JP4317429B2 - 光源光調節用の絞り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタや投光装置などの光源近傍位置に配置して好適な絞り装置に関する。
液晶パネル,DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)などを備えていたり、フィルムなどを使用する各種プロジェクタには、投影する室内の明るさに対応させて光源からの照明光量を変化させたり、何も投影していないときには一時的に照明光量を弱くしたりするために、光源自体の発光光量を変化させるのではなく、光源の近傍位置に絞り装置を配置して、その光路面積を変化させるようにしたものがある。そして、特に液晶プロジェクタの場合には、そのような絞り装置を使用することによって、液晶パネルの劣化を防止することもできることが知られている(特許文献1参照)。また、液晶プロジェクタに用いられる絞り装置の場合には、光路の開口面を、全開時における中心位置を中心にして変化させるのではなく、開口面を小さくした場合には、その開口面の中心位置が、全開時における中心位置からずれるようにしたものも知られている(特許文献2参照)。更に、舞台やスタジオなどで照明用に使用される投光装置には、光源から出射された光の投光範囲や投光形状を規制するために、光源の近傍位置に絞り装置を配置したものが知られている(特許文献3参照)。
ところで、上記のようなプロジェクタや投光装置は、光源から出射される熱線により、光源近傍ではかなりの高熱状態になる。そのため、プロジェクタや投光装置を開発する場合には、放熱対策や耐熱対策が常に大きな課題となっており、特許文献1に記載の絞り装置も、液晶パネルに対する熱対策として設けられている。しかしながら、それらの目的で設けた絞り装置であっても、光源光が強力で過熱状態になると、絞り装置は機能しなくなってしまうことがある。そのため、そのような場合には、光源と絞り装置との間に、主として光源からの赤外線をカットするために、特殊な構成をしたシャッタ等の保護手段を配置することが、特許文献3に記載されている。
特開2001−174910号公報 特開2001−13581号公報 特開平7−99002号公報
光源と絞り装置との間に、上記の特許文献3に記載されているような特別の保護手段を配置すれば、絞り装置の過熱は防止することが可能になる。しかしながら、プロジェクタの場合には、液晶プロジェクタなどのデータプロジェクタの出現に伴い、営業マンが商品のプレゼンテーションに持ち歩く機会が多くなっていて、小型で携帯性がよく且つ低廉なものが要求されているし、投光装置の場合にも、最近では、舞台照明にとどまらず、屋内・外での各種のディスプレイにも用いられるようになって種類も需要も増えてきており、やはり低廉で小型のものが多く要求されている。従って、そのような低廉化,小型化の要求に対しては、特許文献3に記載のような複雑な構成の保護手段を備えるのは適当でない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、従来のように光源と絞り装置との間に複雑な構成の保護手段を備えることなく、絞り装置自身の構成を工夫することによって絞り装置の過熱を抑制できるようにした、プロジェクタ等への設置に好適な光源光調節用の絞り装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の光源光調節用の絞り装置は、各々が光路用の開口部を有していて両者の間に羽根室を構成しており光源の近傍位置において一方を光源側にして配置される二つの地板と、前記羽根室内に配置されており駆動手段によって前記開口部に進退させられ絞り開口の大きさを規制する少なくとも一つの絞り羽根と、を備えていて、前記地板のうち光源側に配置される地板と前記絞り羽根とは、光源側の面にクロムメッキ処理が施されているか、マシナブルセラミックス材料で製作されているようにする。
その場合、前記絞り羽根が、両者とも前記羽根室内に配置されておりその各々が前記開口部の側方領域において前記地板の一方に対して一端が回転可能な二つのアームと該アームの両方に枢支された少なくとも1枚の羽根とからなっている第1絞り羽根及び第2絞り羽根と、から構成されており、それらの絞り羽根のほか、前記地板の一方に取り付けられていて駆動手段によって往復回転させられ前記第1絞り羽根のアームの一方を往復作動させることによって前記第1絞り羽根を前記開口部に進退させる第1開閉作動部材と、前記地板の一方に取り付けられていて前記第1開閉作動部材の回転を伝達手段によって伝達され前記第1開閉作動部材とは相反する方向へ回転させられて前記第2絞り羽根のアームの一方を往復作動させ前記第2絞り羽根を前記開口部に進退させる第2開閉作動部材と、を備えているようにすると、絞り開口を方形に制御する絞り装置として好適なものとなる。
