JP4316243B2 - 電力設備監視装置およびその監視方法 - Google Patents

電力設備監視装置およびその監視方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力設備の運転・動作状態を監視する監視装置およびその監視方法に係り、特に、遮断器および断路器等の開閉器の動作状態(入/切)を監視する電力設備監視装置およびその監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力設備に備えられる遮断器および断路器等の開閉機器の動作状態の監視は、開閉機器の動作状態と連動して接点を切り替える接点部を設け、この接点情報を監視することでなされるのが一般的である。
【0003】
図23に従来の電力設備監視装置の一例として、開閉機器の監視装置のブロック構成図を示す。
【0004】
図23に示される開閉機器の監視装置(以下、監視装置とする)1は、監視対象である開閉機器が三相交流回路内に設けられる遮断器であり、遮断器の投入(入)および引外し(切)の動作状態を監視する装置である。
【0005】
監視装置1には、投入または引外し指令信号のいずれかの指令信号が入力される。遮断器を投入状態(入)にする際は、動作接点2A,2B,2Cが閉じて投入コイル3A,3B,3Cを流れる電流を投入指令信号として投入側変流器(以下、投入側CTとする)4A,4B,4Cで検出する。そして、投入側CT4A,4B,4Cで検出された電流が監視装置1に入力される。
【0006】
一方、遮断器を引出し状態(切)にする際は、動作接点5A,5B,5Cが閉じて引出しコイル6A,6B,6Cを流れる電流を引出し指令信号として引出し側変流器(以下、引出し側CTとする)7A,7B,7Cで検出する。そして、引出し側CT7A,7B,7Cで検出された電流が監視装置1に入力される。
【0007】
また、監視装置1には、遮断器の開閉動作と連動して接点を切り替えることで、遮断器の開閉状態を検出する接点部8A,8B,8Cからの電流も動作状態検出信号として入力される。
【0008】
接点部8A,8B,8Cの構成概略について説明する。図23には、代表として接点部8Aのみが詳細に図示されている。しかし、接点部8B,8Cの構成についても接点部8Aの構成と本質的に同じであるため、接点部8B,8Cについては、図23においてその説明を省略する。
【0009】
接点部8Aは、投入状態(入)で導通する第1の接点9Aと引出し状態(切)で導通する第2の接点10Aとを備えており、遮断器の開閉動作と連動して第1の接点9Aと第2の接点10Aとが切り替わるように構成される。また、接点部8B,8Cについても、接点部8Aと同様に構成される。
【0010】
監視装置1は、入力される投入または引出しの指令信号と、遮断器の開閉動作と連動する接点部8A,8B,8Cで検出される動作状態検出信号とを監視することで、遮断器の監視を行っている。
【0011】
上述した開閉機器の監視装置の一例は、特開平10−130859号公報に掲載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−130859号公報([0001],[0014]〜[000026],[図1])
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
電力設備を構成する遮断器および断路器等の開閉器は、一般に電力供給の重要構成機器であり、高電圧機器である。従来の監視装置およびその監視方法を適用し、例えば、監視装置の増設等の必要が生じた場合は、開閉器の動作状態、すなわち、投入または引出し状態にあるかを取得するための補助接点数を増加する必要がある。
【0014】
しかし、補助接点の増設は、当該電力設備を停電させた上で電力設備の主回路機器の改造工事が必要となる。このため、設備停止に係る長期間の電力供給計画の作成、工事工程調整、停電と多大な労力を要する。また、停電作業による電力供給制約の発生による生産活動の制約、停止を余儀なくされる。従って、監視装置の増設等に必要な経費は多大となる問題があった。
【0015】
一方、監視装置側にてリレー増幅等の方法によって必要な接点数を増設する方法もあるが、この場合においても、複雑な回路構成を有する監視装置の改造工事は緻密な事前調査と改造作業が必要となる。従って、主回路機器の停電を必要とする場合に匹敵する労力と工事費用が必要となる問題があった。
【0016】
また、主回路機器側および監視装置側で改造工事が労力および費用的に可能な場合でも、対象電力設備および対象監視装置の製作年代等によっては、代替供給を含む部品供給ができずに、改造工事が不可能なこともあり得る。つまり、主回路機器側および監視装置側の少なくとも一方の接点を増加する改造工事では、監視装置の増設は実現不可能となる。
【0017】
主回路機器側および監視装置側の少なくとも一方の接点を増加する改造工事で対応できない場合は、主回路機器側および監視装置側の少なくとも一方を新規設備に交換せざるを得ないので、さらに大規模工事が必要となる問題があった。
【0018】
上述した問題、すなわち、労力増大を含めて工事費用が多大となる問題は、監視装置の増設が必要となった際における実現上の阻害要因となっている。また、近年その必要性が急速に増大しつつある、パソコンおよびネットワーク等のIT技術を応用した電力設備の運転状態の監視および生産機器管理の自動化、省力化を阻害する要因ともなっている。
【0019】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、例えば、遮断器および開閉器といった開閉装置等の電力設備を構成する主要機器の運転・動作状態を監視する監視装置の増設に必要な労力および経費の低減を図った電力設備監視装置およびその監視方法を提供することを目的とする。
【0020】
また、その他の目的は、監視装置の増設時のみならず、新設時においても必要な労力および経費の低減を図った電力設備監視装置およびその監視方法を提供することにある。
【0021】
さらに、その他の目的は、監視装置増設等の工事に必要な労力および経費の低減を図り、近年その必要性が急速に増大しつつある、パソコンおよびネットワーク等のIT技術を応用した電力設備の運転状態の監視並びに生産機器管理の自動化および省力化を促進する一助とすることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電力設備監視装置は、上述した課題を解決するため、請求項1に記載されるように、電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切りの切替操作を行う切替操作手段から前記電力設備の入り切り状態を検出する入り切り状態検出手段と、この入り切り状態検出手段で検出した前記電力設備の入り切り状態に基づき入り切り状態判別信号を出力する入り切り状態判別手段と、この入り切り状態判別手段から出力された入り切り状態判別信号を演算処理して前記電力設備の入り切り状態を表示する演算処理手段とを具備し、前記切替操作手段は、前記電力設備の入り切りの切替操作を行う操作器と、前記電力設備の入り切りの切替操作に伴い可動盤が可動して前記電力設備の入り切り状態を表示する入り切り状態表示部とを備え、前記入り切り状態検出手段は、前記可動盤の位置を接触するか否かで探知する探知部と、この探知部を固定して保持する固定台座とを備え、前記探知部が前記電力設備の入り切りの切替に伴う前記可動盤の可動に応じて前記可動盤と接離するように前記切替操作手段の本体に取り付け固定されることを特徴とする。
【0031】
述した課題を解決するため、本発明に係る電力設備監視装置は、請求項に記載されるように、電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切りの切替操作を行う切替操作手段から前記電力設備の入り切り状態を検出する入り切り状態検出手段と、この入り切り状態検出手段で検出した前記電力設備の入り切り状態に基づき入り切り状態判別信号を出力する入り切り状態判別手段と、この入り切り状態判別手段から出力された入り切り状態判別信号を演算処理して前記電力設備の入り切り状態を表示する演算処理手段とを具備し、前記切替操作手段は、前記電力設備の入り切りの切替操作を行う操作器と、前記電力設備の入り切りの切替操作に伴い可動盤が可動して前記電力設備の入り切り状態を表示する入り切り状態表示部とを備え、前記入り切り状態検出手段は、流体リレーであり、この流体リレーは、前記可動盤面上に取り付け固定され、前記電力設備の入り切りの切替に伴う前記可動盤の可動に応じて前記流体リレーに設けられた2つの接点の導通状態の変化を検出することで、前記電力設備の入り切り状態を検出することを特徴とする。
【0032】
また、上述した課題を解決するため、本発明に係る電力設備監視装置は、請求項に記載されるように、電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切りの切替操作を行う切替操作手段から前記電力設備の入り切り状態を検出する入り切り状態検出手段と、この入り切り状態検出手段で検出した前記電力設備の入り切り状態に基づき入り切り状態判別信号を出力する入り切り状態判別手段と、この入り切り状態判別手段から出力された入り切り状態判別信号を演算処理して前記電力設備の入り切り状態を表示する演算処理手段とを具備し、前記切替操作手段は、前記電力設備の入り切りの切替操作を行う操作器と、前記電力設備の入り切りの切替操作に伴い可動盤が可動して前記電力設備の入り切り状態を表示する入り切り状態表示部とを備え、前記入り切り状態検出手段は、磁気を発する磁気発生部と、この磁気発生部から発せられる磁気を検出して磁気−電気変換をする磁気−電気変換部とを備え、前記磁気発生部は前記可動盤面上に、前記磁気−電気変換部は前記磁気発生部が発する磁気を検出可能な位置に取り付け固定して、前記電力設備の入り切りの切替に伴う前記可動盤の可動に応じて前記磁気−電気変換部で変換される電圧値の違いを検出することで、前記電力設備の入り切り状態を検出することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る電力設備監視方法は、上述した課題を解決するため、請求項に記載されるように、電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切り状態を遠隔監視するため、前記電力設備の入り切り状態を取得可能な入り切り状態判別情報取得手段と前記電力設備とを接続する電力設備監視準備ステップと、前記入り切り状態判別情報取得手段で前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップと、この電力設備運転・動作状態取得ステップで取得した前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を演算処理手段で演算処理して表示手段に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを具備し、前記電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段を前記電力設備の切替操作手段に取り付ける入り切り状態検出手段取り付けステップであり、前記電力設備運転・動作状態取得ステップは、前記電力設備の入り切り状態を入り切り状態検出手段で検出する入り切り状態検出ステップと、この入り切り状態検出ステップで検出した前記電力設備の入り切り状態が入か切かを判別する入り切り状態判別ステップとを備え、前記入り切り状態検出手段取り付けステップは、前記切替操作手段に備えられる入り切り状態表示部の可動盤の可動に応じて、前記可動盤と前記入り切り状態検出手段が備える探知部とが接離するように、前記切替操作手段の面上に前記入り切り状態検出手段が備える固定台座を取り付け固定するステップであり、前記入り切り状態検出ステップは、前記入り切り状態検出手段で前記可動盤と前記探知部とが接触しているか否かの接触状態を検出するステップであり、前記入り切り状態判別ステップは、前記入り切り状態検出ステップで検出した前記可動盤と前記探知部との接触状態を判別することで、前記電力設備の入り切り状態が入りか切りかを判別するステップであることを特徴とする。
【0040】
述した課題を解決するため、本発明に係る電力設備監視方法は、請求項に記載されるように、電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切り状態を遠隔監視するため、前記電力設備の入り切り状態を取得可能な入り切り状態判別情報取得手段と前記電力設備とを接続する電力設備監視準備ステップと、前記入り切り状態判別情報取得手段で前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップと、この電力設備運転・動作状態取得ステップで取得した前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を演算処理手段で演算処理して表示手段に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを具備し、前記電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段を前記電力設備の切替操作手段に取り付ける入り切り状態検出手段取り付けステップであり、前記電力設備運転・動作状態取得ステップは、前記電力設備の入り切り状態を入り切り状態検出手段で検出する入り切り状態検出ステップと、この入り切り状態検出ステップで検出した前記電力設備の入り切り状態が入か切かを判別する入り切り状態判別ステップとを備え、前記入り切り状態検出手段取り付けステップは、流体リレーを前記切替操作手段に備えられる入り切り状態表示部の可動盤の可動に応じて前記流体リレーに設けられる2つの接点間の導通状態が切り替わるように前記可動盤の面上に取り付け固定するステップであり、前記入り切り状態検出ステップは、前記入り切り状態検出手段で前記可動盤と前記探知部とが接触しているか否かの接触状態を検出するステップであり、前記入り切り状態判別ステップは、前記入り切り状態検出ステップで検出した前記可動盤と前記探知部との接触状態を判別することで、前記電力設備の入り切り状態が入りか切りかを判別するステップであることを特徴とする。
【0041】
さらに、上述した課題を解決するため、本発明に係る電力設備監視方法は、請求項に記載されるように、電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切り状態を遠隔監視するため、前記電力設備の入り切り状態を取得可能な入り切り状態判別情報取得手段と前記電力設備とを接続する電力設備監視準備ステップと、前記入り切り状態判別情報取得手段で前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップと、この電力設備運転・動作状態取得ステップで取得した前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を演算処理手段で演算処理して表示手段に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを具備し、前記電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段を前記電力設備の切替操作手段に取り付ける入り切り状態検出手段取り付けステップであり、前記電力設備運転・動作状態取得ステップは、前記電力設備の入り切り状態を入り切り状態検出手段で検出する入り切り状態検出ステップと、この入り切り状態検出ステップで検出した前記電力設備の入り切り状態が入か切かを判別する入り切り状態判別ステップとを備え、前記入り切り状態検出手段取り付けステップは、前記入り切り状態検出手段が備える磁気発生部を前記切替操作手段に備えられる入り切り状態表示部の可動盤の面上に、前記入り切り状態検出手段が備える磁気−電気変換部を前記磁気発生部が発する磁気を検出可能な位置に取り付け固定するステップであり、前記入り切り状態検出ステップは、前記磁気発生部が発する磁力を前記磁気−電気変換部で検出し磁気−電気変換して生成される電気信号に基づいて前記可動盤の表示が入りか切りかを検出するステップであり、前記入り切り状態判別ステップは、前記入り切り状態検出ステップで検出した前記可動盤の表示が入りか切りかを判別することで、前記電力設備の入り切り状態が入りか切りかを判別するステップであることを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る電力設備監視装置およびその監視方法について図面を参照して説明する。
【0044】
[第1の実施形態]
図1に本発明の第1実施形態に係る電力設備監視装置20の一例を監視対象である電力設備(以下、監視対象とする)21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。ここでは、遮断器、断路器などの開閉器を電力設備と称している。
【0045】
図1に示される電力設備監視装置20は、監視対象21により電気供給が行われているか否かを示す入り切り状態(以下、入/切状態と簡略して記す)判別基本情報として電圧測定を行う入/切状態判別情報取得手段としての電圧測定手段22と、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換(以下、A/D変換とする)手段23と、入力された情報に基づき演算処理して結果を表示する演算処理手段24とを具備する。
【0046】
