JP4318833B2

JP4318833B2 - CARBON FIBER PACKAGE AND METHOD FOR PRODUCING CARBON FIBER PACKAGE

Info

Publication number: JP4318833B2
Application number: JP2000090832A
Authority: JP
Inventors: 浩恒川; 賢司島崎; 俊充渡辺
Original assignee: Toho Tenax Co Ltd
Current assignee: Teijin Ltd
Priority date: 2000-03-29
Filing date: 2000-03-29
Publication date: 2009-08-26
Anticipated expiration: 2020-03-29
Also published as: JP2001278353A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素質繊維の蓄熱による自然発火を防止した炭素質繊維梱包体に関するものである。更に詳しくは、炭素含有率６５〜８５重量％からなり、他に水素、酸素を含む炭素質繊維の蓄熱による自然発火を防止した炭素質繊維梱包体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、炭素繊維は、高強度且つ高弾性を有する補強材用繊維として優れた素材であり、合成樹脂との複合材料として広く使用されている。この炭素繊維は、アクリロニトリル系繊維、ピッチ系繊維等の有機繊維より誘導されて製造されているが、特にアクリロニトリル系繊維を原料として誘導された、所謂アクリル系炭素繊維は、高強度且つ高弾性の繊維として有用されている。
【０００３】
アクリル系炭素繊維の製造は、アクリロニトリル系繊維を２００〜４００℃の酸化性雰囲気で酸化処理（耐炎化処理）して所謂耐炎繊維とし、更に炭素の昇華温度までの不活性雰囲気中にて焼成することによって、狭義の意味での炭素繊維及び黒鉛繊維としている。
【０００４】
このような不活性雰囲気中での焼成は、目的とする炭素繊維の性能に応じ条件設定がされ、この焼成過程において、繊維中の炭素含有率は、アクリロニトリル系繊維段階で５５重量％程度であったものが次第に高くなり、最終的には殆ど炭素のみの繊維となる。通常、汎用されている炭素繊維の炭素含有率は、９０重量％以上であり、その焼成温度は１０００℃以上で、一般的には１２００℃以上のものが普通である。
【０００５】
このような炭素繊維に対して、アクリロニトリル系繊維を２００〜４００℃の酸化性雰囲気で酸化処理した繊維（耐炎繊維）を焼成温度が５００〜１０００℃、特に一般的には６００〜８００℃の炭素繊維の場合に比べて、低い焼成温度で不活性雰囲気中で焼成した繊維は炭素質繊維と呼ばれ、炭素含有率は６５〜８５重量％程度である。炭素質繊維は、炭素繊維に比べて親水性、電気抵抗が高く、一般的に樹脂との親和性も高いという特性を有する。また炭素繊維とは異なる摺動特性を有する。
【０００６】
このような性質を持つ炭素質繊維は、例えば、摩擦材の補強繊維や、建築材等の補強繊維に使用される。炭素質繊維は炭素繊維に比較して安価であり、特に摩擦材に使用された場合には、安定した高摩擦係数を与えることが知られている（例えば、特公平６−８４７７２号公報）。
【０００７】
このような摩擦材、建築材等に使用される炭素質繊維は、所定長に切断されて保管、輸送され、使用される。炭素質繊維の切断は、湿潤状態で行われることが多い。これは、乾燥状態で切断すると、収束性が悪く、毛羽立ちが生じ、その後の取り扱い性が著しく困難となるからである。したがって、水分率１０〜５０％程度の高水分状態で保管、輸送されることが多かった。しかしながら、このような高水分状態の炭素質繊維を、乾燥状態で使用する場合には、一旦乾燥する必要があるが、高水分状態から徐々に乾燥すると、炭素質繊維に付着されているサイズ剤、油脂等の移動、付着ムラが生じ、マイグレーションの原因となる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
乾燥状態の炭素質繊維を使用する場合には、乾燥状態で保管された炭素質繊維がそのままの乾燥状態で使用できるので便利である。しかしながら、本発明者らの知見によると、炭素含有率の低い炭素質繊維の一つの問題点として、乾燥状態で１００℃程度の温度条件下で保管すると、酸化が徐々に進行して内部に蓄熱し、最終的に自然発火するという問題があることを見いだしている。このような現象は、炭素繊維及び耐炎繊維には見られない、炭素質繊維固有の現象である。
【０００９】
炭素質繊維を保管する場合、保管スペースの関係から、或いはストランド、不織布、織物といった長尺物の場合巻かれた状態や積み重ねられた状態で保管される。このように、ある程度の充填密度でこのような蓄熱による自然発火を防止するために、保管温度を厳密に管理し、８０℃を超えない温度に維持し、或いは積み重ねた炭素質繊維の間に温度センサを挿入し内部温度を常時チェックするという方法が必要とされていた。
【００１０】
しかしながら、不慮の温度管理状態において自然発火することは避けなければならない。
【００１１】
したがって、本発明の目的は、炭素質繊維の保管中における蓄熱による自然発火を防止し、安全に保管するとともに、次工程で使用する場合にも使用勝手がよく、マイグレーションの発生が無い炭素質繊維の梱包体を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の炭素質繊維梱包体は、炭素含有率６５〜８５重量％、平均繊維長０．１〜１５０ｍｍのポリアクリロニトリル系炭素質繊維が、不透湿フィルムにより、充填密度０．１〜０．５ｇ／ｃｍ³、好ましくは０．１５〜０．３ｇ／ｃｍ³で、水分率３〜８重量％を維持した状態で密閉されていることを特徴とする。