また、前記第2開閉作動部材を備えておらず、前記伝達手段が、前記第1絞り羽根のアームの一方の回転を前記第2絞り羽根のアームの一方に伝達し、前記第1絞り羽根のアームの一方とは相反する方向へ前記第2絞り羽根のアームの一方を回転させるようにしてもよいし、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材とを備えておらず、前記駆動手段が、前記第1絞り羽根のアームの一方を直接往復作動させ、前記伝達手段は、前記第1絞り羽根のアームの一方の回転を前記第2絞り羽根のアームの一方に伝達し、前記第1絞り羽根のアームの一方とは相反する方向へ前記第2絞り羽根のアームの一方を回転させるようにしてもよい。
本発明の光源光調節用の絞り装置は、従来のように光源と絞り装置との間に複雑な構成の保護手段を備えることなく、光源側に配置されている地板と絞り羽根とが、光源側の面にクロムメッキを施されているか、マシナブルセラミックス材料で製作されているようにすることによって、装置の過熱を抑えることができるので、装置自体を大型化することなく、プロジェクタ等の機器内におけるスペース効率が向上する。
本発明の実施の形態を、図示した三つの実施例によって説明する。尚、図1〜図4は実施例1を説明するためのものであって、図1は光路用開口部の全開状態を示した正面図であり、図2は図1の要部断面図であり、図3は図1の背面図であり、図4は光路用開口部の絞り込み状態を示した正面図である。また、図5及び図6は実施例2を説明するためのものであって、図5は光路用開口部の絞り込み状態を示した正面図であり、図6は図5の要部断面図である。更に、図7は実施例3を説明するためのものであって、光路用開口部の絞り込み状態を示した正面図である。
先ず、本実施例の構成を説明する。第1地板1と第2地板2とは、略同じ形状をしており、光路用の方形をした開口部1a,2aの位置を合わせ、所定の間隔を空けて相互に取り付けられ、それらの間に後述する二つの絞り羽根の羽根室を構成している。そして、それらの地板1,2は、プロジェクタや投光装置の内部においては、後述するモータを熱から少しでも保護するために、第2地板2を光源側にして配置される。
そこで、図2を用い、二つの地板1,2の具体的な取付け方を説明しておく。第1地板1には、軸1b,1cが立設されていて、明示していないが、その先端近傍には全周にわたって環状の溝が形成されている。他方、第2地板2には、大小の開口部を連接して鍵穴状にした二つの孔2b,2cが形成されている。そこで、先ず、それらの二つの孔2b,2cの大きな開口部分に軸1b,1cの先端を嵌合させ、第2地板2を左方へ移動させると、二つの孔2b,2cの小さな開口部分の縁が軸1b,1cに形成された溝に食い込む。そして、そのようにしておいてから、四つのねじ3によって第2地板2を第1地板1に螺着している。
ところで、本実施例においては、上記の第2地板2が、マシナブルセラミックスで製作されている。このマシナブルセラミックスは、例えば、ロスナボード(商品名:有限会社タクミ産業)の場合、最小1mmまでの厚さに製作することが可能であって、しかも強度の点でも優れているほか、切断・穴あけなどの加工性にも優れていて、特に耐熱性(400〜800℃)に優れているのが特徴である。そのため、本実施例の場合には、光源側に配置され、常に光源光にさらされている第2地板2を、このような材料で平板状に製作してある。
また、同じように耐熱性を有するようにするためには、第2地板2を金属製の板材で製作し、その光源側の面に、熱線を反射することの可能な光沢を有するクロムメッキ(例えば、硬質クロムメッキや装飾クロムメッキなど)を施してもよく、特に、第2地板2の一部に曲げ形状などを必要とする場合には、そのようにするのが有利である。しかしながら、そのような曲げ形状が必要な場合であっても、多少のコストアップが許されるのであれば、第2地板2を、曲げ形状を有する金属製の板部材と、平板状のマシナブルセラミックスとの重合構成とするのも有効である。