電力設備監視装置20は、監視対象21と、監視対象21の運転・動作状態、すなわち、入/切状態の切替と連動して動作する接点部27と監視対象21の運転・動作状態を示す表示部としての表示灯28とを備える電力設備監視用表示灯回路(以下、表示灯回路とする)29とを電気的に接続して、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動する電圧信号を検知し取得することで監視対象21の運転・動作状態を遠隔で監視する。
【0047】
電力設備監視装置20に具備される電圧測定手段22は、測定したい電圧をコネクタ30で電気的に接続して2点間の電圧を測定する。また、電圧測定手段22は、例えば、3チャンネル等の複数個の測定チャンネルを有し、複数箇所の電圧を測定することができる。A/D変換手段23は、電圧測定手段22で取得したアナログ電圧信号をA/D変換して、デジタル電圧信号に変換して出力する。演算処理手段24には、A/D変換手段23でA/D変換して出力されたデジタル電圧信号が入力される。
【0048】
演算処理手段24は、外部機器とのインターフェースであるインターフェース部(以下、I/F部とする)31と、データ等を記録する記録手段32と、演算処理を行うプロセッサ33と、演算処理用のメモリ35と、電力設備監視装置20の監視者(以下、監視者とする)が演算処理手段24に操作入力する入力手段36と、プロセッサ33の演算処理結果を表示する表示手段37とを備える。
【0049】
また、演算処理手段24は、A/D変換手段23から出力されたデジタル電圧信号を演算処理して、監視対象21内の断路器または遮断器等の開閉機器の動作状態(入/切状態)を表示手段37に表示する監視プログラム38を記録手段32に備える。
【0050】
図2に監視対象21および接点部27の一例を示し、監視対象21と接点部27との関係を説明する説明図を示す。
【0051】
図2に示される監視対象21は、断路器(Disconecting Switch:DS)および遮断器(Circuit Breaker:CB)等の開閉機器であり、例えば、2つの断路器(第1の断路器41および第2の断路器42)と、1つの遮断器43とを備える。尚、図2およびその他の図において、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43は、DS1、DS2およびCBと簡略して図示する。
【0052】
接点部27は、監視対象21の各々、すなわち、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43と連動して接点を切り替える。第1の断路器41には、第1の断路器41の投入/引出し動作(入/切)と連動して動作する第1の断路器用接点(以下、DS1接点とする)45を備える。また、第1の遮断器41と同様にして、第2の断路器42および遮断器43にも、第2の断路器42および遮断器43の投入/引出し動作(入/切)と連動して動作する第2の断路器用接点(以下、DS2接点とする)46および遮断器用接点(以下、CB接点とする)47を備える。
【0053】
DS1接点45は、2つの接点を備え、一方は、第1の断路器41が引出し(切)状態においては、接点が開放状態で電気的に接続されず、第1の断路器41が投入(入)状態で接点が短絡状態となり電気的に接続するDS1メイク接点49である。他方は、第1の断路器41が投入(入)状態においては、接点が開放状態で電気的に接続されず、第1の断路器41が引出し(切)状態で接点が短絡状態になり電気的に接続するDS1ブレイク接点50である。
【0054】
DS1接点45と同様にして、DS2接点46は、DS2メイク接点51およびDS2ブレイク接点52の2つの接点を、CB接点47は、CBメイク接点53およびCBブレイク接点54の2つの接点を備える。
【0055】
図3に監視対象21を監視する電力系統用監視盤(以下、監視盤とする)57の正面図を示す。
【0056】
監視盤57には、監視対象21である第1の断路器41等の動作状態を示す表示灯28が取り付けられている。表示灯28は、第1の断路器41の動作状態(入/切)を表示する第1の断路器用表示灯(以下、DS1表示灯とする)59と、第2の断路器42の動作状態(入/切)を表示する第2の断路器用表示灯(以下、DS2表示灯とする)60と、遮断器43の動作状態(入/切)を表示する遮断器用表示灯(以下、CB表示灯)61とを備える。
【0057】
図3に示される監視盤57の表面には、表示灯28が取り付けられており、上からDS1表示灯59、CB表示灯61、DS2表示灯60が取り付けられる。DS1表示灯59は、動作状態を視覚的に示すため、第1の断路器41が引出し(切)状態で点灯する緑灯(以下、DS1緑灯とする)63および投入状態で点灯する赤灯(以下、DS1赤灯とする)64を備える。
【0058】
また、CB表示灯61およびDS2表示灯60についても、DS1表示灯59と同様に、動作状態を視覚的に示すための緑灯および赤灯を備え、DS2表示灯60は、DS2緑灯65およびDS2赤灯66を、CB表示灯61は、CB緑灯67およびCB赤灯68を備える。尚、監視盤57の表面に取り付けられる表示灯28の順番は、上からDS1表示灯59、CB表示灯61、DS2表示灯60としているが、DS1表示灯59、CB表示灯61およびDS2表示灯60の配置位置は、あくまでも一実施例であり、図示した形態に限られない。
【0059】
図4に表示灯回路29と電力設備監視装置20との電気的な接続状態を説明する説明図を示す。
【0060】
尚、図4において、DS1接点45とDS1表示灯59とを電気的に直列接続して構成される回路(以下、DS1系統とする)70と、DS2接点46とDS2表示灯60とを電気的に直列接続して構成される回路(以下、DS2系統とする)71と、CB接点47とCB表示灯61とを電気的に直列接続して構成される回路(以下、CB系統とする)72とは同様のものであるため、DS1系統70についてのみ代表して図示し、その他のDS2系統71およびCB系統72については簡略して図示している。
【0061】
図4に示される表示灯回路29は、正極側電源ライン73と負極側電源ライン74との間においてDS1系統70、DS2系統71およびCB系統72が電気的に並列に接続される。
【0062】
DS1系統70に着目して説明すると、正極側電源ライン73と負極側電源ライン74との間において電気的に接続されるDS1接点45およびDS1表示灯59は、正極側電源ライン73側から見て、正極側電源ライン73、DS1接点45、DS1表示灯59、正極側電源ライン74の順に接続される。また、DS1接点45とDS1表示灯59との電気的な接続は、DS1接点45に備えられるDS1メイク接点49と、DS1表示灯59に備えられるDS1赤灯64とが電気的に接続される。一方、DS1接点45に備えられるDS1ブレイク接点50は、DS1表示灯59に備えられるDS1緑灯63と電気的に接続される。
【0063】
従って、DS1系統70において、第1の断路器41が投入状態(入)にある時は、DS1メイク接点49が電気的に短絡し、DS1ブレイク接点50が電気的に開放する。すなわち、DS1メイク接点49では電流が導通し、DS1ブレイク接点50では電流が遮断されるので、DS1メイク接点49と接続されるDS1赤灯64は点灯し、DS1ブレイク接点50と接続されるDS1緑灯63は点灯しない。
【0064】
一方、第1の断路器41が引出し状態(切)にある時は、DS1ブレイク接点50が電気的に短絡し、DS1メイク接点49が電気的に開放する。すなわち、DS1ブレイク接点50では電流が導通し、DS1メイク接点49では電流が遮断されるので、DS1ブレイク接点50と接続されるDS1緑灯63は点灯し、DS1メイク接点49と接続されるDS1赤灯64は点灯しない。
【0065】
DS1系統70と同様にして、DS2系統71およびCB系統72についても、正極側電源ライン73と負極側電源ライン74との間に電気的に接続される。すなわち、DS2系統71についての説明は、DS1系統70に対する説明に対して、DS1をDS2と読み替えれば良く、CB系統72についての説明は、DS1系統70に対する説明に対して、DS1をCBと読み替えれば良い。
【0066】
具体的には、DS2系統71では、正極側電源ライン73側から見て、正極側電源ライン73、DS2接点46、DS2表示灯60、正極側電源ライン74の順に接続され、DS2接点46とDS2表示灯60との電気的な接続は、DS2接点46に備えられるDS2メイク接点51と、DS2表示灯60に備えられるDS2赤灯66とが電気的に接続される。一方、DS2接点46に備えられるDS2ブレイク接点52は、DS2表示灯60に備えられるDS2緑灯65と電気的に接続される。
【0067】
一方、CB系統72では、正極側電源ライン73側から見て、正極側電源ライン73、CB接点47、CB表示灯62、正極側電源ライン74の順に接続され、CB接点47とCB表示灯62との電気的な接続は、CB接点47に備えられるCBメイク接点53と、CB表示灯62に備えられるCB赤灯68とが電気的に接続される。一方、CB接点47に備えられるCBブレイク接点54は、CB表示灯62に備えられるCB緑灯67と電気的に接続される。
【0068】
第2の断路器42が投入状態(入)にある時は、DS2メイク接点51と接続されるDS2赤灯66は点灯し、DS2ブレイク接点52と接続されるDS1緑灯65は点灯しない。また、第2の断路器42が引出し状態(切)にある時は、DS2ブレイク接点52と接続されるDS2緑灯65は点灯し、DS2メイク接点51と接続されるDS2赤灯66は点灯しない。
【0069】
一方、遮断器43が投入状態(入)にある時は、CBメイク接点53と接続されるCB赤灯68は点灯し、CBブレイク接点54と接続されるDS1緑灯67は点灯しない。また、遮断器43が引出し状態(切)にある時は、CBブレイク接点54と接続されるCB緑灯67は点灯し、CBメイク接点53と接続されるCB赤灯68は点灯しない。
【0070】
図5に図3に示される監視盤57のI−I線に沿う側面図を示し、電力設備監視装置20と表示灯回路29との電気的に接続を説明する説明図である。
【0071】
図5に示される監視盤57のI−I線に沿う側面図によれば、監視盤57の背面には、DS1表示灯59、CB表示灯61およびDS2表示灯60に、DS1表示灯59、CB表示灯61およびDS2表示灯60を点灯させる配線(以下、表示灯ラインとする)75が接続される。尚、図5に示される表示灯ライン75とは、図4に示される正極側電源ライン73と負極側電源ライン74との間を接点部27および表示灯28を介して接続されるラインに相当する。
【0072】
また、DS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61のDS1表示灯端子部67、DS2表示灯端子部78およびCB表示灯端子部79には、コネクタ30の一端が接続され、電力設備監視装置20が具備する電圧測定手段22と電気的に接続される。
【0073】
コネクタ30は、一端が電力設備監視装置20が具備する電圧測定手段22と電気的に接続可能な接続端子(図示せず)であり、他端が表示灯28の端子部のうち少なくとも1つと着脱自在な取付手段82である。コネクタ30の接続端子と取付手段82との間は、両者を導通可能に接続するコネクト導体83を介して電気的に接続される。
【0074】
取付手段82は、例えば、ワニ口クリップであり、2対の導体を遠近自在に可動させて、対象物を挟んだり放したりする作用部85と、作用部85を遠近自在に可動させるための外力を加える把持部86とを備え、把持部86は絶縁体グリップ87で被覆されている。また、取付手段82の導体部分にはコネクト導体83が接合されており、コネクタ30を導通可能に構成している。
【0075】
コネクタ30の取付手段82によれば、把持部86が絶縁体グリップ87で被覆されていることから、表示灯28が通電状態にあっても、表示灯28が通電状態のまま、DS1表示灯端子部77、DS2表示灯端子部78およびCB表示灯端子部79に取り付けることが可能となる。
【0076】
尚、図5においては、各緑灯および赤灯を簡略して示してあり、DS1緑灯63、DS2緑灯65およびCB緑灯67の各緑灯をGと、DS1赤灯63、DS2赤灯65およびCB赤灯67の各赤灯をRと図示している。また、コネクタ30については、DS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61いずれも同様なため、DS1表示灯59と接続するコネクタ30を代表して図示している。
【0077】
電力設備監視装置20でなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0078】
まず、図2に示される監視対象21、すなわち、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43を備える電力設備を遠隔で監視する場合は、監視対象21内の断路器または遮断器等の開閉機器の投入/引出し動作(入/切)状態を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。
【0079】
電力設備監視準備ステップは、表示灯回路29における表示灯28の各端子部、すなわち、DS1端子部77、DS2端子部78およびCB端子部79にコネクタ30の取付手段82を接続するステップである。電力設備監視準備ステップは、監視者、電力設備の監督責任者、またはその他関係者が一般的に行う。
【0080】
電力設備監視準備ステップをもう少し具体的に説明すると、例えば、第1の断路器41の投入/引出し動作(入/切)状態を遠隔監視する場合は、第1の断路器41の投入/引出し動作(入/切)状態を表示するDS1表示灯59の端子部、すなわち、DS1緑灯63の端子部(以下、DS1緑灯端子部とする)およびDS1赤灯64の端子部(以下、DS1赤灯端子部とする)77Rにコネクタ30の取付手段82を接続する。
【0081】
電力設備監視装置20が第2の断路器42および遮断器43についても遠隔監視する場合には、第1の断路器41に対して行ったコネクタ30の取付手段82の取付作業を第2の断路器42および遮断器43についても同様にして行う。すなわち、第2の断路器42の投入/引出し動作(入/切)状態を遠隔監視する場合は、DS2緑灯端子部およびDS2赤灯端子部78Rにコネクタ30の取付手段82を接続し、遮断器43の投入/引出し動作(入/切)状態を遠隔監視する場合は、CB緑灯端子部およびCB赤灯端子部79Rにコネクタ30の取付手段82を接続する。
【0082】
電力設備監視準備ステップが完了したら次は、監視対象21の入/切状態、すなわち、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43の投入/引出し状態(入/切)を判別して入/切状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップを行う。電力設備運転・動作状態取得ステップは、電力監視装置20においては、電圧測定手段22がコネクタ30が接続される2点間の電圧を測定して、測定した電圧を電力設備運転・動作状態信号(アナログ電圧信号)としてA/D変換手段23へ伝送する電圧測定ステップである。
【0083】
電圧測定ステップを行うことで、監視対象21の入/切状態、すなわち、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43の投入/引出し状態(入/切)を判別する入/切状態判別基本情報としての電圧が、電圧測定手段22で測定され取得される。そして、電圧測定手段22は、電力設備運転・動作状態信号としてのアナログ電圧信号をA/D変換手段23へ伝送する。
【0084】
尚、電圧測定ステップは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて電圧を測定して取得しても良いし、監視者が手動で入力操作してその都度行っても良い。また、電圧を測定しアナログ電圧信号をA/D変換手段23へ伝送するタイミングは、監視者が欲しいタイミングでアナログ電圧信号を取得できれば、どのようなタイミングであっても良い。
【0085】
電力設備運転・動作状態取得ステップに続いては、伝送された電圧信号をA/D変換手段23でA/D変換したデジタル電圧信号に基づいて演算処理し、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する電力設備入/切表示ステップ(以下、入/切表示ステップとする)を行う。
【0086】
入/切表示ステップは、電圧測定手段22で取得されA/D変換手段23に伝送されたアナログ電圧信号をA/D変換手段23でA/D変換するA/D変換処理ステップと、演算処理手段24に入力されるデジタル電圧信号に基づいてプロセッサ33が演算処理して監視対象21の運転・動作状態(入/切)を判別して表示手段37に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを備える。
【0087】
入/切表示ステップでは、まず、A/D変換手段23でA/D変換処理ステップが行われ、A/D変換手段23に入力されたアナログ電圧信号をA/D変換し、出力する。次に、演算処理手段24で電力設備運転・動作状態表示ステップが行われ、プロセッサ33が監視プログラム38を実行して、演算処理手段24に入力されるA/D変換後のデジタル電圧信号を演算処理し、表示手段37に監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する。
【0088】
