータ15に流す電流を、第2電流制御器12は引き下げ用電磁アクチュエータ16に流す電流をそれぞれ制御する。
図9は第3従来技術を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図である。なお、第3従来技術が第1および第2従来技術と同じ構成要素についてはその説明を省略し。異なる点のみ説明する。
図9において、41は電流制御器、42はレールである。
このような構成において、引き上げ用電磁アクチュエータ15と引き下げ用電磁アクチュエータ16は制御対象14の中に含まれており、レール42は地面に固定されている。また、永久磁石を含む引き上げ用電磁アクチュエータ15がレール42の鉛直下側になる。引き上げ用電磁アクチュエータ15と引き下げ用電磁アクチュエータ16のコイルは直列に接続する。このため、対になる引き上げ用電磁アクチュエータ15と引き下げ用電磁アクチュエータ16に流れる電流値は常に同じ値となる。それから、電流センサ23は、引き上げ用電磁アクチュエータ15と引き下げ用電磁アクチュエータ16のコイルに流れている電流値を検出し、電流指令演算装置22に渡す。電流指令演算装置22は引き上げ用電磁アクチュエータ15と引き下げ用電磁アクチュエータ16のコイルに流すべき電流値を算出し、電流制御器41に渡す。この構成により、電流制御器が1つだけの構成であるにもかかわらず、図8(第2従来技術)の構成に比べると、鉛直下向き推力の最大値を大きくすることができるが、引き上げ用電磁アクチュエータ15と引き下げ用電磁アクチュエータ16のコイルに流す電流を独立して制御することはできず、常に同じ値になる。
このように、従来の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置は、整理すると、(イ)引き上げ用アクチュエータのみを有する構成、(ロ)引き上げ用アクチュエータと引き下げ用アクチュエータが直列接続または並列接続の場合であって、独立に制御することができない構成、(ハ)引き上げ用アクチュエータと引き下げ用アクチュエータを独立に制御できるが、推力指令が鉛直上向きの場合は引き上げ用アクチュエータのみ、鉛直下向きの場合は引き下げ用アクチュエータのみを用いる構成などに分けられる。このため、それぞれのアクチュエータへの電流の分配方法については最適な分配方法を決定する手段を持たないのである。
電気学会論文集D編(第120巻4号、平成12年、森下明平、明石征邦、小豆沢照男著) 電気学会論文集D編(第111巻6号、平成3年、辻輝生、小黒龍一、高橋一雄著) 特公平8−2129号公報(明細書第3頁、第1図)
従来の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置は、以下の問題があった。
(イ)の構成では、引き上げ用アクチュエータのみの構成となっていて、重力以上の鉛直下向きの推力を発生することができないので、位置制御のための鉛直下向きの推力を指令通りに発生することができず、発散しやすい。
また、(ロ)、(ハ)の構成では、引き上げ用アクチュエータと引き下げ用アクチュエータを備えた構成となっていて、(ハ)のように独立して制御できるものもあるが、推力指令が鉛直上向きの場合は引き上げ用アクチュエータのみ、鉛直下向きの場合は引き下げ用アクチュエータのみを用いるなど、それぞれのアクチュエータへの電流の分配方法については最適な分配方法を決定する手段を持たないので、例えば同じ推力を発生するために無駄な電力を消費することになる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、鉛直下向きの推力を大きくするとともに、評価関数に基づいた最適な電流の分配ができる磁気浮上用アクチュエータ駆動装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1の発明は、制御対象と、前記制御対象と直交する方向の上下面にそれぞれ対向して配置されると共に、鉛直上向きの推力を発生させるための引き上げ用電磁アクチュエータおよび鉛直下向きの推力を発生させるための引き下げ用電磁アクチュエータと、前記制御対象と前記電磁アクチュエータ間のギャップを検出するためのギャップセンサと、前記制御対象に所望の動作をさせるための推力指令を算出する制御装置と、前記ギャップセンサの出力と前記制御装置からの推力指令より得られる電流指令に基づいて、前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータに流す電流をそれぞれ独立に制御する第1電流制御器および第2電流制御器と、を備えた磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、前記制御装置から受け取った推力指令どおりの推力を発生するように、前記第1電流制御器および第2電流制御器に分配する電流指令を、設定された評価関数に基づいて最適に決定するための電流指令分配演算装置を備えたことを特徴としている。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、前記評価関数は、前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータそれぞれで消費される消費電力の総和を表す総消費電力関数としたことを特徴としている。