図1に示されているように、第1地板1の表面側には、所定の間隔を空けて、モータ取付板4が四つのねじ5によって取り付けられている。また、このモータ取付板4は、二つの屈曲部4a,4bを有していて、それらには二つのねじ6によって、プリント配線板7が取り付けられている。更に、そのプリント配線板7には、二つのセンサ8,9が取り付けられている。これらのセンサ8,9は、フォトインタラプタと称されているセンサであって、発光部と受光部の間の光路が遮断されるとL信号を発し、遮断状態が解除されるとH信号を発するようになっている。これらのセンサ8,9は、羽根室内に配置されているが、それらのうちのセンサ8の配置状態が図2に示されている。
第1地板1とモータ取付板4の間には、第1作動部材10と第2作動部材11が配置されている。先ず、第1作動部材10は、ギア部10aと、符号を付けていない孔と、ピン10bとを有していると共に、軸10cを立設している。そして、図2に示されているように、軸10cは、第1地板1の孔に回転可能に嵌合されていて、その先端を、第2地板2の孔2dに回転可能に嵌合させている。また、ピン10bは、第1地板1に形成された円弧状の長孔1dを貫通して羽根室内に挿入されている。尚、上記の軸10cは、その先端面が光源側に露出しているが、光源光が直接当たるのは開口部2aの周辺部だけである。そのため、孔2dが貫通孔として形成されているが、もしも問題があるようであったら、孔2dを貫通しない孔にすればよい。
他方、第2作動部材11も、ギア部11aと、ピン11bとを有していると共に、軸11cを立設しているが、第1作動部材10における、上記の符号を付けていない孔に相当する孔は形成されていない。そして、軸11cは、上記の軸10cの場合と同様にして、第1地板1の孔に回転可能に嵌合され、その先端を、第2地板2の孔2eに回転可能に嵌合させていると共に、ギア部11aをギア部10aに噛合させ、第1作動部材とは相反する方向へ同じ回転角度だけ回転するようになっている。また、ピン11bは、第1地板1に形成された長孔1dのような図示していない円弧状の長孔を貫通して羽根室内に挿入されている。尚、第2地板2の孔2eを貫通していない孔にしてもよいことは、上記の孔2dの場合と同じである。
モータ取付板4には、モータが取り付けられている。このモータは、ムービングマグネット型モータなどと称されている電流制御式のモータであって、固定子コイルに対する通電方向に対応して、永久磁石製の回転子が、所定の角度範囲内でだけ往復回転するモータである。この種のモータの場合にも、固定子の構成の違いによって種々のタイプのものが知られているが、本実施例に用いられているモータは、最もよく知られたタイプのものである。したがって、あらためて説明するまでもないことではあるが、主に図2を用いて簡単に説明をしておく。尚、図2においては、構成を理解し易くするために、モータの断面だけを、図1の略右方向から見た状態で示したが、モータ取付板4に対する取付部の構成については、図1とは一致しない方法で示してある。
回転子12は、コップを伏せたような形状をしている第1固定子枠13と、略平板状をしている第2固定子枠14とで軸受けされており、コイル15は、それらの固定子枠13,14の軸受け部を囲むようにして巻回され、その外側に、円筒形のヨーク16が嵌装されている。そして、このモータは、第2固定子枠14に形成された二つの孔をモータ取付板4の位置決めピン4c,4dに嵌合させ、ねじ17,18によって取り付けられている。また、回転子12は、永久磁石製であるが、回転軸は合成樹脂製であって、その回転軸と平行になるようにして成形された出力ピン12aは、第2固定子枠14に形成されている円弧状の長孔14aと、モータ取付板4に形成されている円弧状の長孔4eを貫通して、上記した第1作動部材10の符号を付けていない孔に嵌合させている。更に、回転子12の回転軸の配置位置は、第1作動部材10の軸10cの位置と重なっている。そのため、第1作動部材10は、回転子12と共に同時に同じ方向へ同じ角度だけ回転するようになっている。
次に、羽根室内に配置されている第1絞り羽根と第2絞り羽根の構成を説明する。第1絞り羽根は、第1地板1側に配置された二つのアーム19,20と、それらよりも第2地板2側に配置された2枚の羽根21,22とで構成されている。それらのうち、アーム19は、その一端に形成した孔を、第1作動部材10の軸10cに回転可能に嵌合させており、アーム20は、その一端に形成した孔を、第1地板1に立設された軸1eに回転可能に嵌合させている。また、アーム19には孔が形成されていて、そこに第1作動部材10のピン10bが嵌合されている。そのため、このアーム19は、回転子12,第1作動部材10と共に、同時に同じ方向へ同じ回転角度で回転するようになっている。更に、アーム19には、スリットを有する遮光部19aが形成されていて、その遮光部19aをセンサ8の発光部と受光部との間に挿入させている。また、2枚の羽根21,22は、羽根21の方を第1地板1側にして配置されており、両者とも、アーム19,20の両方に対して、それぞれ連結軸部材によって回転可能に枢支されている。