本実施形態に係る電力設備監視装置20およびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29にコネクタ30を介して電力設備監視装置20と電気的に接続する作業を行い、コネクタ30から取得した電圧を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として電力設備監視装置20に入力し演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0089】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20およびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0090】
また、表示灯回路29にコネクタ30を電気的に接続する作業は、コネクタ30がワニ口クリップ等の取付手段82を有するため、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20を設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0091】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20およびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0092】
尚、電力設備監視装置20に具備されるA/D変換手段23は、電圧測定手段22または演算処理手段24に備えても良い。また、コネクタ30の取付手段82にはワニ口クリップが適用されているが、取付手段82はワニ口クリップに限らず、例えば、先開圧着端子でも良い。すなわち、取付手段82は、表示灯28の各端子部77,78,79に直接触れて感電することなく電気的に接続可能な全ての取付手段を包含する。
【0093】
また、コネクタ30と表示灯28の各端子部77,78,79との接続は、表示灯28の緑灯および赤灯の両者、すなわち、DS1表示灯59においては、DS1緑灯63およびDS1赤灯64、DS2表示灯60においては、DS2緑灯65およびDS2赤灯66、CB表示灯61においてはCB緑灯67およびCB赤灯68と接続してアナログ電圧信号を取得しているが、表示灯28の緑灯および赤灯の両者のうち緑灯または赤灯の一方を接続する構成としても良い。
【0094】
[第2の実施形態]
図6に本発明の第2の実施形態に係る電力設備監視装置20Aの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0095】
図6に示される電力設備監視装置20Aは、図1に示される電力設備監視装置20に対して、電圧測定手段22の代わりに電流測定手段89を備える点と、コネクタ30の代わりにコネクタ30Aを用いて表示灯回路29との接続を行う点が異なる点以外は基本的に異ならないので、電力設備監視装置20と異ならない箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
【0096】
図6に示される電力設備監視装置20Aは、監視対象21の表示灯回路29から監視対象21の入/切状態判別基本情報として電流を測定する入/切状態判別情報取得手段としての電流測定手段89と、A/D変換手段23と、演算処理手段24とを具備する。また、電力設備監視装置20Aに具備される電流測定手段89と監視対象21の表示灯回路29とはコネクタ30Aにより電気的に接続されているため、電力設備監視装置20Aは、監視対象21の入/切状態を取得でき、監視対象21の遠隔監視を可能としている。
【0097】
図6に示されるコネクタ30Aは、一端が電流測定手段89との接続を行う接続端子(図示せず)であり、他端が表示灯回路29における表示灯ライン75に取り付けられ、表示灯ライン75を導通する電流を検知して取得する計器用変流器(Current Transformer:CT)92である。そして、コネクタ30Aの接続端子および計器用変流器92は、コネクト導体83を介して電気的に接続される。
【0098】
電力設備監視装置20Aでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0099】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップでは、表示灯回路29におけるDS1緑灯63およびDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65およびDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67およびCB赤灯68(CB表示灯61)を通電する電流を検出し取得する計器用変流器92を取り付けるコネクタ取付作業を行う。
【0100】
図7は、図3に示される監視盤57のI−I線に沿う側面図を示し、電力設備監視装置20Aおよびその監視方法を適用した場合における電力設備監視装置20Aと表示灯回路29との電気的に接続を説明する説明図である。
【0101】
図7に示されるように計器用変流器92は、監視盤57の背面にある表示灯ライン75に取り付けられる。図7は側面図のため、赤灯のみ(DS1赤灯64、DS2赤灯66およびCB赤灯68)が表示灯ライン75に取り付けられた様子を示しているが、その他の表示灯(DS1緑灯63、DS2緑灯65およびCB緑灯67)を通電する電流を検出し取得する計器用変流器92についても同様にして表示灯ライン75に取り付けられる。
【0102】
電力設備監視準備ステップを行うことにより、DS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61を通電する電流を計器用変流器92で検出し取得して、取得した電流を監視対象21の入/切状態判別基本情報としてコネクタ30Aを介して電力設備監視装置20Aに伝送することが可能となる。尚、計器用変流器92の取付作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0103】
電力設備監視準備ステップが完了したら次は、DS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61を通電する電流を検知して測定することで入/切状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップとしての電流測定ステップを行う。電流測定ステップは、計器用変流器92で検出した電流を電流測定手段89でアナログ電流信号として出力し、電流測定手段89から出力されたアナログ電流信号をA/D変換手段23へ伝送するステップである。
【0104】
尚、電流測定ステップは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて電流を検出して取得するようにしても良いし、監視者が入力手段36から手動で入力操作してその都度行っても良い。また、電流を検出しアナログ電流信号をA/D変換手段23へ伝送するタイミングは、監視者が欲しいタイミングでアナログ電流信号を取得できれば、どのようなタイミングでも良い。
【0105】
電流測定ステップに続いては、伝送された電流信号をA/D変換手段23でA/D変換したデジタル電流信号を演算処理手段24で演算処理し、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する入/切表示ステップを行う。入/切表示ステップは、電流測定手段89で取得されA/D変換手段23に伝送されたアナログ電流信号をA/D変換手段23でA/D変換するA/D変換処理ステップと、演算処理手段24に入力されるデジタル電流信号に基づいてプロセッサ33が演算処理して監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを備える。
【0106】
入/切表示ステップでは、まず、A/D変換手段23でA/D変換処理ステップが行われ、A/D変換手段23に入力されたアナログ電流信号をA/D変換し、出力する。次に、演算処理手段24で電力設備運転・動作状態表示ステップが行われ、プロセッサ33が監視プログラム38を実行して、演算処理手段24に入力されるA/D変換後のデジタル電流信号を演算処理し、表示手段37に監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する。
【0107】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Aおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29に計器用変流器92を取り付け、取り付けた計器用変流器92で検出した電流を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す入/切状態判別基本情報として電力設備監視装置20Aに入力し演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0108】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Aおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0109】
また、表示灯回路29に計器用変流器92を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Aを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0110】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Aおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0111】
尚、電力設備監視装置20Aに具備されるA/D変換手段23は、電流測定手段89または演算処理手段24に備えても良い。
【0112】
また、計器用変流器92は、各表示灯、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)を通電する電流を検出するように取り付けられているが、緑灯および赤灯のうち一方を流れる電流を検出するように構成しても良い。
【0113】
[第3の実施形態]
図8に本発明の第3の実施形態に係る電力設備監視装置20Bの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0114】
図8に示される電力設備監視装置20Bは、図6に示される電力設備監視装置20Aに対して、コネクタ30Aではなく、コネクタ30Bを使用して表示灯28から入/切状態判別基本情報としての電流を入/切状態判別情報取得手段としての電流測定手段89で測定する点以外は基本的に異ならないので、電力設備監視装置20Bと異ならない箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
【0115】
図8に示される電力設備監視装置20Bは、電流測定手段89と、A/D変換手段23と、演算処理手段24とを具備し、コネクタ30Bを表示灯28に取り付けて使用する。コネクタ30Bは、コネクタ30Aの計器用変流器92を光−電流変換手段96で置換したものである。
【0116】
コネクタ30Bの光−電流変換手段96は、表示灯28に取り付けられ、表示灯28の各表示灯、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)の点灯時に発光する光を電流に変換して、入/切状態基本情報として光−電流変換後の電流を取得する。
【0117】
図8によれば、監視盤57の表面にある表示灯28、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)の点灯面にコネクタ30Aの光−電流変換手段96が取り付けられる。
【0118】
従って、光−電流変換手段96が取り付けられた表示灯28が点灯すれば、光−電流変換手段96で電流が生じて、光−電流変換手段96で生じた電流を電流測定手段89で測定し、アナログ電流信号として出力する。例えば、DS1赤灯64が点灯した場合は、DS1赤灯64に取り付けられた光−電流変換手段96が光を検出して電流を発生させて、発生した電流を電流測定手段89で測定し、アナログ電流信号として出力する。尚、DS1緑灯63等のその他の表示灯についても同様である。
【0119】
電力設備監視装置20Bでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0120】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップでは、監視盤57の表面にある表示灯28、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)にコネクタ30Bの光−電流変換手段96を取り付ける作業を行う。
【0121】
電力設備監視準備ステップが完了すると、表示灯28に取り付けた光−電流変換手段96が検出した光を光−電流変換して生じた電流をコネクタ30Bを介して電力設備監視装置20Bに入力し、演算処理を行うことが可能となる。尚、光−電流変換手段96の取付作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0122】
電力設備監視準備ステップが完了すると、次は、電力設備監視装置20Bで監視対象21の運転・動作状態(入/切)を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップを行う。
【0123】
電力設備運転・動作状態取得ステップは、監視盤57の表面にある表示灯28の点灯光を光−電流変換して生じる電流を検出する光−電流変換ステップと、光−電流変換ステップで検出した電流を入/切状態判別基本情報として電流測定手段89で測定し取得した後、アナログ電流信号を出力する電流測定ステップとを備える。
【0124】
光−電流変換ステップは、監視盤57の表面にある表示灯28、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)との点灯面に取り付けられた光−電流変換手段96で点灯光が電流に変換される。
【0125】
光−電流変換される電流は、光−電流変換手段96が取得する光の波長により電流の大小が異なる。例えば、DS1表示灯59に着目して説明すれば、DS1緑灯63が点灯している時と、DS1赤灯64が点灯している場合とでは、光−電流変換手段96から出力される電流量は異なり状態の判別が可能となる。光−電流変換ステップが完了すると、次に、電流測定ステップがなされる。
【0126】
電力設備監視装置20Bでなされる電流測定ステップ以降のステップは、電流測定ステップと、A/D変換処理ステップおよび電力設備運転・動作状態表示ステップを備える入/切表示ステップであり、電力設備監視装置20Aでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法と同様である。入/切表示ステップが完了すると、表示手段37には、監視対象21の運転・動作状態(入/切)が表示される。
【0127】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Bおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29の各表示灯59,60,61の点灯面に光−電流変換手段96を取り付け、取り付けた光−電流変換手段96からの電流を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として電力設備監視装置20Bに入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0128】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Bおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0129】
また、光−電流変換手段96を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Bを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0130】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Bおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0131】
尚、電力設備監視装置20Bにおいて、A/D変換手段23は、電流測定手段89または演算処理手段24に備えても良い。
【0132】
また、光−電流変換手段96は、各表示灯、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)の点灯/消灯から光を検出し、電流を取得するように取り付けられているが、緑灯および赤灯のうち一方の点灯/消灯から光を検出し、電流を取得するように構成しても差し支えない。
【0133】
[第4の実施形態]
図9に本発明の第4の実施形態に係る電力設備監視装置20Cの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0134】
図9に示される電力設備監視装置20Cは、図8に示される電力設備監視装置20Bに対して、コネクタ30Bの代わりにコネクタ30Cが使用されている点以外は基本的に異ならないので、共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略する。