【００１３】
本発明の炭素質繊維梱包体はこのような状態で密閉されることにより、保管中における蓄熱による自然発火を防止し、安全に保管するとともに、次工程で使用する場合にも、使用勝手のよいものとなる。
【００１４】
本発明は、炭素含有率６５〜８５重量％、平均繊維長が０．１〜１５０ｍｍの炭素質繊維を梱包の対象としている。炭素有量が６５重量％未満であると、耐熱性が低くなり、耐熱用途に適さなくなる。また炭素含有量が８５重量％を超えると炭素繊維に近似乃至炭素繊維となるが、製造コストが高くなり、しかも摩擦係数が低下してくるので、摩擦材用途には適さなくなる。平均繊維長が０．１ｍｍ未満であると、摩擦材や建築材の補強等における補強効果が少なくなり、１５０ｍｍを超えると補強繊維として混合し分散させて使用する時に分散が困難となる。
【００１５】
本発明の炭素質繊維梱包体は、不透湿フィルム内に上記の水分範囲を維持した状態で密閉されていることが必要である。水分率が３重量％未満であれば、炭素質繊維の収束性が低下し、ばらけ易くなり炭素質繊維の使用時の混合工程における分散性が悪く作業性が悪くなると共に、高温保管時に発火の恐れが生じる。水分率が８重量％を超えれば、そのままの状態では水分が多すぎて使用できず乾燥を必要とし、さらに水分率が多すぎると乾燥時にマイグレーションの発生が起こりやすくなる。また、不慮の温度管理状態、或いは、赤道直下の船積みで１００℃を超えるような状態となった場合には、通常の包装形態では、水分率３〜８重量％を維持することは困難で、高温のため水分率が低下して絶乾状態となり、発火に至るようになる。したがって、不透湿フィルムにより密閉して水分率を上記範囲に保つことは発火防止のため、且つ良好な作業性を得るために必要である。
【００１６】
本発明で使用する不透湿フィルムには、水蒸気透過量が５０ｇ／ｍ²・２４ｈｒ以下（ＪＩＳＫ７１２９による、４０℃、９０ＲＨの条件下）であることが望ましい。不透湿フィルムの材質には、水分が透過しないものであれば何でもよいが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン等或いはこれらの材質と他の材質を組み合わせたもの、例えば、不透湿加工した布帛、積層フィルム等が使用できる。不透湿フィルム厚みは好ましくは３０〜２００μｍ、さらに好ましくは５０〜１００μｍである。不透湿フィルムが薄いと破損の危険があり、水蒸気透過量が多くなり、一方、厚いと堅くなり、取り扱い性が悪く、コスト高となる。梱包体の形態はどのようなものでもよく、開孔部をシールして密閉とする。
【００１７】
本発明の炭素質繊維梱包体における、炭素質繊維の充填密度は０．１〜０．５ｇ／ｃｍ³とする。充填密度が０．１ｇ／ｃｍ³未満であると輸送コストが高くなり、輸送時に片寄り等が生じ不安定となる。一方、０．５ｇ／ｃｍ³を超えると解舒困難となり、例えば、繊維の絡みが生じるため混合工程で均一分散が困難となり、さらに、蓄熱性が高まることから発火の危険が高まるので好ましくない。
【００１８】
特公昭４８−３４５３８号公報には、アクリル系重合体よりなる繊維を１０〜５０％の水分を含有した状態で採取する炭素繊維用アクリル系連続繊維束の製造方法について示されているが、これは無撚り、無捲、油剤無しの繊維束の収束性向上を目的としたものであり、本発明のような炭素質繊維が特定の条件で密閉された梱包体の保管中における蓄熱による自然発火を防止し、安全に保管するとともに、次工程で使用する場合にも使用勝手がよく、マイグレーションの発生が無い炭素質繊維の梱包体とは無縁のものである。
【００１９】
特開平１−２７２８６４号公報には、サイジング剤無しの炭素繊維を０．１重量％以上の水を付着した状態で巻き取ることが示されているが、これは炭素繊維の収束性の向上、毛羽発生のトラブルを防止するものであり、上記と同様に本発明の炭素質繊維梱包体とは目的、構成、効果の異なるものである。
【００２０】
本発明の炭素質繊維梱包体における炭素質繊維の燐含有量は、５０〜３００ｐｐｍであることが望ましい。燐含有量が５０ｐｐｍ未満であると耐酸化性が悪くなり、３００ｐｐｍを超えると繊維強度が劣化する。また、ナトリウム含有量は２００ｐｐｍ以下が好ましく、さらに好ましくは１００ｐｐｍ以下であり、ナトリウム含有量が多いと酸化性が悪くなる。
【００２１】
炭素質繊維のうち、ポリアクリロニトリル系炭素質繊維は、他の材料を起源とする炭素質繊維よりも強度が高く、補強繊維として優れている。
【００２２】
【実施例】
〔実施例１〕
アクリロニトリル９６重量％、アクリル酸メチル４重量％からなる共重合体塩化亜鉛水溶液（塩化亜鉛濃度４５重量％）を紡糸し、１．９ｄｔｅｘで１２，０００フィラメントのアクリル系糸条を得た。次に該糸条をポリエチレングリコール０．２重量％の水溶液に含浸した後、空気中２４５℃で１時間、さらに２５５℃で１時間酸化処理して繊維密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎化糸を得た。
【００２３】
該耐炎化糸を窒素ガス中８００℃で加熱し、繊維密度１．７ｇ／ｃｍ³、炭素含有率７４重量％、酸素含有率６重量％の炭素質繊維を得た。
【００２４】
該炭素質繊維を加湿条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長３ｍｍにるようにカットし、低密度ポリエチレン、厚さ８０μｍの不透湿袋（水蒸気透過量１５ｇ／ｍ²／２４時間）に入れ、充填密度０．２ｇ／ｃｍ³、水分率５重量％になるように密封し７０℃で保管したところ、蓄熱による梱包体の温度上昇はなく、６ヶ月安定に保管できた。