他方、第2絞り羽根は、第1地板1側に配置された二つのアーム23,24と、それらより第2地板側に配置された1枚の羽根25とで構成されている。そして、アーム23は、その一端に形成した孔を、第2作動部材11の軸11cに回転可能に嵌合させており、アーム24は、その一端に形成した孔を、第1地板1に立設された軸1fに回転可能に嵌合させている。また、アーム23には孔が形成されていて、そこに第2作動部材11のピン11bが嵌合されている。そのため、このアーム23は、第2作動部材11と共に、同時に同じ方向へ同じ回転角度で回転するようになっている。更に、アーム23には、スリットを有する遮光部23aが形成されていて、その遮光部23aをセンサ9の発光部と受光部との間に挿入させている。また、羽根25は、アーム23,24の両方に対して、それぞれ連結軸部材によって回転可能に枢支されている。
ところで、本実施例においては、上記の羽根21,22,25が、第2地板2と同様なマシナブルセラミックスで製作されている。しかしながら、上記のように、金属製の板材で製作し、その光源側の面に、熱線を反射することの可能な光沢を有するクロムメッキを施すようにしても差し支えない。特に、羽根をアームに枢支するに際して、上記の連結軸部材の一端を羽根にかしめるような場合には、クロムメッキを施す方を採用するのが有利である。
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、開口部1a(2a)が全開となり、光路の開口面積が最大となっている状態を示したものである。このとき、モータのコイル15は、非通電状態となっているが、この種のモータにおいては周知のように、第1固定子枠13に設けられた図示していない磁性体部材と、回転子12の永久磁石との間に作用する吸引力によって、回転子12には、時計方向へ回転する力が付与されているが、その回転を図示していないストッパに阻止されて、この回転位置を保つようになっている。そのため、第1作動部材10と第1絞り羽根もこの状態を保つことができ、それによって、第2作動部材11と第2絞り羽根もこの状態を保っている。
この状態において、光源からの照明光量を弱くしたい場合には、モータのコイル15に対して正方向の電流を供給する。それによって、回転子12は、図1において反時計方向へ回転し、第1作動部材10を反時計方向へ回転させるので、第2作動部材11は、ギア部10a,11aからなる伝達手段を介して、時計方向へ回転させられる。従って、第1絞り羽根のアーム19と第2絞り羽根のアーム23とは相反する方向へ回転させられ、羽根21,22を下方へ移動させ、羽根25を上方へ移動させて、それぞれ開口部1aに進入させていく。そして、このとき、第1絞り羽根の2枚の羽根21,22は、それらの枢支位置が、アーム19,20の長さ方向に異なっているため、相互の重なりを小さくしつつ移動していくことになる。
その後、羽根21,22と羽根25とが所定の位置まで移動すると、図示していないストッパによって停止させられ、図4に示された絞り込み状態となる。そして、この状態においては、羽根21,22,25が、直接光源光にされされることになる。尚、図4は、モータ取付板4を第1地板1から取り外した状態を示したものであるが、モータの出力ピン12aとセンサ8,9についてだけは示してある。このようにして、図4に示した絞り込み状態になると、コイル15に対する通電が断たれる。しかしながら、そのように通電が断たれても、第1絞り羽根と第2絞り羽根は、この状態が確実に維持される。その理由は、この状態の場合には、第1固定子枠13に設けられた上記の図示していない磁性体部材と、回転子12の永久磁石との間に作用する吸引力によって、回転子12には、反時計方向へ回転する力が付与されているからである。
また、図4の状態から図1の状態に復帰させる場合には、モータのコイル15に対して上記とは逆方向へ電流を供給する。それによって、回転子12は、時計方向へ回転し、図4において、第1作動部材10を時計方向へ回転させるので、第2作動部材11は、反時計方向へ回転させられる。そのため、アーム19とアーム23とは相反する方向へ回転させられ、羽根21,22を上方へ移動させ、羽根25を下方へ移動させて、開口部1aから退かせる。そして、このときには第1絞り羽根の2枚の羽根21,22は、相互の重なりを大きくしつつ移動していくことになる。その後、羽根21,22と羽根25とが開口部1aを全開にすると、図示していないストッパによって停止させられ、その停止後に、コイル15に対する通電を断つと、図1の状態に復帰したことになる。