また、請求項3の発明は、請求項3記載の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、前記総消費電力関数は、前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータ各々の抵抗値と前記それぞれのアクチュエータに流れる電流値の2乗との積を足し合わせたものであることを特徴としている。
また、請求項4の発明は、請求項1記載の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、前記電流指令分配演算装置は、前記引き上げ用電磁アクチュエータに流れる電流iとそのとき発生する推力fとの関係を下記の式(1)により近似し、
ただし係数a、b、cはアクチュエータギャップgの関数としてあらかじめ測定値または解析値にフィッティングさせて求め、前記電流指令分配演算装置内のメモリに保有しており、
前記引き下げ用電磁アクチュエータに流れる電流iとそのとき発生する推力fとの関係を下記の式(2)により近似し、
ただし係数aはアクチュエータギャップgの関数としてあらかじめ測定値または解析値にフィッティングさせて求め、前記電流指令分配演算装置内のメモリに保有しており、
前記第1電流制御器および前記第2電流制御器に分配する電流指令を決定する際、前記制御装置から推力指令frefを受け取り、前記ギャップセンサから前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータそれぞれのアクチュエータギャップを取得し、
前記アクチュエータギャップの値より前記係数a、b、c、aを算出し、
下記の式(3)の計算値をi とおき、
もし下記の式(4)を満たす場合には
前記引き上げ用電磁アクチュエータへの電流指令i1refおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータへの電流指令i2refを下記の式(5)により与え、
もし上記の式(4)を満たさない場合には前記引き上げ用電磁アクチュエータへの電流指令i1refおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータへの電流指令i2refを下記の式(6)により与える、
という手順に基づいて前記引き上げ用電磁アクチュエータへの電流指令および前記引き下げ用電磁アクチュエータへの電流指令を算出するようにしたものであることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によると、磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、推力指令どおりの推力を発生するような電流指令の分配方法が一意に決定されない場合、消費電力などの評価関数に基づいた最適な電流の分配を行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によると、制御装置で消費される電力の総和を最小にすることができ、発熱を最小限に抑えることができる。
また、請求項3に記載の発明によると、引き上げ用アクチュエータと引き下げ用アクチュエータのコイルでジュール熱として消費される電力の総和を最小にすることができ、発熱を最小限に抑えることができる。
また、請求項4に記載の発明によると、引き上げ用および引き下げ用電磁アクチュエータに流す電流を独立に制御し、評価関数が最小になるように電流を最適に分配することができる。
以下、本発明の実施例を、図に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図である。なお、制御対象を操作するためのアクチュエータは、通常2個1対からなる、引き上げ用電磁アクチュエータ15および引き下げ用電磁アクチュエータ16を複数対設ける構成になっているが、本実施例においては、説明を簡単にするため、従来技術同様に2個1対のアクチュエータの例を用いて説明する。また、本発明の構成要素が従来技術の構成要素に相当するものについては、同符号を付してその説明を省略し、異なる構成要素について述べる。
図において、10は電流指令分配演算装置である。
本発明の特徴は以下のとおりである。