【0135】
図9に示される電力設備監視装置20Cは、電流測定手段89と、A/D変換手段23と、演算処理手段24とを具備し、コネクタ30Cを表示灯28に取り付けて使用する。コネクタ30Cは、コネクタ30Bの光−電流変換手段96を熱−電流変換手段97で置換したものである。
【0136】
コネクタ30Cの熱−電流変換手段97は、表示灯28に取り付けられ、表示灯28の各表示灯、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)の点灯時に発する熱を電流に変換するものである。
【0137】
電力設備監視装置20Cでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法については、第3の実施形態で説明した電力設備監視装置20Bでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法についての説明において、光−電流変換手段96を熱−電流変換手段97と読み替えるのみであるため、本実施形態では説明を省略する。
【0138】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Cおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29の各表示灯59,60,61の点灯面に熱−電流変換手段97を取り付け、取り付けた熱−電流変換手段97からの電流を監視対象21の運転・動作状態を示す信号(入/切)として電力設備監視装置20Cに入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0139】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Cおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0140】
また、熱−電流変換手段97を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Cを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0141】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Cおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0142】
また、図9に示される熱−電流変換手段97を用いた場合においても、各表示灯、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)の点灯/消灯から熱を検出し、電流を取得するように取り付けられているが、緑灯および赤灯のうち一方の点灯/消灯から熱を検出し、電流を取得するように構成しても良い。
【0143】
[第5の実施形態]
図10に本発明の第5の実施形態に係る電力設備監視装置20Dの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0144】
図10に示される電力設備監視装置20Dは、図6に示される電力設備監視装置20Aに対して、電流測定手段89の代わりに抵抗値算出情報取得手段98を備える点以外は基本的に異ならないので、電力設備監視装置20Aと異ならない箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
【0145】
図10に示される電力設備監視装置20Dは、入/切状態判別基本情報として、接点部27および表示灯28間の抵抗値を算出するための必要情報を取得する入/切状態判別情報取得手段としての抵抗値算出情報取得手段98と、A/D変換手段23と、演算処理手段24とを具備する。電力設備監視装置20Bが具備する抵抗値算出情報取得手段98は、電圧測定手段22と、電流測定手段89とを備える。
【0146】
図10によれば、電力設備監視装置20Dを監視対象21を遠隔監視する場合は、正極側電源ライン73と負極側電源ライン74との間にかかる電圧(以下、ライン間電圧とする)を測定し得るように表示灯回路29と電圧測定手段22とをコネクタ30で電気的に接続する。そして、表示灯回路29内の各表示灯、すなわち、DS1緑灯63およびDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65およびDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67およびCB赤灯68(CB表示灯61)を通電する電流を検出し取得し得るように表示灯回路29と電流測定手段89とをコネクタ30Aを介して接続する。
【0147】
電力設備監視装置20Dでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0148】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップは、ライン間電圧を測定し得るように表示灯回路29と電圧測定手段22とをコネクタ30を用いて電気的に接続する。そして、表示灯回路29におけるDS1緑灯63およびDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65およびDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67およびCB赤灯68(CB表示灯61)を通電する電流を検出し取得する計器用変流器92を備えたコネクタ30Aを取り付ける。
【0149】
図11に電力設備監視装置20Dおよびその監視方法を適用した場合における監視盤57の側面図を示す。
【0150】
図11に示されるように、監視盤57の背面において、電圧測定手段22がライン間電圧を測定し得るように表示灯回路29と電気的に接続される。また、計器用変流器92は、監視盤57の背面において、表示灯ライン75に取り付けられる。尚、電圧測定手段22との接続作業および計器用変流器92の取り付け作業の順番は、どちらが先でも良い。
【0151】
電力設備監視準備ステップを行うことにより、DS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61を通電する電流およびライン間電圧を入/切状態判別基本情報として取得して電力設備監視装置20Dに入力し演算処理することが可能となる。尚、電圧測定手段22の電気的に接続作業および計器用変流器92の取付作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0152】
電力設備監視準備ステップが完了したら次は、入/切状態判別基本情報としてのライン間電圧と、DS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61を通電する電流とを抵抗値算出情報取得手段98で検知し測定してアナログ電圧信号およびアナログ電流信号を出力する電力設備運転・動作状態取得ステップとしての電圧・電流測定ステップを行う。
【0153】
電圧・電流測定ステップは、抵抗値算出情報取得手段98が備える電圧測定手段22でライン間電圧を測定し、抵抗値算出情報取得手段98が備える電流測定手段89でDS1表示灯59、DS2表示灯60およびCB表示灯61を通電する電流を測定して、抵抗値算出情報取得手段98からアナログ電圧信号およびアナログ電流信号を出力してA/D変換手段23へ伝送するステップである。
【0154】
尚、電圧・電流測定ステップは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて電圧および電流を検出して取得しても良いし、監視者が入力手段36から手動で入力操作してその都度行っても良い。また、電圧および電流を検出しアナログ電圧信号およびアナログ電流信号を出力するタイミングは、監視者が欲しいタイミングでアナログ電圧信号およびアナログ電流信号を取得できれば、どのようなタイミングでも良い。
【0155】
電圧・電流測定ステップに続いては、アナログ電圧信号およびアナログ電流信号をA/D変換手段23でA/D変換したデジタル電圧信号およびデジタル電流信号を演算処理手段24で演算処理し、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する電圧・電流信号処理ステップを行う。
【0156】
電圧・電流信号処理ステップは、抵抗値算出情報取得手段98で取得されA/D変換手段23に伝送されたアナログ電圧信号およびアナログ電流信号をA/D変換手段23でA/D変換するA/D変換処理ステップと、演算処理手段24に入力されるデジタル電圧信号およびデジタル電流信号に基づいてプロセッサ33が演算処理して監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを備える。
【0157】
電圧・電流信号処理ステップでは、まず、A/D変換手段23でA/D変換処理ステップが行われ、A/D変換手段23に入力されたアナログ電圧信号およびアナログ電流信号をA/D変換し、出力する。次に、演算処理手段24で電力設備運転・動作状態表示ステップが行われ、プロセッサ33が監視プログラム38を実行して、演算処理手段24に入力されるA/D変換後のデジタル電圧信号およびデジタル電流信号を演算処理し、表示手段37に監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する。
【0158】
電力設備運転・動作状態表示ステップでは、まず、A/D変換後のデジタル電圧信号およびデジタル電流信号を演算処理して表示灯ライン75の抵抗値を算出する。表示灯ライン75の抵抗値は、接点部27の接点部27が備える接点の開閉状態により変化する。従って、表示灯ライン75の抵抗値から監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す表示灯28の点灯/消灯の状態を知ることができる。
【0159】
例えば、図2に示される監視対象21のうち、第1の断路器41の投入/引出し状態(入/切)状態を遠隔監視する場合には、DS1表示灯59が備えるDS1緑灯63とDS1ブレイク接点50とを有する表示灯ライン75Gの抵抗値と、DS1表示灯59が備えるDS1赤灯64とDS1メイク接点49とを有する表示灯ライン75Rの抵抗値とを算出する。
【0160】
第1の断路器41が引出し状態(切)の場合には、DS1メイク接点49が開いて電気的に開放となるため、DS1赤灯64とDS1メイク接点49とを有する表示灯ライン75Rは通電しない。すなわち、抵抗値は無限大となる。また、DS1ブレイク接点50は閉じて電気的に短絡するため、DS1緑灯63とDS1ブレイク接点50とを有する表示灯ライン75Gは通電し、ある有限な抵抗値を示す。
【0161】
一方、第1の断路器41が投入状態(入)の場合には、DS1メイク接点49が閉じて電気的に短絡するため、DS1赤灯64とDS1メイク接点49とを有する表示灯ライン75Rは通電し、ある有限な抵抗値を示す。また、DS1ブレイク接点50は開いて電気的に開放となるため、DS1緑灯63とDS1ブレイク接点50とを有する表示灯ライン75Gは通電しない。すなわち、抵抗値は無限大となる。
【0162】
この様に、表示灯ライン75(75R,75G)の抵抗値の違いから表示灯28の点灯/消灯の状態を判別して第1の断路器41の投入/引出し状態(入/切)状態を遠隔監視することができる。尚、第2の断路器42および遮断器43の投入/引出し状態(入/切)状態についても同様にして抵抗値の違いから第2の断路器42および遮断器43の投入/引出し状態(入/切)状態を遠隔監視することが可能となる。
【0163】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Dおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29と電力設備監視装置20Dが具備する抵抗値算出情報取得手段98とを電気的に接続する。
【0164】
そして、電力設備監視準備ステップ後、抵抗値算出情報取得手段98でアナログ電圧信号およびアナログ電流信号を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として出力し、A/D変換手段23および演算処理手段24に入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0165】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Dおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0166】
また、表示灯回路29と抵抗値算出情報取得手段98とを電気的に接続する作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Dを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0167】
さらにまた、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0168】
一方、本実施形態に係る電力設備監視装置20Dおよびその監視方法では、表示灯ライン75の抵抗値の違いから表示灯28の点灯/消灯の状態を判別して監視対象21の運転・動作状態(入/切)を判別するので、外的要因等により、表示灯回路29のライン間電圧が変動しても、表示灯ライン75の抵抗値は変動しない。従って、従来の電力設備監視装置およびその監視方法や電力設備監視装置20A,20Bおよびその監視方法と比較して、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の誤認識を生じる確率がさらに低減できる。
【0169】
尚、電力設備監視装置20Dに具備されるA/D変換手段23は、電流測定手段89または演算処理手段24に備えても良い。
【0170】
また、計器用変流器92は、各表示灯、すなわち、DS1緑灯63とDS1赤灯64(DS1表示灯59)、DS2緑灯65とDS2赤灯66(DS2表示灯60)およびCB緑灯67とCB赤灯68(CB表示灯61)を流れる電流を検出し、取得するように取り付けられているが、緑灯および赤灯のうち一方を流れる電流を取得するように構成しても良い。
【0171】
[第6の実施形態]
図12に本発明の第6実施形態に係る電力設備監視装置20Eの一例を監視対象21に適用する際の接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0172】
図12に示される電力設備監視装置20Eは、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する表示灯28が表面に取り付けられた監視盤57の代わりに発光しない入/切状態表示器100が表面に取り付けられた監視盤57Aに対して適用するための装置である。
【0173】
電力設備監視装置20Eは、図8に示される電力設備監視装置20Bに対して、さらに発光制御手段101を備える点以外は基本的に異ならないので、電力設備監視装置20Bと異ならない箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
【0174】
図12に示される電力設備監視装置20Eは、電流測定手段89と、A/D変換手段23と、演算処理手段24と、光を発光する発光制御手段101とを具備する。電力設備監視装置20Eが具備する発光制御手段101は、発光信号を受信して光を発する発光部103と、発光信号を生成する発光制御部104とを備える。
【0175】
図12によれば、電力設備監視装置20Eは、コネクタ30Aの光−電流変換手段96と、発光制御手段101の発光部103とが監視盤57Aの入/切状態表示器100に取り付けられる。そして、電流測定手段89は、A/D変換手段23を介して演算手段14と電気的に接続される。また、発光制御手段101は、直接的に演算手段14と電気的に接続される。
【0176】
図12に示される入/切状態表示器100は、図8に示される監視盤57における表示灯28に代わるものであり、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する。入/切状態表示器100は、監視盤57Aの表面に取り付けられた無色透明な窓106の内部に緑色と赤色とに色分けされた球状、円筒状または略円筒状の状態表示体107が設けられる。
【0177】
図13に入/切状態表示器100の窓106の内部に設けられた状態表示体107の一例として球体形状を有する状態表示体107の斜視図を示す。
【0178】
図13に示される状態表示体107は、回転軸108と平行な境界線109を有し、球体表面を180°ずつ入状態を示す赤色と切状態を示す緑色とで色分けされる。この様に色分けされた状態表示体107を監視対象21の運転・動作状態(入/切)に応じて、回転軸108を中心にして180°回転させることにより、状態表示体107の赤色エリア111または緑色エリア112の一方が窓106から目視可能に表示される。
【0179】
電力設備監視装置20Eでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0180】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップでは、監視盤57Aの表面にある入/切状態表示器100の窓106表面にコネクタ30Aの光−電流変換手段96を取り付ける作業を行う。また、発光制御手段101の発光部103を窓106に取り付ける作業も行う。尚、光−電流変換手段96および発光部103を取り付ける順番はどちらが先でも良い。