ここで、センサ8,9の役目について説明をしておく。図1の状態においては、センサ8は、その光路をアーム19の遮光部19aによって遮光され、L信号を発しているが、センサ9の場合は、アーム23の遮光部23aに形成されたスリットが光路内にあり、H信号を発している。また、図4の状態においては、逆に、センサ8は、光路内に遮光部19aに形成されたスリットがあって、H信号を発しており、センサ9は、アーム23の遮光部23aによって遮光され、L信号を発している。このように、開口部1aの全開状態では、センサ8がL信号を発し、センサ9がH信号を発するようになっていて、絞り込み状態では、センサ8がH信号を発し、センサ9がL信号を発するようになっている。このことから、それらの信号によって、プロジェクタなどの内部において、現在、絞り羽根がどのような状態になっているかを知ることができるようになっている。また、例えば、モータを回転させて、絞り込み状態にしたにもかかわらず、センサ8からH信号が発せられず、センサ9からL信号が発せられない場合には、回路上か、機構上に何らかのトラブルが発生していることを知ることもできるようになっている。このことは、後記する実施例2や実施例3の場合も同じである。
このように、本実施例の場合には、回転子12の回転により、第1作動部材10を回転させ、その第1作動部材10によって第1絞り羽根のアーム19を回転させている。また、第1作動部材10の回転は、ギア部10a,11aからなる伝達手段によって第2作動部材11に伝えられ、その第2作動部材11によって第2絞り羽根のアーム23を回転させている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。即ち、回転子12が第1作動部材10を回転させるのではなく、第2作動部材11の方を回転させるように構成しても差し支えない。また、ギア部10a,11aに相当する各ギア部を、アーム19,23に直接形成し、それらを噛合させた構成にしても差し支えない。そのように構成した場合には、第2作動部材11が不要になるが、第1地板1に、アーム23の回転軸を設けなければならなくなることは言うまでもない。また、そのようにアーム19,23にギア部を形成し、それらを噛合させるようにした場合には、回転子12の出力ピン12aを、アーム19に設けた孔に直接嵌合させることによって、第1作動部材10も不要にすることが可能になる。
次に、図5,図6を用いて実施例2を説明する。図5は、上記の図4と同様な絞り込み状態を示したものであり、実施例1の部材,部位と実質的に同じものには、同じ符号を付けてある。また、本実施例の場合にも、実施例1と同様に光源側に配置されている第2地板2と、羽根21,22,25は、マシナブルセラミックスで製作されているが、それらを金属製として、光源側の面にクロムメッキを施すようにしても差し支えないものである。そのため、実施例1の構成と異なる点についてだけ、構成の説明をすることにする。
本実施例の場合にも、駆動手段は、実施例1の場合と同じ構成をしたムービングマグネット型モータであるが、図5は、上記の図4と同様に、モータ取付板4を取り外した状態で示したものである。そのため、図5においては、回転子12(二点鎖線)と、その出力ピン12aだけが示されている。また、この図5から分かるように、本実施例の場合には、第1地板1とモータ取付板4との間に、上記のような第1作動部材10と第2作動部材11とが配置されていない。そして、出力ピン12aは、第1地板1に形成された円弧状の長孔1gを貫通し、羽根室内において、第2絞り羽根のアーム23に形成された孔に、回転可能に嵌合している。
羽根室内に配置されている第1絞り羽根のアーム19と第2絞り羽根のアーム23とは、実施例1の場合とは異なる形状をしていて、両者は、実施例1の場合とは異なる構成の伝達手段によって連結されている。即ち、アーム19は、第1地板1に設けられた軸1hに、回転可能に取り付けられていて、遮光部19aのほかに張出部19bを形成し、そこに長孔19cを有している。また、アーム23は、第1地板1に設けられた軸1iに、回転可能に取り付けられていて、遮光部23aのほかに張出部23bを形成し、そこにピン23cを設けて、上記の長孔19cに嵌合させている。そして、図6には、そのような長孔19cとピン23cとの具体的な連結構成が示されている。即ち、ピン23cは、その一端を張出部23bにかしめられており、そこに長孔19cを嵌合させ、その上から平座金26を嵌合させて、最後に、ピン23cの先端近傍において全周にわたって形成されている環状の溝に、止め輪(Eリング)を嵌め込んでいる。