すなわち、制御対象14と、制御対象14と直交する方向の上下面にそれぞれ対向して配置されると共に、鉛直上向きの推力を発生させるための引き上げ用電磁アクチュエータ15および鉛直下向きの推力を発生させるための引き下げ用電磁アクチュエータ16と、制御対象14と該電磁アクチュエータ15、16間のギャップを検出するためのギャップセンサ17と、制御対象14に所望の動作をさせるための推力指令を算出する制御装置13と、ギャップセンサ17の出力と制御装置13からの推力指令より得られる電流指令に基づいて、引き上げ用電磁アクチュエータ15および引き下げ用電磁アクチュエータ16に流す電流をそれぞれ独立に制御する第1電流制御器11および第2電流制御器12と、を備えた磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、制御装置13から受け取った推力指令どおりの推力を発生するように、第1電流制御器11および第2電流制御器12に分配する電流指令を、設定された評価関数に基づいて最適に決定するための電流指令分配演算装置10を備えた点である。ここで、該評価関数は、引き上げ用電磁アクチュエータ15および引き下げ用電磁アクチュエータ16それぞれで消費される消費電力の総和を表す総消費電力関数とすると共に、該総消費電力関数は、引き上げ用電磁アクチュエータ15および前記引き下げ用電磁アクチュエータ16各々の抵抗値と前記それぞれのアクチュエータに流れる電流値の2乗との積を足し合わせたものとなっている。
本発明の電流指令分配演算装置10は、第2従来技術において、第1電流制御器および第2電流制御器に分配する電流指令を決定する際に、制御装置から受け取る推力指令どおりの推力を発生するような電流指令の分配方法が一意に決定されなかったため、設定された評価関数が最小になるように該電流指令決定するものである。以下に、その解決するための手段について、詳細に述べる。
図2は第1実施例に用いたアクチュエータの推力特性を示すグラフである。
本実施例では、永久磁石を持つ引き上げ用アクチュエータと永久磁石を持たない引き下げ用アクチュエータの電流i、推力f、アクチュエータギャップgの関係が図2のようになっている場合について、(9)式の条件を満たした上で、(14)式の評価関数により消費電力を最小化する。
まず、引き上げ用アクチュエータに流れる電流i、推力f、アクチュエータギャップgの関係を、(1)式に示す関数fで近似し、引き下げ用アクチュエータに流れる電流i、推力f、アクチュエータギャップgの関係を、(2)式に示す関数fで近似する。f、fの係数a、b、c、aは、まずアクチュエータギャップがある値gのときの測定結果またはFEM解析結果にフィッティングさせて求める。いくつかのgについてフィッティングを行い、こんどはa、b、cをgの関数として、aをgの関数としてそれぞれフィッティングする。この関数は例えば多項式とすればよい。フィッティングさせた結果は図2より明らかにa>0、a<0となる。
(1)式、(2)式より、本アクチュエータは、以下の(7)式、(8)式の条件を満たす推力しか発生し得ないことがわかる。
、iは、常に以下の条件を満たすように制御するものとする。これは常に2次関数f、fの極値より正の側で制御するということを意味する。
(9)式の制約より、ある推力fを発生させるための電流値は、(1)式を変形して以下の式で表せる。
(10)式の制約より、ある推力fを発生させるための電流値は、(2)式を変形して以下の式で表せる。
推力指令が与えられたとき、(13)の条件を満たすように制御する。
本実施例では評価関数は引き上げ用電磁アクチュエータ15および引き下げ用電磁アクチュエータ16で消費される電力の和として、以下の(14)式のような関数とする。
ただし、Jは評価関数、Rは引き上げ用アクチュエータの巻線抵抗、Rは引き下げ用アクチュエータの巻線抵抗、iは引き上げ用アクチュエータに流す電流、iは引き下げ用アクチュエータに流す電流である。(14)式の評価関数は(12)式、(13)式、(1)式の関係を用いて(15)式の次ように変形できる。
ここで、(16)式のようにおくと(15)式は(17)式のように表せる。
したがって、引き上げ用アクチュエータに流す電流iを(18)式の値とすれば評価関数は最小となる。
このとき(12)式、(13)式、(1)式より、引き下げ用アクチュエータに流す電流iは(19)式の値でなければならない。
しかし、(19)式の平方根の中の分子が負の場合、解を持たない。この場合はiを0として、引き上げ用アクチュエータのみで推力指令分の推力を発生すればJが最も小さくなる。
以上の手法より設計された、消費電力を評価関数とした電流指令分配演算装置10の処理フローを図3に基づいて説明する。
図3は第1実施例の電流指令分配演算装置の処理フローを示すフローチャートである。
ステップST1で、電流指令分配演算装置10は制御装置13から推力指令frefを受取る。
ステップST2で、ギャップセンサから得たギャップ値から引き上げ用アクチュエータのギャップgと引き下げ用アクチュエータのギャップgを算出する。
ステップST3で、a(g)、a(g)、b(g)を算出する。
ステップST4で、(18)式の値を算出し、i とする。