【0181】
電力設備監視準備ステップを行うことにより、発光制御手段101の発光部103が発光した際に、状態表示体107の赤色エリア111または緑色エリア112で反射した光をコネクタ30Aの光−電流変換手段96で生じた電流を電力設備監視装置20Eに入力し演算処理することが可能となる。尚、光−電流変換手段96および発光制御手段101の発光部103を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0182】
電力設備監視準備ステップが完了すると、次は、電力設備監視装置20Eで電力設備運転・動作状態取得ステップがなされる。電力設備運転・動作状態取得ステップは、発光部103を発光させる発光ステップと、状態表示体107で反射した反射光を光−電流変換して電流を取得する光−電流変換ステップと、光−電流変換ステップで生じた電流を測定しアナログ電流信号を出力する電流測定ステップとを備える。
【0183】
発光ステップは、演算処理手段24から出力された発光制御信号を発光制御手段101が受信して発光信号を発光部103に出力する。発光部103は発光制御手段101からの発光信号を受信すると発光し、状態表示体107に発光部103からの光(以下、照射光とする)が照射される。状態表示体107へ照射された照射光は、状態表示体107の表面で反射して、光−電流変換手段96で受光される。
【0184】
尚、演算処理手段24から出力される発光制御信号は、監視者が手動で入力操作してその都度出力されても良いし、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて出力されても良い。
【0185】
また、発光制御信号を出力するタイミングは、監視者が欲しいタイミングで発光制御信号を取得できれば、どのようなタイミングでも良い。すなわち、発光制御信号を出力するタイミングは、連続的でも間欠的でも良く、間欠的な場合においては、周期的か非周期的かを問わない。
【0186】
発光ステップが完了すると、次は、光−電流変換手段96で光−電流変換ステップがなされる。光−電流変換ステップ以降は、電力設備監視装置20Bでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法と同様であり、光−電流変換ステップと、電流測定ステップと、A/D変換処理ステップおよび電力設備運転・動作状態表示ステップを備える電流信号処理ステップとを行う。電流信号処理ステップが完了すると、表示手段37には、監視対象21の運転・動作状態(入/切)が表示される。
【0187】
尚、電流測定ステップは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて電流を検出して取得するようにしても良いし、監視者が入力手段36から手動で入力操作してその都度行っても良い。但し、手動で入力操作する場合は、電力設備運転・動作状態取得ステップ(発光ステップ、光−電流変換ステップおよび電流測定ステップ)を一連の流れとして行う必要がある。
【0188】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Eおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して状態表示が切り替わる入/切状態表示器100の窓106の表面にコネクタ30Aの光−電流変換手段96と発光制御手段101の発光部103とを取り付け、取り付けた発光部103を発光させて、入/切状態表示器100の内部にある状態表示体107で反射した光を光−電流変換手段96で受光する。そして、光−電流変換手段96で光−電流変換して生じた電流を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す入/切状態判別基本情報として電力設備監視装置20Eに入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0189】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Eおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0190】
また、入/切状態表示器100の窓106の表面にコネクタ30Aの光−電流変換手段96および発光制御手段101の発光部103を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Eを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0191】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Eおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0192】
尚、電力設備監視装置20Eにおいて、A/D変換手段23は、電流測定手段89または演算処理手段24に備えても良い。また、入/切状態表示器100内に設けられる状態表示体107は、入/切状態を視覚的に識別して表示可能であれば良く、形状は必ずしも球状、円筒状または略円筒状でなくても良い。例えば、入/切状態表示器100内に設けられる状態表示体107は、窓106から見える表示を赤色/緑色と切り替え可能なように少なくとも一方がスライド移動可能な赤色および緑色の2枚1組の盤状に形成しても良い。
【0193】
[第7の実施形態]
図14に本発明の第7の実施形態に係る電力系統監視装置20Fの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0194】
図14に示される電力系統監視装置20Fは、第1〜第6の実施形態に係る電力系統監視装置20〜20Eに対して、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を監視対象21の運転・動作状態(入/切)の切替操作を行う切替操作手段114から取得する点で異なるが、その他の点は基本的に異ならない。従って、異ならない箇所には同じ符号を付して説明を省略する。
【0195】
電力系統監視装置20Fは、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の切替操作を行う切替操作手段114から監視対象21の運転・動作状態(入/切)を検出し取得する入/切状態検出手段116と、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を判別する入/切状態判別手段117と、入/切状態判別手段117から出力される入/切状態判別信号(デジタル信号)を入力して演算処理する演算処理手段24とを具備する。
【0196】
切替操作手段114は、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を切替操作する操作器119と、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する入/切状態表示部120とを備える。切替操作手段114が備える操作器119は監視対象21と機械的または電気的に接続される。また、切替操作手段114が備える入/切状態表示部120には、電力系統監視装置20Fが具備する入/切状態検出手段116が取り付けられる。
【0197】
図15に切替操作手段114が備える入/切状態表示部120およびその近傍の概略を示した概略図を示す。
【0198】
尚、図15に図示される入/切状態表示部120は、監視対象21が備える第1の断路器41の投入/引出し(入/切)状態を示した図を一例として示したものであり、図15に図示される第1の断路器41の運転・動作状態は、投入(入)状態を示している。
【0199】
図15によれば、入/切状態表示部120は、切替操作手段114の本体122の表面に、入/切状態の変化に伴い可動する可動盤123と、入/切状態を指示する矢印124とが設けられ、入/切状態を目視可能に構成される。可動盤123は、例えば、中心角が90°の扇形の盤であり、中心点125を支点に回転可能に本体122の表面に取り付けられる。
【0200】
本体122の表面に取り付けられた可動盤123の表面には、「入」および「切」が、可動盤123の外周側かつ弧の端部近傍に記されている。可動盤123は、監視対象21が入状態の時において、矢印124が可動盤123に記された「入」を指し、監視対象21が切状態の時には可動盤123が中心点125を支点に回転可動して矢印124が可動盤123に記された「切」を指す様に構成される。
【0201】
また、切替操作手段114の本体122に設けられる突起部127には、電力設備監視装置20Fが具備する入/切状態検出手段116が取り付けられ、可動盤123が「入」を表示する際に、可動盤123と入/切状態検出手段116とが接触する位置に固定される。
【0202】
入/切状態検出手段116は、可動盤123の可動に伴い、接したり離れたりして変位する探知部129と、探知部129を保持、固定する固定台座130とを備える接触探知式の入/切状態検出手段である。入/切状態検出手段116は、入/切状態検出手段116が備える固定台座130により、切替操作手段114の本体122に設けられる突起部127に取り付けられ、保持、固定がなされる。また、固定台座130には、例えば、永久磁石等で本体122に保持固定可能に構成され、簡便に探知部129を保持、固定することが可能となる。
【0203】
電力設備監視装置20Fでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0204】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段取り付けステップであり、具体的には、切替操作手段114の本体122の表面の突起部127に入/切状態検出手段116を取り付けて固定する作業である。入/切状態検出手段116が備える探知部129は、図15に示されるように、可動盤123が「切」の位置にある時は、可動盤123と接していないが、可動盤123が「入」の位置にある時は、可動盤123と接して可動するよう本体122に取り付け固定される。
【0205】
電力設備監視準備ステップ(入り切り状態検出手段取り付けステップ)を行うことにより、可動盤123の入/切の位置を機械的に検出して、検出結果を電力設備監視装置20Fで判別、演算処理することが可能となる。尚、切替操作手段114の本体122の表面の突起部127に入/切状態検出手段116を取り付けて固定する作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0206】
電力設備監視準備ステップが完了すると、次は、電力設備監視装置20Fで電力設備運転・動作状態取得ステップがなされる。電力設備運転・動作状態取得ステップでは、まず、監視対象21の運転・動作状態(入/切)と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の位置(入/切)を電力設備監視装置20Fが具備する入/切状態検出手段116で検出する入/切状態検出ステップがなされる。可動盤123の入/切の位置の検出は、入/切状態検出手段116が備える探知部129が可動盤123と接触しているか否かで行う。
【0207】
次に、入/切状態検出手段116で検出した可動盤123の入/切の位置を入/切状態判別手段117で判別する入/切状態判別ステップがなされる。可動盤123の入/切の位置の判別は、探知部129が可動盤123により変位した機械的変位量に応じて判別される。すなわち、入/切状態判別手段117で、機械的変位量から電気的な入/切状態判別信号(デジタル信号)が生成される。入/切状態判別手段117で可動盤123の入/切状態を判別後は、生成された入/切状態判別信号が入/切状態判別手段117から出力される。
【0208】
電力設備運転・動作状態取得ステップが完了すると、次に、電力設備運転・動作状態表示ステップがなされる。電力設備運転・動作状態表示ステップでは、まず、入/切状態判別手段117が出力した判別結果を入/切状態判別信号(デジタル信号)が演算処理手段24に入力される。演算処理手段24は、可動盤123の入/切状態の判別結果を監視対象21の運転・動作状態(入/切)とみなして、演算処理手段24が備える表示手段37に表示する。
【0209】
尚、電力設備運転・動作状態取得ステップにおいて、入/切状態判別信号(デジタル信号)が出力されるタイミングは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて制御しても良い。また、監視者が入力手段36から手動で入力操作してその都度行っても良い。但し、手動で入力操作する場合は、電力設備運転・動作状態取得ステップ(発光ステップ、光−電流変換ステップおよび電流測定ステップ)を一連の流れとして行う必要がある。
【0210】
さらに、監視プログラム38は、電力設備運転・動作状態取得ステップにおいて、入/切状態判別信号(デジタル信号)が出力されるタイミングを制御し得るように構成される代わりに、電力設備運転・動作状態表示ステップにおいて、入/切状態判別信号(デジタル信号)が入力されるタイミングを制御し得るように構成されても良い。
【0211】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Fおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123と接離して変位する入/切状態検出手段116を切替操作手段114の本体122の表面の突起部127に取り付けて固定する。
【0212】
次に、入/切状態検出手段116が備える探知部129が可動盤123と接しているか否かで可動盤123の入/切の位置を探知して、探知した可動盤123の入/切の位置情報を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として電力設備監視装置20Fに入力し演算処理して表示することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0213】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Fおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0214】
また、入/切状態検出手段116を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Fを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0215】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Fおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0216】
尚、固定台座130は、本体122が永久磁石で吸着可能な金属で構成されている場合を想定した一例として示しているが、固定台座130に両面テ−プを付着して探知部129を保持、固定するようにしても良い。また、固定台座130をクランプ等の結合手段と一体化させて設けても良い。特に、永久磁石で吸着できない金属で構成される本体122に入/切状態検出手段116を取り付ける際には、固定台座130に両面テ−プを付着したり、固定台座130をクランプ等の結合手段と一体化させて設けた入/切状態検出手段116が有効となる。
【0217】
また、入/切状態検出手段116を取り付ける位置は、図15に示される位置に限定されない。切替操作手段114の本体122の表面の突起部127の位置に応じて、入/切状態検出手段116が有効に機能し得る位置であれば差し支えない。
【0218】
[第8の実施形態]
図16に本発明の第8の実施形態に係る電力設備監視装置20Gの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0219】
図16に示される電力設備監視装置20Gは、図14に示される電力設備監視装置20Fに対して、入/切状態検出手段116を具備する代わりに接点式の入/切状態検出手段116Aを具備する点と、入/切状態検出手段116Aを取り付ける場所が図15に示される切替操作手段114の本体122の表面の突起部127ではなく、可動盤123の表面上に取り付けられるという点とが異なる以外は基本的には異ならない。従って、電力設備監視装置20Fに対して異ならない箇所には同じ符号を付して説明を省略する。
【0220】
電力設備監視装置20Gは、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を検出する入/切状態検出手段116Aと、入/切状態判別手段117と、演算処理手段24とを具備する。電力設備監視装置20Gは、電力設備監視装置20Gが具備する入/切状態検出手段116Aを監視対象21の運転・動作状態(入/切)を切替操作する切替操作手段114に取り付けることで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を取得し遠隔監視を行う。
【0221】
図17に入/切状態検出手段116Aを切替操作手段114に取り付けた状態の概略を図示した概略図を示し、図17(A)は、切替操作手段114の入/切状態表示部120が「入」の状態、図17(B)は、切替操作手段114の入/切状態表示部120が「切」の状態を図示している。