本実施例１の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表１に示す。
【００２５】
〔実施例２〕
アクリロニトリル９６重量％、アクリル酸メチル４重量％からなる共重合体塩化亜鉛水溶液（塩化亜鉛濃度４５重量％）を紡糸し、１２，０００フィラメントのプリカーサー（１．９ｄｔｅｘ）とした。このプリカーサーをポリエチレングリコールを０．２重量％含む水溶液からなる油剤処理浴で処理した。次にこの処理済プリカーサーを、２４５℃で１時間、次いで２５５℃で１時間空気中で酸化処理し、密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎化糸を得た。これを窒素ガス中９００℃で炭素質化処理することにより、密度１．８ｇ／ｃｍ³の炭素質繊維を得た。この炭素質繊維は、炭素含有率が８０重量％、酸素含有率が４重量％であった。
【００２６】
この炭素質繊維を加湿条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長３ｍｍになるようにカットし、嵩密度が０．２ｇ／ｃｍ³のチョップドフィバーを得た。このチョップドフィバー１５ｋｇをポリエチレン製不透湿袋に入れ、充填密度０．２ｇ／ｃｍ³、水分率５重量％になるように密封し７０℃で保管したところ、蓄熱による梱包体の温度上昇はなく、６ヶ月安定に保管できた。
本実施例２の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表１に示す。
【００２７】
〔実施例３〕
アクリロニトリル９６重量％、アクリル酸メチル４重量％からなる共重合体塩化亜鉛水溶液（塩化亜鉛濃度４５重量％）を紡糸し、１２，０００フィラメントのプリカーサー（１．９ｄｔｅｘ）とした。このプリカーサーをポリエチレングリコールを０．２重量％の水溶液に含浸した後、空気中２４５℃で１時間処理した。この炭素繊維は繊維密度１．７ｇ／ｃｍ³、炭素含有率が７４重量％、酸素含有率が６重量％であった。この炭素質繊維を水添化条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長６ｍｍになるようにカットし、嵩密度が０．６ｇ／ｃｍ³のチョップドフィバーを得た。この時の水分率は２０重量％であった。このチョップドフィバーを減圧下７０℃で乾燥し、４０℃まで降温した後、常圧に戻してポリエチレン製不透湿袋で２０ｋｇを密封し、充填密度０．５ｇ／ｃｍ³、水分率４重量％になるよう密封し７０℃で保管したところ、蓄熱による梱包体の温度上昇はなく、６ヶ月安定に保管できた。
本実施例３の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表１に示す。
【００２８】
〔実施例４〕
アクリロニトリル９６重量％、アクリル酸メチル４重量％からなる共重合体塩化亜鉛水溶液（塩化亜鉛濃度４５重量％）を紡糸し、１２，０００フィラメントのプリカーサー（１．９ｄｔｅｘ）とした。このプリカーサーをポリエチレングリコールを０．２重量％含む水溶液からなる油剤処理浴で処理した。
【００２９】
この処理済プリカーサーを、２４５℃で１時間、次いで２５５℃で１時間空気中で酸化処理し、密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎糸を得た。これを窒素ガス中６００℃で炭素質化処理することにより、密度１．６ｇ／ｃｍ³の炭素質繊維を得た。この炭素質繊維は、炭素含有率が７９重量％、酸素含有率が７重量％であった。
【００３０】
この炭素質繊維を加湿条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長１０ｍｍになるようカットし、嵩密度が０．３ｇ／ｃｍ³のチョップドファイバーを得た。このチョップドファイバー２０ｋｇをポリエチレン製不透湿袋で、充填密度０．３ｇ／ｃｍ³、水分率が５重量％となるように密封し、７０℃で保管したが、蓄熱による梱包体の温度上昇はなく、６ヶ月安定に保管できた。
本実施例４の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表１に示す。
【００３１】
【表１】

〔比較例１〕
アクリロニトリル９６重量％、アクリル酸メチル４重量％からなる共重合体塩化亜鉛水溶液（塩化亜鉛濃度４５重量％）を紡糸し、１２，０００フィラメントのプリカーサー（１．９ｄｔｅｘ）とした。このプリカーサーをポリエチレングリコールを０．２重量％含む水溶液からなる油剤処理浴で処理した。
【００３２】
この処理済プリカーサーを、２４５℃で１時間、次いで２５５℃で１時間空気中で酸化処理し、密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎糸を得た。これを窒素ガス中８００℃で炭素質化処理することにより、密度１．７ｇ／ｃｍ³の炭素質繊維を得た。この炭素質繊維は、炭素含有率が７４重量％、酸素含有率が６重量％であった。
【００３３】
この炭素質繊維を乾燥条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長３ｍｍになるようカットし、嵩密度が０．２ｇ／ｃｍ³のチョップドファイバーを得た。このチョップドファイバー１５ｋｇをポリエチレン製不透湿袋で、充填密度０．２ｇ／ｃｍ³、水分率が１重量％となるように密封し、７０℃で保管したところ、３日後の測定で蓄熱により梱包体の温度上昇（８０℃）が見られた。
比較例１の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表２に示す。
【００３４】
〔比較例２〕