次に、本実施例の作動を説明するが、実施例1の作動説明と重複する点については、簡略化して説明する。図5は、絞り込み状態である。このとき、モータのコイル15は非通電状態であるが、モータの構成によって、この状態が維持されている。そして、この状態においては、羽根21,22,25が、直接光源光にされされている。この状態において、光源からの照明光量を強くしたい場合には、モータのコイル15に対して逆方向の電流を供給する。それによって、回転子12は、図5において反時計方向へ回転し、第2絞り羽根のアーム23を反時計方向へ回転させるが、アーム19とアーム23とは、長孔19cとピン23cによって連結されているので、アーム23は、アーム19を時計方向へ回転させることになる。そのため、アーム19とアーム23とは相反する方向へ回転し、羽根21,22を上方へ移動させ、羽根25を下方へ移動させて、開口部1aから退かせる。その後、開口部1aを全開にすると、図示していないストッパによって停止させられ、コイル15に対する通電が断たれる。また、そのような全開状態から、図5に示された絞り込み状態にするためには、コイル15に対して正方向の電流を供給することになるが、その場合の作動は上記の場合と逆に行われることになるので、説明を省略する。
このように、本実施例の場合には、回転子12の回転により、第2絞り羽根のアーム23を直接回転させている。また、アーム23の回転は、長孔19cとピン23cの連結構成によって、アーム19に伝達されている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。即ち、長孔19cに相当する長孔をアーム23に形成し、ピン23cに相当するピンをアーム19に設けるようにしても差し支えない。また、回転子12がアーム23を回転させるのではなく、アーム19の方を回転させるように構成しても差し支えない。また、本実施例の場合には、回転子12が、直接アーム23を回転させているが、実施例1における第2作動部材11を設け、その第2作動部材11を介して回転させるようにしても差し支えない。但し、その場合の第2作動部材11には、ギア部11aが不要となる。更に、実施例1のようにして、第1作動部材10と第2作動部材11とを設け、ギア部10a,11aの代わりに、それらの一方に、長孔19cに相当する長孔を形成し、他方にピン23cに相当するピンを設けるようにしても差し支えない。
次に、図7を用いて実施例3を説明する。図7は、図4と同様な絞り込み状態を示したものであり、実施例1の部材,部位と実質的に同じものには、同じ符号を付けてある。また、本実施例の場合にも、また、本実施例の場合にも、実施例1と同様に光源側に配置されている第2地板2と、羽根21,22,25は、マシナブルセラミックスで製作されているが、それらを金属製として、光源側の面にクロムメッキを施すようにしても差し支えないものである。そのため、実施例1の構成と異なる点についてだけ、構成の説明をすることにする。
本実施例の場合にも、駆動手段は、実施例1の場合と同じ構成をしたムービングマグネット型モータであるが、図7は、モータ取付板4を取り外した状態で示したものであるから、モータの構成部材は示されていない。また、本実施例の場合には、実施例1における第1作動部材10は設けられていないが、第2作動部材11は設けられていて、図7においては、その第2作動部材11のピン11bと軸11cだけが示されている。しかしながら、第2作動部材11はギア部11aを有しておらず、そのピン11bは、第1地板1に形成された円弧状の長孔1jを貫通し、羽根室内において、アーム23の孔に、回転可能に嵌合している。従って、本実施例の場合には、モータが第2作動部材11側に配置されていて、その回転子12が第2作動部材11を回転させ、その第2作動部材がアーム23を回転させるようになっている。