【0222】
図17に示される入/切状態検出手段116Aは、例えば、水銀リレー等の流体リレーであり、切替操作手段114における可動盤123に取り付けられる。また、可動盤123に取り付けられる入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーの内部は、一部空洞を残して、例えば、水銀等の導電性流体(以下、内部流体とする)131が封入される。
【0223】
可動盤123に取り付けられた入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーは、可動盤123が可動して「入」または「切」の位置が変化すると、流体リレー内の内部流体131が移動する。内部流体131の移動によって、流体リレーに設けられる2つの接点は、接触したり離れたりするので、電気的な開閉の切り替えが可能となる。
【0224】
図17(A)によれば、入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーは、入/切状態表示部120が「入」の場合、流体リレーに設けられた2つの接点が、内部流体131により電気的に短絡して通電する。一方、図17(B)によれば、入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーは、入/切状態表示部120が「切」の場合、流体リレーに設けられた2つの接点は電気的に開放され、通電しなくなる。従って、入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーの通電状態を検出することで可動盤123の位置が「入」または「切」のどちらの位置にあるかを検出できる。
【0225】
電力設備監視装置20Gでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0226】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段取り付けステップであり、具体的には、図17に示されるように可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーを取り付ける作業である。入/切状態検出手段116Aの取り付けは、片面テープ、両面テープ等の固着手段によりなされる。
【0227】
電力設備監視準備ステップ(入り切り状態検出手段取り付けステップ)を行うことにより、入/切状態表示部120の入/切状態を電力設備監視装置20Gで判別し演算処理することが可能となる。尚、可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーを取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0228】
電力設備監視準備ステップが完了すると、次は、電力設備監視装置20Gで電力設備運転・動作状態取得ステップがなされる。電力設備運転・動作状態取得ステップは、演算処理手段24が入/切状態判別手段117を介して入/切状態検出手段116Aへ電圧を印加して、可動盤123の入/切の位置を検出する入/切状態検出ステップと、入/切状態検出手段116Aを通電する電流の有無を入/切状態判別手段117で検出し、入/切状態判別信号(デジタル信号)を出力する入/切状態判別ステップとを備える。
【0229】
電力設備運転・動作状態取得ステップでは、まず、入/切状態検出ステップがなされる。入/切状態検出ステップは、監視対象21の運転・動作状態(入/切)と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の位置(入/切)を電力設備監視装置20Gが具備する入/切状態検出手段116Aで監視対象21の入/切状態を検出するステップである。可動盤123の入/切の位置の検出は、入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーの接点が流体リレー内の内部流体131によって短絡または開放されているかを検出することでなされる。
【0230】
入/切状態検出ステップが完了すると次に、入/切状態判別ステップがなされる。入/切状態判別ステップでは、入/切状態検出手段116Aで検出した可動盤123の入/切の位置が入/切状態判別手段117で判別される。入/切状態判別手段117は、入/切状態検出手段116Aを電流が通電しているか否かを判別し、可動盤123の入/切の位置を判別する。そして、入/切状態判別手段117は、可動盤123の入/切の位置を判別結果に応じて、入/切状態判別信号(デジタル信号)が生成される。入/切状態判別手段117で可動盤123の入/切状態を判別後は、生成された入/切状態判別信号が入/切状態判別手段117から出力される。
【0231】
電力設備運転・動作状態取得ステップが完了すると、次に、電力設備運転・動作状態表示ステップがなされる。電力設備運転・動作状態表示ステップでは、まず、入/切状態判別手段117が出力した判別結果を入/切状態判別信号(デジタル信号)が演算処理手段24に入力される。演算処理手段24は、可動盤123の入/切状態の判別結果を監視対象21の運転・動作状態(入/切)とみなして、演算処理手段24が備える表示手段37に表示する。
【0232】
尚、電力設備運転・動作状態取得ステップを開始するタイミングは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて制御しても良いし、監視者が入力手段36から手動で入力操作してその都度行っても良い。
【0233】
また、監視プログラム38によって電力設備運転・動作状態取得ステップを実行する場合において、予め設定するスケジュールは、監視者の都合に応じて任意に設定可能である。例えば、所定間隔毎等の間欠的ではなく連続的に設定しても良いし、所定間隔毎等の周期的ではなく、非周期的に設定しても良い。
【0234】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Gおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116Aを取り付けて固定する。
【0235】
次に、入/切状態検出手段116Aとしての流体リレーが、可動盤123の入/切の位置を検知して、検知した結果を電力設備監視装置20Gに入力する。そして、電力設備監視装置20Gが可動盤123の入/切の位置情報を監視対象21の運転・動作状態(入/切)として判別し演算処理して表示することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0236】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Gおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0237】
また、入/切状態検出手段116Aを取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Gを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0238】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Gおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0239】
尚、入/切状態検出手段116Aを可動盤123に取り付ける固着手段は、片面テープ、両面テープを一例として例示したが、テープ類に限定されない。接着剤で可動盤123に貼り付けても良いし、可動盤123の一部に穴を設けて、スクリュー止めをしても良いし、溶接等で取り付けても良い。つまり、固着手段は、入/切状態表示部120の可動盤123および入/切状態検出手段116Aが動作し得るように取り付けて固定可能な全ての手段を包含する。
【0240】
[第9の実施形態]
図18に本発明の第9の実施形態に係る電力設備監視装置20Hの一例を監視対象21に適用する際における接続状態の概略を示した概略図を示す。
【0241】
図18に示される電力設備監視装置20Hは、図14に示される電力設備監視装置20Fに対して、入/切状態検出手段116を具備する代わりに磁気探知式の入/切状態検出手段116Bを具備する点と、入/切状態検出手段116Bを取り付ける場所とが異なる以外は基本的には異ならない。従って、電力設備監視装置20Fに対して異ならない箇所には同じ符号を付して説明を省略する。
【0242】
電力設備監視装置20Hは、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を検出する入/切状態検出手段116Bと、入/切状態判別手段117と、演算処理手段24とを具備する。電力設備監視装置20Hは、電力設備監視装置20Hが具備する入/切状態検出手段116Bを監視対象21の運転・動作状態(入/切)を切替操作する切替操作手段114に取り付けることで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)を取得し遠隔監視を行う。
【0243】
図19に入/切状態検出手段116Bを切替操作手段114の入/切状態表示部120が備える可動盤123に取り付けた状態を説明する概略図を示す。
【0244】
入/切状態検出手段116Bは、例えば、永久磁石等の磁力を発する磁気発生部132と、例えば、ホール素子等で構成され、磁気の動きを検出して起電力を生じる磁気−電気変換部133とを備える。磁気発生部132は、可動盤123の表面上に少なくとも1個以上取り付けられる。磁気発生部132の取付位置は、可動盤123の半径方向に対しては外径側にある弧の近傍であり、弧に沿う方向(周方向)は、「入」または「切」の表示を妨げない任意の箇所に取り付けられる。
【0245】
磁気−電気変換部133は、磁気発生部132と同数個取り付けられる。磁気−電気変換部133の取付位置は、可動盤123の半径方向に対しては切替操作手段114の本体122の表面上であり、かつ、可動盤123の弧の外径側近傍である。また、可動盤123の弧に沿う方向(周方向)は、磁気発生部132と略同じである。すなわち、磁気−電気変換部133は、本体122の表面上において、回転可動の中心点125と磁気発生部132とを結ぶ略直線上に取り付けられる。
【0246】
電力設備監視装置20Hでなされる電力設備(監視対象)21の監視方法について説明する。
【0247】
まず、監視対象21を遠隔で監視する準備作業として電力設備監視準備ステップを行う。電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段取り付けステップであり、図19に示されるように可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116Bが備える磁気発生部132および磁気−電気変換部133を取り付ける作業である。入/切状態検出手段116Bの取り付けは、片面テープ、両面テープ等の固着手段によりなされる。
【0248】
電力設備監視準備ステップ(入り切り状態検出手段取り付けステップ)を行うことにより、入/切状態表示部120の入/切状態を電力設備監視装置20Hで判別し演算処理することが可能となる。尚、状態検出手段116Bを取り付ける作業、すなわち、可動盤123の表面上に磁気発生部132を取り付ける作業および切替操作手段114の本体122の表面上に磁気−電気変換部133を取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく実施できる。
【0249】
電力設備監視準備ステップが完了すると、次は、電力設備監視装置20Hで電力設備運転・動作状態取得ステップがなされる。電力設備運転・動作状態取得ステップは、演算処理手段24が入/切状態判別手段117を動作させて、入/切状態判別手段117で可動盤123の入/切の位置を検出する入/切状態検出ステップと、入/切状態検出手段116Bを通電する電流の有無を入/切状態判別手段117で検出し、入/切状態判別信号(デジタル信号)を出力する入/切状態判別ステップとを備える。
【0250】
電力設備運転・動作状態取得ステップでは、まず、入/切状態検出ステップがなされる。入/切状態検出ステップは、監視対象21の運転・動作状態(入/切)と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の位置(入/切)を電力設備監視装置20Hが具備する入/切状態検出手段116Bで監視対象21の入/切状態を検出するステップである。
【0251】
可動盤123の入/切の位置の検出は、入/切状態検出手段116Bが備える磁気発生部132の位置を磁気−電気変換部133で検出することでなされる。磁気−電気変換部133は、磁気発生部132の発する磁気を磁気−電気変換して、例えば、電圧信号、電流信号等の電気信号として出力する性質を有する。
【0252】
磁気−電気変換部133で出力される電気信号のレベルは、検出する磁気の強さによって変化するので、出力される電気信号から、例えば、電圧値および電圧値の変化を測定することで、可動盤123の入/切の位置の検出が可能となる。尚、磁気−電気変換部133では、変換され出力される電気信号から電圧値および電圧値の変化を測定することで、可動盤123の入/切の位置を検出しているが、抵抗素子等を介して電流値および電流の変化を測定しても良い。
【0253】
また、磁気発生部132の取付個数が複数個の場合は、磁気−電気変換部133で変換された電気信号から測定した電圧値または電圧値の変化のうち一方を検出すれば、可動盤123の入/切の位置の検出が可能となる。もちろん、電気信号から電流値または電流値の変化を測定した場合についても同様である。
【0254】
入/切状態検出ステップが完了すると次に、入/切状態判別ステップがなされる。入/切状態判別ステップでは、入/切状態検出手段116Bで検出した可動盤123の入/切の位置が入/切状態判別手段117で判別される。入/切状態判別手段117は、磁気−電気変換部133で変換された電圧に対しあるしきい値よりも上か下かを判別し、可動盤123の入/切の位置を判別する。
【0255】
入/切状態判別手段117は、可動盤123の入/切の位置を判別結果に応じて、入/切状態判別信号(デジタル信号)が生成される。入/切状態判別手段117で可動盤123の入/切状態を判別後は、生成された入/切状態判別信号が入/切状態判別手段117から出力される。
【0256】
電力設備運転・動作状態取得ステップが完了すると、次に、電力設備運転・動作状態表示ステップがなされる。電力設備運転・動作状態表示ステップでは、まず、入/切状態判別手段117が出力した判別結果を入/切状態判別信号(デジタル信号)が演算処理手段24に入力される。演算処理手段24は、可動盤123の入/切状態の判別結果を監視対象21の運転・動作状態(入/切)とみなして、演算処理手段24が備える表示手段37に表示する。
【0257】
尚、電力設備運転・動作状態取得ステップを開始するタイミングは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて制御しても良いし、監視者が入力手段36から手動で入力操作してその都度行っても良い。
【0258】
また、監視プログラム38によって電力設備運転・動作状態取得ステップを実行する場合において、予め設定するスケジュールは、監視者の都合に応じて任意に設定可能である。例えば、所定間隔毎等の間欠的ではなく連続的に設定しても良いし、所定間隔毎等の周期的ではなく、非周期的に設定しても良い。
【0259】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Hおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116Bが備える磁気発生部132を、切替操作手段114の本体122の表面上に入/切状態検出手段116Bが備える磁気−電気変換部133を取り付けて固定する。
【0260】
次に、入/切状態検出手段116Bに備えられる磁気−電気変換部133が、可動盤123の表面上に取り付けられた磁気発生部132から発する磁気を電気に変換することで生じる電気信号を電力設備監視装置20Hに入力する。そして、入力された電気信号から電力設備監視装置20Hが可動盤123の入/切の位置情報を判別し、判別した可動盤123の入/切の位置情報を監視対象21の運転・動作状態(入/切)とみなして演算処理して表示することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0261】
従って、監視対象21となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Hおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0262】
また、入/切状態検出手段116Bを取り付ける作業は、監視対象21となる電力設備を停電することなく電力設備監視装置20Hを設置することができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0263】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Hおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0264】