コモノマー６重量％を含むＰＡＮ系プリカーサーを２００〜３００℃で耐炎化処理し、密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎糸を得た。これを窒素ガス雰囲気下６００℃で処理する事により、密度１．６ｇ／ｃｍ³の炭素質繊維を得た。この炭素質繊維は、炭素含有率が７９重量％、酸素含有率が７重量％であった。
【００３５】
この炭素質繊維を水添条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長６ｍｍになるようカットし、嵩密度が０．６ｇ／ｃｍ³のチョップドファイバーを得た。この時の水分率は２０重量％であった。このチョップドファイバーを７０℃で真空水分率１重量％以下まで乾燥し、降温せず、ポリエチレン製不透湿袋で充填密度が０．２ｇ／ｃｍ³となるように該チョップドファイバー２０ｋｇを密封し、６０℃で保管したところ、蓄熱により１日後に、密封体内の温度が３６０℃まで上昇し発煙が見られた。
比較例２の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表２に示す。
【００３６】
〔比較例３〕
コモノマー４重量％を含むＰＡＮ系プリカーサーを２００〜３００℃で耐炎化処理し、密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎糸を得た。これを窒素ガス雰囲気下８００℃で処理する事により、密度１．７ｇ／ｃｍ³の炭素質繊維を得た。この炭素質繊維は、炭素含有率が７４重量％、酸素含有率が６重量％であった。
【００３７】
この炭素質繊維を加湿条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長６ｍｍになるようカットし、嵩密度が０．４ｇ／ｃｍ³のチョップドファイバーを得た。このチョップドファイバー３０ｋｇをポリエチレン製不透湿袋で、充填密度０．５ｇ／ｃｍ³、水分率が１０重量％となるように密封し、７０℃で保管したところ、蓄熱による梱包体の温度上昇はなかったが、６ヶ月後では水分斑を生じ、後工程の分散処理時に分散斑（水分ムラ）を生じた。
比較例３の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表２に示す。
【００３８】
〔比較例４〕
アクリロニトリル９６重量％、アクリル酸メチル４重量％からなる共重合体塩化亜鉛水溶液（塩化亜鉛濃度４５重量％）を紡糸し、１２，０００フィラメントのプリカーサー（１．９ｄｔｅｘ）とした。このプリカーサーをポリエチレングリコールを０．２重量％含む水溶液からなる油剤処理浴で処理した。
【００３９】
この処理済プリカーサーを、２４５℃で１時間、次いで２５５℃で１時間空気中で酸化処理し、密度１．４ｇ／ｃｍ³の耐炎糸を得た。これを窒素ガス中８００℃で炭素質化処理することにより、密度１．７ｇ／ｃｍ³の炭素質繊維を得た。この炭素質繊維は、炭素含有率が７４重量％、酸素含有率が６重量％であった。
【００４０】
この炭素質繊維を加湿条件下、ギロチンカッターにて平均繊維長３ｍｍになるようカットし、嵩密度が０．２ｇ／ｃｍ³のチョップドファイバーを得た。このチョップドファイバー１５ｋｇをポリエチレン製不透湿袋に入れ、充填密度０．３ｇ／ｃｍ³、水分率が５重量％となるようにし、袋を解放して７０℃で保管したところ、蓄熱により１０日後温度上昇（９０℃）が見られた。この時の水分率は１％未満であった。
比較例４の炭素質繊維梱包体の製造条件、保管条件及びその結果を下記の表２に示す。
【００４１】
【表２】

【００４２】
【発明の効果】
本発明の炭素質繊維梱包体によれば、保管中における蓄熱による自然発火を防止し、安全に保管できる。本発明の炭素質繊維梱包体は、水分率３〜８重量％が維持されているため、使用勝手がよい。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a carbon fiber package that prevents spontaneous ignition due to heat storage of carbon fiber. More specifically, the present invention relates to a carbonaceous fiber package which has a carbon content of 65 to 85% by weight and prevents spontaneous ignition due to heat accumulation of carbonaceous fibers containing hydrogen and oxygen.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, carbon fiber is a material excellent as a fiber for reinforcing material having high strength and high elasticity, and is widely used as a composite material with a synthetic resin. This carbon fiber is produced by being derived from an organic fiber such as acrylonitrile fiber or pitch fiber, but the so-called acrylic carbon fiber derived from acrylonitrile fiber, in particular, has high strength and high elasticity. It is useful as a fiber.
