JP4317764B2 - ディスク媒体とその修理方法 - Google Patents
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Description
高密度化の一方法として、入射光ビームのスポット径を小さくし、対応する小サイズの記録ビットを記録、再生することが考えられる。ディスク媒体上に入射された光ビームのスポット径は、波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例するので、短波長化、高NA化を図ることによって、ビームスポットの小径化ができる。ここで、NAが大きくなれば焦点深度が浅くなるので、ディスクのチルトの点から従来のように基板側から光ビームの入射を行うのではなく、情報格納層側から直接光ビームを入射させることが必要となってくる。
また、浮上ヘッドを用いた場合に限らず、何らかの要因でディスク媒体の光入射面側に傷ついてしまうと、光が情報格納層まで到達しなくなったり、所定の場所に集光できなくなるため、このディスク媒体を使用することが不可能になる。
保護層がコート層の上に形成されるものであってもよいし、コート層が保護層の上に形成されるものであってもよい。
また、ディスク状基板は、例えば、ポリカーボネート樹脂やポリオレフィン系樹脂を用いて形成できる。
この場合、溶剤を蒸発しない程度に予め暖めておくと、さらに円滑に剥離できる。
また、ディスク媒体を溶剤に浸漬し、超音波を印加することによっても、容易にコート層を剥離できる。
なお、保護層は、浮上型ヘッドの接触による傷を防止するため、その硬度がH以上であることが望ましい。
カバー層の存在により、ディスク媒体の使用時に情報格納層が外傷からさらに強固に保護されると共に、コート層の剥離時に情報格納層が守られる。
カバー層は、保護層と同様の材料と方法を用いて形成することができる。
また、カバー層とコート層をスピンコート法を用いて形成する場合には、カバー層はディスク基板と同心の円形帯状領域に形成され、同様の理由によりカバー層の内周エッジがコート層の内周エッジから基板の中心の方向へ露出してなることが好ましい。
第1実施例
本発明に係るディスク媒体の第1実施例について図1および図2に基づいて説明する。本実施例では、ディスク媒体として、光磁気記録方式による光ディスクを用いている。
次に、本発明に係る光ディスクの作製方法について説明する。
このように形成した光ディスク1の表面に、情報格納層8にまで到達しない程度の深さでこすり傷をつけた。この場合、その傷のため、浮上型光学ヘッドが満足に浮上しないことが確認された。
さらに、ディスクをエタノール中に浸し、超音波を印加することによっても容易にコート層9と保護層10を剥離することができた。これも超音波によって密着性が劣化するためと考えられる。
また、この実施例では、繰り返し剥離、形成できるコート層9の材料としてアクリル系UV硬化樹脂を、保護層10の材料として硬質性UV硬化樹脂をそれぞれ用いたが、コート層の膜厚や材料もしくは、保護層の膜厚や材料はこの実施例に限定されるものではない。
本発明に係るディスク媒体の第2実施例について図3に基づいて説明する。本実施例でも、第1実施例と同様にディスク媒体として、光磁気記録方式による光ディスク1aを用いている。
本実施例は、第1実施例と同様に基板7の上に情報格納層8を形成後、新たにスピンコート法にて基板7と同心に円形帯状のカバー層11を形成したものである。カバー層11は、保護層10と同じ硬質性UV硬化樹脂からなっている。カバー層11を形成後は、実施例1と同様にコート層9および保護層10をスピンコート法で塗布する。コート層9の塗布時には、カバー層11の内周エッジにかからないように内周エッジよりも外周側から塗布する。また、カバー層11の膜厚としては、カバー層によって焦点距離が変化して入射光が光ディスク1a上に集光できなくならないようにするため、好ましくは5nm以下が良く、保護層10の膜厚と合わせて1nm以上5nm以下が望ましい。コート層9の膜厚は、第1実施例と同様に対物レンズ4を含めた光学系の設計によってよって決定されるものであり、1〜25μm程度である。例えばNA=0.85、波長405nmの場合、15μmの厚さで光学系を設計することができる。
また、保護層10は、第1実施例と同様にコート層9の内周エッジにかからないようにコート層9の内周エッジよりも外周側から塗布を行う。