羽根室内に配置されている第1絞り羽根のアーム19は、実施例2の場合と同様に、第1地板1の軸1hに回転可能に取り付けられており、第2絞り羽根のアーム23は、実施例1の場合と同様に、第2作動部材11の軸11に回転可能に取り付けられている。また、これらのアーム19,23には、実施例2の場合のように、遮光部19a,23aのほかに張出部19b,23bが形成されており、それらの張出部19b,23bの先端部が、伝達手段としてのリンク部材28によって連結されている。そして、それらの連結構成は、リンク部材28に設けられた軸28a,28bを、張出部19b,23bに形成されている孔に回転可能に嵌合させ、実施例2における止め輪27に相当する部材によって抜け止めがなされている。
次に、本実施例の作動を説明するが、実施例1の作動説明と重複する点については、簡略化して説明する。図7は、絞り込み状態である。このとき、モータのコイル15は非通電状態であるが、既に説明したモータの構成によって、この状態が維持されている。そして、この状態においては、羽根21,22,25が、直接光源光にされされている。この状態において、光源からの照明光量を強くしたい場合には、モータのコイル15に対して逆方向の電流を供給する。それによって、回転子12は、図7において反時計方向へ回転し、第2作動部材11を介して第2絞り羽根のアーム23を反時計方向へ回転させるが、アーム19とアーム23とは、リンク部材28によって連結されているので、アーム23は、アーム19を時計方向へ回転させることになる。そのため、アーム19とアーム23とは相反する方向へ回転し、羽根21,22を上方へ移動させ、羽根25を下方へ移動させて、開口部1aから退かせる。その後、開口部1aを全開にすると、図示していないストッパによって停止させられ、コイル15に対する通電が断たれる。また、そのような全開状態から、図7に示された絞り込み状態にするためには、コイル15に対して正方向の電流を供給することになるが、その場合の作動は上記の場合と逆に行われることになるので、説明を省略する。
このように、本実施例の場合には、回転子12の回転により、第2作動部材11を介して第2絞り羽根のアーム23を回転させている。また、アーム23の回転は、リンク部材28を介して、アーム19に伝達されている。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。即ち、本実施例の場合には、回転子12が、第2作動部材11を介してアーム23を回転させているが、第2作動部材11を設けることなく、アーム23を直接回転させるようにしても差し支えない。また、回転子12が第2作動部材11を介してアーム23を回転させるのではなく、第2作動部材11を設けずに第1作動部材10を設けるようにし、その第1作動部材10を介してアーム19の方を回転させるように構成しても差し支えない。更に、実施例1のようにして、第1作動部材10と第2作動部材11とを設け、ギア部10a,11aの代わりに、両者を、リンク部材28に相当するリンク部材で連結するようにしても差し支えない。
ところで、上記の各実施例の場合には、駆動手段として、電流制御式のムービングマグネット型モータを用いているが、手動によって第1作動部材10又は第2作動部材11を回転させるようにしてもよいし、ステップモータやDCモータなどの電磁駆動装置を駆動手段としても差し支えない。そして、ステップモータやDCモータなどを使用する場合には、減速歯車機構をも備えているようにするとよい。また、上記の各実施例においては、光路面積を、開口部1aを全開にした状態と、絞り込み状態の二つを選択できるようにしているが、手動やステップモータなどを使用した場合には、それらの間で停止させ、さらに一つ以上の光路面積を選択することができるようになる。また、上記の各実施例の場合には、絞り開口が、常に方形になるように制御しているが、二つの絞り羽根の構成を、従来からよく知られているような、例えば、各々1枚ずつの羽根だけで構成されていて、方形ではない絞り開口を制御する絞り装置としても差し支えない。そして、それらのようにしたものは、全て本発明の実施態様である。
更に、上記の各実施例の場合は、第1絞り羽根が2枚の羽根21,22を有している。これは、第1絞り羽根が開口部1aから退いたとき、2枚の羽根21,22を重合させ、第2絞り羽根のように1枚の場合よりも格納スペースが小さくて済むようにするためである。それを3枚構成にすれば、もっと格納スペースは小さくなる。そして、このような構成は、第2絞り羽根にも適用できることは言うまでもない。また、上記の各実施例の場合には、アーム19とアーム23が相反する方向へ回転するが、その回転角度は同じである。しかしながら、それらの回転角度が異なるようにすれば、絞り込み状態における方形の開口面積の中心が、開口部1aの中心の上下方向にずれるようにすることもできる。そのようにするための具体的な構成としては、実施例1の場合で言えば、二つの作動部材10,11のギア部10a,11aのピッチ円の半径を異なるようにすればよいし、実施例2及び実施例3の場合で言えば、二つのアーム19,23の回転軸1h,1iからの張出部19b,23bの長さ(連結部までの長さ)が異なるようにすればよい。そして、それらのようにしたものも、全て本発明の実施態様である。