尚、磁気−電気変換部133の取付位置は、可動盤123の半径方向に対しては切替操作手段114の本体122の表面上であり、かつ、可動盤123の弧の外径側近傍であり、可動盤123の弧に沿う方向(周方向)に対しては、磁気発生部132と略同じであると説明したが、磁気−電気変換部133の取付位置は一例である。つまり、磁気−電気変換部133の取付位置は、説明した取付位置に限定されない。
【0265】
図20および図21は、図19に示される磁気−電気変換部133の取付位置とは異なる位置に磁気−電気変換部133を取り付けた場合の一例を説明する概略図である。
【0266】
図20および図21において、図20(A)および図21(A)は磁気−電気変換部133を取り付ける入/切状態表示部120の正面図、図20(B)は図20(A)におけるII−II線に沿う方向の側面図、図21(B)は図21(A)におけるIII−III線に沿う方向の側面図である。
【0267】
図19に示される磁気−電気変換部133の取付位置以外の磁気−電気変換部133の取付位置としては、例えば、図20(A)および図20(B)に示されるように、可動盤123を挟み込むようにして可動盤123の表面上に取り付け固定された磁気発生部132と磁気−電気変換部133とを対向させて切替操作手段114の本体122の表面上に取り付けても良い。
【0268】
また、図21(A)および図21(B)に示されるように、切替操作手段114の本体122の表面上に可動盤123の弧に沿うL字状アングル135を可動盤123の外径側、かつ、本体122の表面上に設けて、L字状アングル135と本体122との間を可動盤123の外周部が配置され可動し得るように構成し、L字状アングル135の表面上に磁気発生部132と対向させて配置しても良い。
【0269】
[第10の実施形態]
図22に本発明の第10の実施形態に係る電力設備監視装置20Iおよびその監視方法を適用した一例の電気的な接続状態を示した説明図を示す。
【0270】
図22に示される電力設備監視装置20Iの構成は、図1に示される電力設備監視装置20と同様に電圧測定手段22と、A/D変換手段23と、演算処理手段24とを具備するが、監視対象21の代わりに監視対象21Aを監視する点で図1に示される電力設備監視装置20とは異なる点以外は基本的に異ならない。従って、図1に示される電力設備監視装置20と基本的に異ならない箇所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0271】
図22に示される電力設備監視装置20Iは、電力設備監視装置20Iで監視を行う電力設備(以下、監視対象とする)21Aが備える3つの電力設備、すなわち、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43の後段の位置で電圧測定を行う電圧測定手段22と、A/D変換手段23と、演算処理手段24とを具備する。そして、電圧測定手段22は、コネクタ30を用いて監視対象21Aと電気的に接続される。
【0272】
電力設備監視装置20Iで監視を行う監視対象21Aは、単一の電源137と、入り切りを行う開閉機器としての第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43と、電力負荷設備138と、計器用変成器としての計器用変圧器(Voltage Transformer:VT)140とを備える。
【0273】
電源137と電力負荷設備138との間においては、電源137側から第1の断路器41と、遮断器43と、第2の断路器42とが電気的に直列接続され、第1の断路器41と遮断器43との間、遮断器43と第2の断路器42との間および第2の断路器42と電力負荷設備138との間にそれぞれ計器用変圧器140が設けられる。
【0274】
監視対象21Aは、第1の断路器41、遮断器43および第2の断路器42のいずれかが引出し状態(切)となると、引出し状態(切)となった断路器または遮断器の電力負荷設備138側に電気が供給されない状態となるような電力設備である。すなわち、監視対象21Aは、遮断器、断路器等の開閉機器を備え、この開閉機器の入り切り状態によってのみで、監視対象21Aが備える各々の開閉機器以降の電力供給有無が決定できる電力設備である。
【0275】
監視対象21Aの様な電力設備では、第1の断路器41および遮断器43間における線間電圧と、遮断器43および第2の断路器42間の線間電圧と、第2の断路器42および電力負荷設備138間の線間電圧とを調べることで、第1の断路器41、遮断器43および第2の断路器42の投入/引出し状態(入/切)を知ることができる。従って、電力設備監視装置20Iでは、信頼性を確保しながら、電圧を測定する箇所を3箇所とすることができ、電力設備監視装置20の場合の6箇所と比較して半分とすることができる。
【0276】
また、監視対象21Aと電圧測定手段22との電気的な接続は、他のコネクタ30が備える取付手段82を計器用変圧器140の2次側端子(図示せず)に取り付けることで行う。電圧測定手段22は、計器用変圧器140で測定可能な電圧まで変圧した変圧後の電圧を取得して測定することが可能となる。
【0277】
尚、図22に示される電力設備監視装置20Iは、電圧測定手段22を1つ具備しているが、測定チャンネル数が3チャンネル未満の場合は、測定可能な測定チャンネル数を確保するため、電圧測定手段22を2つまたは3つ具備する形態を採っても良い。
【0278】
電力設備監視装置20Iでなされる電力設備(監視対象)21Aの監視方法について説明する。
【0279】
まず、図22に示される監視対象21A、すなわち、第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43を備える電力設備を遠隔で監視する準備作業として、電力設備監視準備ステップを行う。
【0280】
電力設備監視準備ステップは、図22に示される監視対象21Aに備えられる第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43において、第1の断路器41および遮断器43の間と、遮断器43および第2の断路器42間と、第2の断路器42および電力負荷設備138間とにコネクタ30を取り付けて、電圧測定手段22と電気的に接続するステップである。
【0281】
電力設備監視準備ステップが完了したら次は、コネクタ30を接続した箇所において電圧測定手段22で電圧を測定し、電圧の有無を検出する電力設備運転・動作状態取得ステップとしての電圧測定ステップを行う。電圧測定ステップは、まず、電圧測定手段22が接続される2点間の電圧を測定して、入/切状態判別基本情報を取得する。次に、入/切状態判別基本情報として取得した電圧をアナログ電圧信号としてA/D変換手段23へ伝送する。
【0282】
尚、電圧測定ステップは、監視プログラム38によって予め設定したスケジュール(例えば、所定間隔)に応じて電圧を測定して取得する用にしても良いし、監視者が手動で入力操作してその都度行っても良い。また、電圧を測定しアナログ電圧信号をA/D変換手段23へ伝送するタイミングは、監視者が欲しいタイミングでアナログ電圧信号を取得できれば、どのようなタイミングでも良い。
【0283】
電圧測定ステップに続いては、伝送された入/切状態判別基本情報としての電圧信号をA/D変換手段23でA/D変換したデジタル電圧信号に基づいて演算処理し、監視対象21Aの運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する入/切表示ステップを行う。
【0284】
入/切表示ステップは、電圧測定手段22で取得されA/D変換手段23に伝送されたアナログ電圧信号をA/D変換手段23でA/D変換するA/D変換処理ステップと、演算処理手段24に入力されるデジタル電圧信号に基づいてプロセッサ33が演算処理して監視対象21Aの運転・動作状態(入/切)を表示手段37に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを備える。
【0285】
入/切表示ステップでは、まず、A/D変換手段23でA/D変換処理ステップが行われ、A/D変換手段23に入力されたアナログ電圧信号をA/D変換し、出力する。次に、演算処理手段24で電力設備運転・動作状態表示ステップが行われ、プロセッサ33が監視プログラム38を実行して、演算処理手段24に入力されるA/D変換後のデジタル電圧信号を演算処理し、表示手段37に監視対象21の運転・動作状態(入/切)を表示する。
【0286】
本実施形態に係る電力設備監視装置20Iおよびその監視方法によれば、監視対象21Aと電力設備監視装置20Iとを電気的に接続する電力設備監視準備作業としての電力設備監視準備作業ステップを行い、電圧測定手段22で検出した電圧を監視対象21Aが備える第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43の運転・動作状態(入/切)を示す入/切状態判別基本情報として電力設備監視装置20Iに入力し演算処理することで、監視対象21Aの運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0287】
従って、監視対象21Aを改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20Iおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0288】
また、監視対象21Aが備える計器用変圧器140にコネクタ30を取り付ける作業は、監視対象21Aを停電することなく行うことができる。さらに、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0289】
さらにまた、本実施形態に係る電力設備監視装置20Iおよびその監視方法によれば、導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0290】
以上、説明したように電力設備監視装置20およびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29にコネクタ30を介して電力設備監視装置20と電気的に接続する作業を行い、コネクタ30を介して取得した電圧を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として電力設備監視装置20に入力し演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0291】
また、電力設備監視装置20Aおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29に計器用変流器92を取り付け、取り付けた計器用変流器92で検出した電流を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す入/切状態判別基本情報として電力設備監視装置20Aに入力し演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0292】
さらに、電力設備監視装置20Bおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29の各表示灯59,60,61の点灯面に光−電流変換手段96を取り付け、取り付けた光−電流変換手段96からの電流を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として電力設備監視装置20Bに入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0293】
さらにまた、電力設備監視装置20Cおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29の各表示灯59,60,61の点灯面に熱−電流変換手段97を取り付け、取り付けた熱−電流変換手段97からの電流を監視対象21の運転・動作状態を示す信号(入/切)として電力設備監視装置20Cに入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0294】
一方、電力設備監視装置20Dおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部27と表示灯28とを備える表示灯回路29と電力設備監視装置20Dが具備する抵抗値算出情報取得手段98とを電気的に接続して、電力設備監視準備ステップ後、抵抗値算出情報取得手段98でアナログ電圧信号およびアナログ電流信号を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として出力し、A/D変換手段23および演算処理手段24に入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0295】
また、電力設備監視装置20Eおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して状態表示が切り替わる入/切状態表示器100の窓106の表面にコネクタ30Aの光−電流変換手段96と発光制御手段101の発光部103とを取り付け、取り付けた発光部103を発光させて、入/切状態表示器100の内部にある状態表示体107で反射した光を光−電流変換手段96で受光する。そして、光−電流変換手段96で光−電流変換して生じた電流を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す入/切状態判別基本情報として電力設備監視装置20Eに入力して演算処理することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0296】
さらに、電力設備監視装置20Fおよびその監視方法によれば、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123と接離して変位する入/切状態検出手段116を切替操作手段114の本体122の表面の突起部127に取り付けて固定し、入/切状態検出手段116が備える探知部129が可動盤123と接しているか否かで可動盤123の入/切の位置を探知して、探知した可動盤123の入/切の位置情報を監視対象21の運転・動作状態(入/切)を示す信号として電力設備監視装置20Fに入力し演算処理して表示することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0297】
さらにまた、電力設備監視装置20Gおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116A(流体リレー)を取り付けて固定し、入/切状態検出手段116Aが、可動盤123の入/切の位置を検知して、検知した結果を電力設備監視装置20Gに入力する。そして、電力設備監視装置20Gが可動盤123の入/切の位置情報を監視対象21の運転・動作状態(入/切)として判別し演算処理して表示することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0298】
他方、電力設備監視装置20Hおよびその監視方法によれば、まず、監視対象21の運転・動作状態の切替と連動して可動する入/切状態表示部120の可動盤123の表面上に入/切状態検出手段116Bが備える磁気発生部132を、切替操作手段114の本体122の表面上に入/切状態検出手段116Bが備える磁気−電気変換部133を取り付けて固定する。
【0299】
次に、入/切状態検出手段116Bに備えられる磁気−電気変換部133が、可動盤123の表面上に取り付けられた磁気発生部132から発する磁気を電気に変換することで生じる電気信号を電力設備監視装置20Hに入力する。そして、入力された電圧から電力設備監視装置20Hが可動盤123の入/切の位置情報を判別し、判別した可動盤123の入/切の位置情報を監視対象21の運転・動作状態(入/切)とみなして演算処理して表示することで、監視対象21の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0300】
また、電力設備監視装置20Iおよびその監視方法によれば、監視対象21Aと電力設備監視装置20Iとを電気的に接続する電力設備監視準備作業としての電力設備監視準備作業ステップを行い、電圧測定手段22で取得した電圧を監視対象21Aが備える第1の断路器41、第2の断路器42および遮断器43の運転・動作状態(入/切)を示す入/切状態判別基本情報として電力設備監視装置20Iに入力し演算処理することで、監視対象21Aの運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0301】
従って、監視対象21,21Aを改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事が不要となり、電力設備監視装置20〜20Iおよびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0302】
また、監視対象21に電圧測定手段22、電流測定手段89、抵抗値算出情報取得手段98、電流測定手段89と発光制御手段101および入/切状態検出手段116,116A,116Bを取り付ける作業は、監視対象21を停電することなく実施でき、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0303】
さらに、監視対象21Aについても監視対象21と同様で監視対象21Aに備えられる断路器、遮断器等の入/切を行う電力設備の後段の位置に電圧測定手段22を測定可能に取り付ける作業についても、監視対象21Aを停電することなく実施でき、高圧工事が不要となることから設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【0304】