[0003]
Acrylic carbon fiber is produced by oxidizing acrylonitrile fiber in an oxidizing atmosphere at 200 to 400 ° C. (flame-resistant treatment) to form a so-called flame resistant fiber, and further firing in an inert atmosphere up to the sublimation temperature of carbon. Thus, carbon fibers and graphite fibers are defined in a narrow sense.
[0004]
Firing in such an inert atmosphere is set according to the performance of the target carbon fiber, and in this firing process, the carbon content in the fiber is about 55% by weight at the acrylonitrile fiber stage. It becomes increasingly expensive and eventually becomes almost carbon-only fiber. Usually, the carbon content of commonly used carbon fibers is 90% by weight or more, and the firing temperature is 1000 ° C. or higher, and generally 1200 ° C. or higher.
[0005]
A carbon (flame resistant fiber) obtained by oxidizing acrylonitrile fiber in an oxidizing atmosphere of 200 to 400 ° C. with respect to such a carbon fiber is a carbon having a firing temperature of 500 to 1000 ° C., particularly generally 600 to 800 ° C. Compared with the case of fiber, the fiber baked in the inert atmosphere at the low calcination temperature is called carbonaceous fiber, and the carbon content is about 65 to 85% by weight. Carbonaceous fibers have properties such as higher hydrophilicity and electrical resistance than carbon fibers, and generally high affinity with resins. Moreover, it has a sliding characteristic different from carbon fiber.
[0006]
Carbonaceous fibers having such properties are used, for example, for reinforcing fibers for friction materials and reinforcing fibers for building materials. It is known that carbonaceous fibers are cheaper than carbon fibers and give a stable high friction coefficient, particularly when used as a friction material (for example, Japanese Patent Publication No. 6-84772).
[0007]
Carbonaceous fibers used for such friction materials and building materials are cut into a predetermined length, stored, transported and used. The cutting of carbonaceous fibers is often performed in a wet state. This is because, when cut in a dry state, convergence is poor, fluffing occurs, and subsequent handling becomes extremely difficult. Therefore, it was often stored and transported in a high moisture state with a moisture content of about 10 to 50%. However, in the case of using such a high moisture state carbonaceous fiber in a dry state, it is necessary to dry it once, but when it is gradually dried from the high moisture state, the sizing agent attached to the carbonaceous fiber. , Movement of oil and fat, and uneven adhesion occur, causing migration.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
When using carbonaceous fibers in a dry state, it is convenient because carbonaceous fibers stored in a dry state can be used in the dry state as they are. However, according to the knowledge of the present inventors, one problem with carbonaceous fibers having a low carbon content is that when stored in a dry state under a temperature condition of about 100 ° C., oxidation gradually proceeds to store heat inside. And finally finds the problem of spontaneous ignition. Such a phenomenon is a phenomenon peculiar to carbonaceous fibers that is not observed in carbon fibers and flame resistant fibers.
[0009]
When storing the carbonaceous fiber, it is stored in a wound state or a stacked state in the case of a long object such as a strand, a non-woven fabric, or a woven fabric because of the storage space. Thus, in order to prevent spontaneous ignition due to such heat storage at a certain packing density, the storage temperature is strictly controlled and maintained at a temperature not exceeding 80 ° C., or the temperature between stacked carbonaceous fibers A method of inserting a sensor and constantly checking the internal temperature was required.
[0010]
However, spontaneous ignition should be avoided in unforeseen temperature controlled conditions.
[0011]
Therefore, the object of the present invention is to prevent spontaneous ignition due to heat storage during storage of carbonaceous fibers, and to store them safely, and also to be used easily in the next process, and there is no occurrence of migration. It is to provide a packaging body.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The carbonaceous fiber package of the present invention for achieving the above-mentioned object is a polyacrylonitrile-based carbonaceous fiber having a carbon content of 65 to 85% by weight and an average fiber length of 0.1 to 150 mm by an impermeable film. It is characterized by being sealed with a packing density of 0.1 to 0.5 g / cm ³ , preferably 0.15 to 0.3 g / cm ³ and a moisture content of 3 to 8% by weight.
[0013]
The carbonaceous fiber package of the present invention is sealed in such a state, thereby preventing spontaneous ignition due to heat storage during storage, storing it safely, and also being easy to use when used in the next process. It will be a thing.