ステップST5では、(4)式の条件を満たすならステップST6に進み、条件を満たさないならステップST7に進む。
ステップST6で、(5)式により各アクチュエータに分配する電流指令を算出する。
ステップST7で、(6)式により各アクチュエータに分配する電流指令を算出する。
ステップST8で、算出した電流指令を電流制御装置に出力する。
このようにして設計された電流指令分配演算装置を用いた場合の合計推力指令と各軸推力指令、各軸電流指令の関係は図4のようになる。ここで、図4は第1実施例の電流指令分配演算装置を用いた場合の各軸電流指令とその電流指令により生じる推力を示すグラフである。ただし、永久磁石の吸引力と重力が釣り合う位置のとき、すなわち制御対象が中央にあるときの結果のみを図示している。
次に、本実施例の動作について、図1を用いて説明する。
磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、まず、制御装置13が制御対象14を駆動するための推力指令を算出し、該推力指令を電流指令分配演算装置10に渡す。また、ギャップセンサ17が制御対象14に対する引き上げ用電磁アクチュエータ15のコア、および引き下げ用電磁アクチュエータ16のコアとの間のギャップを検出し、その出力信号を電流指令分配演算装置10に渡す。この際、電流指令分配演算装置10は制御装置13から得た推力指令とギャップセンサ17から得たギャップフィードバックに基づいて、引き上げ用電磁アクチュエータ15および引き下げ用電磁アクチュエータ16にそれぞれ流すべき最適な電流の指令値を算出し、第1電流制御器11および第2電流制御器12に渡す。また、第1電流センサ18は引き上げ用電磁アクチュエータ15のコイルに流れている電流値を検出し、第1電流制御器11に渡すと共に、第2電流センサ19は引き下げ用電磁アクチュエータ16のコイルに流れている電流値を検出し、第2電流制御器12に渡す。該第1電流制御器11は引き上げ用電磁アクチュエータ15に流す電流を制御し、第2電流制御器12は引き下げ用電磁アクチュエータ16に流す電流を制御する。
以上、説明したように、従来技術の装置では、各電磁アクチュエータに分配する電流量を決定する際、消費電力などの評価基準をもとに最適な分配方法を決定するような手段は備えておらず、図8に示した第2従来技術のように推力指令の正負を判定条件として、動作させるアクチュエータを切り替えていたにすぎなかった。この場合の合計推力指令と各軸推力指令、各軸電流指令の関係は図5のようになる。図5は従来の切換器を用いた場合の各軸電流指令とその電流指令により生じる推力を示すグラフである。ただし、永久磁石の吸引力と重力が釣り合う位置のときの結果のみを図示している。
また、本発明の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置と従来の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置で、生成された電流指令による消費電力を比較すると図6のようになる。図6は本発明の方法と従来の方法による消費電力を比較したグラフである。ただし、図は永久磁石の吸引力と重力が釣り合う位置のときの結果のみを図示している。これより、本発明の方法により、重力より小さい推力指令が与えられたときの消費電力が小さくなっていることがわかる。図5および図6で示したように、本発明は、合計推力指令が評価関数を設定し、消費電力などの評価基準を最小にするようにアクチェエータを制御することができる。
したがって、本発明は、制御装置から受け取った推力指令どおりの推力を発生するように、第1電流制御器および第2電流制御器に分配する電流指令を、設定された評価関数に基づいて最適に決定するための電流指令分配演算装置を備えたので、鉛直下向きの推力を大きくすると共に、評価関数に基づいたアクチュエータに流す最適な電流の分配を行うことができる。
設定した評価関数に基づいて引き上げ用アクチュエータと引き下げ用アクチュエータそれぞれに分配する電流値を決定する電流指令分配演算装置を備えることによって、推力指令どおりの推力を発生するような電流指令の分配方法が一意に決定されない場合に、消費電力を小さくして温度上昇を小さくするなど第2の評価基準に基づいた電流の分配ができるため、外部への放熱が大きくできない真空中などでの磁気浮上用アクチュエータ駆動装置、ランニングコストを小さくする必要がある車両等の制御対象用の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置という用途にも適用できる。