さらにまた、電力設備監視装置20〜20Iおよびその監視方法を導入する際の費用が大幅に低減されることから、電力設備監視の自動化、省力化のためにIT化を促進する費用的余裕が生まれ、IT化促進の効果が派生的に期待できる。
【0305】
尚、上述した電力設備監視装置20〜20Iおよびその監視方法では、監視対象21,21Aを、例えば、断路器および遮断器等の電力設備としたが、監視対象は電力設備に限定されない。機器の運転・動作状態等のように入/切の2つの状態を有する機器であり、現在の運転・動作状態(入/切)を表示可能に構成された全ての機器に対して適用が可能である。
【0306】
また、電圧測定手段22の測定チャンネル数は複数個としたが、測定チャンネル数は1個でも構わない。この場合は、電圧測定手段22を複数個具備する構成とすれば良い。
【0307】
さらに、アナログ電圧信号等のアナログ信号をA/D変換手段23へ伝送するタイミングは、監視者が欲しい時点で取得可能であればどのようなタイミングでも構わない。すなわち、伝送するタイミングは、連続的でも間欠的でも良く、間欠的な場合においては、周期的か非周期的かを問わない。
【0308】
【発明の効果】
本発明に係る電力設備監視装置によれば、監視対象の運転・動作状態の切替と連動して動作する接点部を備える表示灯回路または監視対象の運転・動作状態の切替と連動する入/切状態表示部に取り付け、監視対象の運転・動作状態(入/切)を示す信号を取得して演算処理することで、監視対象の運転・動作状態(入/切)の遠隔監視が可能となる。
【0309】
また、電力設備監視装置と監視対象との接続は、簡便に実施でき、監視対象となる電気設備を改造する工事または新規電力設備に取り替えに伴う設備撤去および新設工事を必要としないので、電力設備監視装置およびその監視方法を導入する際の費用を大幅に低減できる。
【0310】
さらに、監視対象となる電力設備を停電させることなく電力設備監視装置を監視対象と接続することができるため、高圧工事が不要となり、設置工事を行う際の作業員の安全性を従来よりもさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図2】監視対象および接点部の一例であり、監視対象と接点部との関係を説明する説明図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電力設備監視装置の一例を適用した監視対象の運転・動作状態(入/切)を表示する監視盤の概略図。
【図4】図1に示される接点部と表示灯とを電気的に接続して構成される表示灯回路の回路図。
【図5】図3に図示される監視盤のI−I線に沿う側面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る電力設備監視装置およびその監視方法を適用した場合における監視盤の側面図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る電力設備監視装置およびその監視方法を適用した場合における監視盤の側面図。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図13】監視盤の入/切状態表示器の窓の内部に設けられた状態表示体の一例を説明する斜視図。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る電力設備監視装置により監視する監視対象の運転・動作状態(入/切)を切り替える切替操作手段に備えられる入/切状態表示部およびその近傍の概略を示した概略図。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図17】本発明の第8の実施形態に係る電力設備監視装置が具備する入/切状態検出手段を切替操作手段に取り付けた状態の一例を説明する概略図であり、(A)は監視対象が「切」の状態を示し、(B)は監視対象が「入」の状態を示した概略図。
【図18】本発明の第9の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図19】本発明の第9の実施形態に係る電力設備監視装置が具備する入/切状態検出手段を切替操作手段に取り付けた状態の一例を説明する概略図。
【図20】図19に示される入/切状態検出手段の取り付け状態とは異なる一例を説明する概略図であり、(A)は磁気−電気変換部を取り付けた入/切状態表示部の正面図、(B)は(A)におけるII−II線に沿う方向の側面図。
【図21】図19および図20に示される入/切状態検出手段の取り付け状態とは異なる一例を説明する概略図であり、(A)は磁気−電気変換部を取り付けた入/切状態表示部の正面図、(B)は(A)におけるIII−III線に沿う方向の側面図。
【図22】本発明の第10の実施形態に係る電力設備監視装置の一例を監視対象に適用する際における接続状態の概略を示した概略図。
【図23】従来の電力設備監視装置の一例として、開閉機器の開閉状態を監視する電力設備監視装置のブロック構成図。
【符号の説明】
20 電力設備監視装置
21,21A 監視対象
22 電圧測定手段(入/切状態判別情報取得手段)
23 A/D変換手段
24 演算処理手段
27 接点部
28 表示灯(表示部)
29 表示灯回路
30,30A,30B,30C コネクタ
31 I/F部(インターフェース)
32 記録手段
33 プロセッサ
35 メモリ
36 入力手段
37 表示手段
38 監視プログラム
41 第1の断路器(Disconnecting Switch 1:DS1)
42 第2の断路器(Disconnecting Switch 2:DS2)
43 遮断器(Circuit Breaker:CB)
45 DS1接点
46 DS2接点
47 CB接点
49 DS1メイク接点
50 DS1ブレイク接点
51 DS2メイク接点
52 DS2ブレイク接点
53 CBメイク接点
54 CBブレイク接点
57 電力系統用監視盤
59 DS1表示灯
60 DS2表示灯
61 CB表示灯
63 DS1緑灯
64 DS1赤灯
65 DS2緑灯
66 DS2赤灯
67 CB緑灯
68 CB赤灯
70 DS1系統
71 DS2系統
72 CB系統
73 正極側電源ライン
74 負極側電源ライン
75 表示灯ライン
75G 表示灯ライン(緑灯側)
75R 表示灯ライン(赤灯側)
77 DS1表示灯端子部
77R DS1赤灯端子部
78 DS2表示灯端子部
78R DS2赤灯端子部
79 CB表示灯端子部
79R CB赤灯端子部
82 取付手段
83 コネクト導体
85 作用部
86 把持部
89 電流測定手段(入/切状態判別情報取得手段)
92 電流変流器(Current Transformer:CT)
96 光−電流変換手段(入/切状態判別情報取得手段)
97 熱−電流変換手段(入/切状態判別情報取得手段)
98 抵抗値算出情報取得手段(入/切状態判別情報取得手段)
100 入/切状態表示器
101 発光制御手段
103 発光部
104 発光制御部
106 窓
107 状態表示体
108 回転軸
109 境界線
111 赤色エリア
112 緑色エリア
114 切替操作手段
116,116A,116B 入/切状態検出手段
117 入/切状態判別手段
119 操作器
120 入/切状態表示部
122 (切替操作手段の)本体
123 可動盤
124 矢印
125 中心点
127 突起部
129 探知部
130 固定台座
131 内部流体(導電性流体)
132 磁気発生部
133 磁気−電気変換部
135 L字アングル
137 電源
138 電力負荷設備
140 計器用変圧器(Voltage Transformer:VT)

Claims (6)

  1. 電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切りの切替操作を行う切替操作手段から前記電力設備の入り切り状態を検出する入り切り状態検出手段と、
    この入り切り状態検出手段で検出した前記電力設備の入り切り状態に基づき入り切り状態判別信号を出力する入り切り状態判別手段と、
    この入り切り状態判別手段から出力された入り切り状態判別信号を演算処理して前記電力設備の入り切り状態を表示する演算処理手段とを具備し、
    前記切替操作手段は、前記電力設備の入り切りの切替操作を行う操作器と、前記電力設備の入り切りの切替操作に伴い可動盤が可動して前記電力設備の入り切り状態を表示する入り切り状態表示部とを備え、
    前記入り切り状態検出手段は、前記可動盤の位置を接触するか否かで探知する探知部と、この探知部を固定して保持する固定台座とを備え、前記探知部が前記電力設備の入り切りの切替に伴う前記可動盤の可動に応じて前記可動盤と接離するように前記切替操作手段の本体に取り付け固定されることを特徴とする電力設備監視装置。
  2. 電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切りの切替操作を行う切替操作手段から前記電力設備の入り切り状態を検出する入り切り状態検出手段と、
    この入り切り状態検出手段で検出した前記電力設備の入り切り状態に基づき入り切り状態判別信号を出力する入り切り状態判別手段と、
    この入り切り状態判別手段から出力された入り切り状態判別信号を演算処理して前記電力設備の入り切り状態を表示する演算処理手段とを具備し、
    前記切替操作手段は、前記電力設備の入り切りの切替操作を行う操作器と、前記電力設備の入り切りの切替操作に伴い可動盤が可動して前記電力設備の入り切り状態を表示する入り切り状態表示部とを備え、
    前記入り切り状態検出手段は、流体リレーであり、この流体リレーは、前記可動盤面上に取り付け固定され、前記電力設備の入り切りの切替に伴う前記可動盤の可動に応じて前記流体リレーに設けられた2つの接点の導通状態の変化を検出することで、前記電力設備の入り切り状態を検出することを特徴とする電力設備監視装置。
  3. 電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切りの切替操作を行う切替操作手段から前記電力設備の入り切り状態を検出する入り切り状態検出手段と、
    この入り切り状態検出手段で検出した前記電力設備の入り切り状態に基づき入り切り状態判別信号を出力する入り切り状態判別手段と、
    この入り切り状態判別手段から出力された入り切り状態判別信号を演算処理して前記電力設備の入り切り状態を表示する演算処理手段とを具備し、
    前記切替操作手段は、前記電力設備の入り切りの切替操作を行う操作器と、前記電力設備の入り切りの切替操作に伴い可動盤が可動して前記電力設備の入り切り状態を表示する入り切り状態表示部とを備え、
    前記入り切り状態検出手段は、磁気を発する磁気発生部と、この磁気発生部から発せられる磁気を検出して磁気−電気変換をする磁気−電気変換部とを備え、前記磁気発生部は前記可動盤面上に、前記磁気−電気変換部は前記磁気発生部が発する磁気を検出可能な位置に取り付け固定して、前記電力設備の入り切りの切替に伴う前記可動盤の可動に応じて前記磁気−電気変換部で変換される電圧値の違いを検出することで、前記電力設備の入り切り状態を検出することを特徴とする電力設備監視装置。
  4. 電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切り状態を遠隔監視するため、前記電力設備の入り切り状態を取得可能な入り切り状態判別情報取得手段と前記電力設備とを接続する電力設備監視準備ステップと、
    前記入り切り状態判別情報取得手段で前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップと、
    この電力設備運転・動作状態取得ステップで取得した前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を演算処理手段で演算処理して表示手段に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを具備し、
    前記電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段を前記電力設備の切替操作手段に取り付ける入り切り状態検出手段取り付けステップであり、
    前記電力設備運転・動作状態取得ステップは、前記電力設備の入り切り状態を入り切り状態検出手段で検出する入り切り状態検出ステップと、この入り切り状態検出ステップで検出した前記電力設備の入り切り状態が入か切かを判別する入り切り状態判別ステップとを備え、
    前記入り切り状態検出手段取り付けステップは、前記切替操作手段に備えられる入り切り状態表示部の可動盤の可動に応じて、前記可動盤と前記入り切り状態検出手段が備える探知部とが接離するように、前記切替操作手段の面上に前記入り切り状態検出手段が備える固定台座を取り付け固定するステップであり、
    前記入り切り状態検出ステップは、前記入り切り状態検出手段で前記可動盤と前記探知部とが接触しているか否かの接触状態を検出するステップであり、
    前記入り切り状態判別ステップは、前記入り切り状態検出ステップで検出した前記可動盤と前記探知部との接触状態を判別することで、前記電力設備の入り切り状態が入りか切りかを判別するステップであることを特徴とする電力設備監視方法。
  5. 電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切り状態を遠隔監視するため、前記電力設備の入り切り状態を取得可能な入り切り状態判別情報取得手段と前記電力設備とを接続する電力設備監視準備ステップと、
    前記入り切り状態判別情報取得手段で前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップと、
    この電力設備運転・動作状態取得ステップで取得した前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を演算処理手段で演算処理して表示手段に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを具備し、
    前記電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段を前記電力設備の切替操作手段に取り付ける入り切り状態検出手段取り付けステップであり、
    前記電力設備運転・動作状態取得ステップは、前記電力設備の入り切り状態を入り切り状態検出手段で検出する入り切り状態検出ステップと、この入り切り状態検出ステップで検出した前記電力設備の入り切り状態が入か切かを判別する入り切り状態判別ステップとを備え、
    前記入り切り状態検出手段取り付けステップは、流体リレーを前記切替操作手段に備えられる入り切り状態表示部の可動盤の可動に応じて前記流体リレーに設けられる2つの接点間の導通状態が切り替わるように前記可動盤の面上に取り付け固定するステップであり、
    前記入り切り状態検出ステップは、前記入り切り状態検出手段で前記可動盤と前記探知部とが接触しているか否かの接触状態を検出するステップであり、
    前記入り切り状態判別ステップは、前記入り切り状態検出ステップで検出した前記可動盤と前記探知部との接触状態を判別することで、前記電力設備の入り切り状態が入りか切りかを判別するステップであることを特徴とする電力設備監視方法。
  6. 電気供給の入り切りを行う電力設備の入り切り状態を遠隔監視するため、前記電力設備の入り切り状態を取得可能な入り切り状態判別情報取得手段と前記電力設備とを接続する電力設備監視準備ステップと、
    前記入り切り状態判別情報取得手段で前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を取得する電力設備運転・動作状態取得ステップと、
    この電力設備運転・動作状態取得ステップで取得した前記電力設備の入り切り状態判別基本情報を演算処理手段で演算処理して表示手段に表示する電力設備運転・動作状態表示ステップとを具備し、
    前記電力設備監視準備ステップは、入り切り状態検出手段を前記電力設備の切替操作手段に取り付ける入り切り状態検出手段取り付けステップであり、
    前記電力設備運転・動作状態取得ステップは、前記電力設備の入り切り状態を入り切り状態検出手段で検出する入り切り状態検出ステップと、この入り切り状態検出ステップで検出した前記電力設備の入り切り状態が入か切かを判別する入り切り状態判別ステップとを備え、
    前記入り切り状態検出手段取り付けステップは、前記入り切り状態検出手段が備える磁気発生部を前記切替操作手段に備えられる入り切り状態表示部の可動盤の面上に、
    前記入り切り状態検出手段が備える磁気−電気変換部を前記磁気発生部が発する磁気を検出可能な位置に取り付け固定するステップであり、
    前記入り切り状態検出ステップは、前記磁気発生部が発する磁力を前記磁気−電気変換部で検出し磁気−電気変換して生成される電気信号に基づいて前記可動盤の表示が入りか切りかを検出するステップであり、
    前記入り切り状態判別ステップは、前記入り切り状態検出ステップで検出した前記可動盤の表示が入りか切りかを判別することで、前記電力設備の入り切り状態が入りか切りかを判別するステップであることを特徴とする電力設備監視方法。
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