[0014]
In the present invention, carbonaceous fibers having a carbon content of 65 to 85% by weight and an average fiber length of 0.1 to 150 mm are targeted for packaging. If the carbon content is less than 65% by weight, the heat resistance will be low and it will not be suitable for heat-resistant applications. Further, if the carbon content exceeds 85% by weight, the carbon fiber is close to carbon fiber, but the production cost is increased and the friction coefficient is lowered, so that it is not suitable for use as a friction material. When the average fiber length is less than 0.1 mm, the reinforcing effect in reinforcing friction materials and building materials is reduced, and when it exceeds 150 mm, dispersion becomes difficult when mixed and dispersed as reinforcing fibers.
[0015]
The carbonaceous fiber package of the present invention needs to be sealed in a moisture-impermeable film while maintaining the above moisture range. If the moisture content is less than 3% by weight, the convergence property of the carbonaceous fiber is lowered, it becomes easy to disperse, the dispersibility in the mixing process at the time of use of the carbonaceous fiber is deteriorated, and the workability is deteriorated. Cause fear. If the water content exceeds 8% by weight, the water is too much to be used as it is and cannot be used, and drying is necessary. If the water content is too high, migration tends to occur during drying. In addition, in the case of an unexpected temperature control state or a state where the temperature exceeds 100 ° C. due to shipping directly under the equator, it is difficult to maintain a moisture content of 3 to 8% by weight in a normal packaging form, Due to the high temperature, the moisture content decreases and becomes completely dry, leading to ignition. Therefore, it is necessary to seal with a moisture-impermeable film and keep the moisture content within the above range in order to prevent ignition and to obtain good workability.
[0016]
The moisture-impermeable film used in the present invention desirably has a water vapor transmission rate of 50 g / m ² · 24 hr or less (under conditions of 40 ° C. and 90 RH according to JIS K7129). Any material can be used for the moisture-impermeable film as long as it does not transmit moisture. For example, polyolefins such as polyethylene and polypropylene, nylon, polyester, polyvinylidene chloride, etc., or a combination of these and other materials. For example, a cloth impermeable to moisture and a laminated film can be used. The moisture-impermeable film thickness is preferably 30 to 200 μm, more preferably 50 to 100 μm. If the moisture-impermeable film is thin, there is a risk of breakage, and the amount of water vapor permeation increases. On the other hand, if the moisture-impermeable film is thick, the film becomes stiff, the handling property is poor, and the cost is high. The package may have any form, and the opening is sealed and sealed.
[0017]
The packing density of carbonaceous fibers in the carbonaceous fiber package of the present invention is 0.1 to 0.5 g / cm ³ . When the packing density is less than 0.1 g / cm ³ , the transportation cost becomes high, and a deviation or the like occurs during transportation, resulting in instability. On the other hand, if it exceeds 0.5 g / cm ³ , unraveling becomes difficult. For example, entanglement of fibers occurs, so that uniform dispersion becomes difficult in the mixing step.
[0018]
Japanese Patent Publication No. 48-34538 discloses a method for producing an acrylic continuous fiber bundle for carbon fibers, in which fibers made of an acrylic polymer are collected in a state containing 10 to 50% of water. Is intended to improve the convergence of fiber bundles with no twist, no wrinkles, and no oil, and spontaneous ignition due to heat accumulation during storage of a package in which carbonaceous fibers such as the present invention are sealed under specific conditions In addition, it is safe to store and is easy to use when used in the next process, and is unrelated to a carbonaceous fiber package that does not cause migration.
[0019]
JP-A-1-272864 discloses that a carbon fiber without a sizing agent is wound in a state where 0.1% by weight or more of water is attached, which improves the convergence of the carbon fiber, It prevents fluffing troubles, and has the same purpose, configuration, and effect as the carbonaceous fiber package of the present invention as described above.
[0020]
The phosphorus content of the carbonaceous fiber in the carbonaceous fiber package of the present invention is preferably 50 to 300 ppm. When the phosphorus content is less than 50 ppm, the oxidation resistance is deteriorated, and when it exceeds 300 ppm, the fiber strength is deteriorated. Further, the sodium content is preferably 200 ppm or less, more preferably 100 ppm or less. When the sodium content is large, the oxidizability deteriorates.
[0021]
Among the carbonaceous fibers, polyacrylonitrile-based carbonaceous fibers have higher strength than carbonaceous fibers originating from other materials and are excellent as reinforcing fibers.
[0022]
【Example】
[Example 1]
A copolymer zinc chloride aqueous solution consisting of 96% by weight of acrylonitrile and 4% by weight of methyl acrylate (zinc chloride concentration: 45% by weight) was spun to obtain an acrylic yarn of 12,000 filaments at 1.9 dtex. Next, the yarn was impregnated with an aqueous solution of 0.2% by weight of polyethylene glycol, and then oxidized in air at 245 ° C. for 1 hour and further at 255 ° C. for 1 hour, and a flame resistant yarn having a fiber density of 1.4 g / cm ³ . Got.
[0023]
The flameproof yarn was heated in nitrogen gas at 800 ° C. to obtain a carbonaceous fiber having a fiber density of 1.7 g / cm ³ , a carbon content of 74% by weight, and an oxygen content of 6% by weight.