尚、上記の各実施例の説明からも明りょうなように、駆動手段によって直接作動されるのは、第1作動部材10であってもよいし、第2作動部材11であってもよい。そのため、特許請求の範囲に記載の第1作動部材は、実施例における第1作動部材10に限定されず、第2作動部材11の場合もあることになる。同様なことから、特許請求の範囲に記載の第1絞り羽根は、実施例における第1絞り羽根の場合もあるし、第2絞り羽根の場合もあるということになる。
光路用開口部の全開状態を示した実施例1の正面図である。 図1の要部断面図である。 図1の背面図である。 光路用開口部の絞り込み状態を示した実施例1の正面図である。 光路用開口部の絞り込み状態を示した実施例2の正面図である。 図5の要部断面図である。 光路用開口部の絞り込み状態を示した実施例3の正面図である。
符号の説明
1 第1地板
1a,2a 開口部
1b,1c,1e,1f,1h,1i,10c,11c,28a,28b 軸
1d,1g,1j,4e,14a,19c 長孔
2 第2地板
2b,2c,2d,2e 孔
3,5,6,17,18 ねじ
4 モータ取付板
4a,4b 屈曲部
4c,4d 位置決めピン
7 プリント配線板
8,9 センサ
10 第1作動部材
10a,11a ギア部
10b,11b,23b ピン
11 第2作動部材
12 回転子
12a 出力ピン
13 第1固定子枠
14 第2固定子枠
15 コイル
16 ヨーク
19,20,23,24 アーム
19a,23a 遮光部
19b,23b 張出部
21,22,25 羽根
26 平座金
27 止め輪
28 リンク部材

Claims (4)

  1. 各々が光路用の開口部を有していて両者の間に羽根室を構成しており光源の近傍位置において一方を光源側にして配置される二つの地板と、前記羽根室内に配置されており駆動手段によって前記開口部に進退させられ絞り開口の大きさを規制する少なくとも一つの絞り羽根と、を備えていて、前記地板のうち光源側に配置される地板と前記絞り羽根とは、光源側の面にクロムメッキが施されているか、マシナブルセラミックス材料で製作されていることを特徴とする光源光調節用の絞り装置。
  2. 前記絞り羽根が、両者とも前記羽根室内に配置されておりその各々が前記開口部の側方領域において前記地板の一方に対して一端が回転可能な二つのアームと該アームの両方に枢支された少なくとも1枚の羽根とからなっている第1絞り羽根及び第2絞り羽根と、から構成されており、それらの絞り羽根のほか、前記地板の一方に取り付けられていて駆動手段によって往復回転させられ前記第1絞り羽根のアームの一方を往復作動させることによって前記第1絞り羽根を前記開口部に進退させる第1開閉作動部材と、前記地板の一方に取り付けられていて前記第1開閉作動部材の回転を伝達手段によって伝達され前記第1開閉作動部材とは相反する方向へ回転させられて前記第2絞り羽根のアームの一方を往復作動させ前記第2絞り羽根を前記開口部に進退させる第2開閉作動部材と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光源光調節用の絞り装置。
  3. 前記第2開閉作動部材を備えておらず、前記伝達手段が、前記第1絞り羽根のアームの一方の回転を前記第2絞り羽根のアームの一方に伝達し、前記第1絞り羽根のアームの一方とは相反する方向へ前記第2絞り羽根のアームの一方を回転させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の光源光調節用の絞り装置。
  4. 前記第1開閉部材と前記第2開閉部材とを備えておらず、前記駆動手段が、前記第1絞り羽根のアームの一方を直接往復作動させ、前記伝達手段は、前記第1絞り羽根のアームの一方の回転を前記第2絞り羽根のアームの一方に伝達し、前記第1絞り羽根のアームの一方とは相反する方向へ前記第2絞り羽根のアームの一方を回転させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の光源光調節用の絞り装置。
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