本発明の第1実施例を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図 第1実施例に用いたアクチュエータの推力特性を示すグラフ 第1実施例の電流指令分配演算装置の処理フローを示すフローチャート 第1実施例の電流指令分配演算装置を用いた場合の各軸電流指令とその電流指令により生じる推力を示すグラフ 従来の切換器を用いた場合の各軸電流指令とその電流指令により生じる推力を示すグラフ 本発明の方法と従来の方法による消費電力を比較したグラフ 第1従来技術を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図 第2従来技術を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図 第3従来技術を示す磁気浮上用アクチュエータ駆動装置の全体構成図
符号の説明
10 電流指令分配演算装置
11 第1電流制御器
12 第2電流制御器
13 制御装置
14 制御対象
15 引き上げ用電磁アクチュエータ
16 引き下げ用電磁アクチュエータ
17 ギャップセンサ
18 第1電流センサ
19 第2電流センサ

Claims (4)

  1. 制御対象と、
    前記制御対象と直交する方向の上下面にそれぞれ対向して配置されると共に、鉛直上向きの推力を発生させるための引き上げ用電磁アクチュエータおよび鉛直下向きの推力を発生させるための引き下げ用電磁アクチュエータと、
    前記制御対象と前記電磁アクチュエータ間のギャップを検出するためのギャップセンサと、
    前記制御対象に所望の動作をさせるための推力指令を算出する制御装置と、
    前記ギャップセンサの出力と前記制御装置からの推力指令より得られる電流指令に基づいて、前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータに流す電流をそれぞれ独立に制御する第1電流制御器および第2電流制御器と、
    を備えた磁気浮上用アクチュエータ駆動装置において、
    前記制御装置から受け取った推力指令どおりの推力を発生するように、前記第1電流制御器および第2電流制御器に分配する電流指令を、設定された評価関数に基づいて最適に決定するための電流指令分配演算装置を備えたことを特徴とする磁気浮上用アクチュエータ駆動装置。
  2. 前記評価関数は、前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータそれぞれで消費される消費電力の総和を表す総消費電力関数であることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置。
  3. 前記総消費電力関数は、前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータ各々の抵抗値と前記それぞれのアクチュエータに流れる電流値の2乗との積を足し合わせたものであることを特徴とする請求項2記載の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置。
  4. 前記電流指令分配演算装置は、
    前記引き上げ用電磁アクチュエータに流れる電流iとそのとき発生する推力fとの関係を下記の式(1)により近似し、

    ただし係数a、b、cはアクチュエータギャップgの関数としてあらかじめ測定値または解析値にフィッティングさせて求め、前記電流指令分配演算装置内のメモリに保有しており、
    前記引き下げ用電磁アクチュエータに流れる電流iとそのとき発生する推力fとの関係を下記の式(2)により近似し、

    ただし係数aはアクチュエータギャップgの関数としてあらかじめ測定値または解析値にフィッティングさせて求め、前記電流指令分配演算装置内のメモリに保有しており、
    前記第1電流制御器、前記第2電流制御器に分配する電流指令を決定する際、前記制御装置から推力指令frefを受け取り、前記ギャップセンサからの前記引き上げ用電磁アクチュエータおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータそれぞれのアクチュエータギャップを取得し、
    前記アクチュエータギャップの値より前記係数a、b、c、aを算出し、
    下記の式(3)の計算値をi とおき、

    もし下記の式(4)を満たす場合には

    前記引き上げ用電磁アクチュエータへの電流指令i1refおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータへの電流指令i2refを下記の式(5)により与え、

    もし上記の式(4)を満たさない場合には前記引き上げ用電磁アクチュエータへの電流指令i1refおよび前記引き下げ用電磁アクチュエータへの電流指令i2refを下記の式(6)により与える、

    という手順で前記引き上げ用電磁アクチュエータへの電流指令および前記引き下げ用電磁アクチュエータへの電流指令を算出するものであることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上用アクチュエータ駆動装置。
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