[0024]
Humidifying the carbonaceous fibers conditions, cut to resemble average fiber length 3mm at guillotine cutter, placed in a low-density polyethylene, having a thickness of 80μm impermeable Shimefukuro (water vapor permeability of 15g / m ^2/24 hours) When sealed and stored at 70 ° C. so as to have a packing density of 0.2 g / cm ³ and a moisture content of 5% by weight, there was no increase in the temperature of the package due to heat storage, and it could be stored stably for 6 months.
Table 1 below shows the production conditions, storage conditions, and results of the carbonaceous fiber package of Example 1.
[0025]
[Example 2]
An aqueous copolymer zinc chloride solution (96% by weight of acrylonitrile and 4% by weight of methyl acrylate) was spun into a 12,000 filament precursor (1.9 dtex). This precursor was treated in an oil agent treatment bath comprising an aqueous solution containing 0.2% by weight of polyethylene glycol. Next, this treated precursor was oxidized in air at 245 ° C. for 1 hour and then at 255 ° C. for 1 hour to obtain a flame resistant yarn having a density of 1.4 g / cm ³ . This was carbonized at 900 ° C. in nitrogen gas to obtain carbonaceous fibers having a density of 1.8 g / cm ³ . This carbonaceous fiber had a carbon content of 80% by weight and an oxygen content of 4% by weight.
[0026]
This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter so as to have an average fiber length of 3 mm under humidified conditions to obtain a chopped fiber with a bulk density of 0.2 g / cm ³ . When 15 kg of this chopped fiber is placed in a polyethylene impermeable bag, sealed to a packing density of 0.2 g / cm ³ and a moisture content of 5% by weight, and stored at 70 ° C., there is no temperature rise of the package due to heat storage. , Stable storage for 6 months.
The production conditions, storage conditions and results of the carbonaceous fiber package of Example 2 are shown in Table 1 below.
[0027]
Example 3
An aqueous copolymer zinc chloride solution (96% by weight of acrylonitrile and 4% by weight of methyl acrylate) was spun into a 12,000 filament precursor (1.9 dtex). This precursor was impregnated with a 0.2% by weight aqueous solution of polyethylene glycol and then treated in air at 245 ° C. for 1 hour. This carbon fiber had a fiber density of 1.7 g / cm ³ , a carbon content of 74% by weight, and an oxygen content of 6% by weight. This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter under hydrogenation conditions so as to have an average fiber length of 6 mm to obtain a chopped fiber with a bulk density of 0.6 g / cm ³ . The moisture content at this time was 20% by weight. The chopped fiber was dried at 70 ° C. under reduced pressure, cooled to 40 ° C., then returned to normal pressure, sealed with 20 kg of polyethylene impermeable bag, filled density 0.5 g / cm ³ , moisture content 4% by weight. When sealed and stored at 70 ° C., there was no temperature rise of the package due to heat storage, and the package could be stably stored for 6 months.
The manufacturing conditions, storage conditions, and results of the carbonaceous fiber package of Example 3 are shown in Table 1 below.
[0028]
Example 4
An aqueous copolymer zinc chloride solution (96% by weight of acrylonitrile and 4% by weight of methyl acrylate) was spun into a 12,000 filament precursor (1.9 dtex). This precursor was treated in an oil agent treatment bath comprising an aqueous solution containing 0.2% by weight of polyethylene glycol.
[0029]
This treated precursor was oxidized in air at 245 ° C. for 1 hour and then at 255 ° C. for 1 hour to obtain a flame resistant yarn having a density of 1.4 g / cm ³ . This was carbonized at 600 ° C. in nitrogen gas to obtain carbonaceous fibers having a density of 1.6 g / cm ³ . This carbonaceous fiber had a carbon content of 79% by weight and an oxygen content of 7% by weight.
[0030]
This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter under humidified conditions to an average fiber length of 10 mm to obtain a chopped fiber having a bulk density of 0.3 g / cm ³ . 20 kg of this chopped fiber was sealed with a polyethylene impermeable bag so as to have a filling density of 0.3 g / cm ³ and a moisture content of 5% by weight and stored at 70 ° C. There was no stable storage for 6 months.
The production conditions, storage conditions, and results of the carbonaceous fiber package of Example 4 are shown in Table 1 below.
[0031]
[Table 1]

[Comparative Example 1]
An aqueous copolymer zinc chloride solution (96% by weight of acrylonitrile and 4% by weight of methyl acrylate) was spun into a 12,000 filament precursor (1.9 dtex). This precursor was treated in an oil agent treatment bath comprising an aqueous solution containing 0.2% by weight of polyethylene glycol.
[0032]
This treated precursor was oxidized in air at 245 ° C. for 1 hour and then at 255 ° C. for 1 hour to obtain a flame resistant yarn having a density of 1.4 g / cm ³ . This was carbonized at 800 ° C. in nitrogen gas to obtain carbonaceous fibers having a density of 1.7 g / cm ³ . This carbonaceous fiber had a carbon content of 74% by weight and an oxygen content of 6% by weight.