また、カバー層11の膜厚や材料は本実施例に限定されるものではない。
本発明に係るディスク媒体の第3実施例について図4に基づいて説明する。本実施例でも、ディスク媒体として光磁気記録方式による光ディスク1bを用いている。
本実施例は第1実施例における保護層10を形成後、コート層9を形成したものである。
本実施例では、情報格納層8を形成後、実施例1と同様の方法でまず保護層10を形成し、続けてコート層9を形成した。
本実施例において、保護層10の膜厚としては、保護層10よって焦点距離が変化して入射光が光ディスク1b上に集光できなくならないようにするため、1nm以上5nm以下が望ましい。コート層9の膜厚は、第1実施例と同様に対物レンズ4を含めた光学系の設計によってよって決定されるものであり、1〜25μm程度である。例えばNA=0.85、波長405nmの場合、15μmの厚さで光学系を設計することができる。
また、コート層9は、保護層10の内周エッジにかからないように保護層10の内周エッジよりも外周側から塗布を行う。
このように作製した形成した光ディスク1bを用いて浮上型光学ヘッドが浮上することを確認し、実施例1と同様にコート層9を剥離した。剥離後、再度スピンコート法を用いてコート層9を塗布し、再度浮上型光学ヘッドの浮上安定性を確認したところ、安定した浮上特性が得られた。
本実施例によれば、コート層9を剥離しても、保護層10によって情報格納層8がむき出しにならないので、第2実施例より簡単な構成で情報格納層8を保護することができる。
第1〜第3実施例において、コート層および保護層、もしくはカバー層、コート層および保護層を形成後、さらに多層化することも可能である。
さらに例えば情報格納層の上にコート層のみを形成し、このコート層を繰り返し剥離、形成することも可能である。この場合は、1層のみのため製造工程が簡略になるという効果を有する。
また、保護層、コート層およびカバー層の剥離方法として、溶剤、熱、超音波を用いたが、情報格納層を破損させず、さらにディスク表面に汚れや傷を発生させない方法であれば、これらの方法に限られるものではない。
さらに近年、磁気ディスクにおいて、光による熱アシストを行なって高密度化を行う光アシスト磁気記録ディスクの研究が行われている。このような光アシスト磁気記録ディスクにおいても、光入射面側が損傷を受けると、所定の場所に集光できなくなる。また磁気ヘッドの浮上面側が損傷を受けると、磁気ヘッドの浮上特性に影響する。そこで、本発明に係る保護層と少なくとも1回以上剥離、形成できるコート層を形成することによって、光アシスト磁気記録ディスクを繰り返し使用することが可能となる。
2 浮上型光学ヘッド
3 サスペンション
4 対物レンズ
5 スライダ
6 光ビーム
7 基板
8 情報格納層
9 コート層
10 保護層
11 カバー層
Claims (8)
- 光を用いて情報の再生と記録と消去の少なくとも1つを行うディスク媒体において、ディスク状基板と、その基板表面に形成された情報格納層と、情報格納層の上に積層され溶剤の溶解作用によって剥離可能な透光性樹脂層を備えるディスク媒体。
- ディスク状基板がポリオレフィン系樹脂からなる請求項1に記載のディスク媒体。
- ディスク状基板の表面に形成された情報格納層に透光性樹脂層を積層した請求項1又は2に記載のディスク媒体において、溶媒の溶解作用を用いてディスク状基板から透光性樹脂層を剥離する工程と、ディスク状基板上に透光性樹脂を塗布して硬化させ新しい透光性樹脂層を形成する工程とを備えるディスク媒体の修理方法。
- 透光性樹脂層を剥離する工程が、ディスク媒体に溶剤を滴下して透光性樹脂層の密着性を弱めた後に剥離を行う工程からなる請求項3記載の修理方法。
- 透光性樹脂層を剥離する工程が、ディスク媒体を溶剤に浸漬し、溶剤に超音波を印加する工程からなる請求項3記載の修理方法。
- 透光性樹脂層を塗布する工程が、スピンコート法によって行われる請求項3記載の修理方法。
- 滴下される溶剤が予め常温以上の蒸発しない温度に加熱されている請求項4記載の修理方法。
- 透光性樹脂がアクリル系UV硬化樹脂であり、溶剤がエタノール又は
イソプロピルアルコールである請求項3〜7のいずれか1つに記載の修理方法。
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