[0033]
This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter under dry conditions to an average fiber length of 3 mm to obtain a chopped fiber having a bulk density of 0.2 g / cm ³ . 15kg of this chopped fiber is sealed with polyethylene impervious bag so that the packing density is 0.2g / cm ³ and the moisture content is 1% by weight, and is stored at 70 ° C. An increase in body temperature (80 ° C.) was observed.
The production conditions, storage conditions, and results of the carbonaceous fiber package of Comparative Example 1 are shown in Table 2 below.
[0034]
[Comparative Example 2]
A PAN-based precursor containing 6% by weight of a comonomer was flameproofed at 200 to 300 ° C. to obtain a flameproof yarn having a density of 1.4 g / cm ³ . By treating this at 600 ° C. in a nitrogen gas atmosphere, carbonaceous fibers having a density of 1.6 g / cm ³ were obtained. This carbonaceous fiber had a carbon content of 79% by weight and an oxygen content of 7% by weight.
[0035]
This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter under hydrogenation conditions to an average fiber length of 6 mm to obtain a chopped fiber having a bulk density of 0.6 g / cm ³ . The moisture content at this time was 20% by weight. The chopped fiber was dried at 70 ° C. to a moisture content of 1% by weight or less, and the temperature was not lowered, and 20 kg of the chopped fiber was sealed with a polyethylene impermeable bag so that the filling density was 0.2 g / cm ³ . When stored at 60 ° C., the temperature in the sealed body rose to 360 ° C. after one day due to heat accumulation, and smoke was seen.
The production conditions, storage conditions and results of the carbonaceous fiber package of Comparative Example 2 are shown in Table 2 below.
[0036]
[Comparative Example 3]
A PAN-based precursor containing 4% by weight of a comonomer was flameproofed at 200 to 300 ° C. to obtain a flameproof yarn having a density of 1.4 g / cm ³ . By treating this at 800 ° C. in a nitrogen gas atmosphere, a carbonaceous fiber having a density of 1.7 g / cm ³ was obtained. This carbonaceous fiber had a carbon content of 74% by weight and an oxygen content of 6% by weight.
[0037]
This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter under humidified conditions to an average fiber length of 6 mm to obtain a chopped fiber having a bulk density of 0.4 g / cm ³ . When 30 kg of this chopped fiber was sealed with a polyethylene impermeable bag so that the filling density was 0.5 g / cm ³ and the moisture content was 10% by weight and stored at 70 ° C., the temperature rise of the package due to heat storage was However, after 6 months, water spots were generated, and during the post-dispersion treatment, water spots (moisture unevenness) were generated.
The production conditions, storage conditions, and results of the carbonaceous fiber package of Comparative Example 3 are shown in Table 2 below.
[0038]
[Comparative Example 4]
An aqueous copolymer zinc chloride solution (96% by weight of acrylonitrile and 4% by weight of methyl acrylate) was spun into a 12,000 filament precursor (1.9 dtex). This precursor was treated in an oil agent treatment bath comprising an aqueous solution containing 0.2% by weight of polyethylene glycol.
[0039]
This treated precursor was oxidized in air at 245 ° C. for 1 hour and then at 255 ° C. for 1 hour to obtain a flame resistant yarn having a density of 1.4 g / cm ³ . This was carbonized at 800 ° C. in nitrogen gas to obtain carbonaceous fibers having a density of 1.7 g / cm ³ . This carbonaceous fiber had a carbon content of 74% by weight and an oxygen content of 6% by weight.
[0040]
This carbonaceous fiber was cut with a guillotine cutter under humidified conditions so as to have an average fiber length of 3 mm to obtain a chopped fiber having a bulk density of 0.2 g / cm ³ . 15 kg of this chopped fiber was put in a polyethylene impermeable bag, the filling density was 0.3 g / cm ³ , the moisture content was 5% by weight, the bag was released and stored at 70 ° C. After 10 days due to heat storage An increase in temperature (90 ° C.) was observed. The moisture content at this time was less than 1%.
The production conditions, storage conditions, and results of the carbonaceous fiber package of Comparative Example 4 are shown in Table 2 below.
[0041]
[Table 2]

[0042]
【The invention's effect】
According to the carbonaceous fiber package of the present invention, spontaneous ignition due to heat storage during storage can be prevented and safe storage can be achieved. Since the carbonaceous fiber package of the present invention maintains a moisture content of 3 to 8% by weight, it is easy to use.

Claims

A polyacrylonitrile-based carbonaceous fiber having a carbon content of 65 to 85% by weight and an average fiber length of 0.1 to 150 mm is filled with a moisture-impermeable film at a filling density of 0.1 to 0.5 g / cm ³ and a moisture content of 3 A carbonaceous fiber package that is hermetically sealed while maintaining 8% by weight.

A polyacrylonitrile-based carbonaceous fiber having a carbon content of 65 to 85% by weight and an average fiber length of 0.1 to 150 mm has a packing density of 0.1 to 0.5 g / cm. ^{3 Three} And the manufacturing method of the carbonaceous fiber package characterized by sealing with a moisture-impermeable film in the state which maintained the moisture content 3-8 weight%.